JP3939982B2 - 鉄骨柱脚構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物などに用いられる鉄骨柱脚構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
鉄骨構造の建物などにおける柱脚形式として、図5に示すように、角形鋼管などによる鉄骨柱51とベースプレート52とを溶接Wで接合し、ベースプレート52をコンクリート基礎53にアンカーボルト54…で定着させる構造のものがある。なお、同図において、55は無収縮モルタルである。
【0003】
しかしながら、引き抜き力に対する柱脚部の固定度を高いものにするために、アンカーボルト54に比較的大径のものが用いられるなかで、アンカーボルト54が降伏するまでベースプレート52が降伏しないようにしておく必要があり、そのため、ベースプレート52には板厚寸法のかなり大きな鋼板を用いなければならないところ、ベースプレート52の板厚寸法を40mmを越えて大きくする場合は、その材料強度を低減しなければならず、ベースプレート52の板厚寸法を大きくしてもそれに見合うだけの高い固定度を得ることはできないという問題がある。
【0004】
そこで、高い固定度を得るため、リブプレート56…を用い、これをベースプレート52と柱51とに渡すように溶接で取り付けることが行われているが、リブプレート56…は、その数が多いと取付けが非常に厄介であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、ベースプレートに用いるプレートの板厚寸法を小さく抑えることができ、しかも、リブプレートを少なくするあるいは排除することができると共に製作も容易に行うことができ、それでいて、高い固定度を得ることができる鉄骨柱脚構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、鉄骨柱の下端に取り付けられたベースプレートがアンカーボルトで基礎と結合されている鉄骨柱脚構造において、
前記ベースプレートは、重ね合わせ状態にした複数枚の単位プレートをアンカーボルトによるのとは別に独自に一体化したものからなることを特徴とする鉄骨柱脚構造によって解決される。
【0007】
この柱脚構造では、ベースプレートとして、板厚寸法の大きいプレートを一枚用いるというのではなく、複数枚の単位プレートを重ね合わせ状態にして一体化したものを用いるようにしているものであるから、個々の単位プレートとして板厚寸法が小さく材料強度の高いものを用いることができ、しかも、これら単位プレートは互いに一体化されてベースプレートを構成しているから、引き抜き力に対して高い固定度を得ることができる。
【0008】
しかも、このようにベースプレートだけで高い固定度を得ようとする構造であるから、リブプレートは少なくするあるいは排除することができ、また、複数枚の単位プレートを重ね合わせ状態にして一体化するだけでよいから、柱脚部の製作も容易に行うことができる。
【0009】
前記基礎がコンクリート基礎からなり、前記ベースプレートにおける単位プレート同士の独自一体化が、高力ボルト接合で行われたものからなって、このボルト接合によってベースプレートの下面から突出するボルト凸部が基礎側のコンクリート中に埋込み状態となっているとよい。この場合は、単位プレート同士をボルト接合で容易に一体化することができるのみならず、ベースプレートの下面から突出するボルト凸部が基礎側のコンクリート中に埋込み状態となることで、水平方向における固定度も高いものにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1乃至図4に示す第1実施形態の露出型鉄骨柱脚構造において、1は角形鋼管からなる鉄骨柱、2はベースプレート、3はコンクリート基礎であり、柱1は、その下端面にベースプレート2が溶接Wで取り付けられ、このベースプレート2に基礎3からのアンカーボルト4…が通され、ダブルナット5…が締められることで、柱1がコンクリート基礎3と連結されている。
【0012】
上記の柱脚部構造において、ベースプレート2は、重ね合わせ状態にした二枚の単位プレート6,7をアンカーボルト4…によるのとは別に、独自に一体化したものからなっている。
【0013】
具体的には、図2等に示すように、各単位プレート6,7は、ベースプレート2と基礎3とを連結する基礎3側のアンカーボルト4…と同数のアンカーボルト通孔8…を備えたベースプレート相当の平面サイズのものからなっている。そして、各単位プレート6,7には、アンカーボルト通孔8…とは別に、これら単位プレート6,7同士を独自に一体化するためのボルト通孔9…が、角形鋼管柱1の内外両領域にわたって分散状態に明けられ、両単位プレート6,7は、これらボルト通孔9…に通したボルト10…にナット11…を螺合し締め付けることで、高力ボルト接合による面摩擦接合状態となって一体化されている。
【0014】
因みに、具体的寸法を例示すれば、各単位プレート6,7は40mm以下の板厚寸法の鋼板からなり、これら単位プレート6,7を重ね合わせ状態にして形成されるベースプレート2の厚さ寸法は40mmを越えるものからなっている。
【0015】
柱材1へのベースプレート2の取付けは、まず柱材1と上単位プレート6とを溶接Wで接合し、しかる後、この上単位プレート6に下単位プレート7を重ねて両単位プレート6,7をボルト10…とナット11…で高力ボルト接合するというようにして行えばよい。両単位プレート6,7にはハンドホール12,12が明けられており、柱材1の内部において両単位プレート6,7をボルト10…とナット11…で高力ボルト接合することができるようになっている。
【0016】
なお、単位プレート6,7同士を先に高力ボルト接合で一体化し、しかる後、柱材1を上単位プレート6に溶接で取り付けるというようにして製作してもよい。その場合は、上単位プレート6の溶接歪の発生を下単位プレート7が抑えるように作用し、溶接歪の発生を小さく抑えることができる。
【0017】
こうして製作されたベースプレート2付きの柱1を用い、図1に示すように、コンクリート基礎3から突出するアンカーボルト4…をベースプレート2のアンカーボルト通孔8…に通し、上からダブルナット5…をアンカーボルト4…に螺合させ締め付けることにより、柱1はコンクリート基礎3と連結される。
【0018】
この連結状態において、単位プレート6,7同士を独自に一体化しているボルト10やナット11によるボルト凸部13…がベースプレート2の下面から突出しているが、これらボルト凸部13…は、ベースプレート2の下面側に充填された無収縮モルタル14中に埋込み状態となる。
【0019】
上記の鉄骨柱脚構造では、ベースプレート2として、二枚の単位プレート6,7を重ね合わせ状態にして一体化したものを用いるようにしているから、個々の単位プレート6,7として板厚寸法が小さく材料強度の高いものを用いることができ、しかも、これら単位プレート6,7は互いに一体化してベースプレート2を構成するようになされているから、上下方向の引張りに対して高い固定度を確保することができる。
【0020】
しかも、このようにベースプレート2だけで高い固定度を得ることができるから、本実施形態では、従来のようなリブプレートは排除しており、しかも、ベースプレート2は二枚の単位プレート6,7を重ね合わせ状態にして一体化するだけで形成されるから、柱脚部の製作を容易に行うことができる。なお、リブプレートを用いる場合であっても、そのサイズや数を減らすことができて、柱脚部の製作を容易に行うことができる。
【0021】
加えて、単位プレート6,7同士の一体化は、ボルト10…とナット11…を用いた高力ボルト接合によるものであるから、単位プレート6,7同士をこのボルト接合で容易に一体化させることができるのはもちろん、このようなボルト接合による場合には、ベースプレート2の下面から突出するボルト凸部13…を有効利用して、これらボルト凸部13…が基礎側のコンクリートである無収縮モルタル14中に埋込み状態になり、水平方向、即ち剪断方向における柱脚部の固定度も同時に高いものにすることができる。
【0022】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、単位プレート6,7同士の独自一体化のためのボルト接合が角形鋼管柱1の内外両領域において行われている例を示しているが、柱1の外の領域においてのみボルト接合されたものであってもよい。また、単位プレート6,7同士の独自一体化は、上記のような高力ボルト接合によるものに限らず、その他、溶接で独自一体化されたものであってもよいし、単位プレート6,7同士の凹凸嵌合による独自一体化などであってもよい。要は、アンカーボルト4に作用する引き抜き力によってベースプレート2に曲げが作用した場合に単位プレート6,7に横方向の相対的なずれを生じさせないような独自一体化がなされていればよい。また、上記の実施形態では、ベースプレート2が、二枚の単位プレート6,7で構成されている場合を示しているが、三枚以上の単位プレートを重ね合わせ状態にしてそれらを独自一体化したものであってもよい。また、ボルト凸部13を基礎コンクリート3側のコンクリート14中に埋込み状態にする場合を除いて、基礎はコンクリート基礎のほか、鉄骨基礎などの各種基礎であってよい。また、柱は丸形鋼管であってもよいし、H形鋼、溝形鋼、山形鋼などの各種鋼材からなっていてよい。
【0023】
また、柱とベースプレートとは溶接に限らず種々の方法で接合されていてよく、例えばこれらをネジで接合するような場合は、単位プレート同士をこのネジを利用して一体化するようにするのもよい。即ち「単位プレート同士を独自に一体化する」の文言は、単位プレート同士を基礎側のアンカーボルト4…だけで一体化する場合を除く意味で用いている。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、ベースプレートに用いるプレートの板厚寸法を小さく抑えることができ、しかも、リブプレートを少なくするあるいは排除することができると共に製作も容易に行うことができ、それでいて、高い固定度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の鉄骨柱脚構造を示す断面側面図である。
【図2】柱と各単位プレートとを分離状態にして示す断面斜視図である。
【図3】図(イ)(ロ)はそれぞれ、柱にベースプレートを取り付けた状態の斜視図である。
【図4】図(イ)は柱にベースプレートを取り付けた状態の側面図、図(ロ)は図(イ)のI−I線断面矢視図である。
【図5】従来例の柱脚構造を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1…鉄骨柱
2…ベースプレート
3…コンクリート基礎
4…アンカーボルト
6…単位プレート
7…単位プレート
9…ボルト通孔
10…ボルト
11…ナット
13…ボルト凸部
Claims (2)
- 鉄骨柱の下端に取り付けられたベースプレートがアンカーボルトで基礎と結合されている鉄骨柱脚構造において、
前記ベースプレートは、ベースプレート相当の平面サイズを備えた複数枚の単位プレートを重ね合わせ状態にし、これら単位プレートをアンカーボルトによるのとは別に独自に高力ボルト接合で面摩擦接合状態となるように一体化したものからなることを特徴とする鉄骨柱脚構造。 - 前記基礎がコンクリート基礎からなり、
前記ベースプレートにおける単位プレート同士の独自一体化の高力ボルト接合よってベースプレートの下面から突出するボルト凸部が基礎側のコンクリート中に埋込み状態となっている請求項1に記載の鉄骨柱脚構造。
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