JP3855922B2 - 杭頭接合構造および杭頭接合部の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、鋼管杭や鋼管コンクリート杭等の基礎杭を構成する杭鋼管の杭頭部と、その上部に位置するフーチング、スラブ等のコンクリート構造体とを定着筋を介して接合した杭頭接合構造および杭頭接合部の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
構造物の基礎に用いられる鋼管杭または鋼管コンクリート杭の杭頭部とフーチング等のコンクリート構造体との接合構造の1つに、鉄筋等を介してこれらを接合する構造がある。
【0003】
具体的には、図7に示すように杭頭部の鋼管21の内部に鉄筋籠22を挿入する鉄筋籠方式、図8に示すように杭頭部の鋼管21の外周に鉄筋24を溶接するひげ筋方式、ネジ鉄筋をネジ孔付接続具としてのカプラーで固定するカプラー方式(特許文献1参照)等がある。
【0004】
しかし、鉄筋籠方式は鉄筋の配置スペースが狭くなるため、鉄筋が過密配筋となり施工性に劣る。また、鋼管内部に鉄筋が配置されるため、曲げに対しての断面効率が悪いといった問題がある。
【0005】
また、ひげ筋方式は、鉄筋を鋼管に溶接する場合の施工性、溶接品質に問題がある。特許文献1記載のカプラー方式もひげ筋方式と同様にカプラーと鋼管の施工性、溶接性等に問題があり、専用カプラー等によるコストアップも問題となる。
【0006】
このような問題を解決するものとして、本件出願人は下方に円弧状部を有する接続金具を基礎杭の杭頭部外周に取り付け、杭頭定着筋としてこの接続金具の円弧状部に対応してU字形状に形成された接合鉄筋を固定した杭頭接合構造を開発している(特許文献2参照)。
【0007】
この他、特許文献3には、杭頭アンカー筋の取付構造として、杭頭部の外周面に固定されたバンド状の接合具に、溶接あるいはナット等により杭頭アンカー筋を取り付けるものが記載されており、バンド状の接合具は例えばリングを2分割した形状のものを高力ボルト等で締め付けて固定することとしている。
【0008】
【特許文献1】
特公平03−054736号公報
【特許文献2】
特開2002−115256号公報
【特許文献3】
特開2002−146781号公報
【特許文献4】
特開2002−256552号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の鋼管杭または鋼管コンクリート杭の杭頭接合構造には、定着筋の配置スペースによる過密配筋、施工性、曲げに対する断面効率の問題や、特殊なカプラーを用いることによるコスト、溶接性、施工性、品質の問題、鋼重の増加によるコスト、施工性の問題、定着効果の問題等、種々の解決すべき課題がある。
【0010】
また、U字状の定着筋を利用した特許文献2記載のものは、定着筋に作用する引張力に対する信頼性が高いが、部品数が多くなるため施工性の問題があり、その他圧縮力に対する耐力の問題、定着筋の位置の調整が難しいといった問題がある。
【0011】
また、特許文献3記載のものは、アンカー筋をバンド状の接合具に溶接する場合には、現場溶接が困難であり、予め溶接した場合には運搬等に不都合となる。また、アンカー筋をナット等で取り付ける場合も含め、アンカー筋に作用する引張力や圧縮力に対する耐力の問題がある。
【0012】
本願発明は、上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、定着筋に作用する引張力や圧縮力に対する信頼性が高く、かつ部品数を少なく抑えることができ、現場における施工に優れた杭頭接合構造および施工方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、基礎杭を構成する杭鋼管の杭頭部と上部のコンクリート構造体とを、杭軸方向に延びコンクリート内に定着される複数本の定着筋を介して接合してなる杭頭接合構造において、前記定着筋として下端に屈曲部を有する複数のU字状の定着筋を用い、該U字状の定着筋はその下端屈曲部を、周方向に複数に分割された部材からなり前記杭頭部の外周部または上端部に取り付けられるリング状の取付金具の周方向に間隔をおいて形成された嵌合溝または嵌合孔に嵌合することで、該リング状の取付金具に対し無溶接で取り付けてあり、かつ前記杭頭部の外周面および前記リング状の取付金具の内周面には互いに嵌合する凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
ここでいう上部のコンクリート構造体は、通常はフーチングやスラブ、基礎梁等であるが、直接柱が接合される場合等、杭頭部が接合されるコンクリート構造体であれば特に限定されない。
【0015】
定着筋は、例えば鉄筋の中央部をU字状に屈曲加工したもの等を用いることができるが、ワイヤー状のものをU字状に屈曲させたもの、その他杭頭部と上部のコンクリート構造体間で応力の伝達が図るものであれば、鉄筋以外の材質のものでもよい。
【0016】
上記構成においては、U字状の定着筋の屈曲部が嵌合溝または嵌合孔に嵌合されることで定着筋が無溶接で取り付けられるとともに、嵌合部において引張力やその形態によっては圧縮力にも抵抗させることができ、杭鋼管(鋼管杭の場合は杭そのもの、鋼管コンクリート杭の場合はコンクリートが充填されている鋼管)と、上部のコンクリート構造体を無溶接で接合することができ、溶接の場合の施工性や品質の問題を排除し得る。
【0017】
また、カプラーのような特殊な金物を必要とせず、取付金具と複数のU字状の定着筋以外は、必要に応じこれらを接合するための最小限の部品を用いるか、あるいはグラウトを利用するなど、部品数を抑えることで安価な接合が可能となる。
【0018】
取付金具の内周面と杭頭部の接触面が平坦な場合、取付金具の取付けの際に手間を要したり、取付け後もずれが生ずる恐れが考えられるが、本願発明では、互いに嵌合する凹凸が形成されていることで、これらの凹凸を位置決めに利用したり、取付けの際の仮固定あるいは仮支持に利用することができる。また、取付け後は凹凸部分での応力伝達効果も得られる。
これらの凹凸は、例えば取付金具を構成する部材の内周面または杭頭部に凹部を削り出すか、あるいは取付金具や杭鋼管の成形時にあらかじめ凹部を形成しておいたり、杭頭部に鋼材をリング状に巻いたりする(例えば、溶接等により固定する)ことで形成させることができる。
【0019】
取付金具を杭頭部の外周面に取り付ける場合には、リング状の取付金具を2分割または3分割以上とすることで、杭頭部の外周面に比較的容易に密着させた形で取り付けることができる。なお、形態によっては必ずしも密着させない場合もあり得る。
【0020】
また、分割数は少ないほど部品数を抑えることができ、かつ分割した部材どうしの連結箇所も少なくなるため、通常は、2分割または3分割程度とするのが好ましい。
【0021】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る杭頭接合構造において、周方向に複数に分割された前記部材が、該部材の両端部に形成された連結部どうしの緊結により、前記杭頭部の外周面に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0022】
例えば、リング状の取付金具を構成する部材の端部にボルト接合のための連結部を設けておき、高力ボルト等を利用して緊結することで取付金具の周方向に緊張力を導入することができ、その緊張力を利用して杭頭部の外周面に密着固定させることができる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る杭頭接合構造において、前記嵌合溝が前記リング状の取付金具の内周面に形成されており、前記U字状の定着筋が前記杭頭部の外周面と前記リング状の取付金具の内周面との間に挟み込まれていることを特徴とするものである。
【0027】
取付金具が杭頭部の外周面に取り付けられる場合、嵌合溝を取付金具の内周面側に形成し、U字状の定着筋の下端屈曲部を嵌合溝内に納めた状態で、取付金具を杭頭部に取り付けることで、U字状の定着筋の取付金具からの抜け出しが防止でき、コンクリート構造体側からの引張力だけでなく、圧縮力にも抵抗させることができる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
請求項4に係る発明は、請求項1または2に係る杭頭接合構造において、前記嵌合溝が前記リング状の取付金具の外周面に形成されており、前記U字状の定着筋が前記リング状の取付金具の外周面と該リング状の取付金具の外側に取り付けたカバープレートとの間に挟み込まれていることを特徴とするものである。
【0032】
例えば、嵌合溝を取付金具の外周面に設けた場合には、U字状の定着筋を嵌合溝に嵌合したままでは安定的に保持できないため、請求項4に係る発明では、取付金具にカバープレートを設けることで、取付金具とカバープレートの間にU字状の定着筋を挟み込んで抜け出しを防止するとともに、引張力、圧縮力に抵抗できるようにしたものである。
【0033】
なお、請求項1に係る発明において、U字状の定着筋を嵌合溝でなく取付金具に設けられた嵌合孔に嵌合する場合、U字状の定着筋の両端の2つの立ち上がり部を下から2つの嵌合孔に差し込むか、または定着筋が変形追従性を有する場合には、定着筋の一端をU字状に形成される嵌合孔の一端に挿入して他端から引き出すといったことが必要となる。
【0034】
前者の場合、コンクリート構造体からの引抜力に対しては抵抗できるが、そのままでは圧縮力に抵抗できないため、上記外周面側のカバープレートと同様に、U字状の定着筋を差し込んだ取付金具の下面側にカバープレートを取り付ければ、カバープレートにより圧縮力が作用したときの定着筋の抜け出しを防止し、圧縮力に抵抗させることができる。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
本願の請求項5に係る杭頭接合部の施工方法は、基礎杭を構成する杭鋼管の杭頭部と上部のコンクリート構造体とを、杭軸方向に延びコンクリート内に定着される複数本の定着筋を介して接合する杭頭接合部の施工方法において、前記定着筋としてのU字状の定着筋の下端屈曲部を、周方向に複数に分割された部材からなるリング状の取付金具の周方向に間隔をおいて形成された嵌合溝または嵌合孔に嵌合することで、該リング状の取付金具に対し無溶接で取り付け、前記杭頭部の外周面および前記リング状の取付金具の内周面に形成された凹凸を互いに嵌合させつつ、該リング状の取付金具を前記杭頭部の外周部に取り付けた後、前記コンクリート構造体を構成するコンクリートを打設し、前記定着筋の上部を前記コンクリート内に定着させることを特徴とするものである。
【0040】
請求項5は、上記請求項1〜4に係る杭頭接合構造を形成するための施工方法の一つを与えるものであるが、請求項1〜4に係る杭頭接合構造の具体的な形成方法については、種々の態様が考えられる。
【0041】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本願発明の一実施形態を示したものである。
【0042】
杭頭接合金具を構成するリング状の取付金具1はリングを2分割した2つの円弧状の部材1a,1bからなり、図2に示すように両側から杭鋼管10の杭頭部を挟み込むようにして、部材1a,1bの両端に設けられた連結部2どうしをボルト孔2aを利用してボルト接合することで、杭頭部に取り付けることができる。
【0043】
部材1a,1bからなるリング状の取付金具1の内周面には、U字状の嵌合溝3が所定間隔をおいて複数形成されており、この嵌合溝3にU字状の定着筋5の下端屈曲部が嵌合され、その状態で図2(c)に示すように、取付金具1を杭鋼管10の外周面に取り付けることで、嵌合溝3に嵌合したU字状定着筋5が杭頭部の外周面と取付金具1の内周面との間に挟み込まれた形で取り付けられる。
【0044】
嵌合溝3内には必要に応じてモルタルまたは合成樹脂等のグラウト材を充填することで、その硬化によりU字状定着筋5のガタをなくし、応力の伝達をよりスムーズとすることができる。
【0045】
また、この杭鋼管10の杭頭部の外周面には鋼材を周方向に2条、溶接等により取り付けて凸部11a,11bを形成し、取付金具1の内周面にはこれらの凸部11a,11bに対応する位置に2条の凹部4a,4bを形成し、互いに嵌合可能としている。
【0046】
なお、この例では、図2(a)に示すように取付金具1の凹部4a,4b部分にテーパーを付けて凸部11a,11bとの嵌合がスムーズになるようにしており、またこのテーパーにより製造寸法誤差を吸収することができる。
【0047】
さらに、このように、凸部11a,11bと凹部4a,4bを互いに嵌合可能に設けることで、これらを位置決めに利用したり、取付けの際の仮固定あるいは仮支持に利用することができる。
【0048】
また、これらの嵌合部に沿って取付金具1の位置を修正できるため、フーチング等の上部のコンクリート構造体の配筋等における施工性を向上させることができ、取付け後についても、この部分で取付金具1と杭鋼管10間の応力伝達が図れる。
【0049】
図3は、本願発明における接合金具の他の実施形態について、その周方向の一部と鉛直断面を示したものである。
【0050】
この例では、取付金具1に嵌合溝でなく、嵌合孔3aを形成し、嵌合孔3aに下からU字状定着筋5を嵌合している。その状態ではU字状定着筋5が抜け落ちる恐れがあるため、図3(a)に示すようにナット6で固定したり(U字状定着筋5にねじを切っておく)、あるいは図3(b)に示すように嵌合孔3aの下端開口部を塞ぐカバープレート7を取り付けることが考えられる。
【0051】
図中、符号4は図1および図2の実施形態における凹部4a,4bに対応するものであり、杭鋼管側の凸部を1条とした場合には、取付金具1側の凹部4も1条となる。
【0052】
図4は、本願発明における接合金物のさらに他の実施形態を示したもので、図3の例ではU字状定着筋5の上方に延びる両端部が周方向に並んでいるのに対し、図4の例ではU字状定着筋5の上方に延びる両端部が径方向に並んでいる場合であり、定着筋を2重配筋の形で増やす必要がある場合等に適している。
【0053】
図5は、本願発明における接合金具のさらに他の実施形態を示したもので、複数のU字状定着筋5を取り付けた取付金具1が取り付けられる杭鋼管10の杭頭部に取付金具1の全高分の嵌合凹部8を形成し、取付金具1をこの嵌合凹部8に嵌合して取り付けられるようにしたものである。
【0054】
この場合も取付金具1としてリングを2分割したものを用い、ボルト等による緊結によって取付金具1を杭頭部に固定したり、あるいは取付金具1を構成する各部材を直接杭頭部にボルトその他で固定するなど、取付金具1の取付け方法は任意である。
【0055】
図6は、本願発明における接合金具のさらに他の実施形態における要部を示したもので、図6(a)はリング状の取付金具1の断面図、図6(b)はその正面図である。
【0056】
取付金具1の外周面側に間隔をおいてU字状の嵌合溝3が複数形成されており、嵌合溝3にU字状定着筋5の下端屈曲部を嵌合させ、嵌合部分をカバープレート9で押さえつけることで、U字状定着筋5の側方からの抜け出しを防止している。
【0057】
カバープレート9は、図6(c)に示すようにリングを2分割した部材9a,9bの端部どうしをボルト等で緊結して締め付けるものでもよいし、各U字状定着筋5の取付け位置毎にボルト12で取付金具1または杭鋼管10に止め付けるものでもよい。
【0058】
なお、図1および図2の実施形態において説明したように、以上の各実施形態において、U字状定着筋5が定着される嵌合溝3または嵌合孔3aに、U字状定着筋5との隙間を埋めるモルタル、あるいは樹脂等のグラウト材を充填すれば、U字状定着筋5のガタがなくなり、また3軸的拘束効果が発揮されることで、引張力および圧縮力に対し十分な応力伝達を図ることができる。
【0059】
また、グラウト材の充填により、ナット6等を省略する場合には、その締め付け手間が不要となり、施工性がさらに向上する。
【0060】
【発明の効果】
本願発明によれば、杭鋼管と上部のコンクリート構造体を無溶接で、また特殊な接合金物を必要とせず、少ない部品数で接合することができ、品質が安定した安価で施工性の良い杭頭接合部が得られる。
【0061】
杭頭連結材としてU字状に折り曲げた定着筋取り付けた接合金具を取り付けることにより、引張力に対し高い抵抗力を得ることができ、またU字状の嵌合溝に嵌合させて取り付けた場合には引張力だけでなく圧縮力に対しても高い耐力を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明における接合金具(取付金具部分のみ)の一実施形態を示したもので、(a)は平面図、(b)はそのC−C線矢視図である。
【図2】 (a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線展開図、(c)は図1の取付金具(二点鎖線)の杭鋼管の杭頭部への接合形態を示す正面図、(d)は同じく平面図である。
【図3】 本願発明における接合金具の他の実施形態を示したもので、(a)は接合金具の一部を示す斜視図、(b)はその鉛直断面図である。
【図4】 本願発明における接合金物のさらに他の実施形態を示したもので、(a)は接合金物の一部を示す斜視図、(b)はその鉛直断面図である。
【図5】 本願発明における接合金具のさらに他の実施形態を示したもので、(a)は接合金具の一部を示す正面図、(b)はその杭鋼管杭頭部への接合形態を示す鉛直断面図である。
【図6】 本願発明における接合金具のさらに他の実施形態における要部を示したもので、(a)は取付金具の一形態を示す鉛直断面図、(b)はその正面図、(c)はカバープレートの平面図である。
【図7】 従来例としての鉄筋籠方式を示したもので、(a)は水平断面図、(b)は鉛直断面図である。
【図8】 従来例としての溶接ひげ筋方式を示したもので、(a)は水平断面図、(b)は鉛直断面図、(c)は定着筋溶接部分の拡大図である。
【符号の説明】
1…取付金具、1a,1b…取付金具の構成部材、2…連結部、2a…ボルト孔、3…嵌合溝、3a…嵌合孔、4,4a,4b…凹部、5…U字状定着筋、6…ナット、7…カバープレート、8…嵌合凹部、9…カバープレート、10…杭鋼管、11a,11b…凸部、12…ボルト、21…杭鋼管、22…鉄筋籠、23…フーチング、24…鉄筋、25…溶接
Claims (5)
- 基礎杭を構成する杭鋼管の杭頭部と上部のコンクリート構造体とを、杭軸方向に延びコンクリート内に定着される複数本の定着筋を介して接合してなる杭頭接合構造において、前記定着筋として下端に屈曲部を有する複数のU字状の定着筋を用い、該U字状の定着筋はその下端屈曲部を、周方向に複数に分割された部材からなり前記杭頭部の外周部または上端部に取り付けられるリング状の取付金具の周方向に間隔をおいて形成された嵌合溝または嵌合孔に嵌合することで、該リング状の取付金具に対し無溶接で取り付けてあり、かつ前記杭頭部の外周面および前記リング状の取付金具の内周面には互いに嵌合する凹凸が形成されていることを特徴とする杭頭接合構造。
- 周方向に複数に分割された前記部材は、該部材の両端部に形成された連結部どうしの緊結により、前記杭頭部の外周面に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の杭頭接合構造。
- 前記嵌合溝が前記リング状の取付金具の内周面に形成されており、前記U字状の定着筋が前記杭頭部の外周面と前記リング状の取付金具の内周面との間に挟み込まれていることを特徴とする請求項1または2記載の杭頭接合構造。
- 前記嵌合溝が前記リング状の取付金具の外周面に形成されており、前記U字状の定着筋が前記リング状の取付金具の外周面と該リング状の取付金具の外側に取り付けたカバープレートとの間に挟み込まれていることを特徴とする請求項1または2記載の杭頭接合構造。
- 基礎杭を構成する杭鋼管の杭頭部と上部のコンクリート構造体とを、杭軸方向に延びコンクリート内に定着される複数本の定着筋を介して接合する杭頭接合部の施工方法において、前記定着筋としてのU字状の定着筋の下端屈曲部を、周方向に複数に分割された部材からなるリング状の取付金具の周方向に間隔をおいて形成された嵌合溝または嵌合孔に嵌合することで、該リング状の取付金具に対し無溶接で取り付け、前記杭頭部の外周面および前記リング状の取付金具の内周面に形成された凹凸を互いに嵌合させつつ、該リング状の取付金具を前記杭頭部の外周部に取り付けた後、前記コンクリート構造体を構成するコンクリートを打設し、前記定着筋の上部を前記コンクリート内に定着させることを特徴とする杭頭接合部の施工方法。
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