JP3763952B2 - 角波板製アーチ状構造物の基礎構造 - Google Patents
角波板製アーチ状構造物の基礎構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、角波板製アーチ状構造物の基礎構造、特に、組立てた構造物ユニットの基礎構造体への仮置きが容易に行え、しかも、建方調整後、構造物ユニットの内側から基礎構造体に確実に固定することができる、角波板製アーチ状構造物の基礎構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、アーチ状倉庫等の構造物を構築するには、図3に示すような断面形状を有する鋼製角波板Aを、その波付け方向と直交する方向に円弧状に湾曲させることによってアーチ状構造物ユニットを形成し、このようにして形成した構造物ユニットを、コンクリート製基礎構造体上に固定し、且つ、桁方向に互いに連結することによって行われていた。
【0003】
従来、上述したようにして構築されるアーチ状構造物の基礎構造には、次のようなものがあった。
▲1▼ 図4に示すように、アーチ状構造物ユニット1の端部に山形鋼からなる固定部材2をボルト止め等によって固定し、基礎構造体3に予め埋め込まれたアンカーボルト4によって、山形鋼2を基礎構造体3上に固定する。以下、この基礎構造を従来技術1という。
▲2▼ 図5に示すように、溝形鋼からなる連結材5によって間隔をあけて連結された溝形鋼又は山形鋼からなる一対の固定部材6を、上部が基礎構造体3上から突出するように、基礎構造体3に垂直に埋め込み、固定部材6間に構造物ユニット1の端部を挿入し、ボルト止め等によって固定する。以下、この基礎構造を従来技術2という。
▲3▼ 図6に示すように、構造物ユニット1と同一断面形状の波板からなる固定部材7を、上部が基礎構造体3上から突出するように、基礎構造体3に垂直に埋め込み、構造物ユニット1の端部を固定部材7に重ね合わせ、構造物ユニット1の内側フランジ1Aと固定部材7の内側フランジ7Aとをボルト止め等によって固定する。以下、この基礎構造を従来技術3という。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術1は、次のような問題を有していた。即ち、構造物ユニット1の端部と基礎構造体3との結合は確実であるが、固定部材2が桁方向に分割されるので、これを接合する必要がある。しかも、構造物ユニット1の水平レベルを取るために、基礎構造体3の上面を厳密に水平にするか、レベル調整機構を設ける必要がある。施工に時間と手間がかかる。
【0005】
従来技術2は、次のような問題を有していた。即ち、一対の固定部材6が基礎構造体3に埋め込まれるので、基礎構造体3の厚さを構造物ユニット1の外側に厚さ(L)だけ余分に形成する必要があり、その分、アーチ状構造物の構築スペースが制約される。
【0006】
従来技術3は、次のような問題を有していた。即ち、簡便ではあるが、施工時における構造物ユニット1の開きを防止するために、ボルト等によって構造物ユニット1を仮止めする必要があり、構造物ユニット1の仮置きに不向きである。しかも、構造物ユニット1の内側フランジ1Aと固定部材7の内側フランジ7Aとの固定のみであるので、構造物ユニット1の端部の固定が強固に行えない。
【0007】
従って、この発明の目的は、組立てた構造物ユニットの基礎構造体への仮置きが容易に行え、しかも、建方調整後、構造物ユニットの内側から基礎構造体に確実に固定することができる、角波板製アーチ状構造物の基礎構造を提供することにある。
【0008】
請求項1記載の発明は、波付け方向と直交する方向に円弧状に湾曲させた角波板によって形成されたアーチ状構造物ユニットを、桁方向に互いに連結した角波板製アーチ状構造物の基礎構造において、前記構造物ユニットの端部が固定されるコンクリート製基礎構造体と、前記基礎構造体の上部外側コーナー部に、前記基礎構造体の全長に亘って固定された山形鋼からなる基礎鋼材と、前記基礎鋼材の垂直側フランジに、上部が前記基礎構造体の上面から突出するように、前記構造物ユニットの外側フランジ間隔と同一間隔をあけて垂直に固定された外側鋼材と、前記基礎鋼材の水平側フランジに、前記構造物ユニットの内側フランジと前記外側フランジとの間の間隔と同一間隔をあけて、前記基礎鋼材の全長に亘って固定された内側鋼材とからなり、前記外側鋼材及び前記内側鋼材の外面には、ナットが固定されていると共に、前記外側鋼材と前記内側鋼材との間に挿入された前記構造物ユニットの端部は、前記構造物ユニットの内側から前記ナットにねじ込まれるボルトによって、前記基礎構造体に固定されていることに特徴を有するものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記外側鋼材は、溝形鋼からなり、前記内側鋼材は、山形鋼からなっていることに特徴を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の、角波板製アーチ状構造物の基礎構造の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、この発明の、角波板製アーチ状構造物の基礎構造を示す部分断面図、図2は、図1のA−A線断面図である。
図1および図2において、8は、アーチ状構造物ユニットであり、波付け方向と直交する方向に円弧状に湾曲させた鋼製角波板A(図3参照)によって形成されている。9は、構造物ユニット8の端部が固定されるコンクリート製基礎構造体、10は、基礎構造体9の上部外側コーナー部に、基礎構造体9の全長に亘って頭付きスタッド11によって固定された山形鋼からなる基礎鋼材である。基礎鋼材10の垂直側フランジ10Aは、基礎構造体9の外側の側面に露出し、水平側フランジ10Bは、基礎構造体9の上面に露出している。従って、基礎構造体9の上面は、水平面に形成されている。
【0012】
12は、外側鋼材である。外側鋼材12は、基礎鋼材10の垂直側フランジ10Aに、上部が基礎構造体9の上面からから突出するように、構造物ユニット8の外側フランジ8A間隔と同一間隔をあけて垂直に溶接等によって固定されている。13は、外側鋼材12の外面に予め溶接されたナットである。
【0013】
14は、内側鋼材である。内側鋼材14は、基礎鋼材10の水平側フランジ10Bに、構造物ユニット8の外側フランジ8Aと内側フランジ8Bとの間の間隔と同一間隔をあけて、基礎鋼材10の全長に亘ってアンカーボルト15によって固定されている。16は、内側鋼材の外面に予め溶接されたナットである。
【0014】
このように構成されている、この発明の、角波板製アーチ状構造物の基礎構造によれば、以下のようにして、アーチ状構造物が構築される。
予め組み立てた構造物ユニット8の端部を外側鋼材12と内側鋼材14との間に挿入して、構造物ユニット8を基礎構造体9上に仮置きする。構造物ユニット8の端部は、外側鋼材12と内側鋼材14とによって挟まれるので、仮置きに際して、構造物ユニット8に開きは生じない。しかも、基礎構造体9の上面は、基礎鋼材10の水平側フランジ10Bであるので、構造物ユニット8の水平レベルは、容易に取れる。
【0015】
このようにして、構造物ユニット8を基礎構造体9上に仮置きした後、予め構造物ユニット8に形成されたボルト孔からボルト17を各ナット13、16にねじ込んで、構造物ユニット8の端部を外側鋼材12と内側鋼材14とに固定する。ボルト17による締結作業は、全て構造物ユニット8の内側から行える。このようにして、構造物ユニット8を基礎構造体9に固定し、構造物ユニット8同士を桁方向に互いに連結すれば、アーチ状構造物が構築される。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、以下のような有用な効果がもたらされる。
▲1▼ 基礎構造体の上面は、基礎鋼材の水平側フランジによって形成されるので、構造物ユニットの水平レベルが容易に取れる。
▲2▼ 構造物ユニットの端部は、外側鋼材と内側鋼材とによって挟まれるので、構造物ユニットに開きが生じることなく、構造物ユニットの仮置きが行える。
▲3▼ 外側鋼材及び内側鋼材の外面に予めナットが固定されているので、構造物ユニットの端部のボルトによる締結作業が全て構造物ユニットの内側から行える。
▲4▼ 構造物ユニットの端部を固定するための外側鋼材が基礎構造体の外側側面に固定されているので、基礎構造体の厚さを構造物ユニットの外側に余分に形成する必要がなく、その分、アーチ状構造物の構築スペースが制約されない。
▲5▼ 基礎鋼材を長尺ものにすることができるので、基礎鋼材同士の接合箇所が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の、角波板製アーチ状構造物の基礎構造を示す部分断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】角波板を示す断面図である。
【図4】従来技術1を示す断面図である。
【図5】従来技術2を示す断面図である。
【図6】従来技術3を示す断面図である。
【符号の説明】
1:構造物ユニット
1A:内側フランジ
2:固定部材
3:基礎構造体
4:アンカーボルト
5:連結部材
6:固定部材
7:固定部材
7A:内側フランジ
8:構造物ユニット
8A:外側フランジ
8B:内側フランジ
9:基礎構造体
10:基礎鋼材
10A:垂直側フランジ
10B:水平側フランジ
11:スタッド
12:外側鋼材
13:ナット
14:内側鋼材
15:アンカーボルト
16:ナット
17:ボルト
Claims (2)
- 波付け方向と直交する方向に円弧状に湾曲させた角波板によって形成されたアーチ状構造物ユニットを、桁方向に互いに連結した角波板製アーチ状構造物の基礎構造において、
前記構造物ユニットの端部が固定されるコンクリート製基礎構造体と、前記基礎構造体の上部外側コーナー部に、前記基礎構造体の全長に亘って固定された山形鋼からなる基礎鋼材と、前記基礎鋼材の垂直側フランジに、上部が前記基礎構造体の上面から突出するように、前記構造物ユニットの外側フランジ間隔と同一間隔をあけて垂直に固定された外側鋼材と、前記基礎鋼材の水平側フランジに、前記構造物ユニットの内側フランジと前記外側フランジとの間の間隔と同一間隔をあけて、前記基礎鋼材の全長に亘って固定された内側鋼材とからなり、前記外側鋼材及び前記内側鋼材の外面には、ナットが固定されていると共に、前記外側鋼材と前記内側鋼材との間に挿入された前記構造物ユニットの端部は、前記構造物ユニットの内側から前記ナットにねじ込まれるボルトによって、前記基礎構造体に固定されていることを特徴とする、角波板製アーチ状構造物の基礎構造。 - 前記外側鋼材は、溝形鋼からなり、前記内側鋼材は、山形鋼からなっていることを特徴とする、請求項1記載の、角波板製アーチ状構造物の基礎構造。
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