JP3934794B2 - 地中推進工法における探査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる地中推進工法を用いて地中にたとえば各種管路を敷設する際に、既に存在する地中埋設物の破損を予防して、その地中埋設物を検出してその埋設物に関連するデータを表示する地中推進工法における探査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、大口径シールド掘進機において、切羽前方およびシールド掘進機の外側方における土質および埋設物に関する情報をレーダ式探査によって得るために、切羽前方のための送受信アンテナを備えるレーダ式探査装置と、シールド掘進機外側方のための送受信アンテナを備えるレーダ式探査装置とをそれぞれ備える。
【0003】
この先行技術では、シールド掘進機の前方および外側方の状況が相互に関連付けられていないので、3次元的な土壌中の状況をリアルタイムに直感的に把握することが困難である。これらの前方および外側方の各状況のデータを、液晶または陰極線管などの単一の表示画面に表示しようとしても、従来では、そのような表示画面の画素数が比較的少なく、これによって正確な画像を表示することができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、地中埋設物に関する情報を、直感的にリアルタイムに3次元的に把握することが容易である地中推進工法における探査装置を提供することである。
【0005】
また本発明は、土壌中を推進する推進体のドリルヘッドに、電磁波を発生し反射波を受信する送信および受信アンテナを設け、
推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線まわりに角変位する推進駆動手段と、
送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動するとともに、反射波の受信信号を演算処理して地中埋設物の反射時間を求める演算処理手段と、
ドリルヘッドの軸線まわりの角度θを検出する角度検出手段と、
推進体が推進して移動した移動距離を検出する移動距離検出手段と、
表示画面を有する目視表示手段と、
出力回路であって、目視表示手段の単一の表示画面に、
演算処理手段と角度検出手段との出力に応答して、前記角度θと埋設物の反射時間tとを座標(θ,t)とする移動距離xに対応する第1画像データを生成して第1画像を表示させるとともに、
演算処理手段と移動距離検出手段との出力に応答して、移動距離xと反射時間tとを座標(x,t)とする前記角度θに対応する第2画像データを生成して第2画像を表示させる出力回路とを含むことを特徴とする地中推進工法における探査装置である。
【0006】
本発明に従えば、推進体のドリルヘッドなどの先端部には、送信および受信アンテナが設けられる。送信および受信アンテナは、送信アンテナと受信アンテナとが個別的に構成されていてもよく、または単一のアンテナが送信および受信のためにスイッチング手段によって切換えて接続される構成であってもよい。本件明細書中において、「送信および受信アンテナ」、または「送信アンテナおよび受信アンテナ」というのは、2つの個別的なアンテナが用いられる構成だけでなく、このような単一のアンテナがスイッチング手段によって切換えられて送信および受信の各機能を達成する構成をも含む概念であると解釈されなければならない。
【0007】
送信アンテナからは、地中で電磁波が発生される。受信アンテナに、土壌中の地中埋設物による反射波が受信されることによって、推進体の先端部の近傍に存在する地中埋設物を検出することができる。
【0008】
地中埋設物は、地中に埋設されたガスおよび水などを輸送する管路であり、またはその他の地中構造物などである。
【0009】
本発明に従えば、地表面からの深度が大きくても、推進体の先端部が、地中埋設物の近傍に近付いたとき、その地中埋設物の存在を容易に検出することができる。また地中構造物などの地中埋設物の存在位置を知ることができる。したがってその地中埋設物を避けて、推進体を地中に推進し、これによって地中埋設物である地中構造物に推進体が衝突し、または接触してその地中埋設物が破損することを防ぐことができる。
【0010】
特に本発明に従えば、液晶または陰極線管などの目視表示手段の表示画面に、移動距離毎の座標(θ,t)の第1画像34と、ドリルヘッドの軸線まわりの角度θ毎の座標(x,t)の第2画像35とを同時に表示するようにしたので、推進体のドリルヘッドの前方および側方に存在する埋設物の状況をリアルタイムで3次元的に直感的に容易に把握することができる。
【0011】
また本発明は、土壌中を推進する推進体のドリルヘッドに、電磁波を発生する送信アンテナを設け、
推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線まわりに角変位する推進駆動手段と、
送信アンテナに送信信号を与えて駆動する手段と、
電磁波の反射波を受信する受信アンテナと、
受信アンテナからの受信信号を演算処理して地中埋設物の反射時間を求める演算処理手段と、
ドリルヘッドの軸線まわりの角度θを検出する角度検出手段と、
推進体が推進して移動した移動距離を検出する移動距離検出手段と、
表示画面を有する目視表示手段と、
出力回路であって、目視表示手段の単一の表示画面に、
演算処理手段と角度検出手段との出力に応答して、前記角度θと埋設物の反射時間tとを座標(θ,t)とする移動距離xに対応する第1画像データを生成して第1画像を表示させるとともに、
演算処理手段と移動距離検出手段との出力に応答して、移動距離xと反射時間tとを座標(x,t)とする前記角度θに対応する第2画像データを生成して第2画像を表示させる出力回路とを含むことを特徴とする地中推進工法における探査装置である。
【0012】
本発明に従えば、地中にある推進体の先端部に送信アンテナが設けられ、この送信アンテナから電磁波を発生する。地上では、受信アンテナによって、送信アンテナから土壌を介する電磁波を受信する。送信アンテナから受信アンテナまでの電磁波の経路の途中に地中埋設物が存在すると、受信アンテナで受信される電磁波の強度が変化し、これによって地中埋設物を容易に検出することができる。これに対して、地上から送信アンテナによって電磁波を土壌に向けて放射し、この送信アンテナから放射された電磁波が、土壌および地中埋設物によって反射され、地上に設けられた受信アンテナによって受信されて、地中埋設物を探査する構成では、大きい深度内の地中埋設物を検出するためには、地上の送信アンテナ5から大電力の電磁波を発生しなければならず、したがって地上での電波障害を生じるおそれがある。本発明は、この問題を解決する。
【0013】
特に本発明に従えば、前述と同様に、目視表示手段の単一の表示画面に、移動距離毎の座標(θ,t)の第1画像と、前記角度毎の座標(x,t)の第2画像とを表示するようにしたので、ドリルヘッドの前方および側方の埋設物の状況をリアルタイムで3次元的に直感的に容易に把握することができる。
【0014】
また本発明は、第1画像は、ドリルヘッドの軸線を中心とし、その中心からの半径方向の長さを反射時間に対応して反射波の分布を表すことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、第1画像は、少なくとも送信アンテナが設けられたドリルヘッドの軸線を中心とする仮想円50上に、その半径が反射時間に対応して反射波が表示される。これによってドリルヘッドの軸線まわりの埋設物の有無およびドリルヘッドと埋設物との間の距離を容易に知ることができる。
【0016】
また本発明は、第2画像の移動距離xの最終の値は、第1画像が表示される移動距離に対応することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、移動距離xと反射時間tとによって構成される座標(x,t)を表す第2画像における移動距離xの最終の値、すなわちたとえば推進中における現在の値に対応して、座標(θ,t)の第1画像が表示される。こうしてドリルヘッドの付近における3次元の状況を容易に把握することができるようになる。
【0018】
また本発明は、前記角度θのうち、1または複数の角度θを選択する角度選択手段を含み、
出力回路は、角度選択手段の出力に応答して、選択された角度θに対応する第2画像だけを、目視表示手段によって表示させることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、目視表示手段の表示画面に表示される複数の第2画像のうち、埋設物に関連するデータが表示されないときなどでは、そのような不要な第2画像を表示しないように、角度選択手段を操作する。これによってドリルヘッドの付近における土壌中の埋設物の把握を、容易に行うことができる。
【0020】
また本発明は、第1および第2画像を選択する画像選択手段を含み、
出力回路は、画像選択手段の出力に応答して、選択された第1画像または第2画像のいずれか一方のみを、目視表示手段によって表示させることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、目視表示手段の単一の表示画面に、第1および第2画像の両者を表示するようにしてもよいけれども、いずれか一方だけを、画像選択手段によって選択して表示するようにしてもよい。画像選択手段によって第1または第2画像のいずれか一方のみを表示することによって、観察者の不要なデータが表示画面に表示されないので、埋設物の観察が容易になる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の地中推進工法における探査装置の電気回路17の構成を示すブロック図である。この電気回路17は基本的に、送信アンテナ16aおよび受信アンテナ16bを有するレーダ式探査のための構成を含む。
【0033】
図2は、本発明の実施の一形態の地中推進工法を示す断面図である。土壌1内で可撓性を有する推進体2を地表面3上から、土壌1中に推進する。推進体2は、可撓性を有する推進体本体4と、その推進体本体4の先端部に取外し可能に連結されるドリルヘッド5とを含む。推進駆動手段46は、推進体2を、ドリルヘッド5よりも推進方向上流側で、この実施の形態では基端部で、推進体2の軸線方向に推進方向6で示されるように押込み、さらに推進体2の基端部を、軸線まわりに角変位して回転駆動することができる。
【0034】
推進体2を土壌1内に推進するにあたっては、ドリルヘッド5を土壌1中に貫入し、推進体本体4の一部を構成する最も上流側の推進管を基端部で順次的に継ぎ足しながら土壌1中に圧入し、掘削を進める。推進体2が、土壌1に形成された到達立坑で、または地表面3上で、ドリルヘッド5を取外し、敷設すべきポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂製管の端部を接続し、推進体2を引戻し、発進立坑8または地上まで合成樹脂製管を引込んで作業を終了する。
【0035】
図3は、推進体2のドリルヘッド5付近の断面図である。推進体2の軸線に直角な断面は軸線に沿って一様な円形であり、そのドリルヘッド5の先端部9には、平坦な傾斜面10が形成される。この先端部9は、先細状に形成される。傾斜面10は、推進体2、したがってドリルヘッド5の軸線11に対して傾斜している。
【0036】
ドリルヘッド5の先端部9に、上述のように傾斜面10が形成されているので、推進体2の少なくともドリルヘッド5を回転駆動しつつ押込むことによって直進させることができ、またその少なくともドリルヘッド5を回転駆動することなく押込むことによって、可撓性を有する推進体本体4を湾曲させ、土壌1中を掘進することができる。推進体本体4を湾曲させることによって、土壌1中に埋設物14が存在しても、推進体2は、その地中埋設物14を回避して、推進することができる。参照符号14は、管などを含む埋設物を総括的に示す。
【0037】
ドリルヘッド5の先端部9における傾斜面10は、平板状の合成樹脂などの誘電体15から成る。この先端部9内には、誘電体15、したがって傾斜面10に臨んで送信アンテナ16aと受信アンテナ16bとが設けられる。誘電体15は、アンテナ16a,16bの前部を構成する。アンテナ16a,16bは、誘電体15とアンテナ本体53,54とによって構成される。参照符の添字a,bを省略して数字だけで総括的に示すことがある。図3において誘電体15は、傾斜面10を形成する。傾斜面10の軸線11となす角度αは、たとえば8°または15°であってもよく、5〜25°の範囲で選ばれてもよい。
【0038】
アンテナ16は、たとえばボータイアンテナなどによって実現される。ボータイアンテナは、平坦部分とその平坦部分から隆起した立体部分とを有してもよい。アンテナ16は、その他の構成を有していてもよい。これらのアンテナ16は、ドリルヘッド5内の電気回路17に接続される。電気回路17は、地表面3に設けられた他の電気回路に接続される。送信アンテナ16aと受信アンテナ16bとは、図1および図3に示されるように別々の構成であってもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、単一のアンテナをスイッチングして切換えて用いるようにしてもよい。
【0039】
再び図1に示される電気回路17を参照して、送信アンテナ16aは、電波である電磁波を発生する。受信アンテナ16bは、その電磁波を受信する。アンテナ16による電磁波によって埋設物14を検出することができ、こうして得られる探査データは、たとえば推進体2に挿通されたケーブル18を介して地上で、出力手段19によって受信される。出力手段19は、先端部9付近に埋設物14が存在するかどうかなどを目視表示する目視表示手段63を備える。この表示手段63は、たとえば液晶または陰極線管などの表示画面30を有する目視表示手段などであってもよく、または数値などを表示する手段などであってもよい。ドリルヘッド5内には、レーダ式探査手段27の送信アンテナ16a,受信アンテナ16bおよび増幅回路22などの構成要素設けられる。
【0040】
パルサであるパルス発生回路20は、送信アンテナ16aのアンテナ本体53に、駆動手段21によってインパルス状または矩形波の送信信号を与える。送信アンテナ16aからの電磁波は、傾斜面10に垂直なドリルヘッドの前方および側方の土壌1に向けて放射される。この送信アンテナ16aからの電磁波は、地中埋設物14によって反射され、または地表面3によって反射され、その反射波は受信アンテナ16bによって受信され、増幅回路22で増幅される。増幅回路22の出力は、処理回路23に与えられる。処理回路23は、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現され、パルス発生回路20からのインパルス状または矩形波の送信信号に同期した駆動手段21の出力と、増幅回路22からの受信信号とに応答し、受信アンテナ16bの増幅回路22を介する出力である受信信号をサンプリングし、さらにデジタル化し、地中埋設物14の画像信号および地表面3からの反射波の信号を、ケーブル18を介して導出し、出力回路29によってさらに演算処理し、目視表示手段63の表示画面30に目視表示させる。
【0041】
推進体2の基端部には、図1に示される角度検出手段31と推進距離検出手段32とが設けられる。角度検出手段31は、推進駆動手段46によって推進体2がその軸線11まわりに角変位駆動される角度θを検出する。このような角度検出手段31は、たとえばエンコーダなどによって実現することできる。推進距離検出手段32は、継ぎ足される推進管の推進距離を順次的に加算し、これによってドリルヘッド5の土壌中における推進距離を演算して求める。単一本の各推進管の長さは、たとえば3mであって予め定められた値を有し、したがって推進距離検出手段32は、その推進管の土壌中に推進された本数を計数して推進距離を求めるとともに、推進管の長さ未満の推進距離をさらに求めて加算する構成を有する。
【0042】
角度検出手段31および推進距離検出手段32の出力は、出力回路29に与えられる。出力回路29は、受信アンテナ16bの受信信号を、検出された角度θおよび推進距離に対応して、目視表示手段63の表示画面30に、前述のように表示される。
【0043】
図4(1)は、送信アンテナ16aに与えられるインパルス状送信信号p1の波形を示す。受信アンテナ16bによって受信される受信信号は、図4(2)の参照符p2で示される。送信信号p1が発生される時刻t1から受信信号p2が得られる時刻t2までの時間差W1は、送信および受信アンテナ16とその電磁波が反射した埋設物までの距離L1に対応する。したがってこの時間差W1によって、送信および受信アンテナ16と管14などの埋設物との間の距離L1を検出することができる。
【0044】
図5は、推進体2を用いて土壌1を推進している状態を示す。図5(1)に示されるように、傾斜面10が土壌1の地表面3に向けた状態であっても、あるいはまた図5(2)に示されるように、傾斜面10が土壌1の地表面3とは反対側である下方に向けられた状態であっても、推進方向6の前方、さらには側方に存在する埋設物14の検出を正確に行うことができる。
【0045】
出力回路29は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現することができる。この出力回路29には、選択入力手段33が接続される。選択入力手段33は、ドリルヘッド5の軸線11まわりの角度θを選択し、また表示画面30に表示される画像を選択する。この選択入力手段33は、たとえばキーボードによって実現され、または表示画面30に表示されたメニュー画面の選択入力領域にカーソルを移動してクリック操作して入力するマウスなどによって実現されてもよい。
【0046】
図6は、出力回路29の動作を説明するためのフローチャートである。ステップr1からステップr2に移り、選択入力手段33(図1参照)が操作されて表示態様の前述の選択操作が行われていないとき、ステップr3に移り、図7の表示が行われる。
【0047】
図7は、目視表示手段63の表示画面30を示す図である。単一の表示画面30には、第1画像34と第2画像35とが共通に表示される。第1画像34は、角度検出手段31によって検出される角度θと埋設物14の反射時間tとを座標(θ,t)とする2次元の第1画像データが、出力回路29によって演算処理されて生成される。この第1画像データが、表示手段63に与えられて第1画像34が表示される。移動距離xは、推進距離検出手段32によって得られ、推進体2、したがってドリルヘッド5の移動距離である。
【0048】
この第1画像34において、送信アンテナ16aから受信アンテナ16bへの直接波の像49が示され、その像49の軸線11まわりに、周方向の360度にわたる角度において、0時、3時、6時および9時が示される。管である埋設物14のレーダ式探査結果である反射波の像48が、角度検出手段31によって検出されるドリルヘッド5の傾斜面10の角度θの位置に対応して、像49と同心上の円50内に、表示される。像49と像48との円50における半径方向の長さは、反射時間tに対応し、したがってドリルヘッド5と埋設物14との距離に対応する。本件発明者の実験では、図7は、ドリルヘッド5に最も近い管14との間の距離が50cmであるときの状態を示し、後述の図8は、その距離が10cmであるときの状態を示す。このような図7および図8の各画像は、推進距離検出手段32によって検出される推進距離毎に、得られる。
【0049】
表示画面30に表示される第2画像35は、推進距離検出手段32によって検出される移動距離xと反射時間tとを座標(x,t)とする角度検出手段31によって検出される角度θに対応して第2画像データが出力回路29によって演算して生成される。この第2画像データが目視表示手段63に与えられ、第2画像35が、各角度θ毎に、参照符35a〜35dで示されるようにして左右、上下に配列して表示される。これらの各第2画像35a〜35dは、第1画像34における各角度位置である0時、3時、6時および9時の角度θに対応する。参照符35a〜35dを、総括的に35で表すことがある。第2画像35aにおいて、像37は、送信アンテナ16aから受信アンテナ16bへの直接波の像である。像38は、受信アンテナ16bによって受信される埋設物14による反射波に基づいて、得られる。図7および後述図8では、角度θが3時、6時および9時の各第2画像35b,35c,35dでは、埋設物14が存在せず、したがって0時に対応した第2画像35aにおける反射波に基づく像38は表示されない。出力回路29では、メモリ40が備えられ、受信アンテナ16bの出力の処理回路23から得られる信号を、時間経過に伴って角度θおよび移動距離xにそれぞれ対応してストアされる。第2画像35は、このようなメモリ40から読出されたストア内容に基づいて演算された第2画像データが表示されて得られる。
【0050】
図8は、目視表示手段63の表示画面30を示す図である。図8では、推進体2が土壌1中にさらに推進されてドリルヘッド5が埋設物14に、図7のときに比べてもっと近づいたときの状態を示している。これによって第1画像34では、図7の円50で示された像48は、直接波の像51にもっと近づき、参照符41で示されるとおりとなる。第2画像35のうち、角度θが0時の第2画像35aでは、直接波の図7における像37が移動距離がさらに進むことによって、図8では像42で示されるとおりに得られる。埋設物14の反射波に基づいて得られる図7の像38は、移動距離が進むことによって図8では像43で示されるようにして得られる。
【0051】
前述の図7における第2画像35aの最終の値、すなわち第2画像35aの像37,38の最短部の位置に対応する参照符44で示される移動距離は、たとえば推進中の推進体2のドリルヘッド5の先端部9の現在の位置に対応し、第1画像34の反射波の像48が得られる移動距離xと同一値である。このことは図8においても同様であり、第2画像35aにおける像42,43の移動距離xの参照符45で示される位置に対応した移動距離xの最終の値は、図8の第1画像34における反射波の像41が得られる移動距離xと同一である。第2画像35aにおける前記位置44,45の移動距離は、現在のドリルヘッド5の先端部9の現在位置であってもよいけれども、推進体2の過去の移動距離xであってもよい。
【0052】
再び図6を参照して、ステップr2において選択入力手段33が操作されたことが判断され、次のステップr5においてドリルヘッド5の軸線11まわりの角度θが選択されたことが判断されると、ステップr6に移る。ステップr6では、選択された角度、たとえば0時と6時の各角度に対応する移動距離毎の第2画像35を表示する。
【0053】
図9は、図6のステップr6において表示される目視表示手段63の表示画面30の正面図である。選択入力手段33によって0時と6時との角度θが選択されることによって、第2画像35a,35cが上下に配置されて表示される。第2画像35aでは、直接波の像55と反射波の像56とが得られる。第1画像34では、これらの像55,56が得られる位置57の移動距離xに対応して第1画像34が表示される。像58は、埋設物14の反射波によって得られる。
【0054】
図6のステップr7において、選択入力手段33によって表示画面30に第2画像35だけが表示されるように選択されたかどうかが、判断される。第2画像35だけの表示の選択が行われたとき、ステップr8では、図10の表示が行われる。
【0055】
図10は、目視表示手段63の表示画面30の正面図である。選択入力手段33によって第2画像35のみの表示が選択されることによって、表示画面30には、各角度θ毎の第2画35a〜35dが配置されて表示される。第2画像35aでは、直接波の像59と反射波の像60とが、前述と同様に表示される。本発明の実施の他の形態では、選択入力手段33の選択操作によって、図10における複数の第2画像35のうち、希望する角度、たとえば前述の図9におけるように0時および6時の第2画像35a,35cだけを表示画面30に表示することもまた、可能である。
【0056】
図6のステップr9において、選択入力手段33によって第1画像34だけの表示が選択されたことが判断されると、次のステップr10では、図11に示されるように第1画像34だけが表示される。第1画像34には、埋設物14の反射信号の像61が含まれる。
【0057】
ステップr3,r6,r8,r10では、移動距離xを選択して、第1画像34および第2画像35を得ることもまた、可能である。
【0058】
推進体2は比較的長く、しかも土壌1中で大きなトルクが作用するので、角度検出手段31によって検出される推進体2の基端部の角度θと、ドリルヘッド5の先端部9の実際の角度とに、わずかなずれが生じるおそれがある。これによって前述の第1および第2画像34,35の表示が不正確になる。すなわち図7〜図9および図11における第1画像34の0時および6時がドリルヘッド5の軸線11を通る鉛直線に一致することが望まれ、また3時および9時が軸線11を通る水平線に一致することが望まれる。この目的を達成するために、出力回路29では、角度検出手段31によって検出された角度を補正する。
【0059】
図12は、ドリルヘッド5の先端部9の軸線11まわりの角度を補正するための構成を簡略して示す断面図である。ドリルヘッド5内には、ゾンデ65が収納される。土壌1の地表面3上には、磁界検出手段66が配置される。ゾンデ65は、軸線11のまわりの角度θの位置毎に異なる放射特性、たとえば周波数を有する磁界を放射する。
【0060】
図13は、ゾンデ65が収納されたドリルヘッド5の一部の斜視図である。ドリルヘッド5は、強磁性材料などから成る鋼から成り、またはステンレス鋼などから成り、前述のようにその軸直角断面が円形である。このドリルヘッド5には、周方向に等間隔をあけて軸線方向に延びる複数(たとえばこの実施の形態では周方向に60度ずつ、合計6)のスリット67が形成され、各スリット67には、非磁性材料である合成樹脂などが埋込まれて閉塞される。ゾンデ65は、この各スリット67から、各スリット67毎に異なる周波数を有する磁界を放射する。したがって地表面3に設けられた磁界検出手段66は、検出される磁界の強さをレベル弁別するとともに、その磁界の周波数を識別する。これによって地表面3に臨むスリット67を、検出することができる。磁界検出手段66は、たとえば検出コイルまたは半導体素子などによって実現することができる。
【0061】
再び図1を参照して、ゾンデ65の出力と磁界検出手段66の出力とは、位相差演算手段68に与えられる。これによってゾンデ65からの各スリット67から放射される磁界の位相を表す信号と、磁界検出手段66によって検出された磁界の位相との差を演算し、位相差の小さい磁界が発生されるスリット67が地表面3に臨んでいるものと確認することができる。角度補正手段69は、位相差演算手段68の出力に応答し、ドリルヘッド5の軸線11まわりの角度θの位置を表す出力回路29に与える。こうして出力回路29は、角度補正手段69から得られるドリルヘッド5の角度θを表す信号が得られるように、角度検出手段31の出力を補正する。前述の角度検出手段31の出力に関連する説明では、この角度検出手段31の検出角度θが、ドリルヘッド5の実際の角度位置に正確に一致しているものとして説明が行われており、本発明の実施の形態では、このように、角度検出手段31の出力の補正が行われてもよい。ゾンデ65の放射特性は、前記角度θの位置毎に、前述の周波数の代わりに、位相もしくは振幅が異なっていてもよく、またはこれらの複数の組合せであってもよい。
【0062】
図14は、出力回路29の一部の構成をさらに示すブロック図である。この処理回路29は、処理回路23からの出力に応答し、前記反射信号の信号強度に対する埋設物14に向かう移動距離xと電磁波の埋設物14からの反射時間tを座標(x,t)とする2次元画像データを生成する2次元画像データ生成手段70と、移動距離xと反射時間tで構成されるx−t平面上において、2次元画像データ生成手段70が生成した2次元画像データの信号強度を、特定の移動距離xにおける反射時間tj毎に、電磁波の土壌1中における予め設定された複数の伝搬速度viに対応する各傾きに沿って加算する信号強度加算手段71と、信号強度加算手段1で生成した各伝搬速度vi毎の加算反射信号強度Sijの各伝搬速度vi毎に設定された所定の臨界反射時間tBi以下の領域内の振幅値が、所定の閾値ST以上となる場合に、ドリルヘッド5の推進を停止させるべく推進駆動手段46に対して推進停止を指示、もしくは、操作者に対して警報を発する推進停止手段72と、信号強度加算手段71で生成した前記各伝搬速度vi毎の加算反射信号強度Sijの収斂度から土壌1中の伝搬速度vpを特定し、その伝搬速度vpを用いて埋設物14までの距離を算出する距離算出手段73とを備える。
【0063】
図15は、図14に示される出力回路29の一部の動作を説明するためのフローチャートである。この図14に示される出力回路29は、送受信工程S1、2次元画像データ生成工程S2、信号強度加算工程S3、推進停止工程S4、距離算出工程S5の各工程を順次実行して、ドリルヘッド5と埋設物14との間の距離を算出して、埋設物14の位置探査を行う。推進停止工程S4は所定条件を満足した場合のみ実行する。
【0064】
送受信工程S1では、ドリルヘッド5の推進によって先端部9が埋設物14に向かって移動しながら、埋設物14に向かって、つまり推進方向前方に電磁波を放射し、その放射した電磁波の埋設物14からの反射信号を受信する。受信した反射信号は、必要に応じて増幅処理または雑音除去処理を施して、リアルタイムで出力する。
【0065】
2次元画像データ生成工程S2では、2次元画像データ生成手段70が、送受信工程S1で受信した反射信号を処理回路23で反射信号の振幅値、つまり、反射信号強度を所定のサンプリング間隔(本実施形態では0.1406ns)で、所定のビット数のバイナリデータに量子化する。したがって推進距離検出手段32によって受信信号を受信する毎の埋設物14に向かう移動距離xが計算でき、この移動距離xとサンプリング間隔で計時される電磁波の埋設物14からの反射時間tを座標(x,t)とする2次元画像データを生成する。
【0066】
2次元画像データの一例として、図16に示すように、表示画面30の画像サイズが、横軸x(移動距離x)200ピクセル、縦軸y(反射時間t)250ピクセルで構成されている。移動距離xについては、実際の移動距離xp、つまりドリルヘッド5の現在位置xpより推進方向側(+x方向)では反射信号を受信していないので反射信号強度は零として2次元画像データが生成されている。また、反射時間tは実際には電磁波放射時点を0nsとする電磁波が埋設物14を往復する伝搬時間のサンプリングタイミングを表しており、反射時間tの計測が0nsから36nsまで行われ、各移動距離x毎に反射時間tのサンプリング点での受信反射信号の256の量子化が行われている。
【0067】
また、所定のビット数で量子化された反射信号強度は、目視表示手段63においては、強度0を中間輝度で表示し、信号強度の極性が正の場合に高輝度で、負の場合に低輝度で表示している。表示輝度の階調数は前記量子化ビット数で決定される。図16では、便宜上、中間輝度を紙面地色で、高輝度部分を破線、低輝度部分を実で、模擬的に表示してある。
【0068】
図16に示す2次元画像データをより視覚的に理解するために、図17に、移動距離xの3点について、反射信号波形を3次元的に図示する。
【0069】
図16の2次元画像データの場合、受信反射信号の軌跡Tが直線であるため、その直線の延長線上の横軸xとの交点x0(移動距離xの80ピクセル付近)に埋設物14が存在し、かつ、このまま直進すれば、埋設物14と衝突することが判る。また、受信反射信号の軌跡Tが直線ではなく双曲線T1を描いていれば、埋設物14はドリルヘッド5の推進方向から斜め方向にずれていることが判る。
【0070】
このように、2次元画像データの画像表示から、推進方向前方に埋設物14が存在すると判明すれば、埋設物14までの距離を正確に計算するために、次工程以降の各処理を行う。
【0071】
信号強度加算工程S3を実行する前に、先ず、電磁波の土壌1中の伝搬速度vを複数通り仮設定しテーブル化しておく。ここで、伝搬速度vと或る移動距離xでの反射時間tとの関係は、
t=2(x0−x)/v …(1)
で表され、軌跡Tの傾きΔt/Δxが伝搬速度vの逆数の2倍(=2/v)に相当する。軌跡Tの傾きと伝搬速度vとの関係は、2次元画像データの座標軸の取り方および反射時間tを往復時間とせず、片道の伝搬時間とすることによって異なる。
【0072】
本実施の形態では、複数の伝搬速度viは次式2で定義される関係を満足するように20通りを予め仮設定している。iは1〜20の自然数である。c0は光速である。
【0073】
log10(vi/c0)= −0.4−(i−1)*0.02…(2)
信号強度加算工程S3では、図14に示すように、信号強度加算手段71が、前記仮設定された20通りの伝搬速度viをi=1〜20の順に逐次選択する(サブステップ#1)。
【0074】
実施の他の形態では、各伝搬速度viは予め仮設定したものを選択するのではなく、式2を計算して前記各伝搬速度viを逐次設定してもよい。
【0075】
次に、サブステップ#1で選択または設定された1つの伝搬速度viに対して、その伝搬速度viで特定されるx−t平面上の傾きに沿って、2次元画像データ生成工程S2で生成された2次元画像データの信号強度を加算する加算開始点の設定を行う。具体的には、現在位置である移動距離xpにおける縦軸y方向の各ピクセルに対応する反射時間tjを設定する(サブステップ#2)。
【0076】
次に、移動距離xpとサブステップ#2で設定された反射時間tjから成る座標点(xp,tj)を始点として、サブステップ#1で設定された伝搬速度viの二分の一に対応する傾き(Δx/Δt)で移動距離xpから−x方向へ16ピクセル分の移動距離x1までの反射信号強度データを加算して、その加算反射信号強度をSijとする(サブステップ#3)。移動距離xpから前記移動距離x1までの長さは、推進距離にして約20cmに相当する。
【0077】
このように加算範囲を限定するのは、埋設物14から遠方になるほど受信する反射信号強度が小さくなり、さらに、S/N比が悪くなる反射信号強度を、信号強度加算工程S3における加算処理から除外するためである。これによって加算結果である加算反射信号強度Sij自体のS/N比の向上が図られ、後行程における前記加算反射信号強度Sijの収斂度の判定がより明確になる。また、むやみに多くのデータの加算を繰返さないので、処理時間の短縮が図られる。
【0078】
加算反射信号強度Sijを、図18のように、横軸を前記伝搬速度viとし、縦軸を前記反射時間tjとするv−t平面上にプロットして、伝搬速度分布画像を生成する(サブステップ#4)。
【0079】
以上の要領で、サブステップ#1〜#4をi=1〜20、j=1〜256の範囲で繰返し、伝搬速度分布画像を完成して、前記信号強度加算行程S3を終了する。i,jの繰返しループは何れが先であってもよい。
【0080】
伝搬速度分布画像の一例として、図18に示すように、横軸i(伝搬速度vi、i=1〜20、横軸方向数ピクセルを1データとして表示)、縦軸y(反射時間tj)256ピクセルとして構成されている。また、加算反射信号強度Sijは、目視表示手段63においては、強度0を中間輝度で表示し、信号強度の極性が正の場合に高輝度で、負の場合に低輝度で表示している。さらに、便宜上、中間輝度を紙面地色で、高輝度部分を破線、低輝度部分を実で、模擬的に表示してある。
【0081】
推進停止工程S4では、推進停止手段2が、信号強度加算工程で生成され各伝搬速度vi毎の加算反射信号強度Sijに対して、所定の閾値STより小さいものは0とし、閾値ST以上となるものだけを、そのままの階調を維持したまま保存する閾値処理を施し(サブステップ#7)、閾値処理後の加算反射信号強度Sijの振幅値が各伝搬速度vi毎に予め設定された所定の臨界反射時間tBi以下の領域内に存在するか否かを判定し(サブステップ#8)、存在しない場合は次ステップの距離算出工程S5に移行し、存在する場合は、ドリルヘッド5の推進を停止させるべく推進駆動手段46に対して推進停止を指示し(サブステップ#9)、距離算出工程S5に移行する。
【0082】
ここで、閾値STとしては、受信アンテナ16bが受信する反射信号強度の定常ノイズやランダムノイズを含むバックグラウンドノイズを信号強度加算手段71が加算した場合のバックグラウンドノイズレベルよりも相対的に10dB(振幅で約3.16倍)大きな値を使用する。この結果、閾値STをバックグラウンドノイズレベルより一定レベル以上大きな信号値とすることで、これらノイズの影響を除去した高精度の判定が可能となるのである。
【0083】
また、各伝搬速度viとそれに対応する各臨界反射時間tBiは次式3で表される関係にあり、式3で算出される臨界距離dBは、各i間で一定で、埋設物14への接近が許容される最短距離(例えば、30cm)となるように予め設定されている。
【0084】
dB = vi*tBi/2 …(3)
距離算出工程S5では、距離算出手段73が前記信号強度加算工程S3で生成された伝搬速度分布画像の加算反射信号強度Sijの最大値よりその収斂度を判定し、当該最大値を与える土壌1中の伝搬速度vpと移動距離xpにおける反射時間tpを決定し、埋設物14までの距離(x0−xp)を次式4によって算出する
(x0−xp) = vp*tp/2 …(4)
図18に示す伝搬速度分布画像の場合は、i=11、すなわち、vp=7.536cm/ns(7.536*107 m/s)、j=92、すなわち、tj=12.93ns、(x0−xp)=48.73cmと算出される。
【0085】
さらに、埋設物14までの距離算出に加えて、伝搬速度vと土壌1の比誘電率εとの関係は、c0を光速として、
v=c0/ε1/2 …(5)
で表され、伝搬速度vpの結果から、ε=15.8(粘土質)と判明し、地下水等を多量に含有していないと判定することができる。
【0086】
以下に本発明の実施の他の形態を説明する。
【0087】
(1)信号強度加算工程S3におけるサブステップ#3の加算反射信号強度Sijの計算において、移動距離x1は必ずしも移動距離xpから−x方向へ16ピクセル分の位置でなくてもよい。
【0088】
たとえば、送受信工程S1を開始したx=0の位置であってもよいし、送受信工程S1において初めて有効な信号強度を受信した位置を適宜使用するようにしてもよい。
【0089】
(2)上記実施の形態において、信号強度加算工程S3を実行後、推進停止手段72が推進停止工程S4を実行せずに、距離算出手段73が距離算出工程S5を実行し、そこで算出された埋設物14までの距離が臨界距離dB以下の場合に、ドリルヘッド5の推進の停止を指示するようにしてもよい。
【0090】
本発明の実施の他の形態では、ドリルヘッド5の先端部9の傾斜面10には、送信アンテナ16だけが設けられ、受信アンテナは、図2の参照符16cで示されるように、操作者7が手で持って移動してもよく、または台車などによって移動するようにしてもよい。この受信アンテナ16cからの信号は、図1の電気回路17において前述の受信アンテナ16bと同様にして増幅回路22に与えられ、同様に演算処理が行われるようにしてもよい。受信アンテナ16cからの受信信号によって、送信アンテナ16aへの送信信号を与えた時刻から受信アンテナ16cの受信信号が得られるまでの時間差は、前記深さW1に対応している。
【0091】
この実施の形態でもまた、前記時間差に対応した距離だけ隔てて存在する地中埋設物14を検出することはできる。
【0092】
受信アンテナ16cによって得られる受信信号の最大レベルが得られる地表面3上の位置は、土壌1中の送信アンテナ16aまでの最短距離であり、これによってその受信アンテナ16cの直下にドリルヘッド5が存在するものと判断することができる。
【0093】
さらにこの受信アンテナ16cの受信強度の前記最大強度に対する比を演算手段によって演算し、その比に対応して、傾斜面10の軸線11まわりの回転角度を検出することができる。これによって前述の角度検出手段31を実現してもよい。
【0094】
【発明の効果】
請求項1の本発明によれば、地中の送信アンテナから電磁波が発生され、土壌中の地中埋設物による反射波を受信することによって、推進体の先端部であるドリルヘッドの近傍に存在する埋設物を検出することができるので、その埋設物の破損を予防しながら、地中推進工法を実施することができる。
【0095】
本発明によれば、推進体の先端部から電磁波を発生するようにしたので、電磁波が減衰しやすい土壌中において、その先端部の近傍における埋設物を、大きな送信電力を必要とすることなく、容易にかつ確実に検出することができる。
【0096】
請求項1の本発明によれば、目視表示手段によって第1および第2画像を単一の表示画面に同時に表示し、第1画像は、移動距離に対応した角度θと埋設物の反射時間tとによって構成される座標(θ,t)の2次元データであり、第2画像は、角度θ毎の移動距離xと反射時間tとによって構成される座標(x,t)の2次元データであり、これによって観察者は、3次元的な土壌中の埋設物などの位置を、直感的にリアルタイムで把握することがきわめて容易になる。このような目視表示手段の表示画面の画素数が増大されることによって、このように単一の表示画面に第1および第2画像を同時に表示しても、それらの各画像を明瞭に表示することができる。
【0097】
請求項2の本発明によれば、地中にある推進体の先端部に送信アンテナが設けられ、この送信アンテナから電磁波を発生する。地上では、受信アンテナによって、送信アンテナから土壌を介する電磁波を受信する。送信アンテナから受信アンテナまでの電磁波の経路の途中に埋設物が存在すると、受信アンテナで受信される電磁波の強度が変化し、これによって埋設物を容易に検出することができる。しかも、地上に到達する電磁波の強度は低くてもよいので、電波障害などの問題を予防することができる。
【0098】
さらに本発明によれば、ドリルヘッドに送信アンテナが設けられ、この送信アンテナから電磁波が発生されて地表面上で受信アンテナで電磁波が受信されるので、前述の請求項1における土壌中を往復伝搬する電磁波の経路に比べて、請求項2の構成では、約1/2であって、その伝搬経路はいわば片道だけであるので、送信アンテナから発生された電磁波が地表面上で受信アンテナに受信されるまでの減衰量が、約半分になる。したがってドリルヘッド先端部の検出を正確に行うことができる。また送信アンテナから受信アンテナまでの電磁波伝搬可能距離が長くなるので、ドリルヘッド先端部が土壌中で深い位置にあっても、その位置を検出することができる。
【0099】
またこの請求項2の本発明によれば、前述と同様にして、単一の表示画面に第1および第2画像が表示され、ドリルヘッドの付近における埋設物の配置を、リアルタイムで3次元的に直感的に把握することが容易である。
【0100】
請求項3の本発明によれば、座標(θ,t)の第1画像が、ドリルヘッドの軸線を中心とする仮想円50上に、半径方向の長さを反射時間に対応して表示されるので、ドリルヘッドの付近における土壌中の埋設物の配置を、容易に把握することができる。
【0101】
請求項4の本発明によれば、第1画像の座標(θ,t)の2次元データの移動距離は、座標(x,t)の第2画像の移動距離xの最終の値、たとえば走行中のドリルヘッドの現在の位置と同一であり、これによってドリルヘッドの軸線まわりの埋設物の位置と、そのドリルヘッドと埋設物との間の距離とを、容易に把握することができる。
【0102】
請求項5の本発明によれば、角度選択手段によって選択された角度θに対応する第2画像だけを目視表示手段によって表示し、これによって目視表示手段の表示画面上に不要な第2画像が表示されることを防ぎ、埋設物の3次元的な把握をさらに容易にすることができる。
【0103】
請求項6の本発明によれば、画像選択手段によって第1および第2画像のいずれか一方のみを選択して目視表示手段の表示画面に表示し、これによって不要な画像が表示されず、ドリルヘッド付近の埋設物の有無の状況を容易に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の地中推進工法における探査装置の電気回路17の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態の地中推進工法を示す断面図である。
【図3】推進体2のドリルヘッド5付近の断面図である。
【図4】図4(1)は、送信アンテナ16aに与えられるインパルス送信信号p1の波形を示す。受信アンテナ16bによって受信される受信信号は、図4(2)の参照符p2,p3で示される。
【図5】推進体2を用いて土壌1を推進している状態を示す。
【図6】出力回路29の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】目視表示手段63の表示画面30を示す図である。
【図8】目視表示手段63の表示画面30を示す図である。
【図9】図6のステップr6において表示される目視表示手段63の表示画面30の正面図である。。
【図10】目視表示手段63の表示画面30の正面図である。
【図11】目視表示手段63の表示画面30の正面図である。
【図12】ドリルヘッド5の先端部9の軸線11まわりの角度を補正するための構成を簡略して示す断面図である。
【図13】ゾンデ65が収納されたドリルヘッド5の一部の斜視図である。
【図14】出力回路29の一部の構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示される出力回路29の一部によって達成される動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】図14および図15の構成および動作によって目視表示手段63の表示画面30によって表示される画像を示す図である。
【図17】推進体2の移動距離xと反射時間tjと反射強度とを説明するための図である。
【図18】式2の値iと伝搬速度viと値jと反射時間tjの座標平面における複数の各伝搬速度viと臨界反射時間tBiとの関係を示す図である。
【符号の説明】
2 推進体
4 推進体本体
5 ドリルヘッド
9 先端部
10 傾斜面
11 軸線
14 埋設物
16a 送信アンテナ
16b 受信アンテナ
17 電気回路
19 出力手段
20 パルス発生回路
21 駆動手段
22 増幅回路
23 処理回路
29 出力手段
30 表示画面
31 角度検出手段
32 推進距離検出手段
33 選択入力手段
34 第1画像
35,35a〜35d 第2画像
40 メモリ
46 推進駆動手段
50 円
63 目視表示手段
65 ゾンデ
66 磁界検出手段

Claims (6)

  1. 土壌中を推進する推進体のドリルヘッドに、電磁波を発生し反射波を受信する送信および受信アンテナを設け、
    推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線まわりに角変位する推進駆動手段と、
    送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動するとともに、反射波の受信信号を演算処理して地中埋設物の反射時間を求める演算処理手段と、
    ドリルヘッドの軸線まわりの角度θを検出する角度検出手段と、
    推進体が推進して移動した移動距離を検出する移動距離検出手段と、
    表示画面を有する目視表示手段と、
    出力回路であって、目視表示手段の単一の表示画面に、
    演算処理手段と角度検出手段との出力に応答して、前記角度θと埋設物の反射時間tとを座標(θ,t)とする移動距離xに対応する第1画像データを生成して第1画像を表示させるとともに、
    演算処理手段と移動距離検出手段との出力に応答して、移動距離xと反射時間tとを座標(x,t)とする前記角度θに対応する第2画像データを生成して第2画像を表示させる出力回路とを含むことを特徴とする地中推進工法における探査装置。
  2. 土壌中を推進する推進体のドリルヘッドに、電磁波を発生する送信アンテナを設け、
    推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線まわりに角変位する推進駆動手段と、
    送信アンテナに送信信号を与えて駆動する手段と、
    電磁波の反射波を受信する受信アンテナと、
    受信アンテナからの受信信号を演算処理して地中埋設物の反射時間を求める演算処理手段と、
    ドリルヘッドの軸線まわりの角度θを検出する角度検出手段と、
    推進体が推進して移動した移動距離を検出する移動距離検出手段と、
    表示画面を有する目視表示手段と、
    出力回路であって、目視表示手段の単一の表示画面に、
    演算処理手段と角度検出手段との出力に応答して、前記角度θと埋設物の反射時間tとを座標(θ,t)とする移動距離xに対応する第1画像データを生成して第1画像を表示させるとともに、
    演算処理手段と移動距離検出手段との出力に応答して、移動距離xと反射時間tとを座標(x,t)とする前記角度θに対応する第2画像データを生成して第2画像を表示させる出力回路とを含むことを特徴とする地中推進工法における探査装置。
  3. 第1画像は、ドリルヘッドの軸線を中心とし、その中心からの半径方向の長さを反射時間に対応して反射波の分布を表すことを特徴とする請求項1または2記載の地中推進工法における探査装置。
  4. 第2画像の移動距離xの最終の値は、第1画像が表示される移動距離に対応することを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の地中推進工法における探査装置。
  5. 前記角度θのうち、1または複数の角度θを選択する角度選択手段を含み、
    出力回路は、角度選択手段の出力に応答して、選択された角度θに対応する第2画像だけを、目視表示手段によって表示させることを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の地中推進工法における探査装置。
  6. 第1および第2画像を選択する画像選択手段を含み、
    出力回路は、画像選択手段の出力に応答して、選択された第1画像または第2画像のいずれか一方のみを、目視表示手段によって表示させることを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の地中推進工法における探査装置。
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