JP7218471B1 - コヒーレントノイズ特定方法及び埋設管の位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
地中探査レーダにより得られる地中の断面像に含まれるコヒーレントノイズを特定する方法であって、前記地中探査レーダを移動させつつ得られた複数の前記断面像の移動平均によって背景成分を得るステップと、前記断面像から前記背景成分を除去して得られた背景除去成分を得るステップと、前記背景成分の周波数スペクトルのピーク周波数と、前記背景除去成分の周波数スペクトルのピーク周波数との中間の周波数を境界として、前記断面像の周波数スペクトルにおける、前記中間の周波数の前後におけるパワーの大小関係に基づいて、前記コヒーレントノイズを特定するステップとを備えることを特徴とするコヒーレントノイズ特定方法。
一方向に沿って延長するように埋設された管の長さ方向に沿う第1の走行経路に沿って地中探査レーダを移動させることにより、前記管の横断方向における複数の第1の部分断面像を継続的に取得するステップと、前記第1の走行経路に隣接する第2の走行経路に沿って前記地中探査レーダを移動させることにより、前記第1の走行経路に隣接する領域における複数の第2の部分断面像を継続的に取得するステップと、前記第1の部分断面像と前記第2の部分断面像とを、前記管の横断方向において隣接するようにつなぎ合わせることにより、合成された複数の断面像を得るステップと、前記複数の断面像の移動平均によって背景成分を得るステップと、前記断面像から前記背景成分を除去して得られた背景除去成分を得るステップと、前記背景成分の周波数スペクトルのピーク周波数と、前記背景除去成分の周波数スペクトルのピーク周波数との中間の周波数を境界として、前記断面像の周波数スペクトルにおける、前記中間の周波数の前後におけるパワーの大小関係に基づいて、前記断面像に含まれた反射波がコヒーレントノイズかどうかを判定するステップと、判定された前記コヒーレントノイズを除外した前記断面像に基づいて埋設管の位置を検出するステップとを備える埋設管の位置検出方法。
前記地中探査レーダの移動は車両により行われるものであることを特徴とする項目2に記載の埋設管の位置検出方法。
本実施形態においては例えば、図3に示すような探査車1を用いる。探査車1は、地中レーダ2を搭載した車両である。地中レーダ2は、地中方向に電波を照射し、その反射波を受信することで反射波の波形を取得するものである。このような地中レーダとしては、従来から用いられているものを使用できるので、これについての詳しい説明は省略する。また、本実施形態の説明においては、埋設管3が道路の長さ方向に(つまり縦断方向に)設置されているものとする。つまり、埋設管3は一方向に沿って延長するように埋設されている。
ついで、本実施形態では、第1~第3の部分断面像を、埋設管3の横断方向において隣接するようにつなぎ合わせる(図4(e)参照)。つまり、ほぼ同じ位置で取得された部分断面像をつなぎ合わせる。ただし埋設管3は長尺であり、横断面上の位置は通常ほぼ一定なので、厳密に同じ位置である必要はない。これにより、道路の幅全体にわたる断面像を取得できる。この処理を、道路の長さ方向において断続的に取得されたそれぞれの部分断面像において行うことにより、合成された複数の断面像を得ることができる。つまり、図4(e)のような断面像を、道路の長さ方向における所定間隔ごとに得ることができる。
ついで、断面像における双曲線型の反射波を抽出する。この抽出は、センブランスの算出により行うことができる。埋設管3からの反射波は双曲線形状であることが知られており、双曲線形状を抽出することで埋設管3の位置(あるいは有無)を推定できる。ここで埋設管3の深さについては、反射波の取得時間及び双曲線の形状に基づいて推定可能である。センブランスを用いた双曲線の抽出や深さの推定については、従来から知られている方法を用いることができるので、これについての詳しい説明は省略する。また、センブランス以外の類似度計算手法を用いて双曲線を抽出することも可能である。
ここで、反射波に含まれるコヒーレントノイズについて、図5を参照しながら説明する。コヒーレントノイズは縦断方向(車両の走行方向)に現れるノイズである。仮に縦断方向に沿った断面での反射波を取得したとすると、図5(a)のように縞模様としてコヒーレントノイズが現れる。横断方向では、図5(b)のように逆ハの字パターンとしてコヒーレントノイズが現れる。この場合、部分断面像を合成すると、図5(c)のように、双曲線型の像が現れる。このコヒーレントノイズによる像は埋設管3からの反射波ではないので、この明細書では偽像と称する。この偽像をセンブランスで分離することは難しい。すなわち、この偽像を効率的に除外する方法が従来は存在しなかった。前記のステップSA-3では、偽像を含めた反射波が抽出される。
本実施形態では、偽像を含めた反射波を前記のように抽出した後、図2に示す手順により反射波が偽像かどうかを判定する。
図6(a)に、ある位置における断面像(オリジナル)を示す。このオリジナル断面像の周波数スペクトルを図7(a)に示す。これは、ある断面像における全反射波の平均スペクトルといえる。このままの波形では扱いにくいので、移動平均をとって滑らかにしたスペクトル(トレンド)を図7(b)に示す。
ついで、オリジナルの断面像から背景成分を除去する。これにより、図6(c)、図7(a)、図7(b)に示す背景除去成分を得ることができる。
ついで、背景成分の周波数スペクトルのピーク周波数と、背景除去成分の周波数スペクトルのピーク周波数との中間の周波数を境界として、断面像の周波数スペクトルにおける、中間の周波数の前後におけるパワーの大小関係に基づいて、断面像に含まれた反射波がコヒーレントノイズかどうかを判定する。この処理を以下詳しく説明する。
具体的に埋設管を検出した例を図12に示す。図12(a)はセンブランス解析による反射波の自動抽出結果を示す。これに基づいて、図12(b)のように、反射波の位置を示す点群データの空間分布を取得できる。これらの点は埋設管の候補であるが偽像を含んでいる。本実施形態の方法により偽像を除去した結果を図12(c)に示す。この点群データと、埋設管3は直線状であるという仮定とから、埋設管3を抽出することができる。
2 地中レーダ
3 埋設管
Claims (3)
- 地中探査レーダにより得られる地中の断面像に含まれるコヒーレントノイズを特定する方法であって、
前記地中探査レーダを移動させつつ得られた複数の前記断面像が移動平均された背景成分を得るステップと、
前記断面像から前記背景成分を除去して得られた背景除去成分を得るステップと、
前記背景成分のパワースペクトルの最大パワーに対応するピーク周波数(A)と、前記背景除去成分のパワースペクトルの最大パワーに対応するピーク周波数(B)との中間の周波数((A+B)/2)を境界として、前記断面像のパワースペクトルにおける、前記中間の周波数の前後における同じ底辺長さでの前記パワースペクトルの面積の大小関係に基づいて、前記コヒーレントノイズを特定するステップと
を備えることを特徴とするコヒーレントノイズ特定方法。 - 請求項1に記載のコヒーレントノイズ特定方法を用いて行われる埋設管の位置検出方法であって、
前記複数の断面像の取得は、
一方向に沿って延長するように埋設された管の長さ方向に沿う第1の走行経路に沿って地中探査レーダを移動させることにより、前記管の横断方向における複数の第1の部分断面像を継続的に取得するステップと、
前記第1の走行経路に隣接する第2の走行経路に沿って前記地中探査レーダを移動させることにより、前記第1の走行経路に隣接する領域における複数の第2の部分断面像を継続的に取得するステップと、
前記第1の部分断面像と前記第2の部分断面像とを、前記管の横断方向において隣接するようにつなぎ合わせることにより、合成された複数の断面像を前記複数の断面像として得るステップと、
により行われており、これにより、前記複数の断面像は、前記地中探査レーダを移動させつつ得られたものとなっており、
さらに、前記コヒーレントノイズを特定するステップにより特定された前記コヒーレントノイズに基づいて偽像と埋設管の像とを前記断面像において分離することにより埋設管の位置を検出するステップを備える埋設管の位置検出方法。 - 前記地中探査レーダの移動は車両により行われるものであることを特徴とする
請求項2に記載の埋設管の位置検出方法。
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