JPH07270544A - 埋設物探知方法 - Google Patents

埋設物探知方法

Info

Publication number
JPH07270544A
JPH07270544A JP8275494A JP8275494A JPH07270544A JP H07270544 A JPH07270544 A JP H07270544A JP 8275494 A JP8275494 A JP 8275494A JP 8275494 A JP8275494 A JP 8275494A JP H07270544 A JPH07270544 A JP H07270544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
coordinate
difference
data
map
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8275494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3198316B2 (ja
Inventor
Hiroto Saito
裕人 斎藤
Yuji Nagashima
裕二 永島
Shigeru Kobayashi
繁 小林
Junichi Masuda
順一 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP8275494A priority Critical patent/JP3198316B2/ja
Publication of JPH07270544A publication Critical patent/JPH07270544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3198316B2 publication Critical patent/JP3198316B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 埋設物からの反射波と地表面等からの反射波
とが重畳したデータに対しても埋設物の認識を可能とす
る。 【構成】 スタート地点より所定距離ΔL移動後、この
ΔL移動後の位置を起点として一定距離l移動する毎
に、その位置での受信信号の波形と所定距離ΔL離れた
位置での受信信号の波形とから同じ伝搬時間での振幅値
の差分波形を求める。この差分波形の差分データを、そ
の正方向の各波の極大値を示す差分データについてその
絶対値が規定値Bよりも大きい場合は「1」に、その負
方向の各波の極大値を示す差分データについてその絶対
値が規定値Bよりも大きい場合は「−1」に、それ以外
の差分データについては「0」に規格化する。この規格
化の結果を移動距離と伝搬時間とを軸として2次元的に
並べたデータマップを作成し、追跡加算処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地中や構造物中に埋
設された物体(埋設物)を電磁波を用いて探知する埋設
物探知方法に関し、特に、送信アンテナと受信アンテナ
の組を地表面や構造物表面に沿って移動させながら、ブ
ザー,音声,ランプ等でリアルタイムに測定者に埋設物
の存在を報知する埋設物探知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8に従来の埋設物探知装置のブロック
図を示す。この装置において、送信器1は、幅数nsecの
パルスを送信アンテナ2へ送る。送信アンテナ2は、送
られてくるパルス信号を電磁波に変換し、地中に向けて
放射する。放射された電磁波の一部は地表面9で反射す
るが、一部は地中を伝搬し、電気的特性の異なる個所が
存在すると、そこで反射する。これらの反射した電磁波
を受信アンテナ3で受け、受信器4により電気信号に変
換する。実際の測定においては、アンテナ2,3および
距離検出部5を移動用車輪6を利用して、図示矢印の方
向に移動する。そして、上記送信、受信のプロセスを規
定の距離l(たとえば、2cm)毎に行い、複数の受信
信号を記録する。アンテナ移動距離は距離検出部5にお
いて移動用車輪6の回転角度から計算する。この複数の
受信信号は、演算部7において振幅値の大きさ毎に色変
調された後、2次元的に並べられて、地中断面観測パタ
ーンが形成される。この地中断面観測パターンは表示部
8において表示される。
【0003】表示される地中断面観測パターンを図9
(a)に、アンテナが埋設管11の上に位置した時に受
信される受信信号を図9(b)に示す。図9(a)で
は、受信信号の振幅値の絶対値が規定の値A以上の時間
位置を斜線で、それ以外の時間位置を空白で表わしてい
る。図9(a)のパターン12は地表面9からの反射波
群に相当する。また、パターン13は地層境界面10
(例えばアスファルトと土の境界面)からの反射波に相
当する。アンテナから放射された電磁波はある角度で拡
がるため、埋設管11からの反射波のパターンは図9
(a)のパターン14のように双曲線形状となる。実際
の埋設管11の位置は双曲線の頂点の位置である。従っ
て、地中断面観測パターンにおける双曲線形状を認識す
ることにより、埋設管11を探知することができる。
【0004】従来、この双曲線形状を認識するために、
主に合成開口法による認識処理が行われてきた。双曲線
の形状は電磁波の地中における伝搬速度に依存する。そ
こで、伝搬速度を仮定して双曲線形状を理論計算し、そ
の理論曲線と実際に観測された双曲線形状14とのマッ
チングを行うことにより、地中断面観測パターンにおけ
る双曲線形状を認識することができる。しかし、この方
法ではアンテナを移動しながらリアルタイムに埋設物を
探知することはできず、また、アンテナ移動表面が舗装
されていない場合などには表面の凸凹により双曲線の形
状が変形し、マッチングが正確にできなかった。
【0005】そこで、アンテナを移動させながらリアル
タイムに測定者に埋設物の存在を報知することが可能
で、しかも双曲線の形状が変形するような条件でも探知
可能な埋設物探知方法として、特願平5−65939号
が提案された。すなわち、ある時間毎に反射波を受信
し、受信した受信信号の微分値を計算し、その微分値が
0となる時間位置に着目して、その振幅値を「1」,
「−1」,「0」に規格化し、連続して受信した2つの
受信信号に対して、その規格値が「1」もしくは「−
1」である座標同士の関連性を調べ、関連性があると判
断された座標同士の伝搬時間の変化を計算し、その結果
を加算値マップ上に加算・格納して行き、その値によっ
て埋設物の位置を認識する方法が提案された。以下、こ
の方法を規格化・追跡加算処理によるリアルタイム認識
方法と呼ぶ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな規格化・追跡加算処理によるリアルタイム認識方法
では、規格化データの伝搬時間の差分を加算して行くた
め、埋設物を認識するには、規格化データを2次元的に
並べた規格化データマップ上で双曲線が一定以上の大き
さで明確に現れるような条件でなければならない。すな
わち、双曲線の裾にあたるデータの伝搬時間と頂点にあ
たるデータの伝搬時間とが、ある程度の差をもっている
必要がある。したがって、埋設深度が浅い管の場合など
には、図10(a)に示すように埋設管からの反射波1
4が地表面の反射波12や地層境界面からの反射波13
に重畳するため、規格化した時点で双曲線形状が認識可
能なほど明確に現れなくなるという問題点があった。図
10(a)の規格化データマップを図10(b)に、ま
た追跡加算処理の結果、加算値が規定の値を越えた座標
を抽出した図を図10(c)に示す。また、一方で、図
10(c)からも分かるように、地層境界面からの反射
波が、地層境界面自身の勾配や土質の微妙な変化に起因
する電磁波伝搬速度の変化により、地中断面観測パター
ン上ゆるやかな傾きをもって現れるため、埋設管からの
双曲線状の反射波と同じような大きな加算値をもってし
まい、誤認識されるという問題があった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、埋設物から
の反射波と地表面等からの反射波とが重畳したデータに
対しても埋設物を認識することが可能で、また地層境界
面からの反射波の影響による誤認識を防止することも可
能な埋設物探知方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、その第1発明(請求項1に係る発明)は、ス
タート地点より所定距離ΔL移動後、このΔL移動後の
位置を起点として一定距離l移動する毎に、その位置で
の受信信号の波形と所定距離ΔL離れた位置での受信信
号の波形とから同じ伝搬時間での振幅値の差分波形を求
め、この差分波形の差分データを、その正方向の各波の
極大値を示す差分データについては「1」に、その負方
向の各波の極大値を示す差分データについては「−1」
に、それ以外の差分データについては「0」に規格化
し、この規格化の結果を移動距離と伝搬時間とを軸とし
て2次元的に並べたデータマップを作成し、この作成し
たデータマップの隣り合う2つの規格化結果のうち最初
の規格化結果であるラインデータの「1」,「−1」の
値を有する各基準座標と、次の規格化結果であるライン
データの座標との関連性を調べ、これにより関連性があ
ると判断された基準座標と関連座標との組で、基準座標
と関連座標との伝搬時間の差分を求め、この差分値をデ
ータマップと同じ座標系を持つ加算値マップの関連座標
に対応する座標に、基準座標に対応する座標中の格納値
との加算値として格納し、この加算値マップの座標に格
納される加算値が規定の値を越えた場合に埋設物の存在
を報知するようにしたものである。また、その第2発明
(請求項2に係る発明)は、スタート地点より所定距離
ΔL移動後、このΔL移動後の位置を起点として一定距
離l移動する毎に、その位置での受信信号の波形と所定
距離ΔL離れた位置での受信信号の波形とから同じ伝搬
時間での振幅値の差分波形を求め、この差分波形の差分
データを、その正方向の各波の極大値を示す差分データ
についてその絶対値が規定値よりも大きい場合は「1」
に、その負方向の各波の極大値を示す差分データについ
てその絶対値が規定値よりも大きい場合は「−1」に、
それ以外の差分データについては「0」に規格化し、こ
の規格化の結果を移動距離と伝搬時間とを軸として2次
元的に並べたデータマップを作成し、この作成したデー
タマップの隣り合う2つの規格化結果のうち最初の規格
化結果であるラインデータの「1」,「−1」の値を有
する各基準座標と、次の規格化結果であるラインデータ
の座標との関連性を調べ、これにより関連性があると判
断された基準座標と関連座標との組で、基準座標と関連
座標との伝搬時間の差分を求め、この差分値をデータマ
ップと同じ座標系を持つ加算値マップの関連座標に対応
する座標に、基準座標に対応する座標中の格納値との加
算値として格納し、この加算値マップの座標に格納され
る加算値が規定の値を越えた場合に埋設物の存在を報知
するようにしたものである。また、その第3発明(請求
項3に係る発明)は、第1発明又は第2発明において、
加算値マップの座標に格納される規定の値を越えた加算
値の大きさに比例して、埋設物存在の報知量を大きくす
るようにしたものである。また、その第4発明(請求項
4に係る発明)は、第1発明又は第2発明において、加
算値マップの座標に格納された規定の値を越えた加算値
のうち極大値を格納している座標の伝搬時間から埋設物
の深度を求めるようにしたものである。
【0009】
【作用】したがってこの発明によれば、その第1発明で
は、スタート地点より所定距離ΔL移動後、このΔL移
動後の位置を起点として一定距離l移動する毎に、その
位置での受信信号の波形と所定距離ΔL離れた位置での
受信信号の波形とから同じ伝搬時間での振幅値の差分波
形が求められる。この差分波形の差分データは、その正
方向の各波の極大値を示す差分データについては「1」
に、その負方向の各波の極大値を示す差分データについ
ては「−1」に、それ以外の差分データについては
「0」に規格化される。そして、この規格化の結果を移
動距離と伝搬時間とを軸として2次元的に並べたデータ
マップが作成され、この作成されたデータマップの隣り
合う2つの規格化結果のうち最初の規格化結果であるラ
インデータの「1」,「−1」の値を有する各基準座標
と、次の規格化結果であるラインデータの座標との関連
性が調べられ、これにより関連性があると判断された基
準座標と関連座標との組で、基準座標と関連座標との伝
搬時間の差分が求められ、この差分値がデータマップと
同じ座標系を持つ加算値マップの関連座標に対応する座
標に、基準座標に対応する座標中の格納値との加算値と
して格納され、この加算値マップの座標に格納される加
算値が規定の値を越えた場合に埋設物の存在が報知され
る。また、その第2発明では、第1発明と同様にして差
分波形が求められる。この差分波形の差分データは、そ
の正方向の各波の極大値を示す差分データについてその
絶対値が規定値よりも大きい場合は「1」に、その負方
向の各波の極大値を示す差分データについてその絶対値
が規定値よりも大きい場合は「−1」に、それ以外の差
分データについては「0」に規格化される。そして、第
1発明と同様にして、追跡加算処理が行われ、加算値マ
ップの座標に格納される加算値が規定の値を越えた場合
に埋設物の存在が報知される。また、その第3発明で
は、第1発明又は第2発明において、加算値マップの座
標に格納される規定の値を越えた加算値の大きさに比例
して、埋設物存在の報知量、例えばブザーの音量が大き
くなる。また、その第4発明では、第1発明又は第2発
明において、加算値マップの座標に格納された規定の値
を越えた加算値のうち極大値を格納している座標の伝搬
時間Tから、例えばD=(T/2)・〔C/
(ε)1/2〕として、埋設物の深度Dが求められる。但
し、Cは自由空間での電磁波の伝搬速度、εは地中の比
誘電率とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。図1にこの発明による埋設物探知方法の処理手順を
示す。なお、本実施例では、埋設物として地中に埋設さ
れた管を例にとって説明する。また、本実施例の埋設物
探知方法では、一定間隔離れた2個所のアンテナ位置で
受信された2つの受信信号の波形を比較し、差分を計算
するが、この間隔(ΔLとする)は予め設定されてい
る。ΔLは10cm〜20cm程度が適当である場合が
多いが、これに限定されるものではない。以下、図1に
示した各ステップについて、その処理内容について説明
する。
【0011】〔STEP1〕図8において、送信器1
は、幅数nsecのパルスを送信アンテナ2へ送る。送信ア
ンテナ2は、送られてくるパルス信号を電磁波に変換
し、地中に向けて放射する。放射された電磁波の一部は
地表面9で反射するが、一部は地中を伝搬し、電気的特
性の異なる個所、すなわち地層境界面10や埋設管11
等で反射する。これらの反射した電磁波を、一定の移動
距離l毎に距離計測部5から送られてくるタイミングに
従って、受信アンテナ3で受信し、受信器4で電気信号
に変換する。この電気信号に変換された受信信号を記憶
する。
【0012】〔STEP2〕STEP1で受信された受
信信号の波形は、後述するSTEP3においてΔLだけ
離れたアンテナ位置で受信した受信信号の波形と比較さ
れるが、アンテナ移動開始直後は比較対象となる受信信
号の波形が存在しない。したがって、アンテナ移動距離
LがΔL以上(L≧ΔL)になるまでは、STEP2で
のNOに応じて、STEP1を繰り返す。
【0013】〔STEP3〕スタート地点よりΔLだけ
移動すれば、すなわちL=ΔLとなれば、後述するST
EP3〜STEP8の繰り返し処理に応じ、このΔL移
動後の位置を起点として一定距離l移動する毎に、その
位置での受信信号の波形と、ΔLだけ離れたアンテナ位
置(スタート地点からのアンテナ移動距離はL−ΔL)
で受信した受信信号の波形とを比較し、2つの波形の時
間軸上の同じ位置での振幅値の差分を計算する。あるア
ンテナ位置Lで受信した受信信号の波形の例を図2
(a)に、このアンテナ位置Lに対してΔLだけ離れた
位置で受信した受信信号の波形の例を図2(b)に示
す。ただし、これらはディジタル化された信号である。
同図において、15と16が地表面9からの反射波、1
7と18が埋設管11からの反射波、19と20が地層
境界面10からの反射波にそれぞれ相当するが、埋設管
11からの反射波17および18は、地表面9からの反
射波15,16および地層境界面10からの反射波1
9,20に重畳している。2つの波形の時間軸上の同じ
位置での振幅値の差分をとることによって、図2(c)
に示すように、埋設管11からの反射波に相当する部分
21のみを抽出することができる。
【0014】〔STEP4〕STEP3で得られた差分
データを「1」,「−1」,「0」に規格化する。差分
波形の差分データを、その正方向の各波の極大値を示す
差分データについては「1」に、その負方向の各波の極
大値を示す差分データについては「−1」に、それ以外
の差分データについては「0」に規格化する。この際、
ノイズによる影響を除去するため、差分データの絶対値
が規定値Bよりも小さい場合には全ての時間位置におい
て、その差分データを「0」とする。すなわち、差分波
形の差分データを、その正方向の各波の極大値を示す差
分データについてその絶対値が規定値Bよりも大きい場
合は「1」に、その負方向の各波の極大値を示す差分デ
ータについてその絶対値が規定値Bよりも大きい場合は
「−1」に、それ以外の差分データについては「0」に
規格化する。このようにして規格化した結果を図3
(b)に示す。
【0015】〔STEP5〕STEP4で得られた規格
化結果を2次元的に並べたデータマップを作成する。例
えば、図3(c)に、図3(b)の規格化された信号に
対するデータマップを示す。図3(c)の升目の中が斜
線で表わされている部分が「1」に、点々で示されてい
る部分が「−1」に対応している。図4に、例として、
連続した10回分の受信信号から得られたデータマップ
を示す。ただし、この例では、ΔLを反射波の受信間隔
lの3倍としている。縦軸は伝搬時間であり、その1つ
1つの升目は信号のサンンプリング点に対応する。横軸
に示してある番号〜は、差分波形を計算した順番で
ある。以後この番号n(〜)に対応して、図4の各
縦ラインをnラインデータと称する。
【0016】この各ラインデータに含まれている規格値
「1」,「−1」に着目し、以下に示す線画の追跡加算
処理を行う。規格値が「1」である座標22を例にとっ
て説明する。図5は追跡処理を説明するために図4の座
標22近辺を拡大した図である。図5に示されているよ
うに、座標22と同じ伝搬時間位置にあるラインデー
タの座標23を中心に、ある規定値SAの範囲(以降探
索範囲と称する)に着目する。その探索範囲SAに座標
22と同じ規格値「1」を有する座標があれば両者に関
連性がると判断する。この処理をラインデータの規格
値が「1」,「−1」である全ての座標について行う。
その結果、図4では座標22と24の他に、座標25と
26にも関連性があると判断される。なお、座標27に
関しては関連性のある座標が無いと判断される。上記処
理を追跡処理と称する。
【0017】〔STEP6〕STEP5の追跡処理によ
り、関連性があると判断された各座標の組において以下
の処理を行う。ここでは、座標(基準座標)22と座標
(関連座標)24との組で説明する。座標22の伝搬時
間T22と座標24の伝搬時間T24の差分値(T22
24)を計算する(本実施例ではT22−T24=1nsecで
ある)。次に、図4と同じ座標系をもつ加算値マップ
(図6参照)を作成する。ここで、例えば図4の座標2
2と図6の座標220はそれぞれ同じ座標系にあると定
義する。図4の座標(関連座標)24に相当する加算値
マップ(図6)の座標240に、算出した差分値を格納
する。さらに、既に座標220(基準座標22に対応す
る座標)に格納されていた値(本実施例では0)と、座
標240に格納された値との和を計算し、その結果を再
び座標240に格納する。図6の升目の中に示されてい
る値が格納された値(加算値)である。この処理を関連
性があると判断された全ての座標の組について行う。
【0018】〔STEP7〕図6の加算値マップのいず
れかの座標において格納される加算値が規定の値SHを
越えた場合、例えばその加算値の大きさに比例した音量
でブザーを鳴動させ、埋設管11の存在を報知する。こ
の場合の埋設管11に対するアンテナ位置とブザーの音
量との関係を図7に示す。埋設管11をΔL/2だけ通
りすぎたアンテナ位置付近で、振幅値の差分は0となる
ことが多いため、一般に、加算値が最大となったところ
で追跡は途切れる。そして、加算値が最大となる水平位
置は、ΔLをあまり大きくとらない限り、ほゞ埋設管1
1の真上に相当する。
【0019】〔STEP8〕測定終了でなければ、アン
テナ移動距離(L+l)の時点で再び、反射された電磁
波を受信し(STEP9)、STEP3に戻る。このよ
うに、上記STEP3〜8を、アンテナを移動させるこ
とによって、繰り返し行う。この結果、図4のデータマ
ップの座標28,29に相当する図6の加算値マップの
座標280、290において加算値が最大となる。本実
施例では規定値SH=1とした場合、ラインデータの
座標280に格納される加算値が規定値を越え、この位
置でブザーが鳴動する。
【0020】〔STEP10〕測定終了となれば、ST
EP8のYESに応じてSTEP10へ進み、埋設深度
を計算する。この場合、図6に示した加算値マップの座
標に格納された規定の値SHを越えた加算値のうち極大
値を格納している座標280の伝搬時間Tから、下記
(1)式を用いて埋設管11の深度Dを求める。但し、
下記(1)式において、Cは自由空間での電磁波の伝搬
速度、εは地中の比誘電率である。 D=(T/2)・〔C/(ε)1/2〕 ・・・(1)
【0021】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、その第1発明では、スタート地点より所
定距離ΔL移動後、このΔL移動後の位置を起点として
一定距離l移動する毎に、その位置での受信信号の波形
と所定距離ΔL離れた位置での受信信号の波形とから同
じ伝搬時間での振幅値の差分波形が求められ、この差分
波形に対して規格化・追跡加算処理が行われるものとな
り、すなわち埋設物からの反射波に相当する波形のみを
抽出して規格化・追跡加算処理が行われるものとなり、
従来のリアルタイム認識方法では認識することが難しか
ったような、埋設物からの反射波と地表面等からの反射
波とが重畳したデータに対しても埋設物を認識すること
が可能となり、また地層境界面からの反射波の影響によ
る誤認識を防止することも可能となる。また、その第2
発明では、差分波形の差分データが、その正方向の各波
の極大値を示す差分データについてその絶対値が規定値
よりも大きい場合は「1」に、その負方向の各波の極大
値を示す差分データについてその絶対値が規定値よりも
大きい場合は「−1」に、それ以外の差分データについ
ては「0」に規格化され、第1発明の効果に加えて、ノ
イズによる影響を除去することができるという効果を奏
する。また、その第3発明では、加算値マップの座標に
格納される規定の値を越えた加算値の大きさに比例し
て、埋設物存在の報知量が大きくなり、その報知量で埋
設物の水平方向の位置を捉えることができる。また、そ
の第4発明では、加算値マップの座標に格納された規定
の値を越えた加算値のうち極大値を格納している座標の
伝搬時間Tから埋設物の深度Dが求められ、埋設物の垂
直方向の位置を具体的な数値として知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による埋設物探知方法の処理手順を示
すフローチャートである。
【図2】 2つの受信信号およびこれら受信信号の波形
の時間軸上の同じ位置での振幅値の差分を計算して求め
られる差分波形を例示する図である。
【図3】 この差分波形における差分データの規格化を
説明する図である。
【図4】 規格化された各差分波形の差分データ(規格
化データ)を2次元的に並べて表したのデータマップを
例示する図である。
【図5】 連続した2つの規格化データにおいてその規
格値が「1」,「−1」である座標の関連性を説明する
図である。
【図6】 関連性があると判断された座標同士の伝搬時
間軸上の変化分を加算値として計算した結果を格納する
加算値マップを例示する図である。
【図7】 埋設管に対するアンテナ位置とブザーの音量
との関係を示す図である。
【図8】 従来の埋設物探知装置のブロック図である。
【図9】 この埋設物探知装置の表示部に表示される地
中断面観測パターンの一例を示す図である。
【図10】 従来の規格化・追跡加算処理によるリアル
タイム認識方法では埋設物の探知が困難な地中断面観測
パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…送信器、2…送信アンテナ、3…受信アンテナ、4
…受信器、5…距離検出部、6…移動用車輪、7…演算
部、8…表示部、9…地表面、10…地層境界面、11
…埋設管、15,16…受信信号の波形中で地表面から
の反射波群に相当するパターン、17,18…受信信号
の波形中で埋設管からの反射波群に相当するパターン、
19,20…受信信号の波形中で地層境界面からの反射
波群に相当するパターン、21…差分波形中で埋設物か
らの反射波に相当する部分、22〜29…規格化データ
のデータマップ上の座標、220〜290…加算値マッ
プ上の座標。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 順一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動しながら、送信アンテナより電磁波
    を送信し、反射して戻ってくる電磁波を受信アンテナに
    て受信し、その受信信号に基づいて埋設物を探知する埋
    設物探知方法において、 スタート地点より所定距離ΔL移動後、このΔL移動後
    の位置を起点として一定距離l移動する毎に、 その位置での受信信号の波形と所定距離ΔL離れた位置
    での受信信号の波形とから同じ伝搬時間での振幅値の差
    分波形を求め、 この差分波形の差分データを、その正方向の各波の極大
    値を示す差分データについては「1」に、その負方向の
    各波の極大値を示す差分データについては「−1」に、
    それ以外の差分データについては「0」に規格化し、 この規格化の結果を移動距離と伝搬時間とを軸として2
    次元的に並べたデータマップを作成し、 この作成したデータマップの隣り合う2つの規格化結果
    のうち最初の規格化結果であるラインデータの「1」,
    「−1」の値を有する各基準座標と、次の規格化結果で
    あるラインデータの座標との関連性を調べ、 これにより関連性があると判断された基準座標と関連座
    標との組で、基準座標と関連座標との伝搬時間の差分を
    求め、この差分値を前記データマップと同じ座標系を持
    つ加算値マップの関連座標に対応する座標に、基準座標
    に対応する座標中の格納値との加算値として格納し、 この加算値マップの座標に格納される加算値が規定の値
    を越えた場合に埋設物の存在を報知するようにしたこと
    を特徴とする埋設物探知方法。
  2. 【請求項2】 移動しながら、送信アンテナより電磁波
    を送信し、反射して戻ってくる電磁波を受信アンテナに
    て受信し、その受信信号に基づいて埋設物を探知する埋
    設物探知方法において、 スタート地点より所定距離ΔL移動後、このΔL移動後
    の位置を起点として一定距離l移動する毎に、 その位置での受信信号の波形と所定距離ΔL離れた位置
    での受信信号の波形とから同じ伝搬時間での振幅値の差
    分波形を求め、 この差分波形の差分データを、その正方向の各波の極大
    値を示す差分データについてその絶対値が規定値よりも
    大きい場合は「1」に、その負方向の各波の極大値を示
    す差分データについてその絶対値が規定値よりも大きい
    場合は「−1」に、それ以外の差分データについては
    「0」に規格化し、 この規格化の結果を移動距離と伝搬時間とを軸として2
    次元的に並べたデータマップを作成し、 この作成したデータマップの隣り合う2つの規格化結果
    のうち最初の規格化結果であるラインデータの「1」,
    「−1」の値を有する各基準座標と、次の規格化結果で
    あるラインデータの座標との関連性を調べ、 これにより関連性があると判断された基準座標と関連座
    標との組で、基準座標と関連座標との伝搬時間の差分を
    求め、この差分値を前記データマップと同じ座標系を持
    つ加算値マップの関連座標に対応する座標に、基準座標
    に対応する座標中の格納値との加算値として格納し、 この加算値マップの座標に格納される加算値が規定の値
    を越えた場合に埋設物の存在を報知するようにしたこと
    を特徴とする埋設物探知方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、加算値マップ
    の座標に格納される規定の値を越えた加算値の大きさに
    比例して、埋設物存在の報知量を大きくするようにした
    ことを特徴とする埋設物探知方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、加算値マップ
    の座標に格納された規定の値を越えた加算値のうち極大
    値を格納している座標の伝搬時間から埋設物の深度を求
    めるようにしたことを特徴とする埋設物探知方法。
JP8275494A 1994-03-30 1994-03-30 埋設物探知方法 Expired - Lifetime JP3198316B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8275494A JP3198316B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 埋設物探知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8275494A JP3198316B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 埋設物探知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270544A true JPH07270544A (ja) 1995-10-20
JP3198316B2 JP3198316B2 (ja) 2001-08-13

Family

ID=13783234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8275494A Expired - Lifetime JP3198316B2 (ja) 1994-03-30 1994-03-30 埋設物探知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3198316B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006527842A (ja) * 2004-02-14 2006-12-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 媒体内に含まれている対象の測位のためのマルチセンサ系を備えた近接領域レーダー
JP2024062046A (ja) * 2022-10-24 2024-05-09 応用地質株式会社 コヒーレントノイズ特定方法及び埋設管の位置検出方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006527842A (ja) * 2004-02-14 2006-12-07 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 媒体内に含まれている対象の測位のためのマルチセンサ系を備えた近接領域レーダー
JP2024062046A (ja) * 2022-10-24 2024-05-09 応用地質株式会社 コヒーレントノイズ特定方法及び埋設管の位置検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3198316B2 (ja) 2001-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104020495A (zh) 一种基于探地雷达的地下管线参数自识别方法
US6700526B2 (en) Method and apparatus for identifying buried objects using ground penetrating radar
CN108307767B (zh) 适用于全自动除草机的障碍物检测避障系统及方法
CN109324317A (zh) 毫米波雷达系统及其定位测速方法
CN112313539B (zh) 护栏检测方法及设备、存储介质和可移动平台
CN105353373A (zh) 一种基于Hough变换探地雷达目标提取方法和装置
JP3515751B2 (ja) 海底三次元構造の再構成方法
KR101152250B1 (ko) 차량용 레이더의 오탐지 정보 제거장치 및 방법
JPH07270544A (ja) 埋設物探知方法
CN112180452A (zh) 基于探地雷达和三维速度谱的地下管线埋深估计方法
JP3263752B2 (ja) 埋設物探知に用いる受信信号の処理方法
JP3717835B2 (ja) 埋設物探査装置
JP2528148B2 (ja) 地下埋設物の探知方法および装置
JP3232344B2 (ja) 埋設物のリアルタイム探知方法
JP3038423B2 (ja) 埋設物の探知方法
JPH1048309A (ja) 距離計測方法、測位方法ならびに装置
JP5200987B2 (ja) 水底下物体の探査類別方法及び装置
CN111691876B (zh) 一种利用声波测井对邻井成像的方法、装置及存储介质
KR101932883B1 (ko) 지표투과레이더 자료의 C-scan 등고선, 반사반응과 회절반응을 이용한 공동 부피 산정 방법
JP2652058B2 (ja) 物体検知装置
CN107677197B (zh) 一种地下目标体的体积测量装置及测量方法
CN111398906A (zh) 一种基于tdoa的地铁隧道外部入侵位置的定位方法
CN117092710B (zh) 一种建设工程勘察用地下线路检测系统
JP2803007B2 (ja) 不可視物体探査方法
JP2819062B2 (ja) 電波反射式埋設物探査装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140615

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term