JP5200987B2 - 水底下物体の探査類別方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水底下に埋没している物体の形状、大きさ等を類別するために用いる水底下物体の探査類別方法及び装置に関するものである。
従来、水中や水底に存在する物体の大きさや形状を計測するための手段として、音響映像による探査が広く一般的に用いられている。
音響映像による探査では、送波器(音波源)より高周波の音波(例えば、数十〜数百kHz)を指向性の高いビーム状に収束させて送波し、その反射波を送波器と同一位置においた受波器にて受波することにより、音波の送波から反射波の受波までの時間情報を基に反射点までの距離を測定し、この反射点の位置情報を多数集積することで音響映像を作成して、水中や水底に存在する物体の探査を行ったり、物体の大きさや形状についての情報を視覚的に得ている。
しかし、高周波の音波は水底下に透過し難いという特性を有しているため、水底下、すなわち、水底の砂、泥、礫等の固体部分に埋もれている物体(例えば、人工物)の探査を行うことは困難であった。
そこで、水底下に透過し易い低周波を用いて、水底に埋もれている水底下物体の探査を行う方法が提案されている。しかし、低周波は波長が長いため分解能が低下してしまい、高周波を用いた音響映像のように探査対象物体の形状を視覚的に捉えることが難しいという問題がある。
そこで、本出願人は、形状や水底への埋もれ状況に関わらず、所望形状の水中資源を発見することができるようにするための手法として、水中での探査方向に向けて20kHz以下の低周波の音波を送波し、その探査方向の周辺の複数箇所で未知の水中資源からの散乱波を受波し、これら複数箇所でのマルチスタティック計測で受波した散乱波の到達時間、散乱波のレベル(強度)及び散乱パターンに基づき、該散乱の原因となった未知の水中資源の所在、及び、その水中資源の形状、姿勢を推定する水中資源探査方法を提案している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、本出願人は、送波器と受波器を搭載した水中航走体を用い、この水中航走体を探査すべき水底下物体の周りで周回航行させつつ、送波器から水底下物体に音波を送波すると共に、受波器で水底下物体からの散乱波を受波し、受波器で受波した散乱波のレベルを基に散乱波の方向レベルパターン(散乱パターン)を作成し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、水底下物体の形状や大きさ等の類別を行う水底下物体の探査類別方法を提案している(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−184268号公報 特開2008−76294号公報
ところで、探査対象となる水底下物体が、例えば、FRPや金属などからなる中空の弾性物体である場合、水底下物体は、その形状、大きさ、材質、板厚等に応じた固有振動を有するため、ある特定の周波数の音波に対して散乱波のレベル(強度)が高くなるという特性を有する。すなわち、送波する音波の周波数によって、受波する散乱波のレベルが高くなったり、低くなったりする。
そのため、散乱波のレベルが低い周波数を用いて計測を行った場合、作成した散乱波の方向レベルパターンに明確な特徴が表れず、水底下物体を類別できないおそれがある。したがって、探査すべき水底下物体の類別を精度よく行うためには、水底下物体の固有振動に応じて、散乱波のレベルが高い周波数を用いることが望ましい。
しかしながら、上述の従来方法では、送波器より送波する音波の周波数を経験的に決定していた。そのため、その経験的に決定した周波数に対して散乱波のレベルが低くなる水底下物体については、明確な特徴を有する散乱波の方向レベルパターンが得られず、その類別を精度よく行うことができないという問題があった。
この問題を解決するため、実際の計測に先立ち、いくつか周波数を変えて事前計測を行い、散乱波のレベルが高くなる周波数を決定することも考えられる。しかし、水底下物体ごとに散乱波のレベルが高くなる周波数は変化するため、探査する水底下物体ごとに毎回事前計測を行う必要が生じ、手間や時間がかかってしまう問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、散乱波のレベルが高く類別に適した周波数を簡易に選定でき、水底下物体を精度よく類別可能な水底下物体の探査類別方法及び装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、水中航走体に送波器と受波器とを搭載し、前記水中航走体を探査すべき水底下物体の周りで周回航行させつつ、前記送波器から前記水底下物体に音波を送波すると共に、前記受波器で前記水底下物体からの散乱波を受波し、該受波器で受波した散乱波の強度を基に散乱波の方向レベルパターンを作成し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、前記水底下物体の類別を行う水底下物体の探査類別方法において、周回中に前記送波器から所定の帯域で周波数を変化させた音波を送波すると共に、前記受波器でその散乱波を受波して、前記水底下物体に対する方位角度を縦軸、周波数を横軸とした周波数散乱レベルの分布を作成し、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定すると共に、選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出し、その散乱波の方向レベルパターンを前記データベースと照合することで、前記水底下物体の類別を行う水底下物体の探査類別方法である。
前記送波器から、周波数を所定の帯域で連続的に変化させた広帯域のパルス波を送波すると共に、前記受波器でその散乱波を受波し、該受波器で受波した散乱波の強度を基に前記周波数散乱レベルの分布を作成してもよい。
前記受波器で受波した散乱波を周波数解析することにより、散乱波の周波数ごとの強度を求めてもよい。
所定の方位角度間隔ごとに散乱波の計測を行うと共に、前記水中航走体の周回回数ごとに散乱波の計測を行う方位角度を徐々に移動させて、全方位角度で散乱波の計測を行うようにしてもよい。
前記水中航走体を複数回周回させ、前記送波器から送波する音波の周波数を徐々に変化させて送波することで、前記周波数散乱レベルの分布を作成してもよい。
前記送波器から送波する音波を、数kHz〜20kHzの帯域で変化させて送波するとよい。
また、本発明は、探査すべき水底下物体の周りで周回航行させる水中航走体と、該水中航走体に搭載され前記水底下物体に音波を送波する送波器と、前記水中航走体に搭載され前記水底下物体からの散乱波を受波する受波器と、該受波器で受波した散乱波の強度を基に散乱波の方向レベルパターンを作成し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、前記水底下物体の形状や大きさ等の類別を行う解析手段とを備えた水底下物体の探査類別装置において、周回中に前記送波器から所定の帯域で周波数を変化させた音波を送波させる周波数変調手段を備え、前記解析手段は、前記受波器で受波した散乱波の強度を基に、前記水底下物体に対する方位角度を縦軸、周波数を横軸とした周波数散乱レベルの分布を作成する散乱波解析部と、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定する周波数選定部と、選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出し、その散乱波の方向レベルパターンを前記データベースと照合することで、前記水底下物体の類別を行う類別判定部とを備えた水底下物体の探査類別装置である。
本発明によれば、散乱波のレベルが高く類別に適した周波数を簡易に選定でき、水底下物体を精度よく類別できる。
本発明の水底下物体の探査類別装置の概略切断側面図である。 図1の水底下物体の探査類別装置により水底下物体を探査している状態を示す概略上面図である。 水底下物体の探査類別装置により水底下物体を探査している状態を示す概略後面図である。 図4(a)は、送波器より送波する広帯域のパルス波の一例と、その周波数ごとのレベルを示す図であり、図4(b)は、図4(a)の広帯域のパルス波を送波したときの、受波器で受波する散乱波の一例と、その周波数ごとのレベルを示す図である。 図5(a)は、本発明で作成する周波数散乱レベルの分布の一例であり、図5(b)は、図5(a)で破線で示した周波数における散乱波の方向レベルパターンである。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
本発明の水底下物体の探査類別方法は、水底下に埋没した物体を探査する方法である。
まず、本実施形態に係る水底下物体の探査類別方法に用いる水底下物体の探査類別装置を説明する。
図1は、本実施形態に係る水底下物体の探査類別装置の概略切断側面図である。
図1に示すように、水底下物体の探査類別装置1は、航走体としての水中航走体2に、水底下物体に音波を送波する送波器としての低周波音源3と、水底下物体からの散乱波を受波する受波器4と、受波器4で受波した信号を増幅するアンプ5と、アンプ5で増幅した受波信号を解析する解析手段としての信号処理器6とを搭載したものである。水中航走体2は、図示しない推進機構及び操舵機構、並びにホバリング機構を有し、これらを制御して水中航走体2が所定の航路に従って航行するように制御する航行制御手段(図示せず)や、水中で自己の位置と探査すべき水底下物体との位置関係を特定できる航法装置(図示せず)を備えている。
水中航走体2は、図2に示すように、探査すべき水底下物体の周りで周回航行させつつ水底下物体21の探査を行うものである。図2では水中航走体2が水底下物体21の周囲をほぼ円を描いて周回する場合を示しているが、これに限定されず、楕円や正方形、長方形、あるいは多角形状に周回するようにしてもよい。
低周波音源3は、所定の帯域で周波数を変化させた低周波の音波を、指向性ビーム7として送波するように構成される。図1において、角度θは指向性ビーム7の指向性の幅を示す。また、指向性ビーム7は、図3に示すように、航行方向後方から見たとき、その中心軸Cが水底に対して傾いている。
低周波音源3には、低周波音源3から送波する音波の周波数を変調する周波数変調手段(図示せず)が設けられ、その周波数変調手段により、低周波音源3から所定の帯域で周波数を変化させた低周波の音波を送波するように構成される。
本実施形態では、低周波音源3から、広帯域のパルス波を送波するようにした。ここで、広帯域のパルス波とは、所定の周波数帯域で周波数を連続的に変化させたパルス状の音波のことであり、低い周波数から高い周波数、あるいは、高い周波数から低い周波数まで連続的に変化させたパルス状の音波である(図5(a)参照)。送波する音波の周波数帯域としては、20kHz以下の帯域とすればよく、本実施形態では、数kHz〜20kHzの帯域とした。
受波器4は、受波アレイを構成すべく、航行方向に複数個並べて配置される。これら複数個の受波器4による受波信号を公知のアルゴリズムに従って合成開口処理することにより、航行方向の幅が狭い範囲からの散乱波を検出することができる。
信号処理器6は、受波器4で受波した散乱波を周波数解析、例えばFFT(Fast Fourier Transformation;高速フーリエ変換)解析して散乱波の周波数ごとの強度を求めると共に、その解析結果を基に、水底下物体に対する方位角度を縦軸、周波数を横軸とした周波数散乱レベルの分布を作成する散乱波解析部と、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定する周波数選定部と、選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、水底下物体21の類別を行う類別判定部とを主に備える。
次に、本実施形態に係る水底下物体の探査類別方法を説明する。
まず、水中航走体2を水中に投入すると共に、この水中航走体2を直進航行させつつ、音波の照射及び計測を断続的に行い、広い水域で水底下物体21の探査を行う(広域ローラ探査モード)。このとき、例えば、適宜な距離前進した後、Uターンさせるようにすれば、広い水域をくまなく探査することができる。
広域ローラ探査モードにて水底下物体21を検知すると、水中航走体2を探査すべき水底下物体21の周りで周回航行させ、水底下物体21の存在が予想される場所の周辺を集中的に探査する(狭域集中探査モード)。
狭域集中探査モードでは、水中航走体2を探査すべき水底下物体21の周りで周回航行させつつ、低周波音源3から広帯域のパルス波を送波し、水底下物体21からの散乱波を受波器4で受波する。
水底下物体21がFRPや金属などからなる中空の弾性物体である場合、水底下物体21の形状や大きさ、材質、板厚等の違いによって、ある特定の周波数で散乱波のレベルが高くなったり、低くなったりする。そのため、受波器4では、周波数ごとにレベルが異なった散乱波が受波されることになる。
例えば、図4(a)に示すように、各周波数でレベルが一定である広帯域のパルス波を低周波音源3から送波した場合、受波器4では、図4(b)に示すように、周波数ごとにレベルが異なった散乱波が受波される。
受波器4で受波した受波信号は、アンプ5で増幅され、信号処理器6に入力される。信号処理器6の散乱波解析部は、受波信号をFFT解析して散乱波の周波数ごとの強度を求め、これを計測を行った水底下物体21に対する方位角度と対応づけてメモリに記憶しておく。
同様にして、水中航走体2を周回航行させつつ、所定の時間間隔ごとに低周波音源3から広帯域のパルス波を送波して、所定の方位角度間隔ごとに散乱波の計測を行う。1回の周回で十分なデータが得られない場合は、水中航走体2を複数回周回させ、水中航走体2の周回回数ごとに散乱波の計測を行う方位角度(広帯域のパルス波を送波する位置)を徐々に移動させて、全方位角度で散乱波の計測を行うようにするとよい。
全方位角度で散乱波の計測を行った後(あるいは十分なデータが得られた後)、信号処理器6の散乱波解析部は、メモリに記憶された解析結果(方位角度に対する周波数ごとの散乱波のレベル)を基に、周波数散乱レベルの分布を作成する。作成した周波数散乱レベルの分布の図の一例を図5(a)に示す。
図5(a)に示すように、周波数散乱レベルの分布は、方位角度を縦軸、周波数を横軸として、散乱波のレベルをカラーで段階的に表示したものである。信号処理器6の周波数選定部は、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定する。
周波数を選定する方法としては、特に限定しないが、例えば、散乱波のレベルのピーク値を含む周波数を選定するようにしてもよいし、各方位角度での散乱波のレベルを積算した値が最も大きくなる周波数を選定するようにしてもよい。また、背景雑音や水底・水面からの残響音などのノイズの影響を考慮し、極端にレベルが高いデータを除去して、散乱波のレベルが高く類別に適した周波数を選定するようにしてもよい。一例として、図5(a)の周波数散乱レベルの分布では、破線で示す周波数が選定されることとなる。
信号処理器6の類別判定部は、周波数選定部が選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出する。一例として、図5(a)の周波数散乱レベルの分布において、破線で示す周波数における散乱波の方向レベルパターンを図5(b)に示す。散乱波の方向レベルパターンの作成に必要なデータ(選定した周波数における、方位角度に対する散乱波のレベルのデータ)は、周波数散乱レベルの分布を作成する際に既に計測してメモリに記憶されているため、改めて計測を行う必要はない。
信号処理器6の類別判定部は、抽出した散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、水底下物体21の類別を行う。類別に用いるデータベースは、形状、大きさ、材質、板厚等が既知の各種の物体について、予め計測や数値計算により求めた散乱波の方向レベルパターンをデータベース化したものである。
以上説明したように、本実施形態に係る水底下物体の探査類別方法では、水中航走体21の周回中に低周波音源3から所定の帯域で周波数を変化させた音波を送波すると共に、受波器4でその散乱波を受波して、水底下物体21に対する方位角度を縦軸、周波数を横軸とした周波数散乱レベルの分布を作成し、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定すると共に、選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、水底下物体の類別を行っている。
これにより、事前計測などの手間や時間をかけることなく、散乱波のレベルが高く類別に適した周波数を簡易に選定することが可能となる。また、類別に適した周波数における散乱波の方向レベルパターンを用いて類別を行うため、類別性能を向上させることが可能となる。
さらに、周波数散乱レベルの分布を作成する際に、散乱波の方向レベルパターンの作成に必要なデータは既に計測してメモリに記憶されているため、改めて計測を行う必要がなく、手間や時間をかけることなく類別に用いる方向レベルパターンを作成できる。
また、本実施形態では、低周波音源3から、周波数を所定の帯域で連続的に変化させた広帯域のパルス波を送波すると共に、受波器でその散乱波を受波して、周波数散乱レベルの分布を作成している。これにより、1度散乱波の計測を行えば、その方位角度での周波数ごとの散乱波のレベルを1度に得ることができるようになり、短時間で周波数散乱レベルの分布を作成することが可能となる。よって、時間をかけることなく水底下物体の類別を行うことが可能となる。
上記実施形態では、周波数解析法としてFFT(Fast Fourier Transformation;高速フーリエ変換)解析を用いたが、それ以外の周波数解析法として、基底関数としてウェーブレット関数を用いたウェーブレットなどの方法を用いてもよい。
また、上記実施形態では、低周波音源3から、周波数を所定の帯域で連続的に変化させた広帯域のパルス波を送波するようにしたが、これに限定されず、水中航走体2を複数回周回させ、送波器から送波する音波の周波数を徐々に変化させて送波することで周波数散乱レベルの分布を作成してもよい。この場合、広帯域のパルス波を用いる場合と比較して、周波数散乱レベルの分布を作成する時間が長くなるが、従来のように事前計測にて周波数を決定するという作業を省略でき、周波数の決定から類別まで一連の作業として水中航走体2に行わせることができるため、手間がかからないという利点がある。
また、上記実施形態は、水中航走体2に搭載した信号処理器6にて、受波器4で受波した散乱波の解析、周波数散乱レベルの分布の作成、類別に適した周波数の決定、その周波数での散乱波の方向レベルパターンの抽出、水底下物体21の類別の各工程を行うようにしたが、これに限定されず、受波器4で受波した散乱波のデータを、水中航走体2の母船等の船上に設けた解析装置、あるいは、地上に設けた解析装置へ送って、船上あるいは地上の解析装置で上述の各工程を行うようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、航走体として水中航走体2を用いたが、水上の航走体である船舶等を用いるようにしてもよい。ただし、水底下物体21に対する位置を特定し易いという観点からは、水中航走体2を用いることが好ましいといえる。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加え得ることは勿論である。
1 水底下物体の探査類別装置
2 水中航走体
3 低周波音源(送波器)
4 受波器
5 アンプ
6 信号処理器(解析手段)
7 指向性ビーム
21 水底下物体

Claims (7)

  1. 水中航走体に送波器と受波器とを搭載し、前記水中航走体を探査すべき水底下物体の周りで周回航行させつつ、前記送波器から前記水底下物体に音波を送波すると共に、前記受波器で前記水底下物体からの散乱波を受波し、該受波器で受波した散乱波の強度を基に散乱波の方向レベルパターンを作成し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、前記水底下物体の類別を行う水底下物体の探査類別方法において、
    周回中に前記送波器から所定の帯域で周波数を変化させた音波を送波すると共に、前記受波器でその散乱波を受波して、前記水底下物体に対する方位角度を縦軸、周波数を横軸とした周波数散乱レベルの分布を作成し、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定すると共に、選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出し、その散乱波の方向レベルパターンを前記データベースと照合することで、前記水底下物体の類別を行うことを特徴とする水底下物体の探査類別方法。
  2. 前記送波器から、周波数を所定の帯域で連続的に変化させた広帯域のパルス波を送波すると共に、前記受波器でその散乱波を受波し、該受波器で受波した散乱波の強度を基に前記周波数散乱レベルの分布を作成する請求項1記載の水底下物体の探査類別方法。
  3. 前記受波器で受波した散乱波を周波数解析することにより、散乱波の周波数ごとの強度を求める請求項2記載の水底下物体の探査類別方法。
  4. 所定の方位角度間隔ごとに散乱波の計測を行うと共に、前記水中航走体の周回回数ごとに散乱波の計測を行う方位角度を徐々に移動させて、全方位角度で散乱波の計測を行うようにした請求項2または3記載の水底下物体の探査類別方法。
  5. 前記水中航走体を複数回周回させ、前記送波器から送波する音波の周波数を徐々に変化させて送波することで、前記周波数散乱レベルの分布を作成する請求項1記載の水底下物体の探査類別方法。
  6. 前記送波器から送波する音波を、数kHz〜20kHzの帯域で変化させて送波する請求項1〜5いずれかに記載の水底下物体の探査類別方法。
  7. 探査すべき水底下物体の周りで周回航行させる水中航走体と、該水中航走体に搭載され前記水底下物体に音波を送波する送波器と、前記水中航走体に搭載され前記水底下物体からの散乱波を受波する受波器と、該受波器で受波した散乱波の強度を基に散乱波の方向レベルパターンを作成し、その散乱波の方向レベルパターンを予め蓄積したデータベースと照合することで、前記水底下物体の形状や大きさ等の類別を行う解析手段とを備えた水底下物体の探査類別装置において、
    周回中に前記送波器から所定の帯域で周波数を変化させた音波を送波させる周波数変調手段を備え、前記解析手段は、前記受波器で受波した散乱波の強度を基に、前記水底下物体に対する方位角度を縦軸、周波数を横軸とした周波数散乱レベルの分布を作成する散乱波解析部と、作成した周波数散乱レベルの分布を基に、散乱波の強度が高く類別に適した周波数を選定する周波数選定部と、選定した周波数における散乱波の方向レベルパターンを抽出し、その散乱波の方向レベルパターンを前記データベースと照合することで、前記水底下物体の類別を行う類別判定部とを備えたことを特徴とする水底下物体の探査類別装置。
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