JP3263752B2 - 埋設物探知に用いる受信信号の処理方法 - Google Patents

埋設物探知に用いる受信信号の処理方法

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JP3263752B2
JP3263752B2 JP18007894A JP18007894A JP3263752B2 JP 3263752 B2 JP3263752 B2 JP 3263752B2 JP 18007894 A JP18007894 A JP 18007894A JP 18007894 A JP18007894 A JP 18007894A JP 3263752 B2 JP3263752 B2 JP 3263752B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中や構造物中に埋設
された物体(埋設物)を電磁波を用いて探知する埋設物
探知方法に関し、特に、パルス状の電磁波を送受信する
アンテナ装置を地表面または構造物表面に沿って移動さ
せて得られる受信信号から埋設物を探知する場合の受信
信号の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に埋設物探知装置のブロック図を示
す。この装置において、送信器1は幅数nsecのパル
スを送信アンテナ2へ送る。送信アンテナ2は、送られ
てくるパルス信号を電磁波に変換し地中に向けて放射す
る。放射された電磁波の一部は地表面9で反射するが、
一部は地中を伝搬し、電気的特性の異なる箇所が存在す
ると、そこで反射する。これらの反射した電磁波を受信
アンテナ3で受け、受信器4で受信する。
【0003】実際の測定においては、アンテナ2,3お
よび距離検出部5を移動用車輪6を利用して図中、矢印
の方向に移動する。そして、上記送信および受信のプロ
セスを規定の距離l(例えば1cm)毎に行い、複数の
受信信号を記録する。アンテナ移動距離は、距離検出部
5において移動用車輪6の回転角度から計算する。この
複数の受信信号は、演算部7において振幅値の大きさ毎
に色変調された後、二次元的に並べられて地中断面観測
パターンが形成される。そしてこの地中断面観測パター
ンは、表示部8において表示される。
【0004】図7(a)に表示される地中断面観測パタ
ーンの一例を、また図7(b)にアンテナが埋設管11
の上に位置したときに受信される受信信号の一例を示
す。図7(a)では受信信号の振幅値の絶対値が規定の
値a以上となる部分を斜線で、それ以外の部分を空白で
表している。ここで図7(a)のパターン12は、地表
面9からの反射波群や送受信アンテナ間の直接結合に相
当する。また、パターン13は、地層境界面10(例え
ば、アスファルトと土の境界面)からの反射波群に相当
する。
【0005】一般にアンテナから放射された電磁波はあ
る角度で拡がるため、埋設管11からの反射波のパター
ンは図7(a)のパターン14のように双曲線形状とな
る。実際の埋設管11の位置は、双曲線の頂点の位置に
相当する。従って、地中断面観測パターンにおける双曲
線形状を認識することにより、埋設管11を探知するこ
とができる。このような双曲線パターンを如何に正確に
認識するかについて従来から種々の検討が重ねられてき
た。
【0006】地中断面観測パターンにおける双曲線形状
を正確に認識するための手段の第1の例として、受信信
号の振幅値データを2値(場合によっては3値)のデー
タに変換し、地中断面観測パターンを線画像化する方法
が用いられている。即ち、振幅値データが「0」である
時間位置(ゼロクロス点)のみを抽出するか、または振
幅値データの絶対値が極大となる時間位置(ピーク点)
のみを抽出し、これに「1」の値を付与(場合によって
は正負の符号を区別して「+1」または「−1」の値を
付与)し、それ以外の時間位置には「0」の値を付加し
て2値(場合によっては3値)データを作成する。これ
をアンテナ移動距離と反射波の伝搬時間とを軸として二
次元的に並べれば、地中断面観測パターンに対応した線
画像が得られる。これは、2値または3値のみのデータ
からなる線画像であるため、計算機による処理も簡単と
なる。
【0007】以下、説明を簡単にするために、振幅値デ
ータを2値または3値のデータに変換する処理を規格化
と称し、この規格化によって得られる線画像を規格化デ
ータマップと称する。このような方法を用いた例とし
て、まず特願平5−65939号に開示されている例が
ある。すなわち、測定者がアンテナを移動しながらリア
ルタイムに埋設物を探知できるようにするために、受信
した受信信号の振幅値データのピーク点に着目して、そ
の値を「1」,[−1」に、それ以外を「0」に規格化
して規格化データマップを作成する。そして、連続して
受信した2つの受信信号に対してその規格化結果が
「1」もしくは「−1」である座標同士の関連性を調べ
る。ここで関連性があると判断された座標同士の伝搬時
間の差分を計算し、その結果を規格化データマップと同
じ座標系をもつ加算値マップ上に加算・格納して行きそ
の値によって埋設物の位置を認識するという方法であ
る。
【0008】同様に第2の例として特願平2−5817
3号においても、受信信号を規格化する手法を用いた提
案がなされている。この方法は、地中断面観測パターン
中の双曲線の形状が電磁波の地中における伝搬速度に依
存することから、これを仮定して計算される理論双曲線
上の振幅値データを頂点に集積する合成開口処理を用い
たものである。双曲線の認識は、合成開口処理の結果得
られる集積値の大きさによって行なうが、従来のよう
に、地中断面観測パターンにそのまま合成開口処理を適
用しても双曲線状の反射像が面的な広がりをもつため、
理論双曲線が反射像の形状に十分一致していなくても集
積値がある程度の大きさとなり、シャープな集積点が得
られなかった。また、地中断面観測パターン上のすべて
のデータを計算の対象としなければならないことから、
処理に時間がかかるという問題があった。
【0009】そこで、特願平2−58173号に示され
た方法では、受信信号のゼロクロス点に着目してその値
を「1」に、それ以外を「0」に規格化し、双曲線状の
反射像を線画像で表すことによって、理論双曲線と一致
したときだけ大きな集積値が得られるようにした。ま
た、規格化の結果、「1」となったデータのみを計算の
対象とすることによって高速の処理を可能にした。ただ
し、これらの従来技術では、何れも同一アンテナ位置で
の伝搬時間軸に対する振幅値データのピーク点またはゼ
ロクロス点に着目した規格化を行なっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの双曲線パター
ンの認識方法では、規格化後の線画像において双曲線の
裾の部分まで明確に、すなわち裾の部分ができるだけ長
く表現できることが望ましい。何故なら、上述の第1の
例では相互に関連性の認められた規格化データ間の伝搬
時間の差分を加算していくため、縦軸に伝搬時間をとっ
た規格化データマップ上で、双曲線の裾と頂点の間の時
間軸上の位置の差が大きい程、大きな加算値が得られ、
双曲線の認識がしやすくなるからである。
【0011】また、第2の例では、理論双曲線を仮定
し、その理論双曲線上の座標に存在する規格化データ
を、双曲線の頂点の位置に集積する合成開口処理を行
う。従って規格化データによって得られる双曲線の裾が
長いほど、双曲線の頂点に集積される規格化データの数
が多くなり、双曲線の認識がしやすくなる。
【0012】しかしながら、双曲線の裾の部分では埋設
物からの反射波の振幅値が小さくなるため、ピークの検
出が難しく、規格化データマップの線画像においてこの
裾の部分を表現することが困難になる。また、あるアン
テナ位置で伝搬時間軸方向に振幅値データをみると、図
7(b)に示すように、埋設物からの反射波17の他
に、直接反射波15や地層面からの反射波16、及びこ
れらの多重反射などがノイズとして存在する。このた
め、双曲線の裾に相当する部分や、埋設管からの反射波
が弱い場合の反射像では、これらのノイズが埋設管から
の反射波に重畳してピーク点やゼロクロス点が検出でき
なかったり、ピーク点やゼロクロス点の位置が大幅に変
化することが多い。従って、規格化データマップ上で双
曲線形状が認識可能なほど明確に表現されなくなるとい
う問題があった。
【0013】したがって本発明は、地中断面観測パター
ン上に埋設管の反射波群によって表れる双曲線の反射像
の裾に相当する部分を、規格化データマップ上において
明確に表現することのできるような振幅値データの規格
化方法を用いた受信信号の処理方法を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために第1の発明は、受信波形をアンテナの移動距離
と反射波の伝搬時間とを軸として2次元的に並べた地中
断面観測パターン上の振幅値を規格化する場合、同一伝
搬時間位置でアンテナ移動方向に比較した場合の極大値
または極小値に着目して、あるアンテナ位置(X)の所
定の伝搬時間(Tn )における第1振幅値と、少なくと
もアンテナ位置(X)の前後の位置で測定した反射波の
所定の伝搬時間(Tn )における振幅値である第2振幅
値と第3振幅値とを比較し、第1振幅値が第2振幅値お
よび第3振幅値より大きい場合または小さい場合に伝搬
時間(Tn )における振幅値を「1」、それ以外の場合
には伝搬時間(Tn )における振幅値を「0」に規格化
した受信信号の処理方法である。
【0015】また、第2の発明は、あるアンテナ位置
(X)の所定の伝搬時間(T n )における第1振幅値
と、少なくともアンテナ位置(X)の前後の位置で測定
した反射波の所定の伝搬時間(T n )における振幅値で
ある第2振幅値と第3振幅値とを比較し、第1振幅値と
第2振幅値との差、または第1振幅値と第3振幅値との
差の何れかが所定の判定値より大きいか否かを判定
上記差が所定の判定値より大きい場合に伝搬時間(T
n )における振幅値を「1」に規格化するようにした受
信信号の処理方法である。また、第3の発明は、あるア
ンテナ位置(X)の所定の伝搬時間(Tn )における振
幅値、同じく所定の伝搬時間(Tn )における少なく
ともアンテナ位置(X)の前及び後ろの何れか一方また
は前及び後ろの双方の振幅値を含めた平均値より求める
ようにした受信信号の処理方法である。
【0016】
【作用】双曲線状の反射像の裾の部分では、アンテナ移
動距離方向に対する振幅値の変化の方が、伝搬時間方向
に対する振幅値の変化より急激であることから、地中断
面観測パターン上の振幅値を規格化する場合に、同一伝
搬時間位置でアンテナ移動距離方向に比較した場合の極
大値または極小値に基づき規格化するという第1の発明
により、埋設物からの反射波が捉え易くなる。また、直
接反射波や地層面からの反射波、及びこれらの多重反射
波等のノイズが、埋設物からの反射波に重畳されていて
も、同一伝搬時間位置でアンテナ移動距離方向に振幅値
を比較すれば埋設物からの反射波に対し上述のノイズ成
分の振幅値変化は小さくなる。従って、振幅値をアンテ
ナ移動距離方向で比較した場合の極大値または極小値を
示す点を抽出して規格化することにより、埋設物からの
反射像を明確に表現した規格化データマップが得られ
る。
【0017】また、第2の発明では、地中断面観測パタ
ーン上の振幅値を、アンテナ移動距離方向に比較して極
大値または極小値を示す点を抽出する際に、その前また
は後ろで振幅値が急激に変化する位置の振幅値のみを抽
出して規格化するため、この規格化結果を、アンテナ移
動距離と反射波の伝搬時間とを軸として2次元的に並べ
れば、埋設物からの反射波が明確に表現され、かつ受信
信号の微小変動によるノイズの除去された規格化データ
マップを得ることができる。また、第3の発明では、着
目しているあるアンテナ位置の受信波形振幅値は、この
受信波形に対しその前及び後ろの何れか一方の受信波
形、または前及び後ろの双方の受信波形の振幅値と、こ
の着目しているアンテナ位置の受信波形の振幅値との平
均値として算出されるため、受信信号の微小な変動の影
響を無くした的確な規格化データマップを得ることがで
きる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1及び図2は、本発明の埋設物探知に用
いる受信信号の処理方法を説明するための処理手順を示
すフローチャートである。ここでは説明のために反射波
を受信する各アンテナ位置毎にスタート点から順に番号
を付与し、これをiとする。また、伝搬時間軸上の座標
位置をt、座標値データをAで表す。ここで、tは時間
を直接表すのではなくデジタル化された波形のデータの
うち時間軸方向にt番目のデータという意味である。従
って、アンテナ位置iで受信した受信波形のうち時間軸
方向にt番目の振幅値データをA(i,t) で表す。
【0019】また、本実施例では、後述するように、波
形の微小な変動を軽減するために幾つかの波形の平均を
算出するステップを含んでいるが、ここではn個の波形
の平均をとることとし、平均化後の振幅値データをAAV
で表す。同様に振幅値データが極大値または極小値を示
す点を抽出するときに、ノイズをカットするために、着
目している受信波形の前の受信波形の同一伝搬時間位置
の振幅値データとの差をとり、その差の絶対値が予め設
定した値よりも大きい値を示す振幅値データだけを抽出
することにしているが、このための設定値をBで表す。
なお、本実施例では、埋設物として地中に埋設された管
を例にとって説明し、埋設物探知装置としては図6に示
す装置を用いることにする。
【0020】まずステップS1においては、図6に示す
送信器1が幅数nsecのパルスを送信アンテナ2へ送
る。送信アンテナ2は送られてくるパルス信号を電磁波
に変換し地中に向けて放射する。放射された電磁波の一
部は地表面9で反射するが、一部は地中を伝搬し、電気
的特性の異なる箇所、すなわち地層境界面10や埋設管
11などで反射する。これらの反射した電磁波を、一定
の移動距離l毎に距離検出部5から送られてくるタイミ
ングに従って、受信アンテナ3で及び受信器4で受信す
る。そして、この電気信号に変換された受信信号をデジ
タル化して記憶する。
【0021】次にステップS2〜ステップS8の各処理
では、ステップS1において得られた受信信号を平均化
する。ここでは、移動平均法による平均化を例にとって
説明する。あるアンテナ位置で、受信した受信信号iを
含めてその位置に近い順に一定の数nの受信信号を抽出
し、同一伝搬時間位置tの振幅値データAの平均をとる
(ステップS2〜S4)。
【0022】
【数1】
【0023】すなわち、上式(1)で得られるA
AV(i,t) を計算し、時間軸方向に並べて図3に示すよう
な平均化された波形を得る。この平均化された波形をア
ンテナ移動距離方向に並べると平均化された地中断面観
測パターンが得られる。なお、本実施例の平均化方法で
は、アンテナ移動開始位置付近、すなわちi<nとなる
部分のデータが平均化された地中断面観測パターンから
欠落する。しかし、通常の探査では1回の測定で数百〜
数千の波形を受信するので、この影響は殆ど無視でき
る。また、本実施例では平均化する波形を、着目してい
るアンテナ位置より前から抽出しているが、これを後あ
るいは前後両側から抽出するようにしても良い。この場
合は、アンテナ移動終了位置付近でデータが欠落する
か、或いはデータが欠落する部分がアンテナ移動開始位
置付近とアンテナ移動終了位置付近に分割される点を除
き、全く同じ平均化の結果が得られる。
【0024】次に、ステップS9〜S20では、ステッ
プS4で得られた平均化された地中断面観測パターンに
おいて、あるアンテナ位置に対して、その前後のアンテ
ナ位置の同一伝搬時間位置の振幅値データを比較する。
そして、前後の振幅値データのどちらよりも大きいと認
められるか、どちらより小さいと認められるかの何れか
の条件を満たし(ステップS11及びS14でYESの
場合)、かつその前のアンテナ位置の同一伝搬時間位置
の振幅値データとの差の絶対値が予め設定した値Bより
大きい場合(ステップS12及びS15でYESの場
合)は、その伝搬時間位置の振幅値データを「1」(ス
テップS13)に、それ以外の場合はその伝搬時間位置
の振幅値データを「0」(ステップS16)に規格化す
る。
【0025】これを図4を用いて説明する。図4(a)
では縦軸が反射波の伝搬時間、横軸が信号を受信した順
番(アンテナ移動距離に相当する)、枡目の中の数字が
平均化後の振幅値データの例である。また、受信信号の
微小な変動によるノイズを除去するための設定値Bをこ
こでは仮に「5」として説明する。例えば、枡目18の
振幅値データは枡目19及び枡目20と比較される。枡
目18の振幅値データは、枡目19及び枡目20のどち
らよりも大きいので極大値であることがわかる。そし
て、ノイズを除去するために、枡目19と枡目18の振
幅値データの差をとると「6」であり、設定値である
「5」より大きいため、枡目18の振幅値データを
「1」と規格化する。
【0026】同様に、枡目21の振幅値データは、枡目
22及び枡目23と比較される。枡目21の振幅値デー
タは、枡目22及び枡目23のどちらよりも小さいので
極小値であることがわかる。そして、枡目22と枡目2
1の振幅値データの差をとると「6」であり、設定値で
ある「5」より大きいため、枡目21の振幅値データも
「1」と規格化する。一方、枡目24の振幅値データは
枡目25と枡目26のどちらより大きいが、枡目25と
枡目24の振幅値データの差をとると「2」であり、設
定値より小さいので微小変動として枡目24の振幅値デ
ータは「0」に規格化される。規格化結果を図4(b)
に示す。
【0027】以上、具体的な例で説明したが、このステ
ップが目的とするところは、アンテナの移動距離と反射
波の伝搬時間とを軸として二次元的に並べられた振幅値
データを、同一伝搬時間位置でアンテナ移動距離方向に
比較して、極大値または極小値を示す座標に着目して振
幅値データを規格化することにある。従って、大小関係
を比較する座標は、隣同士である必要はなく、例えば微
小変動の影響を軽減するため、枡目18と比較する座標
は、枡目27及び枡目28であっても良い。また、本実
施例では、大小関係を比較する枡目と、ノイズを除去す
るために差を計算する枡目を同一としているが、これは
処理を簡素化するためであり、必ずしも同一にする必要
はない。
【0028】次にステップS21では、ステップS13
及びステップS16で得られ、例えば図4(b)に示す
ような規格化結果を二次元的に並べてデータマップを作
成する。ここで図5(a)に示す地中断面観測パターン
に対する規格化データマップの例を、従来のデータマッ
プである図5(b)の例と、本発明の処理方法によるデ
ータマップである図5(c)の例とに対比して示す。こ
の比較から明らかなように、双曲線パターンの裾の部分
が明確に表現できるようになり、かつ、直接反射波の影
響を除去することができ、地表近くに埋設管がある場合
でも双曲線パターンを明確に表現できることがわかる。
【0029】次にステップS22では、ステップS21
で得られた規格化データマップをもとに、例えば特願平
5−65939号に示されるような線画の追跡加算処
理、或いは合成開口処理という計算機処理によって、ま
たは規格化データマップを直接表示することによって埋
設管の存在を判定する。このように、地中断面観測パタ
ーンの振幅値データを規格化して規格化データマップを
作成するときに、従来の同一アンテナ位置での伝搬時間
軸方向に対する振幅値変化よりも、アンテナ移動方向に
対する振幅値変化の方が急激であることに着目して規格
化するようにしたので、埋設物からの反射像に相当する
双曲線パターンの裾の部分を明確に表現することが可能
になる。
【0030】また、直接反射波や地層面からの反射波、
およびこれらの多重反射波などのノイズの変化は、同一
伝搬時間位置ではアンテナ移動距離方向には比較的小さ
いので、同一伝搬時間位置でアンテナ移動方向に振幅値
を比較すれば、ノイズの影響を相殺でき、埋設物からの
反射像を明確に表現した規格化データマップが得られ
る。従って、合成開口処理、線画の追跡加算処理などの
計算機処理による埋設物の認識が容易になる。
【0031】また、振幅値の変動が所定値以下の場合
は、ノイズと判断して規格化するので受信信号に重畳さ
れたノイズを除去することができる。さらに、受信信号
の微小な変動ノイズを平均化により除去するので、受信
信号が微弱になる双曲線パターンの裾の部分を明確に表
現することが可能になる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、受
信波形をアンテナの移動距離と反射波の伝搬時間とを軸
として2次元的に並べた地中断面観測パターン上の振幅
値を規格化する場合、同一伝搬時間位置でアンテナ移動
方向に比較した場合の極大値または極小値に着目して、
あるアンテナ位置(X)の所定の伝搬時間(Tn )にお
ける第1振幅値と、少なくともアンテナ位置(X)の前
後の位置で測定した反射波の所定の伝搬時間(Tn )に
おける振幅値である第2振幅値と第3振幅値とを比較
し、第1振幅値が第2振幅値および第3振幅値より大き
い場合または小さい場合に伝搬時間(Tn )における振
幅値を「1」、それ以外の場合には伝搬時間(Tn )に
おける振幅値を「0」に規格化したので、埋設物からの
反射像に相当する双曲線パターンの裾の部分を明確に表
現することが可能になる。
【0033】また、第2の発明では、地中断面観測パタ
ーン上の振幅値を、アンテナ移動距離方向に比較して極
大値または極小値を示す点を抽出する際に、その前また
は後ろで振幅値が急激に変化する位置の振幅値のみを抽
出して規格化できるようにしたため、ノイズの影響を阻
止でき、埋設物からの反射像を明確に表現した規格化デ
ータマップを得ることができ、従って、合成開口処理、
線画の追跡加算処理などの計算機処理による埋設物の認
識が容易になる。また、第3の発明では、着目している
あるアンテナ位置の受信波形振幅値は、この受信波形に
対しその前及び後ろの何れか一方の受信波形、または前
及び後ろの双方の受信波形の振幅値と、この着目してい
るアンテナ位置の受信波形の振幅値との平均値として算
出するため、受信信号の微小な変動の影響を無くした的
確な規格化データマップを得ることができ、特に受信信
号が微弱になる双曲線パターンの裾の部分を明確に表現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の埋設物探知に用いる受信信号の処理
方法を適用した装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【図2】 上記装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【図3】 受信信号の振幅値の平均化の一例を示す図で
ある。
【図4】 振幅値から規格化を行う一例を示す図であ
る。
【図5】 規格化データマップの一例を示す図である。
【図6】 埋設物探知装置のブロック図である。
【図7】 埋設物探知装置の表示部に表示される地中断
面観測パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…送信器、2…送信アンテナ、3…受信アンテナ、4
…受信器、5…距離検出部、6…移動用車輪、7…演算
部、8…表示部、9…地表面、10…地層境界面、11
…埋設管。
フロントページの続き (72)発明者 小林 繁 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−258428(JP,A) 特開 平3−261888(JP,A) 特開 平4−216486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 3/12 G01S 13/88

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動しながら送信アンテナから電磁波を
    地中等に埋設された埋設物へ放射すると共に反射して戻
    ってくる電磁波を受信アンテナにて受信し、前記反射波
    の伝搬時間と振幅値の関係を所定の移動距離毎に測定し
    て地中断面観測パターンを求め、この地中断面観測パタ
    ーンの振幅値を所定階調に規格化して規格化データマッ
    プを作成する埋設物探知の信号処理方法であって、 前記地中断面観測パターンにおいて、あるアンテナ位置
    (X)の所定の伝搬時間(Tn )における第1振幅値
    と、少なくとも前記アンテナ位置(X)の前後の位置で
    測定した前記反射波の所定の伝搬時間(Tn )における
    振幅値である第2振幅値と第3振幅値とを比較し、第1
    振幅値が第2振幅値および第3振幅値より大きい場合ま
    たは小さい場合には伝搬時間(Tn )における振幅値を
    「1」、それ以外の場合には伝搬時間(Tn )における
    振幅値を「0」に規格化することを特徴とする埋設物探
    知に用いる受信信号の処理方法。
  2. 【請求項2】 移動しながら送信アンテナから電磁波を
    地中等に埋設された埋設物へ放射すると共に反射して戻
    ってくる電磁波を受信アンテナにて受信し、前記反射波
    の伝搬時間と振幅値の関係を所定の移動距離毎に測定し
    て地中断面観測パターンを求め、この地中断面観測パタ
    ーンの振幅値を所定階調に規格化して規格化データマッ
    プを作成する埋設物探知の信号処理方法であって、 前記地中断面観測パターンにおいて、あるアンテナ位置
    (X)の所定の伝搬時間(T n )における第1振幅値
    と、少なくとも前記アンテナ位置(X)の前後の位置で
    測定した前記反射波の所定の伝搬時間(T n )における
    振幅値である第2振幅値と第3振幅値とを比較し、 第1
    振幅値と第2振幅値との差、または第1振幅値と第3振
    幅値との差の何れかが所定の判定値より大きいか否かを
    判定し、前記差が前記所定の判定値より大きい場合に
    搬時間(T n )における振幅値を「1」に規格化するこ
    とを特徴とする埋設物探知に用いる受信信号の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 移動しながら送信アンテナから電磁波を
    地中等に埋設された埋設物へ放射すると共に反射して戻
    ってくる電磁波を受信アンテナにて受信し、前記反射波
    の伝搬時間と振幅値の関係を所定の移動距離毎に測定し
    て地中断面観測パターンを求め、この地中断面観測パタ
    ーンの振幅値を所定階調に規格化して 規格化データマッ
    プを作成する埋設物探知の信号処理方法であって、 前記地中断面観測パターンにおいて、 あるアンテナ位置
    (X)の所定の伝搬時間(Tn )における振幅値は、同
    じく所定の伝搬時間(Tn )における少なくともアンテ
    ナ位置(X)の前及び後ろの何れか一方または前及び後
    ろの双方の位置の振幅値を含めた平均値より求めること
    を特徴とする埋設物探知に用いる受信信号の処理方法。
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