JPH11304627A - 地中埋設管のガス漏洩位置検出方法および装置 - Google Patents

地中埋設管のガス漏洩位置検出方法および装置

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JPH11304627A
JPH11304627A JP10113839A JP11383998A JPH11304627A JP H11304627 A JPH11304627 A JP H11304627A JP 10113839 A JP10113839 A JP 10113839A JP 11383998 A JP11383998 A JP 11383998A JP H11304627 A JPH11304627 A JP H11304627A
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JP
Japan
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propulsion
soil
drill head
antenna
underground pipe
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Application number
JP10113839A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Nakauchi
啓雅 中内
Takashi Kikuta
隆 菊田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地中埋設管によって輸送されるガスの漏洩位
置を高精度で検出すること。 【解決手段】 土壌1中を推進する推進体2のドリルヘ
ッド5内に送信および受信アンテナ16a,16bを設
け、送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動
し、地中埋設管の反射を受信して演算することによって
地中埋設管14の位置を検出し、この地中埋設管14の
長手方向に沿って推進体2を推進する。ドリルヘッド5
内にはさらに、ガスセンサ59が設けられ、推進体2の
推進時に、ガスセンサ59の出力を監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ガスなどのガ
スを輸送する地中埋設管のガス漏洩位置を検出するため
の方法および装置に関し、さらにガスだけでなく水道水
などの液体、液体と微小な固体とを含む懸濁液などの流
体を輸送する地中埋設管の流体漏洩位置を検出するため
の方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地中埋設管からのガスの漏洩を検出する
ための典型的な先行技術は、本件出願人による特開平3
−140833に開示される。この先行技術では、土壌
の複数場所に検出孔を掘削し、各検出孔から同時に等し
い吸引流量で、吸引し、各吸引したガスに含まれる都市
ガスなどのガスの濃度が最大である場所を、ガス漏洩位
置と判断する。
【0003】他の先行技術は、特開平3−285133
に開示される。この先行技術では、複数の検出孔とは異
なる場所に、吸引孔をさらに掘削し、この吸引孔からガ
スを吸引し、このガス吸引によって各検出孔内の都市ガ
スなどのガスの濃度の安定した値を測定し、安定したガ
ス濃度値のうちの最大である検出孔の付近をガス漏洩位
置と判断する。これら2つの各先行技術では、管が埋設
されている土壌に、地表面から検出孔および吸引孔を掘
削しなければならず、さらにガスの漏洩位置を特定する
ために、各検出孔ごとにガスが漏洩しているかどうかを
検出しなければならない。したがって作業性が劣るとと
もに、道路などにそのような孔を掘削した後に、修復す
るために多くの労力を必要とする。
【0004】またこれらの先行技術では、地中埋設管の
埋設位置を推測して土壌の地表面に複数の孔を掘削する
ので、そのような検出孔の掘削位置が地中埋設管の埋設
位置からずれているおそれがあるとともに、土壌の土質
の変化の影響などによって、地中埋設管から漏洩したガ
スが土壌中の空隙などを経て地上に到達する経路が複雑
であり、したがって先行技術で特定することができたガ
ス漏洩位置の直下が、必ずしも地中埋設管のガス漏洩位
置ではないことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ガス
および液体などの流体の漏洩位置を、高精度で検出する
ことができるようにした地中埋設管のガスおよび流体の
漏洩位置検出方法および装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、土壌中を推進
する推進体を準備し、この推進体のドリルヘッド内に
は、電磁波を発生し反射波を受信する送信および受信ア
ンテナと、土壌中のガスを検出するガスセンサとを設
け、送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動す
るとともに、反射波の受信信号を演算処理することによ
って、地中埋設管を検出し、この地中埋設管に沿って推
進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向
に押込んで推進し、この推進体の推進時にガスセンサの
出力を監視することを特徴とする地中埋設管のガス漏洩
位置検出方法である。
【0007】本発明に従えば、推進体の先端部には、送
信および受信アンテナが設けられる。送信および受信ア
ンテナは、送信アンテナと受信アンテナとが個別的に構
成されていてもよく、または単一のアンテナが送信およ
び受信のためにスイッチング手段によって切換えて接続
される構成であってもよい。本件明細書中において、
「送信および受信アンテナ」、または「送信アンテナお
よび受信アンテナ」というのは、2つの個別的なアンテ
ナが用いられる構成だけでなく、このような単一のアン
テナがスイッチング手段によって切換えられて送信およ
び受信の各機能を達成する構成をも含む概念であると解
釈されなければならない。
【0008】送信アンテナからは、地中で電磁波が発生
される。受信アンテナに、土壌中の地中埋設管による反
射波が受信されることによって、推進体を、地中埋設管
の長手方向に沿って推進することができる。
【0009】本発明に従えば、地表面からの深度が大き
くても、地中埋設管の存在を容易に検出することができ
る。
【0010】本発明に従えば、ドリルヘッド内には、土
壌中の都市ガスなどの検出すべきガスのガスセンサが設
けられているので、推進体が土壌中で地中埋設管の長手
方向に沿って推進している状態で、ガスセンサの出力を
監視することによって、ガス漏洩位置を高精度で検出す
ることができる。
【0011】またこの推進体は、土壌中で地中埋設管の
比較的近傍で推進することができる。したがって前述の
先行技術におけるように地表面に検出孔を掘削してガス
濃度を検出する方法に比べて、ガス漏洩位置を高精度で
検出することができる。
【0012】また本発明は、土壌中を推進する推進体の
ドリルヘッドに設けられ、土壌中に電磁波を発生し、障
害物によって反射された反射波を受信する送信および受
信アンテナと、推進体のドリルヘッド内に設けられ、送
信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動するとと
もに、反射波の受信信号を演算処理して地中埋設管を検
出する手段と、推進体のドリルヘッド内に設けられ、土
壌中のガスを検出するガスセンサと、推進体を、ドリル
ヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に押込むととも
に、少なくともドリルヘッドを軸線まわりに角変位する
推進駆動手段と、推進体の推進時にガスセンサの出力を
監視する手段とを含むことを特徴とする地中埋設管のガ
ス漏洩位置検出装置である。
【0013】本発明に従えば、都市ガスなどのガスを輸
送する地中埋設管を送信アンテナおよび受信アンテナを
用いて検出しつつその推進体を地中埋設管に沿って走行
して推進し、このときガスセンサの出力を常に監視する
ことによって、ガス漏洩位置を高精度で検出することが
できる。
【0014】また本発明は、土壌中を推進する推進体を
準備し、この推進体のドリルヘッド内には、電磁波を発
生し反射波を受信する送信および受信アンテナを設け、
送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動すると
ともに、反射波の受信信号を演算処理することによっ
て、地中埋設管に沿って推進体を、ドリルヘッドよりも
推進方向上流側で軸線方向に押込んで推進し、この推進
体の推進時に前記アンテナの受信出力を監視して土壌中
の比誘電率の変化による流体の漏洩位置を検出すること
を特徴とする地中埋設管の流体漏洩位置検出方法であ
る。
【0015】また本発明は、土壌中を推進する推進体の
ドリルヘッドに設けられ、土壌中に電磁波を発生し、障
害物によって反射された反射波を受信する送信および受
信アンテナと、推進体のドリルヘッド内に設けられ、送
信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動するとと
もに、反射波の受信信号を演算処理して地中埋設管を検
出する手段と、推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向
上流側で軸線方向に押込むとともに、少なくともドリル
ヘッドを軸線まわりに角変位する推進駆動手段と、推進
体の推進時に前記アンテナの受信出力によって土壌中の
比誘電率の変化を監視する手段を含むことを特徴とする
地中埋設管の流体漏洩位置検出装置である。
【0016】本発明に従えば、流体、たとえば水道水な
どの水またはその他の液体を輸送する地中埋設管に沿っ
て推進体を移動し、受信アンテナの受信出力を監視する
ことによって、土壌中の比誘電率の変化による流体の漏
洩位置を検出することができる。地中埋設管から流体が
漏洩したとき、その土壌の比誘電率が変化する。たとえ
ば水の比誘電率は約81であり、乾燥した土壌の比誘電
率はたとえば約10である。これらの比誘電率の違いに
応じて、受信アンテナの受信出力が変化する。したがっ
て流体の漏洩位置を高精度で検出することができる。地
中埋設管が乾燥したガス、たとえば都市ガスなどを輸送
する場合、漏洩したガスによって土壌が乾燥し、したが
ってガスが漏洩していない場所における水分を多く含む
土壌と、乾燥した土壌との比誘電率が異なることにな
る。本発明では、このように比誘電率が異なる土壌を、
受信アンテナの受信出力によって検出することができ
る。したがって地中埋設管からのガスの漏洩位置を検出
することもまた、可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
地中推進工法を示す断面図である。土壌1内で可撓性を
有する推進体2を地表面3上から、土壌1中に推進す
る。推進体2は、可撓性を有する推進体本体4と、その
推進体本体4に連結されるドリルヘッド5とを含む。推
進駆動手段46は、推進体2を、ドリルヘッド5よりも
推進方向上流側で、この実施の形態では基端部で、推進
体2の軸線方向に推進方向6で示されるように押込み、
さらに推進体2の基端部を、軸線まわりに角変位して回
転駆動することができる。
【0018】推進体2を土壌1内に推進するにあたって
は、ドリルヘッド5を土壌1中に貫入し、推進体本体4
の一部を構成する複数の推進管55(後述の図2参照)
を順次的に継ぎ足しながら土壌1中に圧入し、掘削を進
める。
【0019】図2は、土壌中の推進体2のドリルヘッド
5付近の側面図である。推進体2の軸線に直角な断面は
円形であり、そのドリルヘッド5の先端部9には、平坦
な傾斜面10が形成される。この先端部9は、先細状に
形成される。傾斜面10は、推進体2、したがってドリ
ルヘッド5の軸線11に対して傾斜している。
【0020】図3は、ドリルヘッド5の先端部9付近の
断面図である。ドリルヘッド5の先端部9にはまた、傾
斜面10の推進方向6下流側(図2の左方)に臨んで噴
出孔12が形成される。この噴出孔12には、推進体2
内に挿通された可撓管を介して、供給源13からベント
ナイト水を圧送して噴射する。このベントナイト水によ
って、ドリルヘッド5による土壌1の掘削が容易になる
とともに、形成された掘進孔の孔壁が安定化される。
【0021】ドリルヘッド5の先端部9に、上述のよう
に傾斜面10が形成されているので、推進体2の少なく
ともドリルヘッド5を回転駆動しつつ押込むことによっ
て直進させることができ、またその少なくともドリルヘ
ッド5を回転駆動することなく押込むことによって、可
撓性を有する推進体本体4を湾曲させ、土壌1中を掘進
することができる。推進体本体4を湾曲させることによ
って、推進体2は、地中埋設管14の長手方向に沿っ
て、推進することができる。
【0022】ドリルヘッド5の先端部9における傾斜面
10は、平板状の誘電体15から成る。この先端部9内
には、誘電体15、したがって傾斜面10に臨んで送信
アンテナ16aと受信アンテナ16bとが設けられる。
参照符の添字a,bを省略して数字だけで総括的に示す
ことがある。
【0023】アンテナ16は、たとえばボータイアンテ
ナなどによって実現される。これらのアンテナ16は、
ドリルヘッド5内の電気回路17に接続される。電気回
路17は、地表面3に設けられた他の電気回路に接続さ
れる。
【0024】図4は、ドリルヘッド5の一部の断面図で
ある。ドリルヘッド5の直円筒状の周壁56には、複数
の細孔57が形成され、内部の空間58に連通する。こ
のドリルヘッド5内には、地中埋設管14によって輸送
されるガス、たとえば都市ガスを検出するためのガスセ
ンサ59が収納される。周壁56の内周面とセンサ59
との間には、土砂が細孔57から内部に侵入することを
防ぐための金属製などの網60と、ガスを透過しかつ水
などの液体を遮断する微細な多数の透過孔を有する合成
樹脂製膜61とが介在される。これによって推進体2の
土壌1中の推進時に、土壌1中の地中埋設管14から漏
洩したガスを、ガスセンサ59によって検出することが
できる。
【0025】図5は、図3に示される電気回路17の構
成を示すブロック図である。送信アンテナ16aは、電
波である電磁波を発生する。受信アンテナ16bは、そ
の電磁波を受信する。アンテナ16による電磁波によっ
て地中埋設管14を検出することができ、こうして得ら
れる探査データは、たとえば推進体2に挿通されたケー
ブル18を介して地上で、出力手段19によって受信さ
れる。出力手段19は、先端部9付近に地中埋設管14
が存在するかどうかなどを目視表示する。この出力手段
19は、たとえば液晶または陰極線管などによって実現
される表示手段などであってもよく、または数値などを
表示する手段などであってもよい。
【0026】電気回路17の一例として、たとえばサン
プラ方式地中探査レーダであってもよい。パルス発生回
路20は、送信アンテナ16aに、駆動手段21によっ
て図6(1)のパルス状の送信信号p1を与える。送信
アンテナ16aからの電磁波は、土壌1に向けて放射さ
れる。この送信アンテナ16aからの電磁波は、地中埋
設管14によって反射され、または地表面3によって反
射され、その反射波は受信アンテナ16bによって受信
され、増幅回路22で増幅される。
【0027】図6(1)は、送信アンテナ16aに与え
られる送信信号p1の波形を示す。受信アンテナ16b
によって受信される受信信号は、図6(2)または図6
(3)の参照符p2,p3で示される。送信信号p1が
発生される時刻t1から受信信号p2,p3が得られる
時刻t2までの時間差W1は、送信および受信アンテナ
16とその電磁波が反射した地中埋設体までの距離L1
に対応する。したがってこの時間差W1によって、送信
および受信アンテナ16と管14などの地中埋設体との
間の距離L1を検出することができる。
【0028】受信信号p2,p3は、相互に極性が反対
であり、この極性は、電磁波が反射された地中埋設体の
比誘電率に依存する。本件発明者の実験によれば、金属
製地中埋設管14が検出されるとき、図6(2)の受信
信号p2が得られた。このとき地中埋設管14の付近で
は、通常の比較的わずかに水分を含む土壌1または漏洩
したガスによって乾燥された土壌1である。これに対し
て後述の実施の形態のように地中埋設管14によって水
道水などの水が輸送され、その地中埋設管14から水が
漏洩し、水分を比較的多量に含んだ土壌によって電磁波
が反射されたとき、図6(3)の受信信号p3が得られ
た。これらの受信信号p2,p3は、相互に極性が逆で
ある。したがってこの受信信号p2,p3の極性を検出
することによって、土壌1が乾燥しているか、または土
壌中に水分が多量に含まれているかどうかを検出するこ
とができ、したがって地中埋設管14が水を輸送する場
合、その地中埋設管14から水が漏洩しているかどうか
を知ることができる。
【0029】処理回路23は、たとえばマイクロコンピ
ュータなどによって実現され、パルス発生回路20から
のパルス状の送信信号p1に同期した出力と、増幅回路
22からの受信信号p2,p3とに応答し、その受信信
号をサンプリングしてデジタル化し、地中埋設管14の
画像信号および地表面3からの反射波の信号を、ケーブ
ル18を介して導出し、出力手段19によって前述のよ
うに表示させる。電気回路17はまた、そのほかの構成
を有していてもよい。
【0030】送信アンテナ16aと受信アンテナ16b
とは、図3および図5に示されるように別々の構成であ
ってもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、単
一のアンテナをスイッチングして切換えて用いるように
してもよい。
【0031】傾斜面10の軸線11となす角度θ0は、
たとえば8°または15°であってもよく、5〜25°
の範囲で選ばれてもよい。パルス発生回路20から送信
アンテナ16に駆動手段21によって与えられるパルス
状の送信波形は、たとえば0.5〜1.5GHzの周波
数範囲であってもよい。
【0032】図7は、推進体2を用いて土壌1を推進し
ている状態を示す。図7(1)に示されるように傾斜面
10が地中埋設管14に臨んで下向きとなるとき、本件
発明者の実験によれば、図7(2)に示される画像が、
出力手段19から得られた。地表面3とドリルヘッド5
の軸線11の間の距離である深さL1は、図7(2)に
おいて得られた画像における直接波の像25と、地表面
3による反射像26との間の時間差W1に対応する。
【0033】推進体2の少なくともドリルヘッド5を軸
線11まわりに角変位して図7(1)の状態から180
°回転した状態は、図8(1)に示されている。傾斜面
10は上向きである。このとき得られる出力手段19に
よる画像は、図8(2)に示されるとおりであり、地中
埋設管14の画像は得られない。
【0034】図7(2)および図8(2)において、た
とえば縦軸であるY軸は時間を示し、たとえば横のX軸
は地表面3の推進方向6に沿う方向を示している。ドリ
ルヘッド5と管14などの地中埋設体との間の距離L1
は、時間差W1および土壌1の比誘電率ε1を用いて式
1のように示される。
【0035】 L1 = W1・c/√ε1 …(1) ここでcは、電磁波の伝搬速度であって、3×108
mである。本件発明者の実験結果によれば、距離L1が
比較的高精度で検出できることが確認された。
【0036】ガスなどの漏洩検出のために、推進体2が
地中埋設管14と予め定める距離L1を一定に保つよう
に、推進体2を土壌1中に推進する。
【0037】こうして図1〜図8の実施の形態におい
て、出力手段19の出力によって、ガスを輸送する金属
製地中埋設管14に沿って推進体2を推進しつつ、ガス
センサ59の出力を監視することによって、ガス漏洩位
置を検出することができる。
【0038】ガスセンサ59の出力は、前述の図5に示
されるレベル弁別回路62に与えられて予め定める弁別
レベルによってレベル弁別される。漏洩したガス濃度が
予め定める値以上であり、したがってガスセンサ59の
出力がレベル弁別回路62で設定されている弁別レベル
以上であるとき、表示手段63は、ガスが漏洩している
ことを表す出力を導出する。この表示手段63は、たと
えばランプなどの目視表示を行う構成であってもよく、
またブザーなどの音響表示を行う構成であってもよい。
地中埋設管14におけるガス漏洩位置の検出にあたって
は、土壌1中に推進された推進体2の地表面3の侵入位
置64(図1参照)からの長さを計測して、ガスセンサ
59までの地中埋設管14の長手方向に沿う位置によっ
て、計測することができる。
【0039】図9は、本発明の実施の他の形態の土壌1
中におけるドリルヘッド5付近の側面図である。この実
施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分
には同一の参照符を付す。注目すべきはこの実施の形態
では、本件発明者の究明によって、都市ガスを輸送する
地中埋設管14のガスが漏洩している位置65付近の領
域66では、そのガスによって土壌1が乾燥し、土壌1
の含水率の違いは、比誘電率の変化に大きな影響を及ぼ
す。この実施の形態では、土壌1の比誘電率の違いによ
って、前述の図6に関連して述べたように受信アンテナ
16bの受信信号p2,p3の極性に基づき、地中埋設
管14からガスが漏洩しているかどうかを検出する。こ
の実施の形態では、ガスセンサ59およびそれに関連す
る構成要素62,63は省略され、出力手段19は、受
信信号p2,p3の極性を判別する回路と、その極性判
別結果を表示して出力する手段とを、さらに含む。
【0040】図10は、図9に示される本発明の実施の
一形態に対応する本件発明者の実験結果を示す図であ
る。図10(1)および図10(2)は、本件探査装置
であるレーダのアンテナ16から土壌(比誘電率18)
を介して30cm離れた場所に塩化ビニル(比誘電率3
〜4)製管67を設置した場合の断面および鋼管68を
設置した場合の断面をそれぞれ示す。図10(3)は、
表示手段19によって得られる探査画像を示す。図10
(3)の左半分には、図10(1)の探査画像を示し、
図10(3)の右半分には図10(2)の探査画像を示
す。この図10(3)の画像から、電磁波が塩化ビニル
製管67によって反射された受信信号71と、鋼管68
によって反射された受信信号72とに、明瞭な違いが見
られることが判る。
【0041】アンテナ16からの電磁波が図10(2)
の鋼管68にあたると、その鋼管68上に電流が流れ
る。この電流が誘導磁場を作り、強い強度の反射信号と
なって受信アンテナ16bで受信される。このような鋼
管68によって得られた反射信号は、図10(1)の塩
化ビニル製管67による反射信号に比べて大きな振幅を
有し、その探査画像の階調が大きい。
【0042】本件発明の実施の形態において重要な現象
は、塩化ビニル製管67と鋼管68とに対応する受信信
号71,72の位相、したがって極性が反転しているこ
とである。特に誘電率が高い方から低い方への電磁波入
射の際には、位相が反転することが判った。したがって
図10(3)に示されるように同一時刻における受信信
号71,72の各部分の位相が反転している現象に基づ
いて、地中埋設体が塩化ビニル製管67であるかまたは
鋼管68であるかを検出することができることが理解さ
れる。
【0043】上述の本件発明者の実験による塩化ビニル
製管67の比誘電率は充分に乾燥した土壌1における比
誘電率に近似している。したがって地中埋設管14の乾
燥したガスが漏洩していることが原因で、土壌1中の水
分が蒸発し、乾燥した土壌の領域66を検出することが
可能であることが判る。こうして本発明の実施の形態で
は、地中埋設管14の埋設位置と区別しながら、ガスの
漏洩位置を検出することができることが確認された。
【0044】本発明の実施の他の形態では、図9および
図10に関連して説明した実施の形態において、地中埋
設管14が水道水などの水を輸送する場合、その水の漏
洩位置を検出することもまた可能である。水に代えて、
その他の液体の漏洩位置を検出することもまた、可能で
ある。
【0045】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、ドリルヘッ
ドに送信および受信アンテナを設け、ガスを輸送する地
中埋設管を検出して、この地中埋設管の長手方向に沿っ
て推進体を推進しつつ、ガスセンサの出力を監視し、こ
れによって地中埋設管から漏洩するガスの位置を高精度
に検出することができる。地表面に前述の先行技術に関
連して述べた検出孔などの孔を掘削する必要がなく、労
力を節減することができ、また道路に掘削した場合にお
ける修復などの手間が不要となる。
【0046】請求項2の本発明によれば、前述と同様
に、ガスを輸送する地中埋設管のガス漏洩位置を高精度
に検出することができるとともに、地表面に前述の先行
技術に関連して述べた複数の検出孔などを掘削する必要
がなく労力を節減することができる。
【0047】請求項3の本発明によれば、ドリルヘッド
に設けた送信および受信アンテナを用いて推進体を地中
埋設管に沿って推進しつつ、そのアンテナの受信出力を
監視して土壌中の比誘電率の変化による流体であるガス
および水道水などの液体の漏洩位置を検出することがで
きるので、その流体漏洩位置を高精度で検出することが
可能になる。しかも地表面上に前述の先行技術に関連し
て述べた複数の検出孔などを掘削する必要がなく、労力
が節減される。
【0048】さらに本発明によれば、比誘電率の変化に
よる流体の漏洩位置を上述のように検出するので、構成
を比較的簡略化することができる。
【0049】請求項4の本発明によれば、地中に埋設さ
れた流体を輸送する地中埋設管からの流体漏洩位置を高
精度で検出することができるとともに、地表面に前述の
先行技術に関連して述べた複数の掘削孔を掘削する必要
がなく、労力を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の地中推進工法を示す断
面図である。
【図2】土壌中の推進体2のドリルヘッド5付近の側面
図である。
【図3】ドリルヘッド5の先端部9付近の断面図であ
る。
【図4】ドリルヘッド5の一部の断面図である。
【図5】図3に示される電気回路17の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】送信および受信アンテナ16a,16bの送信
信号p1と受信信号p2,p3との各波形を示す図であ
る。
【図7】図7(1)は推進体2を用いて土壌1を推進し
ている状態を示す図であり、図7(2)は本件発明者の
実験結果を示す土壌1の断面画像を示す図である。
【図8】図8(1)は推進体2を用いて土壌1を推進し
ている状態を示す図であり、図8(2)は本件発明者の
実験結果を示す土壌1の断面画像を示す図である。
【図9】本発明の実施の他の形態の土壌1中におけるド
リルヘッド5付近の側面図である。
【図10】図9に示される本発明の実施の一形態に対応
する本件発明者の実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 土壌 2 推進体 3 地表面 4 推進体本体 5 ドリルヘッド 6 推進方向 9 先端部 10 傾斜面 11 軸線 12 噴出孔 13 供給源 14 地中埋設管 15 誘電体 16a 送信アンテナ 16b,16c 受信アンテナ 17 電気回路 19,63 出力手段 20 パルス発生回路 21 駆動手段 22 増幅回路 23 処理回路 46 推進駆動手段 59 ガスセンサ 62 レベル弁別回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌中を推進する推進体を準備し、 この推進体のドリルヘッド内には、電磁波を発生し反射
    波を受信する送信および受信アンテナと、土壌中のガス
    を検出するガスセンサとを設け、 送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動すると
    ともに、反射波の受信信号を演算処理することによっ
    て、地中埋設管を検出し、この地中埋設管に沿って推進
    体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に
    押込んで推進し、この推進体の推進時にガスセンサの出
    力を監視することを特徴とする地中埋設管のガス漏洩位
    置検出方法。
  2. 【請求項2】 土壌中を推進する推進体のドリルヘッド
    に設けられ、土壌中に電磁波を発生し、障害物によって
    反射された反射波を受信する送信および受信アンテナ
    と、 推進体のドリルヘッド内に設けられ、送信および受信ア
    ンテナに送信信号を与えて駆動するとともに、反射波の
    受信信号を演算処理して地中埋設管を検出する手段と、 推進体のドリルヘッド内に設けられ、土壌中のガスを検
    出するガスセンサと、推進体を、ドリルヘッドよりも推
    進方向上流側で軸線方向に押込むとともに、少なくとも
    ドリルヘッドを軸線まわりに角変位する推進駆動手段
    と、 推進体の推進時にガスセンサの出力を監視する手段とを
    含むことを特徴とする地中埋設管のガス漏洩位置検出装
    置。
  3. 【請求項3】 土壌中を推進する推進体を準備し、 この推進体のドリルヘッド内には、電磁波を発生し反射
    波を受信する送信および受信アンテナを設け、 送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動すると
    ともに、反射波の受信信号を演算処理することによっ
    て、地中埋設管に沿って推進体を、ドリルヘッドよりも
    推進方向上流側で軸線方向に押込んで推進し、 この推進体の推進時に前記アンテナの受信出力を監視し
    て土壌中の比誘電率の変化による流体の漏洩位置を検出
    することを特徴とする地中埋設管の流体漏洩位置検出方
    法。
  4. 【請求項4】 土壌中を推進する推進体のドリルヘッド
    に設けられ、土壌中に電磁波を発生し、障害物によって
    反射された反射波を受信する送信および受信アンテナ
    と、 推進体のドリルヘッド内に設けられ、送信および受信ア
    ンテナに送信信号を与えて駆動するとともに、反射波の
    受信信号を演算処理して地中埋設管を検出する手段と、 推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方
    向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線ま
    わりに角変位する推進駆動手段と、 推進体の推進時に前記アンテナの受信出力によって土壌
    中の比誘電率の変化を監視する手段を含むことを特徴と
    する地中埋設管の流体漏洩位置検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322254A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Kubota Corp 地中埋設管路の調査方法
CN114324485A (zh) * 2022-02-28 2022-04-12 山东省煤田地质局第五勘探队 地下水即时采样检测装置

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