JPH11326535A - 地中推進工法における探査装置および方法 - Google Patents

地中推進工法における探査装置および方法

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JPH11326535A
JPH11326535A JP10126334A JP12633498A JPH11326535A JP H11326535 A JPH11326535 A JP H11326535A JP 10126334 A JP10126334 A JP 10126334A JP 12633498 A JP12633498 A JP 12633498A JP H11326535 A JPH11326535 A JP H11326535A
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JP
Japan
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drill head
propulsion
medium
antenna
soil
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Application number
JP10126334A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Nakauchi
啓雅 中内
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地中埋設物14を検出する電磁波の減衰量を
低減すること。 【解決手段】 推進体2のドリルヘッド5に送信および
受信アンテナ16a,16bを設け、このアンテナから
電磁波を地中に送信し、地中埋設物14による反射波を
受信する。ドリルヘッド5に形成された噴出孔12か
ら、媒質を噴出する。この媒質は、導電率が1300μ
S/cm以下、好ましくは270μS/cm以下であ
り、電磁波の減衰量が低減される。電磁波の媒質は、た
とえば水道水、蒸留水または半導電材料と水との混合物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる地中推進
工法を用いて地中にたとえば各種管路を敷設する際に、
既に存在する地中埋設物の破損を予防して、その地中埋
設物を検出する地中推進工法における探査装置および方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】或る提案された地中推進工法では、土壌
中を推進する複数の推進管を軸線方向に継ぎ足して構成
される推進体の先端部にアンテナを内蔵し、このアンテ
ナからの電波である電磁波を土壌中に放射し、地中埋設
物を検出する。この地中埋設物が検出されたとき、推進
体が地中埋設物に衝突したり接触したりすることを防ぐ
ために、地中埋設物を避けて、土壌内に推進体を挿入す
る。ドリルヘッドの噴出孔からは、ベントナイト水を圧
送して噴出し、これによって推進方向下流側である前方
の土砂を軟化して推進体の推進を容易にしている。
【0003】この提案された地中推進工法では、ベント
ナイト水の導電率が比較的大きく、たとえば1300μ
S/cmを超える大きな値であり、したがって電磁波の
減衰が大きいという問題がある。したがって地中埋設物
の探査距離が短く、たとえば用いられる探査用周波数が
1GHzであるとき、せいぜい40〜50cm程度の前
方の地中埋設物しか検出することはできない。したがっ
て推進体の推進方向を変化して地中埋設物を避けること
が困難になる。
【0004】このように探査能力が低い技術では、試験
掘などを行った後に、縦孔を点在して掘削して目視確認
する必要がある。地表面にこのような縦孔の掘削を行う
と、道路などの交通量の多い地域では、地表面上で調査
する作業者が交通遮断などの処置を施す必要がある。し
たがってたとえば都市部では、このような技術を実施す
ることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、地中
探査距離を長くすることができるようにした地中推進工
法における探査装置および方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、土壌中を推進
する推進体のドリルヘッドに、電磁波を発生し反射波を
受信する送信および受信アンテナを設け、推進体を、ド
リルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向に押込むと
ともに、少なくともドリルヘッドを軸線まわりに角変位
する推進駆動手段と、送信および受信アンテナに送信信
号を与えて駆動するとともに、反射波の受信信号を演算
処理する手段とを備え、ドリルヘッドには、噴出孔が形
成され、この噴出孔には、導電率が1300μS/cm
以下である媒質を圧送して供給する媒質供給源が接続さ
れることを特徴とする地中推進工法における探査装置で
ある。
【0007】本発明に従えば、推進体の先端部には、送
信および受信アンテナが設けられる。送信および受信ア
ンテナは、送信アンテナと受信アンテナとが個別的に構
成されていてもよく、または単一のアンテナが送信およ
び受信のためにスイッチング手段によって切換えて接続
される構成であってもよい。本件明細書中において、
「送信および受信アンテナ」、または「送信アンテナお
よび受信アンテナ」というのは、2つの個別的なアンテ
ナが用いられる構成だけでなく、このような単一のアン
テナがスイッチング手段によって切換えられて送信およ
び受信の各機能を達成する構成をも含む概念であると解
釈されなければならない。
【0008】送信アンテナからは、地中で電磁波が発生
される。受信アンテナに、土壌中の地中埋設物による反
射波が受信されることによって、推進体の先端部の近傍
に存在する地中埋設物を検出することができる。
【0009】地中埋設物は、地中に埋設されたガスおよ
び水などを輸送する管路であり、またはその他の地中構
造物などである。
【0010】本発明に従えば、地表面からの深度が大き
くても、推進体の先端部が、地中埋設物の近傍に近付い
たとき、その地中埋設物の存在を容易に検出することが
できる。また地中構造物などの地中埋設物の存在位置を
知ることができる。したがってその地中埋設物を避け
て、推進体を地中に推進し、これによって地中埋設物で
ある地中構造物に推進体が衝突し、または接触してその
地中埋設物が破損することを防ぐことができる。
【0011】本発明に従えば、ドリルヘッドに形成した
噴出孔から、導電率が1300μS/cm以下である電
磁波の伝搬可能な媒質を圧送する。これによってその媒
質は、土壌中に浸透する。このような媒質は、推進方向
下流側である前方の土砂を軟化させるとともに、ドリル
ヘッド内に収納された電気回路を、推進時に冷却するこ
とができ、さらにドリルヘッドで推進した後における土
壌を安定化させ、土壌中に形成された掘削孔が崩壊する
ことを防ぐ働きをする。しかもこの媒質は、上述のよう
に導電率が低いので、電磁波の減衰が、前述の或る提案
された技術において用いられるベントナイト水に比べて
電磁波の到達距離を延長することができる。したがって
推進体の推進方向を変更して地中埋設物を避けて推進す
ることができるに充分な距離をあけて、前方にある地中
推進物を検出して探査することができるようになる。
【0012】また本発明は、土壌中を推進する推進体の
ドリルヘッドに、電磁波を発生する送信アンテナを設
け、推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸
線方向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸
線まわりに角変位する推進駆動手段と、送信アンテナに
送信信号を与えて駆動する手段と、電磁波の反射波を受
信する受信アンテナと、受信アンテナからの受信信号を
演算処理する手段とを備え、ドリルヘッドには、噴出孔
が形成され、この噴出孔には、導電率が1300μS/
cm以下である媒質を圧送して供給する媒質供給源が接
続されることを特徴とする地中推進工法における探査装
置である。
【0013】本発明に従えば、地中にある推進体の先端
部に送信アンテナが設けられ、この送信アンテナから電
磁波を発生する。地上では、受信アンテナによって、送
信アンテナから土壌を介する電磁波を受信する。送信ア
ンテナから受信アンテナまでの電磁波の経路の途中に地
中埋設物が存在すると、受信アンテナで受信される電磁
波の強度が変化し、これによって地中埋設物を容易に検
出することができる。これに対して、地上から送信アン
テナによって電磁波を土壌に向けて放射し、この送信ア
ンテナから放射された電磁波が、土壌および地中埋設物
によって反射され、地上に設けられた受信アンテナによ
って受信されて、地中埋設物を探査する構成では、大き
い深度内の地中埋設物を検出するためには、地上の送信
アンテナ5から大電力の電磁波を発生しなければなら
ず、したがって地上での電波障害を生じるおそれがあ
る。本発明は、この問題を解決する。
【0014】本発明に従えば、前述と同様に、電磁波の
減衰量を緩和することができ、したがって推進体が地中
埋設物を避けて推進することが容易に可能になる。
【0015】また本発明は、媒質の導電率は、270μ
S/cm以下であることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、媒質の導電率を270μ
S/cm以下とすることによって、電磁波の到達距離を
さらに延長することができる。このような媒質として
は、たとえば水道水が挙げられる。水道水は、導電率約
270μS/cm(比抵抗約770Ω・cm)である。
さらにこのような媒質としては蒸留水が挙げられる。蒸
留水の導電率は0.1〜0.2μS/cm(比抵抗5×
106〜1×107Ω・cm)である。またこのような媒
質としては、感光紙、静電記録紙などとして用いられる
半導電材料を水道水または蒸留水などの水と混合した流
体があり、この半導電材料は導電率0.0001〜0.
1μS/cm(比抵抗107〜1010Ω・cm)であ
る。このような半導電材料を水道水または蒸留水などの
水に混入して得られた混合物であってもよい。媒質は、
液体だけであってもよく、または液体と粉粒体との混合
流体であってもよい。このような半導電材料はまた、合
紙塗料であってもよい。本発明に従う媒質でたとえば水
道水を真砂土中に浸透させることによって、前述のベン
トナイト水に比べて約2.5倍程度以上の探査距離を達
成することができ、電磁波の減衰量は、ベントナイト水
に比べ、約1/2.5以上小さくすることができる。
【0017】前述の或る提案された技術において関連し
て述べたベントナイト水は、ベントナイト1重量部に対
して水10重量部などの比率で混合された媒質であり、
その導電率は約1300μS/cmを超える値であり、
すなわち比抵抗約770Ω・cm未満である。
【0018】本発明に従えば、土壌の導電率を500μ
S/cmと仮定し、使用される周波数1GHzである場
合、水道水のような270μS/cm以下の導電率を有
する媒質を用いることによって約100cmの探査距離
が得られる。
【0019】また本発明は、土壌中を推進する推進体を
準備し、この推進体のドリルヘッドには、電磁波を発生
し反射波を受信する送信および受信アンテナを設け、推
進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方向
に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線まわ
りに角変位し、送信および受信アンテナに送信信号を与
えて駆動するとともに、反射波の受信信号を演算処理す
ることによって、埋設物を検出し、前記ドリルヘッドの
押込みおよび角変位時に、ドリルヘッドに形成した噴出
孔から、導電率が1300μS/cm以下である媒質を
圧送して、推進方向下流側の土壌中に前記媒質を浸透さ
せることによって、電磁波の減衰を抑制することを特徴
とする地中推進工法における探査方法である。
【0020】また本発明は、土壌中を推進する推進体を
準備し、この推進体のドリルヘッドには、電磁波を発生
する送信アンテナを設け、推進体を、ドリルヘッドより
も推進方向上流側で軸線方向に押込むとともに、少なく
ともドリルヘッドを軸線まわりに角変位し、送信アンテ
ナに送信信号を与えて駆動し、地表面上で受信アンテナ
を移動して送信アンテナからの電磁波を受信し、前記ド
リルヘッドの押込みおよび角変位時に、ドリルヘッドに
形成した噴出孔から、導電率が1300μS/cm以下
である媒質を圧送して、推進方向下流側の土壌中に前記
媒質を浸透させることによって、電磁波の減衰を抑制す
ることを特徴とする地中推進工法における探査方法であ
る。
【0021】本発明に従えば、前述のように、ベントナ
イト水などに比べて導電率が小さい媒質をドリルヘッド
の噴出孔から噴出しつつ推進を行うので、この媒質によ
って電磁波が減衰する減衰量を低減し、探査距離を長く
することができる。これによって推進体が地中埋設物を
避けて推進することが容易に可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
地中推進工法を示す断面図である。土壌1内で可撓性を
有する推進体2を地表面3上から、土壌1中に推進す
る。推進体2は、可撓性を有する推進体本体4と、その
推進体本体4に連結されるドリルヘッド5とを含む。推
進駆動手段46は、推進体2を、ドリルヘッド5よりも
推進方向上流側で、この実施の形態では基端部で、推進
体2の軸線方向に推進方向6で示されるように押込み、
さらに推進体2の基端部を、軸線まわりに角変位して推
進体2の全体を回転駆動することができる。
【0023】推進体2を土壌1内に推進するにあたって
は、ドリルヘッド5を土壌1中に貫入し、推進体本体4
の一部を構成する推進管を順次的に継ぎ足しながら土壌
1中に圧入し、掘削を進める。推進体2が、土壌1に形
成された到達立坑7で、または地表面3上で、ドリルヘ
ッド5を取外し、敷設すべきポリエチレン管の端部を接
続し、推進体2を引戻し、発進立坑8または地上までポ
リエチレン管を引込んで作業を終了する。
【0024】図2は、推進体2のドリルヘッド5付近の
断面図である。推進体2の軸線に直角な断面は円形であ
り、そのドリルヘッド5の先端部9には、平坦な傾斜面
10が形成される。この先端部9は、先細状に形成され
る。傾斜面10は、推進体2、したがってドリルヘッド
5の軸線11に対して傾斜している。ドリルヘッド5の
先端部9にはまた、傾斜面10の推進方向6下流側(図
2の左方)に臨んで噴出孔12が形成される。この噴出
孔12には、推進体2内に挿通された可撓管51を介し
て、供給源13から媒体を圧送して噴射する。この媒体
によって、推進方向下流側である前方の土砂である土壌
中に媒体が浸透して、土砂を軟化させ、これによってド
リルヘッド5による土壌1の掘削が容易になるととも
に、形成された掘進孔の孔壁が安定化され、さらにこの
媒体によって、電気回路17などの冷却が行われる。
【0025】ドリルヘッド5の先端部9に、上述のよう
に傾斜面10が形成されているので、推進体2の少なく
ともドリルヘッド5を回転駆動しつつ押込むことによっ
て直進させることができ、またその少なくともドリルヘ
ッド5を回転駆動することなく押込むことによって、可
撓性を有する推進体本体4を湾曲させ、土壌1中を掘進
することができる。推進体本体4を湾曲させることによ
って、土壌1中に地中埋設物14が存在しても、推進体
2は、その地中埋設物14を避けて、推進することがで
きる。
【0026】ドリルヘッド5の先端部9における傾斜面
10は、平板状の誘電体15から成る。この先端部9内
には、誘電体15、したがって傾斜面10に臨んで送信
アンテナ16aと受信アンテナ16bとが設けられる。
参照符の添字a,bを省略して数字だけで総括的に示す
ことがある。
【0027】アンテナ16は、たとえばボータイアンテ
ナなどによって実現される。これらのアンテナ16は、
ドリルヘッド5内の電気回路17に接続される。電気回
路17は、地表面3に設けられた他の電気回路に接続さ
れる。
【0028】図3は、図2に示される電気回路17の構
成を示すブロック図である。送信アンテナ16aは、電
波である電磁波を発生する。受信アンテナ16bは、そ
の電磁波を受信する。アンテナ16による電磁波によっ
て地中埋設物14を検出することができ、こうして得ら
れる探査データは、たとえば推進体2に挿通されたケー
ブル18を介して地上で、出力手段19によって受信さ
れる。出力手段19は、先端部9付近に地中埋設物14
が存在するかどうかなどを目視表示する。この出力手段
19は、たとえば液晶または陰極線管などによって実現
される表示手段などであってもよく、または数値などを
表示する手段などであってもよい。
【0029】電気回路17の一例として、たとえばサン
プラ方式地中探査レーダであってもよい。パルス発生回
路20は、送信アンテナ16aに、駆動手段21によっ
てパルス状の送信信号を与える。送信アンテナ16aか
らの電磁波は、土壌1に向けて放射される。この送信ア
ンテナ16aからの電磁波は、地中埋設物14によって
反射され、または地表面3によって反射され、その反射
波は受信アンテナ16bによって受信され、増幅回路2
2で増幅される。処理回路23は、たとえばマイクロコ
ンピュータなどによって実現され、パルス発生回路20
からのパルス長の送信信号に同期した出力と、増幅回路
22からの受信信号とに応答し、その受信信号をサンプ
リングしてデジタル化し、地中埋設物14の画像信号お
よび地表面3からの反射波の信号を、ケーブル18を介
して導出し、出力手段19によって前述のように表示さ
せる。電気回路17はまた、そのほかの構成を有してい
てもよい。
【0030】送信アンテナ16aと受信アンテナ16b
とは、図2および図3に示されるように別々の構成であ
ってもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、単
一のアンテナをスイッチングして切換えて用いるように
してもよい。
【0031】傾斜面10の軸線11となす角度θ0は、
たとえば8°または15°であってもよく、5〜25°
の範囲で選ばれてもよい。パルス発生回路20から送信
アンテナ16に送信手段21によって与えられるパルス
状の送信波形は、たとえば0.5〜1.5GHzの周波
数範囲であってもよい。
【0032】図4は、推進体2を用いて土壌1を推進し
ている状態を示す。図4(1)に示されるように傾斜面
10が地表面3に臨んで上向きとなるとき、本件発明者
の実験によれば、図5(1)に示される画像が、出力手
段19から得られた。地表面3とドリルヘッド5の軸線
11の間の距離である深さL1は、図5(1)において
得られた画像における直接波の像25と、地表面3によ
る反射像26との間の時間差W1に対応する。
【0033】推進体2の少なくともドリルヘッド5を軸
線11まわりに角変位して図4(1)の状態から180
°回転した状態は、図4(2)に示されている。傾斜面
10は下向きである。このとき得られる出力手段19に
よる画像は、図5(2)に示されるとおりであり、地中
埋設物14が存在しないとき、それらの地中埋設物14
および土壌1の地表面3の画像は得られない。
【0034】図5(1)および図5(2)において、た
とえば横軸であるX軸は時間を示し、たとえば縦のY軸
は地表面3の推進方向6に沿う方向を示している。深さ
L1は、時間差W1および土壌1の比誘電率ε1を用い
て式1のように示される。
【0035】 L1 = W1・c/√ε1 …(1) ここでcは、電磁波の伝播速度であって、3×108
mである。本件発明者の実験結果によれば、距離L1が
比較的高精度で検出できることが確認された。
【0036】図4に示されるように、推進体2の軸線1
1が水平であって地表面3と平行である状態で、その軸
線11まわりに少なくともドリルヘッド5を角変位する
と、図5(1)に示される受信アンテナ16bによる反
射波の受信信号のレベルが図5(1)の大きいレベルか
ら図5(2)の零のレベルまで変化する。したがってこ
の反射像26が得られる受信信号の最大値に対する最大
値未満のレベルの比をレベル弁別することによって、ド
リルヘッド5の軸線11まわりの回転角度を検出するこ
とができる。出力手段19は、このような受信信号のレ
ベルの比を演算してレベル弁別する手段を備える。
【0037】本発明の実施の他の形態では、ドリルヘッ
ド5の先端部9の傾斜面10には、送信アンテナ16だ
けが設けられ、受信アンテナは、図1の参照符16cで
示されるように、操作者27が手で持って移動してもよ
く、または台車などによって移動するようにしてもよ
い。この受信アンテナ16cからの信号は、図3の電気
回路17において前述の受信アンテナ16bと同様にし
て増幅回路22に与えられ、同様に演算処理が行われる
ようにしてもよい。受信アンテナ16cからの受信信号
によって、送信アンテナ16aへの送信信号を与えた時
刻から受信アンテナ16cの受信信号が得られるまでの
時間差は、前記深さW1に対応している。
【0038】この実施の形態でもまた、前記時間差に対
応した距離だけ隔てて存在する地中埋設物14を検出す
ることはできる。
【0039】受信アンテナ16cによって得られる受信
信号の最大レベルが得られる地表面3上の位置は、土壌
1中の送信アンテナ16aまでの最短距離であり、これ
によってその受信アンテナ16cの直下にドリルヘッド
5が存在するものと判断することができる。さらにこの
受信アンテナ16cの受信強度の前記最大強度に対する
比を演算手段によって演算し、その比に対応して、傾斜
面10の軸線11まわりの回転角度を検出することがで
きる。
【0040】供給源13から供給される媒体は、水道水
であってもよく、または蒸留水であってもよい。さらに
この媒体は、感光紙または静電記録紙などとして用いら
れる半導電材料と水との混合物であってもよく、この水
というのは、水道水または蒸留水である。半導電材料
は、たとえば合紙塗料などであってもよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、地中の送信
アンテナから電磁波が発生され、土壌中の地中埋設物に
よる反射波を受信することによって、推進体の先端部の
近傍に存在する地中埋設物を検出することができるの
で、その地中埋設物などの地中埋設物の破損を予防しな
がら、地中推進工法を実施することができる。
【0042】本発明によれば、推進体の先端部から電磁
波を発生するようにしたので、電磁波が減衰しやすい土
壌中において、その先端部の近傍における地中埋設物
を、大きな送信電力を必要とすることなく、容易にかつ
確実に検出することができる。
【0043】また本発明によれば、ドリルヘッド噴出孔
から、1300μS/cm以下である導電率を有する媒
質を噴出するので、送信された電磁波およびその反射波
の減衰量を低減し、探査距離を長くすることができる。
これによって推進体が地中埋設物を避けて推進すること
が確実に可能になる。
【0044】請求項2の本発明によれば、地中にある推
進体の先端部に送信アンテナが設けられ、この送信アン
テナから電磁波を発生する。地上では、受信アンテナに
よって、送信アンテナから土壌を介する電磁波を受信す
る。送信アンテナから受信アンテナまでの電磁波の経路
の途中に地中埋設物が存在すると、受信アンテナで受信
される電磁波の強度が変化し、これによって地中埋設物
を容易に検出することができる。しかも、地上に到達す
る電磁波の強度は低くてもよいので、電波障害などの問
題を予防することができる。
【0045】本発明によれば、前述と同様に、媒質の導
電率を1300μS/cm以下とすることによって、探
査距離を長くし、これによって地中埋設物を避けて推進
体を推進させることが確実になる。
【0046】さらに本発明によれば、ドリルヘッドに送
信アンテナが設けられ、この送信アンテナから電磁波が
発生されて地表面上で受信アンテナで電磁波が受信され
るので、前述の請求項1,2における土壌中を往復伝搬
する電磁波の経路に比べて、請求項2の構成では、約1
/2であって、その伝搬経路はいわば片道だけであるの
で、送信アンテナから発生された電磁波が地表面上で受
信アンテナに受信されるまでの減衰量が、約半分にな
る。したがってドリルヘッド先端部の検出を正確に行う
ことができる。また送信アンテナから受信アンテナまで
の電磁波伝播可能距離が長くなるので、ドリルヘッド先
端部が土壌中で深い位置にあっても、その位置を検出す
ることができる。
【0047】請求項3の本発明によれば、媒質の導電率
を270μS/cm以下にすることによって、電磁波の
減衰量をさらに低減し、推進方向下流側およびその外側
方に存在する地中埋設物の探査距離を長くすることがで
き、あるいはまた地表面からの深さの検出距離を、さら
に長くすることができるようになる。
【0048】請求項4,5の本発明によれば、ドリルヘ
ッドの噴出孔からの媒質による電磁波の減衰を抑制して
探査距離を長くすることができるようになる。これによ
って推進体が地中埋設物を確実に避けて推進することが
できるようになり、またドリルヘッドの位置を正確に探
査することができるようになる。
【0049】またこの媒質による電磁波の減衰量を低減
することができることによって、アンテナから送信され
る電磁波の送信電力を低減し、エネルギの節約を図るこ
とができるとともに、構成の小形化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の地中推進工法を示す断
面図である。
【図2】推進体2のドリルヘッド5付近の断面図であ
る。
【図3】図2に示される電気回路17の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】推進体2を用いて土壌1を推進している状態を
示す。
【図5】本件発明者の実験結果を示す土壌1の断面画像
を示す図である。
【符号の説明】
1 土壌 2 推進体 3 地表面 4 推進体本体 5 ドリルヘッド 6 推進方向 7 到達立坑 8 発進立坑 9 先端部 10 傾斜面 11 軸線 12 噴出孔 13 供給源 14 地中埋設物 15 誘電体 16a 送信アンテナ 16b,16c 受信アンテナ 17 電気回路 19 出力手段 20 パルス発生回路 21 駆動手段 22 増幅回路 23 処理回路 46 推進駆動手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌中を推進する推進体のドリルヘッド
    に、電磁波を発生し反射波を受信する送信および受信ア
    ンテナを設け、 推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方
    向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線ま
    わりに角変位する推進駆動手段と、 送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動すると
    ともに、反射波の受信信号を演算処理する手段とを備
    え、 ドリルヘッドには、噴出孔が形成され、 この噴出孔には、導電率が1300μS/cm以下であ
    る媒質を圧送して供給する媒質供給源が接続されること
    を特徴とする地中推進工法における探査装置。
  2. 【請求項2】 土壌中を推進する推進体のドリルヘッド
    に、電磁波を発生する送信アンテナを設け、 推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方
    向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線ま
    わりに角変位する推進駆動手段と、 送信アンテナに送信信号を与えて駆動する手段と、 電磁波の反射波を受信する受信アンテナと、 受信アンテナからの受信信号を演算処理する手段とを備
    え、 ドリルヘッドには、噴出孔が形成され、 この噴出孔には、導電率が1300μS/cm以下であ
    る媒質を圧送して供給する媒質供給源が接続されること
    を特徴とする地中推進工法における探査装置。
  3. 【請求項3】 媒質の導電率は、270μS/cm以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の地中推
    進工法における探査装置。
  4. 【請求項4】 土壌中を推進する推進体を準備し、 この推進体のドリルヘッドには、電磁波を発生し反射波
    を受信する送信および受信アンテナを設け、 推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方
    向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線ま
    わりに角変位し、 送信および受信アンテナに送信信号を与えて駆動すると
    ともに、反射波の受信信号を演算処理することによっ
    て、埋設物を検出し、 前記ドリルヘッドの押込みおよび角変位時に、ドリルヘ
    ッドに形成した噴出孔から、導電率が1300μS/c
    m以下である媒質を圧送して、推進方向下流側の土壌中
    に前記媒質を浸透させることによって、電磁波の減衰を
    抑制することを特徴とする地中推進工法における探査方
    法。
  5. 【請求項5】 土壌中を推進する推進体を準備し、 この推進体のドリルヘッドには、電磁波を発生する送信
    アンテナを設け、 推進体を、ドリルヘッドよりも推進方向上流側で軸線方
    向に押込むとともに、少なくともドリルヘッドを軸線ま
    わりに角変位し、 送信アンテナに送信信号を与えて駆動し、地表面上で受
    信アンテナを移動して送信アンテナからの電磁波を受信
    し、 前記ドリルヘッドの押込みおよび角変位時に、ドリルヘ
    ッドに形成した噴出孔から、導電率が1300μS/c
    m以下である媒質を圧送して、推進方向下流側の土壌中
    に前記媒質を浸透させることによって、電磁波の減衰を
    抑制することを特徴とする地中推進工法における探査方
    法。
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