JP3726022B2 - 非開削ドリリング工法用地中レーダ装置 - Google Patents

非開削ドリリング工法用地中レーダ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非開削ドリリング工法に利用される地中レーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、送配電線の地中埋設化の要請に応じて、電線収容のためのトンネルを地中に形成するための経済的な工法が必要になっている。従来、地上からの開削を行うことなく、地中に小径のトンネルを形成する安価な工法として非開削ドリリング工法が開発されてきた。
【0003】
この非開削ドリリング工法によれば、ロッドと称される可撓性の長尺体の先端に直径50〜60mm程度の小径の掘削機が取付けられる。この掘削機の先端には掘削刃が斜めに取付けられている。そして地上に設置した回転・推進機構から回転力と推進力とをロッドを介して先端の掘削機に与えることにより、掘削機の先端に取付けられた掘削刃によって土砂の掘削が行われ、地中に小径のトンネルが形成される。掘削の進行に合わせてロッドの継ぎ足しが行われ、トンネルが前方に延長されてゆく。
【0004】
上記工法によるトンネルは、通常、地表に対してほぼ水平に形成される。この小径のトンネルが完成すると、継ぎ足されたロッドの最先端に、掘削機に代わってバックリーマが取付けられる。そして、ロッドが後退せしめられながらバックリーマによる小径のトンネルの拡幅が行われ、最終的な直径のトンネルが形成される。この際問題になるのは、掘削機による小径のトンネルの形成時には障害にならなかったが、バックリーマによる拡幅時に障害になる障害物、例えば、ガス管や水道管などの地中埋設物などが存在するおそれがあることである。
【0005】
バックリーマによる拡幅時に障害物の存在が発見されると、掘削機による小径のトンネルの形成から作業をやり直さなければならず、時間的にも労力的にも損失が大きい。そこで、掘削機による小径のトンネルの形成時に、掘削機の先端側に地中レーダ装置を取付けて障害物を検出し、この障害物からバックリーマによる拡幅に必要な所定距離だけ小径のトンネルを遠ざけるように掘削機の進路を変更するという対策が講じられている。
【0006】
このような地中レーダ装置は、掘削刃の裏側に取付けられる場合(特開平8−278371号公報)や、掘削機の先端側の外周面に沿って複数のアンテナ素子が形成される場合(特開2000−147137号公報)などがある。後者の場合、複数のアンテナ素子の指向性を合成することにより無指向性にした合成アンテナの形成も行われる。これらの地中レーダ装置で得られた受信信号は、掘削機からロッド内を通す(特開平2000−204883号公報)か、あるいは、地中の無線伝送路を通して、地上に設置されている信号処理・画像表示装置まで転送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の地中レーダ装置のうち、その受信信号をロッド内を通して地上の信号処理・表示装置まで転送するものは、着脱自在に結合される隣接ロッド間に地中レーダ装置の受信信号のための広帯域な伝送路を形成しなければならず、ロッドの製造費用がかさむという問題がある。また、地中レーダ装置の受信信号を地中の無線伝送路を通して地上の装置まで転送するものは、地中を伝播する電波の減衰が高周波ほど増大することから、高速の信号伝送が困難になり、受信信号の信号の処理と表示が毎秒数十cmの掘進速度に追随できなくなるという問題がある。
【0008】
従って、本発明の一つの目的は、ロッドの製造費用を過大にすることなく、しかも、信号の処理と表示が掘削機の掘進速度に追随できる非開削ドリリング工法用地中レーダ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決する本発明に係わる非開削ドリリング工法用地中レーダ装置は、地中を回転しながらこの回転軸の方向に移動せしめられる地中掘削機の先端側の外周面に沿って複数のアンテナ素子が配置され、各アンテナ素子の特性が合成されることにより回転軸のまわりに無指向特性の合成アンテナが形成される非開削ドリリング工法の地中レーダ装置である。
【0010】
そして、本第1の発明の地中レーダ装置は、上記合成アンテナの受信信号をBスコープ表示したと想定した場合のBスコープ表示画面において、その深度距離がアンテナ移動距離の所定長以上にわたって概ね単調に増加又は減少してゆき、かつ、前記深度距離の前記アンテナ移動距離に対する変化量が所定値以上であるときは、0の受信信号に反射物体からの反射波が含まれると推定し、その旨の通知信号を地上装置に送信する推定・通知手段を備える。これにより、広帯域の受信信号ではなく、推定・通知機能の追加によって大幅に圧縮された情報を地上の装置に送信するように構成されている。
【0011】
本第2の発明の地中レーダ装置は、上記合成アンテナの受信信号をBスコープ表示したと想定した場合の仮想的なBスコープ表示画面において、その深度距離がアンテナ移動距離の所定長以上にわたって概ね単調に減少したのち増加してゆき、かつ、上記深度距離の上記アンテナ移動距離に対する変化量が所定値以上であるときは、この受信信号に反射物体からの反射波が含まれると推定し、その旨の通知信号を地上装置に送信する推定・通知手段を備えることにより、推定・通知機能の追加に基づき大幅に圧縮された情報を地上の装置に送信するように構成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の地中レーダ装置の好適な実施の形態によれば、上記推定を、上記仮想的なBスコープ表示画面上の画素の配列状況に基づいて自動的に行うことにより、推定の確度を高めるように構成されている。
【0013】
前記通知信号は、地中を無線により前記地上装置に送信されることを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
【0014】
前記受信信号の受信は時間軸を拡大しながら行われることを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
【001
【実施例】
図2は、本発明の一実施例の非開削ドリリング工法用地中レーダ装置を構成するアンテナの構成を掘削機との関係と共に示す図であり、(A)は円筒形状の掘削機の構体を一部を除去して示す側面図、(B)は掘削機の軸に直交する面で切断して示す横断面図である。
【001
円筒形状の掘削機Pに、地上に設置した動力装置から図示しないロッドを介して回転力と推進力とが伝達される。これによって掘削機Pが回転しながら前方に推進されると、その先端部分に固定された金属製の掘削刃BLによって前方の土砂が削り取られ後方にトンネルが形成される。
【001
掘削機Pの内部に、4個の送受信アンテナAT1〜AT4が掘削機Pの円周方向に90°の角度間隔を保って設置されている。各送受信アンテナは、掘削機Pの軸線方向にそって配置された送信専用のアンテナと受信専用のアンテナとから構成されている。4個の送受信アンテナAT1〜AT4のそれぞれは、前方にのみパルス信号を送信し、前方の反射物体で生じた反射波のみを受信するという指向性を有する。掘削中は、4個の送受信アンテナAT1〜AT4から同時にパルス信号を送信し、それぞれで受信した反射波を合成することにより、これらの送受信アンテナが仮想的な単一の無指向性の送受信アンテナATとして機能せしめられる。
【001
図3は、上記実施例の非開削ドリリング工法用地中レーダ装置の主要部の構成を示す機能ブロック図であり、1は送信トリガ発生回路、2は送信回路、3は送信アンテナ選択部、ATT1〜ATT4は送受信アンテナAT1〜AT4を構成する送信専用アンテナ、ATR1〜ATR4は送受信アンテナAT1〜AT4を構成する受信専用アンテナ、4は受信アンテナ選択部、5は受信回路、6はA/D変換回路、7は制御・データ処理部、8は送受信回路、AT0は送受信アンテナである。
【0019
制御・データ処理部7は、後述する地上からの指令に従って、送信アンテナ選択部3と受信アンテナ選択部4とに制御信号を送出することにより、この地中レーダ装置のアンテナ部分を仮想的な単一の無指向性の送受信アンテナとして機能させたり、複数個の指向性アンテナの群として機能させたりする。
【0020
通常の掘進作業中は、4個の送受信アンテナAT1〜AT4は、仮想的な無指向性の送受信アンテナとして機能せしめられる。すなわち、送信アンテナ選択部3は、制御・データ処理部7の指令に基づき、送受信アンテナAT1〜AT4を構成する送信専用アンテナATT1〜ATT4の全てを選択し、それぞれに送信回路2で発生された送信パルス信号を供給する。これにより、4個の送受信アンテナAT1〜AT4から地中に一斉に送信パルス信号が出力される。同時に、受信アンテナ選択部4は、4個の送受信アンテナAT1〜AT4の受信専用アンテナATR1〜ATR4の全てを受信回路5に接続する。この結果、送受信アンテナAT1〜AT4の受信信号が受信回路5において合成される。
【0021
上記仮想的な単一の無指向性の送受信アンテナによって障害物が検出された場合には、一旦掘削機が後退せしめられ、後述する地上からの指令に従って、指向性の送受信アンテナAT1〜AT4の中から適宜な一つが選択されたのち、掘削機を低速で前進せしめながら選択された一つの指向性の送受信アンテナを用いて障害物の探索が行われる。
【0022
図4は、仮想的な単一の無指向性の送受信アンテナATの受信信号波形の一例を示している。上段の矩形状のパルス信号は、送信トリガ発生回路1で発生される一定周期の送信トリガ信号Tである。この送信トリガ信号Tに同期して送受回路2で送信パルス信号が発生され、無指向性の送受信アンテナATからパルス状の信号が地中に送信される。この送信時点からある時間τだけ遅延して、受信信号が送受信アンテナATに受信される。この受信信号Rは、前述したように、実際には4個の送受信アンテナAT1〜AT4の受信専用アンテナの受信信号が合成されたものである。
【0023
上記送信トリガ信号Tから受信信号Rの出現時点までの遅延時間τは、送受信アンテナATから地中に送信された電波が反射物体まで伝播し、反射波となって逆の経路をたどってこの送受信アンテナATに受信されるまでの所要時間、すなわち、送信された電波が送受信アンテナATと反射物体との間を往復するのに要した地中の伝播所要時間である。従って、この遅延時間τを電波の地中の伝播速度で除算し、1/2にすることにより、送受信アンテナATから反射物体までの距離が算定される。
【0024
図4の受信信号を、その振幅を縦軸にし、経過時間を横軸にしてブラウン管に表示したものがAスコープ表示画面である。これに対して、図4の受信信号Rの振幅を輝度信号に変換すると共に、時間軸を縦軸にし、アンテナの移動距離を横軸にしてブラウン管に表示したものがBスコープ表示画面である。このBスコープ表示は、図5に示すように、船舶が一定速度で移動しながら一定周期で超音波の信号を水底に向けて放射し、その反射波を含む受信信号をブラウン管上に表示してゆくのに適している。
【0025
すなわち、図5の例では、図6に示すように、水中の状況を良く反映する表示画面が得られるからである。このBスコープ表示画面においては、縦軸は下向きに設定され、水面から測定した深度距離と称される。本実施例の非開削ドリリング工法用地中レーダ装置においては、反射物体の探知に上述したBスコープ表示画面の概念が利用されている。
【0026
図7は、掘削機Pに取付けられた仮想的な単一の無指向性アンテナATが、掘削の進行と共に図中の矢印の方向に、土中を前進していく場合を示している。通常、トンネルは地表にほぼ平行に形成されるため、仮想的な無指向性アンテナATの進行経路も地表にほぼ平行となる。図7では、無指向性アンテナATの進行経路の上方に、この進行経路を横切るように、ガス管や水道管などの埋設物Xが存在する場合を例示している。
【0027
この場合、無指向性アンテナATの位置が図示のようにa、b、c・・・と変化してゆくにつれて、無指向性アンテナATと埋設物Xとの距離がLa,Lb,Lc・・・という具合に変化してゆく。これに伴い、受信信号に含まれる反射波の遅延時間τが減少してゆき、距離Lcを最小値として再び増大に転じる。
【0028
図7に例示した地中の埋設物Xと無指向性アンテナの位置の変化の状況をBスコープ表示画面にするものとすれば、図1に示すような仮想的なBスコープ表示画面が得られる。図1に例示するような埋設物Xで発生した反射波の最初のピークの部分をアンテナの移動方向に連ねたものが像Uとして出現し、やや遅れて出現する次のピークの部分をアンテナの移動方向に連ねたものが画像Vとして出現する。あたかも、埋設物Xの真下において深度距離が最短であり、この点から前後に遠ざかるにつれて、深度距離が増大するかのように表示される。
【0029
図4の波形図において、送信トリガ信号Tの周期を約50nsec とすれば、探知可能な最遠地点は片道の伝播時間の上限値25nsec に対して、地中における電波の伝播速度を乗算した値となる。地中における電波の伝播速度は、真空中の伝播速度 3×108 m/sec を地中の土砂の比誘電率εs の平方根で除算した値となる。地中の土砂の比誘導率は、土砂の含水率の増加につれて増大し、10乃至100 程度の範囲にわたって変化する。この結果、探知可能な最遠距離は、土砂の含水率に応じて2.5 mから0.75m程度の値となる。
【0030
パルス信号の地中への送信と反射信号の受信は、時間軸を拡大しながら行われる。この時間軸の拡大は、送信トリガ信号Tに同期して送信回路2から送信信号を一定周期で送信すると共に、受信回路5において、上記一定の送信タイミングに対して一定の微小量だけタイミングを累積的に遅延させながら受信信号をサンプリングしてゆくことによって行われる。この実施例では、時間軸の拡大倍率を104 に設定することにより、1 個のデータを得るために約5msec かけて104 回のパルス信号の送信と受信とが反復される。このような時間の拡大による測定精度の改善については、必要に応じて、本出願人の先願に係わる特公平7−69427号公報などを参照されたい。
【0031
A/D変換回路5からは時間軸が1万倍に拡大され、ディジタル化された受信信号が出力される。この受信信号は、電波の往復に要する50nsec の時間軸上に等間隔で配列される500 個乃至1000個のサンプリング点から成っている。この受信信号に基づく図1のBスコープ表示画面において、4mのアンテナ移動距離ごとに200 本のラインが横軸上に配列される。1ラインが2cmの移動距離に対応する。
【0032
制御・データ処理部7は、A/D変換回路6から受けた受信信号の各サンプリング点のレベルが所定値以上であれば“1”、所定値未満であれば“0”を割り当てることによって、受信信号を2値化する。この結果、図1の仮想的なBスコープ表示画面は、図8に例示するような画素の配列に変換される。制御・データ処理部7は、図8に例示するような仮想的なBスコープ表示画面上における斜め下方への画素の連結性を追跡してゆく。
【0033
この斜め下方への画素の連結性の追跡は、まず、右側のラインから最隣接の左側のラインについて行われる。この斜め下方への画素の連結性が検出されると、更に左側の最隣接ラインへと斜め下方への画素の連結性の検出が次々に継続される。このような隣接画素どうしの連結性の検出は、パターン認識などの画像処理の技術分野で利用される適宜な方法に従って行われる。このようにして、右上端の画素aから斜め左下端の画素sまでの連結性が検出される。
【0034
制御・データ処理部7は、ライン方向への画素の連結個数からアンテナ移動距離方向への連続受信距離Δdを算定し、この算定した連続受信距離が所定値以上であるか否かを判定する。Δdが所定値以上であれば、次に、サンプリング点方向への画素の連結個数から深度方向への連続距離Δzを算定し、これが所定値以上であるか否かを算定する。制御・データ処理部7は、算定した連続距離Δzが所定値以上であれば、反射物体による反射波の存在を検出したと判定する。
【0035
仮想的な無指向性の送受信アンテナATは、掘削機の回転軸の回りには無指向性を有するが、掘削機の進行方向、すなわち送受信アンテナATの移動方向には指向性を有する。このため、図7の例において、送受信アンテナATが埋設物体Xからある程度離れると、受信感度が雑音レベル以下となり受信不能となる。送受信アンテナATの移動方向に対する指向性を前方と後方にそれぞれ45°ずつと仮定し、図7の例で、送受信アンテナの位置eから見た埋設物Xの方向がちょうど後方45°であったとする。この場合、Le=√2Lcとなる。
【0036
図8の画素aと画素sとが、それぞれ図7の送受信アンテナATの位置cとeとで得られた反射波とすれば、画素aとsの深度距離の差ΔZは、
ΔZ =Le−Lc=(√2−1)Lc≒0.41Lc
となり、これから次式を得る。
ΔZ/Lc≒0.41
【0037
このように、送受信アンテナATの移動方向への指向性を考慮し、この例では画素sの深度距離が画素aの深度距離の√2になるように、ΔZ の値が設定される。Δzの値が所定値未満の場合は、地表面や、掘削機の移動方向に延長される既知の地中埋設物からの反射波と推定され、通知は行われない。また、Δdの値は適宜な値、例えば、Δd=αLc(αは比例定数)という具合に設定される。
【0038
制御・データ処理部7は、反射物体を検出すると、送受信回路8と送受信アンテナAT0とを介してその旨を通知する信号を地中に送信する。この地中に送信される通知信号はFM信号であり、地中を伝播したのち地上に設置されている受信機に受信される。受信機に受信された通知信号は、復調され、ブザーによる警報音を発生させたり、画面表示されたりする。
【0039
この通知信号を受けた掘削機の操作者は、掘削機を一旦後退させたのち、送受信アンテナAT1〜AT4の一つのみを選択する指令を地上の送受信機から送受信アンテナAT0と送受信回路8とを介して制御・データ処理部7に送信する。この指令を受けた制御・データ処理部7は、指向性の送受信アンテナAT1〜AT4の中から適宜な一つを選択する。この後、掘削機を低速で前進せしめながら選択された一つの指向性の送受信アンテナを用いて障害物の探索が行われる。
【0040
選択された送受信アンテナで受信された受信信号(Aスコープ信号)は、A/D変換回路6、制御・データ処理部7および送受信回路8を経て送受信アンテナAT0から地中に送信され、地上の送受信機に受信される。この、指向性アンテナを用いた探索動作においては、掘削機、従って選択された一つの指向性アンテナが低速で前進せしめられることにより、地中の低速のデータ転送によってAスコープ信号が掘削機の回転角度信号と共に地上の送受信装置に送信される。これを受信した地上の送受信装置では、Aスコープ信号と掘削機の回転角度信号とを処理することにより地上の表示装置にBスコープ表示を行う。操作者このBスコープ表示を観察することにより障害物の位置を確認する。
【0041
以上、図7の場合において送受信アンテナが反射物体から離れていく場合を想定することにより、深度距離が所定値以上のアンテナの移動距離にわたって単調に増加してゆき、この増分が所定値以上であることをもって反射物体の存在を検出する構成を例示した。これとは逆に、図7の場合において送受信アンテナが反射物体に接近して行く場合を想定することにより、深度距離が所定値以上のアンテナの移動距離にわたって単調に減少してゆき、この減少分が所定値以上であることから反射物体の存在を検出する構成とすることもできる。この場合、地中掘削機を一旦後退させることなく、アンテナ素子の一つを選択し低速度で掘削機を前進させることにより反射物体の位置を検出する構成とすることができる。
【0042
あるいは、上記両者を組合せ、送受信アンテナが反射物体に接近し、以後離れていく場合を想定することにより、深度距離が所定値以上のアンテナの移動距離にわたって単調に増加したのち単調に減少してゆき、この増分や減少分が所定値以上であることをもって反射物体の存在を検出する構成とすることもできる。
【0043
また、仮想的なBスコープ表示画面上における画素の配列の状況に基づき反射物体の存在を判定する構成を例示した。しかしながら、このような仮想的なBスコープ表示画面の概念を利用することなく、単に受信信号中から検出した立ち上がり時点の遅延量がアンテナの移動方向に変化する様子から反射物体の存在を推定する構成を採用することもできる。
【0044
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の非開削ドリリング工法用地中レーダ装置は、合成アンテナの受信信号をBスコープ表示したと想定した場合の仮想的なBスコープ表示画面において、その深度距離がアンテナ移動距離の所定長以上にわたって概ね単調に増加又は減少してゆき、かつ、前記深度距離の前記アンテナ移動距離に対する変化量が所定値以上であるときは、この受信信号に反射物体からの反射波が含まれると推定し、その旨の通知信号を地上装置に送信する推定・通知手段を備えているので、広帯域の受信信号ではなく、推定・通知機能の追加によって大幅に圧縮された情報を地上の装置に送信データきるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の非開削ドリリング工法用地中レーダ装置の受信信号から作成される仮想的なBスコープ表示画面の一部を例示する概念図である。
【図2】 上記実施例の地中レーダ装置のアンテナ部分の構成を掘削機と共に示す部分破開図(A)と横断面図(B)である。
【図3】 上記実施例の地中レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】 上記地中レーダ装置の送受信アンテナが受信する受信信号の波形を例示する図である。
【図5】 上記実施例で仮想的に利用されるBスコープ表示に適した水中探査の様子を例示する概念図である。
【図6】 上記水中探査の結果Bスコープ表示画面を例示する概念図である。
【図7】 上記実施例の地中レーダ装置による地中埋設物の探索の様子を例示する概念図である。
【図8】 上記実施例の地中レーダ装置の量子化受信信号から作成される仮想的なBスコープ表示画面の一部を例示する概念図である。
【符号の説明】
U,V 反射物体の像
P 地中掘削機
BL 掘削刃
AT0 送受信アンテナ
AT1 〜AT4 指向性の送受信アンテナ
ATT1〜ATT4 指向性の送受信アンテナの送信専用アンテナ
ATR1〜ATR4 指向性の送受信アンテナの受信専用アンテナ
1 送信トリガ発生回路
2 送信回路
5 受信回路
7 制御・データ処理部

Claims (5)

  1. 地中を回転しながらこの回転軸の方向に移動せしめられる地中掘削機の先端側の外周面に沿って複数のアンテナ素子が配置され、各アンテナ素子の特性が合成されることにより前記回転軸のまわりに無指向特性の合成アンテナが形成される非開削ドリリング工法の地中レーダ装置において、
    前記合成アンテナの受信信号をBスコープ表示したと想定した場合の仮想的なBスコープ表示画面において、その深度距離がアンテナ移動距離の所定長以上にわたって概ね単調に増加又は減少してゆき、かつ、前記深度距離の前記アンテナ移動距離に対する変化量が所定値以上であるときは、この受信信号に反射物体からの反射波が含まれると推定し、その旨の通知信号を地上装置に送信する推定・通知手段を備えたことを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
  2. 地中を回転しながらこの回転軸の方向に移動せしめられる地中掘削機の先端側の外周面に沿って複数のアンテナ素子が配置され、各アンテナ素子の特性が合成されることにより前記回転軸のまわりに無指向特性の合成アンテナが形成される非開削ドリリング工法の地中レーダ装置において、
    前記合成アンテナの受信信号をBスコープ表示したと想定した場合の仮想的なBスコープ表示画面において、その深度距離がアンテナ移動距離の所定長以上にわたって概ね単調に減少したのち増加してゆき、かつ、前記深度距離の前記アンテナ移動距離に対する変化量が所定値以上であるときは、この受信信号に反射物体からの反射波が含まれると推定し、その旨の通知信号を地上装置に送信する推定・通知手段を備えたことを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
  3. 請求項1又は2のいずれかにおいて、
    前記推定は、前記仮想的なBスコープ表示画面上の画素の配列状況に基づいて自動的に行われることを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
  4. 請求項1乃至3のそれぞれにおいて、
    前記通知信号は、地中を無線により前記地上装置に送信されることを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記受信信号の受信は時間軸を拡大しながら行われることを特徴とする非開削ドリリング工法用地中レーダ装置。
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