JP3629385B2 - 地中探査用レーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドマシンなどと称される地中掘削機に取付けられる地中探査用レーダ装置と、このレーダ装置に使用するアンテナとに関するものであり,特に、障害物の探知機能を向上させた地中探査用レーダ装置及びそのアンテナに関するものである。
【0002】
従来、地上からの開削を行うことなく地中に各種のトンネルを形成する非開削工法としてシールド掘削工法が知られている。このようなシールド掘削工法に使用されるシールド掘削機は、通常、その内部で人が立って作業できる程度に大型であり、その掘削速度も毎分10cm程度と低速である。
【0003】
このような大型の掘削機には、その先端に設置される円板形状の掘削用回転刃の中央部分に前方の障害物を監視するための地中レーダ装置が設置される(特開平8ー278371号公報等)。また、地質の変化を監視する目的などでシールド掘削機の側周面に地中レーダ装置が設置される場合もある(特公平4ー32919号公報)。
【0004】
最近、超小型のシールド掘削装置として、ロッドなどと称される可撓性の棒状体の先端に直径50mm〜 60 mm程度の寸法の掘削機を取付け、地上に設置した駆動装置から上記棒状体を介してその先端に取付けられた掘削機に回転力と推進力とを伝達することにより地中に小径のトンネルを形成する工法が採用されるようになってきた。掘削機の先端部にはその推進方向に対して傾けた状態で掘削刃が固定されており、この掘削機の回転につれてこの掘削刃が回転せしめられる。このような超小径のトンネルを形成するシールド掘削工法は、非開削ドリリング工法などと称されており、小径のガス管を配管するためのトンネルの形成に利用されている。
【0005】
上記非開削ドリリング工法を図6を参照して説明する。まず、図6(A)に示すように、地上に駆動装置Rが設置され、この駆動装置Rに可撓性を有する細長いロッドQが連結され、このロッドQの先端に掘削機Pが取付けられる。この掘削機Pの先端部には掘削刃が固定されている。この掘削機Pを立坑から地中に進入させ、駆動装置RからロッドQを介して回転力と推進力を掘削機Pに伝達することによって次の立坑との間に直径が50mm〜60mmの小径のトンネルが形成される。
【0006】
小径のトンネルの形成後に、図6(B)に示すように、ロッドQの先端から掘削機Pが取り外され、代わりにバックリーマと称される直径が200 mm程度の掘削体Sと、敷設対象のケーブルTの先端とが取付けられたのち、このロッドQが後退せしめられる。これに伴い、バックリーマによるトンネルの径の拡大と、この径が拡大されたトンネル内へのケーブルの敷設が行われる。
【0007】
上記従来の非開削ドリリング工法では、トンネルの形成に先立って、形成対象の地中に存在するガス管、水道管、電力ケーブル等の既設の設備の埋設状況が地上で地中レーダ装置を操作することによって探査される。このような地上で操作される地中レーダ装置は、実公平3ー55122号公報などに開示されている。そして、既設の埋設物への接触を回避できるようなトンネルの形成ルートが決定される。
【0008】
しかしながら、実際には、上述したような地上操作の地中レーダ装置による既設の地中埋設設備の位置検出誤差や、トンネル形成時のルート選択に関する制御誤差などのために、形成中のトンネルが埋設物に衝突し、あるいは接近し過ぎてしまい、トンネルの形成のやり直しが必要になる場合が往々にして生じる。特に問題になるのは、図6(A)に例示するように、埋設物Oの存在が小径のトンネルの形成には何ら支障を及ぼさないが、図6(B)に例示するように、バックリーマを用いた大径のトンネルの形成に支障を及ぼすという場合である。何故ならば、このような場合、全ての作業を最初の小径のトンネルの形成からやり直すことが必要になり、それまでの作業に費やした労力と時間が無駄になるからである。
【0009】
上記非開削ドリリング工法では、従来のシールド掘削機に比べて掘削機の寸法が桁違いに小さいため、これに地中レーダ装置用アンテナを取付けるには、まず、その大幅な小型化が必要になる。更に、非開削ドリリング工法の掘削機に地中レーダ装置用アンテナを取付ける際に生ずる第2の問題点は、非開削ドリリング工法で使用する掘削機は、図7に示すように、掘削機Pの先端に取付けられる細長い矩形板状の掘削刃BLが掘削機Pの回転軸Zに対する直立状態から傾けた状態で取付けられているという点である。
【0010】
すなわち、掘削刃BLの裏側に、送信アンテナTXと受信アンテナRXとを取付けることにより、ほぼ実線で示す送信アンテナの放射パターンの内部の部分について、地中の障害物の検出が可能になる。これは、障害物によって生じる反射波が、等方的とは言わないまでも、少なくとも後方にかなりの大きさで開いた角度範囲にわたって伝播すると考えることができ、送信電力の届く範囲を検出可能範囲と近似できるからである。換言すれば、送信電波が到達して反射波が発生しさえさえすれば、そのような全ての反射波が限られた受信感度パターンの受信アンテナによっても検出可能であると近似できる。
【0011】
この検出可能領域は、図7(A)に例示する位置では上を向いており、この後回転と推進とが行われた同図(B)に例示する位置では下を向いている。すなわち、実線で囲んだ検出可能領域は掘削機Pの回転と前進とに伴って螺旋状に回転しながら前進することになる。この結果、図7(A)の位置では先端部の下方が検出できず、逆に図7(B)の位置では先端部の上方が検出できないという具合に、掘削機Pの真っ直ぐ前方とその先端部分の上下左右の側方で検出の死角が生ずる。
【0012】
真っ直ぐ前方の検出の死角を小さくするには、図7(C)に示すように、送信アンテナTXと受信アンテナRXの取付け面を掘削機Pの回転軸Zに対して直交させればよい。しかしながら、そのようにすると、アンテナTX,RXが先端部分からかなり後退してしまい、掘削刃BLの位置で電波がかなり広がってしまい前方に達しなくなる。また、電波を通過させるために金属性の掘削刃BLに設けなければならない誘電体の窓の寸法が大きくなり、掘削刃BLの機械的強度が所要値よりも低下してしまうという問題がある。
【0013】
また、電波のかなりの部分が掘削機Pの先端部分の内部に放射されるため、内壁面を電波吸収体で覆わなければならなくなる。このため、送信アンテナTXと受信アンテナRXの取付け面をある程度の限界、例えば、図7(D)に例示する程度の限界を越えて傾けることができず、依然として死角が残ってしまう。
【0014】
この死角の発生は、この種の非開削ドリリング工法の掘削機の掘進速度が、従来のシールド掘削機の毎分10cm程度とは異なり、毎秒30cmもの大きな値であることに起因している。すなわち、回転軸の上方や下方を向いた電波ビームが行う螺旋運動に着目すると、従来のシールド掘削機では旋回運動のピッチが小さくて死角が小さい。これに対して非開削ドリリング工法の掘削機では、ビームの旋回運動のピッチが大きく、その分死角が大きくなる。
【0015】
また、図7の(A)や(B)に示されるように、アンテナが傾いた掘削刃に取付けられることにより、真っ直ぐ前方にも死角ができる。このため、掘削機が真っ直ぐ前方に存在し、地中探査用レーダ装置で検出され損なった障害物に衝突するおそれがあるという問題もある。
【0016】
本出願人の先願に係わる特願平10ー314151号には、上記側方についての検出の死角をなくするために、地中掘削機の先端近傍の側面のまわりにもほぼ等間隔で複数の指向性アンテナを取付け、これによって地中掘削機の先端部分の周辺を隈なく検出可能とした地中レーダ装置が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記先願の地中レーダ装置は、掘削機の上下左右の側方の検出の死角を大幅に低減できるできるという大きな利点がある。しかしながら、地中掘削機の先端部の側面のまわりに複数のアンテナを設置することが必要になり、このため、コスト高になるという問題がある。また、この方法では、真っ直ぐ前方の視野を拡大することには、有効ではない。従って、本発明の目的は、最小個数のアンテナを使用することにより、真っ直ぐ前方をも含めた検出の死角を低減させた経済的な地中探査用レーダ装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決する本発明の地中探査レーダ装置は、掘進方向に対する直立状態から傾けた状態で先端部分に取付けられる掘削刃を備えた地中掘削機に付随して設置される。そして、この地中探査用レーダ装置は、上記掘削刃の一部分に又はその後方に取付けられる地中探査用レーダアンテナと、この地中探査用レーダアンテナに異なる主要周波数成分を有するパルス信号を選択的に供給する送信部と、上記地中探査用レーダアンテナの受信信号を、そのレベルの前記掘削機の回転角度への依存性の差異に基づき分離する受信信号分離手段とを備えている。
【0019】
本発明の地中探査用レーダ装置によれば、地中探査用レーダアンテナの受信信号が掘削機の回転角度に依存して大きく変動する上下方向を向いたビームによる成分と、掘削機の回転角度にあまり依存しないほぼ真っ直ぐ前方を向いたビームによる成分とに分離される。この結果、真っ直ぐ前方の死角が低減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態によれば、上記地中探査用レーダアンテナは、ダイポールアンテナで構成される。
【0021】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、上記ダイポールアンテナは平面型ダイポールアンテナで構成される。
【0022】
本発明のさらに他の好適な実施の形態によれば、上記パルス信号の主要周波数成分の一つは、中心周波数の1.5波長が上記ダイポールアンテナの全長にほぼ等しくなるように設定されることにより、アンテナの正面方向と、この正面方向から45°傾いた方向に電波を放射するように構成されている。
【0023】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例に係わる地中探査用レーダ装置の構成を示すブロックであり、1は制御処理部、2a,2bは送信部、3は送信アンテナ、4は受信アンテナ、5は受信部、6は同期信号発生部、、7a,7bはスイッチ、8は回転角検出部、9は画面表示部、10はキー入力部である。
【0024】
図3の断面図に示すように、掘削機の円筒形状の構体Pの先端部分に掘削刃BLが構体Pの中心軸に傾けて取付けられている。そして、この掘削刃BLの中心部分に、互いに隣接して送信アンテナ3と受信アンテナ4が取付けられている。送信アンテナ3と受信アンテナ4のそれぞれは、平面型のダイポールアンテナから構成されている。これらのダイポールアンテナは、図2の平面図に示すように給電点であるそれぞれの頂点を対向させて誘電体基板上に形成された2個の三角形の金属板又は金属箔から形成されている。
【0025】
この平面ダイポールアンテナの後方に放射される電波は、誘電体基板の裏面に設置されたフエライトなどの電波吸収材によって吸収され、前方への放射電波のみが地中に放射される。この種の地中レーダ用ダイポールアンテナの構成と動作の一層の詳細に関しては、必要があれば、本出願人が先に出願した特許出願(特開平10ー20030号公報など)を参照されたい。
【0026】
送信部2aと2bは、制御処理部1からの指令によって起動されると、同期信号発生部6からスイッチ7aを介して供給される同期信号に同期して、異なる主要周波数成分を含むパルス信号(ベースバンドパルス信号)を発生する。送信部2aが発生するパルス信号は、その主要周波数成分の中心値を波長λに換算した場合に、その半分、すなわち半波長λ/2がダイポールアンテナ3の全長2hに等しくなるような波形を有する。
【0027】
図8に示すように、(λ/2)/(2c)(ただし、cは電磁波の真空中の伝播速度)の幅を有するパルスPを発生させると、その周波数スペクトルは、曲線Sで示すものとなる。このパルスPを曲線Fで示す濾波特性の濾波回路を通すことにより、上記主要周波数成分の中心値を波長λに換算した場合に、半波長λ/2がダイポールアンテナ3の全長2hに等しくなるような波形のパルスを発生させることができる。
【0028】
同様に、送信部2bが発生するパルス信号は、その主要周波数成分の中心値を波長λに換算した場合に、その1.5 倍、すなわち3λ/2がダイポールアンテナ3の全長2hに等しくなるような波形を有する。図9に示すように、(3λ/2)/(2c)(ただし、cは電磁波の真空中の伝播速度)の幅を有するパルスPを発生させるとその周波数スペクトルは、曲線Sで示すものとなる。このパルスPを曲線Fで示す濾波特性の濾波回路を通すことにより、上記主要周波数成分の中心値を波長λに換算した場合に、1.5 波長( 3λ/2) がダイポールアンテナ3の全長2hに等しくなるような波形のパルスを発生させることができる。
【0029】
すなわち、送信部2aが発生するパルス信号の中心周波数は、その半波長換算値がダイポールアンテナの全長(2h)に等しくなるように設定され、送信部2bが発生するパルス信号の中心周波数は、その1.5 波長換算値がダイポールアンテナの全長(2h)にほぼ等しくなるように設定されている。
【0030】
ここで、ダイポールアンテナから放射される電波の波長は、真空中あるいは空気中の波長ではなく電波が放射される地中の波長である。一般に地中では土壌の誘電率が1よりも大きくなるため、電波の波長は空気中の値よりも短くなる。土壌の誘電率は、その土壌の成分や含水率などに依存して変化する。従って、予め調査したトンネル形成箇所の土壌の誘電率を考慮してダイポールアンテナの長さを設定してもよいし、各種の土壌についての平均的な誘電率に基づい算定された平均的な波長を考慮してダイポールアンテナの長さを設定してもよい。
【0031】
制御処理部1は、スイッチ7aを操作することにより、同期信号発生部6が発生した同期信号を起動済みの送信部2a,2bの一方に供給すると共に、スイッチ7bを操作することにより、起動中の送信部が発生したパルス信号を送信アンテナ3に供給させる。
【0032】
図3に実線で示すビームB0は、送信アンテナ3から主要周波数成分の中心値の半波長換算値がダイポールアンテナの全長(2h)にほぼ等しいという関係を有するパルス信号が放射される場合の放射ビームのパターン(アンテナ利得曲線)を示している。また、受信アンテナ4について点線で示されているループは、上記送信アンテナからの放射ビームのパターンと同一の形状を有する受信感度(アンテナ利得曲線)である。
【0033】
図3に示した中心周波数の半波長換算値がダイポールアンテナの全長にほぼ等しくなる主要周波数成分を有するパルス信号を放射する手法は、従来から、地中レーダで採用されてきた手法である。この手法は、中心周波数の1波長換算値がダイポールアンテナの全長にほぼ等しくなる(λ=2h)周波数成分から成るパルス信号を放射する場合に比べて、アンテナ利得は低下するものの、アンテナと給電線路との間のインピーダンス整合を行い易いという利点があり、この利点が考慮されて、従来の地中レーダで広く採用されてきた。
【0034】
これに対して、図4に実線で示す3個のビームBc,BL ,BR は、送信アンテナ3から、主要周波数成分の中心周波数の1.5波長換算値がダイポールアンテナの全長(2h)にほぼ等しいという関係を有する周波数成分を有するパルス信号が放射される場合の放射ビームのパターンを示している。また、受信アンテナ4について点線で示されているループは、上記送信アンテナからの放射ビームのパターンと同一の形状を有する受信感度である。
【0035】
図7に関して前述したように、障害物によって生じる反射波が、等方的とは言わないまでも後方にかなりの大きさで開いた角度範囲にわたって伝播すると考えることができる。このため、送信電力の届く範囲が検出可能範囲になると近似できる。換言すれば、送信電波が到達して反射波が発生しさえさえすれば、そのような全ての反射波が空間的に限られた受信感度パターンの受信アンテナによっても検出可能であると近似できる。
【0036】
図4の例では、中心のビームBcは斜め上方を向き、中心の右側のビームBはほぼ真上を向き、中心の左側のビームBはほぼ前方を向いている。中心のビームBcと右側のビームBは、掘削機Pの回転に伴って掘削刃BLと送受信アンテナ3,4が掘削機Pの中心軸の回りに回転すると、上下左右方向と360°の角度範囲にわたって向きを変える。これに対して、ほぼ前方を向いている左側のビームBは、掘削機Pの回転に伴って送受信アンテナ3,4が掘削機Pの中心軸の回りに回転しても、その向きをあまり変えない。
【0037】
この結果、受信アンテナ4を経て受信部5に受信される反射波の受信レベルは掘削機の回転に伴って大きく変動する成分と、あまり変動しない成分とから構成される。図1の制御処理部1は、受信部5が受信信号を受け取ると共に、回転角度検出部8が検出した掘削機Pの回転角度をこの検出部から受け取り、受信信号のレベルと回転角度との関係に基づき、受信信号を複数の成分に分離する。
【0038】
例えば、受信信号Rのレベルと掘削機Pの回転角度θとが図5に実線で示すような関係を有する場合を想定する。この場合、受信信号Rは、掘削機の回転角度θにあまり依存せずにほぼ一定のレベルを有する成分Raと、先端部の真上に相当する特定の回転角度θoの近傍でのみ大きなレベルを有する単峰性の成分Rbとに分離される。そして、成分Raは掘削機Pの真っ直ぐ前方に存在する反射物体からの反射波の成分と認識され、成分Rbは掘削機Pの先端部分の真上に存在する反射物体からの反射波の成分と認識される。
【0039】
制御処理部1は、必要な場合、送信部2bの代わりに送信部2aを動作させることにより、図3のようなパターンの送信ビームを地中に送信させ、地中からの反射波の受信を行わせる。この送受信モードでは、斜め前方に存在する障害物に着目した探索が行われる。
【0040】
制御処理部1は、上記各種の制御や処理と並行して、キー入力部10からの指令に従ってPPI表示画面などの表示データを作成し、これを表示装置9に表示させる。
【0041】
以上、インピーダンス整合の容易さを考慮して、中心周波数の半波長換算値がダイポールアンテナの全長(2h)にほぼ等しくなるような周波数成分を有するパルス信号を送信する送信部を設置する構成を例示した。しかしながら、このような送信部の代わりに、あるいはこのような送信部に加えて、中心周波数の波長換算値がダイポールアンテナの全長(2h)にほぼ等しくなるような周波数成分を有するパルス信号を送信する送信部を設置する構成を採用することもできる。
【0042】
また、異なる主要周波数成分を有する複数のパルス信号を送信する複数の送信部を個別に設置する構成を例示した。しかしながら、一つの送信部を設置し、この単独の送信部から、異なる周波数成分を有する複数のパルス信号を発生する構成とすることもできる。
【0043】
更に、異なる周波数成分を有する複数のパルス信号を送信する複数の送信部を設置する構成を例示した。しかしながら、1.5波長換算値がダイポールアンテナの全長にほぼ等しくなるような最適の周波数成分のパルス信号のみを送信する送信部を設置する構成を採用することもできる。
【0044】
また、掘削刃の中央部分に送信アンテナと受信アンテナとを取付ける構成を例示した。しかしながら、図7の(C)や(D)に例示したように、掘削刃の後方に掘削刃の取付け角度よりも垂直に近い角度で送信アンテナと受信アンテナを設置する構成を採用することもできる。
【0045】
また、送信専用のアンテナと受信専用のアンテナとを分離して設置する構成を例示したが、送受信共用の単一のアンテナを設置し、送信ののち受信用に切り換えて使用する送受信共用アンテナとすることもできる。
【0046】
更に、ダイポールアンテナの場合を例にとって本発明を説明した。しかしながら、一般にアンテナは、その寸法と送信パルス信号の波長との関係によって放射パターンが変化するので、スリットアンテナなど他の種類のアンテナを使用する地中レーダ装置にも、本発明を適用できる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の地中探査用レーダ装置は、地中探査用レーダアンテナに異なる主要周波数成分を有するパルス信号を選択的に供給すると共に、その受信信号を掘削機の回転角度へのレベルの依存性の差異に基づき分離する構成であるから、掘削機の真っ直ぐ前方に存在する反射物体からの反射波の成分の検出が可能になり、真っ直ぐ前方の探査の死角を低減させた経済的な地中探査用レーダ装置を実現することができる
【0048】
また、パルス信号の周波数、従ってその波長λを固定した場合、ダイポールアンテナの全長2hにほぼ等しくなるパルス信号の波長換算値を従来の0.5 λからλ、1.5 λと増加させるにつれて、ダイポールアンテナの全長2hが短縮され、送受信アンテナが小型化になるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地中探査用レーダ装置の構成を示す機能ブロックである。
【図2】図1の送信アンテナと受信アンテナを構成する二次元ダイポールアンテナの構成を示す平面図である。
【図3】上記実施例の地中探査用レーダ装置における送受信アンテナの送信ビームと受信感度のパターンを例示する概念図である。
【図4】上記実施例の地中探査用レーダ装置における送受信アンテナの送信ビームと受信感度のパターンを例示する概念図である。
【図5】上記実施例の地中探査用レーダ装置における受信信号のレベルと回転角度との一例を示す概念図である。
【図6】本発明の地中探査用レーダ装置が使用される非開削ドリリング工法の掘削機の動作を説明する図である。
【図7】非開削ドリリング工法の掘削機に付随して設置される地中探査用レーダ装置のアンテナに関する問題点を説明するための図である。
【図8】図1の送信部2aで発生される送信パルス波形と周波数成分を説明するための概念図である。
【図9】図1の送信部2bで発生される送信パルス波形と周波数成分を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 制御処理部
2a 半波長がダイポールアンテナの全長にほぼ等しいバースト信号を送信する送信部
2b 1.5 半波長がダイポールアンテナの全長にほぼ等しいバースト信号を送信する送信部
3 送信アンテナ
4 受信アンテナ
5 受信部
8 回転角度検出部
P 掘削機
BL 掘削刃
B o, B, B ,B 送信アンテナの送信ビームパターン

Claims (4)

  1. 掘進方向に対する直立状態から傾けた状態で先端部分に取付けられる掘削刃を備えた地中掘削機に付随して設置される地中探査用レーダにおいて、
    前記掘削刃の一部分に又はその後方に取付けられる地中探査用レーダアンテナと、
    この地中探査用レーダアンテナに異なる主要周波数成分を有するパルス信号を選択的に供給する送信部と、
    前記地中探査用レーダアンテナの受信信号を、そのレベルの前記掘削機の回転角度への依存性の差異に基づき分離する受信信号分離手段と
    を備えたことを特徴とする地中探査用レーダ装置。
  2. 請求項1において、
    前記地中探査用レーダアンテナは、ダイポールアンテナから成ることを特徴とする地中探査用レーダ装置。
  3. 請求項において、
    前記ダイポールアンテナは平面型ダイポールアンテナから成ることを特徴とする地中探査用レーダ装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記パルス信号の主要周波数成分の一つは、中心周波数の1.5波長が前記ダイポールアンテナの全長にほぼ等しくなる値に設定されたことを特徴とする地中探査用レーダ装置。
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