JPH05164855A - 地中探査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 地中を掘削しつつ地中に埋没した物体を鮮明
に且つ正確に探査することが出来る地中探査装置を提供
する。 【構成】 掘削手段を有する掘削ヘッド設け、この掘削
ヘッドに後続して一体的に構成され且つレーダーを有す
る探査ヘッドを設け、更に掘削ヘッド及び探査ヘッドを
回転させると共に前進させる駆動部材を設け、掘削ヘッ
ド，探査ヘッドと駆動部材とを接続部材によって接続す
る。掘削ヘッドによって地中を掘削しつつ探査ヘッドの
レーダーにより地中の状況を探査する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は地中に埋没している金属
等の埋没物を探査する地中探査装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】都市部に於ける道路下等の地中には、下
水道管，上水道管，ガス管，電線管等の管路が敷設され
ており、また種々の物体が埋没していることが多い。こ
のような地中に新たな管路を敷設する場合、想定された
管路の経路中に障害物が埋没していると、目的の管路を
敷設することが出来ず、経路の変更を行わざるを得なく
なる。このため、地中に新たな管路を敷設する場合、敷
設工事の実施に先立って想定された経路及び管路の周辺
に障害物が埋没しているか否かの調査を行うことが必要
となる。

【０００３】地中にある埋没物を探査するための技術と
して種々の提案がなされている。例えば、特開昭59−14
5978号公報に開示される技術は、送受信兼用アンテナを
並列して一定間隔に保ちながら地上を移動させ、これ等
のアンテナから時間幅の短いパルス列を送信してそのエ
コーから埋設物を探査する地下埋設物探査レーダに関す
るものである。この技術では、探査深度が比較的浅く、
地表の近傍にある埋没物を探査することが出来る。特開
平２−179492号公報に開示される技術は、パルスレーダ
のアンテナ部を既設管路の内部に設け、このアンテナ部
を管路内で移動させながら外周方向にパルスを放射して
既設管路外周の地中状況を探査する方法と、この方法を
実施するための装置に関するものである。この技術で
は、既設管路を中心として該管路の外周数十センチメー
トルの範囲の状況を探査することが出来る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記第１の技術では探
査深度が浅い、このため地下数メートルの深さに埋没さ
れている障害物を探査するには実用的ではない。また第
２の技術では、既設管路を中心として全周方向の探査を
行うことが出来る。然し、この方法では既設管路が敷設
されていることが前提となり、何等管路が敷設されてい
ない地中を探査することは出来ない。

【０００５】本発明の目的は、地中を掘削しつつ地中を
探査することが出来る地中探査装置を提供せんとするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る地中探査装置は、地中を掘削するための
掘削手段を設けた掘削ヘッドと、前記掘削ヘッドに後続
して設けられ且つ地中を探査するためのレーダーを備え
た探査ヘッドと、前記掘削ヘッドを駆動して地中を掘削
させる駆動手段と、前記掘削ヘッド及び探査ヘッドと駆
動手段を接続する接続部材とを有して構成されるもので
ある。

【０００７】

【作用】上記地中探査装置（以下『探査装置』という）
によれば、地中を掘削しつつ地中の状況を探査すること
が出来る。即ち、掘削手段を有する掘削ヘッドと該掘削
ヘッドと後続してレーダーを備えた探査ヘッドとを設
け、これ等の掘削ヘッド，探査ヘッドを接続部材を介し
て駆動部材によって回転させると共に前進させ、同時に
探査ヘッドのレーダーを作動させることで、掘削ヘッド
によって地中を掘削しつつ探査ヘッドの周囲の地中を探
査することが出来る。

【０００８】

【実施例】以下上記探査装置の一実施例について図を用
いて説明する。図１は探査装置の模式側面図、図２は探
査手段の構成を説明する斜視図、図３は探査を実施する
際の説明図である。本発明に係る探査装置は、地中を掘
削しつつ地中に敷設された管路や地中に埋没した障害物
等の状況を探査するための装置である。この探査装置に
よれば、従来の既設管の内部から電磁波を放射して該管
の外周を探査し得るように構成した地中探査装置に於け
る既設管に配筋された鉄筋による電磁波の遮蔽の問題、
或いは地上から電磁波を放射して地中を探査し得るよう
に構成した地中探査装置に於ける探査し得る深さが限定
されるという問題を解決することが可能である。

【０００９】図に於いて、探査装置Ａは、先端に設けた
掘削ヘッド１と、この掘削ヘッド１に後続して設けられ
た探査ヘッド２と、掘削ヘッド１及び探査ヘッド２に対
し回転力及び前進力を付与する駆動手段となる駆動部材
３と、掘削ヘッド１及び探査ヘッド２と駆動部材３を接
続し該駆動部材３からの回転力，前進力を伝達する接続
部材４と、操作部５とによって構成されている。

【００１０】掘削ヘッド１は探査装置Ａの先端に配置さ
れて地中を掘削するものであり、掘削手段となるノズル
１ａが設けられ、このノズル１ａから超高圧水（ウォー
タージェット）を噴射することで、地中を掘削し得るよ
うに構成している。また掘削ヘッド１は、外形が円筒状
に形成され且つ先端に方向修正用の斜面１ｂが所定の角
度を持って形成されている。このため、掘進ヘッド１の
ノズル１ａからウォータージェットを噴射し、該掘削ヘ
ッド１を回転させると同時に前進させることで、切羽を
掘削することが可能である。また掘削ヘッド１の進行方
向が目的の方向から変位したとき、斜面１ｂを変位方向
に一致させ、掘削ヘッド１を回転させることなく前進さ
せることで、掘削ヘッド１の進行方向を目的の方向に修
正することが可能である。ノズル１ａは掘削ヘッド１の
軸心と一致させて形成した１個のノズルによって構成し
ても良く、また所定の半径を持った円周上に形成した複
数のノズルによって構成しても良い。本実施例では、図
１に示すように掘削ヘッド１の中心に１個のノズル１ａ
を形成している。

【００１１】探査ヘッド２は掘削ヘッド１に後続して設
けられている。探査ヘッド２は掘削ヘッド１の外形と略
等しい円筒状に形成されている。探査ヘッド２には、地
中に埋没している障害物を探査するレーダー６を構成す
るダイポールアンテナからなる送信アンテナ６ａ，受信
アンテナ６ｂ、レーダー６の背面側に設けた電磁波の遮
蔽部材６ｃ、送信アンテナ６ａからパルス状の電磁波を
放射させる送信回路７、受信アンテナ６ｂによって受信
したエコーを探査信号に変換する受信回路８、探査信号
及び探査ヘッド２の位置を検知するための信号を通信ア
ンテナ９から放射させる通信回路10、各回路７〜９の電
源となる電池11が夫々所定の位置に設けられている。ま
た探査ヘッド２には該探査ヘッド２の軸心に沿って貫通
する流通管12が設けられており、この流通管12を通って
掘削ヘッド１のノズル１ａに対し超高圧水が供給され
る。

【００１２】レーダー６を構成する送信アンテナ６ａ及
び受信アンテナ６ｂを探査ヘッド２の長手方向に配設し
ても良い。然し、この場合、探査方向が限定される虞が
ある。このため、本実施例では一対のダイポールアンテ
ナを直交する二方向に配置して送信アンテナ６ａ及び受
信アンテナ６ｂを構成している。レーダー６を上記のよ
うに構成することで、探査ヘッド２の前進方向と平行な
方向にある障害物及び交叉する方向にある障害物を探査
することが可能である。上記の如く構成された探査ヘッ
ド２に於いて、送信アンテナ６ｂから放射され且つ地中
に存在する埋没物によって反射したエコーが受信アンテ
ナ６ｂで受信されると、このエコーは受信回路８で探査
信号に変換される。そして受信回路８或いは通信回路10
で操作部５に対する通信周波数に変換されて通信アンテ
ナ９から放射される。

【００１３】駆動部材３は、掘削ヘッド１及び該掘削ヘ
ッド１に後続して設けた探査ヘッド２に接続部材４を介
して回転力と前進力を付与するものである。このため、
駆動部材３はモーター，減速装置，変速装置，クランプ
装置等を有し、これ等の装置をケーシング内に組み付け
て構成されている。従って、クランプ装置によって接続
部材４をクランプして回転力と前進力を付与すること
で、この回転力と前進力を接続部材４を介して掘削ヘッ
ド１及び探査ヘッド２に付与することが可能である。そ
して掘削ヘッド１によって地中を掘削する場合には、掘
削ヘッド１及び探査ヘッド２を回転させつつ前進させ、
また探査装置Ａの前進方向を修正する場合には、掘削ヘ
ッド１及び探査ヘッド２の回転を停止させた状態で前進
させる。掘削ヘッド１のノズル１ａからウォータージェ
ットを噴射させつつ該掘削ヘッド１を前進させる際に大
きな掘削反力が生じる。このため、駆動部材３は掘削反
力に抵抗し得るように地上に設置された図示しない支持
部材に強固に支持されていることが好ましい。このよう
な支持部材として、例えばトラック或いは杭等がある。

【００１４】接続部材４は駆動部材３を構成するクラン
プ装置に把持され、該部材３によって付与される回転
力，前進力を掘削ヘッド１，探査ヘッド２に伝達する部
材であり、高い捩じり剛性を有し且つ可撓性を有するホ
ース或いはパイプによって構成されている。接続部材４
の一端は探査ヘッド２の後端と接続され、他端は高圧ポ
ンプ13の吐出口と接続されており、高圧ポンプ13によっ
て発生した超高圧水を内部を通して掘削ヘッド１のノズ
ル１ａに流通させる機能を有している。

【００１５】操作部５は地上に設置され、探査ヘッド２
に設けた通信アンテナ９から放射された電磁波を受信し
て探査ヘッド２の位置，深度を計測すると共に、レーダ
ー６からの探査信号から地中の状況を認識するための装
置である。操作部５は地中に於ける探査ヘッド２の前進
に応じてオペレーターが前進させるように構成されてお
り、レーダー６からの探査信号に基づいて探査ヘッド２
の周囲の状況を表示するディスプレイ５ａが設けられて
いる。

【００１６】次に、上記の如く構成された探査装置Ａを
用いて地中の状況を探査する際の手順について図３によ
り説明する。先ず、地中の探査すべき範囲を設定し、こ
の範囲に於けるの一方側の所定位置に探査装置Ａを配置
する。次いで、高圧ポンプ13を駆動して超高圧水を発生
させ、この超高圧水を接続部材４，探査ヘッド２を通し
て掘削ヘッド１のノズル１ａから噴出させて切羽の掘削
を開始する。駆動部材３を駆動して接続部材４，探査ヘ
ッド２，掘削ヘッド１を回転させつつ所望の探査経路に
沿って前進させ、同時に探査ヘッド２に設けたレーダー
６を作動させる。このとき、送信アンテナ６ａからはパ
ルス状の電磁波が地中に向かって放射され、また受信ア
ンテナ６ｂの受信状態は探査信号に変換されて通信アン
テナ９から操作部５に送信される。従って、受信アンテ
ナ６ｂによってエコーを受信していない状態では、操作
部５のディスプレイ５ａに障害物が表示されることはな
い。

【００１７】探査ヘッド２の前進に伴い、レーダー６の
可能探査距離内にガス管路，上水道管路等を構成する管
等の障害物Ｂが存在すると、送信アンテナ６ａから放射
された電磁波は該障害物Ｂによって反射され、このとき
のエコーが受信アンテナ６ｂにより受信される。このエ
コーは受信回路８に於いて探査信号に変換され、且つ通
信回路10に於いて通信信号に変換されて通信アンテナ９
から放射される。前記通信信号を受信した操作部５で
は、該信号を処理してディスプレイ５ａ上に障害物Ｂを
表示する。このように、ディスプレイ５ａを監視するこ
とで、地中に埋没した管等の障害物Ｂの有無、及び障害
物Ｂとレーダー６との距離，方向を探知することが可能
である。

【００１８】前述の実施例では、地中を掘削するに際し
掘削ヘッド１からウォータージェットを噴射して切羽を
掘削し得るように構成したが、この構成に限定されるも
のではなく、例えば、単に掘削ヘッド１を回転させると
同時に前進させて地中を掘削し得るように構成しても良
い。

【００１９】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
地中探査装置によれば、容易に地中の状況を探査するこ
とが出来る。特に本発明に係る地中探査装置では、先端
に配置した掘削ヘッドによって地中を掘削しつつ該掘削
ヘッドに後続する探査ヘッドによって地中を探査するこ
とが出来るため、所望の経路に沿って直ちに探査を実施
することが出来る。このため、従来の地中探査装置のよ
うに、地中を探査する際に予め探査装置を移動させるた
めの設備を必要とせず、従って、地中探査に要するコス
トを低減させることが出来る等の特徴を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】探査装置の模式側面図である。

【図２】探査ヘッドの構成を説明する斜視図である。

【図３】探査を実施する際の説明図である。

【符号の説明】

Ａは探査装置、Ｂは障害物、１は掘削ヘッド、１ａはノ
ズル、１ｂは斜面、２は探査ヘッド、３は駆動部材、４
は接続部材、５は操作部、６はレーダー、６ａは送信ア
ンテナ、６ｂは受信アンテナ、６ｃは遮蔽部材、７は送
信回路、８は受信回路、９は通信アンテナ、10は通信回
路、13は高圧ポンプである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地中を掘削するための掘削手段を設けた
   掘削ヘッドと、前記掘削ヘッドに後続して設けられ且つ
   地中を探査するためのレーダーを備えた探査ヘッドと、
   前記掘削ヘッドを駆動して地中を掘削させる駆動手段
   と、前記掘削ヘッド及び探査ヘッドと駆動手段を接続す
   る接続部材とを有することを特徴とした地中探査装置。