JP3928814B2 - 体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル - Google Patents

体積ホログラム積層体、および体積ホログラム積層体作製用ラベル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身分証明書、受験票、パスポート等に添付されている写真表面に、セキュリティー確保を目的として貼着される透明なホログラム画像入り体積ホログラム積層体又は体積ホログラム積層体形成用ラベルに関し、特に変造等を目的とした故意の貼替えを防止できる体積ホログラム積層体又は体積ホログラム積層体形成用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、身分証明書を持参する者と身分証明書に記載されている者との一致を図るために、変造等を目的とした故意の貼替えを防止することを目的として、写真表面にホログラムを貼着することにより、その偽造を防止する技術が、実公平5−48215号公報、特開平5−201181号公報等に開示されている。
【0003】
これらの公報に記載される技術にあっては、画像入りホログラムが、その画像が従来の身分証明書等における刻印等と同等の機能を有することを利用するものであるが、後者にあっては、変造等を目的として保護層の剥離に対して、ホログラム層の軟質性を利用してホログラム層を破壊し、再接着してもホログラム画像を再生不能とし、これにより写真の貼り替え等の偽造を防止しようとものである。
【0004】
しかしながら、特に、後者の公報に開示される技術にあっては、表面保護フイルムとして剛性のあるプラスチックフイルムを使用すると、表面保護フイルムに追随してホログラム層がきれいに剥離され、写真の貼り替えの痕跡が不明瞭となる場合があり、セキュリティー確保の目的からは、よりその偽造防止機能を確実とすることが要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、写真等の証明書上に接着された体積ホログラム表示体が破壊されたか否かを判別して身分証明書の偽造を防止するにあたり、写真を貼り換えると体積ホログラム表示体を確実に破壊することができ、偽造防止を確実とするホログラム積層体及び該ホログラム積層体作製用ラベルの提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の体積ホログラム積層体は、顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像をその一部に有する証明書等の基材上に、該顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像を被覆するように、ヒートシール剤層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とする順次積層体が積層された体積ホログラム積層体において、該順次積層体の全周端部のみが加熱されて基材上にヒートシールされ、かつ、前記体積ホログラム層がヒートシール剤層中にめりこむ形で接着され、積層体を剥離しようとすると、表面保護フィルムの剥離に伴い剥離された体積ホログラム層と基材上にヒートシールされた体積ホログラム層とに体積ホログラム層が破壊されるものであることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の体積ホログラム積層体は、顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像をその一部に有する証明書等の基材上に、該顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像を被覆するように、粘着剤層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、ヒートシール剤層、表面保護フイルムの順次積層体が積層された体積ホログラム積層体において、該順次積層体におけるヒートシール剤層と表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とした積層体の底面積が、粘着剤層と体積ホログラム層をそれぞれ同一面積とした積層体の底面積より大きくされると共に前記順次積層体における全周端部のみが加熱されて基材上にヒートシールされ、積層体を剥離しようとすると、表面保護フィルムの剥離に伴い剥離された体積ホログラム層と基材上にヒートシールされた体積ホログラム層とに体積ホログラム層が破壊されるものであることを特徴とする。
【0008】
また、上記のヒートシールが、100℃〜180℃で行なわれることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、上記の第1の体積ホログラム積層体を作製するために使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルであって、剥離紙上にヒートシール剤層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とする順次積層体であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルは、上記の第2の体積ホログラム積層体を作製するために使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルであって、剥離紙上に粘着剤層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、ヒートシール剤層、表面保護フイルムの順次積層体であり、かつ、該順次積層体におけるヒートシ−ル剤層と表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とした積層体の底面積が、粘着剤層と体積ホログラム層をそれぞれ同一面積とした積層体の面積より大きくされ、表面保護フィルムにより体積ホログラム層がその端部含め被覆されたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の体積ホログラム積層体について、図1にその正面図を示し、図2に、図1のA−A線での断面図を示す。
【0012】
図中、1は体積ホログラム積層体、2は証明書等の基材、3は写真貼着用のり、4は顔写真、5′はヒートシール層、6は体積ホログラム層、5″は粘着剤層、7は表面保護フイルム、8は個人情報である。
【0013】
本発明における体積ホログラム積層体1は、図1に例示するような受験票を例にとると、氏名や受験番号等の個人情報8が記入され、また顔写真4が貼着されている。この顔写真4は、受験票を持参する者が、この受験票に記載されている個人情報の人物か否かを照合するためために貼着されるものである。この顔写真4と受験票基材上に体積ホログラム層6、表面保護フイルム7がヒートシール層か又は粘着剤層であって、少なくとも1つはヒートシール層を介して積層されている。この体積ホログラム層には、例えば学校名や校章といったホログラム画像が、ホログラム干渉パターンに対応した干渉縞で記録されている。
【0014】
次に、図1の体積ホログラム積層体の層構成について、図2に基づいて説明する。本発明の体積ホログラム積層体は、基材2上に写真貼着用のり3を介して顔写真4が貼着されており、この基材2および顔写真4に跨がるように、ヒートシール層5′、体積ホログラム積層体6、粘着剤層5″、表面保護フイルム7が順次積層されている。
【0015】
基材2としては、紙、合成紙、合成樹脂や金属からなるフイルムやシートを用いることができ、図1に示すような受験票の如きシート状、またIDカードのようなカード形状、また、パスポートのような小冊子等さまざまな形態をとることができる。また、写真貼着用のり3は、体積ホログラム積層体と表面保護フイルムからなる積層体を基材から剥離しようとしても、基材3から写真4を剥離しえない接着強度を有するものであればよく、一般的な澱粉のり、合成のりを使用しうる。
【0016】
顔写真4としては、銀塩を代表とする公知の写真材料、昇華転写画像等を用いればよく、また、必ずしも顔を写した画像である必要はなく、指紋、掌紋等の個人を特定できる部分を表示する画像であってもよい。
【0017】
ヒートシール層5′は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー、または反応ホットメルト系樹脂等のヒートシール剤からなり、厚みとしては、4μm〜20μmが好ましい。
【0018】
体積ホログラム層6は、支持体フイルム上に体積ホログラム記録材料を塗布した後、物体からの光の波面に相当する干渉縞が透過率変調、屈折率変調の形で層内に記録されたもので、複製に際しても、体積ホログラム原版を密着させて露光現像することにより容易に作製できる。記録材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等公知の体積ホログラム記録材料が挙げられる。この体積ホログラム層の厚みとしては、5〜50μmである。
【0019】
粘着剤層5″は、例えばアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系接着剤が例示される。これらの粘着剤層の厚みとしては、4μm〜20μmが好ましい。
【0020】
次に、表面保護フイルム7は、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム、ポリイミドフイルム等が例示され、保護層の膜厚としては2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。なお、当然のことながら、表面保護フイルムとしては熱変形温度、融点等を考慮すると、ヒートシール加工時に加えられる熱に対して安定であることが必要である。
【0021】
なお、図示はしないが、表面保護フイルム7上には、表面保護フイルム7表面の保護性を高める目的で、必要に応じてハードコート処理が施されてもよい。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−アクリレート系(紫外線硬化型)等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により、膜厚1μm〜50μmに塗布するとよい。
【0022】
更に、同様に、図示しないが、表面保護フイルム7表面又はハードコート処理面には、離型処理が施されていてもよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸塩系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング塗布、スプレー塗布、ロールコート塗布法により行なうとよい。
【0023】
本発明の第1の体積ホログラム積層体は、上記の層構成で積層された後、加熱ロール等を使用して、好ましくは積層体の全周端部のみをヒートシールされる。ヒートシール条件としては、100℃〜180℃、好ましくは120℃〜160℃である。これにより、体積ホログラム層への加熱による影響を少なくすることができる。
【0024】
そして、ヒートシール層5′による体積ホログラム層と基材との接着力は極めて高く、体積ホログラム層はヒートシール層中にめりこむ形で接着されており、また、ヒートシール層と写真等の基材との接着性も極めて高い。従って、表面保護フイルムを剥離したとしても、体積ホログラム層と写真等の基材の偽造を不可能とできる。
【0025】
次に、本発明の第2の体積ホログラム積層体について、その断面を図3に、また、ヒートシール部を説明するための平面図を図4に示す。
【0026】
第2の体積ホログラム積層体10は、図3に示すように、表面保護フイルム7の面積を体積ホログラム層6の面積より広くして、表面保護フイルムにより体積ホログラム層が被覆されて証明書等の基材2、4上に積層されるものであり、また、そのヒートシール部は、図4に斜線部で表示するように、体積ホログラム層6の全周端部を含めた体積ホログラム積層体20の全周端部のみをヒートシールして積層されたものである。
【0027】
この積層体においては、ヒートシール部による体積ホログラム層と基材との接着力は極めて高く、ヒートシール部と体積ホログラム層との接着性も極めて高い。従って、表面保護フイルムを剥離したとしても、体積ホログラム層を確実に破壊することができ、写真基材を偽造したとしても、体積ホログラム層の一部剥離を容易に確認することができ、偽造を不可能とできる。
【0028】
本発明の第1の体積ホログラム積層体を作製するにあたって使用されるラベルについて、その断面の層構成を図5により説明する。
【0029】
図中、20は第1の体積ホログラム積層体作製用ラベル、11は剥離紙であり、図1〜図4と同一符号は同一内容を示す。
【0030】
図5に示すラベル20は、剥離紙11上にヒートシール層5′、体積ホログラム層6、粘着剤層5″、表面保護フイルム7を積層したものであるが、ヒートシール層5′が粘着性を有しない場合には、剥離紙11を不要としてもよい。
【0031】
剥離紙11としては、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、合成樹脂フイルム、例えばPETフイルム表面をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸塩系、その他ワックス類等により離型処理したものを使用するとよく、この剥離紙を剥離した後、そのヒートシール層5′から、写真等を貼付した基材2上に積層され、図2に示される体積ホログラム積層体が作製される。
【0032】
また、図6に示すラベル30は、剥離紙11上に粘着剤層5″、体積ホログラム層6、ヒートシール層5′、表面保護フイルム7を順次積層したものであって、ラベル30が証明書等の基材上に積層されるに際して、表面保護フイルム7が体積ホログラム層6を図3示すごとく、その全周を含め被覆する大きさとして積層されたものであり、この剥離紙11を剥離した後、その粘着剤層5″から、写真等を貼付した基材2上に積層され、図3に示される体積ホログラム積層体が作製される。
【0033】
これらのラベルにおいて、表面保護フイルム表面は、必要によりハードコート処理され、更に、離型処理されていてもよいものである。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を参考例および実施例により説明する。
(参考例1)
(第1の体積ホログラム積層体の作製)
(ホログラム記録材料の作製)
ポリエチレンテレフタレートフイルム上に、ホログラム記録材料層(膜厚20μm、オムニデックス706;デュポン社製)、ポリ塩化ビニルフイルムを順次積層したホログラム記録媒体に、リップマンホログラムを記録した。
【0035】
(シリコーンセパレータ/ヒートシール層の作製)
シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−PET;東京セロファン紙社製)上に、ヒートシールフイルム{ポリエチレンフイルム:リックスフイルムLIX−2(30μm)東洋紡(株)製}を積層したものを用意した。
【0036】
(表面保護フイルム/粘着剤層/シリコーンセパレータの作製)
シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−PET;東京セロファン紙社製)上に、粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイド社製)を乾燥膜厚10μmで塗布し、その粘着剤面に無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合フイルム{膜厚25μm、エバールEF−F、(株)クラレ製}をラミネートした。
【0037】
(体積ホログラム積層体作製用ラベルの作製)
上記で得たホログラム記録材料のポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、上記で得たシリコーンセパレータ/ヒートシール層をラミネートし、PETフイルム/ホログラム層/ヒートシール層/シリコーンセパレータの積層体とした。
【0038】
この積層体のPETフイルムを剥離すると共に、上記で得た表面保護フイルム/粘着剤層/シリコーンセパレータのシリコーンセパレータを剥離し、両者をラミネートし、表面保護フイルム/粘着剤層/ホログラム層/ヒートシール層/シリコーンセパレータからなる、図5に示す体積ホログラム積層体作製用ラベルを得た。
【0039】
(体積ホログラム積層体の作製)
上記で得たラベルのシリコーンセパレータを剥離した後、そのヒートシール層側から紙基材上に写真を貼付した基材上に、図2に示すように、ラミネートした。
【0040】
ラミネート物を積層体全面を加熱ロールを使用し、150℃、15秒間ヒートシールした。
【0041】
放置後、表面保護フイルムに伴って剥離されたホログラム層と基材上にヒートシールされたホログラム層とにホログラム層が破壊され、また、写真も基材を破壊しないで剥離することができないものであった。
【0042】
(参考例2)
参考例1における第1の体積ホログラム積層体の作製において、その表面保護フイルム/粘着剤層/シリコーンセパレータを下記のものに代えた以外は参考例1と同様にして第1の体積ホログラム積層体を作製した。
【0043】
(表面保護フイルム/粘着剤層/シリコーンセパレータの作製)
シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−PET;東京セロファン紙社製)上に、粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイド社製)を乾燥膜厚10μmで塗布し、その粘着剤面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム{膜厚25μm、トヨフロンPFA;東レ(株)製}をラミネートした。
【0044】
得られた体積ホログラム積層体作製用ラベルを使用して参考例1同様にして体積ホログラム積層体を作製した。
【0045】
参考例1同様にして積層体の剥離を試みたが、表面保護フイルムに伴って剥離されたホログラム層と基材上にヒートシールされたホログラム層とにホログラム層が破壊され、また、写真も基材を破壊しないで剥離することができないものであった。
【0046】
(実施例1)
(第2の体積ホログラム積層体の作製)
(ホログラム記録材料の作製)
ポリエチレンテレフタレートフイルム上に、ホログラム記録材料層(膜厚20μm、オムニデックス706;デュポン社製)、ポリ塩化ビニルフイルムを順次積層したホログラム記録媒体に、リップマンホログラムを記録した。
【0047】
(シリコーンセパレータ/粘着剤層の作製)
シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−PET;東京セロファン紙社製)上に、粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイド社製)を乾燥膜厚10μmで塗布したものを用意した。
【0048】
(表面保護フイルム/ヒートシール層/シリコーンセパレータの作製)
シリコーンセパレータ(膜厚50μm、SP−PET;東京セロファン紙社製)上に、ヒートシールフイルム{二軸延伸ポリプロピレンフイルム:トレファンBOM114;東レ(株)製}、無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合フイルム{膜厚12μm、エバールEF−E、(株)クラレ製}を順次、ラミネートした。
【0049】
(体積ホログラム積層体作製用ラベルの作製)
上記で得たホログラム記録材料のポリ塩化ビニルフイルムを剥離し、上記で得たシリコーンセパレータ/粘着剤層をラミネートし、PETフイルム/ホログラム層/粘着剤層/シリコーンセパレータの積層体とした。
【0050】
この積層体のPETフイルムを剥離すると共に、上記で得た表面保護フイルム/ヒートシール層/シリコーンセパレータのシリコーンセパレータを剥離し、図6に示すように両者をラミネートし、表面保護フイルム/ヒートシール層/ホログラム層/粘着剤層/シリコーンセパレータからなる、図6に示す体積ホログラム積層体作製用ラベルを得た。
【0051】
(体積ホログラム積層体の作製)
上記で得たラベルのシリコーンセパレータを剥離した後、その粘着剤層側から紙基材上に写真を貼付した基材上に、図3に示すように、ラミネートした。
【0052】
ラミネート後、図3に示すように、表面保護フイルムが、体積ホログラム層をその端部を含め被覆すると共に証明書等の基材上に積層され、次いで、体積ホログラム層の全周端部を含めた体積ホログラム積層体の全周端部のみを加熱ロールを使用し、140℃、20秒間ヒートシールした。
【0053】
放置後、表面保護フイルムに伴って剥離されたホログラム層と基材上に残存するホログラム層とにホログラム層が破壊された。
【0054】
【発明の効果】
本発明の体積ホログラム積層体は、該積層体を剥離しようとすると、体積ホログラム表示体を確実に破壊することができ、写真の貼り替え等の偽造防止を確実とするものであり、また、体積ホログラム積層体作製用ラベルは、体積ホログラム積層体の作製を容易になしうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の体積ホログラム積層体をその正面図で説明するための図である。
【図2】 図1のA−A線での断面図であり、本発明の第1の体積ホログラム積層体を説明するための図である。
【図3】 本発明の第2の体積ホログラム積層体を説明するための図である。
【図4】 本発明の第2の体積ホログラム積層体におけるヒートシール部を説明するための図である。
【図5】 本発明の第1の体積ホログラム積層体作製用ラベルを説明するための図である。
【図6】 本発明の第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルを説明するための図である。
【符号の説明】
1は第1の体積ホログラム積層体、2は証明書等の基材、3は写真貼着用のり、4は顔写真、5′はヒートシール層、5″は粘着剤層、6は体積ホログラム層、7は表面保護フイルム、8は個人情報、10は第2の体積ホログラム積層体、11は剥離紙、20は第1の体積ホログラム積層体作製用ラベル、30は第2の体積ホログラム積層体作製用ラベルである。

Claims (5)

  1. 顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像をその一部に有する証明書等の基材上に、該顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像を被覆するように、ヒートシール層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とする順次積層体が積層された体積ホログラム積層体において、該順次積層体の全周端部のみが加熱されて基材上にヒートシールされ、かつ、前記体積ホログラム層がヒートシール層中にめりこむ形で接着され、積層体を剥離しようとすると、表面保護フィルムの剥離に伴い剥離された体積ホログラム層と基材上にヒートシールされた体積ホログラム層とに体積ホログラム層が破壊されるものであることを特徴とする体積ホログラム積層体。
  2. 顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像をその一部に有する証明書等の基材上に、該顔写真または指紋、掌紋等の個人を特定する部分を表示する画像を被覆するように、粘着剤層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、ヒートシール層、表面保護フイルムの順次積層体が積層された体積ホログラム積層体において、該順次積層体におけるヒートシール剤層と表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とした積層体の底面積が、粘着剤層と体積ホログラム層をそれぞれ同一面積とした積層体の底面積より大きくされると共に前記順次積層体における全周端部のみが加熱されて基材上にヒートシールされ、積層体を剥離しようとすると、表面保護フィルムの剥離に伴い剥離された体積ホログラム層と基材上にヒートシールされた体積ホログラム層とに体積ホログラム層が破壊されるものであることを特徴とする体積ホログラム積層体。
  3. ヒートシールが、100℃〜180℃で行なわれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の体積ホログラム積層体。
  4. 請求項1記載の体積ホログラム積層体を作製するために使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルであって、剥離紙上にヒートシール層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、粘着剤層、表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とする順次積層体であることを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
  5. 請求項2記載の体積ホログラム積層体を作製するために使用される体積ホログラム積層体作製用ラベルであって、剥離紙上に粘着剤層、リップマンホログラムで記録された膜厚が5〜50μmの体積ホログラム層、ヒートシール層、表面保護フイルムの順次積層体であり、かつ、該順次積層体におけるヒートシ−ル剤層と表面保護フイルムをそれぞれ同一面積とした積層体の底面積が、粘着剤層と体積ホログラム層をそれぞれ同一面積とした積層体の面積より大きくされ、表面保護フィルムにより体積ホログラム層がその端部含め被覆されたことを特徴とする体積ホログラム積層体作製用ラベル。
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