JP3925078B2 - 制御装置、温度調節器および熱処理装置 - Google Patents

制御装置、温度調節器および熱処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御対象の温度や圧力などの物理状態を制御する制御装置、制御対象の温度を制御する温度調節器および温度調節器を用いた熱処理装置に関し、さらに詳しくは、熱処理炉などの処理手段と、該処理手段で処理されるウェハなどの被処理物を制御対象として制御する制御装置、温度調節器および熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、半導体プロセスの熱処理装置として、図23に示される熱酸化装置があり、この熱酸化装置18は、シリコンのウェハを酸化するものであって、熱処理炉としての反応管19に必要なガスを流しながら酸化膜の生成を行うものである。この熱酸化装置18は、反応管19を外囲する均熱管20の周囲に分割して配置された複数、この例では、3つの第1〜第3のヒータ211〜213とそれに個別的に対応する第1〜第3の温度センサ221〜223とを有し、温度制御は、マイクロコンピュータ23によって、ヒータおよび温度センサの各組に対応する領域(以下「ゾーン」という)毎に個別に行われている。
【0003】
すなわち、第1のヒータ211および第1の温度センサ221が配置された上側の第1のゾーンでは、第1の温度センサ221の検出出力に基づいて、目標温度になるように第1のヒータ211が操作され、第2のヒータ212および第2の温度センサ222が配置された中間の第2のゾーンでは、第2の温度センサ222の検出出力に基づいて、目標温度になるように第2のヒータ212が操作され、第3のヒータ213および第3の温度センサ223が配置された下側の第3のゾーンでは、第3の温度センサ223の検出出力に基づいて、目標温度になるように第3のヒータ213が操作される。
【0004】
しかしながら、各ゾーンは熱的に連続しているので、一つのゾーンのヒータによる熱量は、そのゾーンのみならず、他のゾーンの温度センサにも影響を与える、いわゆる干渉を生じる。
【0005】
かかる干渉は、熱酸化装置に限らず、例えば、実用新案登録公報第2565156号にも記載されているように、枚葉式のCVD装置における熱処理盤としてのウェハ置台の温度制御においても生じるものであり、図24に示されるように、ウェハ60が載置されるウェハ置台61は、同心状に外円部62、中間部63、中心部64に3分割されており、各部に個別的に対応するヒータ65〜67が設けられて各ゾーン毎に温度制御するものである。
【0006】
このような干渉があるために、特に、過渡時や外乱時に温度のバラツキが顕著となって均一な温度制御が困難であり、また、各ゾーンを異なる目標温度に制御するといったことが容易でない。
【0007】
そこで、本件出願人は、優先権主張を伴う平成11年7月29日提出の特願平11−215061号(特開2000−187514)において、制御対象の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段から得られる検出温度を、複数の検出温度に基づく傾斜温度に変換するとともに、代表的な代表温度に変換する変換手段と、前記変換手段からの傾斜温度または代表温度を制御量として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、前記各温度制御手段からの操作信号を、前記制御対象を加熱(または冷却)する複数の加熱(または冷却)手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備える温度調節器を提案した。
【0008】
図3は、上記出願で提案した温度調節器の一例を示すブロック図である。この温度調節器は、複数の温度センサの検出温度の平均温度(代表温度)および検出温度に基づく傾斜温度を算出する平均温度・傾斜温度算出手段(モード変換器)5と、この算出手段5で算出された平均温度または各傾斜温度がそれぞれ入力される複数の温度制御手段としてのPID制御手段61〜6nと、各PID制御手段61〜6nからの操作信号(操作量)を、所定の配分比で加熱手段を構成する各ヒータ11〜1nに配分する配分手段(前置補償器)7とを備えている。
【0009】
従来では、上述の図23に示されるように、各ゾーン毎に温度を検出して対応するヒータを個別に制御していたけれども、この温度調節器では、干渉をなくすために、平均温度・傾斜温度算出手段5で算出される代表温度としての平均温度を制御量とするとともに、複数の検出温度の差である傾斜温度を制御量として温度制御を行うようにしている。
【0010】
この配分手段7は、各PID制御手段61〜6nからの操作信号(操作量)を、各ヒータ11〜1nに配分するのであるが、その際に、各PID制御手段61〜6nそれぞれによる平均温度または各傾斜温度の制御が、他のPID制御手段61〜6nそれぞれによる平均温度または傾斜温度の制御に与える干渉をなくすように配分するものである。
【0011】
かかる温度調節器によると、複数の温度検出手段から得られる検出温度を、傾斜温度と代表温度、すなわち、干渉のない独立の情報に変換して制御を行うとともに、配分手段によって各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉のある制御対象の制御において、後述のように、その干渉を低減することが可能となり、例えば、ウェハを熱処理する熱処理盤の温度を所望の温度、例えば、均一な温度に制御することが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の温度調節器では、制御対象としての熱処理盤などの処理手段の温度を所望の温度に制御しているけれども、処理手段によって処理される被処理物の温度を所望の温度に制御するということは、考慮されておらず、処理手段の温度を制御することで、間接的に被処理物の温度を制御しているに過ぎないものであった。
【0013】
例えば、熱処理盤などによる熱処理においては、熱処理盤の表面の凹凸などによる被処理物との接触度合いの相違、あるいは、熱処理盤の材質の不均一などに起因して被処理物に対して、熱が均一に伝わらず、このため、熱処理盤の温度を均一に制御しても、被処理物の温度は均一に制御されず、被処理物に対して均一な熱処理ができなかった。
【0014】
すなわち、従来の温度調節器のような制御装置では、処理手段の物理状態を制御することはできるけれども、処理手段で処理される被処理物の温度などの物理状態を所望の状態に制御することはできないという難点がある。
【0015】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、処理手段で処理される被処理物の温度などの物理状態を、所望の状態に制御できるようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0023】
また、本発明の制御装置は、処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する制御装置であって、前記処理手段の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの検出情報に基づいて、前記被処理物の物理状態を推定して複数の推定情報を出力する推定手段と、前記推定手段で推定された複数の推定情報を、前記物理状態の勾配を示す情報に変換するとともに、物理状態の代表状態を示す情報に変換する変換手段と、前記変換手段からの勾配を示す情報または代表状態を示す情報に基づいて、操作信号をそれぞれ出力する複数の状態制御手段と、前記各状態制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備えている。
【0024】
ここで、物理状態とは、温度、圧力、流量、速度あるいは液位などの様々な物理量の状態をいう。物理状態の勾配とは、温度勾配、圧力勾配、流量勾配、速度勾配などの様々な物理量の勾配をいう。また、処理手段および被処理物を制御対象として制御するとは、処理手段に対して操作を加えて制御する一方、被処理物を所望の状態になるように制御することをいう。
【0025】
さらに、物理状態の代表状態とは、制御対象の物理状態を代表的に示す状態をいい、例えば、温度であれば、制御対象の平均温度、ある位置(例えば中央位置)における温度などをいう。
【0026】
本発明の制御装置によると、処理手段の物理状態を検出する複数の検出手段の検出情報から被処理物の物理状態を推定して複数の推定情報を得て、その複数の推定情報を、物理状態の勾配を示す情報と代表状態を示す情報、すなわち、干渉のない独立の情報に変換して制御を行うとともに、配分手段によって各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉のある処理手段の制御において、その干渉を低減することが可能となるとともに、被処理物の物理状態を所望の状態になるように制御できる。
【0027】
また、本発明の制御装置は、処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する制御装置であって、前記処理手段の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの検出情報に基づいて、前記被処理物の物理状態を推定して複数の推定情報を出力する推定手段と、前記推定手段で推定された複数の推定情報と複数の目標情報との偏差を、前記物理状態の勾配を示す情報の偏差に変換するとともに、物理状態の代表状態を示す情報の偏差に変換する変換手段と、前記変換手段からの前記勾配を示す情報の偏差または前記代表状態を示す情報の偏差を制御偏差として操作信号をそれぞれ出力する複数の状態制御手段と、前記各状態制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備えている。
【0028】
ここで、目標情報とは、物理状態の制御目標の情報をいい、例えば、目標温度、目標圧力、目標流量などをいう。
【0029】
本発明の制御装置によると、処理手段の物理状態を検出する複数の検出手段の検出情報から被処理物の物理状態を推定して複数の推定情報を得て、その複数の推定情報を、物理状態の勾配あるいは代表状態を利用した情報、すなわち、干渉のない独立の情報に変換して制御を行なうとともに、配分手段によって各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉のある処理手段の制御において、その干渉を低減することが可能となるとともに、被処理物の物理状態を所望の状態になるように制御できる。
【0030】
本発明の温度調節器は、処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する温度調節器であって、前記処理手段の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの検出温度に基づいて、前記被処理物の温度を推定して複数の推定温度を出力する温度推定手段と、前記温度推定手段で推定された複数の推定温度を、複数の推定温度に基づく傾斜温度に変換するとともに、代表的な代表温度に変換する変換手段と、前記変換手段からの傾斜温度または代表温度を制御量として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、前記各温度制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備えている。
【0031】
本発明の温度調節器によると、処理手段の温度を検出する複数の温度検出手段の検出温度から被処理物の温度を推定して複数の推定温度を得て、その複数の推定温度を、傾斜温度と代表温度、すなわち、干渉のない独立の情報に変換して制御を行うとともに、配分手段によって各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉のある処理手段の制御において、その干渉を低減することが可能となるとともに、被処理物の温度を所望の温度になるように制御できる。
【0032】
また、本発明の温度調節器は、処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する温度調節器であって、前記処理手段の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの検出温度を、複数の検出温度に基づく傾斜温度に変換するとともに、代表的な代表温度に変換する変換手段と、前記傾斜温度および代表温度に基づいて、前記被処理物の対応する傾斜温度および代表温度を推定する温度推定手段と、前記温度推定手段で推定された傾斜温度または代表温度を制御量として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、前記各温度制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備えている。
【0033】
本発明によると、処理手段の温度を検出する複数の温度検出手段の検出温度を、干渉のない独立の情報である傾斜温度と代表温度に変換し、これら傾斜温度と代表温度から被処理物の対応する傾斜温度と代表温度とを推定し、推定した傾斜温度と代表温度に基づいて制御を行なうとともに、配分手段によって各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉のある処理手段の制御において、その干渉を低減することが可能となるとともに、被処理物の温度を所望の温度になるように制御できる。
【0034】
本発明の他の実施態様においては、前記温度推定手段は、前記変換手段で変換された前記傾斜温度および代表温度の一部に基づいて、前記被処理物の対応する傾斜温度および代表温度の少なくとも一部を推定するものであり、前記温度推定手段で推定されなかった傾斜温度または代表温度については、変換手段からの傾斜温度または平均温度が、前記温度制御手段に与えられるものである。
【0035】
本発明によれば、制御対象の特性などに応じて、いずれの温度を推定するかを選択できることになる。
【0036】
また、本発明の温度調節器は、処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する温度調節器であって、前記処理手段の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの検出温度に基づいて、前記被処理物の温度を推定して複数の推定温度を出力する温度推定手段と、前記温度推定手段で推定された複数の推定温度と複数の目標温度との偏差を、傾斜温度の偏差に変換するとともに、代表的な代表温度の偏差に変換する変換手段と、前記変換手段からの傾斜温度の偏差または前記代表温度の偏差を制御偏差として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、前記各温度制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段とを備えている。
【0037】
本発明によると、処理手段の温度を検出する複数の温度検出手段の検出温度から被処理物の温度を推定して複数の推定温度を得て、その複数の推定温度と目標温度を、傾斜温度の偏差および代表温度の偏差、すなわち、干渉のない独立の情報に変換して制御を行なうとともに、配分手段によって各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分するので、干渉のある処理手段の制御において、その干渉を低減することが可能となるとともに、被処理物の温度を所望の温度になるように制御できる。
【0038】
本発明の一実施態様においては、外乱の影響度を推定して前記温度検出手段の前記検出温度または温度推定手段の推定温度を補正する外乱推定手段を備えている。
【0039】
本発明によると、例えば、処理手段に被処理物を投入するといった外乱の影響を補正するので、精度の高い制御が行なえる。
【0040】
本発明の熱処理装置は、本発明の温度調節器と、処理手段としての熱処理炉または熱処理盤と、前記熱処理炉または熱処理盤を加熱(または冷却)する複数の操作手段としての加熱(または冷却)手段と、前記熱処理炉または熱処理盤の温度を検出する複数の温度検出手段とを備えている。
【0041】
本発明によると、本発明の温度調節器によって熱処理炉あるいは熱処理盤の温度制御を行うので、干渉を低減した温度制御が可能となるとともに、熱処理炉あるいては熱処理盤で処理される被処理物の温度を所望の温度に制御できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る温度調節器を用いた温度制御システムの概略構成図である。
【0044】
この実施の形態の温度制御システムは、図示しない被処理物を熱処理する処理手段3を加熱する操作手段としての複数のヒータ11〜1nと、複数のヒータ11〜1nに個別的に対応して処理手段3の温度を検出する複数の温度センサ21〜2nと、これら温度センサ21〜2nの検出出力に基づいて、各ヒータ11〜1nを図示しない電磁開閉器などを介して操作して処理手段3の温度を制御することにより、後述のように被処理物の温度を所望の温度に制御する本発明に係る温度調節器4とを備えている。
【0045】
処理手段3は、熱的に連続して干渉を生じるものであり、各ヒータ11〜1nと対応する各温度センサ21〜2nとがそれぞれ近接して配置されて複数のゾーンがそれぞれ形成されている。
【0046】
この温度制御システムは、例えば、上述の図23に示される熱酸化装置18に適用できるものであり、処理手段3を、熱処理炉としての反応管19とし、第1〜第3のヒータ11〜13を、反応管19の周囲に分割して配置された第1〜第3のヒータ211〜213とし、第1〜第3の温度センサ21〜23を、各ゾーンの温度を検出する第1〜第3の温度センサ221〜223として適用することができるものである。
【0047】
図2は、図1の温度調節器4のブロック図であり、この実施の形態の温度調節器4は、処理手段3の温度をそれぞれ検出する複数の温度センサ21〜2nの検出温度に基づいて、処理手段3で処理される被処理物の複数の処理点の温度を、後述のように推定する処理点温度推定手段100と、推定された複数の推定温度の平均温度および推定温度に基づく傾斜温度を、後述のようにして算出する平均温度・傾斜温度算出手段(以下「モード変換器」ともいう)5と、この算出手段5で算出された平均温度または各傾斜温度がそれぞれ入力される複数の温度制御手段としてのPID制御手段61〜6nと、各PID制御手段61〜6nからの操作信号(操作量)を後述のように所定の配分比で加熱手段を構成する各ヒータ11〜1nに配分する配分手段(以下「前置補償器」ともいう)7とを備えている。
【0048】
この実施の形態では、処理点温度推定手段100は、各温度センサ21〜2nによる処理手段3の各検出点に個別的に対応する被処理物の各処理点の温度を、後述のようにして推定するのである。
【0049】
この処理点温度推定手段100、平均温度・傾斜温度算出手段5、PID制御手段61 6nおよび配分手段7は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
【0050】
この図2の詳細な説明に先立って、上述の特願平11−215061号(特開2000−187514)にも記載されている図3に示される基本的な構成によって、干渉のある制御対象である処理手段3に対して干渉を低減した制御が可能になることについて説明する。
【0051】
この図3は、図2において、処理点温度推定手段100を省略した構成であり、複数の温度センサ21〜2nの検出温度の平均温度および検出温度に基づく傾斜温度を算出する平均温度・傾斜温度算出手段5と、この算出手段5で算出された平均温度または各傾斜温度がそれぞれ入力される複数の温度制御手段としてのPID制御手段61〜6nと、各PID制御手段61〜6nからの操作信号(操作量)を後述のように所定の配分比で加熱手段を構成する各ヒータ11〜1nに配分する配分手段7とを備えている。
【0052】
従来では、上述の図23に示されるように、各ゾーン毎に温度を検出して対応するヒータを個別に制御していたけれども、この図3では、干渉をなくすために、平均温度・傾斜温度算出手段5で算出される代表温度としての平均温度および複数の各傾斜温度を制御量として温度制御を行うようにしている。
【0053】
変換手段としての平均温度・傾斜温度算出手段5は、複数の温度センサ21〜2nからの情報を、一つの平均温度と複数の傾斜温度との情報に変換するものであり、その理由は、干渉がなく、独立で分かりやすい情報にするためであり、例えば、次のような演算を行うものである。
【0054】
すなわち、第1の温度センサ21の検出出力をS1,第2の温度センサ22の検出出力をS2,…第nの温度センサ2nの検出出力をSnとすると、下記に示される平均温度Tav,第1の傾斜温度Tt1,第2の傾斜温度Tt2,…第n−1の傾斜温度Ttn-1を算出する。
【0055】
Tav=(S1+S2+…Sn)÷n
Tt1=(S1+S2+…Sn-1)÷(n−1)−Sn
Tt2=(S1+S2+…Sn-2)÷(n−2)−Sn-1


Ttn-1=S1−S2
ここで、Tavは、複数の温度センサ21〜2nの検出温度の平均温度であり、傾斜温度Tt1は、複数の温度センサ21〜2nを、温度センサ21〜2n-1と温度センサ2nとの二つに区分した場合の温度センサ21〜2n-1の平均検出温度と温度センサ2nの検出温度との差であり、傾斜温度Tt2は、複数の温度センサ21〜2n-1を、温度センサ21〜2n-2と温度センサ2n-1との二つに区分した場合の温度センサ21〜2n-2の平均検出温度と温度センサ2n-1の検出温度との差であり、以下同様にして、傾斜温度Ttn-1は、温度センサ21と温度センサ22との検出温度の差である。
【0056】
以上の式をまとめて、モード変換行列Gmと称する行列を用いて下記のように表すことができる。
【0057】
【数1】
Figure 0003925078
T=Gm・S
ただし、T=[Tav Tt1 Tt2 ……Ttn-1T
S=[S1 S2 S3 ……SnT
この実施の形態では、これら平均温度Tavと複数の傾斜温度Tt1〜Ttn-1とを制御量として温度制御を行うものである。
【0058】
なお、傾斜温度は、この実施の形態に限られるものではなく、例えば、下記のモード変換行列Gmに示されるように隣り合う温度センサの検出温度の温度差や複数の温度センサを二つのグループに区分して各グループの平均検出温度の温度差などの種々の傾斜温度を用いることができる。
【0059】
【数2】
Figure 0003925078
また、傾斜温度は、複数の温度センサを大きく二つのグループに区分した各グループの平均検出温度の温度差、各グループをさらに二つに区分した各グループの平均検出温度の温度差、さらに各グループを二つに区分した各グループの平均検出温度の温度差といったように、マクロな傾斜温度からミクロな傾斜温度までを算出して用いるようにしてもよい。
【0060】
要するに、温度の傾斜を意味する情報と平均の情報とに分離して制御できるようにすればよい。
【0061】
第1のPID制御手段61は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの平均温度と目標平均温度の制御偏差に基づいて、平均温度が目標平均温度になるように操作信号を配分手段7に出力し、第2のPID制御手段62は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの第1の傾斜温度と第1の目標傾斜温度との制御偏差に基づいて、第1の傾斜温度が第1の目標傾斜温度になるように操作信号を配分手段7に出力し、第3のPID制御手段63は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの第2の傾斜温度と第2の目標傾斜温度との制御偏差に基づいて、第2の傾斜温度が第2の目標傾斜温度になるように操作信号を配分手段7に出力し、以下同様にして、第nのPID制御手段6nは、平均温度・傾斜温度算出手段5からの第n−1の傾斜温度と第n−1の目標傾斜温度との制御偏差に基づいて、第n−1の傾斜温度が第n−1の目標傾斜温度になるように操作信号を配分手段7に出力する。
【0062】
すなわち、第1のPID制御手段61は、平均温度を制御し、第2〜第nの各PID制御手段62〜6nは、第1〜第n−1の傾斜温度をそれぞれ制御するものである。
【0063】
次に配分手段7について説明する。
【0064】
この配分手段7は、各PID制御手段61〜6nからの操作信号(操作量)を、各ヒータ11〜1nに配分するのであるが、その際に、各PID制御手段61〜6nそれぞれによる平均温度または各傾斜温度の制御が、他のPID制御手段61〜6nそれぞれによる平均温度または傾斜温度の制御に与える干渉をなくすように配分するものである。
【0065】
例えば、第1のPID制御手段61の操作信号によって平均温度を変化させる場合に、その操作信号によって傾斜温度が変化せず、また、第2のPID制御手段62の操作信号によって第1の傾斜温度を変化させる場合に、その操作信号によって平均温度および他の傾斜温度が変化せず、同様に、各PID制御手段の操作信号によって他のPID制御手段による制御が影響されないように配分するのである。
【0066】
この配分手段7による配分について、さらに詳細に説明する。
【0067】
ここで、分かり易くするために、n=2、すなわち、ゾーンが2つであって、第1,第2のヒータ11,12、第1、第2の温度センサ21,22、平均温度を制御する第1のPID制御手段61および両温度センサ21,22の検出温度の差である傾斜温度を制御する第2のPID制御手段62を備える場合に適用して図4に基づいて説明する。
【0068】
この図4は、上述の熱処理炉としての反応管19や熱処理盤としてのウェハ置台61といった干渉のある制御対象である処理手段3に適用した例であり、図3に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0069】
平均温度・傾斜温度検出手段5は、第1,第2の温度センサ21,22の検出出力に相当する制御対象(処理手段)3からのフィードバック量PV1,PV2を、図5に示されるように加算器8で加算して減衰器9で1/2に減衰して平均温度Tavを出力する一方、両温度センサ21,22の検出出力に相当するフィードバック量PV1,PV2を減算器10で減算して傾斜温度Ttを出力するものである。なお、261,262は、減算器である。
【0070】
第1のPID制御手段61は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの平均温度Tavと目標平均温度の制御偏差に基づいて、平均温度が目標平均温度になるように操作信号(操作量)Havを配分手段7に出力し、第2のPID制御手段62は、平均温度・傾斜温度算出手段5からの傾斜温度Ttと目標傾斜温度との制御偏差に基づいて、傾斜温度が目標傾斜温度になるように操作信号(操作量)Htを配分手段7に出力する。
【0071】
配分手段7は、各PID制御手段61,62の操作信号(操作量)Hav,Htを以下のような配分比で各ヒータ11,12に配分する。
【0072】
すなわち、図6は、図4のシステムの制御系のブロック線図である。平均温度を制御する第1のPID制御手段61から与えられる操作量Havを、配分手段7で干渉をなくす、すなわち、非干渉化するための係数である非干渉化係数(配分比)k1,k2で第1,第2のヒータ11,12にそれぞれ配分するとともに、第2のPID制御手段62から与えられる操作量Htを、非干渉化係数(配分比)k3,k4で第1,第2のヒータ11,12にそれぞれ配分し、これによって、各ヒータ11,12に熱量H1,H2がそれぞれ与えられるとする。
【0073】
また、第1のヒータ11に与えられた熱量H1は、伝達係数(干渉係数)l1で第1の温度センサ21に伝わる一方、伝達係数(干渉係数)l2で第2の温度センサ22に伝わり、同様に、第2のヒータ12に与えられた熱量H2は、伝達係数(干渉係数)l3で第1の温度センサ21に伝わる一方、伝達係数(干渉係数)l4で第2の温度センサ22に伝わるとする。
【0074】
そして、第1の温度センサ21で検出された検出温度T1と第2の温度センサ22で検出された検出温度T2とから平均温度Tavおよび傾斜温度Ttが算出されて各PID制御手段61,62に入力されるという制御ループが構成されている。
【0075】
以上のことから平均温度Tavは、次のように示される。
【0076】
Figure 0003925078
ここで、平均温度Tavは、平均温度の操作量Havのみの関数で、傾斜温度の操作量Htの影響をなくすように、すなわち、非干渉化を図るために、Htの項を0とする。
【0077】
すなわち、(l1+l2)・k3+(l3+l4)・k4=0
したがって、k4=−{(l1+l2)/(l3+l4)}k3
となる。
【0078】
同様に、傾斜温度Ttは、次のように示される。
【0079】
Figure 0003925078
ここで、傾斜温度Ttは、傾斜温度の操作量Htのみの関数で、平均温度の操作量Havの影響をなくすように、すなわち、非干渉化を図るために、Havの項を0とする。
【0080】
すなわち、(l1−l2)k1+(l3−l4)k2=0
したがって、k2=−{(l1−l2)/(l3−l4)}k1
となる。
【0081】
以上のことから傾斜温度に影響を与えずに平均温度を制御し、また、平均温度に影響を与えずに傾斜温度を制御する、すなわち、平均温度と傾斜温度との干渉をなくした非干渉制御を行うためには、非干渉化係数(配分比)k1〜k4で配分すればよく、この非干渉化係数(配分比)k1〜k4を算出するためには、第1のヒータ11の熱量が第1,第2の温度センサ21,22に伝わる伝達係数(干渉係数)l1,l2および第2のヒータ12の熱量が第1,第2の温度センサ21,22に伝わる伝達係数(干渉係数)l3,l4を知る必要がある。
【0082】
なお、非干渉化係数(配分比)k1〜k4は、k1とk2、k3とk4との比率がそれぞれ分かれば、PID制御のゲインによって対応できるので、絶対値は必ずしも必要でない。
【0083】
伝達係数(干渉係数)l1〜l4は、次のようにして求めることができる。すなわち、ヒータを一つだけ変動させて他のヒータは、一定値に固定、例えば、オンのままあるいはオフのままとし、ヒータの変化量に対する各温度センサの変化量の比率を伝達係数とするのである。
【0084】
例えば、第2のヒータ22をオフのままの状態で、第1のヒータ11を、ある温度振幅で変動させたときに、第1,第2の温度センサ21,22の検出温度にどの程度の温度振幅の変動が生じるかによって伝達係数l1,l2を計測することができ、例えば、ヒータを温度振幅1で変動させたきに、温度センサの温度振幅が10であれば、伝達係数は、10(=10/1)となる。
【0085】
ここで、図4の配分手段7における非干渉化係数(配分比)を用いた配分についてさらに具体的に説明する。
【0086】
ここで、制御対象である処理手段3の特性を、例えば、図7に示されるように、2入力(MV1,MV2)2出力(PV1,PV2)の干渉のある制御対象とする。
【0087】
この制御対象である処理手段3は、第1の操作量MV1が、第1の加算器28に与えられるとともに、第1の減衰器29で0.9に減衰されて第2の加算器30に与えられる一方、第2の操作量MV2が、第2の加算器30に与えられるとともに、第2の減衰器31で0.9に減衰されて第1の加算器28に与えられ、各加算器28,30の加算出力が、第1,第2の遅れ要素32,33にそれぞれ与えられる構成とされており、この例では、各操作量MV1,MV2が0.9の割合で他方に加えられて互いに干渉を生じるものである。
【0088】
この特性から伝達係数は、l1=1,l2=0.9,l3=0.9,l4=1である。
【0089】
したがって、上述の非干渉化係数の式に代入すると、
Figure 0003925078
となる。
【0090】
そこで、仮に各ヒータに配分される熱量の合計が、Havと等しくなるように、すなわち、k1+k2=1となるように設計し、分かり易さのために、k3=1という条件を加える。
【0091】
これによって、
2=k1=1/2
また、k4=−k3=−1
となり、配分比(非干渉化係数)が決定される。
【0092】
つまり、図8に示されるように、平均温度の操作量Havは、1/2ずつ各ヒータ11,12に配分し、傾斜温度の操作量Htは、第1のヒータ11には、そのまま、第2のヒータ12には、符号を変えて配分すればよい。
【0093】
ここで、配分比(非干渉化係数)は、次のようにして求めることもできる。
【0094】
すなわち、上述のモード変換行列Gmと上述の伝達係数(干渉係数)の行列Pとから配分比(非干渉化係数)の行列(以下「前置補償行列」ともいう)Gcは、以下のように逆行列として求めることもできる。
【0095】
Gc=(Gm・P)-1
この実施の形態に適用すると、制御対象のある時間の特性である伝達係数(干渉係数)の行列Pを、
【0096】
【数3】
Figure 0003925078
とすると、配分比(非干渉化係数)の行列である前置補償行列Gcは、
【0097】
【数4】
Figure 0003925078
確かめとして、Gm・P・Gc=1となるかどうかを計算する。
【0098】
【数5】
Figure 0003925078
なお、この実施の形態では、配分比(非干渉化係数)を、伝達係数を用いて算出したけれども、本発明の他の実施の形態として、伝達係数に代えて、周波数特性も表す伝達関数を用いて算出するようにしてもよい。
【0099】
図4のシステムでは、配分手段7は、図8に示されるように、平均温度の操作信号(操作量)Havは、各減衰器11,12でそれぞれ1/2に減衰して加算器13および減算器14にそれぞれ配分され、傾斜温度の操作信号(操作量)Htは、加算器13および減算器14にそれぞれ配分され、加算器13の出力H1が第1のヒータ11に、減算器14の出力H2が第2のヒータ12に与えられる。
【0100】
この配分手段7によれば、平均温度の操作量Havによって平均温度を変化させる場合には、各ヒータ11,12に操作量が等しく配分されるので、傾斜温度に影響を与えることなく、すなわち、干渉することなく、平均温度のみを変化させることができる。また、傾斜温度の操作量Htによって傾斜温度を変化させる場合には、一方のヒータ11には、その操作量が1倍で与えられる一方、他方のヒータ12には、−1倍で与えられるので、両ヒータに与える総熱量を変化させることなく、すなわち、平均温度に影響を与えることなく、傾斜温度のみを変化させることができる。
【0101】
以上の非干渉制御については、上述の特開2000−187514において詳述されている。
【0102】
図3の基本構成によって、上述のように干渉の低減された制御が可能となり、制御対象としての処理手段3の温度を所望の温度に制御できることになる。
【0103】
上述の図2の本発明の実施の形態では、処理手段3および該処理手段3によって処理される被処理物を制御対象とする、すなわち、処理手段3に対して操作を加えて制御する一方、被処理物を所望の温度状態になるように制御するものである。
【0104】
このため、図2の実施の形態では、図3の基本構成に、処理手段3の温度をそれぞれ検出する複数の温度センサ21〜2nの検出温度に基づいて、処理手段3で処理される被処理物の前記複数の処理点の温度を、後述のように推定する処理点温度推定手段100を設けたものである。
【0105】
図9は、図2の温度調節器4を用いた温度制御システムの構成図であり、図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0106】
同図において、101は、処理手段3によって処理される被処理物であり、処理点温度推定器100は、処理手段3の温度をそれぞれ検出する複数の温度センサ21〜2nの検出温度に基づいて、処理手段3で処理される被処理物の前記複数の処理点の温度を、後述のように推定するものであり、各処理点は、温度センサ21〜2nによってそれぞれ検出される各検出点に個別的に対応している。
【0107】
処理手段3を、例えば、熱処理盤とし、被処理物を、前記熱処理盤上に載置処理されるウェハとすると、処理点温度推定器100は、熱処理盤の複数の検出点の温度をそれぞれ検出する複数の温度センサからの検出温度に基づいて、前記検出点に対応するウェハの各処理点の温度をそれぞれ推定するものである。熱処理盤の検出点とウェハの処理点との関係は、例えば、熱処理盤の検出点の真上に位置するウェハの点を処理点としてもよいし、多少ずれた位置を処理点としてもよい。要は、熱処理盤の検出点の検出温度からウェハの温度を推定できる点を処理点とすればよい。
【0108】
この処理点温度推定器100によって推定された複数の推定温度に基づいて、モード変換器5で推定平均温度および推定傾斜温度を算出し、推定平均温度と目標平均温度との偏差または推定傾斜温度と目標傾斜温度との偏差を制御偏差として、各PID制御手段61〜6nで操作信号を出力し、その操作信号を、前置補償器7で上述のように配分して操作手段としてのヒータに与えるのである。
【0109】
すなわち、各温度センサの検出温度に代えて、各検出温度に個別的に対応する処理点の推定温度に基づいて、上述の非干渉制御を行なうものである。
【0110】
温度センサの検出温度に基づいて、非干渉制御を行なう図3によれば、干渉を低減して処理手段3の温度を所望の温度に制御できたのに対して、検出温度に代えて、処理点の推定温度に基づいて非干渉制御を行なうこの実施の形態では、被処理物101の処理点の温度を所望の温度に制御できることになる。
【0111】
次に、処理点温度推定器100について、さらに詳細に説明する。
【0112】
図10は、処理点温度推定器100の構成の一例を示す図であり、この実施の形態では、制御のシュミレーションソフト(MATLAB)によるシステム同定に記載されているARXモデル102を用いて、処理手段3の温度を検出する温度センサからの検出温度に基づいて、被処理物101の処理点温度を推定するものである。
【0113】
以下、このARXモデル102も用いた同定について説明するが、かかる説明では、「MATLABによる制御のためのシステム同定」足立修一著 東京電機大学出版局に使用されている記号を、基本的に使用している。
【0114】
図11は、ARXモデル102の構造を示しており、同図において、u(k)は、入力、y(k)は出力、w(k)は白色雑音、k=1,2,3…Nである。
【0115】
ここで、A(q)=1+a1-1+a2-2+…+an-n
B(q)=b1-1+b2-2+…+bn-n
である。。
【0116】
同定手法によって、求めるのは、パラメータ・ベクトルθである。
【0117】
そのθは以下の式で求める。
【0118】
すなわち、一次のモデルでは、以下の式となる。
【0119】
【数6】
Figure 0003925078
また、二次のモデルでは、以下の式となる。
【0120】
【数7】
Figure 0003925078
さらに、n次のモデルでは、以下の式となる。
【0121】
【数8】
Figure 0003925078
したがって、処理手段3の温度を検出する温度センサの検出出力を、ARXモデルの入力u(k)とし、そのときの被処理物の処理点の温度を実際に計測した計測温度を、ARXモデルの出力y(k)として、上述の式からパラメータ・ベクトルθを決定(予測)できることになる。
【0122】
このようにしてパラメータ・ベクトルを決定することにより、以後は、温度センサの検出出力から対応する被処理物の処理点温度を推定できることになる。
【0123】
なお、本発明は、ARXモデルに限らず、例えば、図12に示される一次遅れ系(時定数Ts)としてモデル化してもよいし、あるいは、図13に示されるように、さらに無駄時間Lsを加えたモデルで近似してもよい。
【0124】
図14は、2点制御の例を示す温度制御システムの構成図であり、図9に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0125】
なお、以下の説明においては、処理手段3として、熱処理盤、被処理物として、前記熱処理盤に順次載置されて熱処理されるウェハとして説明する。
【0126】
この実施の形態では、処理手段3である熱処理盤の温度を、二つの温度センサで検出し、その検出温度から処理点温度推定器100では、各検出点に対応する被処理物であるウェハの処理点温度を推定し、この推定された二つの推定温度を、モード変換器5で推定平均温度および推定傾斜温度に変換し、この推定平均温度および推定傾斜温度を制御量として上述の非干渉制御を行なうものである。
【0127】
処理点温度推定器100は、例えば、ARXモデルを用いて処理点温度を推定するものであり、このARXモデルのパラメータを決定するために、予めウェハ自体の処理点温度を計測できるセンサが装備された評価用のウェハを用いて、熱処理盤の温度を検出する温度センサの検出温度と、評価用のウェハで実際に計測された処理点温度とから上述のようにしてパラメータを予め決定し、このパラメータが処理点温度推定器100に設定されているものである。
【0128】
なお、評価用ウェハは、該ウェハ自体の温度を計測できるように構成されている以外は、熱処理盤で処理される通常のウェハと同じである。
【0129】
この実施の形態では、干渉のない制御が行なえるとともに、被処理物であるウェハの温度を所望の温度、例えば、均一な温度に制御できることになる。
【0130】
図15は、本発明の他の実施の形態の温度制御システムの構成図であり、図14に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0131】
この実施の形態では、上述のモード変換器5を、傾斜温度演算器51と、平均温度演算器52とし、傾斜温度演算器51には、処理点温度推定器100からの推定温度を入力する一方、平均温度演算器52には、推定温度ではなく、熱盤の温度を検出する温度センサからの検出温度を入力するようにしている。
【0132】
かかる構成によって、ウェハの処理点の推定温度を用いる場合に比べて、平均温度のフィードバックの遅れ時間が改善できることになり、平均温度がよりハンチングし難い安定な状態になる。
【0133】
図16は、本発明の他の実施の形態の図9に対応する制御システムの構成図である。
【0134】
この実施の形態の温度調節器では、処理点温度推定器100のARXモデルのパラメータを同定する同定手段103を設けたものであり、この同定手段103は、例えば、工場出荷前の最終調整時に、処理点温度を計測できる評価用のウェハからの各処理点の実際の計測温度が与えられる処理点温度計測手段104と、この処理点温度計測手段104から処理点温度と、処理手段3としての熱処理盤の温度を検出する温度センサからの検出温度とが与えられ、それらに基づいて、上述のようにしてARXモデルのパラメータを計算する同定計算器105とを備えている。
【0135】
なお、同定計算を行いたいタイミングは、例えば、高温になっている熱処理盤に、被処理物である評価用のウェハを載置接触させたときを、処理点温度推定器パラメータ導出指令として同定手段103に与えて自動的に同定計算を行なわせるものである。
【0136】
なお、ARXモデルのパラメータの求め方は、最小二乗法など同定誤差を最小する方法など、上述の「MATLABによる制御のためのシステム同定」に記載されている方法などを用いればよい。
【0137】
この例では、処理点温度推定器100のパラメータの設定は、工場出荷時の1回きりの計測を想定したけれども、頻繁にパラメータを設定するようにして制御対象の特性の変化をモデルに反映させるようにしてもよいのは勿論である。
【0138】
図17は、本発明の他の実施の形態の図9に対応する構成図であり、対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0139】
この実施の形態は、外乱モデルを追加したものであり、例えば、被処理物としてのウェハを、高温の熱処理盤に載置接触させた場合に、接触の度合いや熱処理盤の中央部と周辺部とでの熱の伝わり方の違いにより、温度制御する被処理物の各処理点の温度低下が同程度になるとは限らない。このように熱処理される被処理物の僅かな温度低下のバラツキも気になるような高精度の温度均一制御に有効である。
【0140】
すなわち、この実施の形態では、外乱影響度推定器106を設けており、被処理物であるウェハが、熱処理盤に載置されたことを示す熱処理開始信号に応答して外乱の影響度に対応する出力を与え、熱処理盤の温度を検出する温度センサからの検出温度に加えることで、外乱の影響を補正するのである。
【0141】
この外乱影響度推定器106は、例えば、上述のARXモデルを用いて推定することができる。
【0142】
このARXモデルのパラメータを決定するために、予めウェハ自体の処理点温度を計測できるセンサが装備された評価用のウェハを用いて、ウェハが熱処理盤に載置された熱処理開始信号と、評価用のウェハで実際に計測された処理点温度とからARXモデルのパラメータを決定し、このパラメータが外乱影響度推定器106に設定されているものである。
【0143】
図18は、本発明の他の実施の形態の図17に対応する構成図であり、図17に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0144】
この実施の形態では、外乱影響度推定器106のARXモデルのパラメータを同定する同定手段107を設けたものであり、この同定手段107は、例えば、工場出荷前の最終調整時に、処理点温度を計測できる評価用のウェハからの各処理点の実際の計測温度が与えられる処理点温度計測手段108と、この処理点温度計測手段108から処理点温度と、処理手段3としての熱盤に被処理物であるウェハが載置された熱処理開始信号とが与えられ、それらに基づいて、上述のようにしてARXモデルのパラメータを計算する同定計算器109とを備えている。また、同定計算を行いたいタイミングには、外乱影響度推定器パラメータ導出指令が、同定計算器109に与えられるようになっている。
【0145】
なお、本発明の他の実施の形態として、図19に示されるように、同定時のノイズとなるフィードバック側を、同定時に切り離して操作信号を与えないようにし、外乱だけを与えて同定するようにしてもよい。
【0146】
また、本発明の他の実施の形態として、図20に示されるように、外乱影響度推定器106と処理点温度推定器100とを足し合わせるように配置してもよい。
上述の図17の構成では、同定で求めた外乱側のモデルは、外乱影響度推定器106と処理点温度推定器100との直列として求まる。そのため、外乱影響度推定器106だけにするためには、処理点温度推定器100分を外す計算を必要があるが、この実施の形態では、その必要がなく、同定が簡単になる。
【0147】
上述の各実施の形態では、処理点温度推定器100によって、各処理点の温度を推定し、それら推定温度から平均温度や傾斜温度を算出したけれども、本発明の他の実施の形態として、温度センサからの検出温度に基づいて、平均温度や傾斜温度を算出し、この算出した平均温度や傾斜温度から処理点の平均温度や傾斜温度を推定するようにしてもよい。
【0148】
例えば、図21に示されるように、モード変換器5で温度センサからの検出温度を、平均温度および傾斜温度に変換し、変換された傾斜温度から処理点傾斜温度推定器110で処理点傾斜温度を推定するのである。この処理傾斜温度推定器110も、上述のARXモデルなどで近似できるものである。なお、変換された平均温度から処理点の平均温度を推定するようにしてもよいのは勿論である。
【0149】
また、上述の各実施の形態では、平均温度や傾斜温度を算出し、目標平均温度や傾斜目標温度との偏差を求めたけれども、本発明の他の実施の形態として、各温度センサの検出温度に個別的に対応する推定温度と、目標推定温度との偏差を求め、この偏差から平均温度の偏差や傾斜温度の偏差を求めてもよい。
【0150】
例えば、図22に示されるように、モード変換器5’は、複数の温度センサからの検出温度に個別的に対応する推定温度と目標温度との温度偏差、すなわち、各ch毎の温度偏差を、平均温度と目標平均温度との偏差である平均温度偏差に変換するとともに、傾斜温度と目標傾斜温度との偏差である傾斜温度偏差に変換するものである。
【0151】
つまり、上述の各実施の形態では、検出温度に個別的に対応する推定温度を、平均温度および傾斜温度に変換した後に制御偏差を求めるのに対して、この実施の形態では、推定温度と目標温度との温度偏差を求め、その温度偏差を、制御偏差である平均温度偏差および傾斜温度偏差に変換するものである。
【0152】
上述の各実施の形態では、傾斜温度および代表温度としての平均温度を用いた非干渉制御に適用したけれども、本発明は、非干渉制御に限るものではなく、傾斜温度などを用いない、例えば、図23に示されるような従来の温度制御に適用してもよく、要は、処理手段の検出温度から該処理手段で処理される被処理物の処理点温度を推定し、被処理物の温度が所望の温度になるように制御すればよい。
【0153】
本発明の他の実施の形態として、平均温度に代えて、例えば、中央のゾーンの温度やウェーハ置台の中央位置の温度を代表温度とし、代表温度と傾斜温度とを制御量として制御を行ってもよい。
【0154】
上述の実施の形態では、平均温度は、全体の平均温度一つだけを用いたけれども、本発明の他の実施の形態として、例えば、複数に区分した各グループの各平均温度、すなわち、複数の平均温度を用いるようにしてもよい。
【0155】
上述の実施の形態では、PID制御に適用して説明したけれども、本発明は、PID制御に限らず、オンオフ制御、比例制御、積分制御などの他の制御方式にも適用できるものである。
【0156】
また、本発明の熱処理装置は、熱酸化装置に限らず、拡散炉やCVD装置、射出成形機のシリンダ部の温度制御あるいは包装機のヒータ台の温度制御などにも適用できるものである。特に、成形機のシリンダ内の被処理物である樹脂の温度制御に好適である。
【0157】
上述の実施の形態では、ヒータなどの加熱手段を用いた温度制御に適用した説明したけれとも、ペルチェ素子や冷却器などを用いた温度制御に適用してもよいのは勿論であり、さらに、加熱手段と冷却手段とを併用する温度制御に適用してもよい。
【0158】
また、本発明は、温度制御に限らず、例えば、圧力をかけて被処理物を処理する圧力制御や流量、速度あるいは液位などの他の物理状態の制御に適用することもできる。
【0159】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、干渉のある制御対象の制御において、その干渉を低減することが可能となるとともに、処理手段で処理される被処理物の温度などの物理状態を所望の状態に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る温度制御システムの概略構成図である。
【図2】図1の温度調節器のブロック図である。
【図3】非干渉制御の基本構成を示すブロック図である。
【図4】温度センサ、ヒータおよびPID制御手段が2つの場合の構成図である。
【図5】図3の平均温度・傾斜温度算出手段5のブロック図である。
【図6】図3の制御系のブロック線図である。
【図7】制御対象としての処理手段3の特性を示す図である。
【図8】図3の配分手段のブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るブロック図である。
【図10】図9の処理点温度推定器の構成を示す図である。
【図11】図10のARXモデルの構成を示す図である。
【図12】図9の処理点温度推定器の他の構成を示す図である。
【図13】図9の処理点温度推定器のさらに他の構成を示す図である。
【図14】本発明の他の実施の形態のブロック図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態のブロック図である。
【図16】本発明の他の実施の形態のブロック図である。
【図17】本発明のさらに他の実施の形態のブロック図である。
【図18】本発明の他の実施の形態のブロック図である。
【図19】本発明のさらに他の実施の形態のブロック図である。
【図20】本発明の他の実施の形態のブロック図である。
【図21】本発明のさらに他の実施の形態のブロック図である。
【図22】本発明の他の実施の形態のブロック図である。
【図23】熱酸化装置の構成を示す図である。
【図24】ウェーハ置台を示す図である。
【符号の説明】
1〜1n ヒータ
1〜2n 温度センサ
3 処理手段
4 温度調節器
5 平均温度・傾斜温度算出手段
1〜6n PID制御手段
7 配分手段
18 熱酸化装置
100 処理点温度推定器
101 被処理物

Claims (8)

  1. 処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する制御装置であって、
    前記処理手段の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの検出情報に基づいて、前記被処理物の物理状態を推定して複数の推定情報を出力する推定手段と、
    前記推定手段で推定された複数の推定情報を、前記物理状態の勾配を示す情報に変換するとともに、物理状態の代表状態を示す情報に変換する変換手段と、
    前記変換手段からの勾配を示す情報または代表状態を示す情報に基づいて、操作信号をそれぞれ出力する複数の状態制御手段と、
    前記各状態制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する制御装置であって、
    前記処理手段の物理状態をそれぞれ検出する複数の検出手段からの検出情報に基づいて、前記被処理物の物理状態を推定して複数の推定情報を出力する推定手段と、
    前記推定手段で推定された複数の推定情報と複数の目標情報との偏差を、前記物理状態の勾配を示す情報の偏差に変換するとともに、物理状態の代表状態を示す情報の偏差に変換する変換手段と、
    前記変換手段からの前記勾配を示す情報の偏差または前記代表状態を示す情報の偏差を制御偏差として操作信号をそれぞれ出力する複数の状態制御手段と、
    前記各状態制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各状態制御手段による制御が、他の状態制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  3. 処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する温度調節器であって、
    前記処理手段の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの検出温度に基づいて、前記被処理物の温度を推定して複数の推定温度を出力する温度推定手段と、
    前記温度推定手段で推定された複数の推定温度を、複数の推定温度に基づく傾斜温度に変換するとともに、代表的な代表温度に変換する変換手段と、
    前記変換手段からの傾斜温度または代表温度を制御量として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、
    前記各温度制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段と、
    を備えることを特徴とする温度調節器。
  4. 処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する温度調節器であって、
    前記処理手段の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの検出温度を、複数の検出温度に基づく傾斜温度に変換するとともに、代表的な代表温度に変換する変換手段と、
    前記傾斜温度および代表温度に基づいて、前記被処理物の対応する傾斜温度および代表温度を推定する温度推定手段と、
    前記温度推定手段で推定された前記傾斜温度または代表温度を制御量として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、
    前記各温度制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段と、
    を備えることを特徴とする温度調節器。
  5. 前記温度推定手段は、前記変換手段で変換された前記傾斜温度および代表温度の一部に基づいて、前記被処理物の対応する傾斜温度および代表温度の少なくとも一部を推定するものであり、
    前記温度推定手段で推定されなかった傾斜温度または代表温度については、変換手段からの傾斜温度または平均温度が、前記温度制御手段に与えられる請求項記載の温度調節器。
  6. 処理手段および該処理手段によって処理される被処理物を制御対象として制御する温度調節器であって、
    前記処理手段の温度をそれぞれ検出する複数の温度検出手段からの検出温度に基づいて、前記被処理物の温度を推定して複数の推定温度を出力する温度推定手段と、
    前記温度推定手段で推定された複数の推定温度と複数の目標温度との偏差を、傾斜温度の偏差に変換するとともに、代表的な代表温度の偏差に変換する変換手段と、
    前記変換手段からの傾斜温度の偏差または前記代表温度の偏差を制御偏差として操作信号をそれぞれ出力する複数の温度制御手段と、
    前記各温度制御手段からの操作信号を、前記処理手段にそれぞれ操作を加える複数の操作手段に、各温度制御手段による制御が、他の温度制御手段による制御に与える影響をなくす又は小さくするように配分する配分手段と、
    を備えることを特徴とする温度調節器。
  7. 外乱の影響度を推定して前記温度検出手段の前記検出温度または温度推定手段の推定温度を補正する外乱推定手段を備える請求項ないしのいずれかに記載の温度調節器。
  8. 請求項ないしのいずれかに記載の温度調節器と、処理手段としての熱処理炉または熱処理盤と、前記熱処理炉または熱処理盤を加熱(または冷却)する複数の操作手段としての加熱(または冷却)手段と、前記熱処理炉または熱処理盤の温度を検出する複数の温度検出手段とを備えることを特徴とする熱処理装置。
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