JP4626650B2 - モデル構造のパラメータ決定方法、パラメータ決定装置、制御装置および温度調節器 - Google Patents

モデル構造のパラメータ決定方法、パラメータ決定装置、制御装置および温度調節器 Download PDF

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Description

本発明は、計測対象や制御対象などのモデルとして好適なモデル構造のパラメータの決定方法、決定装置、それを用いた制御装置および温度調節器に関し、更に詳しくは、干渉のある制御対象の制御などに好適なモデル構造のパラメータ決定方法、パラメータ決定装置、それを用いた制御装置および温度調節器に関する。
例えば、入出力が複数点の干渉のある制御対象、すなわち、制御対象に入力される操作量と制御対象からの制御量とを複数備えるとともに、操作量と制御量との間に相互干渉が存在する制御対象を、非干渉化制御する公知技術として、図20に示される非干渉化PID制御がある(例えば、非特許文献1参照)。
この例の制御対象30は、2入力(u,u)2出力(y,y)の2chの干渉のある制御対象であり、P11,P21,P12,P22は伝達関数、C11,C22は、制御対象30からの制御量y,yと目標値r,rとの偏差に基づいて、操作量u’,u’を、それぞれ出力する主補償器であり、C12とC21は、非干渉化のためのクロスコントローラである。
この従来例は、制御対象30の干渉の関係を行列として考えるものであり、干渉を打ち消すように、調節部31における非干渉化のためのクロスコントローラC12,C21の大きさを決めるものである。
制御量yが操作量u’の影響を受けず、制御量yが操作量u’の影響を受けないようにクロスコントローラC12,C21を設計すれば、非干渉化を達成することができる。このような影響の排除手段として逆行列を用いる方法もある。
しかしながら、前提となっている制御対象30の干渉の関係は、単純な低次の行列関係ではない。そのため、上述の従来例における1次のモデルでは、理想的な非干渉化を実現することはできない。
これは、制御対象30の干渉の関係は、図20で示される操作量uから制御量yへの単純で一方的な関係ではないからである。
干渉よる熱量の移動は、温度差に起因している。複数点の制御対象の各点間の温度差が大きいときには、干渉による熱の移動は大きく、各点間の温度差が小さいときには、干渉による熱の移動は小さい。このような関係が考慮されていないために、想定する制御対象モデルの誤差が大きく、そのために、非干渉化制御の逆行列により打ち消せる要因も限界があるからである。
このため、従来の非干渉化制御は、実用に耐える場合が少なかった。
そこで、本件出願人は、非干渉化制御や予測制御などに好適なモデル構造を、特許文献1に示すように既に提案している。
図21は、この先に提案しているモデル構造1’の一例を示すブロック線図であり、この例は、上述の図20の従来例の制御対象30に対応するものである。
このモデル構造1’は、2入力(u,u)2出力(y,y)の熱干渉系の制御対象の熱モデルであり、2チャンネル(ch)の制御対象モデルである。
入力u,uとしては、例えば、熱処理盤や熱処理炉などの制御対象をそれぞれ加熱する二つのヒータ出力に対応する操作量を、また、出力y,yとしては、例えば、制御対象の温度をそれぞれ検出する二つの温度センサからの検出温度である制御量を想定することができる。
このモデル構造1’は、2出力y,yの差を、減算部2で算出し、フィードバック要素Pfを介して2入力u,uに、減算部3および加算部4を介して正負を異ならせてそれぞれフィードバックするフィードバック構造型のモデルである。
なお、A11,A22は、各入力u,uから各出力y,yへの伝達関数である。この例では、熱処理盤や熱処理炉などの制御対象の二つのヒータに割当てられた部分、すなわち、各チャンネルchに対応する制御対象をモデル要素としてそれぞれ把握できるものであり、各モデル要素は、伝達関数A11,A22として示されている。
このモデル構造1’は、例えば、熱干渉系の熱モデルであり、温度差があるときに、熱量の移動が生じ、この熱量の移動は、温度差に比例するというフーリエの法則の意味するところと等価である。
フーリエの法則は、例えば、「伝熱工学」、田坂英紀著、森北出版株式会社のp6より、熱移動量を決める重要な因子は、空間的な温度勾配であり、2点間の距離をΔx、2点間の温度差をΔTとすると、熱流束q(単位面積当たりの熱移動量)は、λを熱伝導率として、ΔT/ΔxをdT/dxと見なすと、
q=−λ(dT/dx)
となる。
図21のフィードバック要素Pfがフーリエの法則の熱伝導率λに対応する。
このモデル構造1’は、上述の各モデル要素の出力である2出力y,yの差、すなわち、温度差を、干渉の度合い等に対応するフィードバック要素Pfを介して各モデル要素の入力である2入力u,u、すなわち、熱量に対応する操作量に、正負を異ならせてそれぞれフィードバックするものであり、温度差によって、一方のチャンネルchから他方のチャンネルchへ熱量の移動が生じ、一方のチャンネルchは熱量が奪われ(負)、他方のチャンネルchには熱量が足される(正)という熱干渉の現象をブロック線図で表したものである。
すなわち、このモデル構造1’は、熱系の制御対象の干渉は、二つの温度があって、温度の差ができたときに、その温度差に比例した熱量の移動が起こるというフーリエの法則を意味している。
フィードバック要素pfは、温度差によってどれだけ熱量が移動するかの比率であって、係数値であってもよいし、一次遅れ要素であってもよい。
特開2004−94939号公報 須田信英他「PID制御」朝倉書店(システム制御情報学会編)2000年3月10日、p62
上記モデル構造は、出力側の差を、入力側にフィードバックするものであり、例えば、温度差によって熱量の移動が生じるといった自然現象に即したものであり、物理的な情報とブラックボックスのブロックとを組み合わせたモデル、いわゆるグレーボックスモデルである。
かかるグレーボックスモデルでは、その数式モデルの係数であるパラメータを決定する手法はないと考えられており、試行錯誤的な決定をせざるを得ないという課題がある。
本発明の課題は、グレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータの決定を容易に行なえるようにすることである。
本発明では、上記課題を解決するために、次のように構成している。
発明のモデル構造のパラメータ決定方法は、入出力が複数点の熱系の干渉がある制御対象のモデル構造のパラメータを、前記制御対象のブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定する方法であって、前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めたパラメータを用いて、所定の変換式により導出して、前記モデル構造のパラメータを決定するものであり、前記モデル構造が、複数入力および複数出力を備え、かつ、1入力1出力の複数のモデル要素と、前記両モデル要素の間の出力差を、各モデル要素の入力側にそれぞれフィードバックする一つ以上のフィードバック要素とを備え、前記モデル構造の前記モデル要素の伝達関数が一次遅れ要素であり、前記所定の変換式が、前記一次遅れ系の伝達関数の定常ゲインおよび時定数を、前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めた前記パラメータから算出する式を含むである。
ここで、パラメータとは、数式モデルにおける係数をいい、この係数は、変数に掛かっている数値であってもよいし、変数に掛かっていない数値であってもよい。
また、入力とは、モデル構造に対する入力をいい、計測対象や制御対象などの当該モデル構造の対象であるモデル対象の物理状態、例えば、温度、圧力、流量、速度あるいは液位などの種々の物理量の状態を制御するために、モデル対象に対して与えられる入力をいい、例えば、操作量をいう。
また、出力とは、モデル構造の出力をいい、当該モデル構造の対象であるモデル対象の物理状態を示す出力をいい、例えば、モデル対象の温度、圧力、流量、速度あるいは液位などの種々の物理量の検出出力をいう。
出力側の差とは、モデル構造の出力の差をいい、例えば、温度差、圧力差、流量差、速度差あるいは液位差などの種々の物理量の差をいう。
また、出力側の差は、例えば、二つの出力を一組として各組の出力の差であってもよいし、あるいは、複数の出力を二組に区分し、一方の組の出力と他方の組の出力との差としてもよく、出力側の差のとり方は、任意である。
さらに、出力側の差は、出力そのままの差であってもよいし、出力に係数を乗じたものの差であってもよく、むだ時間要素などの他の要素を介して差をとってもよい。
モデル構造は、出力側の差を、入力側にフィードバックするものであり、例えば、温度差によって熱量の移動が生じるといった自然現象に即したものであり、物理的な情報とブラックボックスのブロックとを組み合わせたグレーボックスモデルである。
モデル対象とは、計測対象や制御対象などの当該モデル構造の対象となるものをいう。
ブラックボックスモデルとは、ブラックボックスモデリングで求まったモデルをいい、ブラックボックスモデリングとは、対象に関する物理的な情報や事前情報をいっさい利用しないモデリング方法をいう。
本発明は、パラメータを決定する手法がないと考えられていたグレーボックスモデルのパラメータの決定を可能とするものであり、本発明によると、グレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、ブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定することができ、従来のように試行錯誤的にモデル構造のパラメータを決定する必要がない。
本件発明者は、ブラックボックスモデルのパラメータをグレーボックスモデルのパラメータに変換する所定の変換式が存在することを見出した。
本発明によると、かかる所定の変換式により導出して、ブラックボックスモデルのパラメータからグレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを算出することができる。
ここで、モデル要素とは、制御対象や計測対象などの想定している対象をモデル化するのに必要なものをいう。このモデル要素は、物理量、例えば、温度、圧力、流量、速度あるいは液位を、その出力として把握できるものである。このモデル要素は、例えば、熱処理盤の温度制御、容器の圧力制御、タンクの液位制御を想定すると、入力、例えば、熱流(熱量)、気流、液体流量に対して、出力を、物理量、例えば、温度、圧力、液位として与えるものであり、容量成分、例えば、熱容量、容器体積、タンク断面積を有するものである。
したがって、容量成分を有するものを、モデル要素として把握することができ、例えば、熱容量の大きな金属製の支持構造体に固定された熱処理盤によるウェハの熱処理を想定すると、熱容量を有する塊である熱処理盤、ウェハ、支持構造体などをモデル要素として把握することができ、または、熱処理盤を複数チャンネルのヒータで温度制御する場合には、各チャンネルのヒータに割当てられる熱処理盤の各部分を、モデル要素として把握することができる。
このように、制御対象や計測対象などの注目している対象の特性や構成などに応じて、モデル要素を規定すればよい。
発明のモデル構造のパラメータ決定装置は、入出力が複数点の熱系の干渉がある制御対象のモデル構造のパラメータを、前記制御対象のブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定するパラメータ決定装置であって、前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めたパラメータを用いて、所定の変換式により導出して、前記モデル構造のパラメータを決定するものであり、前記モデル構造が、複数入力および複数出力を備え、かつ、1入力1出力の複数のモデル要素と、前記両モデル要素の間の出力差を、各モデル要素の入力側にそれぞれフィードバックする一つ以上のフィードバック要素とを備え、前記モデル構造の前記モデル要素の伝達関数が一次遅れ要素であり、前記所定の変換式が、前記一次遅れ系の伝達関数の定常ゲインおよび時定数を、前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めた前記パラメータから算出する式を含むものである。
本発明によると、パラメータを決定する手法がないと考えられていたグレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、モデル対象の入力を変化させたときの出力の変化に基づいて、決定することができる。
ブラックボックスモデルのパラメータは、当該パラメータ決定装置に設定入力できるようにしてもよいし、あるいは、当該パラメータ決定装置で求めるようにしてもよい。
本発明によると、グレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、ブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定することが可能となり、従来のように試行錯誤的にモデル構造のパラメータを決定する必要がない。
本発明の制御装置は、複数入力および複数出力を備え、前記複数出力の間の出力差を、入力側にフィードバックするモデル構造を、制御対象のモデルとして制御を行う制御装置であって、前記請求項2に記載のパラメータ決定装置を備え、該パラメータ決定装置によって前記モデル構造のパラメータを決定するものである。
モデル構造を用いた制御には、例えば、非干渉化制御、カスケード制御、モデル予測制御、スミス補償型制御等の各種の制御を含むものである。
パラメータ決定装置は、当該制御装置に内蔵させてもよい。
本発明によると、グレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、ブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定することが可能となり、パラメータが決定したモデル構造を用いて各種の制御を行なうことが可能となる。
発明の温度調節器は、複数入力および複数出力を備え、前記複数出力の間の出力差を、入力側にフィードバックするモデル構造を、制御対象のモデルとして温度制御を行う温度調節器であって、前記請求項2に記載のパラメータ決定装置を備え、該パラメータ決定装置によって前記モデル構造のパラメータを決定するものである。
本発明によると、グレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、ブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定することが可能となり、パラメータが決定したモデル構造を用いて各種の温度制御を行なうことが可能となる。
発明の温度調節器は、好ましくは、前記制御対象からの複数の検出温度に基づいて、前記制御対象に対する操作量をそれぞれ出力する複数の温度制御部と、各温度制御部による制御が、他の温度制御部による制御に与える影響をなくす又は低減するように、各温度制御部からの操作量を処理して前記制御対象に対して出力する非干渉部とを備え、前記非干渉部は、前記モデル構造を用いて非干渉化するものであって、該モデル構造が、検出温度の差を、操作量側にフィードバックするものである。
非干渉化制御では、モデル構造の全てのパラメータを決定する必要はなく、出力側の差を、入力側にフィードバックするフィードバック要素のパラメータが決定できればよいので、例えば、システム同定のような複雑な処理を必要としない。
この実施形態によると、モデル構造のパラメータを容易に設定して高精度の非干渉化が可能となる。
本発明によれば、パラメータを決定する手法がないと考えられていたグレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、モデル対象の入力を変化させたときの出力の変化に基づいて、決定することができる。
また、グレーボックスモデルであるモデル構造のパラメータを、ブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定することが可能となり、従来のように試行錯誤的にモデル構造のパラメータを決定する必要がない。
また、モデル対象の入力に対する出力に基づいて、すなわち、モデル対象の特性に基づいて、モデル構造の各要素の抵抗成分のパラメータを決定することができる。
本発明の温度調節器を用いた温度制御システムの概略構成図である。 図1の非干渉化器8および制御対象モデルであるモデル構造1のブロック線図である。 所定の変換式の導出過程を説明するための図である。 本発明の他の実施の形態のモデル構造のブロック線図である。 定常状態に対応する図4のブロック線図である。 制御対象を説明する図である。 図6を近似した電気的な等価回路である。 図7の熱容量C=0としたときの電気的な等価回路である。 ステップ入力P11を入力したときの等価回路である。 ステップ入力P22を入力したときの等価回路である。 ステップ入力P33を入力したときの等価回路である。 本発明の他の実施形態に係る温度制御システムの概略構成図である。 図12の非干渉化器8−1および制御対象モデルであるモデル構造1−1のブロック線図である。 熱抵抗の計測の他の実施形態を説明するための図である。 ステップ応答波形の最大傾きを示す図である。 各チャンネルの最大傾きの計測を説明するための図である。 リミットサクルによる最大傾きの計測を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る温度制御システムの概略構成図である。 本発明の他の実施形態のモデル構造を示す図である。 従来例の非干渉化制御の構成図である。 先に提案しているモデル構造を示す図である。
符号の説明
1,1−1 モデル構造 5,5−1,5−2 温度調節器
6 制御対象 8,8−1 非干渉化器
52,53,60〜60 モデル要素
50,51,6112〜61(n−1)n フィードバック要素
70,70−1,70−2 パラメータ決定器
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、非干渉化制御を行なう本発明の温度調節器5を用いた温度制御システムの構成図である。
この実施の形態の温度調節器5は、上述の特許文献1で提案しているモデル構造を用いて非干渉化を行なうものであり、モデル構造のパラメータを決定するパラメータ決定器70を内蔵しており、このパラメータ決定器70は、パラメータを決定する際には、各目標温度SP,SPを後述のように変化させる。
この温度調節器5は、制御対象6からの二つの検出温度y,yと各目標温度SP,SPとの偏差に基づいて、操作量u’,u’をそれぞれ演算出力する二つのPID制御部7,7と、両PID制御部7,7からの操作量u’,u’を、モデル構造を用いて非干渉化するように処理して制御対象6に対して出力する非干渉化器8と、決定したパラメータを非干渉化器8に設定する上述のパラメータ決定器70とを備えている。
両PID制御部7,7、非干渉化器8およびパラメータ決定器70などは、例えば、マイクロコンピュータによって構成されている。
図2は、この非干渉化器8およびモデル構造1のブロック線図であり、モデル構造1は、制御対象6をモデル対象としてモデル化したものである。
この実施の形態のモデル構造1は、2入力(u,u)2出力(y,y)の熱干渉系の制御対象の熱モデルであり、2チャンネルのモデル構造である。
入力u,uとしては、例えば、熱処理盤や熱処理炉などの制御対象をそれぞれ加熱する二つのヒータ出力に対応する操作量を、また、出力y,yとしては、例えば、制御対象6の温度をそれぞれ検出する二つの温度センサからの検出温度である制御量を想定することができる。
このモデル構造1は、2出力y,yの差を、減算部2で算出し、二つのフィードバック要素50,51をそれぞれ介して2入力u,uに、減算部3および加算部4を介して正負を異ならせてそれぞれフィードバックするフィードバック構造型のモデルである。
なお、他の実施の形態として、二つのフィードバック要素50,51は、共通の一つのフィードバック要素で構成してもよく、この場合には、上述の図21に示すモデル構造となる。
この例では、熱処理盤や熱処理炉などの制御対象の二つのヒータに割当てられた部分、すなわち、各チャンネルchに対応する制御対象を、モデル要素52,53としてそれぞれ把握するものであり、A11,A22は、各入力u,uから各出力y,yへのモデル要素52,53の伝達関数であり、A12,A21は、フィードバック要素50,51の伝達関数である。
このモデル構造1は、各モデル要素52,53の出力である2出力y,yの差、すなわち、温度差を、干渉の度合い等に対応するフィードバック要素50,51を介して各モデル要素52,53の入力である2入力u,u、すなわち、熱量に対応する操作量に、正負を異ならせてそれぞれフィードバックするものである。
このモデル構造1は、温度差によって、一方のチャンネルchから他方のチャンネルchへ熱量の移動が生じ、前記一方のチャンネルchは熱量が奪われ(負)、前記他方のチャンネルchには熱量が足される(正)という熱干渉の現象をブロック線図で表したものであり、温度差モデルと称することができる。
この実施の形態のモデル構造1は、熱系の制御対象の干渉は、二つの温度があって、温度の差ができたときに、その温度差に比例した熱量の移動が起こるというフーリエの法則を意味している。
フィードバック要素50,51は、温度差によってどれだけ熱量が移動するかの比率である。
この実施の形態では、モデル要素52,53の伝達関数A11,A22を、一次遅れ系とし、フィードバック要素50,51の伝達関数A12,A21を定値としている。
すなわち、
11=K/(1+Ts)
12=K
21=K
22=K/(1+Ts)
ここで、伝達関数A11,A22の定常ゲインをK,K、時定数をT,Tとし、伝達関数A12,A21の定値をK,Kとしている。sはラプラス変換の演算子である。
非干渉化器8は、図2に示すように、制御対象6のモデル構造1の二つの出力y,yの差を算出する減算器9と、この減算器9からの出力がそれぞれ与えられる補償要素50’,51’と、この補償要素50’,51’の出力を、入力される操作量u’,u’に、加算または減算する加算器10および減算器11とを備えている。
補償要素50’,51’は、制御対象6のモデル構造1のフィードバック要素50,51にそれぞれ対応するものである。この補償要素50’,51’の伝達関数A’12,A’21は、フィードバック要素50,51の伝達関数A12,A21と等しく、各補償要素50’,51’の出力を、入力される操作量u’,u’に対して、モデル構造1のフィードバック要素50,51の各出力とは正負を逆にしてフィードバックしている。これによって、非干渉化器8では、制御対象6の干渉を打ち消すようにしている。
このように非干渉化制御においては、制御対象6のモデル構造1のフィードバック要素50,51の伝達関数A12,A21さえ決まれば、モデル要素52,53の伝達関数A11,A を求める必要はない。
次に、このモデル構造1のパラメータの決定方法について説明する。
モデル構造1は、出力側の差を、入力側にフィードバックするものであり、例えば、温度差によって熱量の移動が生じるといった自然現象に即したものであり、物理的な情報とブラックボックスのブロックとを組み合わせたグレーボックスモデルである。
かかるグレーボックスモデルでは、そのパラメータを決定する手法はないと考えられていたが、本件発明者は、ブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定する手法を見出した。
本件発明者は、ブラックボックスモデルのパラメータをグレーボックスモデルのパラメータに変換する所定の変換式が存在することを見出した。
この実施形態では、上述の図20の従来例のモデルを、ブラックボックスモデルとしてシステム同定によってそのパラメータを算出し、このパラメータを用いて、所定の変換式に従って、図2のグレーボックスモデルであるモデル構造1のパラメータを算出するものである。
この実施形態のパラメータの決定方法では、先ず、図21の従来のブラックボックスモデルを、ARXモデルを用いてシステム同定し、下記の数1〜数4に示されるARXモデル(離散システム)を求める。
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
ARXモデルの分子および分母の次数は、モデル構造の入力に対する出力をラプラス変換の演算子sの多項式で表したときの分子および分母の次数に応じて決定される。
なお、qはシフトトオペレータ、aAR11,aAR12は、分母におけるパラメータを、bAR11,bAR12,bAR21,bAR31,bAR41,bAR42は、分子におけるパラメータをそれぞれ示し、添え字のARは、ARXモデルのパラメータであることを示している。
次に、得られたARXモデル(離散システム)を、後進差分近似によって連続システムに変換する。これによって、連続システムにおけるブラックボックスモデルの伝達関数P11(s),P12(s),P21(s),P22(s)は、以下の数5〜数8で示すように定義される。
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
ここで、Kp1〜Kp4、ap11,ap12,bp11,bp41は、下記の数9〜数16の通りである。
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
なお、ΔTはサンプリング時間である。
ARXモデルの次数決定後の式導出の手順は、従来公知の手法の組合せであり、その詳細は、例えば、「制御のためのシステム同定」、足立修一著、東京電機大学出版局の第6章パラメトリックモデルの同定p89〜p93に開示されている。
次に、連続システムに変換された図20の従来のブラックボックスモデルのパラメータを用いて、所定の変換式に従って、図2のモデル構造1のパラメータを、決定するものである。
この実施の形態では、上述の数5〜数8に示される従来のブラックボックスモデルのパラメータKp1〜Kp4、bp11,bp41を用いて、モデル構造1のパラメータである上述の定常ゲインK〜Kおよび時定数T,Tを、所定の変換式である下記の数17〜数22を用いて算出するものである。
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
Figure 0004626650
以上のようにしてモデル構造1の伝達関数A11,A12,A21,A22のパラメータである定常ゲインK〜Kおよび時定数T,Tを決定するものである。
したがって、この実施の形態では、従来と同様に、システム同定を行って、図20の制御対象30のモデルであるブラックボックスモデルのパラメータKp1〜Kp4、bp11,bp41を算出し、さらに、このパラメータKp1〜Kp4、bp11,bp41を用いて、上述の数17〜数22の所定の変換式に従って、モデル構造1のパラメータである定常ゲインK〜Kおよび時定数T,Tを決定する。この内、フィードバック要素50,51のパラメータである定常ゲインK,Kを用いて非干渉化器8の補償要素50’,51’の伝達関数A’12,A’21のパラメータである定常ゲインK,Kを自動的に設定し、非干渉制御を行うものである。
次に、上述の所定の変換式である数17〜数22の導出の過程について、説明する。
図3は、この導出過程を説明するための図であり、この図3においては、モデル構造を「A構造」、図20のブラックボックスモデルを「P構造」として示している。
先ず、モデル構造1とブラックボックスモデルの二つの定義から、モデル構造1の各要素50〜53の伝達関数(A11,A12,A21,A22)に対するブラックボックスモデルの各要素の伝達関数(P11,P12,P21,P22)の関係式P=f(A)を導出する。
次に、モデル構造1の各要素の伝達関数(A11,A12,A21,A22)の条件、この実施の形態では、上述の伝達関数A11,A22を、一次遅れ系とし、伝達関数A12,A21を定値とする条件を、上述の関係式P=f(A)に代入し、モデル構造1の各要素中のパラメータ(K,T)に対するブラックボックスモデルの各要素中のパラメータ(a,b)の関係式a=f(K,T)とb=f(K,T)とを導出する。
最後に、入力と出力との関係が逆になるように、ブラックボックスモデルの各要素中のパラメータ(a,b)に対するモデル構造1の各要素50〜53中のパラメータ(K,T)の関係を計算し、K=f(a,b)とT=f(a,b)である上述の数17〜数22の所定の変換式を導出する。
以下、更に詳細にこの導出の過程を説明する。
先ず、図20のブラックボックスモデルの入力u,uと出力y,yとの関係式は、下記のようになる。
=P11+P12
=P21+P22
一方、図2のモデル構造1の入力u,uと出力y,yとの関係式は、下記のようになる。

=[A11(1+A2122)/(1+A1112+A2122)]u
+[(A111222)/(1+A1112+A2122)]u

=[(A112122)/(1+A1112+A2122)]u
+[A22(1+A1112)/(1+A1112+A2122)]u
ここで、このモデル構造1の入出力関係式は、下記のようにして導出することができる。
=A11[(u−A12(y−y)] …(1)
=A22[(u+A21(y−y)] …(2)
であるから、
(1)式より
−A12(y−y)=y/A11
−y=[u−(y/A11)]/A12
=y−[u−(y/A11)]/A12
=y−(u/A12)+y/(A1112
=〔1+[1/(A1112)]〕y−(u/A12
(2)式に代入
〔1+[1/(A1112)]〕y−(u/A12
=A22〔u+A21[y−y+(u/A12)−(y/(A1112))]〕
=A22〔u+A21[−(y/(A1112))+(u/A12)]〕
=−(A2221/A1112)+(A2122/A12)+(A22
したがって、
[1+(1/(A1112))+(A2221/A1112)]y
=((1/A12)+(A2122/A12))u+A22
両辺に(A1112)を掛ける。
(A1112+1+A2221)y=(A11+A112122)u+A112122
(1+A1112+A2122)y=A11(1+A2122)u+A112122
したがって、上述のyについての関係式である

=[A11(1+A2122)/(1+A1112+A2122)]u
+[(A111222)/(1+A1112+A2122)]u
を導くことができる。
についても同様の計算を行うことにより、上述のyについての関係式を導くことができる。
以上のようにして求めたモデル構造1の上述の入出力関係式とブラックボックスモデルの上述の入出力関係式とに基いて、そのパラメータを比較することにより、下記の式を求めることができる。
11=A11(1+A2122)/(1+A1112+A2122
12=A111222/(1+A1112+A2122
21=A112122/(1+A1112+A2122
22=A22(1+A1112)/(1+A1112+A2122
次に、これらの式に、伝達関数A11,A22を一次遅れ系とし、伝達関数A12,A21を定値とする上述の条件である
11=K/(1+Ts)
12=K
21=K
22=K/(1+Ts)
を代入して計算を行う。
Figure 0004626650
ここで、
10=K+K
11=K
10=1+K+K …(3)
11=T+T+K+K
12=T
また、
Figure 0004626650
ここで、
20=K
20=1+K+K
21=T+T+K+K
22=T
同様に、
21=b30/(a30+a31s+a32
ここで、
30=K
30=1+K+K
21=T+T+K+K
22=T
同様に、
22=b40+b41s/(a40+a41s+a42
ここで、
40=K+K
22=K
40=1+K+K
41=T+T+K+K
42=T
ここで、モデル構造1の内部のパラメータを計算する。
=b10−b30(=K+K−K) …(4)
=b40−b20(=K+K−K) …(5)
=b20÷K÷K(=K÷K÷K) …(6)
=b30÷K÷K(=K÷K÷K) …(7)
=b41÷K(=K÷K
=b11÷K(=K÷K
この式により、KとKが求まり、A12,21が決まった結果フィードバック要素50,51の伝達関数を設定できる。
しかし,ブラックボックスモデルのパラメータを同定する場合、b10/a10は計測できてもb10とa10とを分離して計測できないのでこのままでは求まらない。
そこで計測できる値からモデル構造の内部のパラメータを求める方法を検討する。
11=(b10+b11s)/(a10+a11s+a12
=(b10/a10)・[[1+(b11/b10)s]/[1+(a11/a10)s+(a12/a10)s]]
10/a10=KP1とおく、
P1は定常ゲインとして計測できる値である。
同様に
12=b20/(a20+a21s+a22
=(b20/a20)・[1/[1+(a21/a20)s+(a22/a20)s]]
ここで、前述の計算結果より、次の関係がある。
10=a20=a30=a40
11=a21=a31=a41
12=a22=a32=a42
この関係式を代入する
=(b20/a10)・[1/[1+(a11/a10)s+(a12/a10)s]]
20/a10=KP2とおく。
同様に、
21=b30/(a30+a31s+a32
上述の関係式を代入し、変形すると
=(b30/a10)・[1/[1+(a11/a10)s+(a12/a10)s
30/a10=KP3とおく。
同様に、
22=(b40+b41s)/(a40+a41s+a42
上述の関係式を代入し、変形すると
=(b40/a10)・[[1+(b41/b40)s]/[1+(a11/a10)s+(a12/a10)s
40/a10=Kp4とおく。
簡単に計測できる値=KP1〜KP4を使ってb10〜b40を表わす。
10=a10P1
20=a10P2
30=a10P3
40=a10P4
これらを上述の(4)〜(7)式に代入し、最終的にはA12とA21を計測できる値を用いて求める式を表わす。
=b10−b30
=a10P1−a10P3
=a10(KP1−KP3
=b40−b20
=a10P4−a10P2
=a10(KP4−KP2
=b20÷(K・K
=a10P2÷[a10(KP1−KP3)・a10(KP4−KP2)]
=KP2/[(KP1−KP3)(KP4−KP2)a10
=b30÷(K・K
=a10P3÷[a10(KP1−KP3)・a10(KP4−KP2)]
=KP3/[(KP1−KP3)(KP4−KP2)a10
10を消去するために、上述の(3)式に上記K,K,K,Kの値を代入しa10の式を作る。
・K=[a10P1−KP3)]×[KP2/[[(KP1−KP3)(KP4−KP2)a10]]
=KP2/(KP4−KP2
・K=[KP3/[(KP1−KP3)(KP4−KP2)a10]]×a10(KP4−KP2
=KP3/(KP1−KP3
以上の式を上述の(3)式に代入する。
10=1+K+K
=1+[KP2/(KP4−KP2)]+[KP3/(KP1−KP3)]
=[[(KP4−KP2)(KP1−KP3)+KP2(KP1−KP3)+KP3(KP4−KP2)]]/[(KP4−KP2)(KP1−KP3)]
=(KP1P4−KP2P3)/(KP4−KP2)(KP1−KP3
10の式をKとKの式に代入する。
=[KP2/(KP1−KP3)(KP4−KP2)]・[(KP4−KP2)(KP1−KP3)/(KP1P4−KP2P3)]
=KP2/(KP1P4−KP2P3
=[KP3/(KP1−KP3)(KP4−KP2)]・[(KP4−KP2)(KP1−KP3)/(KP1P4−KP2P3)]
=KP3/(KP1P4−KP2P3
以上のようにして、所定の変換式である数17および数18を導出することができる。
なお、K,KおよびT,Tについても同様に求めて所定の変換式である上述の数19〜数22に導出することができる。
図1に示す構成の非干渉制御では、上述のように、図2に示す補償要素50’,51’の伝達関数A’12,A’21のパラメータである定常ゲインK,Kのみを決定すればよい。これら定常ゲインK,Kは、所定の変換式である数17,数18に示すように、ブラックボックスモデルのパラメータである定常ゲインKP1〜KP4から算出できる。
かかる定常ゲインKP1〜KP4は、例えば、次のようなステップ応答を利用して比較的簡単に求めることができる。
すなわち、図20の従来のブラックボックスモデルにおいて、一方のチャンネルの入力uをステップ状にΔu変化させ、各チャンネルの出力y,yの変化量Δy,Δyを計測する。
これによって、ブラックボックスモデルの伝達関数P11,P21の定常ゲインKP1,KP3を次式で算出できる。
P1=Δy/Δu
P3=Δy/Δu
同様に、他方のチャンネルの入力uをステップ状にΔu変化させ、各チャンネルの出力y,yの変化量Δy,Δyを計測する。
これによって、図20のブラックボックスモデルの伝達関数P12,P22の定常ゲインKP2,KP4を次式で算出できる。
P2=Δy/Δu
P3=Δy/Δu
このようにステップ状の入力に対する出力の変化に基づいて、ブラックボックスモデルのパラメータである定常ゲインKP1〜KP4を求めることができ、この定常ゲインKP1〜KP4から上述の所定の変換式である数17,数18に基づいて、図2に示すモデル構造1の補償要素50’,51’の伝達関数A’12,A’21のパラメータである定常ゲインK,Kを算出し、非干渉制御を行なうことができる。
したがって、この実施形態では、図1に示すパラメータ決定器70は、非干渉化器8による非干渉化を開始する前に、制御対象6に対する操作量u,uがステップ状に変化するように目標値SP,SPをそれぞれ変化させて制御対象6の出力y,yの変化をそれぞれ計測し、そのステップ応答からブラックボックスモデルのパラメータである定常ゲインKP1〜KP4を上述のようにして求め、更に、この定常ゲインKP1〜KP4から所定の変換式に従ってモデル構造1のフィードバック要素50,51の伝達関数A12,21のパラメータである定常ゲインK,Kを算出する。
この算出した定常ゲインK,Kを、非干渉化器8の補償要素50’,51’の伝達関数A’12,A’21のパラメータとして設定し、以後、非干渉化器8による非干渉制御を行なうものである。
したがって、この実施形態によれば、PID定数を決定する従来のオートチューニングと同様に、ステップ応答からブラックボックスモデルのパラメータを求め、更に、モデル構造1のパラメータを決定して非干渉制御を自動的に行なうことが可能となる。
また、非干渉制御ではなく、例えば、モデル予測制御などのようにモデル構造1の全てのパラメータである定常ゲインK〜Kおよび時定数T,Tを決定する必要がある場合には、上述のように、ブラックボックスモデルのパラメータを、従来公知の手法であるシステム同定によって算出する。
例えば、図20のブラックボックスモデルにおいて、一方のチャンネルの入力uをステップ状に変化させ、各チャンネルの出力y,yの変化を計測する。同様に、他方のチャンネルの入力uをステップ状に変化させ、各チャンネルの出力y,yの変化を計測する。
次に、一方のチャンネルの入力uの時系列データと、計測した出力yの時系列データとに基づいて、最小二乗法などを用いて、伝達関数P11のパラメータKp1,bp11を求め、前記一方のチャンネルの入力uの時系列データと、計測した出力yの時系列データとに基づいて、最小二乗法などを用いて、伝達関数P21のパラメータKp3を求める。
同様に、他方のチャンネルの入力uの時系列データと、計測した出力yの時系列データとに基づいて、最小二乗法などを用いて、伝達関数P12のパラメータKp2を求め、前記他方のチャンネルの入力uの時系列データと、計測した出力yの時系列データとに基づいて、最小二乗法などを用いて、伝達関数P22のパラメータKp4,bp41を求める。
さらに、このパラメータKp1〜Kp4、bp11,bp41を用いて、上述の数17〜数22の所定の変換式に従って、モデル構造1のパラメータである定常ゲインK〜Kおよび時定数T,Tを決定するものである。
なお、システム同定においては、入力をステップ状に変化させるステップ応答波形に限らず、リミットサイクル波形やM系列のランダム波形を用いるようにしてもよい。
(実施の形態2)
上述の実施の形態は、2入力2出力のモデル構造であったが、この実施の形態のモデル構造は、N入力N出力(Nは2以上の自然数)のモデル構造に適用して説明する。
この実施の形態は、図21のモデル構造を複数チャンネルに適用したものであり、図4に示すように、複数(n)のモデル要素60〜60は、定常ゲインK〜Kおよび時定数T〜Tを用いた一次遅れ系とし、複数(n−1)のフィードバック要素6112〜61(n−1)nは、熱抵抗θ12〜θ(n−1)nによる定値としている。なお、図4では、入力をP〜P、出力をT〜Tとしている。
ここでは、先ず、定常特性を考え、定常状態からパラメータを求める。
熱系の制御対象の伝達関数G(s)を、一次遅れ系とすると、
G(s)=K/(1+Ts)
となる。ここで、Kは定常ゲイン、Tは時定数、sはラプラス変換の演算子である。
定常状態では、s=0なので、
G(s)=K
となる。
定常ゲインKは、一定値の熱流(入力)Pと定常温度(出力)Tとを使って
K=T/P
と表すことができる。
一方、熱抵抗θは、オームの法則に似せて、熱流Pと温度Tとを用いて
θ=T/P
と表すことができる。
したがって、定常状態では、
K=θ
と表すことができる。
したがって、図4のモデル構造において、定常特性(s=0)のみを考えると、モデル要素60〜60nは、時定数T〜Tの項が消えるとともに、定常ゲインK〜Kを熱抵抗θ〜θに置き換えることができ、図5に示すように、1入力1出力の熱抵抗θ〜θをそれぞれ有する複数(n)のモデル要素60〜60と、モデル要素60〜60の出力の差を入力側にフィードバックする熱抵抗θ12〜θ(n−1)nをそれぞれ有する複数(n−1)のフィードバック要素6112〜61(n−1)nとを備えるモデル構造となる。
この実施形態では、先ず、図5のモデル構造の各要素のパラメータである熱抵抗θ〜θ,θ12〜θ(n−1)nを、次のようにして求めるものである。
すなわち、第1の入力Pにステップ入力P11を入力したときに、定常状態で計測される各出力T〜Tの変化を、T11〜T1nとし、第2の入力Pにステップ入力P22を入力したときに、定常状態で計測される各出力T〜Tの変化を、T21〜T2nとし、同様に、第nの入力Pにステップ入力Pnnを入力したときに、定常状態で計測される各出力T〜Tの変化を、Tn1〜Tnnとすると、各要素の熱抵抗θ〜θ,θ12〜θ(n−1)nは、下記の数25,数26で算出することができる。
なお、制御対象を熱処理盤とすると、ステップ入力P11〜Pnnとしては、熱処理盤を加熱するヒータ出力、例えば、100Wを想定することができ、定常状態で計測される各出力T〜Tの変化であるT11〜Tnnとしては、温度変化,例えば、室温からの温度差を想定することができる。
Figure 0004626650
Figure 0004626650
上記式によって、各要素の熱抵抗が算出できる理由について、以下に説明する。
元々、制御対象は、分布定数系であり、例えば、制御対象としての熱処理盤を、複数チャンネルで温度制御する場合を想定すると、図6に示すように、制御対象62である熱処理盤の入力は、複数のヒータの熱量P〜Pであり、熱抵抗を介して複数のセンサの温度T〜Tに干渉する。なお、Cは、熱処理盤の各部分の熱容量である。
この分布定数系を、集中定数系に近似すると、図7のような電気的な等価回路で示すことができる。
ここでは、定常状態からパラメータを求めるので、熱容量Cを無視することができ、図8に示す電気的な等価回路となり、これは、上述の図5に示すモデル構造と等価となる。
定常ゲインの数値だけを扱う定常状態で考えるということは、時定数に含まれる熱容量Cの影響を無視できるからである。
ここで、n=3のときに、
第1の入力Pに、P11のステップ入力を入力して定常状態を見ると、図9に示すように、
Ps=T11/θ
Ps=T12/θ
Ps=T13/θ
したがって、
11=Ps+Ps+Ps
11=T11/θ+T12/θ+T13/θ …(8)
また、図10に示すように、第2の入力Pに、P22のステップ入力を入力し、同様に、
22=T21/θ+T22/θ+T23/θ …(9)
更に、図11に示すように、第3の入力Pに、P33のステップ入力を入力し、同様に、
33=T31/θ+T32/θ+T33/θ …(10)
上記式(8)、(9)、(10)より、
Figure 0004626650
したがって、
Figure 0004626650
この式より、熱抵抗θ〜θが導出される。
また、第1の入力P1に、P11のステップ入力を入力したときのデータから下記の式が成立する。
11−T12=θ12(P11−Ps
12−T13=θ23(P11−Ps−Ps
したがって、
θ12=(T11−T12)/(P11−Ps
θ23=(T12−T13)/(P11−Ps−Ps
上述のPs=T11/θ,Ps=T12/θ,Ps=T13/θを代入すると、
θ12=(T11−T12)/(P11−T11/θ) …(12)
θ23=(T12−T13)/(P11−T11/θ−T12/θ)…(13)
上記式(11),(12),(13)を、n点に拡張することにより、上述の数25,数26の結論の式を得ることができる。
以上のようにして、定常状態から図5のモデル構造の各要素のパラメータである熱抵抗θ〜θ,θ12〜θ(n−1)nを求めることができる。
次に、図4のモデル構造を参照して、時定数Tは、熱容量Cと熱抵抗θとの積C・θで表されるから、図4のモデル要素60〜60の時定数T〜Tは、熱容量C〜Cと熱抵抗θ〜θとを用いて、
〜T=C・θ〜C・θ
で表すことができる。
制御対象62として熱処理盤を想定すると、その材質および寸法から熱容量Cを求めることが可能である。
したがって、ユーザが、固定の熱容量Cを設定することによって、上述のようにして得られた熱抵抗θ〜θ,θ12〜θ(n−1)nおよび設定された熱容量Cから図4に示すモデル構造におけるモデル要素60〜60のパラメータおよびフィードバック要素61〜61(n−1)nのパラメータを決定することができる。
すなわち、一次遅れ系のパラメータである定常ゲインK〜Kは、熱抵抗θ〜θとして決定され、時定数T〜Tは、熱抵抗θ〜θと、ユーザによって設定された熱容量C〜Cとの積(C・θ〜C・θ)として決定され、フィードバック要素61〜61(n−1)nの定値が、熱抵抗θ12〜θ(n−1)nから決定されることになる。
したがって、この実施の形態においても、上述の実施の形態と同様に、モデル要素60〜60は、一次遅れ系であり、フィードバック要素61〜61(n−1)nは、定値である。
図12は、この実施形態を、2チャンネルの非干渉化制御に適用した温度制御システムの構成図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
また、図13は、図12の非干渉化器8−1および制御対象6のモデル構造1−1のブロック線図であり、図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
このモデル構造1−1は、図4の複数チャンネルのモデル構造を、2チャンネルに適用したものであり、非干渉化器8−1は、制御対象6のモデル構造の二つの出力y,yの差を算出する減算器9と、この減算器9からの出力が与えられる補償要素6112’と、この補償要素6112’の出力を、入力される操作量u’,u’に、加算または減算する加算器10および減算器11とを備えている。
この補償要素6112’は、モデル構造1−1のフィードバック要素6112に対応するものである。
この補償要素6112’の伝達関数は、フィードバック要素6112の伝達関数と等しく、補償要素6112’の出力を、入力される操作量u’,u’に対して、モデル構造1−1のフィードバック要素6112の出力とは正負を逆にしてフィードバックしている。
パラメータ決定器70−1は、非干渉化器8−1による非干渉化を開始する前に、次のようにして、熱抵抗θ,θ,θ12を算出する。
すなわち、制御対象6に対する一方のチャンネルの操作量がステップ状に100%変化するように目標値SPを変化させ、制御対象6の出力の変化を計測する。同様に、制御対象6に対する他方のチャンネルの操作量がステップ状に100%変化するように目標値SPを変化させ、制御対象6の出力の変化を計測する。
その計測結果から上述の数25,数26に従って熱抵抗θ,θ,θ12を算出し、非干渉化器8−1の補償要素6112’のパラメータである熱抵抗1/θ12を設定し、以後、非干渉化器8−1による非干渉制御を行なうものである。
また、非干渉制御ではなく、例えば、モデル予測制御などのようにモデル構造1−1の全てのパラメータK(=θ),K(=θ),T(=C・θ),T(=C・θ)を決定する必要がある場合には、上述のように、ユーザが、固定の熱容量C,Cを図示しない設定部からパラメータ設定器70−1に設定することによって、算出された熱抵抗θ,θを用いて決定できることになる。
この実施の形態によれば、3点以上の多チャンネルの制御に適用できることになる。
この実施形態では、ステップ入力によって熱抵抗を求めたけれども、本発明の他の実施形態として、定常状態において、例えば、一つの入力のみを残して他の入力を全てオフし、その入力と出力とに基づいて、熱抵抗を求めるようにしてもよい。
例えば、3チャンネルの場合について説明すると、定常状態において、図14に示すように、各チャンネルのch1〜ch3の操作量uおよび温度yが安定している状態で、例えば、同図(a)に示すように、第1のチャンネルch1以外のチャンネルch2,ch3の操作量uを全てオフにすることにより、上述の図9と等価な状態となり、第1のチャンネルch1の操作量uが、図9のP11に対応し、各チャンネルの温度変化が、T11,T12,T13に対応することになる。したがって、定常状態において、各チャンネル毎に、当該チャンネルのみを残して他の全てチャンネルの操作量をオフして温度を計測することにより、上述と同様にして熱抵抗を求めることができる。これによって、例えば、耐熱の限界でステップ入力を使用するのが困難なシステムにも適用することができる。以上は1チャンネルの操作量のみを残す簡単な例であったが、複数のチャンネルの操作量を残して他のチャンネルの操作量をオフする場合にも、方程式を解くことにより、熱抵抗を求めることができる。
(実施の形態3)
上述の実施の形態2では、モデル予測制御などのようにモデル構造1−1の全てのパラメータを決定するためには、ユーザが熱容量Cを設定する必要があり、面倒である。
そこで、この実施形態では、図4のモデル構造の各チャンネルの時定数T〜T=C・θ〜C・θを規定する熱容量Cを、ユーザが設定することなく、制御対象6のステップ応答波形の最大傾きRから求めるものである。
ここで、図15(a)に示されるステップ状の入力uに対する図15(b)に示される制御対象の出力yの応答波形においては、その最大傾きRは、定常ゲインKと時定数Tとによって、次式で表される。
R=K/T
ここで、定常ゲインKは、上述のように熱抵抗θで表すことができ、また、時定数Tは、熱容量Cと熱抵抗θとの積で表されるので、
R=K/T=θ/C・θ=1/C
となる。
すなわち、熱容量Cは、
C=1/R
となる。
したがって、制御対象のステップ応答波形の最大傾きRを計測することによって、熱容量Cを求めることができる。
すなわち、各チャンネル毎に、100%のステップ状の操作量を入力して、その応答波形から最大傾きRを計測し、熱容量Cを算出するものである。
例えば、図16(a)に示すように、第1のチャンネルch1に、ステップ状に100%の操作量を入力し、同図(b)に示すように、第1のチャンネルch1の応答波形から第1のチャンネルの最大傾きRを計測する。
このとき、他のチャンネルch2〜chnの影響を受けないように、すなわち、他のチャンネルch2〜chnの温度が変化しない期間tを利用して最大傾きRを計測する。
以下、同様にして残りのチャンネルch2〜chnについても順番に100%のステップ状の操作量を入力し、その応答波形から最大傾きR〜Rをそれぞれ計測する。
以上のようにして各チャンネルch1〜chnの最大傾きR〜Rを計測することにより、次式に従って、各チャンネルch1〜chnの熱容量C〜Cを算出することができる。
〜C=1/R〜1/R
したがって、この実施形態では、上述の実施の形態2と同様にして、図4のモデル構造の熱抵抗θ〜θ,θ12〜θ(n−1)nを求める一方、ステップ応答波形の最大傾きR〜Rから求めた熱容量C〜Cから各要素のパラメータを求めることが可能となり、上述の実施の形態2のようにユーザが熱容量C〜Cを設定することなく、モデル構造の各要素のパラメータを算出できることになる。
また、ステップ状の入力を与えてその応答波形を計測する、すなわち、入力の変化に対する出力の変化を計測するので、その計測結果を利用して、上述の実施形態2と同様にして、熱抵抗θ〜θ,θ12〜θ(n−1)nを併せて求めるようにしてもよい。
すなわち、熱容量を求めるための計測と熱抵抗を求めるための計測とを、個別に行なってもよいし、同時に行なってもよい。
なお、この実施形態では、ステップ応答波形から最大傾きRを求めたけれども、他の実施形態として、図17に示すように、リミットサイクル波形から最大傾きRを求めるようにしてもよい。
例えば、図17(a)に示すように、第1のチャンネルch1の操作量uのみを、オン/オフさせてΔu変化させ、その応答波形の傾きの変化ΔRから次式で最大傾きRを算出するものである。
R=ΔR/Δu
図18は、この実施形態を、2チャンネルの非干渉化制御に適用した温度制御システムの構成図であり、図12に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態のパラメータ決定器70−2は、非干渉化器8−1による非干渉化を開始する前に、制御対象6に対する操作量がステップ状に変化するように目標値SP,SPをそれぞれ順番に変化させて制御対象6の出力の変化をそれぞれ計測し、上述の数25,数26に従って熱抵抗θ,θ,θ12を算出する一方、各チャンネルの最大傾きR,Rを計測して各チャンネルの熱容量C,Cを算出するものであり、モデル構造1−1の全てのパラメータK(=θ),K(=θ),T(=C・θ),T(=C・θ)を決定することができる。
この実施形態では、パラメータ決定器70−2は、全てのパラメータの内、非干渉化器8−1の補償要素6112’のパラメータである熱抵抗1/θ12を設定し、以後、非干渉化器8−1による非干渉制御を行なうものである。
このように、制御対象6に対する操作量を変化させてその応答波形を計測することにより、熱抵抗θ,θ,θ12および最大傾きR,Rを計測してモデル構造1−1の全てのパラメータを決定できるので、ユーザが熱抵抗を設定するといったことが不要となり、自動的に全てのパラメータを決定することができる。
(その他の実施形態)
本発明の他の実施形態のモデル構造として、各チャンネル間のヒータ容量にバラツキがあるような場合には、例えば、図19に示すように、それを補正する補正値H〜Hn−1を含む構成としてもよい。
上述の各実施形態では、パラメータ決定器を内蔵したけれども、パラメータ決定器を個別の装置としてもよい。
本発明は、モデルを用いて各種の計測や制御などに有用である。

Claims (5)

  1. 入出力が複数点の熱系の干渉がある制御対象のモデル構造のパラメータを、前記制御対象のブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定する方法であって、
    前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めたパラメータを用いて、所定の変換式により導出して、前記モデル構造のパラメータを決定するものであり、
    前記モデル構造が、複数入力および複数出力を備え、かつ、1入力1出力の複数のモデル要素と、前記両モデル要素の間の出力差を、各モデル要素の入力側にそれぞれフィードバックする一つ以上のフィードバック要素とを備え、
    前記モデル構造の前記モデル要素の伝達関数が一次遅れ要素であり、
    前記所定の変換式が、前記一次遅れ系の伝達関数の定常ゲインおよび時定数を、前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めた前記パラメータから算出する式を含むモデル構造のパラメータ決定方法。
  2. 入出力が複数点の熱系の干渉がある制御対象のモデル構造のパラメータを、前記制御対象のブラックボックスモデルのパラメータを用いて決定するパラメータ決定装置であって、
    前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めたパラメータを用いて、所定の変換式により導出して、前記モデル構造のパラメータを決定するものであり、
    前記モデル構造が、複数入力および複数出力を備え、かつ、1入力1出力の複数のモデル要素と、前記両モデル要素の間の出力差を、各モデル要素の入力側にそれぞれフィードバックする一つ以上のフィードバック要素とを備え、
    前記モデル構造の前記モデル要素の伝達関数が一次遅れ要素であり、
    前記所定の変換式が、前記一次遅れ系の伝達関数の定常ゲインおよび時定数を、前記ブラックボックスモデルのシステム同定によって求めた前記パラメータから算出する式を含むモデル構造のパラメータ決定装置。
  3. 複数入力および複数出力を備え、前記複数出力の間の出力差を、入力側にフィードバックするモデル構造を、制御対象のモデルとして制御を行う制御装置であって、
    前記請求項2に記載のパラメータ決定装置を備え、該パラメータ決定装置によって前記モデル構造のパラメータを決定する制御装置。
  4. 複数入力および複数出力を備え、前記複数出力の間の出力差を、入力側にフィードバックするモデル構造を、制御対象のモデルとして温度制御を行う温度調節器であって、
    前記請求項2に記載のパラメータ決定装置を備え、該パラメータ決定装置によって前記モデル構造のパラメータを決定する温度調節器。
  5. 前記制御対象からの複数の検出温度に基づいて、前記制御対象に対する操作量をそれぞれ出力する複数の温度制御部と、
    各温度制御部による制御が、他の温度制御部による制御に与える影響をなくす又は低減するように、各温度制御部からの操作量を処理して前記制御対象に対して出力する非干渉部とを備え、
    前記非干渉部は、前記モデル構造を用いて非干渉化するものであって、該モデル構造が、検出温度の差を、操作量側にフィードバックするものである請求項4に記載の温度調節器。
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