JP3924406B2 - アルミナ質焼結体及びその製造方法、並びに配線基板及びその製造方法 - Google Patents

アルミナ質焼結体及びその製造方法、並びに配線基板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温焼結性、高強度、高熱伝導性に優れ、且つ低誘電損失のアルミナ質焼結体とその製造方法に関し、さらには、かかる焼結体を絶縁基板として用いた半導体素子収納用パッケージや多層配線基板等に適用される配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導体装置から発生する熱も増加している。半導体装置の誤動作をなくすためには、このような熱を装置外に放出可能な配線基板が必要とされている。一方、電気的な特性としては、演算速度の高速化により、信号の遅延が問題となり、導体損失の小さい、つまり低抵抗の導体を用いることが要求されてきた。
【0003】
このような半導体素子を搭載した配線基板としては、その信頼性の点から、アルミナセラミックスを絶縁基板とし、その表面あるいは内部にタングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配線層を被着形成したセラミック配線基板が多用されている。ところが、従来から多用されている高融点金属からなる配線層では、抵抗を高々8mΩ/□程度までしか低くできず、そのため放熱性に関しても放熱フィンの接合やサーマルビア等により改善を図っているが、Wメタライズ自体の熱伝導性が悪い為に、大きな効果は得られない。
【0004】
これに対して、近年に至り、低抵抗導体である銅や銀と同時焼成可能な、いわゆるガラスセラミックスを用いた多層配線基板が提案されている。ところが、ガラスセラミックスの熱伝導率は高々数W/m・Kしかなく、前記熱的問題を解決することが難しくなってきている。この問題に対してアルミナなどと同様にサーマルビアを形成することにより、配線基板としての熱伝導を十数W/m・K程度まで改善することができる。しかし、近年の動向としては、更に小型化が進み、配線基板としてもサーマルビアだけでは対応できない状況にある。
【0005】
そこで、アルミナ配線基板において配線回路層の低抵抗化を達成するために、アルミナ絶縁基板に対して、銅、または銅とタングステンまたはモリブデンを組み合わせた配線回路層を同時焼成により形成する方法が、特開平8−8502号、特開平7−15101号、特許第2666744号に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−8502号は、そもそもアルミナを緻密化させるために、1600℃以上の高い温度で焼成するものであるが、このような高温で銅およびタングステンからなるペーストを焼成すると、タングステンやモリブデンの急激な焼結が進行して大きな凝集粒子を形成するために溶融した銅成分が表面に分離し、表面配線層ににじみが生じたり、銅の揮散が生じるなど、表面配線層形状の保形性が低下するとともに、組織の不均一性から抵抗も高くなるという問題があった。しかも、配線層中の銅成分が、焼成中に絶縁基板のセラミックス中に拡散し、配線層間の絶縁性が劣化するために、微細な配線層を高密度に形成することが難しいものであった。
【0007】
また、特開平7−15101号によれば、表面配線層は、一旦、すべての配線層を絶縁基板内部に配設して1550℃で同時焼成した後、研磨等により表面の絶縁層を研磨除去して内部配線層を表面に露出させたり、焼成後の配線基板の表面に、厚膜法や薄膜法によって表面配線層を形成するものである。そのために、表面配線層を形成するためには研磨工程、厚膜形成工程、薄膜形成工程などが不可欠の工程となるために、製造工程が多く、歩留りの低下やコスト高となるような問題があった。しかも、焼成温度が高く、表面配線層を研磨することなく形成することはほとんど不可能であった。
【0008】
さらに、特許第2666744号には、絶縁基板を形成するためのセラミック粉末として、平均粒径が5〜50nmの微細なアルミナ粉末を用いることにより、金、銀、銅等などの低抵抗金属の焼成温度に近づけ、900〜1200℃で焼成することにより、絶縁基板と低抵抗金属との同時焼結性を達成したものであるが、このような微粉末は凝集が生じやすく、逆に緻密化が阻害され、また、コスト高であるために、量産性に欠けるという問題があった。
【0009】
アルミナ質焼結体の1500℃以下での低温焼結を達成するためには、特許第2666744号のように使用するアルミナ原料の微粉化を行う以外に、或いは焼結助剤成分を多量に添加することも1つの方法であるが、助剤成分の添加量が増加すると、粒界相に残留するガラスにより、抗折強度、熱伝導率が小さくなるばかりでなく、誘電損失が大きくなり高周波信号の伝送損失に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0010】
従って、本発明は、1500℃の以下の低温で焼成が可能であるとともに、高熱伝導、高強度かつ低誘電損失なアルミナ質焼結体とその製造方法、並びに高熱伝導、高強度かつ低誘電損失な絶縁基板と同時焼成によって形成され、低抵抗の配線回路層を具備してなる配線基板とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に対して検討を重ねた結果、アルミナを主成分とし、MnおよびSiを含み、他の金属元素量を特定範囲に調整するとともに、MnをMnAlとして、SiをMn iO として析出させることにより、1500℃の以下の低温で焼成が可能であり、高熱伝導、高強度かつ低誘電損失となることを見いだし、本発明に至った。
【0012】
即ち、本発明のアルミナ質焼結体は、アルミナを主成分とし、MnをMn換算で2〜15重量%、SiをSiO換算で2〜15重量%、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、MnAlおよびMn iO を含有してなり、且つ第4a族金属元素の酸化物換算による含有量が0.1重量%以下であることを特徴とするものである。
【0013】
また、かかるアルミナ質焼結体は、低温で緻密化できるために、アルミナ結晶粒子の平均粒径が1.0〜5.0μmであることをさらなる特徴とするものである。
【0014】
また、かかるアルミナ質焼結体を製造する方法としては、アルミナ粉末に対して、Mnの酸化物をMn換算で2〜15重量%と、SiOを2〜15重量%、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上の金属酸化物を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、且つ第4a族金属元素の酸化物換算による含有量が0.1重量%以下の混合物を所定形状に成形後、1200〜1250℃の温度で一旦保持してから、1200〜1500℃の酸化性雰囲気中で焼成して相対密度95%以上で、かつ、MnAlおよびMn iO を析出させたアルミナ質焼結体を製造することを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明の配線基板は、セラミック絶縁基板の表面および/または内部に配線回路層が形成されてなるものであって、セラミック絶縁基板として前記アルミナ質焼結体を用いることを特徴とするものであり、その結果、低温での焼結が可能となるために、配線回路層を、Cu、Au、Agの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属との複合導体によって形成することにより、配線回路層の低抵抗化とともに絶縁基板との同時焼成によって形成することが可能となる。
【0016】
また、上記配線基板を製造するにあたっては、アルミナ粉末に対して、Mnの酸化物をMn換算で2〜15重量%、SiOを2〜15重量%、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上の金属酸化物を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、且つ第4a族金属元素の酸化物換算による含有量が0.1重量%以下の混合物からなるグリーンシートに、導体ペーストを用いて配線パタ―ンを被着形成した後、1200〜1250℃の温度で一旦保持してから、1200〜1500℃の非酸化性雰囲気中で焼成し、前記グリーンシートを相対密度95%以上で、かつ、MnAlおよびMn iO を析出させたアルミナ質焼結体とすることを特徴とするものであり、前記導体ペーストは、金属成分として、Cu、Au、Agの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属とを含むことによって低抵抗化と同時焼結性および配線回路層の保形性を維持することができ、これにより、配線基板全体の高熱伝導化、高強度化に加え、絶縁層の低損失に伴う信号の伝送損失の低減を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミナ質焼結体は、アルミナを主成分とし、具体的にはアルミナを84重量%以上の割合で含有するもので、相対密度95%以上、特に97%、さらには98%以上の高緻密体からなるものであるが、本発明によれば、かかる焼結体中には、第2の成分として、MnをMn2 3 換算で2〜15重量%の割合で含むことが必要である。これは、Mn成分は、焼結助剤として作用するものであり、このMn量が2.0重量%よりも少ないと、1200〜1500℃での緻密化が達成されず、また10.0重量%よりも多いと、焼結体の絶縁性および熱伝導率が低下するためである。このMnの最適な含有量はMn2 3 換算で3〜10重量%である。
【0018】
また、第3の成分として、Si化合物をSiO2 換算で2〜15重量%の割合で含有することが必要である。このSi化合物量を上記の範囲に限定したのは、上記Si量が2重量%よりも少ないと、焼結性に寄与する液相並びにSi化合物が生成されず、これに伴い緻密化されず、15重量%よりも多いと、熱伝導率の低下、及び誘電損失が増大してしまう。なお、このSiの最適な含有量はSiO2 換算で3〜10重量%である。
【0019】
さらに、第4の成分として、Mg、Ca、Sr、B、Nb、CrおよびCoの内から選ばれる1種以上を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有するものである。かかる成分は、この焼結体を配線基板の絶縁基板として用いる場合、絶縁基板の低温での焼結性を助長する作用をなすものであり、かかる第4成分の含有量が0.1重量%よりも少ないと、1200〜1500℃での緻密化は達成されず、4重量%よりも多いと、熱伝導率が低下し誘電損失が増大する。なお、この第4成分の最適な含有量は酸化物換算による合量で0.2〜2.5重量%である。
【0020】
さらに第5の成分として、W、Moなどの金属を焼結体を黒色化するための成分として、着色成分として2重量%以下の割合で含んでもよい。
【0021】
そして、上記アルミナ結晶粒子の粒界には、少なくとも前記第2〜第4成分が存在するが、これらの成分のうち、少なくとも第2成分であるMn、および第3成分であるSiは、いずれもアルミナ結晶粒子の粒界に、MnAlおよびMn iO として析出していることが重要である。かかる化合物の析出によって、焼結体の熱伝導性を高め、且つ誘電損失を低減することができる。なお、この析出物は、2.0〜10.0重量%の割合で含有されることが望ましい。
【0022】
さらに、本発明のアルミナ質焼結体において、前記主成分となるアルミナは、粒状または柱状の結晶として存在するが、これらアルミナ主結晶相の粒径が大きくなるに従い熱伝導性が向上し、粒径が小さくなるに従い強度が向上する。かかる観点から、高熱伝導性および高強度を具備する上で、アルミナ主結晶相の平均結晶粒径は1.0〜5.0μm、特に1.7〜2.5μmであることが望ましい。なお、主結晶相が柱状結晶からなる場合、上記平均結晶粒径は、短軸径に基づくものである。
【0023】
また、本発明によれば、焼結体中にTiO2 やZrO2 等の周期律表第4a族元素化合物が存在すると、焼結体の誘電損失が増大してしまう。従って、焼結体の低誘電損失化を図る上で、第4a族金属元素の含有量が酸化物換算で0.1重量%以下、特に0.05重量%以下であることも必要である。
【0024】
本発明のアルミナ質焼結体は、上記の構成によって、熱伝導率は10W/m・K以上、特に15W/m・K以上、さらには17W/m・K以上の高熱伝導性を有しつつ、抗折強度350MPa以上、特には400MPa以上であり、また、30GHzの周波数における誘電損失が35×10-4以下、特に30×10-4以下の優れた特性を具備するものである。
【0025】
本発明において、上記のアルミナ質焼結体を製造する方法について具体的に説明する。
ます、アルミナ原料粉末として、平均粒径が0.5〜2.5μm、特に1.0〜2.0μmの粉末を用いる。これは、平均粒径は0.5μmよりも小さいと、粉末の取扱いが難しく、また粉末のコストが高くなり、2.5μm以下とすることで、1500℃以下の焼成での緻密化を促進できるためである。
【0026】
そして、上記アルミナ粉末に対して、第2の成分としてMn2 3 を2〜15重量%、特に3〜10重量%、第3の成分としてSiO2 を2.0〜15.0重量%、特に3〜10重量%の割合でそれぞれ添加する。また、第4の成分として、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種の金属の酸化物を0.1〜4重量%、特に0.2〜2.5重量%の割合で添加する。また、所望により第5の成分として、W、Moなどの遷移金属の金属粉末や酸化物粉末を着色成分として金属換算で2重量%以下の割合で添加する。
【0027】
なお、上記酸化物の添加に当たっては、酸化物粉末以外に、焼成によって酸化物を形成し得る炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などとして添加してもよい。
【0028】
そして、この混合粉末に対して適宜有機バインダーを添加した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの周知の成形方法によって所望の形状に成形する。絶縁層を形成するためのシート状成形体を作製する。
【0029】
また、本発明によれば、焼結体の低誘電損失化を図るために、製造過程で混入する周期律表第4a族元素を低減し、成形体中に含まれる周期律表第4a族元素の量を0.1重量%以下、特に0.05重量%以下となるように調整する。例えば、混合過程で用いるボールミルなどの粉砕メディアとして、ZrO2 ボールを用いることなく、アルミナボールを用いることが必要である。
【0030】
その後、この成形体を酸化性雰囲気、あるいは窒素などの非酸化性雰囲気中で焼成する1200〜1500℃の温度で焼成することにより作製することができる。
【0031】
この時の焼成温度が1200℃より低いと、通常の原料を用いた場合において、相対密度95%以上まで緻密化できず、熱伝導性や強度が低下し、1500℃よりも高いと、アルミナ主結晶相の粒径が大きくなり異常粒成長が発生し、強度が低下してしまう。好適には、1250〜1400℃の範囲がよい。
【0032】
なお、上記焼成過程において、前述したように、MnAl、Mn iO を析出させるために、焼成時の昇温過程で1200〜1250℃の温度で一旦保持する。
【0033】
本発明のアルミナ質焼結体は、配線基板における絶縁基板として好適に用いられる。図1は、本発明の配線基板の一実施態様を示す概略断面図である。図1の配線基板Aによれば、絶縁基板1の表面および内部には、配線回路層2が複数層形成されており、異なる層間の配線回路層2を接続するためのビアホール導体3が形成されている。
【0034】
本発明によれば、上記絶縁基板1として、前述したようなアルミナ質焼結体によって形成する。これによって、配線基板Aとしての高強度化、高熱伝導化および低誘電損失化を図ることができる。
【0035】
また、本発明によれば、配線回路層3は、アルミナ絶縁基板との同時焼結性の点から、従来より、アルミナ絶縁基板に対して、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属を主成分とする導体材料が用いられているが、このような高融点金属からなる配線回路層では、抵抗が高い。
【0036】
そこで、本発明によれば、絶縁基板1を前述したような1200〜1500℃、特に1250〜1400℃で焼結可能なアルミナ質焼結体を用いることから、配線回路層2として、Cu、Au、Agの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属との複合導体によって形成することができる。特に、表面に形成される配線回路層2aを絶縁基板1と同時焼成によって形成する場合、低抵抗金属の融点を超える温度で焼成するために、低抵抗金属の溶融を抑制し配線の形態を保つことが必要となる。そこで、低抵抗化と配線回路層の保形性をともに達成する上で、上記低抵抗金属が10〜70体積%、特に40〜60体積%、前記高融点金属が30〜90体積%、特に40〜60体積%の割合からなることが望ましく、さらには、高融点金属は平均粒径が1〜10μmの粒子として、低融点金属からなるマトリックス中に分散していることが望ましい。
【0037】
なお、内部の配線回路層2bは、前記表面の配線回路層2aと同じ組成、あるいはそれより低抵抗金属の含有量が多くてもよい。
【0038】
また、ビアホール導体3は、上記表面の配線回路層2aと同様の組成からなることが焼成時にビアホール導体3からの導体成分の脱落を防止する上で望ましい。
【0039】
次に、上記の配線基板を製造する場合には、絶縁基板を形成するために、上述したアルミナ質焼結体の製造方法と同様にして混合粉末を調製した後、この混合粉末を用いて絶縁層を形成するためのシート状成形体を作製する。シート状成形体は、周知の成形方法によって作製することができ、例えば、上記混合粉末に有機バインダーや溶媒を添加してスラリーを調製した後、ドクターブレード法によって形成したり、混合粉末に有機バインダーを加え、プレス成形、圧延成形等により所定の厚みのグリーンシートを作製できる。
【0040】
そして、適宜、このグリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径が50〜250μmのビアホールを形成する。
【0041】
このようにして作製したグリーンシートに対して、導体成分として、Cu、Au、Agの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属粉末と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属粉末とを前述した比率で混合してなる金属成分を用いて導体ペーストを調製し、このペーストを各グリーンシートのビアホール内に充填し、またスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により配線パターン状に印刷塗布する。
【0042】
これらの導体ペースト中には、前記金属成分以外に、絶縁層との密着性を高めるためにアルミナ粉末あるいは絶縁基板と同一組成物の混合粉末を添加したり、さらには、Ni等の活性金属、或いはそれらの酸化物を0.05〜2体積%の割合で添加することも可能である。
【0043】
その後、導体ペーストを印刷塗布したグリーンシートを位置合わせして積層圧着した後、この積層体を非酸化性雰囲気中、最高温度が1200〜1500℃、特に1250〜1400℃の温度となる条件で焼成する。また、結晶化を促進するために、焼成時の昇温過程で1200〜1250℃で一次的に保持する。
【0044】
この時の焼成温度が1200℃より低いと、通常の原料を用いた場合において、アルミナ絶縁基板が相対密度95%以上まで緻密化できず、熱伝導性や強度が低下し、1500℃よりも高いと、WあるいはMo自体の焼結が進み、銅の流動により均一組織を維持できなく、強いては低抵抗を維持することが困難となる。また、アルミナ主結晶相の粒径が大きくなり異常粒成長が発生したり、銅がセラミックス中へ拡散するときのパスである粒界の長さが短くなるとともに拡散速度も速くなる結果、拡散距離が30μmを超えて大きくなり、微細配線化を阻害してしまう。
【0045】
また、この焼成時の非酸化性雰囲気としては、窒素、あるいは窒素と水素との混合雰囲気であることが望ましいが、特に、配線層中の銅の拡散を抑制する上では、水素及び窒素を含み露点+30℃以下、特に+25℃以下の非酸化性雰囲気であることが望ましい。なお、この雰囲気には所望により、アルゴンガス等の不活性ガスを混入してもよい。焼成時の露点が+30℃より高いと、焼成中に酸化物セラミックスと雰囲気中の水分とが反応し酸化膜を形成し、この酸化膜と銅含有導体の銅が反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとなるのみでなく、銅の拡散を助長してしまうためである。
【0046】
【実施例】
平均粒径1.8μmのアルミナ粉末に対して、Mn2 3 、SiO2 を表1に示すような割合で添加するとともに、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上を酸化物粉末を表1の割合で添加混合した後、さらに、成形用有機樹脂(バインダー)としてアクリル系バインダーと、トルエンを溶媒として混合してスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて厚さ250μmのシート状に成形した。
【0047】
また、比較のために、一部の試料については、TiO2 、ZrO2 粉末を表1の量で添加した。なお、その他の試料中における周期律表第4a族元素量は酸化物換算で0.05重量%であった。
【0048】
得られたグリーンシートを所定厚みに積層し露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、1250℃で0.5時間熱処理した後、表1に示した焼成温度にて、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間焼成した。なお、試料No.33については、昇温過程での一次熱処理を行わず、すなわち1250℃で保持することなく焼成を行った。
【0049】
得られた焼結体の相対密度をアルキメデス法によって測定するとともに、レーザーフラッシュ法によって熱伝導率(厚さ2mm)を測定した。また積層焼結体を加工し、JISR1601に基づき4点曲げ抗折強度、測定周波数30GHzによる誘電損失を測定した。この時のMnAl、Mn iO 量をX線回折並びにリートベルト解析を用いて定量化した。結果は表2に示した。
【0050】
一方、上記と同様にして作製したグリーンシートに対して、打抜き加工を施し、直径が200μmのビアホールを形成した。そして、金属成分として銅を50体積%、平均粒径が1.5μmのタングステン粉末を50体積%の割合で含む導体成分に、アクリル系バインダーとアセトンを溶媒として混合し、導体ペーストを調製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法によって上記のグリーンシートのビアホール内に充填するとともに、配線パターン状に印刷塗布した。なお、配線パターンは、線幅150μmとなるように調整した。
【0051】
上記のようにして作製した各グリーンシートを位置合わせして4層積層圧着して積層体を作製した。その後、この成形体積層体を露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、1200℃で0.5時間熱処理し、さらに表1に示した焼成温度にて、露点+19℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間焼成した。
【0052】
作製した配線基板における絶縁基板表面の配線回路層の保形性(断線の有無)並びに、組織を走査型電子顕微鏡にてビアホール周囲の組織観察を行いメタライズの状態を調査した。その結果を表2に示した。
【0053】
【表1】
Figure 0003924406
【0054】
【表2】
Figure 0003924406
【0055】
表1、表2に示すように、焼結体中のMn量またはSi量が2重量%よりも少ない試料No.1、2では、絶縁基板の焼結性が十分でなく熱伝導性が劣化し、磁器強度も低いものであり、さらに、Cuが基板側に浸透し配線の断線が生じ、配線基板として使用できなくなった。また、配線基板として、試料No.1では溶融した低抵抗金属がアルミナ質焼結体中に浸透し配線の断線が生じた。また、Mn量、Si量が15重量%よりも多い試料No.9では粒界相にガラス相が増加し熱伝導率が劣化するとともに誘電損失も劣化した。
【0056】
原料粉末の粒径が0.5μmよりも小さい試料No.10では、アルミナ結晶粒径が1μmよりも小さく、また粉末の凝集によって焼結体中に多くの閉気孔が存在し、熱伝導率、抗折強度ともに低くなり、5μmよりも大きい試料No.15では、アルミナ結晶粒径が5μmよりも大きくなり、相対密度も低く、強度が低下した。
【0057】
焼成温度が1200℃よりも低い試料No.16では、相対密度95%以上に緻密化できなかった。第4成分の含有量が0.1重量%以下の試料No.21では、充分に緻密化できず、強度が低下し、4重量%を超える試料No.24では、熱伝導率が低下し、また、誘電損失も増大した。さらに、ZrO、TiO量が0.2重量%よりも多い試料No.25、26では、誘電損失が急激に大きくなった。また、結晶化処理を行わなかった試料No.33では、Mn iO 、MnAlの結晶が析出せず、これに伴い、相対密度は高いものの熱伝導率、強度、誘電損失ともに劣化した。
【0058】
これに対して、本発明の試料は、いずれも熱伝導率は10W/m・K以上、抗折強度350MPa以上、30GHzの周波数における誘電損失が35×10-4以下の優れた特性を具備するものであり、また、配線回路層としてCu−Wの複合導体を用いた場合も良好な配線回路層の形成が可能であった。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のアルミナ質焼結体や配線基板によれば、高熱伝導性のアルミナ質焼結体の組成制御および粒界の結晶化を促進することにより、低温で緻密な焼結体を得ることができ、しかも、高熱伝導性、高強度および低誘電損失を有し、低抵抗金属を含む配線回路層を同時焼成により形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一実施態様を示す概略断面図である。
【符号の説明】
A 配線基板
1 絶縁基板
2 配線回路層
3 ビアホール導体

Claims (8)

  1. アルミナを主成分とし、MnをMn換算で2〜15重量%、SiをSiO換算で2〜15重量%、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、第4a族金属元素の酸化物換算による含有量が0.1重量%以下、相対密度が95%以上であり、且つMnAlおよびMn iO を含有してなることを特徴とするアルミナ質焼結体。
  2. アルミナ質焼結体のアルミナ結晶粒子の平均粒径が1.0〜5.0μmであることを特徴とする請求項1記載のアルミナ質焼結体。
  3. アルミナ粉末に対して、Mnの酸化物をMn換算で2〜15重量%、SiOを2〜15重量%、さらに、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上の金属酸化物を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、且つ第4a族金属元素の酸化物換算による含有量が0.1重量%以下の混合物を所定形状に成形後、1200〜1250℃の温度で一旦保持してから、1200〜1500℃で焼成して相対密度95%以上で、かつ、MnAlおよびMn iO を析出させたアルミナ質焼結体を製造することを特徴とするアルミナ質焼結体の製造方法。
  4. セラミック絶縁基板の表面および/または内部に配線回路層が形成されてなる配線基板において、前記セラミック絶縁基板が、アルミナを主成分とし、MnをMn換算で2〜15重量%、SiをSiO換算で2〜15重量%、さらに、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、第4a族金属元素の含有量が酸化物換算で0.1重量%以下、相対密度が95%以上であり、且つMnAlおよびMn iO を含有してなるアルミナ質焼結体からなることを特徴とする配線基板。
  5. アルミナ質焼結体のアルミナ結晶粒子の平均粒径が1.0〜5.0μmであることを特徴とする請求項4記載の配線基板。
  6. 前記配線回路層が、Cu、Au、Agの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属との複合導体からなることを特徴とする請求項4記載の配線基板。
  7. アルミナ粉末に対して、Mnの酸化物をMn換算で2〜15重量%、SiOを2〜15重量%、Mg、Ca、Sr、B、Nb、Cr、Coの内から選ばれる1種以上の金属酸化物を酸化物換算で0.1〜4重量%の割合で含有し、且つ第4a族金属元素の酸化物換算による含有量が0.1重量%以下の混合物からなるグリーンシートに、導体ペーストを用いて配線パターンを被着形成した後、1200〜1250℃の温度で一旦保持してから、1200〜1500℃の非酸化性雰囲気中で焼成し、前記グリーンシートを相対密度95%以上で、かつ、MnAlおよびMn iO を析出させたアルミナ質焼結体とすることを特徴とする配線基板の製造方法。
  8. 前記導体ペーストが、金属成分として、Cu、Au、Agの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属とを含むことを特徴とする請求項7記載の配線基板の製造方法。
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