JP4949944B2 - セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法 - Google Patents

セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、未焼成セラミックシートとの同時焼成の際に、溶融した銅の流動が金属化合物の微粒子により抑制され、配線の滲み、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、更には抵抗が低く、周辺における反りの発生が抑制された配線を備えるセラミック配線基板、及びセラミック配線基板の製造方法に関する。
従来、半導体素子を収納するセラミックパッケージ等は、アルミナを主成分とする基体と、この基体の表面及び内部に設けられたタングステン等の高融点金属からなる配線とを備える態様が主流であった。このようなセラミックパッケージ等では、強度の大きいアルミナによる高い実装強度、及び優れた封止性が得られる反面、配線にタングステン等を用いているため配線抵抗が高くなるという問題があった。これに対して、低温で焼成し得る基板材料として開発されたガラスセラミックなどでは、配線に銀等の低抵抗、低融点の金属を用いることができ、配線抵抗を低くすることが可能となった。
しかし、ガラスセラミックを用いた場合、基板がガラス質成分を多量に含有することになるため、基板の強度が低下し、また、ガラス質成分がメッキ時に用いられる薬液に侵され易く、実装パッドが剥がれ易くなるなど、十分な実装強度が得られない等の問題がある。一方、十分な強度を有する基板及び低抵抗の配線を用いることで、小型であり、且つ実装強度の大きいセラミックパッケージ等とすることができる材料構成として、アルミナを主成分とするセラミック基板に、銅とタングステンとの混合物からなる配線を形成した形態が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。また、タングステン及び/又はモリブデンにより形成され、これに酸化アルミニウムを添加した配線導体を絶縁基体に取着してなる配線基板も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平7−15101号公報 特開平5−144316号公報 特開2000−114724号公報 特開平8−8503号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された銅とタングステンとの混合物からなる配線を有するセラミックパッケージ等では、銅の融点(1083℃)を越える温度で焼成されるため、焼成中に溶融した銅が流動し、配線が滲んだり、引き下がったりして、所定の配線形状を保持することが困難であるという問題がある。また、タングステンの質量割合を高くすれば配線形状の保持は可能であるが、一方で、配線抵抗が高くなってしまい、抵抗の低い銅を含有することの優位性が低下するという問題がある。
更に、特許文献4に記載された配線基板では、タングステン等により形成された配線導体に酸化アルミニウムが添加されているが、この酸化アルミニウムは熱衝撃力等による配線導体の剥離を皆無とすることを目的としており、特許文献4には、酸化アルミニウムの粒径についてはまったく記載がない。また、酸化アルミニウムを多量に含有させれば密着性は向上するが、抵抗がより高くなってしまい好ましくない。更に、特許文献4では焼成温度が1600℃と高く、基板表面に露出した配線から銅が揮散することも考えられる。
また、上記の特許文献に記載された各々の技術における問題点の他、一般的な信号伝達のための配線において所定の配線形状が保持されていたとしても、実装パッドのような比較的面積の大きいパターンを形成した場合、焼成時に溶融し、流動した銅が配線表面に浮き出して玉状に凝集するという問題がある。これにより、実装パッド等の平坦性が低下するという問題もある。
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、未焼成セラミックシートとの同時焼成の際に、溶融した銅の流動が微細なアルミナ粒子等の金属化合物粒子により抑制され、配線の滲み、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられた配線を備えるセラミック配線基板を提供することを目的とする。また、タングステン粉末等と微細な金属化合物粉末とを含有する導電ペーストを用いることにより、未焼成セラミックシートとの同時焼成時に、配線の滲み、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられるセラミック配線基板の製造方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、低抵抗で、且つ周辺に反りの発生がない配線を備えるセラミック配線基板、及びそのようなセラミック配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.セラミック絶縁体と、該セラミック絶縁体の表面及び内部に設けられた配線とを備えるセラミック配線基板において、上記配線は銅と、タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子と、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子及び金属炭化物粒子のうちの少なくとも1種の金属化合物粒子とを含有し、該金属化合物粒子は、平均粒径が20〜80nmの金属化合物粉末が焼成により粒成長して、平均粒径が500nm以下となったものであり、該銅と該タングステン及び/又は該モリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、該銅は25〜65質量部、該タングステン粒子及び/又は該モリブデン粒子は35〜75質量部であることを特徴とするセラミック配線基板。
2.上記金属化合物粒子がAl 粒子である上記1.に記載のセラミック配線基板。
3.上記銅と上記タングステン粒子及び/又は上記モリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、上記金属化合物粒子の含有量は0.1〜3質量部である上記1.又は2.に記載のセラミック配線基板。
4.銅粉末と、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末と、平均粒径が20〜80nmの、金属酸化物粉末、金属窒化物粉末及び金属炭化物粉末のうちの少なくとも1種の金属化合物粉末とを含有し、該銅粉末と該タングステン粉末及び/又は該モリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、該銅粉末は25〜65質量部、該タングステン粉末及び/又は該モリブデン粉末は35〜75質量部である導電ペーストを、複数の未焼成セラミックシートの各々の少なくとも一面に塗布して未焼成配線を形成し、その後、該未焼成配線を有する複数の該未焼成セラミックシートを積層して未焼成積層体とし、次いで、該未焼成積層体を焼成することを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
5.上記金属化合物粉末がAl 粉末である上記4.に記載のセラミック配線基板の製造方法。
6.上記銅粉末と上記タングステン粉末及び/又は上記モリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、上記金属化合物粉末の含有量は0.1〜3質量部である上記4.又は5.に記載のセラミック配線基板の製造方法
7.上記焼成の温度が1200〜1400℃である上記4.乃至6.のうちのいずれか1項に記載のセラミック配線基板の製造方法。
本発明のセラミック配線基板では、未焼成セラミックシートとの同時焼成の際に、溶融した銅の流動が金属化合物の微粒子により抑制され、過度に流動しないため、配線の滲み、及び配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、所定の形状及び寸法を有する配線を備えるセラミック配線基板とすることができる。また、この配線が所定量の銅を含有しているため、十分に抵抗の低い配線とすることができる。
更に、銅とタングステン粒子及び/又はモリブデン粒子との合計を100質量部としたときに、金属化合物粒子の含有量が0.1〜3質量部である場合は、タングステン等の粒子間における銅の流動が金属化合物の微粒子により十分に抑制され、特に、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、更には金属化合物粒子が微量であるため配線抵抗の上昇が抑制されるとともに配線周辺における反りの発生も抑えられる。
本発明のセラミック配線基板の製造方法によれば、金属化合物の微粒子により、溶融した銅の流動、特にタングステン等の粒子間における過度な流動が抑制され、配線の滲みが抑制されるとともに、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が十分に抑えられ、所定の形状及び寸法を有する配線を備えるセラミック配線基板を製造することができる。
また、銅粉末とタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末との合計を100質量部としたときに、金属化合物粉末の含有量が0.1〜3質量部である場合は、タングステン等の粒子間における銅の流動を抑制することができ、特に、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等を十分に抑えることができ、更には金属化合物粉末が微量であるため配線抵抗の上昇を抑制することができるとともに配線周辺における反りの発生を抑えることもできる。
更に、焼成の温度が1200〜1400℃である場合は、銅の過度な流動、及び金属化合物粉末の過度な粒成長等が抑えられ、所定の形状及び寸法の配線を備える配線基板をより容易に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]セラミック配線基板
本発明のセラミック配線基板は、セラミック絶縁体と、その表面及び内部に設けられた配線とを備え、配線は(1)銅と、(2)タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子と、(3)金属酸化物粒子、金属窒化物粒子及び金属炭化物粒子のうちの少なくとも1種の金属化合物粒子と、を含有し、金属化合物粒子は、平均粒径が20〜80nmの金属化合物粉末が焼成により粒成長して、平均粒径が500nm以下となったものであり、銅とタングステン及び/又はモリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、銅は25〜65質量部、タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子は35〜75質量部である。
上記「セラミック絶縁体」はセラミックが焼成されて形成される。セラミックは特に限定されず、アルミナ、ジルコニア、コーデェライト、ムライト、チタニア、石英、フォルステライト、ワラストナイト、アノーサイト、エンスタタイト、ジオプサイト、アーケルマナイト、ゲーレナイト、スピネル、ガーナイト、並びにチタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム及びチタン酸バリウム等のチタン酸塩などが挙げられる。このセラミックとしては、絶縁性及び強度等の観点から、アルミナ、ジルコニア、コーデェライト及びムライト等が好ましく、アルミナが特に好ましい。セラミックは1種のみでもよく、例えば、アルミナとジルコニアのように混合して焼成させることができるものであれば、2種以上でもよい。
上記「配線」は、セラミック絶縁体の表面及び内部に設けられている。この配線の平面形状及び厚さ等は特に限定されない。配線としては、例えば、通常の導通用配線、抵抗用配線、インダクタンス用配線、ボンディングパッド、及び異なる配線間を接続するためのビア導体等が挙げられる。この配線の形態は特に限定されないが、通常、2層以上の配線がセラミック絶縁体の表面及び内部に設けられている。2層以上の配線がセラミック絶縁体の一部を介して設けられている場合、各々の配線はビア導体により層間接続されて導通されていてもよく、接続されずにそれぞれが独立していてもよい。また、配線がセラミック絶縁体の表面に設けられた場合は、一般に、滲みの他、特に銅の玉状の浮き出しが生じ易いが、本発明のセラミック配線基板では、タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子、並びに金属化合物の微粒子の作用により配線の所定形状が十分に保持される(以下、これを保形性ということもある。)。
配線に含有される上記「銅」は、単体であってもよく、銅を含有する合金であってもよい。この合金としては、銅と銀、金等の融点の低い金属との合金が好ましい。銅が他の低融点金属との合金である場合、合金を100質量%としたときに、銅は80質量%以上、特に90質量%以上、更に95質量%以上であることが好ましい。また、合金には低融点金属を除く他の金属が含有されていてもよい。この場合、低融点ではない他の金属は特に限定されないが、例えば、Ni、Ti、Fe等が挙げられる。この他の金属の含有量は、銅を100質量%としたときに、20質量%以下、特に10質量%以下、更に5質量%以下であることが好ましい。
上記「タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子」は、融点が高く、配線の保形性を維持するために用いられる。一方、タングステン及びモリブデンはいずれも銅と比べて抵抗が高いため、銅とタングステン粒子及び/又はモリブデン粒子との質量割合は、配線の保形性と抵抗とを勘案して設定することが好ましい。この質量割合は、銅とタングステン粒子及び/又はモリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、銅は25〜65質量部であり、30〜60質量部、特に35〜60質量部であることが好ましい。また、タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子は35〜75質量部であり、40〜70質量部、特に40〜65質量部であることが好ましい。銅の質量割合が25〜65質量部、特に30〜60質量部(タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子の質量割合が35〜75質量部、特に40〜70質量部)であれば、十分な保形性を有し、且つ抵抗の低い配線とすることができる。
上記「金属化合物粒子」としては、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子及び金属炭化物粒子のうちの少なくとも1種が含有される。上記「金属酸化物粒子」は、焼成時、溶融せず、形状が保持される限り特に限定されず、各種の金属酸化物の粒子を用いることができる。この金属酸化物としては、Al、ZrO及びTiO等が挙げられる。また、上記「金属窒化物粒子」も、焼成時、溶融せず、形状が保持される限り特に限定されず、各種の金属窒化物の粒子を用いることができる。この金属窒化物としては、TiN、ZrN、HfN及びNbN等が挙げられる。更に、上記「金属炭化物粒子」も、焼成時、溶融せず、形状が保持される限り特に限定されず、各種の金属炭化物の粒子を用いることができる。この金属炭化物としては、WC、TaC、NbC、HfC、ZrC及びTiC等が挙げられる。金属化合物粒子は1種のみ含有されていてもよく、2種以上含有されていてもよい。
金属化合物粒子の形状は特に限定されないが、球状及び楕円体状であることが好ましく、これらの各々の形状の粒子の混合物であってもよい。また、金属化合物粒子の平均粒径(球状でない場合は最大寸法の平均値であるとする。)は500nm以下であり、200〜500nm、特に250〜450nmであることが好ましい。金属化合物粒子は微細な金属化合物粉末が焼成により粒成長して生成する粒子であり、焼成時、この金属化合物粉末の粉末粒子によって、タングステン等の粒子間における銅の流動が十分に抑えられ、保形性に優れ、溶融した銅が連続して形成された抵抗の低い配線とすることができる。この金属化合物粒子は、未焼成セラミックシートとの同時焼成時に、平均粒径が20〜80nmの金属化合物粉末の粉末粒子が粒成長し、結果として上記の平均粒径となるものであり、その平均粒径は原料粉末の平均粒径により調整することができる。
金属化合物粒子の平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡による配線の断面観察等の方法により測定することができる。
金属化合物粒子の含有量は、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、配線が十分な保形性を有している限り、特に限定されないが、金属化合物は金属単体及び合金に比べて抵抗が高いため、より抵抗の低い配線とするためには少量であることが好ましい。この配線の保形性と抵抗とを勘案すると、金属化合物粒子の含有量は、銅とタングステン粒子及び/又はモリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、0.1〜3質量部、特に0.3〜2.5質量部、更に0.5〜2.0質量部であることが好ましい。この含有量が0.1〜3質量部であれば、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、配線の保形性が十分に維持され、更には抵抗の低い配線とすることができるとともに配線周辺における反りの発生も抑制される。
本発明のセラミック配線基板は、セラミック絶縁体の表面及び内部に、通常、複数の配線が設けられた、所謂、多層配線基板である。この配線基板としては、(1)MCP用配線基板、水晶用配線基板等のパッケージ用配線基板、(2)マザーボード等の通常の配線基板、(3)フリップチップ用配線基板、(4)CSP用配線基板、(5)アンテナスイッチモジュール用配線基板、ミキサーモジュール用配線基板、PLLモジュール用配線基板、MCM用配線基板等のモジュール用配線基板、(6)PA用配線基板、(7)SAWフィルタ用配線基板等の各種の配線基板が挙げられる。
また、セラミック配線基板が、例えば、図1のようなパッケージ用配線基板1である場合、この配線基板には、図2のように、電子部品2等の他の部材が配設される。この電子部品の種類は特に限定されず、配線基板には種々の能動部品及び受動部品等を配設することができる。これらの電子部品が配設される位置も特に限定されず、例えば、配線基板の内部に設けられたスルーホール内に配設されていてもよく、配線基板に形成されたキャビティ内に配設されていてもよく(図2参照)、配線基板の表面に配設されていてもよい。
[2]セラミック配線基板の製造方法
本発明のセラミック配線基板の製造方法は、(1)銅粉末と、(2)タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末と、(3)平均粒径が20〜80nmの、金属酸化物粉末、金属窒化物粉末及び金属炭化物粉末のうちの少なくとも1種の金属化合物粉末と、を含有し、銅粉末とタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、銅粉末は25〜65質量部、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末は35〜75質量部である導電ペーストを、複数の未焼成セラミックシートの各々の少なくとも一面に塗布して未焼成配線層を形成し、その後、未焼成配線層を有する複数の未焼成セラミックシートを積層して未焼成積層体とし、次いで、焼成することを特徴とする。
上記「未焼成セラミックシート」は、セラミック粉末、焼結助剤粉末、有機バインダ、可塑剤及び有機溶剤等を配合し、その後、ボールミル等により湿式混合して調製したセラミックスラリーを用いて作製することができる。また、所定量のセラミック粉末、焼結助剤粉末及び有機溶剤等を配合し、その後、ボールミル等により湿式混合し、次いで、有機バインダ、可塑剤及び有機溶媒等を配合し、その後、更に湿式混合して調製したセラミックスラリーを用いて作製することもできる。未焼成セラミックシートは、セラミックスラリーを用いて、例えば、ドクターブレード法及びスリップキャスティング法等によりシートを成形し、その後、このシートを乾燥させ、有機溶剤を除去することにより作製することができる。
未焼成セラミックシートの厚さは特に限定されないが、通常、50〜500μm、特に80〜250μmである。また、複数の未焼成セラミックシートが積層され、焼成されてセラミック絶縁体となるが、未焼成セラミックシートの積層枚数は配線基板の種類、用途等により設定され、特に限定されない。この積層枚数は、2〜20層とすることができ、2〜10層であることが多い。また、厚さ方向に設けられた複数の配線を接続するため、未焼成セラミックシートには未焼成ビア導体を充填するためのビアホールが形成されていてもよい。
セラミック粉末は焼結助剤粉末とともに焼成されてセラミック配線基板が備えるセラミック絶縁体が形成される。このセラミック粉末としては、前記のセラミック絶縁体となる各種のセラミックの粉末を用いることができる。このセラミックとしては、優れた絶縁性及び強度等を有するセラミック絶縁体とすることができる、アルミナ、ジルコニア、コーデェライト及びムライト等が好ましく、アルミナが特に好ましい。セラミック粉末は1種のみでもよく、例えば、アルミナ粉末とジルコニア粉末のように混合して焼成させることができるものであれば、2種以上でもよい。
セラミック粉末の平均粒径は特に限定されないが、0.5〜5.0μm、特に0.5〜3.0μm、更に0.5〜1.5μmであることが好ましい。セラミック粉末の平均粒径が0.5〜5.0μm、特に0.5〜3.0μmであれば、焼結が十分に促進され、優れた強度等を有するセラミック絶縁体とすることができる。
焼結助剤粉末としては、セラミック粉末の焼成に一般に用いられる焼結助剤粉末を特に限定されることなく使用することができ、セラミックの種類等によって選択して用いることが好ましい。この焼結助剤粉末としては、(1)Si、Zr、Mn、Nb、(2)Y等の希土類元素、(3)Mg、Sr、Ca及びBa等の周期表における2族元素、の各々の酸化物、炭酸塩、水酸化物などの粉末を用いることができる。これらのうち、Si、Zr、Mn、Nb、Y等の希土類元素などは、酸化物粉末として用いられることが多い。また、周期表における2族元素は、酸化物粉末及び炭酸塩粉末などとして用いられることが多い。これらの焼結助剤粉末は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用することで、より低温で緻密化させることもできる。
セラミック粉末と焼結助剤粉末との質量割合は特に限定されず、各々の種類等によって通常の質量割合とすることができる。この質量割合は、セラミック粉末がアルミナ粉末である場合、アルミナ粉末と焼結助剤粉末との合計を100モル%とした場合に、アルミナ粉末が75モル%以上、特に80〜95モル%、更に85〜95モル%であることが好ましい。この範囲の質量割合であれば、焼成により十分に緻密化され、且つアルミナ焼結体が本来有する優れた強度、熱伝導性及び耐熱性等が損なわれることがない。
有機バインダ、可塑剤及び有機溶剤としても、未焼成セラミックシートの成形において一般に使用されるものを特に限定されることなく用いることができる。有機バインダとしては、ブチラール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジブチルアジペート等が挙げられる。有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコール等が挙げられ、トルエン、メチルエチルケトン等が用いられることが多い。有機バインダ、可塑剤、有機溶剤は各々1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記「導電ペースト」は、銅粉末、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末、並びに金属化合物粉末を含有する。
上記「銅粉末」は銅単体の粉末であってもよく、銅を含有する合金の粉末であってもよい。この銅合金には銅を除く他の低融点金属及び/又はこの他の低融点金属を除く他の金属が含有される。含有される他の低融点金属の種類及び銅の含有量、並びに合金に含有される低融点金属を除く他の金属の種類及びその含有量については、前記の配線に含有される銅に係る記載をそのまま適用することができる。
また、上記「タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末」は、融点が高く、未焼成セラミックシートの焼成温度では、隣り合って接触している粉末粒子の表面の一部が融着することはあっても、粒成長し、焼結することはない。従って、焼成時、これらの粉末の粒子間を溶融した銅が流動し、十分に抵抗の低い配線が形成され、且つ微細な金属化合物粉末により過度な流動による、配線の滲み等が十分に抑えられ、所定の形状及び寸法を有する配線とすることができる。
尚、タングステン粉末とモリブデン粉末とを併用する場合、その質量割合は特に限定されず、任意の割合で用いることができ、同様の作用効果が得られる。
銅粉末とタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末との質量割合は、銅粉末とタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、銅粉末は25〜65質量部であり、30〜60質量部、特に35〜60質量部とすることが好ましい。また、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末は35〜75質量部であり、40〜70質量部、特に40〜65質量部とすることが好ましい。銅粉末の質量割合が25〜65質量部、特に30〜60質量部(タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末の質量割合が35〜75質量部、特に40〜70質量部)であれば、十分な保形性を有し、且つ抵抗の低い配線とすることができる。
タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末の粉末粒子の粒径も特に限定されないが、焼成時、溶融した銅の過度な流動が抑えられ、且つ粒子間の空隙が金属化合物粉末により閉塞され、溶融した銅が粒子間を流動して配線の表面に玉状に浮き出すこと等が十分に抑えられる粒径であることが好ましい。タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末は、上記のように焼結しないため、焼成後の粒径及び粒子間の空隙の大きさもほとんど変化せず、焼成後の粒子間の空隙の大きさは、導電ペーストに配合されるタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末の粉末粒子の粒径により調整することができる。このタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末の粉末粒子の平均粒径は、1.0〜5.0μmとすることができ、1.0〜3.0μm、特に1.0〜2.5μmであることが好ましい。
タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末の粉末粒子の平均粒径は、例えば、マイクロトラック法等の方法により測定することができる。
上記「金属化合物粉末」としては、金属酸化物粉末、金属窒化物粉末及び金属炭化物粉末のうちの少なくとも1種を用いることができる。上記「金属酸化物粉末」、上記「金属窒化物粉末」及び上記「金属炭化物粉末」はいずれも特に限定されず、前記の金属化合物粒子を構成する各種の金属酸化物、金属窒化物及び金属炭化物の各々の粉末を用いることができる。金属化合物粉末は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
金属化合物粉末の粒子形状は特に限定されないが、球状及び楕円体状であることが好ましく、これらの各々の形状の粉末粒子の混合物であってもよい。また、粉末粒子の平均粒径(球状でない場合は最大寸法の平均値であるとする。)は20〜80nmである。この平均粒径が20〜80nmであれば、焼成時、タングステン等の粒子間における銅の流動が十分に抑えられる適度な粒径の金属化合物粒子となり、保形性に優れ、且つ溶融した銅が連続して形成された抵抗の低い配線とすることができる。
金属化合物粉末の粉末粒子の平均粒径は、例えば、電子顕微鏡による観察等の方法により測定することができる。
金属化合物粉末の含有量は、焼成時、粒成長して金属化合物粒子となる粉末粒子によって、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、配線が十分な保形性を有している限り、特に限定されないが、金属化合物は抵抗が高いため、より抵抗の低い配線とするためには少量であることが好ましい。また、金属化合物粉末が過多であると、未焼成セラミックシートと未焼成配線との焼成収縮差により、焼成後、配線周辺に反りが発生することがあるため、この観点でも金属化合物粉末は少量であることが好ましい。この配線の保形性と、抵抗と、反りの抑制とを勘案すると、金属化合物粉末の含有量は、銅とタングステン粉末及びモリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、0.1〜3質量部、特に0.3〜2.5質量部、更に0.5〜2.0質量部であることが好ましい。この含有量が0.1〜3質量部であれば、配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が抑えられ、配線の保形性が十分に維持され、更には抵抗の低い配線とすることができるとともに配線周辺における反りの発生を抑制することもできる。
また、導電ペーストには、通常、有機バインダ、有機溶剤等が含有されているが、この有機バインダ、有機溶剤等としては、配線基板の配線の形成において一般に使用されているものを特に限定されることなく用いることができる。
上記「未焼成配線層」は、スクリーン印刷法等により、複数の未焼成セラミックシートの各々の少なくとも一面に、導電ペーストを塗布し、乾燥して、形成することができる(以下、表面側未焼成配線層ということもある。)。更に、セラミック絶縁体の表面及び内部に複数の配線が設けられ、且つ各々の配線を導通させる場合は、未焼成セラミックシートの所定位置に設けられたビアホールに、ビア導体用ペーストを充填して未焼成ビア導体を形成し、この未焼成ビア導体の両端面と表面側未焼成配線層とを接触させ、その後、焼成することにより導通させることができる。ビア導体用ペーストは、上記の導電ペーストと同様の組成のペーストでもよく、異なる組成のペーストでもよいが、同様の組成のペーストが用いられることが多い。
セラミック配線基板は、表面側未焼成配線層、及び必要に応じて未焼成ビア導体が形成された未焼成セラミックシートを積層して未焼成積層体とし、次いで、この未焼成積層体を焼成して製造することができる。未焼成積層体は、予め表面側未焼成配線層及び必要に応じて未焼成ビア導体が形成された複数の未焼成セラミックシートを、同時に一体に重ね合わせ、押圧して作製することができる。また、表面側未焼成配線層及び必要に応じて未焼成ビア導体が形成された未焼成セラミックシートの表面側未焼成配線層が形成された面に、必要に応じて未焼成ビア導体が形成された他の未焼成セラミックシートを積層し、その後、この未焼成セラミックシートの表面に同様にして表面側未焼成配線層を形成し、この操作を繰り返すことにより作製することもできる。
上記「焼成」により、未焼成セラミックシートと、表面側未焼成配線層及び必要に応じて形成された未焼成ビア導体とが同時に一体に焼成される。この焼成温度は特に限定されず、セラミック粉末の種類及び平均粒径、並びに焼結助剤粉末の種類及び配合量等により設定することができる。この焼成温度は1100〜1500℃とすることができ、1200〜1400℃、特に1300〜1400℃であることが好ましい。焼成温度が1100〜1500℃、特に1200〜1400℃であれば、金属化合物粉末が過度に粒成長せず、この微細な粉末粒子によって、配線の滲み、及び配線の表面への銅の玉状の浮き出し等が十分に抑えられ、且つセラミック粉末は十分に焼結し、優れた絶縁性及び強度等を有するセラミック絶縁体とすることができる。
焼成は、通常、未焼成積層体を焼成温度より低い所定温度で加熱し、有機バインダを除去する、所謂、脱脂をした後になされる。この場合、脱脂した後、そのまま降温させることなく、焼成温度まで昇温させて焼成してもよいし、脱脂の後、一旦降温させ、例えば、室温(25〜35℃)にまで降温させ、その後、焼成してもよい。
焼成雰囲気は、導電ペーストに銅粉末が含有されているため、窒素ガス雰囲気及びアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気などの不活性雰囲気とすることが好ましい。また、水素ガスを含有する還元雰囲気とすることが好ましい。更に、加湿雰囲気であってもよく、乾燥雰囲気であってもよいが、加湿雰囲気であることが好ましい。この焼成雰囲気は、加湿された不活性雰囲気であり、且つ還元雰囲気であることがより好ましく、この焼成雰囲気であれば、有機バインダの分解に有利であり、且つセラミック粉末をより低温で緻密化させることができる。
セラミック配線基板においては、未焼成セラミックシートと未焼成配線層の各々の焼成時の収縮率の差により、焼成後、配線周辺に反りが生じることがある。この反りの有無及び反りを生じる場合の反りの程度は、金属化合物粉末の種類とその含有量、セラミック絶縁体を構成するセラミックの種類、並びに焼成温度などによって異なる。そのため、セラミック粉末、銅粉末、金属化合物粉末の組み合わせ、並びに焼成温度等を設定する場合は、この反りが抑えられる好ましい組み合わせ及び焼成温度等とすることが好ましい。
本発明の方法により製造されるセラミック配線基板は、セラミック絶縁体の表面及び内部に、通常、複数の配線が設けられた、所謂、多層配線基板である。この配線基板としては、前記の各種の配線基板が挙げられる。また、セラミック配線基板が、前記のようなパッケージ用配線基板である場合、この配線基板には、前記のように種々の能動部品及び受動部品等を配設することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実験例1〜10
(1)未焼成セラミックシートの作製
Al粉末(平均粒径0.8μm)90質量%と、焼結助剤粉末を酸化物換算で10質量%(SiO、MgO、BaO、MnO及びNbの各々の粉末の合計量)とをボールミルにより混合し、その後、ブチラール系有機バインダ、可塑剤及び有機溶剤をボールミルに投入し、湿式混合してセラミックスラリーを調製した。次いで、このセラミックスラリーを用いてドクターブレード法によりシートを成形し、このシートを乾燥させて100〜300μmの範囲の各種の厚さの複数の未焼成セラミックシートを作製した。
(2)導電ペーストの調製
表1に記載の質量割合で、Cu粉末、W粉末及びAl粉末[平均粒径は表1のように30nm(実験例1、2、5、6、8、9)、60nm(実験例10)及び800nm(実験例7)である。実験例4、5では配合していない。]、並びに所定量の有機バインダ(アクリル樹脂)を3本ロールにより混練し、導電ペーストを調製した。
(3)表面側未焼成配線層及び未焼成ビア導体の作製
上記(1)で作製した未焼成セラミックグリーンシートの所定箇所にメカニカルパンチを用いて貫通孔を形成し、この貫通孔に上記(2)で作製した導電ペーストを充填し、未焼成ビア導体を形成した。また、未焼成セラミックシートの表面にスクリーンマスクを用いて所定パターンの表面側未焼成配線層を形成した。
(4)未焼成積層体の作製
上記(3)において表面側未焼成配線層と未焼成ビア導体とが形成された5枚の未焼成セラミックシートを積層し、加熱、加圧して、各々の未焼成セラミックシートを密着させて未焼成積層体を作製した。
(5)脱脂及び焼成
上記(4)において作製した未焼成積層体を、焼成炉に収容し、無加圧で300℃まで昇温させ、窒素ガス雰囲気下、5時間保持して脱脂した。その後、更に1300〜1400℃まで昇温させ、加湿した窒素/水素混合ガス雰囲気下、2時間保持して焼成し、セラミック配線基板を製造した。
(6)配線基板の評価
上記(5)において製造したセラミック配線基板が備える配線の比抵抗、配線の形状及び配線周辺における反りを評価した。
(a)比抵抗
幅200μm、長さ30mmの配線の抵抗を四端子抵抗計により測定し、配線の断面積及び長さに基づいて比抵抗を算出した。この比抵抗が7μΩ・cm以下であれば低抵抗の配線であるとする。
(b)配線外観
配線を拡大鏡により目視観察し、銅が配線表面及びパット部に押し出されていなければ良好とする。
(c)反り
配線の周辺において配線基板の厚さ方向に2mm以上の寸法変動を生じた場合は、形状不良であり反りがあるとする。
以上の評価結果を表1に併記する。
Figure 0004949944
表1の結果によれば、Cu粉末とW粉末との質量割合が好ましい範囲内にあり、且つ所定粒径のAl粉末を所定量含有する導電ペーストを用いた実験例1、2、8及び10では、抵抗が低く、配線の滲み及び銅の玉状の浮き出しもなく配線外観が良好であり、且つ反りも生じていなかった。また、Cu粉末が過少である実験例3では、配線外観は良好であるが、抵抗が高く問題である。更に、Cu粉末が過多である実験例4〜6では、配線の滲み及び銅の玉状の浮き出しがみられ、正確な配線形状が求められず、比抵抗の測定不可であった。また、Cu粉末とW粉末との質量割合が好ましい範囲内にあるものの、Al粉末の平均粒径が過大である実験例7では、銅の玉状の浮き出しが抑えられなかった。更に、Al粉末が過多である実験例9では反りの発生がみられたが実用的に問題になるほどではなかった。
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例の記載に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、焼成により、所定粒径の金属化合物粒子となる金属化合物粉末として、金属硼化物及び金属珪化物の各々の粉末を用いることもできる。金属硼化物としては、TiB、ZrB、NbB、MoB、MoB、LaB、TaB、W、CrB及びCrB等が挙げられ、金属珪化物としては、MoSi、TiSi及びWSi等が挙げられる。
本発明は、セラミック配線基板の技術分野において利用することができる。本発明は、特に、高強度及び高熱伝導性等が必要とされる用途に用いられるパッケージ用配線基板において有用である。また、寸法精度の高い配線基板とすることができるため、平面方向の寸法が50mm角以上の大寸の配線基板においても有用である。このような配線基板としては、高熱伝導性及び高寸法精度等を要求される自動車用電子制御ユニット基板、及び高強度、高寸法精度等が要求される集積回路用検査基板などが挙げられる。
本発明のセラミック配線基板の一例の断面を模式的に示す説明図である。 本発明のセラミック配線基板がパッケージ用配線基板であり、このパッケージ用配線基板に電子部品が配設されたセラミックパッケージの一例の断面を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1;セラミック配線基板、11;セラミック絶縁体、12;配線、2;電子部品、3;ボンディングワイヤ、4;封止部。

Claims (7)

  1. セラミック絶縁体と、該セラミック絶縁体の表面及び内部に設けられた配線とを備えるセラミック配線基板において、
    上記配線は銅と、タングステン粒子及び/又はモリブデン粒子と、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子及び金属炭化物粒子のうちの少なくとも1種の金属化合物粒子とを含有し、該金属化合物粒子は、平均粒径が20〜80nmの金属化合物粉末が焼成により粒成長して、平均粒径が500nm以下となったものであり、該銅と該タングステン及び/又は該モリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、該銅は25〜65質量部、該タングステン粒子及び/又は該モリブデン粒子は35〜75質量部であることを特徴とするセラミック配線基板。
  2. 上記金属化合物粒子がAl 粒子である請求項1に記載のセラミック配線基板。
  3. 上記銅と上記タングステン粒子及び/又は上記モリブデン粒子との合計を100質量部とした場合に、上記金属化合物粒子の含有量は0.1〜3質量部である請求項1又は2に記載のセラミック配線基板。
  4. 銅粉末と、タングステン粉末及び/又はモリブデン粉末と、平均粒径が20〜80nmの、金属酸化物粉末、金属窒化物粉末及び金属炭化物粉末のうちの少なくとも1種の金属化合物粉末とを含有し、該銅粉末と該タングステン粉末及び/又は該モリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、該銅粉末は25〜65質量部、該タングステン粉末及び/又は該モリブデン粉末は35〜75質量部である導電ペーストを、複数の未焼成セラミックシートの各々の少なくとも一面に塗布して未焼成配線を形成し、その後、該未焼成配線を有する複数の該未焼成セラミックシートを積層して未焼成積層体とし、次いで、該未焼成積層体を焼成することを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
  5. 上記金属化合物粉末がAl 粉末である請求項4に記載のセラミック配線基板の製造方法。
  6. 上記銅粉末と上記タングステン粉末及び/又は上記モリブデン粉末との合計を100質量部とした場合に、上記金属化合物粉末の含有量は0.1〜3質量部である請求項4又は5に記載のセラミック配線基板の製造方法
  7. 上記焼成の温度が1200〜1400℃である請求項4乃至6のうちのいずれか1項に記載のセラミック配線基板の製造方法。
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