JPH11274725A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法

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JPH11274725A
JPH11274725A JP7627698A JP7627698A JPH11274725A JP H11274725 A JPH11274725 A JP H11274725A JP 7627698 A JP7627698 A JP 7627698A JP 7627698 A JP7627698 A JP 7627698A JP H11274725 A JPH11274725 A JP H11274725A
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copper
wiring board
conductor
wiring layer
insulating substrate
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JP7627698A
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Masanobu Ishida
政信 石田
Shigeki Yamada
成樹 山田
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低抵抗導体からなる配線層を同時焼成により形
成し、銅の拡散による配線層間の絶縁劣化を防止し、高
密度の配線層が形成可能であり、且つ研磨工程等を必要
としない安価な多層配線基板の製造方法を提供する。 【解決手段】AlN、Si3 4 等の非酸化物セラミッ
クスからなる複数の絶縁層1a,1b、1cを積層して
なる絶縁基板1と、絶縁基板1内部に、少なくとも銅単
体、あるいは銅とタングステンおよび/またはモリブデ
ンを含み、Cu/(Cu+W+Mo)の体積比率が0.
2以上の複合材料を主成分とする導体からなる内部配線
層2aが配設され、水素を含む露点が−20℃以下の非
酸化性雰囲気中で同時焼成することにより、内部配線層
2aの周囲のセラミックスへの銅の拡散距離を20μm
以下とするとともに、平均表面粗さ(Ra)が1μm以
下の平滑性に優れた基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非酸化物セラミッ
クスを絶縁基板とする多層配線基板に関し、詳細には1
700℃以下の温度での焼結が可能で良好な熱伝導率を
有し、かつマイグレーションの少ない低抵抗の配線層を
具備した多層配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導
体装置から発生する熱も増加している。半導体装置の誤
動作をなくすためには、このような熱を装置外に放出可
能な配線基板が必要である。しかしながら、従来から配
線基板用の絶縁基板として用いられてきたアルミナ質セ
ラミックスは、熱伝導率が約20W/m・Kと低い。
【0003】そこで、高熱伝導性のセラミック材料とし
て、窒化アルミニウムおよび窒化ケイ素が非酸化物セラ
ミックスである注目されている。特に窒化アルミニウム
は、単結晶で理論熱伝導率が320W/m・Kと高く、
最近では200W/m・Kを越えるような焼結体も開発
されている。
【0004】一方、電気的な特性としては、演算速度の
高速化により、信号の遅延が問題となってきた。そこで
導体損失の小さい、つまり低抵抗の導体を用いることが
要求されてきたが、現状のタングステンを主体とした導
体では高々8mΩ/□程度までしか低くできなかった。
そこでこの熱的問題点と、電気的問題点を同時に解決す
る方法として、窒化アルミニウムに、銅、または銅とタ
ングステンまたはモリブデンを組み合わせた導体層を同
時焼成により形成する方法が特開平2−197189号
にて提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そもそ
も窒化アルミニウム、窒化珪素などの非酸化物セラミッ
クスは難焼結性であり、緻密化させるためには、170
0℃以上の高い温度で焼成する必要があるため、配線層
中の銅成分が、焼成中に絶縁基板のセラミックス中に拡
散し、その結果、配線層間の絶縁性が劣化するという問
題があった。
【0006】また、銅の拡散対策としては、セラミック
スの低温での焼結性を改善して焼成温度を低くするも有
効的と考えられるが、焼成温度を低くしても焼成炉及び
焼成治具等から発生する酸素またはこの酸素と雰囲気中
の水素との反応で生成する水蒸気により銅が酸化してし
まい、銅が、拡散しやすい酸化銅となるために、結果と
して焼成中の拡散または揮散を防止することができず、
配線層間の絶縁性が劣化を防止できないという問題があ
った。
【0007】また、特開平2−197189号によれ
ば、すべての配線層を絶縁基板内部に配設して同時焼成
した後、研磨等により表面の絶縁層を除去して導体を表
面に露出させて表面配線層を形成することが開示されて
いるが、本方法では当然ながら、研磨等の工程が付加さ
れるためコストアップにつながるものであった。
【0008】従って、本発明は、低抵抗導体からなる配
線層を同時焼成により形成し、銅の拡散による配線層間
の絶縁劣化を防止し、高密度の配線層が形成可能であ
り、且つ研磨工程等を必要としない安価な多層配線基板
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に対して検討を重ねた結果、非酸化物セラミックスを絶
縁基板とする多層配線基板において、配線層中の銅のセ
ラミックス中への拡散距離が20μm以下であると実質
的に配線層間の絶縁性が劣化しないこと、また、焼成温
度及び雰囲気の最適化を図ることにより、配線層中の銅
の拡散または揮散を抑制し、銅の拡散距離を小さくで
き、しかも焼き肌面の表面粗さを小さくできることを見
出し本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の多層配線基板は、主結晶相
の平均結晶粒径が0.5〜2.5μmの非酸化物セラミ
ックスからなる複数の絶縁層を積層してなる絶縁基板
と、該絶縁基板内部に、少なくとも銅単体、あるいは銅
とタングステンおよび/またはモリブデンを含み、Cu
/(Cu+W+Mo)の体積比率が0.3以上の複合材
料を主成分とする導体からなる内部配線層が配設され、
前記内部配線層の周囲のセラミックスへの銅の拡散距離
が20μm以下であり、且つ焼き肌面の表面粗さ(R
a)が1μm以下であることを特徴とするものである。
【0011】なお、前記非酸化物セラミックスは、熱伝
導率が40W/m・K以上の窒化アルミニウム質セラミ
ックスまたは窒化珪素質セラミックスからなることが望
ましい。
【0012】また、かかる多層配線基板の製造方法とし
て、平均粒径が0.5〜2μmの非酸化物セラミック粉
末を主成分とする混合粉末からなり、その表面に少なく
とも銅、あるいは銅と、タングステンおよび/またはモ
リブデンとの複合材料を主成分とする導体ペーストを配
線パターン状に印刷塗布してなる複数のシート状成形体
を積層した後、該積層体を水素を含む露点−20℃以下
の非酸化性雰囲気中で1500〜1700℃の温度で焼
成することを特徴とするものであり、特に、前記非酸化
物セラミック粉末は、直接窒化法によって製造された窒
化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を主成分とする
ことが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多層配線基板の
一実施態様を示す概略断面図を基に説明する。図1の多
層配線基板は、非酸化性セラミックスからなる複数の絶
縁層1a,1b、1cが積層された絶縁基板1と、その
絶縁層1a,1b,1c間に、内部配線層2a、さらに
は最表面の絶縁層1aの表面に表面配線層2bが設けら
れている。そして、上記の配線層のうち、内部配線層2
aを少なくとも銅、あるいは銅と、タングステンおよび
/またはモリブデンとの複合材料を主成分とする導体に
よって形成したものであり、この内部配線層2aは、絶
縁基板1と同時焼成によって形成されたものである。
【0014】また、各層の配線層間は、絶縁層を貫通す
るように形成されたビアホール導体3によって電気的に
接続される。このビアホール導体3も内部配線層2aと
同様な導体によって形成されることが望ましい。
【0015】本発明によれば、図2に示すように、上記
少なくとも銅を含む内部配線層2aの周囲の絶縁層1の
セラミックスへの銅の拡散距離xが20μm以下、特に
10μm以下であることが重要である。即ち、銅のセラ
ミックス中への拡散距離が20μmを超えると、配線層
間の絶縁性が低下し、配線基板としての信頼性が保証で
きなくなるためである。なお、拡散距離xは、EPMA
(X線マイクロアナライザー)分析において、配線層2
aの端部から同一平面内において、銅元素が検出される
ポイントまでの距離を10箇所測定した平均値である。
【0016】また、絶縁基板1に関して、従来より非酸
化物系セラミックスとしては、窒化アルミニウム、窒化
ケイ素、炭化ケイ素等が知られているが、本発明におけ
る絶縁基板1は、窒化アルミニウム、窒化ケイ素のいず
れかを主成分とするセラミックスであることが望まし
い。これは、炭化ケイ素セラミックスは、一般に焼成温
度が高く、銅含有導体との同時焼成が難しく、可能であ
ったとしても焼成温度が高いために銅のセラミックスへ
の拡散が助長され拡散距離を20μm以下に制御するこ
とが難しいためである。また、絶縁基板1の熱伝導率は
40W/m・K以上、特に50W/m・K以上であるこ
とが望ましい。
【0017】また、一般に絶縁基板として用いられてい
るアルミナセラミックスでは、焼成中に銅とアルミナが
反応して化合物を形成し、導体の低抵抗化の妨げとなる
のみでなく、この化合物の形成によって銅の拡散が助長
され、拡散距離を20μm以下に制御することは難しく
なる。また、アルミナセラミックスは、放熱性の面で熱
伝導率が高々20W/m・K程度であり、放熱性の面で
不十分である。一方、高熱伝導性基板として知られる酸
化ベリリウムセラミックスは、放熱性の面では充分であ
るが、毒性の点で問題があり実用に適さない。
【0018】なお、絶縁基板1が、窒化アルミニウムあ
るいは窒化ケイ素系のセラミックスから構成される場
合、セラミックス中には、内部配線層2aとの同時焼結
性を達成する上で、焼結助剤として、Y2 3 、Yb2
3 、Er2 3 、Lu2 3、Dy2 3 、Sm2
3 、Ce2 3 等の希土類元素化合物を必須の成分とし
て含み、さらには、適宜、MgO、CaO、SrO等の
アルカリ土類元素酸化物、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素等を含んでもよい。
【0019】なお、これらの焼結助剤成分は、合計で5
〜15重量%の割合で含有することが望ましい。これら
の焼結助剤の量が5重量%よりも少ないと、銅含有導体
からなる内部配線層2aとの同時焼結性が低下し、15
重量%よりも多いと、絶縁基板1の熱伝導性が低下する
ために、絶縁基板1として非酸化性セラミックスを用い
ることによる長所が発揮されないためである。
【0020】特に、銅含有導体との同時焼結性を高める
上では、希土類元素を酸化物換算で1〜10重量%、ア
ルカリ土類元素を酸化物換算で0.01〜10重量%の
割合で含有せしめることが望ましい。
【0021】絶縁基板1を形成する非酸化性セラミック
スの主結晶相を構成する窒化アルミニウム結晶、窒化ケ
イ素結晶は、粒状または柱状の結晶として存在するが、
これら主結晶層の平均結晶粒径は、0.5〜2.5μm
であることが必要である。なお、主結晶相が柱状結晶か
らなる場合、上記平均結晶粒径は、短軸径に基づくもの
である。
【0022】この主結晶相の平均結晶粒径が0.5μm
よりも小さいと、高熱伝導化が難しく、平均粒径が2.
5μmよりも大きいと、銅がセラミックス中へ拡散する
ときのパスである粒界の長さが短くなるとともに拡散速
度も速くなるために拡散距離が30μmを超えてしまう
とともに、基板材料として用いる場合に要求される十分
な強度が得られないためである。また、上記焼結助剤成
分は、上記主結晶相の粒界に非晶質相あるいは結晶相と
して存在するが、銅の拡散を抑制し、熱伝導性を高める
上で粒界中に結晶相が形成されていることが望ましい。
【0023】本発明によれば、上記多層配線基板におい
て、内部配線層2a、さらにはビアホール導体3は、い
ずれも絶縁基板1と同時焼成によって形成されるもので
あるが、絶縁基板1を形成するセラミックスの焼成温度
に応じて、配線層を形成する導体も変えることが望まし
い。
【0024】例えば、絶縁基板1の焼成温度が1100
℃以下の場合には、銅単味で可能であるが、1100℃
以上の場合には、銅に対して、タングステンあるいはモ
リブデンを適量混合することにより導体の焼成温度を徐
々に高めることができる。但し、タングステンやモリブ
デンの配合量が多くなると、導体の抵抗が大きくなり、
銅導体を用いることの長所が生かせなくなる。
【0025】導体抵抗の観点から、銅とタングステンお
よび/またはモリブデンの体積比は、Cu/(Cu+W
+Mo)は、抵抗を8mΩ/□以下とするため、0.3
以上、特に0.4以上が望ましいが、非酸化物セラミッ
クスとの同時焼結を可能にするため、配線のにじみ防止
および熱膨張差を小さくする上で0.9以下が望まし
い。
【0026】また、本発明の多層配線基板において、表
面配線層2bは、内部配線層2aと同様に、上記銅含有
導体によって絶縁基板1と同時焼成によって形成するこ
ともできるが、概して、銅含有導体の最適焼成温度より
も高い温度で焼成すると、導体が溶融して表面張力によ
って凝集してしまう傾向にある。従って、表面配線層2
bは、WまたはMoに窒化アルミニウムや窒化珪素、ま
たは基板と同じ成分の粉末を添加含有した組成のメタラ
イズ層によって形成されることが望ましい。
【0027】なお、本発明の多層配線基板は、内部配線
層2a中の銅の拡散距離を20μm以下とすることによ
り、前記配線層のうち、同一平面内に形成された配線層
間の最小線間距離を100μm以下、特に90μm以下
の高密度配線化を図ることができる。また、同様に図1
に示すように、1つの絶縁層内に複数のビアホール導体
3が形成される場合、そのビアホール導体3間の最小離
間距離も上記と同様な理由から100μm以下、特に9
0μm以下に制御することが可能である。
【0028】さらに本発明の多層配線基板は、後述する
ように焼成温度及び雰囲気を制御して焼成することによ
って、絶縁基板1の表面の平均表面粗さRaを1μm以
下、特に0.7μm以下の平滑性に優れた表面を形成で
きるものであり、その結果、絶縁基板1の表面に表面配
線層2bを形成する場合、絶縁基板1表面を研磨加工等
を施す必要がないことも大きな特徴である。
【0029】次に、本発明の多層配線基板の製造方法に
ついて具体的に説明する。まず、絶縁基板を形成するた
めに、非酸化物セラミックスの主成分となる窒化アルミ
ニウム、窒化ケイ素等の原料粉末と、焼結助剤成分とし
て、希土類元素酸化物粉末、アルカリ土類酸化物、アル
ミナ粉末、シリカ粉末等を5〜15重量%の割合で添加
混合する。特に、低温焼結性を高めるために、希土類元
素酸化物を1〜10重量%、アルカリ土類元素酸化物を
0.01〜10重量%の割合で添加混合する。
【0030】そして、この混合粉末を用いて、絶縁層を
形成するためのシート状成形体を作製する。
【0031】シート状成形体は、周知の成形方法によっ
て作製することができる。例えば、上記混合粉末に有機
バインダーや溶媒を添加してスラリーを調製した後、ド
クターブレード法によって形成したり、混合粉末に有機
バインダーを加え、プレス成形、圧延成形等により所定
の厚みのシート状成形体を作製できる。
【0032】このようにして作製したシート状成形体に
対して、銅粉末、あるいは銅粉末とタングステン粉末お
よび/またはモリブデン粉末とを、Cu/(Cu+W+
Mo)の体積比率が0.3以上、特に0.4以上、さら
には0.9以下の割合からなる混合粉末を主成分とする
導体ペーストを調製し、このペーストを各シート状絶縁
層にスクリーン印刷、グラビア印刷等の手法によって印
刷塗布する。
【0033】また、表面配線層として、上記銅含有導体
用ペーストに代えて、銅を含まないタングステン、モリ
ブデンを主成分とする導体ペーストを所定のシート状成
形体表面に印刷塗布してもよい。
【0034】なお、ビアホール導体を形成する場合に
は、シート状成形体に対して、マイクロドリル、レーザ
ー等により直径が50〜250μmのビアホールを形成
した後、このビアホール内に上記銅含有導体ペースト、
あるいは上記銅無添加導体ペーストを充填する。
【0035】これらの導体ペースト中には、絶縁層との
密着性を高めるために、絶縁層を形成する非酸化物セラ
ミックスの主成分と同一の窒化アルミニウムあるいは窒
化ケイ素等の粉末や、絶縁層の形成組成と同一の組成物
を20重量%以下の割合で添加することが望ましい。
【0036】その後、導体ペーストを印刷塗布したシー
ト状成形体を位置合わせして積層圧着した後、焼成す
る。本発明によれば、この焼成を、水素及び窒素を含み
露点−20℃以下、特に−30℃以下の非酸化性雰囲気
中、1700℃以下の温度で行うことが必要である。こ
の焼成条件において、水素は銅含有導体の焼成前までの
製造工程中で不可避的に生成された酸化膜を還元して除
去する上で必要である。また、所望により、アルゴンガ
ス等の不活性ガスを混入してもよい。
【0037】また、焼成時の露点が−20℃より高い
と、焼成中に非酸化物セラミックスと雰囲気中の水分と
が反応し酸化膜を形成してしまい、この酸化膜と銅含有
導体の銅が反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとな
るのみでなく、銅の拡散を助長してしまうためである。
【0038】また、焼成温度が1700℃より高いと、
非酸化物セラミックスの主結晶相の粒径が大きくなり異
常粒成長が発生するようになり、銅がセラミックス中へ
拡散するときのパスである粒界の長さが短くなるととも
に拡散速度も速くなる結果、拡散距離を30μm以下に
抑制することが困難となるためである。好適には、16
00〜1700℃の範囲がよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例をもとに説明する。窒
化アルミニウム粉末(直接窒化法、平均粒径1.5μ
m、酸素量1.0%、)、窒化珪素粉末(直接窒化法、
α率93%、平均粒径0.8μm、酸素量1.3%)、
また参考例としてアルミナ粉末(平均粒径1.8μ
m)、炭化珪素粉末(平均粒径0.3μm)を主成分と
して表1に示すような各種焼結助剤と、成形用有機樹脂
(バインダー)としてアクリル系バインダーと、トルエ
ンを溶媒として混合した後、ドクターブレード法にて厚
さ250μmのシート状に成形した。そして、所定箇所
にホール径120μmのビアホールをレーザーにより形
成した。
【0040】次に、銅粉末(平均粒径5μm)とW粉末
(平均粒径1.2μm)あるいはMo粉末(平均粒径1
μm)とを表1および3に示す比率で混合しアクリル系
バインダーとをアセトンを溶媒として内部配線層用導体
ペーストを作製した。また、W粉末(平均粒径:1.2
μm)とアクリル系バインダーとをアセトンを溶媒とし
て混合し表面配線層用およびビアホール導体用の導体ペ
ーストを調製した。
【0041】そして、シート状成形体上に内部配線層用
導体ペーストを印刷塗布、乾燥を繰り返した。また、最
表面絶縁層用のシート状成形体の表面には、表面配線層
用導体ペーストを印刷塗布し乾燥した。なお、各シート
状成形体のビアホール導体には、上記表面配線層用導体
ペーストを充填した。
【0042】上記のようにして作製した各シート状成形
体を位置合わせして積層圧着して成形体積層体を作製し
た。その後、この成形体積層体を実質的に水分を含まな
い酸素含有雰囲気中(N2 +O2 または大気中)で脱脂
を行った後、表1に示した温度、雰囲気にて焼成した。
【0043】得られた焼結体の内部抵抗の導体抵抗、長
さ、幅、厚みを測定した後、厚さ15μmの導体に換算
したシート抵抗(mΩ/□)を算出した。同時に導体間
抵抗は線間距離100μmの導体間の抵抗値を測定して
求めた。また同試料について、銅の拡散距離をEPMA
(X線マイクロアナライザー)を用いて測定した。
【0044】なお、各絶縁基板の熱伝導率をレーザーフ
ラッシュ法により測定し、その結果を表1に示した。ま
た、走査電子顕微鏡(SEM)写真に対してインタセプ
ト法に基づき絶縁基板における主結晶粒子の平均結晶粒
径を求めた。さらに、絶縁基板の最表面における平均表
面粗さRaを触針式表面粗さ計により測定した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表1に示すように、同時焼成時の露点が−
20℃よりも高い試料No.1、30、31、34では、
いずれも導体抵抗の上昇、銅の拡散距離が20μmを超
え且つ表面荒さも低下した。るものであった。また、雰
囲気中に水素を含まない試料No.19、20、26、2
7では、メタライズの酸化が起こり、導体抵抗が上昇し
た。
【0050】また、内部配線層組成において、Cu/
(Cu+W+Mo)の体積比が0.3よりも小さい試料
No.10では、導体抵抗が8Ωcmよりも大きくなっ
た。
【0051】また、同時焼成の温度が1700℃よりも
高い試料No.18、34では、銅拡散距離が20μmよ
りも大きくなることにより、絶縁基板の絶縁性が劣化
し、またSi3 4 基板では絶縁基板の表面が分解して
表面粗さが非常に大きくなった。なお、従来のAl2
3 基板では、銅とAl2 3 の反応により磁器が変色
し、SiC基板では1700℃以下の温度で緻密化する
ことができなかった。
【0052】これらの比較例に対して、本発明の多層配
線基板によれば、導体抵抗が8Ωcm以下、銅の拡散距
離20μm以下であり、これにより配線層間の抵抗を1
9Ωcm以上に高めることができた。しかも、いずれ
も表面粗さRaが1μm以下であり、表面平滑性に優れ
るものであった。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の銅含有導体
からなる内部配線層を形成する場合、水素を含む露点が
−20℃以下の非酸化性雰囲気中で同時焼成することに
より、銅の絶縁基板中への拡散を20μm以下に抑制で
き、これにより配線層間の絶縁劣化を防止し、高信頼性
の高密度の配線層を形成することができる。しかも、焼
成後の基板表面の平滑性に優れ、研磨工程等を必要とし
ない安価な多層配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施態様を示す概略
断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板における内部配線層中の
銅の拡散状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 1a,1b、1c 絶縁層 2a 内部配線層 2b 表面配線層 3 ビアホール導体 4 銅元素

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主結晶相の平均結晶粒径が0.5〜2.5
    μmの非酸化物セラミックスからなる複数の絶縁層を積
    層してなる絶縁基板と、該絶縁基板内部に、少なくとも
    銅単体、あるいは銅とタングステンおよび/またはモリ
    ブデンを含み、Cu/(Cu+W+Mo)の体積比率が
    0.3以上の複合材料を主成分とする導体からなる内部
    配線層が配設され、前記内部配線層の周囲のセラミック
    スへの銅の拡散距離が20μm以下であり、且つ焼き肌
    面の表面粗さ(Ra)が1μm以下であることを特徴と
    する多層配線基板。
  2. 【請求項2】前記非酸化物セラミックスが、熱伝導率が
    40W/m・K以上の窒化アルミニウム質セラミックス
    または窒化珪素質セラミックスである請求項1記載の多
    層配線基板。
  3. 【請求項3】平均粒径が0.5〜2μmの非酸化物セラ
    ミック粉末を主成分とする混合粉末からなり、その表面
    に少なくとも銅、あるいは銅と、タングステンおよび/
    またはモリブデンとの複合材料を主成分とする導体ペー
    ストを配線パターン状に印刷塗布してなる複数のシート
    状成形体を積層した後、該積層体を水素および窒素を含
    む露点−20℃以下の雰囲気中で1500〜1700℃
    の温度で焼成することを特徴とする多層配線基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記非酸化物セラミック粉末が、直接窒化
    法によって製造された窒化アルミニウム粉末または窒化
    珪素粉末を主成分とすることを特徴とする請求項5記載
    の多層配線基板の製造方法
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