JP3493310B2 - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JP3493310B2
JP3493310B2 JP27618798A JP27618798A JP3493310B2 JP 3493310 B2 JP3493310 B2 JP 3493310B2 JP 27618798 A JP27618798 A JP 27618798A JP 27618798 A JP27618798 A JP 27618798A JP 3493310 B2 JP3493310 B2 JP 3493310B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、酸化アルミ
ニウム等のセラミックスを絶縁基板とする配線基板に関
し、詳細には銅を主成分とする低抵抗導体からなり、且
つ絶縁基板と同時焼成によって形成された表面及び内部
配線層を具備した多層配線基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導
体装置から発生する熱も増大する傾向にあり、そのため
に、熱による半導体装置の誤動作をなくすために発生し
た熱を装置外に放出可能な配線基板が必要とされてい
る。一方、電気的な特性としては、演算速度の高速化に
より、信号の遅延が問題となり、導体損失の小さい、即
ち、低抵抗の導体を用いることが要求されている。
【0003】従来より、このような半導体素子を搭載す
る配線基板としては、その信頼性の点から、アルミナセ
ラミックスを絶縁基板とし、その表面あるいは内部にタ
ングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる配線
層を被着形成したセラミック配線基板が多用されてい
る。
【0004】ところが、従来から多用されている高融点
金属からなる配線層では、抵抗を高々8mΩ/□程度ま
でしか低くできなかった。表面配線層は、Auメッキ等
を施すことにより配線抵抗を低くすることが可能である
が、内部配線層に関しては、絶縁基板との同時焼成後は
表面配線層のようにメッキ処理等を施すことができず、
配線層の低抵抗化は困難であった。
【0005】これに対して、近年に至り、表面及び内部
配線層を銅や銀などの低抵抗導体により同時焼成によっ
て形成可能な、いわゆるガラスセラミックスを絶縁基板
として用いた多層配線基板が提案されている。ところ
が、ガラスセラミックスの熱伝導率は高々数W/m・K
程度と非常に低く、前記熱的問題を解決することが難し
ものであった。
【0006】そこで、この熱的問題点と、電気的問題点
を同時に解決する方法として、酸化アルミニウムセラミ
ックスを絶縁基板として、銅、あるいは銅とタングステ
ンまたはモリブデンとを組み合わせた導体層を絶縁基板
と同時焼成により形成する方法が、特開平8−8502
号、特開平7−15101号、特許第2666744号
に提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−8502号は、そもそも酸化アルミニウムを緻密化
させるために、1600℃以上の高い温度で焼成するも
のであるが、このような高温で銅およびタングステンの
導体層を焼成すると、タングステンやモリブデンの急激
な焼結が進行して大きな凝集粒子を形成するために溶融
した銅成分が表面に分離し、表面配線層ににじみが生じ
たり、銅の揮散が生じるなど、表面配線層形状の保形性
が低下するとともに、組織の不均一性から抵抗も高くな
るという問題があった。しかも、配線層中の銅成分が、
焼成中に絶縁基板のセラミックス中に拡散し、配線層間
の絶縁性が劣化するために、微細な配線層を高密度に形
成することが難しいものであった。
【0008】また、特開平7−15101号によれば、
表面配線層は、一旦、すべての配線層を絶縁基板内部に
配設して同時焼成した後、研磨等により表面の絶縁層を
研磨除去して内部配線層を表面に露出させたり、焼成後
の配線基板の表面に、厚膜法や薄膜法によって表面配線
層を形成するものである。そのために、表面配線層を形
成するためには研磨工程、厚膜形成工程、薄膜形成工程
などが不可欠の工程となるために、製造工程が多く、歩
留りの低下やコスト高となるような問題があった。
【0009】さらに、特許第2666744号には、絶
縁基板を形成するためのセラミック粉末として、平均粒
径が5〜50nmの微細なアルミナ粉末を用いることに
より、金、銀、銅等などの低抵抗金属の焼成温度に近づ
けることにより、絶縁基板と低抵抗金属との同時焼結性
を達成したものであるが、このような微粉末は取扱いが
非常に難しく、コスト高であるために、量産性に欠ける
とともにコスト高となる問題があった。
【0010】また、絶縁基板表面に同時焼成によって形
成される表面配線層を多量の銅を含有する配線層によっ
て形成すると、焼成時に溶融した銅が流れだしてにじみ
が発生し、配線層の保形性が著しく低下し、微細な配線
を形成することができない。そのために、表面の配線層
には、タングステンやモリブデンなどを多量に添加する
ことが必要となる。ところが、タングステンやモリブデ
ン量を増加するに従い、シート抵抗も高くなるために、
銅を含有することによる効果が十分に期待できないとい
う問題があった。
【0011】従って、本発明は、酸化アルミニウムセラ
ミックスからなる絶縁基板と同時焼成によって形成さ
れ、銅を含み、しかも配線のにじみのない低抵抗の表面
配線層及び内部配線層を具備した多層配線基板を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、セラミッ
クスを絶縁基板とする多層配線基板における上記課題に
対して検討を重ねた結果、表面配線層に対しては、配線
層の保形性が重要であるために、適量のタングステンお
よび/またはモリブデンを含有させ、内部配線層は絶縁
基板によって上下から挟持されているために表面配線層
に比較して保形性が優れるために、表面配線層よりも銅
の含有量を多くすることによりシート抵抗を低下するこ
とにより前記目的が達成できることを見いだし、本発明
に至った。
【0013】即ち、本発明の多層配線基板は、セラミッ
ク絶縁基板と、該絶縁基板の内部及び表面に前記絶縁基
板と同時焼成によって形成された表面配線層及び内部配
線層とを具備してなり、前記表面配線層が、銅を10〜
70体積%、タングステン及び/またはモリブデンを3
0〜90体積%の割合で含有し、該配線層の表面に、金
属層をメッキ法によって被着形成してなり、前記内部配
線層が、銅を20〜80体積%、タングステン及び/ま
たはモリブデンを20〜80体積%の割合で含有すると
ともに、前記内部配線層中の銅含有量が、前記表面配線
層よりも多く含まれており、前記内部配線層および前記
金属層が被着形成された表面配線層のシート抵抗がいず
れも6mΩ/□以下であることを特徴とする。
【0014】なお、前記表面配線層は、シート抵抗が8
mΩ/□以下であることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多層配線基板の
一実施態様を示す概略断面図を基に説明する。図1の多
層配線基板は、セラミックスからなる複数の絶縁層1
a,1b、1cが積層された絶縁基板1の表面に表面配
線層2aと、絶縁層1a,1b,1c間に内部配線層2
bが設けられている。
【0016】本発明によれば、上記表面配線層2aおよ
び内部配線層2bを、銅とタングステン(W)および/
またはモリブデン(Mo)との複合材料を主成分とする
導体によって形成したものであり、この表面配線層2a
および内部配線層2bは、絶縁基板1と同時焼成によっ
て形成されたものである。
【0017】また、各層の配線層間は、絶縁層を貫通す
るように形成されたビアホール導体3によって電気的に
接続される。このビアホール導体3も表面配線層2aや
内部配線層2bと同様な導体材料によって同時焼成によ
って形成されることが望ましい。
【0018】さらに、表面配線層2aの表面には、酸化
による腐食防止、ワイヤボンディング性、半田との濡れ
性、および配線層の抵抗の低減のために、金属層4が無
電解メッキ、電解メッキなどの手法によって被着形成さ
れている。この金属層4としては、Au、Cu、Ti、
NiおよびPdの群から選ばれる少なくとも1種が望ま
しく、特に最表面はAuからなることが望ましい。
【0019】(配線層)上記表面配線層2aおよび内部
配線層2bは、銅を10〜80体積%、W及び/または
Moを20〜90体積%の割合で含有してなるものであ
るが、内部配線層2b中の銅含有量が、表面配線層2a
よりも多い,言い換えれば表面配線層2a中の銅含有量
が内部配線層2bよりも少ないことが大きな特徴であ
る。これは、表面配線層2a中の銅含有量は、シート抵
抗および配線層の保形性の点から決定されるものであ
り、且つ表面配線層2aの表面にはメッキ層などの金属
層4の形成により、シート抵抗を低くすることができる
のに対して、内部配線層2bにおいては、メッキ層など
の形成ができないために、内部配線層の抵抗が表面より
も大きくなってしまう。
【0020】そこで、本発明によれば、内部配線層2b
における銅の含有量を多くすること、即ち、表面配線層
2a中の銅含有量が内部配線層2bよりも少なくするこ
とにより、表面配線層2aの保形性を保ち微細配線の形
成を可能とするとともに、メッキ等により金属層4が被
着された表面配線層2aの抵抗と、メッキ等の金属層を
施すことができない内部配線層2bとの抵抗を同等のレ
ベルに制御することができる。
【0021】より具体的には、表面配線層2aは、配線
層の低抵抗化、絶縁基板1との同時焼結性および表面配
線層の保形性を維持する上で、銅を10〜70体積%、
特に40〜60体積%、Wおよび/またはMoを30〜
90体積%、特に40〜60体積%の割合で含有するこ
とが必要であり、特にシート抵抗が8mΩ/□以下であ
ることが望ましい。
【0022】これは、表面配線層2aにおける銅量が1
0体積%よりも少なく、WやMo量が90体積%よりも
多いと、表面配線層の抵抗が高くなり、また、銅量が7
0体積%よりも多く、WやMo量が30体積%よりも少
ないと、表面配線層の保形性が低下し、表面配線層2a
においてにじみなどが発生したり、溶融した銅によって
表面配線層が凝集して断線が生じるとともに、絶縁基板
と配線層の熱膨張係数差により配線層の剥離が発生する
ためである。
【0023】さらに、上記表面配線層2aの表面に被着
される金属層4は、W及び/又はMoを含有する表面配
線層2aとともに配線層の低抵抗化を図る上で、単層ま
たは複数層からなり、0.5〜10μmの厚さで形成さ
れることが望ましく、特に、メッキ層の好適な構造とし
ては、表面配線層2aとの固着性を向上させる上で、N
i、Cu、Pd、Tiの群から選ばれる金属を単層ある
いは複数層で形成し、さらにその上にAuメッキ層を形
成することが望ましい。
【0024】一方、内部配線層2bは、銅を20〜80
体積%、特に50〜80体積%、Wおよび/またはMo
を20〜80体積%、特に20〜50体積%の割合で含
有することが必要で、特にシート抵抗が6mΩ/□以下
であることが望ましい。
【0025】これは、内部配線層2bでは、銅量が20
体積%より少なく、WやMo量が80体積%よりも多い
と6mΩ/□以下の低抵抗化は望めず、逆に、銅量が8
0体積%よりも多く、WやMo量が20体積%よりも少
ないと、内部配線層の保形性が悪く溶融した銅が絶縁層
間に拡散し低下し配線が細くなったり断線が生じるため
シート抵抗が高くなってしまうためである。
【0026】また、本発明においては、少なくとも表面
配線層2aにおいて前記W及び/またはMoは、平均粒
径1〜10μmの球状あるいは数個の粒子による焼結粒
子として銅からなるマトリックス中に分散含有している
ことが望ましい。これは、上記平均粒径が1.0μmよ
りも小さい場合、表面配線層2aの保形性が悪くなると
ともに組織が多孔質化し配線層の抵抗も高くなり、10
μmを越えると銅のマトリックスがWやMoの粒子によ
って分断されてしまい配線層の抵抗が高くなったり、銅
成分が分離してにじみなどが発生する虞があるためであ
る。なお、W及び/またはMoは、平均粒径1.3〜5
μm、特に1.3〜3μmの大きさで分散されているこ
とが最も望ましい。
【0027】さらに、上記表面配線層2aおよび内部配
線層2b中には、絶縁基板1との密着性を改善するため
に、絶縁基板を構成するセラミック主成分、あるいは絶
縁基板組成と同一組成のセラミック成分を0.05〜2
体積%の割合で含有させることも可能である。
【0028】本発明の配線基板においては、銅の融点を
越える温度での同時焼成によって、表面配線層2aや内
部配線層2b中の銅成分が絶縁基板1中に拡散する場合
があるが、本発明によれば、上記少なくとも銅を含む配
線層周囲の絶縁基板1のセラミックスへの銅の拡散距離
が20μm以下、特に10μm以下であることが望まし
い。これは、銅のセラミックス中への拡散距離が20μ
mを超えると、配線層間の絶縁性が低下し、配線基板と
しての信頼性が低下するためであり、この銅の拡散距離
を20μm以下とすることにより、前記配線層のうち、
同一平面内に形成された配線層間の最小線間距離を10
0μm以下、特に90μm以下の高密度配線化を図るこ
とができる。また、同様に図1に示すように、1つの絶
縁層内に複数のビアホール導体3が形成される場合、そ
のビアホール導体3間の最小離間距離も上記と同様な理
由から100μm以下、特に90μm以下に制御するこ
とが可能である。
【0029】また、本発明の配線基板は、後述するよう
に焼成温度及び雰囲気を制御して焼成することによっ
て、絶縁基板1の表面の平均表面粗さRaを1μm以
下、特に0.7μm以下の平滑性に優れた表面を形成で
きるものであり、その結果、絶縁基板1の表面に表面配
線層2aを形成する場合、絶縁基板1表面研磨加工等を
施す必要がないことも大きな特徴である。
【0030】(絶縁基板)本発明において、絶縁基板1
としては、熱伝導率が10W/m・K以上、特に15W
/m・K以上、強度が200MPa以上、特に300M
Pa以上のセラミックス特に高熱伝導性および高強度を
有するセラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al
2 3 )、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(S
3 4 )などが挙げられるが、銅を含有する表面配線
層および内部配線層との同時焼結性および表面配線層の
保形性を達成する上で、酸化アルミニウムを主成分とす
るセラミックスが最も望ましい。
【0031】具体的には、酸化アルミニウムセラミック
スは、高熱伝導性、高強度を具備する上で、相対密度9
5%以上、特に97%以上、さらには99%以上の高緻
密体から構成されていることが望ましい。
【0032】本発明では、表面配線層2a及び内部配線
層2bとの同時焼結時による保形性を達成する上で12
00〜1500℃の低温で焼成することが望ましく、本
発明によれば、このような低温での焼成においても相対
密度95%以上に緻密化することが必要となる。
【0033】かかる観点から、本発明における絶縁基板
1は、酸化アルミニウムを90重量%以上の割合で含有
し、上記焼成温度での焼結性を高める上で、第2の成分
として、Mn化合物をMnO2 換算で2.0〜6.0重
量%の割合で含有することが望ましい。即ち、Mn化合
物量が2.0重量%よりも少ないと、1200〜150
0℃での緻密化が難しく、また6.0重量%よりも多い
と絶縁基板1の絶縁性が低下するためである。Mn化合
物の最適な範囲は、MnO2 換算で3〜5重量%であ
る。
【0034】また、この絶縁基板1中には、第3の成分
として、SiO2 およびMgO、CaO、SrO等のア
ルカリ土類元素酸化物を銅含有導体との同時焼結性を高
める上で、合計で0.4〜8重量%の割合で含有せしめ
ることが望ましい。さらに第4の成分としてW、Mo、
Crなどの金属を着色成分として2重量%以下の割合で
含んでもよい。
【0035】上記酸化アルミニウム以外の成分は、酸化
アルミニウム主結晶相の粒界に非晶質相あるいは結晶相
として存在するが、熱伝導性を高める上で粒界中に助剤
成分を含有する結晶相が形成されていることが望まし
い。
【0036】また、絶縁基板1を形成する酸化アルミニ
ウム主結晶相は、粒状または柱状の結晶として存在する
が、これら主結晶相の平均結晶粒径は、1.5〜5.0
μmであることが望ましい。なお、主結晶相が柱状結晶
からなる場合、上記平均結晶粒径は、短軸径に基づくも
のである。この主結晶相の平均結晶粒径が1.5μmよ
りも小さいと、高熱伝導化が難しく、平均粒径が5.0
μmよりも大きいと基板材料として用いる場合に要求さ
れる十分な強度が得られにくくなるためである。
【0037】(製造方法)次に、本発明の配線基板の製
造方法について、絶縁基板として酸化アルミニウムを主
成分とするセラミックスを用いた場合について具体的に
説明する。まず、絶縁基板を形成するために、酸化物セ
ラミックスの主成分となる酸化アルミニウム原料粉末と
して、平均粒径が0.5〜2.5μm、特に0.5〜
2.0μmの粉末を用いる。これは、平均粒径は0.5
μmよりも小さいと、粉末の取扱いが難しく、また粉末
のコストが高くなり、2.5μmよりも大きいと、15
00℃以下の温度で焼成することが難しくなるためであ
る。
【0038】そして、上記酸化アルミニウム粉末に対し
て、第2の成分として、MnO2 を2.0〜6.0重量
%、特に3.0〜5.0重量%の割合で添加する。ま
た、適宜、第3の成分として、SiO2 、MgO、Ca
O、SrO粉末等を0.4〜8重量%、第4の成分とし
て、W、Mo、Crなどの遷移金属の金属粉末や酸化物
粉末を着色成分として金属換算で2重量%以下の割合で
添加する。なお、上記酸化物の添加に当たっては、酸化
物粉末以外に、焼成によって酸化物を形成し得る炭酸
塩、硝酸塩、酢酸塩などとして添加してもよい。
【0039】そして、この混合粉末を用いて絶縁層を形
成するためのシート状成形体を作製する。シート状成形
体は、周知の成形方法によって作製することができる。
例えば、上記混合粉末に有機バインダーや溶媒を添加し
てスラリーを調製した後、ドクターブレード法によって
形成したり、混合粉末に有機バインダーを加え、プレス
成形、圧延成形等により所定の厚みのシート状成形体を
作製できる。
【0040】このようにして作製したシート状成形体に
対して、平均粒径が1〜10μmの銅粉末10〜80体
積%、平均粒径が1〜10μmのタングステン及び/ま
たはモリブデンを20〜90体積%の割合で含有する導
体ペーストを調製し、このペーストを各シート状成形体
にスクリーン印刷、グラビア印刷等の手法によって印刷
塗布する。
【0041】その際、表面配線層形成用導体ペーストと
しては、導体成分組成を銅を10〜70体積%、Wおよ
び/またはMoを30〜90体積%の割合で、また内部
配線層形成用導体ペーストとしては、銅を20〜80体
積%、Wおよび/またはMoを20〜80体積%の割合
で含有することが望ましい。
【0042】なお、ビアホール導体を形成する場合に
は、シート状成形体に対して、マイクロドリル、レーザ
ー等により直径が50〜250μmのビアホールを形成
した後、このビアホール内に上記表面配線層形成用ある
いは内部配線層形成用の導体ペーストを充填する。
【0043】これらの導体ペースト中には、絶縁層との
密着性を高めるために、酸化アルミニウム粉末や、絶縁
層を形成する酸化物セラミックス成分と同一の組成物粉
末を0.05〜2体積%の割合で添加することも可能で
ある。
【0044】その後、導体ペーストを印刷塗布したシー
ト状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層
体を、この焼成を、非酸化性雰囲気中、焼成最高温度が
1200〜1500℃の温度となる条件で焼成する。
【0045】この時の焼成温度が1200℃より低い
と、通常の原料を用いた場合において、酸化アルミニウ
ム絶縁基板が相対密度95%以上まで緻密化できず、熱
伝導性や強度が低下し、1500℃よりも高いと、Wあ
るいはMo自体の焼結が進み、銅との均一組織を維持で
きなく、強いては低抵抗を維持することが困難となりシ
ート抵抗8mΩ/□以下が得られなくなる。また、酸化
物セラミックスの主結晶相の粒径が大きくなり異常粒成
長が発生したり、銅がセラミックス中へ拡散するときの
パスである粒界の長さが短くなるとともに拡散速度も速
くなる結果、拡散距離を30μm以下に抑制することが
困難となるためである。好適には、1250〜1400
℃の範囲がよい。
【0046】また、この焼成時の非酸化性雰囲気として
は、窒素、あるいは窒素と水素との混合雰囲気であるこ
とが望ましいが、特に、配線層中の銅の拡散を抑制する
上では、水素及び窒素を含み露点+10℃以下、特に−
10℃以下の非酸化性雰囲気であることが望ましい。な
お、この雰囲気には所望により、アルゴンガス等の不活
性ガスを混入してもよい。焼成時の露点が+10℃より
高いと、焼成中に酸化物セラミックスと雰囲気中の水分
とが反応し酸化膜を形成し、この酸化膜と銅含有導体の
銅が反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとなるのみ
でなく、銅の拡散を助長してしまうためである。
【0047】その後、同時焼成された配線基板の表面配
線層2aに対して、無電解メッキ、または電解メッキ法
により、前述したように、Au、Cu、Ti、Niおよ
びPdの群から選ばれる少なくとも1種の金属層を0.
5〜10μmの厚みで被着形成する。
【0048】また、この表面配線層2aに対してFe−
Ni−Co、Cu−W等からなる金具を取り付ける場合
には、上記金属層に対して共晶半田などの半田を用いて
接合することができる。
【0049】
【実施例】酸化アルミニウム粉末(平均粒径1.8μ
m)に対して、MnO2 を4重量%、SiO2 を3重量
%、MgOを0.5重量%の割合で添加混合した後、さ
らに、成形用有機樹脂(バインダー)としてアクリル系
バインダーと、トルエンを溶媒として混合してスラリー
を調製した後、ドクターブレード法にて厚さ250μm
のシート状に成形した。そして、所定箇所にホール径1
20μmのビアホールを形成した。
【0050】次に、平均粒径が5μmの銅粉末と、平均
粒径が0.8〜12μmのW粉末あるいはMo粉末とを
用いて、内部配線層用及び表面配線層用として表1、2
に示す比率で混合し、アクリル系バインダーとをアセト
ンを溶媒として導体ペーストを作製した。
【0051】そして、シート状成形体上に上記導体ペー
ストを印刷塗布し、各シート状成形体のビアホール導体
にも上記内部配線層用導体ペーストを充填した。上記の
ようにして作製した各シート状成形体を位置合わせして
積層圧着して、表面配線層用導体ペーストを塗布したシ
ート状成形体が最上層となる積層体を作製した。その
後、この積層体を実質的に水分を含まない酸素含有雰囲
気中(N2 +O2 または大気中)で脱脂を行った後、1
300℃の温度にて、露点−10℃の窒素水素混合雰囲
気にて焼成した。
【0052】そして、表面配線層に対して、電解メッキ
法によって、表1に示すような各種の金属層を被着形成
した。
【0053】別途、ペーストを塗布しないシート状成形
体の積層体を上記と同様の条件で焼成して得た焼結体に
対して、アルキメデス法によって相対密度を測定した結
果、相対密度99.5%であり、レーザーフラッシュ法
によって熱伝導率(厚さ3mm)が18W/m・K、体
積固有抵抗が1014Ω−cm以上であった。
【0054】また、配線基板の表面配線層及び内部配線
層、金属層を形成した表面配線層に対して、配線の導体
抵抗、長さ、幅、厚みを測定した後、厚さ15μmの導
体に換算したシート抵抗(mΩ/□)を算出した。ま
た、配線基板を外観検査し、表面配線層のにじみの発生
および表面配線層の剥離等の有無を観察した。結果は、
表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】表1に示すように、表面配線層組成におい
て、配線層のCu含有量が10体積%よりも少ない試料
No.1では、メッキ後も導体抵抗が8mΩ/□よりも大
きくなった。また70体積%よりも多い試料No.11、
12では、配線の保形性が悪くなるとともに、組織が不
均一となりシート抵抗が8mΩ/□以上になるととも
に、表面配線層ににじみおよび一部剥離も観察された。
内部配線層組成において、配線層のCu含有量が80体
積%よりも多い試料No.12では、内部配線層のシート
抵抗が6mΩ/□より高くなってしまった。またCu含
有率が表面配線層よりも多くない試料No.2では、シー
ト抵抗がメッキ後の表面配線層に比べ低くならなかっ
た。
【0057】なお、上記本発明の配線基板において、E
PMA(X線マイクロアナライザー)分析において、配
線層の端部から同一平面内において、銅元素が検出され
る領域の最外部までの距離を10箇所測定したところ、
各配線層の銅の拡散距離は平均で20μm以下と良好な
特性を示した。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の配線基板に
よれば、高熱伝導性の酸化アルミニウムセラミックスか
らなる絶縁基板の少なくとも表面に同時焼成によって低
抵抗の銅を含有する配線層を形成することができ、高信
頼性の高密度、低抵抗の配線層を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施態様を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 1a,1b、1c 絶縁層 2a 表面配線層 2b 内部配線層 3 ビアホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−186346(JP,A) 特開 平2−197189(JP,A) 特開 平1−164096(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46 H05K 1/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック絶縁基板と、該絶縁基板の内部
    及び表面に前記絶縁基板と同時焼成によって形成された
    表面配線層及び内部配線層とを具備してなり、前記表面
    配線層が、銅を10〜70体積%、タングステン及び/
    またはモリブデンを30〜90体積%の割合で含有し、
    該配線層の表面に、金属層をメッキ法によって被着形成
    してなり、前記内部配線層が、銅を20〜80体積%、
    タングステン及び/またはモリブデンを20〜80体積
    %の割合で含有するとともに、前記内部配線層中の銅含
    有量が、前記表面配線層よりも多く含まれており、前記
    内部配線層および前記金属層が被着形成された表面配線
    層のシート抵抗がいずれも6mΩ/□以下であること
    特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】前記表面配線層のシート抵抗が8mΩ/□
    以下であることを特徴とする請求項1記載の多層配線基
    板。
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