JP5195858B2 - 窒化珪素基板 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化珪素(Si)質焼結体からなる窒化珪素基板の表面に金属からな
る配線回路パターンが形成されて構成され、各種配線基板や半導体素子収納用パッケージ
等に適用される窒化珪素基板に関する。
近年、例えば、電動車両用インバータとして高電圧、大電流動作が可能なパワー半導体
モジュール(IGBT、MOSFET等)が用いられている。パワー半導体モジュールに
使用される配線基板としては、窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素基板の表面に配線回路
パターンが形成される金属箔又は金属板を接合した窒化珪素配線基板が、高い熱伝導率を
有し、かつ機械的強度、破壊靭性及び耐熱疲労特性に優れていることから最近注目されて
いる。金属箔又は金属板としては、銅(Cu)又はアルミニウム(Al)等が使用されて
いる。
窒化珪素基板と金属箔又は金属板との接合は、例えば、活性金属ろう付け法等が用いら
れている。ここで、活性金属ろう付け法とは、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)又
はハフニウム(Hf)等の活性金属と低融点合金を作る銀(Ag)、銅(Cu)等の金属
を混合又は合金としたろう材を用いて金属箔又は金属板を窒化珪素基板の表面にろう材相
を介して不活性ガス又は真空雰囲気中で加熱圧着接合するものである。その後、金属箔又
は金属板をエッチング処理して配線回路パターンを形成した後、配線回路パターン上にニ
ッケル(Ni)−リン(P)等からなる無電解めっき層を形成し、窒化珪素配線基板が作
製される。さらに、無電解めっき層の表面に半導体素子等が搭載されてパワー半導体モジ
ュールが作製される。
ところが、このような窒化珪素配線基板における配線回路パターンの表面に無電解めっ
き層を形成する場合、めっき前に配線回路パターンに対して、活性パラジウム(Pd)を
塗布し洗浄するが、その際に、活性パラジウム(Pd)が配線回路パターンの表面のみな
らず、窒化珪素基板の表面の柱状の結晶がランダムに配列した表面組織内にトラップされ
てしまい、その結果、その後の無電解めっき時に、配線回路パターンの表面のみならず、
配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面にまでめっきされてしまい、めっき付着による
黒ずみ斑点等の外観不良、さらには配線回路パターン間でショートするといった不具合が
発生するという問題があった。黒ずみ斑点は、配線回路パターンの絶縁抵抗を低下させて
しまう。
そこで、上記した不都合を解決するために、従来の窒化珪素配線基板には、窒化珪素基
板の表面における少なくとも隣接する配線回路パターン間の窒化珪素基板表面の表面粗さ
Rzを1〜3μmとし、かつ、窒化珪素基板の厚みを0.3〜0.7mmとしたものがあ
る(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−127388号公報(請求項1,[0010]〜[0042]、図1)
上記特許文献1に記載された窒化珪素配線基板では、(1)窒化珪素基板の表面におけ
る少なくとも隣接する配線回路パターン間の窒化珪素基板表面の表面粗さRzが1〜3μ
mである必要がある、(2)窒化珪素質焼結体のブラスト処理後の表面において窒化珪素
結晶粒子の平均アスペクト比が5以下である必要がある、(3)(2)の条件を満たすた
めには窒化珪素質焼結体が1800℃以下の温度で焼成可能であることが必要であるなど
、条件が厳しく、低温での焼結性を確保するために原料の粒度、焼結助剤成分が限定され
るなど生産性が低いという課題があった。
また、上記特許文献1に記載された窒化珪素配線基板では、上記(3)で示すように低
温焼成可能とするため、熱伝導において抵抗となる粒界相の量が多く、熱伝導率が60W
/m・K程度に留まってしまうという課題があった。さらに、低温で焼成することにより
、窒化珪素質焼結体中の窒化珪素粒子が小さいため、高強度を有する反面、靱性が低く、
冷熱繰り返し等によって生じる損傷に対して十分な耐久性がなく高い信頼性を維持できな
いという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような課題を解決するこ
とができる窒化珪素基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係る窒化珪素基板は、表面に金属からなる配線回路パターンがろう材により接合されるとともに、前記配線回路パターンの表面に、Pdが含まれる活性液を用いた無電解めっきによって形成されためっき層が形成されて構成された窒化珪素配線基板に使用される窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素基板であって、前記窒化珪素基板を構成する窒化硅素質焼結体は、窒化硅素原料粉を含む成形体を1800〜2000℃の温度、0.5〜1MPaの窒素加圧雰囲気中で焼結し切断面における窒化硅素結晶粒子の平均長軸径が3.0μm以上であり、前記窒化珪素基板の表面粗さRzが3μmより大きく20μm以下で、前記窒化珪素基板の表面に形成される前記配線回路パターン間の前記窒化珪素基板の表面に残留するパラジウム(Pd)の表面濃度が0.05ppm以下となることを特徴とする。
本発明によれば、製造条件を厳しくすることなく、高い生産性で、高強度、高熱伝導で
、かつ高靭性の窒化珪素基板を得ることができる。このため、熱抵抗が低く、信頼性の高い窒化珪素基板を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る窒化珪素配線基板を適用した半導体モジュールの概略構成の一例を示す断面図である。 図1に示す窒化珪素配線基板の製造工程を示す製造工程図である。 実施例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面の光学顕微鏡観察写真の一例を示す図である。 比較例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面の光学顕微鏡観察写真の一例を示す図である。 実施例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面のSEM観察写真の一例を示す図である。 実施例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面のSEM観察写真の一例を示す図である。 実施例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面のSEM観察写真の一例を示す図である。 比較例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面のSEM観察写真の一例を示す図である。 比較例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化アルミニウム(AlN)基板の表面のSEM観察写真の一例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る窒化珪素配線基板は、窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素基
板の表面に金属からなる配線回路パターンがろう材により接合されるとともに、上記配線
回路パターンの表面にめっき層が形成されて構成されたものである。この場合、窒化珪素
基板の表面粗さRzが3μmより大きく20μm以下である。
以下、さらに詳しく本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係る窒化珪素配線基板1を適用した半導体モジュール2の概略構成の一例を示す断面
図である。窒化珪素配線基板1は、窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素基板11の表面及
び裏面に金属箔又は金属板からなる配線回路パターン13及び放熱板16がろう材12を
介してそれぞれ接合されるとともに、配線回路パターン13及び放熱板16の表面に無電
解めっき層14がそれぞれ形成されて構成されている。この窒化珪素配線基板1の無電解
めっき層14の表面にMOSFET等からなる半導体素子15がはんだ層17により接合
されて半導体モジュール2が構成されている。金属箔又は金属板としては、例えば、銅(
Cu)、アルミニウム(Al)及び金(Au)の群から選択される少なくとも1種の低抵
抗金属からなり、厚さが0.1mm以上、特に0.2mm以上であることが望ましい。
本発明の実施の形態では、上記窒化珪素基板の表面粗さRzが3μmより大きく20μ
m以下であることに特徴がある。上記特許文献1には、上記窒化珪素基板の表面粗さRz
が3μmよりも大きいと、無電解めっき処理を施した場合に、配線回路パターン間及び沿
面部に位置する窒化珪素配線基板の表面において、活性液が窒化珪素結晶粒子間にトラッ
プされてめっきが付着してしまい、配線回路パターン間の絶縁抵抗が低下したり、場合に
よっては、ショートするなどの問題が発生したりする旨記載されている。
しかし、本発明の発明者らが鋭意検討した結果、上記窒化珪素基板の表面粗さRzが3
μmより大きく20μm以下(熱伝導率が90W/m・Kである場合にはRzが3.1μ
mより大きく9.5μm以下)である場合であっても、上記めっき付着現象を防止するこ
とを可能とするに至った。
これは、以下に示す理由による。
まず、上記窒化珪素基板の表面粗さRzが20μmより大きくなると、窒化珪素基板を
パラジウム(Pd)を含有する活性液に浸漬した後にその窒化珪素基板に残留しているパ
ラジウム(Pd)を除去することが困難であるため、最終的に窒化珪素配線基板の配線回
路パターン間に残留するパラジウム(Pd)が多くなる。そして、配線回路パターンの表
面に無電解めっき層を形成する際に、配線回路パターン間に残留するパラジウム(Pd)
の部分を核としてめっき成分であるニッケル(Ni)が堆積するため、窒化珪素配線基板
の配線回路パターン間に黒ずみ斑点が多く生じることになる。この点、上記窒化珪素配線
基板の表面粗さRzが20μm以下である場合には、窒化珪素配線基板の配線回路パター
ン間に残留するパラジウム(Pd)を、不具合を生じない範囲までに除去することが可能
であるため、上記黒い斑点による不具合を抑制することができる。
一方、窒化珪素質焼結体中の窒化珪素粒子を小さくすることにより、上記窒化珪素基板
の表面粗さRzを3μm以下とすれば、最終的に窒化珪素配線基板の配線回路パターン間
に残留するパラジウム(Pd)量を低減することは可能である。しかし、窒化珪素質焼結
体中の窒化珪素粒子を小さくした場合、パワー半導体モジュール等に使用される窒化珪素
基板に要求される熱伝導性が低下してしまうとともに、冷熱繰り返し等に対する実装信頼
性に影響を与える破壊靱性が低下してしまう。何故なら、窒化珪素基板の熱伝導率は、窒
化珪素粒子の純度、大きさ及び粒界相量(焼結助剤)の影響を受け、窒化珪素粒子径の低
下、粒界相量の増大により低減するからである。また、破壊靱性は、窒化珪素粒子の大き
さ、形状(アスペクト比)及び粒界相成分の影響を受け、窒化珪素粒子径の低下、アスペ
クト比の低下により減少するからである。この点、上記窒化珪素基板の表面粗さRzが3
μmより大きい場合には、高い熱伝導率が得られるとともに、破壊靱性が高く、冷熱繰り
返し等に対する実装信頼性が高い。
また、本発明の実施の形態で用いられる窒化珪素基板は、実装信頼性及び冷熱繰り返し
特性の観点から、特に厚さ方向に対する高靭性を有し、かつ、高強度であって、放熱性の
観点から高熱伝導性を備えたものが望ましい。この場合、窒化珪素基板の表面におけるβ
型窒化珪素結晶粒子の長軸径と短軸径との平均比率である平均アスペクト比が5より大き
く10以下であることが望ましい。これは、窒化珪素配線基板の製造上の観点から、後述
するように、窒化珪素配線基板の配線回路パターン間に残留するパラジウム(Pd)量を
制御することができるからである。また、窒化珪素配線基板の機能上の観点から、上記し
た破壊靱性、熱伝導率が優れているからである。
ここで、上記アスペクト比と窒化珪素基板の表面粗さとの間にある因果関係について説
明する。窒化珪素基板に含有されるβ型窒化珪素粒子の結晶系は、斜方晶に属し形状異方
性を有している。このβ型窒化珪素粒子は、焼結過程において粒成長するが、焼結過程で
は、短軸(a軸)方向と比較して長軸(c軸)方向の成長度合いが高く、その最終的な結
晶形状は針状となる。この最終的な結晶形状は、焼結温度、原料粒度、焼結助剤組成が大
きく関与しているが、窒化珪素基板の表面性状は、特に、粒子サイズ及びアスペクト比が
関与している。このため、窒化珪素粒子の粒子サイズが大きいほど、またアスペクト比が
大きいほど、基板表面粗さは増大する傾向にある。
以下、本発明者らが先に提案した窒化珪素基板を一例として以下に示す。
(a)マグネシウム(Mg)とルテチウム(Lu)及びイットリウム(Y)を含む希土類
元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素(RE)を焼結助剤として添加
する窒化珪素質焼結体であって、焼結体中にマグネシウム(Mg)を酸化マグネシウム(
MgO)換算で0.03〜8.0mol%、ルテチウム(Lu)を酸化ルテチウム(Lu
)換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なく
とも1種の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部
がβ窒化珪素からなる窒化珪素質焼結体を用いた窒化珪素基板。
(b)マグネシウム(Mg)とルテチウム(Lu)及びイットリウム(Y)を含む希土類
元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化
珪素質焼結体であって、焼結体中にマグネシウム(Mg)を酸化マグネシウム(MgO)
換算で0.03〜8.0mol%、ルテチウム(Lu)を酸化ルテチウム(Lu
換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種
の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化
珪素からなり、当該焼結体中の総酸素量が2.5質量%以下である窒化珪素質焼結体を用
いた窒化珪素基板。
(c)マグネシウム(Mg)とルテチウム(Lu)及びイットリウム(Y)を含む希土類
元素(RE)から選択された少なくとも1種の希土類元素を焼結助剤として添加する窒化
珪素質焼結体であって、焼結体中にマグネシウム(Mg)を酸化マグネシウム(MgO)
換算で0.03〜8.0mol%、ルテチウム(Lu)を酸化ルテチウム(Lu
換算で0.14〜1.30mol%、希土類元素(RE)から選択された少なくとも1種
の元素を酸化物(RE)換算で0.12〜1.30mol%含有し、残部がβ窒化
珪素からなり、当該焼結体は窒化珪素粒子と粒界相とからなり、当該粒界相に少なくとも
(RE、Lu)Si結晶が析出している窒化珪素質焼結体を用いた窒化珪素
基板。
(d)上記(a)〜(c)の窒化珪素基板において、希土類元素がガドリウム(Gd)で
あり、酸化ガドリウム(Gd)換算で0.12〜1.30mol%含有している窒
化珪素質焼結体を用いた窒化珪素基板。
(e)上記(c)又は(d)の窒化珪素基板において、焼結体中の総酸素量が2.5質量
%以下である窒化珪素焼結体を用いた窒化珪素基板。
また、平均粒子径が0.2〜4μmのα型窒化珪素粉末99〜50重量部と、マグネシ
ウム(Mg)と、イットリウム(Y)及び希土類元素(RE)からなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素とを含む焼結助剤とを配合し、1800〜2000℃の温度、0.5
〜0.92MPaの窒素加圧雰囲気にて焼結することにより製造した窒化珪素素質焼結体
を用いても良い。このような窒化珪素素質焼結体は、当該焼結体が含有するマグネシウム
(Mg)を酸化マグネシウム(MgO)に換算し、同じく含有するランタン(La)、イ
ットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)及びイッテルビウム (Yb)を含む希土類元
素を希土類酸化物(RE)に換算したとき、これら酸化物に換算した酸化物含有量
の合計が0.6〜10wt%で、かつ、(MgO)/(RE)>1であるものが良
く、このような窒化珪素質焼結体を用いた窒化珪素基板がある。
次に、本発明の実施の形態で用いられる窒化珪素基板では、窒化珪素焼結体の切断面に
おける窒化珪素結晶粒子の平均長軸径が3.0μmより大きいことが望ましい。これは、
以下に示す理由による。まず、窒化珪素基板の強度(σ)と破壊靭性(K1c)との関
係は、式(1)で表すことができる。
σ=α・K1c/(π・c)0.5 ・・・(1)
式(1)において、cは窒化珪素基板中に存在する欠陥のサイズを表している。欠陥と
しては、例えば、気孔や窒化珪素粗大粒子がある。また、式(1)において、αは、欠陥
の形状又は欠陥の存在位置に基づく欠陥同士の相互干渉の度合いにより定まる定数を表し
ている。
式(1)から、窒化珪素基板の強度(σ)の増大には、欠陥のサイズc、例えば、気
孔や窒化珪素粗大粒子の径の寄与分よりも、破壊靭性(K1c)の寄与分の方が大きいこ
とが分かる。つまり、破壊靭性(K1c)を向上させれば、窒化珪素基板自体の強度(σ
)を増大させることが可能となる。
これに対し、冷熱繰り返し等に対する実装信頼性の向上には、窒化珪素基板の強度(σ
)の寄与分よりも、破壊靭性(K1c)の寄与分の方が大きい。以下、その理由を示す
。まず、窒化珪素基板の強度(σ)は、金属箔又は金属板と窒化珪素基板との界面に、
数μmの微細クラックが生じる確率に影響を与える要素である。一方、破壊靭性(K1c
)は、この微細クラックが冷熱繰り返しの条件下において、クラックの進展を抑制するこ
とができるか否かを示す尺度である。
例えば、窒化珪素基板の強度(σ)が800MPaの高強度を保持する場合において
も、特に1.0〜2.0mmの範囲にある厚い金属板を接合した窒化珪素配線基板では、
冷熱繰り返しにおいて金属板と窒化珪素基板との界面における微細クラックの発生を無く
すことはできない。この場合、破壊靭性(K1c)が低いと、更なる冷熱繰り返しにおい
て、この微細クラックは容易に進展して、金属板と窒化珪素基板との界面において致命的
な破壊が生じることになる。一方、破壊靭性(K1c)を高めることにより、この微細ク
ラックの進展を抑制することでき、ひいては窒化珪素配線基板の実装信頼性を高めること
ができる。破壊靭性(K1c)は、窒化珪素粒子の大きさ、形状(アスペクト比)及び粒
界相成分に影響されるが、窒化珪素粒子径及びアスペクト比が大きいほど増大する傾向に
ある。以上のことから、窒化珪素結晶粒子の平均長軸径が3.0μm以上であることが望
ましい。
次に、本発明の実施の形態に係る窒化珪素配線基板について、図2に示す製造工程図を
参照して説明する。まず、上記窒化珪素基板の製造方法の一例について説明する(プロセ
スP1)。上記焼結助剤を所定の窒化珪素原料粉に添加する。この原料粉に有機バインダ
ー、可塑剤等を混入しボールミル等で均一に混合する。混合した原料スラリーを脱泡・増
粘した後、これを従来公知のドクターブレード法で所定板厚にシート成形して成形体を得
る。このシート成形体を焼結炉内で1800〜2000℃の温度、0.5〜1MPaの窒
素加圧雰囲気中で焼結する。焼成温度は、1500℃以下の場合には、緻密化不足を起こ
し、2000℃より高い場合には、粒成長が進みすぎてどちらにしても強度不足となる。
最終的な焼成温度は、望ましくは1850〜1950℃である。また、焼成雰囲気に関し
ては、窒化珪素の分解を抑えるため、窒素圧が高い方が好ましいが1MPa以上では焼成
炉の設備上のコスト負担が大きく好ましくない。他方0.5MPa以下では窒化珪素の分
解が起きる。それ以上であれば良いが0.6〜0.95MPaの窒素加圧中が望ましい。
このようにして作製される窒化珪素基板の厚さは、0.3mmより厚く2.0mm以下
であることが望ましい。以下、その理由について説明する。まず、窒化珪素基板の厚さが
0.3mm以下である場合には、金属からなる配線回路パターンと窒化珪素基板との接合
界面における接合信頼性が低下してしまう。また、金属からなる配線回路パターンと窒化
珪素基板の裏面に接合される金属放熱板との間、即ち、窒化珪素基板表裏間における絶縁
耐圧が低下するため、窒化珪素配線基板としての使用範囲が限定されてしまう。
これに対し、窒化珪素基板の厚さが2.0mmより厚い場合には、窒化珪素基板自体の熱
伝導率は、金属からなる配線回路パターンの熱伝導率(銅(Cu):390W/m・K、
アルミニウム(Al):220W/m・K)に比較して、90W/m・Kと低いため、こ
の窒化珪素基板の厚さを2.0mmより厚くすると、窒化珪素配線基板としての放熱性を
低下させてしまう。
次に、上記プロセスP1において作製された窒化珪素基板を表面処理する(プロセスP
2:表面処理工程)。即ち、上記窒化珪素基板にブラスト処理を施し、窒化珪素基板の表
面粗さRzを3μmより大きく20μm以下に制御する。ブラスト処理には、コンプレッ
サーエアーで酸化アルミニウム(アルミナ)(Al)等の研磨材を被研磨品に吹き
付ける乾式ブラスト処理やコンプレッサーエアーで研磨材と溶液の混合物を被研磨品に吹
き付ける湿式ブラスト処理がある。従って、上記特許文献1に記載された窒化珪素配線基
板の製造方法のように、バレル研磨処理を施す必要がないので、処理時間を短縮すること
ができるとともに、高価な設備を設置する必要がない。
次に、上記プロセスP2において表面処理された窒化珪素基板の表面に活性金属ろう材
を用いて金属を接合する(プロセスP3:接合工程)。ろう材としては、例えば、銀(A
g)−銅(Cu)−チタン(Ti)系、銅(Cu)−金(Au)−チタン(Ti)系など
、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)又はハフニウム(Hf)等の活性金属と低融点
合金を作る銀(Ag)、銅等の金属を混合又は合金としたものを用いる。窒化珪素基板の
所定箇所に上記ろう材のペーストを例えば、用いるろう材粉末の粒度に依存するが、厚さ
10〜50μm程度塗布する。次に、上記ろう材の表面に厚さ0.1mm以上の金属箔又
は金属板を載置し、例えば、800〜900℃で加圧しながら接合する。接合後に窒化珪
素基板と金属との接合界面に発生する残留応力を低減させるために、ろう材の溶融温度を
下げることが有用であるが、この場合に選定するろう材としては、上記、銀(Ag)−銅
(Cu)−チタン(Ti)系、銅(Cu)−金(Au)−チタン(Ti)系に低融点金属
のインジウム(In)及び錫(Sn)を添加したものを用いる。この場合の接合温度は、
680〜800℃である。
次に、上記プロセスP3において金属箔又は金属板が接合された窒化珪素基板の上記金
属箔又は金属板の所定箇所を除去して所定の配線回路パターンを形成する(プロセスP4
:配線回路パターン形成工程)。即ち、まず、上記金属箔又は金属板の全面にフォトレジ
ストを塗布し、マスクアライナーで上記金属箔又は金属板の全面に塗布されたフォトレジ
ストを露光した後、現像液で現像するフォトリソグラフィ(photolithography)技術を使
用して、上記金属箔又は金属板のうち、不要な領域を除去するために、フォトレジストパ
ターンを形成する。次に、ウェットエッチング技術を使用して、所定のエッチング液で上
記金属箔又は金属板のうち不要な部分を除去した後、上記したフォトレジストパターン及
び上記金属箔又は金属板の全面に塗布したフォトレジストを除去して、所定の配線回路パ
ターンを得る。
次に、上記プロセスP4において所定の配線回路パターンが形成された窒化珪素基板の
上記所定の配線回路パターンからはみ出しているろう材を除去する(プロセスP5)。こ
の処理は、例えば、上記プロセスP4を経た窒化珪素基板を所定温度(例えば、45℃)
を有する所定のエッチング液に2時間程度浸漬して行う。所定のエッチング液としては、
例えば、フッ化アンモニウム(NHF)と過酸化水素水(H)との混合液が挙げ
られる。
次に、上記プロセスP3において金属箔又は金属板を窒化珪素基板に接合することによ
り窒化珪素基板の端部に残留している応力を化学的に除去する(プロセスP6)。この処
理は、例えば、上記プロセスP5を経た窒化珪素基板を強酸に浸漬して行う。次に、例え
ば、銅(Cu)からなる金属箔又は金属板の表面に形成された酸化膜を除去するために、
上記プロセスP6を経た窒化珪素基板を、例えば、塩酸(HCl)等の酸性溶液に浸漬し
て超音波洗浄する(プロセスP7)。
次に、上記プロセスP5において、ろう材を除去することにより金属箔又は金属板から
なる所定の配線回路パターンの表面が若干粗くなるため、上記表面の滑らかさを回復させ
るために化学研磨を行う(プロセスP8)。この処理は、例えば、上記プロセスP7を経
た窒化珪素基板を所定温度(例えば、50℃)を有する所定の研磨液に3〜10分程度浸
漬して行う。所定の研磨液としては、例えば、硫酸(HSO)と過酸化水素水(H
)との混合液が挙げられる。
次に、例えば、銅(Cu)からなる配線回路パターンの表面に形成された酸化皮膜を除
去するために、上記プロセスP8を経た窒化珪素基板を、例えば、硫酸(HSO)等
の酸性溶液に浸漬する(プロセスP9)。
次に、後述するプロセスP12において無電解めっきを施す配線回路パターンの表面に
パラジウム(Pd)を析出させて活性化させるために、上記プロセスP9を経た窒化珪素
基板をパラジウム(Pd)を含有する活性(触媒)液に浸漬する(プロセスP10:パラ
ジウム(Pd)付与工程)。この処理は、例えば、室温において、上記プロセスP9を経
た窒化珪素基板を、パラジウム(Pd)の濃度が0.5ppm以上10ppm以下である
活性液に30秒以上10分以下の時間だけ浸漬して行う。活性液としては、例えば、硫酸
パラジウム(PdSO)を含むものがある。なお、活性液の詳細については、例えば、
特開2005−146372号公報、特開2004−332036号公報、あるいは特開
平7−106736号公報を参照されたい。
パラジウム(Pd)の濃度が0.5ppmより低い場合には、後述するプロセスP12
におけるめっき処理工程において、配線回路パターンの表面にめっきすることができない
。一方、パラジウム(Pd)の濃度が10ppmより高い場合には、めっき付着による黒
ずみ斑点等の外観不良が発生してしまう。また、窒化珪素基板の活性液への浸漬時間が3
0秒より短い場合には、後述するプロセスP12におけるめっき処理工程において、配線
回路パターンの表面にめっきすることができない。一方、窒化珪素基板の活性液への浸漬
時間が5分より長い場合には、めっき付着による黒ずみ斑点等の外観不良が発生してしま
う。
次に、窒化珪素基板の表面に残留しているパラジウム(Pd)を除去するために、上記
プロセスP10を経た窒化珪素基板を、例えば、硫酸(HSO)等の酸性溶液に浸漬
する(プロセスP11:パラジウム(Pd)除去工程)。この処理は、例えば、室温にお
いて、上記プロセスP10を経た窒化珪素基板を、所定濃度(例えば、濃度1%)の硫酸
(HSO)等の酸性溶液に5秒以上5分以下の時間だけ浸漬して、パラジウム(Pd
)を硫酸パラジウム(PdSO)として析出させることにより行う。この場合、超音波
洗浄を付加するとより効果が得られる。
窒化珪素基板の酸性溶液への浸漬時間が15秒より短い場合には、窒化珪素基板の表面
に残留しているパラジウム(Pd)を除去することができない。一方、窒化珪素基板の酸
性溶液への浸漬時間が5分より長い場合には、後述するプロセスP12におけるめっき処
理工程において、配線回路パターンの表面にめっきすることができない。
次に、窒化珪素基板を構成する配線回路パターンの表面にめっきを施す(プロセスP1
2:めっき処理工程)。この処理は、例えば、上記プロセスP11を経た窒化珪素基板を
、所定温度(例えば、85℃)を有する無電解めっき液中に所定時間(例えば、20〜3
0分)浸漬して行う。無電解めっき液は、ニッケル(Ni)を主成分としてリン(P)等
を含有し、リン(P)の濃度は、例えば、3〜11%である。無電解めっき液は、リン(
P)の濃度が3%であるものが低リン(P)タイプ、リン(P)の濃度が6〜8%である
ものが中リン(P)タイプ、リン(P)の濃度が11%であるものが高リン(P)タイプ
とそれぞれ呼ばれている。本発明の実施の形態では、これら何れのタイプの無電解めっき
液も利用することができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、これらの実施例により本発明が限定
されるものではない。
窒化珪素基板の表面粗さ、パラジウム(Pd)付与工程における活性液のパラジウム(
Pd)濃度及び浸漬時間、パラジウム(Pd)除去工程における除去時間をパラメータと
して窒化珪素配線基板を製造した場合の実施例1〜26の製造条件及び評価結果を表1に
示す。
以下、表1について説明する。まず、左から2番目及び3番目の列「Ra」及び「Rz
」における各数値は、窒化珪素基板の表面の中心線平均粗さRa及び最大粗さRzをマイ
クロメートル単位で表している。また、左から4番目の列「Pd溶液濃度(ppm)」に
おける数値は、パラジウム(Pd)付与工程における活性液のパラジウム(Pd)濃度を
百万分率(ppm:parts per million)で表している。また、左から5番目の列「浸漬
時間(min)」における数値は、パラジウム(Pd)付与工程における活性液への窒化
珪素基板の浸漬時間を分単位で表している。また、左から6番目の列「Pd除去時間(s
ec)」における数値は、パラジウム(Pd)除去工程における除去時間を秒単位で表し
ている。
また、左から7番目の列「基板での残留Pd量(ppm)」における数値は、配線回路
パターン間の窒化珪素基板の表面に残留するパラジウム(Pd)の量を百万分率(ppm
)で表している。この実施例では、残留パラジウム(Pd)量は、以下に示す定量方法に
より定量化した。即ち、上記プロセスP11(パラジウム(Pd)除去工程)を経た窒化
珪素基板を、硫酸(HSO)水溶液に浸漬して窒化珪素基板の表面に残留しているパ
ラジウム(Pd)成分を溶解させる。この処理を行うのは、以下に示す理由による。即ち
、上記したプロセスP10(パラジウム(Pd)付与工程)で窒化珪素配線基板に付与さ
れたパラジウム(Pd)触媒は、例えば、銅(Cu)からなる配線回路パターンの表面及
び配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面にそれぞれ付着する。しかし、上記硫酸(H
SO)水溶液を用いた溶解処理では、配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面に残
留するパラジウム(Pd)だけが選択的に除去されるのである。そして、この溶解したパ
ラジウム(Pd)成分を高周波誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma
)発光分光分析法を用いて測定することにより、窒化珪素基板の表面に残留しているパラ
ジウム(Pd)の量を定量化する。
なお、パラジウム(Pd)除去効果を高めるために、加温した硫酸(HSO)水溶
液を用いたり、超音波振動器を併用したりすることが望ましい。さらには、チオシアン酸
塩、チオ硫酸塩、シアン化合物、亜硫酸塩及び過マンガン酸塩から選ばれる少なくとも一
種を主成分とするパラジウム(Pd)除去液(例えば、特開平8−139435号公報参
照)や含窒素(N)脂肪族有機化合物と含ヨウ素(I)無機化合物を含有する水溶液から
なる無電解めっき用パラジウム(Pd)触媒除去剤(例えば、特開2000−17875
2号公報参照)を用いてパラジウム(Pd)を除去する方法を採用しても良い。
上記した含窒素(N)脂肪族有機化合物としては、パラジウム(Pd)と水溶性の配位
化合物を形成できる化合物であればよく、その具体例としては、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のエチレンア
ミン系化合物、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,
6−ヘキサメチレンジアミン等のアルキルジアミン系化合物、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン系化合物、グリシン、ア
ラニン、タウリン等のアミノ酸類等が挙げられる。含窒素(N)脂肪族有機化合物は、一
種単独又は二種以上混合して用いることができる。
次に、左から8番目の列「黒色化部個数」における数値は、窒化珪素基板表面の500
μm四方を観察視野とした場合において、最大径が10μm以上の黒ずみ斑点の個数を表
している。実験によれば、黒ずみ斑点としては、最大径11〜40μmのものが存在した
。また、左から9番目の列「回路間抵抗」の「初期値」における評価結果(○:合格、×
:不合格)は、上記窒化珪素基板を用いて作製した直後の窒化珪素配線基板を構成する配
線回路パターンの回路間抵抗に関するものである。また、左から10番目の列「回路間抵
抗」の「3000繰り返し後」における評価結果(○:合格、×:不合格)は、上記窒化
珪素基板を用いて作製した窒化珪素配線基板を、−40℃での冷却を15分、室温での保
持を10分及び125℃における加熱を15分とする昇温/降温繰り返しを1繰り返しと
し、これを3000繰り返し繰り返し付与した後の窒化珪素配線基板を構成する配線回路
パターンの回路間抵抗に関するものである。この信頼性評価では、配線回路パターン間に
1000Vの直流電圧を印加した場合に回路間抵抗が100MΩ以上のものを合格(○)
と評価した。
また、実施例1〜5は活性液浸漬工程における活性液のパラジウム(Pd)濃度に注目
して、実施例6〜11は窒化珪素基板の表面の中心線平均粗さRa及び最大粗さRzに注
目して、それぞれ窒化珪素配線基板を製造した場合の製造条件及び製造結果を示している
。一方、実施例12〜21はパラジウム(Pd)除去工程における除去時間に注目して、
実施例22〜26は活性液浸漬工程における活性液への窒化珪素基板の浸漬時間に注目し
て、それぞれ窒化珪素配線基板を製造した場合の製造条件及び製造結果を示している。
(比較例)
上記実施例1〜26と比較するために、表1の比較例1〜11に示す製造条件に基づい
て窒化珪素配線基板を作成し、対応する製造結果を得た。また、評価方法も実施例1〜2
6と同様に行った。以上の製造条件により製造された試料の評価結果を、表1の比較例1
〜11に示す。
比較例1及び2は活性液浸漬工程における活性液のパラジウム(Pd)濃度に注目して
、比較例3及び4は活性液浸漬工程における活性液への窒化珪素基板の浸漬時間に注目し
て、それぞれ窒化珪素配線基板を製造した場合の製造条件及び製造結果を示している。ま
た、比較例5〜7はパラジウム(Pd)除去工程における除去時間に注目して、比較例8
〜11は窒化珪素基板の表面の中心線平均粗さRa及び最大粗さRzに注目して、それぞ
れ窒化珪素配線基板を製造した場合の製造条件及び製造結果を示している。
表1において、実施例1は、表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大
粗さRzが10μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経る
ことにより配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が10ppmであ
る活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結
果、表1に示すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.03ppm、黒色化部
個数;5、回路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(
○)がそれぞれ得られた。
窒化珪素基板の表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大粗さRzが1
0μmである場合であっても、活性液浸漬工程における活性液のパラジウム(Pd)濃度
及び浸漬時間並びにパラジウム(Pd)除去工程における除去時間を適宜設定することに
より、基板での残留パラジウム(Pd)量が0.03ppmであって、黒ずみ斑点の個数
が5個と少ないため、配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面における外観不良が生じ
ていない。また、初期状態でも3000繰り返しの冷熱繰り返し後でも回路間抵抗が十分
あり、配線回路パターン間がショートするといった不具合は発生していない。従って、本
発明によれば、製造条件を厳しくすることなく、高い生産性で、高強度、90W/m・K
を超える高熱伝導で、かつ高靭性の窒化珪素配線基板を得ることができる。このため、熱
抵抗が低く、信頼性の高い窒化珪素配線基板を提供することができる。
上記したように、基板での残留パラジウム(Pd)量が0.03ppmであり、0.0
5ppm以下であるので、残留パラジウム(Pd)の部分を核としてめっき成分であるニ
ッケル(Ni)が堆積することにより発生する窒化珪素基板の表面の黒ずみ斑点の発生を
抑制することができ、配線回路パターン間の抵抗劣化を防止することができる。また、配
線回路パターンの表面に存在する10μm径以上の斑点が表面の観察視野500μm四方
あたり5個であり、10個以下であるので、配線回路パターン間の絶縁抵抗及び耐圧が低
下したり、冷熱繰り返しテスト及び高温・高湿下での信頼性試験における低サイクルでの
ニッケル(Ni)成分同士がつながるマイグレーション現象が発生して絶縁抵抗が急激に
低下したりするという不具合が生じにくくなる。
このように、残留パラジウム(Pd)量を0.05ppm以下とすることにより黒ずみ
斑点の発生を抑制するとともに、発生する黒ずみ斑点の個数を10個以下とすることによ
り、配線回路パターン間の抵抗劣化を防止することができる。
実施例2は、表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大粗さRzが10
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.02ppm、黒色化部個数;3、回路間
抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ得
られた。
実施例3は、表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大粗さRzが10
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が5ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.008ppm、黒色化部個数;2、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例4は、表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大粗さRzが10
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.006ppm、黒色化部個数;1、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例5は、表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大粗さRzが10
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が1ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.002ppm、黒色化部個数;0、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例6は、表面の中心線平均粗さRaが0.7μmであって、最大粗さRzが4.5
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.003ppm、黒色化部個数;0、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例7は、表面の中心線平均粗さRaが0.7μmであって、最大粗さRzが4.5
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.002ppm、黒色化部個数;0、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例8は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.002ppm、黒色化部個数;0、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例9は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.001ppm、黒色化部個数;0、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例10は、表面の中心線平均粗さRaが0.45μmであって、最大粗さRzが3
.5μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより
配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2
分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示
すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.002ppm、黒色化部個数;0、
回路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれ
ぞれ得られた。
実施例11は、表面の中心線平均粗さRaが0.45μmであって、最大粗さRzが3
.5μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより
配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2
分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示
すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.001ppm、黒色化部個数;0、
回路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれ
ぞれ得られた。
実施例12は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を10秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.01ppm、黒色化部個数;3、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
実施例13は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を20秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.008ppm、黒色化部個数;3、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例14は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.008ppm、黒色化部個数;2、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例15は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を60秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.004ppm、黒色化部個数;1、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例16は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を120秒間だけ行った。その結果、表1に示
すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.002ppm、黒色化部個数;0、
回路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれ
ぞれ得られた。
実施例17は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を10秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.007ppm、黒色化部個数;2、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例18は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を20秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.007ppm、黒色化部個数;2、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例19は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.006ppm、黒色化部個数;1、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例20は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を60秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.004ppm、黒色化部個数;1、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例21は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を120秒間だけ行った。その結果、表1に示
すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.002ppm、黒色化部個数;0、
回路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれ
ぞれ得られた。
実施例22は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に30
秒間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示
すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.001ppm、黒色化部個数;0、
回路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれ
ぞれ得られた。
実施例23は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に1分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.001ppm、黒色化部個数;0、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例24は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.003ppm、黒色化部個数;1、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例25は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に3分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.004ppm、黒色化部個数;2、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
実施例26は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.
1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配
線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に5分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.006ppm、黒色化部個数;2、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞ
れ得られた。
これに対し、比較例1は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さ
Rzが3.1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経るこ
とにより配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が15ppmである
活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を20秒間だけ行った。その結果
、表1に示すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.09ppm、黒色化部個
数;74、回路間抵抗の初期値;不合格(×)、回路間抵抗の3000繰り返し後;不合
格(×)がそれぞれ得られた。
活性液のパラジウム(Pd)の濃度が15ppmと高いため、黒色化部個数が74個と
非常に多く、配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面における外観不良が発生している
。また、初期状態及び3000繰り返しの冷熱繰り返し後の何れの場合でも回路間抵抗が
不十分あり、配線回路パターン間がショートするといった不具合が発生する危険性が極め
て高い。
比較例2は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が15ppmである活性液に1分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.07ppm、黒色化部個数;35、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;不合格(×)がそれ
ぞれ得られた。
比較例2では、比較例1に比べて窒化珪素基板の活性液への浸漬時間を短くするととも
に、パラジウム(Pd)の除去時間を長くしているため、黒色化部個数が35個と半減し
、初期状態での回路間抵抗は十分である。しかし、3000繰り返しの冷熱繰り返し後の
回路間抵抗が不十分あり、配線回路パターン間がショートするといった不具合が発生する
危険性が高いままである。
比較例3は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が10ppmである活性液に15
分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示
すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.09ppm、黒色化部個数;68、
回路間抵抗の初期値;不合格(×)、回路間抵抗の3000繰り返し後;不合格(×)が
それぞれ得られた。
比較例3では、比較例1に比べて活性液のパラジウム(Pd)の濃度が低いが、窒化珪
素基板の活性液への浸漬時間が非常に長いため、黒色化部個数が68個と非常に多く、配
線回路パターン間の窒化珪素基板の表面における外観不良が発生している。また、初期状
態及び3000繰り返しの冷熱繰り返し後の何れの場合でも回路間抵抗が不十分あり、配
線回路パターン間がショートするといった不具合が発生する危険性が極めて高い。
比較例4は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に15分
間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.07ppm、黒色化部個数;32、回
路間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;不合格(×)がそれ
ぞれ得られた。
比較例4では、活性液のパラジウム(Pd)の濃度を実施例2、12〜16等と同一と
したが、窒化珪素基板の活性液への浸漬時間が非常に長いため、黒色化部個数が32個と
多い。従って、初期状態での回路間抵抗は十分であるが、3000繰り返しの冷熱繰り返
し後の回路間抵抗が不十分あり、配線回路パターン間がショートするといった不具合が発
生する危険性が高いままである。
比較例5は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を360秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;検出限界、黒色化部個数;0、回路間抵抗
の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ得られ
た。
比較例5では、活性液のパラジウム(Pd)の濃度及び浸漬時間を実施例17〜21と
同一としたが、窒化珪素基板の酸性溶液への浸漬時間が360秒と長いため、基板での残
留パラジウム(Pd)量は検出されなかった。しかし、プロセスP12におけるめっき処
理工程において、配線回路パターンの表面にめっきすることができないという不具合が発
生した。
比較例6は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が5ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を330秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;検出限界、黒色化部個数;0、回路間抵抗
の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ得られ
た。
比較例6では、活性液のパラジウム(Pd)の濃度及び浸漬時間を実施例17〜21と
同一としたが、窒化珪素基板の酸性溶液への浸漬時間が330秒と長いため、基板での残
留パラジウム(Pd)量は検出されなかった。しかし、プロセスP12におけるめっき処
理工程において、配線回路パターンの表面にめっきすることができないという不具合が発
生した。
比較例7は、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を330秒間だけ行った。その結果、表1に示す
ように、基板での残留パラジウム(Pd)量;検出限界、黒色化部個数;0、回路間抵抗
の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ得られ
た。
比較例7では、活性液のパラジウム(Pd)の濃度及び浸漬時間を実施例17〜21と
同一としたが、窒化珪素基板の酸性溶液への浸漬時間が330秒と長いため、基板での残
留パラジウム(Pd)量は検出されなかった。しかし、プロセスP12におけるめっき処
理工程において、配線回路パターンの表面にめっきすることができないという不具合が発
生した。
比較例8は、表面の中心線平均粗さRaが0.2μmであって、最大粗さRzが2.1
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.001、黒色化部個数;0、回路間抵抗
の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ得られ
た。
また、比較例9は、表面の中心線平均粗さRaが0.2μmであって、最大粗さRzが
2.1μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることによ
り配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が5ppmである活性液に
2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に
示すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.001、黒色化部個数;0、回路
間抵抗の初期値;合格(○)、回路間抵抗の3000繰り返し後;合格(○)がそれぞれ
得られた。
比較例8及び9では、表面の中心線平均粗さRa及び最大粗さRzが実施例よりも小さ
い窒化珪素基板を用いているため、良好な結果が得られているが、窒化珪素基板自体の熱
伝導率が低く、窒化珪素配線基板の熱抵抗が大きいという不具合がある。
比較例10は、表面の中心線平均粗さRaが5.2μmであって、最大粗さRzが20
μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることにより配線
回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が5ppmである活性液に2分間
浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に示すよ
うに、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.09、黒色化部個数;81、回路間抵抗
の初期値;不合格(×)、回路間抵抗の3000繰り返し後;不合格(×)がそれぞれ得
られた。
また、比較例11は、表面の中心線平均粗さRaが5.2μmであって、最大粗さRz
が20μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP3〜P9の工程を経ることによ
り配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2ppmである活性液に
2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行った。その結果、表1に
示すように、基板での残留パラジウム(Pd)量;0.08、黒色化部個数;47、回路
間抵抗の初期値;不合格(×)、回路間抵抗の3000繰り返し後;不合格(×)がそれ
ぞれ得られた。
比較例10及び11では、表面の中心線平均粗さRa及び最大粗さRzが実施例よりも
大きい窒化珪素基板を用いているため、基板での残留パラジウム(Pd)量及び黒色化部
個数が何れも非常に多く、配線回路パターン間の窒化珪素基板の表面における外観不良が
発生している。また、初期状態及び3000繰り返しの冷熱繰り返し後の何れの場合でも
回路間抵抗が不十分あり、配線回路パターン間がショートするといった不具合が発生する
危険性が極めて高い。
ここで、図3に実施例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の
表面の光学顕微鏡観察写真の一例を示す。この例の窒化珪素配線基板は、実施例9であり
、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1μmである窒
化珪素基板について配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が2pp
mである活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行うこと
により作製した。また、図4に比較例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒
化珪素基板の表面の光学顕微鏡観察写真の一例を示す。この例の窒化珪素配線基板は、比
較例4であり、表面の中心線平均粗さRaが0.4μmであって、最大粗さRzが3.1
μmである窒化珪素基板について配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)
濃度が7ppmである活性液に15分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒
間だけ行うことにより作製した。
図3と図4を比較して分かるように、実施例9に係る窒化珪素配線基板では、黒ずみ斑
点が見られないのに対し、比較例4に係る窒化珪素配線基板では黒ずみ斑点が見られ、配
線回路パターン間の窒化珪素基板の表面における外観不良が発生している。
また、図5〜図7に実施例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基
板の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察写真の一例を示す。図5の例の窒化珪素配線
基板は、実施例3であり、表面の中心線平均粗さRaが1.42μmであって、最大粗さ
Rzが10μmである窒化珪素基板について、上記プロセスP2においてコンプレッサー
エアーの圧力を0.05MPa(窒化珪素配線基板表面に存在する窒化ホウ素(BN)粉
末離形材を除去する程度の圧力、窒化珪素結晶粒子には影響しない程度の圧力)でブラス
ト処理を行った後、配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が5pp
mである活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行うこと
により作製した。また、図6の例の窒化珪素配線基板は、実施例12であり、表面の中心
線平均粗さRaが0.40μmであって、最大粗さRzが3.1μmである窒化珪素基板
について、上記プロセスP2においてコンプレッサーエアーの圧力を0.2MPa(標準
仕様)でブラスト処理を行った後、配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd
)濃度が7ppmである活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を10秒
間だけ行うことにより作製した。さらに、図7の例の窒化珪素配線基板は、実施例10で
あり、表面の中心線平均粗さRaが0.45μmであって、最大粗さRzが3.5μmで
ある窒化珪素基板について、上記プロセスP2においてコンプレッサーエアーの圧力を0
.3MPa(限界値)でブラスト処理を行った後、配線回路パターンの形成等を行い、パ
ラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd
)除去を30秒間だけ行うことにより作製した。
一方、図8に比較例に係る窒化珪素配線基板の配線回路パターン間の窒化珪素基板の表
面のSEM観察写真の一例を示す。この例の窒化珪素配線基板は、比較例8であり、表面
の中心線平均粗さRaが0.20μmであって、最大粗さRzが2.1μmである窒化珪
素基板について配線回路パターンの形成等を行い、パラジウム(Pd)濃度が7ppmで
ある活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(Pd)除去を30秒間だけ行うことによ
り作製した。また、図9に比較例に係る窒化アルミニウム(AlN)配線基板の配線回路
パターン間の窒化アルミニウム基板の表面のSEM観察写真の一例を示す。この例の窒化
アルミニウム配線基板は、表面の中心線平均粗さRaが0.23μmであって、最大粗さ
Rzが2.5μmである窒化アルミニウム基板について配線回路パターンの形成等を行い
、パラジウム(Pd)濃度が7ppmである活性液に2分間浸漬させた後、パラジウム(
Pd)除去を30秒間だけ行うことにより作製した。
図5〜図7に示す実施例では、平均結晶粒子径が0.2〜4μmのα型窒化珪素粉末9
5重量部と、焼結助剤として酸化マグネシウム(MgO)を3重量部と、酸化イットリウ
ム(Y)を2重量部とを配合し、その混合粉末に対してアクリル樹脂バインダーと
エタノール及びブタノール混合溶液を溶媒として添加し、混練、脱泡及び増粘工程を経て
、ドクターブレード法により0.12〜0.8mm厚さのグリーンシートを成形し、適宜
積層、切断して、焼成後の大きさが150mm×150mmの基板成形体を作製した。得
られた基板成形体を弱酸化性雰囲気中、所定温度で脱バインダーした後、1850℃の温
度で5時間、0.92MPaの窒素加圧雰囲気にて焼結することにより窒化珪素質基板を
得た。回路基板用としてレーザー加工により、50mm×40mmサイズに切断した。な
お、基板厚さは0.32mmである。
このようにして作製された窒化珪素基板について、上記プロセスP2においてコンプレ
ッサーエアーの圧力をそれぞれ0.05MPa、0.2MPa(標準仕様)及び0.3M
Paとしてブラスト処理を行い、表面粗さの異なる基板表面性状に仕上げ、プロセスP3
〜P12の工程を経た後、プロセスP12においてめっき処理を行った。
一方、図8に示す比較例は、平均結晶粒子径が0.2〜1μmのα型窒化珪素粉末83
重量部と、焼結助剤として酸化エルビウム(Er)を3.5重量部、酸化マグネシ
ウム(MgO)を13.5重量部添加混合し、その後、図5〜図7に示す実施例について
説明した条件でドクターブレード法により基板成形体を得た。次に、図5〜図7に示す実
施例について説明した条件と同様の条件で脱バインダーした後、常圧窒素雰囲気中175
0℃の温度で5時間焼成して窒化珪素質基板を得た。
このようにして作製された窒化珪素基板について、上記プロセスP2においてコンプレ
ッサーエアーの圧力を0.2MPaとしてブラスト処理を行った。その後、プロセスP3
〜P12の工程を経た後、プロセスP12においてめっき処理を行った。
図8に示す窒化珪素配線基板は、低温焼成により粒成長が抑制され、基板表面粗さが小
さくなり、平均表面粗さRaが0.22μm、最大粗さRzが2.1μmとなる。この場
合、パラジウム(Pd)残留量が低減できるため、黒ずみ斑点の不具合は生じないものの
、粒界相量が多く、また窒化珪素粒子サイズが小さいため、パワー半導体モジュール等に
使用されるセラミックス基板に要求される熱伝導性が低下してしまう。さらに、微細組織
のため破壊靱性が低く、これにより実装信頼性が低下する不具合がある。
図9に示す比較例は、窒化アルミニウム(AlN)基板の表面観察像である。平均結晶
粒子径が0.2〜2μmの窒化アルミニウム(AlN)粉末95重量部と、焼結助剤とし
て酸化イットリウム(Y)を5重量部とを配合して、図5〜図7に示す実施例につ
いて説明した条件でドクターブレード法により基板成形体を得た。次に、図5〜図7に示
す実施例について説明した条件と同様の条件で脱バインダーした後、常圧窒素雰囲気中1
700℃の温度で5時間にて焼結することにより窒化アルミニウム基板を得た。
このようにして作製された窒化アルミニウム基板について、上記プロセスP2において
コンプレッサーエアーの圧力を0.2MPaとしてブラスト処理を行った。その後、プロ
セスP3〜P12の工程を経た後、プロセスP12においてめっき処理を行った。
窒化アルミニウム結晶は、異方性を持たないため粒界間に気孔が形成されにくい。また
、粒子形状も等方性のため基板表面粗さが小さくなり、平均表面粗さRaが0.20μm
、最大粗さRzが2.3μmとなる。この場合、パラジウム(Pd)残留量が低減できる
ため、黒ずみ斑点の不具合は生じないものの、窒化アルミニウム基板自体の破壊靱性が窒
化珪素基板より劣るため、パワー半導体モジュール等に使用されるセラミックス基板に要
求される実装信頼性が低下するという不具合がある。特に、厚い配線回路パターンを形成
する場合には、窒化アルミニウム基板に金属板を接合する時点で窒化アルミニウム基板側
に応力集中が生じ、強度及び破壊靱性の低い窒化アルミニウム基板の表面にクラックが生
じてしまう。
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形
態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本
発明に含まれる。
1 窒化珪素配線基板
2 半導体モジュール
11 窒化珪素基板
12 ろう材
13 配線回路パターン
14 無電解めっき層
15 半導体素子
16 放熱板
17 はんだ層

Claims (1)

  1. 表面に金属からなる配線回路パターンがろう材により接合されるとともに、前記配線回路パターンの表面に、Pdが含まれる活性液を用いた無電解めっきによって形成されためっき層が形成されて構成された窒化珪素配線基板に使用される窒化珪素質焼結体からなる窒化珪素基板であって、
    前記窒化珪素基板を構成する窒化硅素質焼結体は、窒化硅素原料粉を含む成形体を1800〜2000℃の温度、0.5〜1MPaの窒素加圧雰囲気中で焼結し切断面における窒化硅素結晶粒子の平均長軸径が3.0μm以上であり、
    前記窒化珪素基板の表面粗さRzが3μmより大きく20μm以下で、
    前記窒化珪素基板の表面に形成される前記配線回路パターン間の前記窒化珪素基板の表面に残留するパラジウム(Pd)の表面濃度が0.05ppm以下となることを特徴とする窒化珪素基板。
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