JP5020140B2 - プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード - Google Patents

プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード Download PDF

Info

Publication number
JP5020140B2
JP5020140B2 JP2008075249A JP2008075249A JP5020140B2 JP 5020140 B2 JP5020140 B2 JP 5020140B2 JP 2008075249 A JP2008075249 A JP 2008075249A JP 2008075249 A JP2008075249 A JP 2008075249A JP 5020140 B2 JP5020140 B2 JP 5020140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe card
wiring board
particles
sintered body
alumina sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008075249A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009231544A (ja
Inventor
有哉 古久保
智英 長谷川
秀洋 有川
浩司 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2008075249A priority Critical patent/JP5020140B2/ja
Publication of JP2009231544A publication Critical patent/JP2009231544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5020140B2 publication Critical patent/JP5020140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Measuring Leads Or Probes (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェハの電気特性を測定するための微細な配線を備えたプローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカードに関するものである。
Siウェハ等の半導体ウェハに多数個同時に形成される大規模集積回路を有する半導体素子には、異物の付着などに起因する電気不良等によって、ほぼ一定の割合で電気的接続および電気特性の不良品が含まれている。
上記半導体素子の不良品を検出するものとして、半導体ウェハの状態のまま同時に多数の半導体素子の電気特性を一括して検査することができるプローブカードが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このプローブカードは、主としてアルミナ質焼結体からなる絶縁基体の表面および内部に微細な配線が形成されてなる配線基板と、この配線基板の表面に精度よく配置された複数のプローブピンと呼ばれる探針(測定端子)とを含んでいて、このプローブピンを多数の半導体素子の端子に当てて、電圧をかけたときの出力を測定して期待値と比較することで、多数の半導体素子の良否を一括して判定するものである。
近年、半導体素子に形成された集積回路の配線微細化に伴って、プローブカードの単位面積当たりのプローブピン数を多くすることが求められ、またプローブカードの配線基板に形成される配線もより微細化することが求められている。
ところが、配線の微細化、すなわち線幅を狭くすることにより、配線抵抗が増大して電気信号の遅延を招いたり、集積回路の動作状態について正しく判断できず、検査ミスにつながるという問題があった。
そこで、配線としてCu、Ag、Auなどの低抵抗金属を用いることが考えられるが、これらの低抵抗金属は融点が低いため、アルミナ質焼結体との同時焼成ができない。
これに対し、アルミナ質焼結体からなる絶縁基体の表面および内部にCu、Ag、Auなどの低抵抗金属とMo、Wなどの高融点金属との複合導体からなる配線が形成された配線基板(アルミナ基板)が提案されている(特許文献2を参照。)。
特許文献2によれば、MnおよびSiを焼結助剤として含有させることにより、従来のアルミナ質焼結体に対して200℃以上低い1500℃以下の温度で焼成することができ、上記低抵抗金属および高融点金属の複合導体とアルミナ質焼結体との同時焼成を可能としている。
しかしながら、特許文献2に記載の配線基板をプローブカード用配線基板に適用しようとすると、絶縁基体の表面に形成された配線とプローブピンとの間に隙間が生じて導通不良を起こしたり、絶縁基体の内部に水分が浸入して絶縁不良を起こしてしまうという問題があった。
すなわち、プローブカードの製造において、プローブカード用配線基板上にSi等の材質を用いてプローブピンを形成する際に、エッチングのためにアルカリ水溶液に浸漬(例えば、40wt%KOH水溶液に2時間浸漬)するため、プローブカード用配線基板には耐薬品性が要求されるが、低温で焼成している特許文献2に記載のアルミナ質焼結体はプローブカードの製造に用いられる上記アルカリ水溶液への浸漬に十分に耐えうるほどの耐薬品性を備えるものではなかった。
特開平11−160356号公報 特開2003−163425号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低抵抗金属および高融点金属を含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカードを提供することを目的とする。
本発明は、l粒子を主結晶粒子とするアルミナ質焼結体からなる絶縁基体と、該絶縁基体の内部に形成された、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層とを備えたプローブカード用配線基板において、前記Al粒子は、平均粒子径が5〜15μmであり、最大粒子径が20μm以下であるとともに、前記アルミナ質焼結体は、最大気孔径が15μm以下であり、かつ粒界にMnAlおよびMnSiOを含有してなり、X線回折によるAl(110)面の折強度に対するMnAl(311)面の折強度の比がAl(110)面の折強度に対するMnSiO(213)面(但し、b軸は1の上に−)の折強度の比よりも大きいことを特徴とするプローブカード用配線基板である。
また本発明は、前記プローブカード用配線基板の一方の表面に表面配線層が形成され、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子が接続されてなることを特徴とするプローブカードである。
本発明によれば、アルミナ質焼結体の主結晶粒子であるAl粒子の平均粒子径が5〜15μm、最大粒子径が20μm以下と異常粒成長しておらず、また、アルミナ質焼結体の最大気孔径が15μm以下であり、Al粒子の粒界にX線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比がAlの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比よりも大きくなるようにMnAlおよびMnSiOを析出させたことで、エッチング液(アルカリ水溶液)に浸漬させたときのアルミナ質焼結体のアルカリ水溶液中への溶出を著しく抑制できることから、低抵抗金属を含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板を実現することができる。
また、本発明のプローブカードによれば、低抵抗金属および高融点金属を含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板を具備しているので、半導体素子の電気特性を測定して検査する際の検査ミスを抑制することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のプローブカード用配線基板の一実施形態の概略断面図であり、図2は本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
図1に示すプローブカード用配線基板1は、Al粒子を主結晶粒子とするアルミナ質焼結体からなる絶縁基体11と、絶縁基体11の内部に形成された低抵抗金属および高融点金属を含む内部配線層12とを備えている。また、絶縁基体11の表面に表面配線層13を備えているとともに、絶縁基体11の内部に内部配線層12同士または内部配線層12と表面配線層13とを電気的に接続する貫通導体14を備えている。
絶縁基体11は複数の絶縁層11a、11b、11c、11dからなるもので、それぞれの絶縁層11a、11b、11c、11dはAl粒子を主結晶粒子とするアルミナ質焼結体で形成されている。アルミナ質焼結体における主結晶粒子であるAl粒子の割合は90〜95質量%程度であり、このAl粒子は粒状または柱状の結晶として存在している。
ここで、絶縁基体11がアルミナ質焼結体で形成されていることで、ある程度の耐薬品性は得られている。しかしながら、プローブカード用配線基板1として用いるためには、さらなる耐薬品性が求められる。
そこで、本発明においては、Al粒子の平均粒子径が5〜15μmであって最大粒子径が20μm以下であることが重要である。Al粒子の平均粒子径が5μmより小さくなると、プローブカード用配線基板1における耐薬品性が低下してしまい、平均粒子径が15μmより大きくなったり、最大粒子径が20μmより大きくなったりすると、異常粒成長に伴って多数のボイドが形成されるなどに起因して強度が低下するおそれがある。そのため、Al粒子は、平均粒子径が5μm以上15μm以下であり、最大粒子径が20μm以下であることが重要であり、特にAl粒子の平均粒子径が10〜12μmであることが望ましい。なお、Al粒子が柱状の結晶である場合、その平均粒子径は短軸径に基づいて決定する。ここで、平均粒子径は、測定試料(アルミナ質焼結体)の表面を鏡面研磨し、例えば燐酸を用いてエッチングを行って粒界を溶かした後、SEM(走査型電子顕微鏡)による例えば1000倍の画像の所定領域について複数の線を引いて各線の粒界との交点の数を数える、いわゆるインタセプト法により求めることができる。
また、アルミナ質焼結体の最大気孔径は15μm以下であることが重要である。プローブカード用配線基板1の表面に形成される表面配線層13は薄膜の配線であるため、最大気孔径が15μmを超えると、耐薬品性は良好であっても薄膜として形成される配線に欠けが発生し、プローブカード用配線基板1として十分に機能しなくなるからである。ここで、最大気孔径は、測定試料(アルミナ質焼結体)の表面を鏡面研磨し、画像解析装置(ニレコ製 LUZEX−FS)を用いて測定することができる。例えば、顕微鏡倍率を100倍として、300μm角の領域を10箇所測定し、平均値を算出する。
さらに、アルミナ質焼結体は主結晶粒子であるAlの粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比がAlの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比より大きいことが重要である。ここで、ガラス(非晶質部)は酸性溶液やアルカリ性溶液等の薬品への浸漬によりその構造を破壊されやすいものであるから、アルミナ質焼結体の耐薬品性を上げるためには、主結晶粒子であるAl粒子の粒界に結晶が存在していること、すなわち相対密度が高いのが好ましい。しかし、粒界に存在している結晶がMnAlおよびMnSiOであって、X線回折によるAlの回折メインピーク強度(Ia)に対するMnAlの回折メインピーク強度(Ima)の比(Ima/Ia)がAlの回折メインピーク強度(Ia)に対するMnSiOの回折メインピーク強度(Ims)の比(Ims/Ia)より小さいときは、耐薬品性が十分ではない。これは、MnSiOが酸性溶液やアルカリ性溶液等の薬品への浸漬によりその構造を破壊されやすいからではないかと考えられる。したがって、アルミナ質焼結体の主結晶粒子であるAl粒子の粒界にMnSiOよりもMnAlが多く析出していることが重要であり、具体的にはX線回折によるAlの回折メインピーク強度(Ia)に対するMnAlの回折メインピーク強度(Ima)の比(Ima/Ia)がAlの回折メインピーク強度(Ia)に対するMnSiOの回折メインピーク強度(Ims)の比(Ims/Ia)より大きいことが重要である。ここで、Alの回折メインピーク強度とは(110)面の回折ピーク強度をいい、MnAlの回折メインピーク強度とは(311)面の回折ピーク強度をいい、MnSiOの回折メインピーク強度とは下記(数1)面の回折ピーク強度をいう。
Figure 0005020140
なお、相対密度は熱量が多くかかる焼成条件ほど高くなるが、ある相対密度に達すると、それ以上の熱量を加えても相対密度は上昇しなくなり、さらに熱量を加えると異常粒成長や結晶相の変化が起こり、逆に気孔が増えて相対密度は低下する。したがって、Al粒子の平均粒子径および最大粒子径、アルミナ質焼結体の最大気孔率を上記の数値にするとともに、アルミナ質焼結体が粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比をAlの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比よりも大きくするためには、Al粒子および焼結助剤成分の比率の調整、所定の焼成条件の下での焼成が必要となり、この点については後述の製造方法の説明で述べる。
絶縁基体1の内部には、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層12が形成されている。
アルミナ質焼結体と同時焼成可能な配線材料として、W、Moなどの高融点金属が挙げられるが、このような高融点金属からなる配線は抵抗値が高い。一方、低抵抗金属としてのCu、Au、Agは融点が低いため、これら単体ではアルミナ質焼結体と同時焼成することはできない。そこで、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくともいずれか一方の高融点金属とを含む配線とすることで、低抵抗金属の単体に比べると抵抗値は多少あがってしまうものの、後述する1350℃〜1400℃の焼成温度で、アルミナ質焼結体との同時焼成が可能となる。ただし、同時焼成可能といえども、低抵抗金属の融点を超える温度での焼成となるため、低抵抗金属の溶融を抑制して配線の形態を保つことが必要となる。そこで、配線の低抵抗化と保形性をともに達成するうえで、低抵抗金属が10〜70体積%、特に40〜60体積%、高融点金属が30〜90体積%、特に40〜60体積%の割合からなることが望ましい。また、高融点金属は平均粒径が1〜10μmの粒子として、低抵抗金属からなるマトリックス中に分散していることが望ましい。
なお、表面配線層13は、高融点金属および低抵抗金属の含有割合が内部配線層12と同じであっても異なっていてもよく、高融点金属のみで形成されていてもよい。
このようなプローブカード用配線基板1は、エッチング液(アルカリ水溶液)に浸漬させたときのアルミナ質焼結体のアルカリ水溶液中への溶出を著しく抑制でき、耐薬品性に優れたものである。
上記のプローブカード用配線基板1は、例えば図2に示すようなプローブカードとして用いることができる。
図2に示すプローブカード2は、プローブカード用配線基板1の一方の表面に表面配線層(図示せず)が形成され、この表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための探針(測定端子21)が接続されたものである。プローブカード用配線基板1の他方の表面に接続端子(図示せず)が形成され、この接続端子が半田3を介して外部回路基板4に接合され、外部回路基板4の電気回路(図示せず)と電気的に接続されている。また、外部回路基板4は、テスタ5と電気的に接続されている。
そして、ステージ6の上に載置された半導体ウェハ7の上面にプローブカード2の測定端子21を接触させて半導体素子の電気特性を測定するようになっている。
なお、プローブカード2および外部回路基板4は、昇降装置8によって上下に駆動させることができ、プローブカード2の測定端子21を半導体ウェハ7の上面に接触させたり離したりすることができる。
次に、上記のプローブカード用配線基板1の製造方法について説明する。
まず、絶縁基体11を形成するために、アルミナ原料粉末として、平均粒径が0.5〜2.5μm、特に1.0〜2.0μmの粉末を用いる。これは、平均粒径を0.5μm以上とすることでシート成形性を良好なものとし、2.5μm以下とすることで1400℃以下の温度での焼成によっても緻密化を促進させるためである。
そして、アルミナ原料粉末90〜95質量%と、純度99%以上、平均粒径が0.7〜1.7μmのMn粉末2.5〜5質量%と、純度99%以上、平均粒径が1〜3μmのSiO粉末を2.5〜5質量%とを混合する。これにより、シート成形性を良好なものとし、Mn成分の分散性を向上させ、SiOとMn化合物との反応性を制御しつつ、1350℃〜1400℃の焼成温度での緻密化およびMnAlの結晶化を促すことができる。
ここで、MnおよびSiは、上記の酸化物粉末以外に焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等として添加しても良い。この場合においても、アルミナ原料粉末90〜95質量%に対して、MnがMn換算で2.5〜5質量%、SiがSiO換算で2.5〜5質量%となるように混合し、好ましくは3〜4質量部の割合でそれぞれ混合することが、より焼結性および耐薬品性を向上させる点で望ましい。
さらに、アルミナ原料粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計を100質量部として、これにMg、Ca、Sr、B、Nb、CrおよびCoの群から選ばれる1種以上を酸化物換算で合計0.1〜4質量部、好ましくは0.2〜2.5質量部の割合で添加してもよい。これにより、配線を形成する複合導体との同時焼結性を高めることができる。
またさらに、アルミナ質焼結体を黒色化するための着色成分としてW、Moなどの金属をアルミナ原料粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計100質量部に対して2質量部以下の割合で添加してもよい。耐薬品性を向上させることで、この黒色化成分が流出して白色化し認知性が低下してしまうのを防ぐことができる。
そして、この混合粉末に対して有機バインダ、溶媒を添加してスラリーを調整した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの成形方法によってグリーンシートを作製する。あるいは、混合粉末に有機バインダを添加し、プレス成形、圧延成形等の方法により所定の厚みのグリーンシートを作製する。なお、グリーンシートの厚みはたとえば50〜300μmとすることができるが、特に限定されない。
そして、適宜、このグリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径50〜250μmの貫通孔を形成する。
このようにして作製されたグリーンシートに対して、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属粉末と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属粉末とを前述した比率(低抵抗金属が10〜70体積%、高融点金属が30〜90体積%)で混合して導体ペーストを調製し、この導体ペーストを各グリーンシートの貫通孔内に充填し、またスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により配線パターン状に印刷塗布する。
なお、この導体ペースト中には、絶縁基体11との密着性を高めるために、上記の金属粉末以外にアルミナ粉末あるいは絶縁基体11と同一組成物の混合粉末を添加してもよく、さらにはNi等の活性金属あるいはそれらの酸化物を導体ペースト全体に対して0.05〜2体積%の割合となるように添加してもよい。
その後、導体ペーストを印刷塗布したグリーンシートを位置合わせして積層圧着した後、この積層体を非酸化性雰囲気中で焼成する。
ここで、この焼成中の最高温度を1350℃〜1400℃とするのが重要である。最高温度が1350℃より低い場合には、後述のように最高温度での保持時間を長くしたり昇温速度を遅くしたりしてかける熱量を多くしてもAl粒子の粒成長は進まない状態で緻密化が終了してしまう傾向があり、最高温度が1400℃を超える場合には、配線層の流れや細りが生じるのに加え、異常粒成長したAl粒子が存在してしまう傾向がある。
そして、最高温度での保持時間を2〜6時間の範囲内で調整することが重要である。Al粒子の均一な粒成長を促すためには、最高温度で2時間以上保持する必要があるが、例えば最高温度1400℃と保持時間6時間の組合せではAl粒子の粒成長が進みすぎてAl粒子の最大粒子径や最大気孔径が大きすぎる傾向があるから、最高温度と保持時間との組合せを適宜調整する必要がある。
さらに、1000℃から最高温度に到達するまでの昇温速度を50℃/hr〜150℃/hrの範囲内で調整することが重要である。Al粒子の粒界に存在する結晶相であるMnSiO及びMnAlにおいて、MnSiOは1350℃付近への到達前でも結晶化し析出しやすい結晶であるが、MnAlは1350℃付近で、且つ多くの熱量をかけなければ析出しにくい結晶相である。従って、MnAlを多く析出するためには、最高温度(1350℃〜1400℃)で保持することが必要となるが、前述したように、例えば1400℃で6時間を超えて保持するとAl粒子の粒成長が進みすぎてしまう。そこで、1000℃から最高温度に到達するまでの昇温速度を50℃/hr〜150℃/hrの範囲内で調整して熱量を稼ぐことにより、Al結晶の結晶粒界にMnAlを多く析出させ、最終的にはMnSiOより多く析出させるようにすることができる。ただし、最高温度での保持時間2時間と昇温速度150℃/hrとの組合せではMnSiOよりMnAlOを多く析出させることが困難であるから、保持時間と昇温速度との組合せを適宜調整することが重要である。
なお、アルミナ原料粉末と助剤成分(Mn粉末、SiO粉末)との比率によって生成される液相の量が異なり、Al粒子の粒成長の進み具合が異なることから、原料によっても上記焼成条件の調整は異なる。
焼成時の非酸化性雰囲気としては、窒素雰囲気あるいは窒素と水素との混合雰囲気であることが望ましいが、特に、配線層中の銅の拡散を抑制する上では、窒素および水素を含み露点が+30℃以下、特に+25℃以下の非酸化性雰囲気であることが望ましい。焼成時の露点が+30℃より高いと、焼成中にアルミナと雰囲気中の水分とが反応し酸化膜を形成し、この酸化膜と銅含有導体の銅が反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとなるのみでなく、銅の拡散を助長してしまうためである。なお、この雰囲気には所望により、アルゴンガス等の不活性ガスを混入してもよい。
さらに、上記の原料粉末および焼成条件に加えて、最高温度から1000℃までの降温速度を50℃〜100℃/Hrとすることが望ましい。降温の速度を遅くすることにより、アルミナ質焼結体の破壊靱性を3.7MPa√m以上にすることが可能となる。
このような破壊靱性値が得られるのは、粒界に結晶が多く析出されるかまたは熱応力による歪みの蓄積が小さくなっていることによるものと思われる。
以上述べた方法により作製されたプローブカード用配線基板は、低抵抗金属を含む内部配線層を具備しつつ、耐薬品性に優れたものとなる。プローブカードは、半導体ウェハに接触させてテストするためのピン(測定端子21)がSi等により形成されているが、このピン形成工程において、エッチングのために40%の高濃度に調整されたKOH水溶液に2時間の長時間にわたって浸漬されたとしても、KOH水溶液中にプローブカード用配線基板1の絶縁基体11中の成分が溶出することによる質量減少を0〜0.5質量%に抑制することができる。
純度が99%で平均粒子径が1.8μmのアルミナ原料粉末(Al粉末)に対して、純度が99%で平均粒子径が1.5μmのMn粉末、純度が99%で平均粒子径が1.0μmのSiO粉末を表1に示すような割合で混合するとともに、平均粒子径が7.0μmのMgCO粉末および平均粒子径が0.7μmのMo粉末を表1に示す量で添加(外添)した後、さらに、成形用有機樹脂(有機バインダ)としてアクリル系バインダと、有機溶媒としてトルエンを混合してスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて厚さ200μmのシート状に成形し、グリーンシートを得た。
Figure 0005020140
得られたグリーンシートを所定厚みに積層し、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き焼成を行ない、1000℃から最高温度までを表2に示す昇温速度で昇温し、最高温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気に、表2に示す時間保持した後、1000℃までを150℃/hrの降温速度で冷却した。
得られたアルミナ質焼結体における主結晶粒子であるAl粒子の平均粒子径は、測定試料(アルミナ質焼結体)の表面をダイアモンドペーストにて鏡面研磨し、燐酸を用いてエッチングを行って粒界を溶かした後、SEM(走査型電子顕微鏡)による1000倍の写真から100個の粒子についてインタセプト法により求めた。その結果を表2に示す。
また、測定試料(アルミナ質焼結体)の表面をダイアモンドペーストにて鏡面研磨し、画像解析装置(ニレコ製 LUZEX−FS)を用いて最大気孔径を測定した。具体的には、顕微鏡倍率を100倍、300μm角の領域を10箇所測定し、最大気孔径の平均値を算出した。その結果を表2に示す。
また、主結晶で粒子あるAl粒子の粒界に存在する結晶は、当該アルミナ質焼結体を粉砕し、X線回折により得られる回折メインピーク位置をJCPDSに照らして同定した。また、同定された結晶であるMnSiOおよびMnAlについて、それぞれの回折メインピーク強度のAl結晶の回折メインピーク強度に対する比を求めた。その結果を表2に示す。なお、表2には求めた比を100倍した値(%表示)を示した。
また、耐薬品性の指標として、焼結体の初期の質量及び100℃の水酸化カリウム40質量%水溶液に5時間浸漬させた後の質量を測定し、質量減少率(「焼結体の初期質量」−「100℃の水酸化カリウム40質量%水溶液に5時間浸漬させた後の焼結体の質量」)/「焼結体の初期質量」を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005020140
表2から明らかなように、本発明のプローブカード用配線基板を構成する絶縁基体の形成材料であるアルミナ質焼結体(試料No.5、7、9、10、16〜18、20、21)は、水酸化カリウム40質量%水溶液に5時間浸漬させた際の質量減少率が0.2%以下であることから、耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板が得られることがわかる。
なお、試料No.11、22については、質量減少率は良好であるが、最大気孔径が15μmを超える大きなボイドが形成されており、このアルミナ質焼結体で絶縁基体を形成すれば、ため、配線に欠けが発生するといった不具合があり、プローブカード用配線基板として十分に機能しないことから、本発明範囲外とした。
また、本発明範囲内の試料について、上記と同様にして作製したグリーンシートに対して、打抜き加工を施し、直径が200μmの貫通孔を形成した。そして、平均粒径が2.5μmのCu粉末を50体積%、平均粒径が1.5μmのW粉末を50体積%にアクリル系バインダとアセトンを溶媒として混合し、導体ペーストを調製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法によって上記のグリーンシートの貫通孔内に充填するとともに、配線パターン状に印刷塗布した。なお、配線パターンは、線幅150μmとなるように調製した。
そして、作製した各シート状成形体を位置合わせして積層圧着して積層体を作製した。
その後、この積層成形体を露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、1000℃から最高温度の1350℃までを表2に示す昇温速度で昇温し、焼成温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間保持した後、1000℃までを表2に示した速度で冷却して配線基板を作製した。
この配線基板の配線層を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、導体層に剥離やクラックが生じていないことを確認した。
本発明のプローブカード用配線基板の一実施形態の概略断面図である。 本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
符号の説明
1:プローブカード用配線基板
11:絶縁基体
12:内部配線層
13:表面配線層
14:貫通導体
2:プローブカード
21:測定端子

Claims (2)

  1. Al粒子を主結晶粒子とするアルミナ質焼結体からなる絶縁基体と、該絶縁基体の内部に形成された、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層とを備えたプローブカード用配線基板において、前記Al粒子は、平均粒子径が5〜15μmであり、最大粒子径が20μm以下であるとともに、前記アルミナ質焼結体は、最大気孔径が15μm以下であり、かつ粒界にMnAlおよびMnSiOを含有してなり、X線回折によるAl(110)面の折強度に対するMnAl(311)面の折強度の比がAl(110)面の折強度に対するMnSiO(213)面(但し、b軸は1の上に−)の折強度の比よりも大きいことを特徴とするプローブカード用配線基板。
  2. 請求項1に記載のプローブカード用配線基板の一方の表面に表面配線層が形成され、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子が接続されてなることを特徴とするプローブカード。
JP2008075249A 2008-03-24 2008-03-24 プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード Active JP5020140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008075249A JP5020140B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008075249A JP5020140B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012115687A Division JP5393840B2 (ja) 2012-05-21 2012-05-21 アルミナ質焼結体および配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009231544A JP2009231544A (ja) 2009-10-08
JP5020140B2 true JP5020140B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=41246615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008075249A Active JP5020140B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5020140B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2749566B2 (ja) * 1996-11-15 1998-05-13 株式会社日立製作所 半導体lsi検査装置用プローブヘッド及びその製造方法
JP3924406B2 (ja) * 1999-09-30 2007-06-06 京セラ株式会社 アルミナ質焼結体及びその製造方法、並びに配線基板及びその製造方法
JP4012861B2 (ja) * 2003-07-29 2007-11-21 京セラ株式会社 セラミックパッケージ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009231544A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5144288B2 (ja) プローブカード用配線基板およびプローブカード
KR101316658B1 (ko) 뮬라이트질 소결체, 이것을 이용한 배선기판, 및 프로브 카드
JP5084668B2 (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5725845B2 (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP2012047579A (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP2010223849A (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5495774B2 (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5144450B2 (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5511613B2 (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5368052B2 (ja) 多層セラミック基板及びその製造方法
JP2011208980A (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5020140B2 (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5202412B2 (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5725715B2 (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5840993B2 (ja) アルミナ質セラミックス、およびそれを用いた配線基板
JP5144336B2 (ja) プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5886529B2 (ja) ムライト質焼結体およびこれを用いた多層配線基板ならびにプローブカード
JP5634256B2 (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP5455610B2 (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP2010098049A (ja) 多層セラミック基板及びその製造方法
JP5393840B2 (ja) アルミナ質焼結体および配線基板
JP6151548B2 (ja) プローブカード用基板およびプローブカード
JP2012138432A (ja) プローブカード用セラミック配線基板
JP5737925B2 (ja) プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード
JP2012054298A (ja) プローブカード用セラミック配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5020140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3