JP5725845B2 - プローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカード - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハの電気特性を測定するための微細な配線を備えたプローブカード用セラミック配線基板およびこれを用いたプローブカードに関するものである。
Siウェハ等の半導体ウェハに多数個同時に形成される大規模集積回路を有する半導体素子には、異物の付着などに起因する電気不良等によって、ほぼ一定の割合で電気的接続および電気特性の不良品が含まれている。
上記半導体素子の不良品を検出するものとして、半導体ウェハの状態のまま同時に多数の半導体素子の電気特性を一括して検査することができるプローブカードが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
このプローブカードは、アルミナ質焼結体からなる絶縁基体の主面および内部に微細な配線が形成されている配線基板と、この配線基板の表面に精度よく配置された複数のプローブピンと呼ばれる測定端子とを有しており、このプローブピンを多数の半導体素子の端子にあてて、電圧をかけたときの出力を測定して期待値と比較することで、多数の半導体素子の良否を一括して判定するものである。
近年、半導体素子に形成された集積回路の配線の微細化に伴って、プローブカードの単位面積当たりのプローブピン数を多くすることが求められ、またプローブカード用セラミック配線基板に形成される配線もより微細化することが求められている。
しかしながら、絶縁基体を特許文献1に記載のアルミナ質焼結体で形成したプローブカード用セラミック配線基板は、絶縁基体の熱膨張係数がアルミナの熱膨張係数(約7×10−6/℃)に近いことから、検査対象であるSiウェハの熱膨張係数との差が大きく、そのため、半導体素子の電気特性の測定前に行う熱負荷試験(バーンイン試験)時において、プローブカード用セラミック配線基板に設けられた測定端子(プローブピン)がSiウェハの表面に形成された測定パッドの位置からずれて電気特性の検査を行えないという問題があった。
これに対し、プローブカード用セラミック配線基板の絶縁基体として、アルミナ質焼結体よりも熱膨張係数の小さいムライト質焼結体を適用し、内部配線層やビアホール導体にタングステンまたはモリブデンあるいはこれらの合金を適用させたものが開発されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平11−160356号公報 特開2010−93197号公報
特許文献2に記載のムライト質焼結体は、緻密であり、熱膨張係数がアルミナ質焼結体よりも半導体素子(Si)の熱膨張係数に近いことから、半導体素子の電気特性の測定前に行う熱負荷試験(バーンイン試験)でのプローブカード用セラミック配線基板に設けられた測定端子とSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれを小さくできるも
のの、例えば、水酸化カリウムの水溶液を用いてプローブカード用セラミック配線基板の耐薬品性試験を行った際に、ビアホール導体が水酸化カリウムに侵されてビアホール導体の抵抗が大きくなるという問題があった。
従って、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プローブカード用セラミック配線基板に設けられる測定端子とSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれが小さく、薬品に対するビアホール導体の抵抗変化の小さいプローブカード用セラミック配線基板とこれを用いたプローブカードを提供することを目的とする。
本発明のプローブカード用セラミック配線基板は、マンガン、チタンおよびモリブデンを含むムライト質焼結体からなる絶縁基体の内部に、モリブデンを主成分とするビアホール導体を備えているプローブカード用セラミック配線基板であって、前記ビアホール導体がモリブデン100質量部に対して、チタンをTiO換算で0.8〜8.2質量部、マンガンをMnO換算で1.4〜3.4質量部含むことを特徴とする。
上記プローブカード用セラミック配線基板では、前記ビアホール導体に含まれる、前記マンガンのMnO換算による含有量に対する前記チタンのTiO換算による含有量の比が、0.81.0であることが望ましい。
本発明のプローブカードは、上記のプローブカード用セラミック配線基板の表面に表面配線層が設けられており、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子が接続されてなることを特徴とする。
本発明によれば、プローブカード用セラミック配線基板に設けられる測定端子とSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれが小さく、薬品に対するビアホール導体の抵抗変化の小さいプローブカード用セラミック配線基板とこれを用いたプローブカードを得ることができる。
本発明のプローブカード用セラミック配線基板の一実施形態の概略断面図である。 本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のプローブカード用セラミック配線基板の一実施形態の概略断面図である。図1に示すプローブカード用セラミック配線基板1は、セラミック焼結体からなる絶縁基体11と、絶縁基体11の内部に形成された内部配線層12と、絶縁基体11の表面に形成された表面配線層13とを備えており、その絶縁基体11の内部における内部配線層12同士または内部配線層12と表面配線層13とを電気的に接続するビアホール導体14とを有している。なお、内部配線層12および表面配線層13のことを総称して導体層という。
絶縁基体11は複数のセラミック絶縁層11a、11b、11c、11d(以下、11a〜dと表す。)からなるもので、それぞれのセラミック絶縁層11a〜dはムライトを主成分とするセラミック焼結体により形成されている。以下、ムライトを主成分とするセラミック焼結体のことをムライト質焼結体と記す。
ここで、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1では、絶縁基体11を構成するムライト質焼結体の主成分であるムライトは粒子状または柱状の結晶として存在している。ムライトは結晶粒径が大きくなるに従い熱伝導性が向上し、結晶粒径が小さくなるに従い強度が向上することから、高熱伝導性および高強度の両立という点から好適なムライトの平均粒径の範囲を選択する必要があるが、この場合、高熱伝導性および高強度を有するという理由から、ムライトの平均粒径は1.0〜5.0μm、特に1.7〜2.5μmであることが望ましい。
なお、ムライトの主結晶粒子の平均粒径は、配線基板から切り出したムライト質焼結体の部分を研磨し、エッチングした試料について走査型電子顕微鏡を用いて内部組織の写真を撮り、その写真上に約50個入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子を選択し、次いで、各結晶粒子の輪郭を画像処理して、各結晶粒子の面積を求め、同じ面積をもつ円に置き換えたときの直径を算出し、その平均値より求める。
絶縁基体11がムライト質焼結体であると、絶縁基体11の熱膨張係数(室温〜300℃)を3〜5×10−6/℃の範囲にできる。これにより、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1は、熱負荷試験時において、プローブカード用セラミック配線基板1に設けられた測定端子とSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれが無く、電気特性の検査に好適に使用できるものとなる。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1は、ビアホール導体14がモリブデン100質量部に対して、チタンをTiO換算で0.8〜8.2質量部、マンガンをMnO換算で1.4〜3.4質量部含んでいる。これにより耐薬品性試験においてもビアホール導体の抵抗変化の小さいプローブカード用セラミック配線基板を得ることができる。
プローブカード用セラミック配線基板を構成する絶縁基体11がムライト質焼結体によって形成されるものである場合、通常、絶縁基体11の内部に形成されているビアホール導体14内にはムライト(3Al・2SiO)が分解して生成したAlやSiOが焼結体側からビアホール導体14側に侵入して存在する。このような成分を含むビアホール導体14を有するプローブカード用セラミック配線基板に対して、耐薬品性試験を行った場合、AlやSiOが薬品に溶解して、ビアホール導体14が疎となり、金属間の接合が弱くなり、これによりビアホール導体14の抵抗が大きくなる。
これに対し、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板は、ビアホール導体14内に予め焼結助剤成分としてチタンおよびマンガンを所定量含むものであるために、焼結体側からビアホール導体14側へのAlおよびSiOの侵入が抑えられる。
また、このプローブカード用セラミック配線基板では、モリブデンの粒子の粒界に、耐薬品性を有するマンガンおよびチタンがモリブデンの粒子の結合材として作用し、モリブデンの粒子同士を強固に焼結させることができる。その結果、耐薬品性試験の前後においてビアホール導体14の抵抗変化を小さくすることができる。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板では、ビアホール導体14に含まれるマンガンのMnO換算による含有量に対するチタンのTiO換算による含有量の比が0.81.0であることが望ましく、これにより耐薬品性試験の前後における抵抗変化率を2.8%以下にすることができる。
そして、この場合、ビアホール導体14内に存在するマンガンおよびチタンが化合して、MnTiOを形成している場合には、耐薬品性試験での効果をさらに高めることがで
きる。
これに対し、モリブデンに対するマンガンおよびチタンの含有量が、チタンをTiO換算で0.8〜8.2質量部、マンガンをMnO換算で1.4〜3.4質量部の組成から外れた場合には、耐薬品性が低下するか、焼結性が低下するおそれがある。
なお、耐薬品性試験は、水酸化カリウムを40質量%含む水溶液を100℃に加温して、この水溶液中にプローブカード用セラミック配線基板を5時間浸漬させる条件で行うものである。
ビアホール導体14内に存在するモリブデン、マンガンおよびチタンは、プローブカード用セラミック配線基板を切り出した試料の断面の元素分析器を備えた走査型電子顕微鏡を用いて分析を行うことにより組成を求める。
ビアホール導体14内にMnTiOが存在することについては、分析用に研磨加工した試料の表面に露出させたビアホール導体14の領域をX線マイクロアナライザー(EPMA)を付設した走査型電子顕微鏡を用いて観察し、MnTiO結晶相の存在を確認する。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板では、絶縁基体11であるムライト質焼結体が、ムライトを主結晶相とし、該主結晶相を構成する主結晶粒子の周囲に存在する粒界部とを有しており、その粒界部にはMn(マンガン)、Ti(チタン)、Mo(モリブデン)が存在していることが望ましく、その組成は、この焼結体中に含まれるAlをAl換算およびSiをSiO換算した合計量を100質量部としたときに、前記MnをMn換算で2.0〜4.0質量部、前記TiをTiO換算で4.0〜8.0質量部および前記MoをMoO換算で0.4〜2.1質量部含有することが好ましい。
すなわち、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1は、ムライトの主結晶粒子の粒界部にMnTiO結晶相を有するとともに、Moを含むものであるために、ムライトの主結晶粒子の粒界部に存在するガラス成分量が極めて少ない。このため絶縁基体11を40質量%水酸化カリウム水溶液に5時間浸漬したとしても、ムライト質焼結体に含まれるガラス成分の溶出が殆ど溶出しないものとなり、また、絶縁基体11におけるガラス相の染み出しを抑えられるため、異物付着による外観不良が生じ難いものとなる。
ここで、絶縁基体11中に含まれるMnTiO結晶相の存在は、以下のようにして求める。まず、分析用に研磨加工した試料の表面の300μm角の領域をX線マイクロアナライザー(EPMA)を付設した走査型電子顕微鏡を用いて観察し、MnTiO結晶相の存在を確認する。ここで、ムライト質焼結体中に含まれるAlをAl換算およびSiをSiO換算した合計量を100質量部に対する、Mn、Ti、Moの含有量は、まず、絶縁基体11を酸に溶解させて、ICP分析により絶縁基体11中に含まれるアルミニウム(Al)、珪素(Si)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)の含有量を求め、次いで、これらの元素をそれぞれAl、SiO、Mn、TiO、MoOに換算して求める。
なお、本実施形態におけるムライト質焼結体では、Mnの他に、焼結性を高める助剤成分として、Ca、Sr、BおよびCrなどから選ばれる少なくとも1種が、耐薬品性、異物付着による外観不良発生率等の特性を損なわない程度含有されていても良い。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1は、絶縁基体11内にCu
とWとの複合導体からなる導体層とを備えており、これにより、例えば、タングステンのみから形成されている導体層を有するプローブカード用セラミック配線基板に比べて導体層の配線抵抗を低くすることができる。この場合、導体層の組成は、Cuが40〜60体積%、Wが40〜60体積%の組成を有する複合導体であることが望ましい。導体層を上記の組成にすると、後述する1380℃〜1420℃の焼成温度でムライト質焼結体との同時焼成が可能となる。
ここで、内部配線層12のCuおよびWの組成は、プローブカード用配線基板1から内部配線層12が形成された部位を切り出し、これを酸に溶解させた溶液をICP分析を用いて導体材料であるCuおよびWの含有量を質量で求める。次に、質量として求めたCuおよびWの量をそれぞれの密度で除して各々の体積を求め、次いで、CuおよびWの合計の体積を100%としたときのCuおよびWの割合を求める。
なお、表面配線層13は、内部配線層13と同様の組成であっても異なっても良く、高融点金属であるWまたはMoのみで形成されていても良い。
上述した本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1は、熱負荷試験時において、プローブカード用セラミック配線基板1に設けられた測定端子(プローブピン)とSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれを抑制でき、電気特性の検査に好適に使用できる。また、ムライト質焼結体を特定の組成としたときには、緻密なものになる。
また、図1に示すプローブカード用セラミック配線基板1を構成する絶縁基体11の主面には、焼成直後においては、元々、表面配線層13の代わりにビアホール導体14に接続されたランドパターン(図示せず)が形成されている。このランドパターンは焼成後にこのプローブカード用セラミック配線基板1の内部配線層12およびビアホール導体14の電気的接続のショートまたはオープンの検査を行うために設けられたものである。そして、プローブカード用セラミック配線基板1の内部配線層12およびビアホール導体14の電気的接続のショートまたはオープンの検査を行った後、ランドパターンは研磨により取り除かれ、ビアホール導体14を露出させたうえで、スパッタ法または蒸着法などの薄膜法により表面配線層13が形成され、さらに、この表面配線層13の表面上に測定端子(プローブピン)が形成され、図2に示すプローブカード2が作製される。
図2は、本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。上記したプローブカード用セラミック配線基板1は、例えば、図2に示すようなプローブカード2として用いることができる。
図2に示すプローブカード2は、プローブカード用セラミック配線基板1の一方の主面に、内部配線層12と接続される表面配線層(図示せず)が形成され、この表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための探針(測定端子21)が接続されており、さらに、測定端子21が形成された面とは反対側の面に接続端子3を介して外部回路基板4が接合された構成となっている。
ここで、外部回路基板4は、テスタ5に接続されており、ステージ6の上に載置された半導体ウェハ7の上面にプローブカード2の測定端子21を接触させて半導体素子の電気特性を測定することができる。
なお、プローブカード2は、昇降装置8によって上下に駆動させることができ、プローブカード2の測定端子21を半導体ウェハ7の上面に接触させたり離したりするようになっている。
このプローブカード2の配線基板として、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1を適用すると、まず、熱負荷試験時において、プローブカード用セラミック配線基板1に設けられた測定端子21とSiウェハ7の表面に形成された測定パッドとの位置ずれが無く、電気特性の検査に好適に使用できるものとなる。
次に、上記のプローブカード用セラミック配線基板1の製造方法について説明する。
まず、絶縁基体11を形成するために、ムライト(3Al・2SiO)粉末として、純度が99%以上、平均粒径が0.5〜2.5μmのものを用いる。ムライト粉末の平均粒径を0.5μm以上とすることでシート成形性を良好なものとし、2.5μm以下とすることで1420℃以下の温度での焼成によっても緻密化を促進させることが可能となる。
次に、ムライト粉末100質量部に対して、Mn粉末を2.0〜4.0質量部、TiO粉末を4.0〜8.0質量部、MoO粉末を0.4〜2.1質量部および微量のW粉末を添加する。この場合、添加剤として用いるMn粉末は平均粒径が0.5〜3μm、TiO粉末は0.5〜2μm、MoO粉末は0.5〜2μmは0.3〜1μmであるものを用いるのがよい。なお、Mn粉末、TiO粉末およびMoO粉末の純度はともに99質量%以上であるものがよい。これにより、シート成形性を良好なものとし、Mn、TiおよびMoの拡散を向上させ、1380℃〜1420℃の温度での焼結性を高めることができる。
本実施形態のプローブカード用配線基板1は、上述のように、ムライト質焼結体を形成するためのグリーンシートにMn粉末、TiO粉末およびMoO粉末を添加する。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1を製造する場合、ムライト粉末に対して、Mn粉末およびTiO粉末とともにMoO粉末を添加すると、ガラス相の染み出しを抑えられるため、異物付着による外観不良が生じ難くなる。とりわけ、MoO粉末とTiO粉末とを所定の割合(MoO粉末:TiO粉末=0.9〜1.1:1.8〜2.2、焼成後も同じ割合)にしたときには、得られる絶縁基体11の配線近傍の白色化を抑制でき、これにより絶縁基体11と配線との色のコントラストを高めることができ、その結果、配線を検査するときの数値ばらつきを小さくすることが可能になる。
なお、Mn、Ti、Moは、上記の酸化物粉末以外に焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等として添加しても良い。
さらに、ムライト質焼結体の緻密化と内部配線層12を形成する複合金属との同時焼結性を高めるという理由から、ムライト粉末100質量部に対して、Ca、Sr、BおよびCrの群から選ばれる1種以上の酸化物粉末(CaO粉末、SrO粉末、B粉末、Cr粉末)または焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩からなる粉末を、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1の熱膨張係数を変化させず、また耐薬品性を劣化させない程度の割合で添加してもよい。
次に、この混合粉末に対して有機バインダ、溶媒を添加してスラリーを調整した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの成形方法によってグリーンシートを作製する。あるいは、混合粉末に有機バインダを添加し、プレス成形、圧延成形等の方法により所定の厚みのグリーンシートを作製する。なお、グリーンシートの厚みはた
とえば50〜300μmとすることができるが、特に限定されない。
そして、適宜、このグリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径50〜250μmの貫通孔を形成する。
このようにして作製されたグリーンシートに対して、Cu粉末とW粉末とを前述した比率(Cuが40〜60体積%、Wが40〜60体積%)となるように混合して導体ペーストを調製し、この導体ペーストを各グリーンシートの貫通孔内に充填し、またスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により印刷塗布して配線パターンを形成する。
なお、この導体ペースト中には、絶縁基体11との密着性を高めるために、上記の金属粉末以外にアルミナ粉末あるいは絶縁基体11と同一組成物の混合粉末を添加してもよく、さらにはNi等の活性金属あるいはそれらの酸化物を導体ペースト全体に対して0.05〜2体積%の割合で添加してもよい。
その後、導体ペーストを印刷塗布したグリーンシートを位置合わせして積層圧着した後、この積層体を非酸化性雰囲気(窒素雰囲気あるいは窒素と水素との混合雰囲気)中で焼成する。
ここで、焼成中の最高温度は1380℃〜1420℃とするのがよい。焼成中の最高温度を1380℃〜1420℃とすると、この範囲の温度において保持時間を調整することにより、ムライト質焼結体を緻密化させることができるようになる。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1を構成する絶縁基体11であるムライト質焼結体では、少なくともMn、TiおよびMoを所定量含有させて焼成すると、ムライト粒子のネック成長が抑えられるためムライトの異常粒成長を抑制でき、ヤング率の高いムライト質焼結体を得ることができる。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1を作製する場合、ムライト質焼結体を緻密化するという1000℃から焼成最高温度までの昇温速度は50℃/hr
〜150℃/hr、特に、75℃/hr〜100℃/hrにすることが望ましく、焼成最高
温度から1000℃までの降温速度は、50℃/hr〜300℃/hr、特に、50℃/h
r〜100℃/hrにすることが望ましい。
またさらに、焼成時の雰囲気は、内部配線層12中のCuの拡散を抑制するという理由から、水素および窒素を含み、その露点が+30℃以下、特に+25℃以下の非酸化性雰囲気であることが望ましい。焼成時の露点が+30℃より高いと、焼成中に酸化物セラミックスと雰囲気中の水分とが反応し酸化膜を形成し、この酸化膜と銅とが反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとなるのみでなく、Cuの拡散を助長してしまうためである。なお、この雰囲気には所望によりアルゴンガス等の不活性ガスを混入してもよい。
以上述べた方法により作製されたプローブカード用セラミック配線基板1は、ビアホール導体14がモリブデンを主成分とし、マンガンおよびチタンを含むものであるために、耐薬品性試験の前後においてもビアホール抵抗の抵抗変化の小さいものとなる。
純度が99%で平均粒子径が2.1μmのムライト粉末100質量部に対して、純度が99%で平均粒子径が1.5μmのMn粉末を2.0質量部、純度が99%で平均粒径が1.0μmのTiO粉末を4.0質量部、純度が99%で平均粒子径が1.0μmのMoO粉末を0.4質量部の割合で混合した後、さらに成形用有機樹脂(有機バイ
ンダー)としてアクリル系バインダーと、有機溶媒としてトルエンとを混合してセラミックスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて厚さ200μmのシート状に成形し、セラミックグリーンシートを作製した。
次に、作製したグリーンシートに対して、Cu粉末とW粉末とをCuが45体積%、Wが55体積%となるように調製した導体ペーストを各グリーンシートの表面に印刷して内部配線パターンを形成するとともに、予め形成した直径が250μmの貫通孔内に、表1に示す調合組成にしたがって、Mo、TiOおよびMnOを調合するときに、有機ビヒクルを添加してMoを主成分とする導体ペーストを調製し、その導体ペーストを充填してビアホール導体が形成されたグリーンシートを作製した。
こうして作製した各セラミックグリーンシートを位置合わせして積層圧着して積層体を作製した。ここで作製された積層体は、最上層および最下層には抵抗測定用に測定端子を接触させるためのパッドが設けられたセラミックグリーンシートを配置した。
次に、この積層体を還元雰囲気中にて焼成してプローブカード用セラミック配線基板を作製した。焼成条件は、昇温速度および降温速度を100℃/hrとし、最高温度を14
00℃とした。
耐薬品性試験は、水酸化カリウムを40質量%含む水溶液を100℃に加温して、この水溶液に試料であるプローブカード用セラミック配線基板を5時間浸漬させて行った。
ビアホール導体の抵抗は、耐薬品性試験の前後において、表面薄膜上に測定端子を接触させてミリオームメーターを用いて四端子法により測定した。試料数は10個とし平均値を求めた。
次に、作製したプローブカード用セラミック配線基板の表面を研磨し、ランドパターンを取り除いた後、スパッタ法を用いて、プローブカード用セラミック配線基板の表面の全面に厚みが約2μmのチタンおよび銅の導電性薄膜を順に形成した。
次に、フォトリソグラフィーによりチタンおよび銅の導電性薄膜をパターン加工して、この銅の表面にニッケルおよび金の電解めっき膜を順に形成して、プローブカード用セラミック配線基板の表面のビアホール導体上に表面配線層を形成した。
次に、このプローブカード用セラミック配線基板の表面に形成した表面配線層の表面にSi製の測定端子(プローブピン)を接合してプローブカードを作製した。
次に、ステージ上に載置したSiウェハの上面にプローブカードの測定端子であるプローブピンを接触させて90℃の温度に加熱した状態に保持し、プローブカードの側面から実体顕微鏡を用いて、プローブピンとSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれを観察した。この場合、プローブカードおよびSiウェハの最外周に形成した測定端子(プローブピン)と測定パッドを観察したときに、測定端子(プローブピン)の先端が測定パッド上から横に位置ずれしている状態を位置ずれ有りとした。作製した試料については位置ずれの見られたものは無かった。
ビアホール導体の組成は、X線マイクロアナライザー(EPMA)を付設した走査型電子顕微鏡を用いて、得られた特性X線のカウントから、Moを100質量部として、マンガンをMnOおよびチタンをTiOとして求めた。
Figure 0005725845
表1の結果から明らかなように、本発明の試料(試料No.2〜5、8および9)では、耐薬品性試験の前後でのビアホール導体の抵抗変化率が4.6%以下と小さかった。特に、ビアホール導体に含まれるマンガンに対するチタンの比率(Ti/Mn)を0.75〜1.00とした試料(試料No.3、4)では、耐薬品性試験の前後における抵抗変化率を2.8%以下であった。試料No.2〜5、8および9の試料であるプローブカード用セラミック配線基板を研磨した試料の表面に露出させたビアホール導体の領域をX線マイクロアナライザー(EPMA)を付設した走査型電子顕微鏡を用いて観察したところMnTiOが確認された。
一方、本発明の範囲外の試料(試料No.1、6、7および10)では、ビアホール導体の抵抗変化率が10.2%と大きかった。
1:プローブカード用セラミック配線基板
11:絶縁基体
12:内部配線層
13:表面配線層
14:ビアホール導体
2:プローブカード
21:測定端子

Claims (3)

  1. マンガン、チタンおよびモリブデンを含むムライト質焼結体からなる絶縁基体の内部に、モリブデンを主成分とするビアホール導体を備えているプローブカード用セラミック配線基板であって、前記ビアホール導体がモリブデン100質量部に対して、チタンをTiO換算で0.8〜8.2質量部、マンガンをMnO換算で1.4〜3.4質量部含むことを特徴とするプローブカード用セラミック配線基板。
  2. 前記ビアホール導体に含まれる、前記マンガンのMnO換算による含有量に対する前記チタンのTiO換算による含有量の比が、0.81.0であることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード用セラミック配線基板。
  3. 請求項1または2に記載のプローブカード用セラミック配線基板の表面に表面配線層が設けられており、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子が接続されてなることを特徴とするプローブカード。
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