JP5144450B2 - プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハの電気特性を測定するための微細な配線を備えたプローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカードに関するものである。
Siウェハ等の半導体ウェハに多数個同時に形成される大規模集積回路を有する半導体素子には、異物の付着などに起因する電気不良等によって、ほぼ一定の割合で電気的接続および電気特性の不良品が含まれている。
上記半導体素子の不良品を検出するものとして、半導体ウェハの状態のまま同時に多数の半導体素子の電気特性を一括して検査することができるプローブカードが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このプローブカードは、アルミナ質焼結体からなる絶縁基体の主面および内部に微細な配線が形成されてなる配線基板と、この配線基板の表面に精度よく配置された複数のプローブピンと呼ばれる探針(測定端子)とを含んでおり、このプローブピンを多数の半導体素子の端子にあてて、電圧をかけたときの出力を測定して期待値と比較することで、多数の半導体素子の良否を一括して判定するものである。
近年、半導体素子に形成された集積回路の配線微細化に伴って、プローブカードの単位面積当たりのプローブピン数を多くすることが求められ、またプローブカード用配線基板に形成される配線もより微細化することが求められている。
ところが、配線の微細化、すなわち線幅を狭くすることにより、配線抵抗が増大して電気信号の遅延が生じ、集積回路の動作状態について正しく判断できず、検査ミスにつながるという問題があった。
そこで、配線としてCu、Ag、Auなどの低抵抗金属を用いることが考えられるが、これらの低抵抗金属は融点が低いため、低抵抗金属のみではアルミナ質焼結体との同時焼成ができない。
これに対し、アルミナ質焼結体からなる絶縁基体の内部にCu、Ag、Auなどの低抵抗金属とMo、Wなどの高融点金属との複合金属を主成分とする配線が形成された配線基板が提案されている(特許文献2を参照。)。
具体的には、MnおよびSiを焼結助剤として含有させることにより、従来のアルミナ質焼結体からなる絶縁基体を有する配線基板よりも200℃以上低い1500℃以下の温度で焼成することができ、上記低抵抗金属および高融点金属の複合金属を主成分として含む配線を同時焼成により形成することを可能としたものである。
特開平11−160356号公報 特開2003−163425号公報
しかしながら、特許文献2に記載の配線基板をプローブカード用配線基板に適用しようとすると、絶縁基体の表面に形成された表面配線層とプローブピンとの間に隙間が生じて導通不良を起こすとともに、絶縁基体の内部に水分が浸入して絶縁不良を起こしてしまうという問題があった。
すなわち、プローブカードの製造において、プローブカード用配線基板上にSi等の材料を用いてプローブピンを形成する際に、エッチングのためにアルカリ水溶液に浸漬(例えば、40質量%水酸化カリウム水溶液に5時間浸漬)するため、プローブカード用配線基板には耐薬品性が要求されるが、低温で焼成している特許文献2に記載の絶縁基体はプローブカードの製造に用いられる上記アルカリ水溶液への浸漬に十分に耐えうるほどの耐薬品性を備えるものではなかった。これは、アルミナ質焼結体における粒界に、ガラス(非晶質部)が多く残存しており、そのガラスが薬品によりその構造を破壊されやすいためである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低抵抗金属および高融点金属を主成分として含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカードを提供することを目的とする。
本発明は、X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlを97〜99質量%含むアルミナ質焼結体からなる絶縁基体と、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoのうちの少なくとも一方の高融点金属を主成分として含む内部配線層とを備えたプローブカード用配線基板において、前記アルミナ質焼結体は、MnとSiとをそれぞれMn換算およびSiO換算にて50:50〜54:46の質量比で含むとともに、前記Alの粒子間の粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%以上であり、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%以上であることを特徴とするものである。
また本発明は、上記のプローブカード用配線基板の一方の主面に、前記内部配線層と接続される表面配線層を備えているとともに、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子を備えていることを特徴とするプローブカードである。
本発明によれば、X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlを97〜99質量%含み、MnとSiとをそれぞれMn換算およびSiO換算にて50:50〜54:46の質量比で含むとともに、Alの粒子間の粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%以上であり、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%以上となるアルミナ質焼結体で絶縁基体が形成されているため、エッチング液(アルカリ水溶液)に浸漬させたときの絶縁基体(アルミナ質焼結体)のアルカリ水溶液中への溶出を著しく抑制できることから、低抵抗金属および高融点金属を主成分として含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板を実現することができる。
また、本発明のプローブカードによれば、低抵抗金属および高融点金属を主成分として含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板を具備しているので、半導体素子の電気特性を測定して検査する際の信号遅延や検査ミスを抑制することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のプローブカード用配線基板の一実施形態の概略断面図であり、図2は本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
図1に示すプローブカード用配線基板1は、X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlを97〜99質量%含むアルミナ質焼結体からなる絶縁基体11と、絶縁基体11の内部に形成された低抵抗金属および高融点金属を主成分として含む内部配線層12とを備えている。
絶縁基体11は複数の絶縁層11a、11b、11c、11dからなるもので、それぞれの絶縁層11a、11b、11c、11dはAlを97〜99質量%含むアルミナ質焼結体で形成されている。このAlは粒状または柱状の結晶として存在している。X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlが97質量%未満であると、プローブカード用配線基板1として求められる耐薬品性が十分ではなくなってしまう。
本発明においてAlの平均結晶粒径は特に限定されるものではないが、結晶粒径が大きくなるに従い熱伝導性が向上し、結晶粒径が小さくなるに従い強度が向上することから、高熱伝導性および高強度の両立という点から、Alの平均結晶粒径は1.0〜5.0μm、特に1.7〜2.5μmであることが望ましい。なお、Alが柱状の結晶である場合の平均結晶粒径は短軸径に基づいて求めることとする。平均粒子径は、測定試料(アルミナ質焼結体)の表面を鏡面研磨し、例えば燐酸を用いてエッチングを行って粒界を溶かした後、SEM(走査型電子顕微鏡)による例えば1000倍の画像の所定領域について複数の線を引いて各線の粒界との交点の数を数える、いわゆるインタセプト法により求めることができる。
ここで、絶縁基体11がアルミナ質焼結体で形成されていることで、ある程度の耐薬品性は得られている。しかしながら、プローブカード用配線基板1として用いるためには、さらなる耐薬品性が求められる。
そこで、アルミナ質焼結体は、Alの粒子間の粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%以上であり、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%以上であることが重要である。
ここで、Alの回折メインピーク強度とは(110)面の回折ピーク強度をいい、MnAlの回折メインピーク強度とは(311)面の回折ピーク強度をいい、MnSiOの回折メインピーク強度とは下記(数1)面の回折ピーク強度をいう。
Figure 0005144450
アルミナ質焼結体における粒界に、Mn、SiおよびAlを含むガラス(非晶質部)が多く残存すると、耐薬品性が低下する。ガラスは、酸性溶液やアルカリ性溶液等の薬品への浸漬によりその構造を破壊されやすいためである。したがって、アルミナ質焼結体の耐薬品性を上げるためには、粒界に残存するガラス(非晶質部)が少なく、粒界に耐薬品性の良い結晶が多く析出していることが必要である。例えば、40質量%水酸化カリウム水溶液に5時間浸漬したとき、Mn、SiおよびAlを含むガラス(非晶質部)と比較して、MnSiOが析出することで水酸化カリウム水溶液への溶出量を約1/5倍に低減でき、またMnAlは前記水酸化カリウム水溶液に対してほとんど溶出しない。そのため、Alの粒子間の粒界にMnAlおよびMnSiOを有することが耐薬品性の向上のために重要であり、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%以上、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%以上であることで、プローブカード用配線基板として十分な耐薬品性を得ることができる。
すなわち、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%未満またはAlの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%未満であると、耐薬品性の良い結晶量が少ないことから、プローブカード用配線基板として十分な耐薬品性を得ることができない。
ここで、アルミナ質焼結体がAlの粒子間の粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比を3%以上、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比を1%以上とするためには、Alおよび焼結助剤成分(MnとSi)の比率を調整して、X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlを97〜99質量含むとともに、MnとSiとをそれぞれMn換算およびSiO換算にて50:50〜54:46の質量比で含み、さらに所定の焼成条件下での焼成が必要となる。MnとSiとの比率は、XRF(蛍光X線分析)により求められる値であり、結晶であるかガラス(残留ガラス)であるか問われない値である。MnとSiとの比率が上記比率の範囲外であると、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度比を3%以上、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度比を1%以上を満足することができなくなってしまう。なお、所定の焼成条件については、製造方法の説明で述べる。
絶縁基体11を形成するアルミナ質焼結体には、後述の内部配線層12の形成材料との同時焼結性を高める成分として、Mg、Ca、Sr、BおよびCrのうちから選ばれる1種以上が、酸化物換算(MgO、CaO、SrO、B、Cr)で0.1〜4質量部の割合で添加されているのが好ましい。さらに、絶縁基体11を黒色化するための着色成分としてW、Moなどの金属を含んでいても良い。これらアルミナ以外の成分は、アルミナの結晶粒界に非晶質相あるいは結晶相として存在するが、熱伝導性、強度、誘電損失低減、耐薬品性向上の観点から、MnAlおよびMnSiOの析出を阻害しない範囲で結晶として析出しているのが好ましい。ここで、MnAlおよびMnSiOの析出を阻害しない範囲で結晶として析出しているとは、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%以上であり、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%以上を満足する範囲で、他の結晶が析出していても良いことをいう。
絶縁基体11の内部には、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoのうちの少なくとも一方の高融点金属を主成分として含む内部配線層12が形成されている。
アルミナ質焼結体と同時焼成可能な配線層の形成材料として、W、Moなどの高融点金属が挙げられるが、これらの高融点金属からなる配線層は電気抵抗値が高い。一方、Cu、Au、Agなどの低抵抗金属はアルミナ質焼結体の焼成温度よりもかなり融点が低いため、低抵抗金属のみをアルミナ質焼結体と同時焼成することはできない。そこで、内部配線層12をCu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoのうちの少なくとも一方の高融点金属を主成分として含む配線とすることで、低抵抗金属の単体に比べると電気抵抗値は多少高くなるものの、後述する1380℃〜1420℃の焼成温度でアルミナ質焼結体との同時焼成が可能となる。ただし、同時焼成可能といえども、低抵抗金属の融点を超える温度での焼成となるため、低抵抗金属の溶融を抑制して内部配線層12の形状を保つことが必要となる。そこで、内部配線層12の低抵抗化と保形性をともに達成するうえで、低抵抗金属が40〜60体積%、高融点金属が40〜60体積%の割合からなることが望ましい。また、高融点金属は、平均粒径1〜10μmの粒子として低抵抗金属からなるマトリックス中に分散していることが望ましい。
また、貫通導体13は、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoのうちの少なくとも一方の高融点金属を主成分として含んでいてもよく、上記高融点金属のみを主成分として含んでいてもよい。
このようなプローブカード用配線基板1は、エッチング液(アルカリ水溶液)に浸漬させたときのアルミナ質焼結体のアルカリ水溶液中への溶出を著しく抑制でき、耐薬品性に優れたものとなる。
また、図1に示す絶縁基体11の主面には、貫通導体13に接続するランド14(接続パッド)が形成されている。このランド14は焼成後にこのプローブカード用配線基板1の配線の電気ショート/オープンの検査をするために設けられたもので、内部配線層12と同様の形成材料からなる。そして、プローブカード用配線基板1の配線の電気ショート/オープンの検査をした後、ランド14は表面研磨により取り除かれ、貫通導体13を露出させたうえで、薄膜(表面配線層)の形成およびプローブピンの形成がなされ、後述のプローブカード2が作製される。
上記のプローブカード用配線基板1は、例えば図2に示すようなプローブカード2として用いることができる。
図2に示すプローブカード2は、プローブカード用配線基板1の一方の主面に、内部配線層12と接続される表面配線層(図示せず)を備えているとともに、この表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための探針としての測定端子21を備えているものである。また、プローブカード用配線基板1の他方の主面に接続端子(図示せず)が形成され、この接続端子が半田3を介して外部回路基板4に接合され、外部回路基板4の電気回路(図示せず)と電気的に接続されている。また、外部回路基板4は、テスタ5と電気的に接続されている。そして、ステージ6の上に載置された半導体ウェハ7の上面にプローブカード2の測定端子21を接触させて半導体素子の電気特性を測定することができる。
なお、プローブカード2および外部回路基板4は、昇降装置8によって上下に駆動させることができ、プローブカード2の測定端子21を半導体ウェハ7の上面に接触させたり離したりするようになっている。
次に、上記のプローブカード用配線基板1の製造方法について説明する。
まず、絶縁基体11を形成するために、アルミナ原料粉末として、純度99%以上、平均粒径が0.5〜2.5μm、特に1.0〜2.0μmの粉末を用いる。これは、平均粒径を0.5μm以上とすることでシート成形性を良好なものとし、2.5μm以下とすることで1420℃以下の温度での焼成によっても緻密化を促進させるためである。
そして、アルミナ原料粉末90〜95質量%と、残りの5〜10質量%を純度99%以上で平均粒径が0.7〜1.7μmのMn粉末と純度99%以上で平均粒径が1〜3μmのSiO粉末とを50:50〜54:46の質量比で混合する。このような質量比で混合することにより、シート成形性を良好なものとし、Mn成分の分散性を向上させ、後述する1380℃〜1420℃の焼成温度での緻密化を促すことができる。そして、X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlを97〜99質量%含むとともに、MnとSiとをそれぞれMn換算およびSiO換算にて50:50〜54:46の質量比で含むアルミナ質焼結体が得られ、MnAlとMnSiOの結晶化を促すことができる。
ここで、MnおよびSiは、上記の酸化物粉末以外に焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等として添加しても良い。この場合においても、アルミナ原料粉末90〜95質量%に対して、MnとSiとをそれぞれMn換算およびSiO換算にて50:50〜54:46の質量比で含むように混合する。
なお、アルミナ原料粉末90〜95質量%に対して、焼結後のアルミナ質焼結体におけるX線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlの含有量が97〜99質量%となっているのは、リートベルト解析によれば残留ガラスを除く結晶のみの割合が求められるからである。
さらに、アルミナ原料粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計を100質量部として、これにMg、Ca、Sr、BおよびCrの群から選ばれる1種以上の酸化物粉末(MgO粉末、CaO粉末、SrO粉末、B粉末、Cr粉末)または焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩からなる粉末を酸化物換算による合計で0.1〜4質量部、好ましくは0.2〜2.5質量部の割合で添加してもよい。これにより、配線を形成する複合金属との同時焼結性を高めることができる。
またさらに、アルミナ質焼結体を黒色化するための着色成分としてW、Moなどの金属をアルミナ原料粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計100質量部に対して2質量部以下の割合で添加してもよい。耐薬品性が低いとこの黒色化成分が流出して、アルミナ質焼結体が白色化し、認知性が低下してしまうが、本発明によれば耐薬品性が高いので、黒色化成分の流出を防ぐことができる。
そして、これらの混合粉末に対して有機バインダ、溶媒を添加してスラリーを調整した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの成形方法によってグリーンシートを作製する。あるいは、混合粉末に有機バインダを添加し、プレス成形、圧延成形等の方法により所定の厚みのグリーンシートを作製する。なお、グリーンシートの厚みはたとえば50〜300μmとすることができるが、特に限定されない。
そして、適宜、このグリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径50〜250μmの貫通孔を形成する。
このようにして作製されたグリーンシートに対して、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属粉末と、WおよびMoのうちの少なくとも一方の高融点金属粉末とを前述した比率(低抵抗金属が40〜60体積%、高融点金属が40〜60体積%)となるように混合して導体ペーストを調製し、この導体ペーストを各グリーンシートの貫通孔内に充填し、またスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法によりグリーンシートの表面に配線パターンを印刷する。
なお、この導体ペースト中には、絶縁基体11との密着性を高めるために、上記の金属粉末以外にアルミナ原料粉末あるいは焼結助剤としてのMn粉末、SiO粉末などを添加してもよく、さらにはNi等の活性金属あるいはそれらの酸化物を導体ペースト全体に対して0.05〜2体積%の割合で添加してもよい。
その後、導体ペーストを印刷したグリーンシートを位置合わせして積層圧着した後、この積層体を非酸化性雰囲気(窒素雰囲気あるいは窒素と水素との混合雰囲気)中で焼成する。
焼成中の最高温度は1380℃〜1420℃とすることが重要である。最高温度が1380℃より低い場合には、後述のように最高温度での保持時間を長くしたり昇温速度を遅くしたりしてかける熱量を多くしても、粒界において、MnAl結晶およびMnSiO結晶の核生成が進まない状態で緻密化が終了してしまう傾向があり、最高温度が1420℃を超える場合には、内部配線層の流れや細りが生じてしまう傾向がある。
そして、粒界部において、MnAl結晶およびMnSiO結晶を多く析出させるためには、焼成中の最高温度(1380℃〜1420℃)で8時間以上保持することが重要である。最高温度での保持時間を長くすることで、MnAl結晶およびMnSiO結晶の核生成を促すことができ、析出する結晶の量を増大させることができるのである。保持時間が8時間より短い場合には、MnAl結晶およびMnSiO結晶の核生成が不十分であり、十分な量の結晶を析出させることができず、温度による核生成速度の変化の影響を受けやすいため、析出する結晶の量が変化しやくなってしまう傾向にある。
なお、本発明のアルミナ質焼結体においては、粒界相を結晶化させるため、アルミナ結晶粒子のネック成長が抑える効果があるため、異常粒成長を抑制できる。
また、1000℃から最高温度までの昇温速度は100℃/hr〜300℃/hrにすることが望ましい。昇温速度が100℃/hrよりも遅い場合には、焼成時間が長く生産性が低下につながり、昇温速度が300℃/hrよりも速い場合には、焼成中の熱膨張により発生する応力により、絶縁基板11にクラックが発生する原因になりやすい。
さらに、最高温度から1000℃までの降温速度は、200℃/hr〜100℃/hrにすることが重要である。降温速度が100℃/hrよりも遅い場合には、MnAl(SiO結晶が析出してしまい、MnAl結晶およびMnSiO結晶を十分に析出させることができず、絶縁基体11に染みが発生する原因となる。昇温速度が200℃/hrよりも速い場合には、粒界を結晶化させるための核生成および核成長する時間が得られず、ガラスが多く、耐薬品性が低下する。
なお、内部配線層12中のCuの拡散を抑制する上では、水素および窒素を含み露点が+30℃以下、特に+25℃以下の非酸化性雰囲気であることが望ましい。焼成時の露点が+30℃より高いと、焼成中に酸化物セラミックスと雰囲気中の水分とが反応し酸化膜を形成し、この酸化膜と銅とが反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとなるのみでなく、Cuの拡散を助長してしまうためである。なお、この雰囲気には所望によりアルゴンガス等の不活性ガスが混入されてもよい。
以上述べた方法により作製されたプローブカード用配線基板は、低抵抗金属および高融点金属を主成分として含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたものとなる。
純度が99%で平均粒子径が1.8μmのアルミナ原料粉末(Al粉末)に対して、純度が99%で平均粒子径が1.5μmのMn粉末、純度が99%で平均粒子径が1.0μmのSiO粉末を表1に示すような割合で混合するとともに、Al粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計100質量部に対し、平均粒子径が5.0μmのMgCO粉末を0.4質量部添加(外添)するとともに平均粒子径が0.7μmのMo粉末を0.3質量部添加(外添)した後、さらに、成形用有機樹脂(有機バインダ)としてアクリル系バインダと、有機溶媒としてトルエンを混合してスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて厚さ200μmのシート状に成形し、グリーンシートを得た。
Figure 0005144450
得られたグリーンシートを15層積層し、600℃で露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き焼成を行ない、1000℃から最高温度までを表2に示す昇温速度で昇温し、最高温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気に、表2に示す保持時間だけ保持した後、最高温度から1000℃までを表2に示す降温速度で冷却して、アルミナ質焼結体を得た。
得られたアルミナ質焼結体におけるAlの比率(質量%)は、X線回折により得られる回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた。その結果を表2に示す。
また、得られたアルミナ質焼結体のAlを除く残部に存在するMnとSiとの比は、XRF(蛍光X線分析)により求めた。その結果を表2に示す。
また、得られたアルミナ質焼結体の主結晶であるAlの粒界に存在する結晶は、当該アルミナ質焼結体を粉砕し、X線回折により得られる回折メインピーク位置をJCPDSに照らして同定した。また、同定された結晶であるMnSiOおよびMnAlについて、それぞれの回折メインピーク強度のAl結晶の回折メインピーク強度に対する比を求めた。その結果を表2に示す。なお、表2には求めた比を100倍した値(%表示)を示している。
また、耐薬品性の指標として、アルミナ質焼結体の初期の質量及び100℃の水酸化カリウム40質量%水溶液に5時間浸漬させた後のアルミナ質焼結体の質量を測定し、質量減少率(「アルミナ質焼結体の初期質量」−「100℃の水酸化カリウム40質量%水溶液に5時間浸漬させた後のアルミナ質焼結体の質量」)/「アルミナ質焼結体の初期質量」を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005144450
表2から明らかなように、本発明のプローブカード用配線基板を構成する絶縁基体の形成材料であるアルミナ質焼結体(試料No.2、3、4、6、9、10、12、13、16、17、18)は、水酸化カリウム40質量%水溶液に5時間浸漬させた際の質量減少率が0.1%以下であり、耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板が得られることがわかる。
これに対し、試料No.1、5、7、8、11、14、15については、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度比が3%以上、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度比が1%以上を達成できておらず、質量減少率は大きいため、プローブカード用配線基板として十分に機能しないことがわかる。
なお、試料No.10については、過焼結による若干の嵩密度の低下が見られた。このことから、熱量をかけすぎてもよくないことがわかる。具体的には、焼成温度が1000℃から最高温度に達して最高温度から降温して1000℃となるまでの時間と、1000℃以上における各温度とを乗じたものを熱量(℃・hr)とすると、25000℃・hr以下とするのがよい。
また、本発明範囲内の試料No.3、6、10、16、17について、上記と同様にして作製したグリーンシートに対して、打抜き加工を施し、直径が200μmの貫通孔を形成した。そして、平均粒径が2.5μmのCu粉末を50体積%、平均粒径が1.5μmのW粉末を50体積%にアクリル系バインダとアセトンを溶媒として混合し、導体ペーストを調製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法によって上記のグリーンシートの貫通孔内に充填するとともに、配線パターン状に印刷塗布した。なお、配線パターンは、線幅150μmとなるように調製した。
そして、作製した各シート状成形体を位置合わせして積層圧着して積層体を作製した。
その後、この積層成形体を露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、1000℃から最高温度の1350℃までを表2に示す昇温速度で昇温し、焼成温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間保持した後、1000℃までを表2に示した速度で冷却してプローブカード用配線基板を作製した。
このプローブカード用配線基板の内部配線層を研磨により露出させて走査型電子顕微鏡にて観察したところ、剥離やクラックが生じていないことを確認した。
本発明のプローブカード用配線基板の一実施形態の概略断面図である。 本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
符号の説明
1:プローブカード用配線基板
11:絶縁基体
12:内部配線層
13:貫通導体
14:表面配線層
2:プローブカード
21:測定端子

Claims (2)

  1. X線回折の回折メインピーク強度からリートベルト解析により求めた比率でAlを97〜99質量%含むアルミナ質焼結体からなる絶縁基体と、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoのうちの少なくとも一方の高融点金属を主成分として含む内部配線層とを備えたプローブカード用配線基板において、
    前記アルミナ質焼結体は、MnとSiとをそれぞれMn換算およびSiO換算にて50:50〜54:46の質量比で含むとともに、前記Alの粒子間の粒界にMnAlおよびMnSiOを有しており、X線回折によるAlの回折メインピーク強度に対するMnAlの回折メインピーク強度の比が3%以上であり、Alの回折メインピーク強度に対するMnSiOの回折メインピーク強度の比が1%以上であることを特徴とするプローブカード用配線基板。
  2. 請求項1に記載のプローブカード用配線基板の一方の主面に、前記内部配線層と接続される表面配線層を備えているとともに、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子を備えていることを特徴とするプローブカード。
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