JP5675389B2 - プローブカード用配線基板およびプローブカード - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハの電気特性を測定するための微細な配線を備えたプローブカード用配線基板およびそれを用いたプローブカードに関する。
Siウェハ等の半導体ウェハに多数個同時に形成される大規模集積回路を有する半導体素子には、異物の付着などに起因する電気不良等によって、ほぼ一定の割合で電気的接続および電気特性の不良品が含まれている。上記半導体素子の不良品を検出するものとして、半導体ウェハの状態のまま同時に多数の半導体素子の電気特性を一括して検査することのできるプローブカードが知られている。
このプローブカードは、図2に示すように、ムライト質焼結体からなる絶縁基体111と、この絶縁基体111の主面および内部にタングステンまたはモリブデンあるいはこれらの合金からなる内部配線層112およびビア導体114と、絶縁基体111の表面に露出したビア導体114を覆うように形成された表面配線層113とを有するセラミック配線基板100と、この表面配線層113上に設けられた台座116に刺し込まれるかたちで形成されたプローブピン117とから構成されており、このプローブピン117を多数の半導体素子の端子にあてて、電圧をかけたときの出力を測定して期待値と比較することで、多数の半導体素子の良否を一括して判定するものである(例えば、特許文献1を参照)。ここで、表面配線層113は、通常、チタンや銅を供給源としてスパッタ法または蒸着法などの薄膜形成法により形成された金属膜で構成されている。
特開2010−98049号
しかしながら、ムライト質焼結体を絶縁基体111とするプローブカード用配線基板100の表面にチタンや銅の金属膜を形成すると、金属膜を形成する際の温度が約500℃にもなるため、絶縁基体111であるムライト質焼結体の熱膨張係数(3〜4ppm/℃)と、チタンや銅の金属膜との熱膨張係数(チタンの金属膜の熱膨張係数:9×10−6/℃、銅:17×10−6/℃)との差に起因して絶縁基体111の表面に表面配線層113を形成した直後から発生する熱応力のために、絶縁基体111に対する表面配線層113の接着強度が低くなるという問題があった。
また、プローブカードは、半導体ウェハの評価のための使用回数が増えた場合、プローブピン117の先端部が半導体ウェハの被検査端子との接触により磨耗し、接触不良を生じてくることがある。このような場合、プローブピン117を新しいものに取り替える必要があるが、プローブピン117を取り替える際に、熱や力を与えてプローブピン117を表面配線層113上に形成された台座116から引き抜こうとすると表面配線層113ごと剥がれることがある。
従って、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、最表層がムライト質焼結体からなる絶縁基体に対する接着強度の高い表面配線層を有するプローブカード用配線基板およびプローブカードを提供することを目的とする。
本発明のプローブカード用配線基板は、複数のセラミック絶縁層を積層してなり、少なくとも最表層のセラミック絶縁層がムライト質焼結体からなる絶縁基体と、少なくとも最表層のセラミック絶縁層の内部に設けられたビア導体と、該ビア導体と接続され、前記絶縁基体を平面視したときに、前記ビア導体よりも大きな面積を有し、前記絶縁基体の表面に設けられた金属膜からなる表面配線層とを具備してなるプローブカード用配線基板であって、前記ビア導体がモリブデンまたはタングステンの少なくとも1種の金属を主成分とし、前記最表層のセラミック絶縁層の前記ムライト質焼結体は前記ビア導体の周囲の第1の領域と該第1の領域以外の第2の領域とを有するとともに、前記第1の領域はムライトに対するアルミナの含有量が前記第2の領域よりも多いことを特徴とする。
また、本発明のプローブカード用配線基板は、前記ビア導体中にチタン酸マンガンを有していることが望ましい。
また、本発明のプローブカードは、上記のプローブカード用配線基板の表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するためのプローブピンが接続されてなることを特徴とする。
本発明によれば、最表層がムライト質焼結体からなる絶縁基体に対する接着強度の高い表面配線層を有するプローブカード用配線基板とそれを用いたプローブカードを得ることができる。
本発明のプローブカードの一実施形態の概略断面図である。 従来のプローブカードを示す概略断面図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のプローブカードの一実施形態の概略断面図である。本実施形態のプローブカードはプローブカード用配線基板1の表面に形成された表面配線層13上に台座16が設けられており、この台座16にプローブピン17が形成されている。
図1に示すプローブカードを構成するプローブカード用配線基板1は、セラミック焼結体からなる絶縁基体11と、絶縁基体11の内部に形成された内部配線層12と、絶縁基体11の表面に形成された表面配線層13とを備えており、その絶縁基体11の内部における内部配線層12同士または内部配線層12と表面配線層13とを電気的に接続するビアホール導体14(14a、14b)とを有している。
絶縁基体11は、複数のセラミック絶縁層11a、11b、11c、11dからなるもので、それぞれのセラミック絶縁層11a、11b、11c、11dはムライトを主成分とするセラミック焼結体により形成されている。以下、ムライトを主成分とするセラミック焼結体のことをムライト質焼結体と記す。
絶縁基体11を構成するセラミック絶縁層11a〜dがムライト質焼結体であると、絶縁基体11全体の熱膨張係数(室温〜300℃)を3.3〜4.3×10−6/℃の範囲にできる。その結果、熱負荷試験時において、プローブカード用配線基板1に設けられたプローブピン17とSiウエハの表面に形成された測定パッドとの間の位置ずれが小さくなり、電気特性の検査に好適に使用できるものとなる。
なお、本実施形態では、セラミック絶縁層11a、11b、11c、11dの全てをムライト質焼結体により形成した例を示したが、少なくとも最表層のセラミック絶縁層11a、11dがムライト質焼結体から構成されていれば良い。
また、本実施形態のプローブカード用セラミック配線基板1は、少なくとも最表層のセラミック絶縁層11a、11dの内部に設けられたビア導体14aと、このビア導体14aと接続され、絶縁基体11を平面視したときに、ビア導体14aよりも大きな面積を有し、最表層の絶縁基体11の表面に設けられた金属膜からなる表面配線層13とを備えている。
さらに、本実施形態のプローブカードを構成するプローブカード用配線基板1は、ビア導体14がモリブデンまたはタングステンの少なくとも1種の金属を主成分とするものである。
また、本実施形態のプローブカードを構成するプローブカード用配線基板1は、最表層のセラミック絶縁層11a、11dが、ビア導体14aの周囲の第1の領域11Aと第1の領域11A以外の第2の領域11Bとを有するとともに、第1の領域11Aはムライトに対するアルミナの含有量が第2の領域11Bよりも多いことを特徴とする。
すなわち、ムライトに対するアルミナの含有量が第1の領域11Aと第2の領域11Bとで同程度であるかまたは第2の領域11Bの方が多い場合には、表面配線層13のセラミック絶縁層11a、11dに対する接着強度が低いものとなり、また、表面配線層13上に形成された台座16からプローブピン17を引き抜く際に表面配線層13ごと剥がれることがある。
これに対し、本実施形態のプローブカードを構成するプローブカード用配線基板1は、図1に示すように、最表層のセラミック絶縁層11a、11dにおいて、ビア導体14aに隣接する第1の領域11Aがビア導体14aから遠い方の第2の領域11Bよりもアルミナを多く含んでいるために、ビア導体14a、第1の領域11Aおよび第2の領域11Bは、熱膨張係数がこの順に小さくなっている。
このように本実施形態のプローブカードを構成するプローブカード用配線基板1では、少なくとも最表層のセラミック絶縁層11a、11d内において、セラミック絶縁層11a、11bの大部分を占める第2の領域11Bとビア導体14との間に、これらの材料の中間の範囲にある熱膨張係数を有する焼結体が第1の領域11Aとして形成されるために、セラミック絶縁層11a、11dとビア導体14との間の熱膨張係数の差を緩和することができ、これにより応力を低減することができるために、ビア導体14aを覆いセラミック絶縁層11a、11d上に形成されている表面配線層13のセラミック絶縁層11a、11dに対する接着強度を高めることができる。
また、上記のようなムライト質焼結体を絶縁基体11とするプローブカード用配線基板1の場合には、プローブピン17を取り替える際に、プローブピン17が差し込まれて形成されている台座16の部分に熱や力を与えて表面配線層13上に形成された台座16からプローブピン17を引き抜くときに発生する表面配線層13の剥がれの不良率を低減することもできる。
第1の領域11Aの範囲t1は、ビア導体14の側面14cから22μm以上であることが望ましい。一方、絶縁基体11の熱膨張係数を小さくするという理由から第1の領域11Aの範囲t1は、ビア導体14aの側面から150μm以下が好ましい。
ここで、第1の領域11Aは絶縁基体11の断面における単位面積当たりのムライトに対するアルミナの面積割合が第2の領域11Bの1.5倍以上の領域とする。また、ビア
導体14aの周囲の一部に存在する第1の領域11Aおよび第2の領域11Bの存在は、
絶縁基体11の縦断面を研磨してその縦断面における最表層のセラミック絶縁層11a、11dに露出させたビア導体14a間を、X線マイクロアナライザーを付設した走査型電子顕微鏡を用いてカラーマッピングによる画像解析を行って確認する。このとき、カラーマッピングの画像をビア導体14の側面から約20μmの間隔で分割し、分割した各部分においてムライトに対するアルミナの面積割合を求め、第2の領域11Bのムライトに対するアルミナの含有量の1.5倍以上となっている領域を第1の領域11Aとしてその幅(距離)を求める。また、第1の領域11Aにおけるムライトに対するアルミナの含有量は第1の領域11Aと判定した各部分におけるムライトに対するアルミナの面積割合の平均値とする。なお、第2の領域11Bはビア導体14から1000μm以上離れた領域におけるアルミナの面積割合とする。
また、本実施形態のプローブカード用配線基板は、ビア導体14中にチタン酸マンガンを有していることが望ましい。これによりビア導体14を覆うように形成された表面配線層13の絶縁基体11に対する接着強度をさらに高めることができるとともに、表面配線層13の剥がれの不良率をさらに低減することができる。これはビア導体14中にチタン酸マンガンが金属と焼結して存在することにより、表面配線層13を形成する際の化学処理においてもビア導体14が化学薬品に浸食されにくくなり、これによりビア導体14自体の強度を保持できるとともに、ビア導体14の表面と、このビア導体の表面側に後に形成する表面配線層13との接着性を高めることができるためである。なお、ビア導体14中に含まれるチタン酸マンガンの確認も、上記第1の領域11Aの場合と同様、X線マイ
クロアナライザーを用いて行う。この場合、X線マイクロアナライザーにより検出した結
晶のうちマンガン(Mn)およびチタン(Ti)を同モル程度含む結晶相をチタン酸マンガンとする。
また、本実施形態のプローブカード用配線基板は、絶縁基体11を構成するムライト質焼結体が焼結助剤としてマンガン(Mn)およびチタン(Ti)を含有していることが望ましく、これにより1380℃〜1420℃での低温でムライトを焼結させることが可能になる。このとき、MnおよびTiは、焼結後に粒界相に存在する残留ガラス相の中に存在してもよいが、プローブカード用配線基板の耐薬品性ならびに基板強度向上の観点からMnTiOとして存在することが好ましい。例えば、粒界にMnTiOが析出したムライト質焼結体では、水酸化カリウム水溶液に対してムライト質焼結体中に存在するガラス相の溶出を抑えられる。なお、ムライト質焼結体中に含まれるMnTiOは、X線回折によって結晶相を同定する方法によって確認する。
本実施形態のプローブカード用配線基板を構成する内部配線層12は、銅が40〜60体積%、Mo、Wのうちの少なくとも1種が40〜60体積%となる組成を有する複合導体で構成されていることが望ましい。
ムライト質焼結体と同時焼成可能な内部配線層12の形成材料として、高融点金属であるタングステン(W)が挙げられるが、タングステン(W)からなる内部配線層12は電気抵抗値が高い。一方、銅(Cu)などの低抵抗金属はムライトを主成分とするセラミック焼結体の焼成温度よりもかなり融点が低いため、低抵抗金属である銅のみをムライトを主成分とするセラミック焼結体と同時焼成することはできない。そこで、内部配線層12を銅およびタングステンの複合導体とすることで、銅単体に比べると電気抵抗値は多少上がってしまうものの、後述する1380℃〜1420℃の焼成温度でムライトを主成分とするセラミック焼結体との同時焼成が可能となる。
ただし、同時焼成可能といえども、銅の融点を超える温度での焼成となるため、銅の溶融を抑制して内部配線層12の形状を保つことが必要となる。そこで、内部配線層12の低抵抗化と保形性をともに達成するうえで、低融点金属を40〜60体積%、高融点金属を40〜60体積%の割合にすることが望ましい。
次に、上記のプローブカード用配線基板の製造方法について説明する。
まず、絶縁基体11を形成するために、ムライト(3Al・2SiO)粉末として、純度が99%以上、平均粒径が0.5〜2.5μmのものを用いる。ムライト粉末の平均粒径を0.5μm以上とすることでシート成形性を良好なものとし、2.5μm以下とすることで1420℃以下の温度での焼成によっても緻密化を促進させることが可能となる。
次に、ムライト粉末100質量%に対して、Al粉末を0〜50質量%、Mn粉末を1〜10質量%、MgO粉末を1〜5質量%、TiO粉末を1〜10質量%添加して混合粉末を調製する。この場合、添加剤として用いるAl粉末は平均粒径が0.5〜1.5μm、Mn粉末は平均粒径が0.5〜3μm、MgO粉末は平均粒径が0.5〜3μm、TiO粉末は平均粒径が0.5〜3μmであるものを用いるのがよい。なお、Al粉末、Mn粉末、MgO粉末、TiO粉末の純度はともに99質量%以上であるものがよい。これにより、シート成形性を良好なものとし、Mn、MgおよびTiの拡散を向上させ、1380℃〜1420℃の温度での焼結性を高めることができるとともに、ムライトから遊離してくるAlおよびSiOと、添加剤であるMnおよびMgOから形成されるMnAlSi12およびMg
AlSi18の結晶化を高めることができる。
さらに、ムライト質焼結体の緻密化と内部配線層12を形成する複合金属との同時焼結性を高めるという理由から、ムライト粉末100質量%に対して、Ca、Sr、BおよびCrの群から選ばれる1種以上の酸化物粉末(CaO粉末、SrO粉末、B粉末、Cr粉末)または焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩からなる粉末を、本実施形態のプローブカード用配線基板の熱膨張係数を変化させず、また耐薬品性を劣化させない程度の割合で添加してもよい。
次に、この混合粉末に対して有機バインダ、溶媒を添加してスラリーを調整した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの成形方法によってグリーンシートを作製する。あるいは、混合粉末に有機バインダを添加し、プレス成形、圧延成形等の方法により所定の厚みのグリーンシートを作製する。なお、グリーンシートの厚みはたとえば50〜300μmとすることができるが、特に限定されない。
そして、適宜、このグリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径50〜250μmの貫通孔を形成する。
次に、グリーンシートの貫通孔内にスクリーン印刷法により導体ペーストを充填する。貫通孔に充填する導体ペーストはタングステン(W)またはモリブデン(Mo)の少なくとも1種の金属を主成分とし、これに少なくともAl粉末を添加したものを用いる。
ビア導体14用の導体ペーストにAl粉末を添加することで焼成過程において導体ペースト中のアルミナがビア導体14に接している絶縁基体11中に拡散し、アルミナが拡散した部分(第1の領域11A)のムライト質焼結体がアルミナを多く含むようになり、これによってビア導体14に接している部分(第1の領域11A)のムライト質焼結
体の熱膨張係数を大きくすることができる。この現象はAl粉末より融点の低いビア導体14の金属成分が焼成中に先に収縮することでAl粉末がビア導体14側からそれに接しているセラミック絶縁層11a〜d側に押し出されるためである。なお、このAl粉末はセラミック絶縁層11a〜d側に押し出された後、前述のムライト質焼結体を形成するための焼結助剤成分により焼結するが、あらかじめ導体ペースト内に焼結助剤成分をAl粉末とともに含有させておくことで、ビア導体14の直近の焼結性をさらに向上させることができる。焼結助剤成分としては、Mn、Ti、Mg、Si等から用いられるが、焼結性をより効果的に向上させ、基板強度劣化の抑制、耐薬品性劣化の抑制の観点からがMnおよびTiが特に好ましく用いられる。このとき、Mn、Ti、Mg、Siの成分はMn、TiO、MgO、SiOの酸化物として添加することが好ましく、それぞれの最適な添加範囲はいずれもAl100質量%に対して1〜5質量%である。これらの粉末を複合導体粉末と混合してビア導体14用の導体ペーストを調整し、スクリーン印刷などの方法により印刷塗布して生の状態のビア導体を形成する。
次に、生のビア導体が形成されたグリーンシートに対して、Cu粉末とW粉末とを、例えば、Cuが40〜60体積%、Wが40〜60体積%となるように調製した導体ペーストを各グリーンシートの表面にスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により印刷塗布して配線パターンを形成する。なお、この導体ペースト中には、絶縁基体11との密着性を高めるために、上記の金属粉末以外にアルミナ粉末あるいは絶縁基体11と同一組成物の混合粉末を添加してもよい。
次に、生のビア導体および配線パターンの形成されたグリーンシートを複数枚積層して積層体を形成した後、この積層体を非酸化性雰囲気(窒素雰囲気あるいは窒素と水素との混合雰囲気)中で焼成する。
ここで、焼成条件は、最高温度を1380℃〜1420℃とし、保持時間を1〜3時間とするのがよい。焼成中の最高温度を1380℃〜1420℃とし、保持時間を1〜3時間とすることにより、生のビア導体から絶縁基体11側へ拡散するアルミナのほとんどをビア導体14の周囲のセラミック絶縁層11a〜dの所定の範囲の領域に止めておくことができ、これによりビア導体14の周囲に、セラミック絶縁層11a〜dのメインの層である第2の領域11Bよりもアルミナを多く含む部分として第1の領域11Aを形成することができる。また、焼成時の雰囲気は、内部配線層12中のCuの拡散を抑制するという理由から、水素および窒素を含むものがよい。
次に、作製したプローブカード用配線基板の素体の表面を研磨し、ランドパターンを取り除いた後、スパッタ法を用いて、プローブカード用配線基板の表面の全面に、例えば、厚みが約2μmのチタンおよび銅の導電性薄膜を順に形成し、次いで、フォトリソグラフィーにより上記導電性薄膜をパターン加工することにより本実施形態のプローブカード用配線基板を得ることができる。
次に、表面配線層13の最上層にある銅の表面にニッケルおよび金の電解めっき膜を順に形成して台座16を形成した後、この台座16にSi製のプローブピン17を接合してプローブカードを作製する。
以上述べた方法により作製されたプローブカード用配線基板は、表面配線層13に覆われたビア導体14の周囲の少なくとも一部に存在する第1の領域11Aと第1の領域11A以外の第2の領域11Bとを有し、第1の領域11Aは、ムライトに対するアルミナの含有量が第2の領域11Bよりも多いことから、絶縁基体11に対して表面配線層13の接着強度の強いものとなる。
純度が99%で平均粒子径が2.0μmのムライト粉末100質量%に対して、純度が99%で平均粒子径が1.5μmのMn粉末を4質量%、純度が99%で平均粒子径が2.0μmのTiO粉末を2質量%の割合で混合した後、さらに成形用有機樹脂(有機バインダー)としてアクリル系バインダーと、有機溶媒としてトルエンとを混合してセラミックスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて厚さ200μmのシート状に成形し、グリーンシートを作製した。
得られたグリーンシートに対して、打抜き加工を施し、直径が200μmの貫通孔を形成した。そして、表1に示した組成を有するビア導体用の導体ペーストを調製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法によって上記のグリーンシートの貫通孔内に充填した。ビア導体用の導体ペーストに用いたMo粉末は純度が99.9質量%、平均粒子径1.2μmであり、Al粉末は純度が99.9%、平均粒子径が1.8μm、Mn粉末およびTiO粉末はグリーンシートに用いたものと同じ粉末を用いた。ビア導体用の導体ペーストに用いたMo粉末、Al粉末、Mn粉末およびTiO粉末の組成は、調合量(質量)を各粉末の化合物の理論密度(Mo:10.28g/cm、Al:3.99g/cm、Mn:4.81g/cm、TiO:4.93g/cm)で除して体積%に換算した。
また、最上層となるグリーンシートの表面および最下層となるグリーンシートの裏面に、上記のMoを主成分とする導体ペーストを用いて表面の配線層となるランドパターンをスクリーン印刷法により形成した。
また、生のビア導体が形成されたグリーンシートに対して、平均粒径が2μmのCu粉末と平均粒径が2μmのW粉末とをCuが45体積%、Wが55体積%となるように調製した導体ペーストを各グリーンシートの表面に印刷して内部配線パターンを形成し、生のビア導体および内部配線パターンが形成されたグリーンシートを作製した。こうして作製した各グリーンシートを位置合わせして積層圧着して積層体を作製した。
次に、この積層体を室温から600℃の温度において、露点を+25℃とした窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、同雰囲気中、最高温度を1380℃として焼成してプローブカード用配線基板を作製した。基板サイズは340mm×340mm、厚みが5mmであった。
次に、作製したプローブカード用配線基板の表面を研磨し、ランドパターンを取り除いた後、スパッタ法を用いて、プローブカード用セラミック配線基板の表面の全面に厚みが約2μmのチタンおよび銅の導電性薄膜を順に形成した。
次に、フォトリソグラフィーによりチタンおよび銅の導電性薄膜をパターン加工して表面配線層を形成し、プローブカード用配線基板を作製した。表面配線層の1個のパターン面積は1mm×1mmとした。
次に、作製したプローブカード用配線基板について、絶縁基体に対する表面配線層の接着強度を測定した。測定用のサンプルは、プローブカード用配線基板の表面の表面配線層にニッケルめっき膜を形成して台座を形成した後、この台座に銀ロウにより直径1mmのNi製の針金を接合して作製し、このNi製の針金を引っ張ることによって接着強度を評価した。このとき引張試験にはオートグラフを用いた。試料数は10個とし、平均値を求めた。
次に、引張試験に用いたプローブカード用配線基板を用いて、Ni製の針金を取り替えるテスト(リペア試験)を行った。リペア試験は台座とNi製の針金とを接合している銀ロウをはんだ小手を用いてスポット的に加熱して台座からNi製の針金を引き抜く作業を行い、このときの表面配線層の剥がれの状態および絶縁基体の破壊状態について目視にて確認した。リペア試験はプローブピン数100個について評価し、表面配線層の剥がれおよび表面配線層が形成された磁器部分が破壊された割合を求めた。
ビア導体の周囲の一部に存在する第1の領域および第2の領域の存在およびそれらの範囲の測定は、作製したプローブカード用配線基板の断面を研磨してその縦断面における最表層のセラミック絶縁層にビア導体を露出させた試料を用意し、その試料のビア導体の近傍をX線マイクロアナライザーを付設した走査型電子顕微鏡を用いてカラーマッピングを行い、得られた画像を解析することにより行った。この場合、第1の領域は絶縁基体の最表層のセラミック絶縁層の断面における単位面積当たりのアルミナの面積割合が第2の領域の1.5倍以上の領域とした。これはカラーマッピングの画像をビア導体の側面から約20μmの間隔で分割し、分割した各部分においてムライトに対するアルミナの面積割合を求め、第1の領域の平均値がアルミナ量の少ない第2の領域の1.5倍以上となっている領域を第1の領域としてその幅(距離)を求めた。第2の領域はビア導体から1000μm以上離れた領域を100μm×100μmの面積を3箇所測定した平均値から求めた。なお、第1の領域と第2の領域との境界は単位面積当たりのムライトに対するアルミナの面積割合が第2の領域の1.5倍以上となっている領域間とした。
次に、Niめっき製の台座が形成されたプローブカード用配線基板の台座に、直径が0.3mmのNi製のプローブピンを接合してプローブカードを作製した。
次に、ステージ上に載置したSiウェハの上面にプローブカードの測定端子であるプローブピンを接触させて90℃の温度に加熱した状態に保持し、プローブカードの側面から実体顕微鏡を用いて、プローブピンとSiウェハの表面に形成された測定パッドとの位置ずれを観察した。この場合、プローブカードおよびSiウェハの最外周に形成した測定端子(プローブピン)と測定パッドを観察したときに、測定端子(プローブピン)の先端が測定パッド上から横に位置ずれしている状態を位置ずれ有りとした。作製した試料については位置ずれの見られたものは無かった。
また、ビア導体中に含まれるMo、Al、MnおよびTiの含有量およびチタン酸マンガンの存在の有無は、前述の第1の領域および第2の領域の分析に用いた試料をX線マイクロアナライザーを付設した走査型電子顕微鏡を用いて各成分の定量分析を行って求めた。このとき分析より得られた値(質量)を、各化合物の理論密度で除して体積%に換算した。また、チタン酸マンガンについてはX線マイクロアナライザーにより検出した結晶の
うちMnおよびTiを同モル程度含む結晶相をチタン酸マンガンとした。
また、内部配線層のCuおよびWの組成は、まず、プローブカード用配線基板から内部配線層が形成された部位を切り出し、これを酸に溶解させた溶液をICP分析を用いて導体材料であるCuおよびWの含有量を質量で求めた。次に、質量として求めたCuおよびWの量をそれぞれの密度(銅:8.9g/cm、タングステン:19.1g/cm)で除して各々の体積を求め、次いで、CuおよびWの合計の体積を100%としたときのCuおよびWの割合を求めた。なお、作製したプローブカード用配線基板に形成された内部配線層はCuが45体積%、Wが55体積%であることを確認した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005675389
表1の結果から明らかなように、本発明の試料(No.2〜9)では、プローブカード用配線基板の表面配線層の接合強度が24MPa以上であった。また、リペア試験(1回)においても表面配線層の剥がれが無く、表面配線層の付近の絶縁基体の破壊も無かった。
特に、ビア導体を断面視したときの中央部分にチタン酸マンガンを有していることが確認された試料(試料No.3〜9)では、プローブカード用配線基板の表面配線層の接合強度が27MPa以上であり、リペア試験(3回)においても表面配線層の剥がれの割合が3.0%以下であり、また、表面配線層の付近の絶縁基体の破壊も1.1%以下であり、表面配線層が強固に形成されたプローブカード用配線基板となっていることが確認された。
これに対して、本発明の範囲外の試料(試料No.1、10)は、プローブカード用配線基板の表面配線層の接合強度が17MPaであり、リペア試験(1回)において表面配線層の剥がれが3.0%であり、表面配線層の付近の絶縁基体の破壊も1.0%であった。
1、100 :プローブカード用配線基板
11、111:絶縁基体
12、112:内部配線層
13、113:表面配線層
14、14a、14b、114:ビアホール導体
16、116:台座
17、117:プローブピン

Claims (3)

  1. 複数のセラミック絶縁層を積層してなり、少なくとも最表層のセラミック絶縁層がムライト質焼結体からなる絶縁基体と、少なくとも最表層のセラミック絶縁層の内部に設けられたビア導体と、該ビア導体と接続され、前記絶縁基体を平面視したときに、前記ビア導体よりも大きな面積を有し、前記絶縁基体の表面に設けられた金属膜からなる表面配線層とを具備してなるプローブカード用配線基板であって、
    前記ビア導体がモリブデンまたはタングステンの少なくとも1種の金属を主成分とし、前記最表層のセラミック絶縁層の前記ムライト質焼結体は前記ビア導体の周囲の第1の領域と該第1の領域以外の第2の領域とを有するとともに、前記第1の領域はムライトに対するアルミナの含有量が前記第2の領域よりも多いことを特徴とするプローブカード用配線基板。
  2. 前記ビア導体中にチタン酸マンガンを有していることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード用配線基板。
  3. 請求項1または2に記載のプローブカード用配線基板の表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するためのプローブピンが接続されてなることを特徴とするプローブカード。
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