JP5144336B2 - プローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカード - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハの電気特性を測定するための微細な配線を備えたプローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカードに関するものである。
Siウェハ等の半導体ウェハに多数個同時に形成される、大規模集積回路を有する半導体素子には、異物の付着などに起因する電気不良等によって、ほぼ一定の割合で電気的接続および電気特性の不良品が含まれている。
上記半導体素子の不良品を検出するものとして、半導体ウェハの状態のまま同時に多数の半導体素子の電気特性を一括して検査することができるプローブカードが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
このプローブカードは、主としてアルミナ質焼結体からなる絶縁基体の表面および内部に微細な配線が形成されてなる配線基板と、この配線基板の表面に精度よく配置された複数のプローブピンと呼ばれる探針(測定端子)とを含んでいて、このプローブピンを多数の半導体素子の端子に当てて、電圧をかけたときの出力を測定して期待値と比較することで、多数の半導体素子の良否を一括して判定するものである。
近年、半導体素子に形成された集積回路の配線微細化に伴って、プローブカードの単位面積当たりのプローブピン数を多くすることが求められ、またプローブカードの配線基板に形成される配線もより微細化することが求められている。
ところが、配線の微細化、すなわち線幅を狭くすることにより、配線抵抗が増大して電気信号の遅延を招いたり、集積回路の動作状態について正しく判断できず、検査ミスにつながるという問題があった。
そこで、配線としてCu、Ag、Auなどの低抵抗金属を用いることが考えられるが、これらの低抵抗金属は融点が低いため、アルミナ質焼結体との同時焼成ができない。
これに対し、アルミナ質焼結体からなる絶縁基体の表面および内部にCu、Ag、Auなどの低抵抗金属とMo、Wなどの高融点金属との複合導体からなる配線が形成された配線基板(アルミナ基板)が提案されている(特許文献2を参照。)。
特許文献2によれば、MnおよびSiを焼結助剤として含有させることにより、従来のアルミナ質焼結体に対して200℃以上低い1500℃以下の温度で焼成することができ、上記低抵抗金属および高融点金属の複合導体とアルミナ質焼結体との同時焼成を可能としている。
特開平11−160356号公報 特開2003−163425号公報
しかしながら、特許文献2に記載の配線基板をプローブカード用配線基板に適用しようとすると、絶縁基体の表面に形成された配線とプローブピンとの間に隙間が生じて導通不良を起こしたり、絶縁基体の内部に水分が浸入して絶縁不良を起こしてしまうという問題があった。
すなわち、プローブカードの製造において、プローブカード用配線基板上にSi等の材質を用いてプローブピンを形成する際に、エッチングのためにアルカリ水溶液に浸漬(例えば、40wt%KOH水溶液に2時間浸漬)するため、プローブカード用配線基板には耐薬品性が要求されるが、低温で焼成している特許文献2に記載のアルミナ質焼結体はプローブカードの製造に用いられる上記アルカリ水溶液への浸漬に十分に耐えうるほどの耐薬品性を備えるものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低抵抗金属と高融点金属とを含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板およびこれを用いたプローブカードを提供することを目的とする。
本発明は、Alを主結晶とするアルミナ質焼結体からなる絶縁基体と、該絶縁基体の内部に形成されたCu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層とを備えたプローブカード用配線基板であって、前記アルミナ質焼結体が前記主結晶であるAl を90〜95質量%含み、粒界に結晶としてMnAlSi18を含みMnSiOを実質的に含んでいないことを特徴とするものである。
ここで、前記アルミナ質焼結体X線回折におけるAlのメインピーク強度(Ia)に対するMAlSi18のメインピーク強度(Im)の比(Im/Ia)
が0.0007以上であることが好ましい。
また本発明は、前記プローブカード用配線基板の一方の表面に表面配線層が形成され、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子が接続されてなることを特徴とするプローブカードである。
本発明によれば、アルミナ質焼結体における主結晶(Al)の粒界に、耐薬品性の弱い結晶であるMnSiOを実質的に含まず、耐薬品性が強いことで知られるコージェライト(MgAlSi18)と同じ結晶構造を持つMnAlSi18を含むことで、薬品(アルカリ水溶液)に対する優れた耐薬品性を備えたプローブカード用配線基板を実現することができる。
特に、アルミナ質焼結体がAlを90〜95質量%含み、X線回折におけるAlのメインピーク強度(Ia)に対する前記MnAlSi18のメインピーク強度(Im)の比(Im/Ia)が0.0007以上であることで、耐薬品性を備えたうえで、表面の染みをなくすことができる。
また、本発明のプローブカードによれば、低抵抗金属と高融点金属とを含む内部配線層を有する耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板を具備しているので、半導体素子の電気特性を測定して検査する際の検査ミスを抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明のプローブカード用配線基板の一実施形態の概略断面図であり、図2は本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
図1に示すプローブカード用配線基板1は、Alを主結晶とするアルミナ質焼結体からなる絶縁基体11と、絶縁基体11の内部に形成された低抵抗金属および高融点金属の複合導体からなる内部配線層12とを備えている。また、絶縁基体11の表面に表面配線層13を備えているとともに、絶縁基体11の内部に内部配線層12同士または内部配線層12と表面配線層13とを電気的に接続する貫通導体14を備えている。
絶縁基体11は複数の絶縁層11a、11b、11c、11dからなるもので、それぞれの絶縁層11a、11b、11c、11dはAlを主結晶とするアルミナ質焼結体で形成されている。アルミナ質焼結体における主結晶であるAlは、粒状または柱状の結晶として存在している。
ここで、絶縁基体11が主結晶であるAlを90〜95質量%含むアルミナ質焼結体からなることで、ある程度の耐薬品性は得られている。しかしながら、プローブカード用配線基板1として用いるためには、さらなる耐薬品性が求められる。
そこで、本発明においては、アルミナ質焼結体における主結晶の粒界にMnAlSi18を含みMnSiOを実質的に含んでいないことが重要である。
ガラス(非晶質部)は酸性溶液やアルカリ性溶液等の薬品への浸漬によりその構造を破壊されやすいものであるから、アルミナ質焼結体の耐薬品性を上げるためには、主結晶であるAlの粒界に結晶が存在していることが好ましい。しかし、粒界に存在している結晶がMnSiOであると耐薬品性が十分ではない。これは、MnSiOが酸性溶液やアルカリ性溶液等の薬品への浸漬によりその構造を破壊されやすいからではないかと考えられる。したがって、アルミナ質焼結体の主結晶であるAlの粒界にMnSiOを実質的に含んでいないことが重要である。なお、実質的に含んでいないとはX線回折においてその結晶に由来するピークが認められない程度の量であることを意味する。
また、粒界に結晶としてMnAlSi18があることで、耐薬品性は向上する。このMnAlSi18は、耐薬品性が強いことで知られるコージェライト(MgAlSi18)と同じ結晶構造を持つものである。したがって、粒界にMnAlSi18を含み、MnSiOを実質的に含んでいないことで、薬品(アルカリ水溶液)への浸漬に耐えうるアルミナ質焼結体とすることができる。
ここで、アルミナ質焼結体は、Alを90〜95質量%含み、X線回折におけるAlのメインピーク強度(Ia)に対するMnAlSi18のメインピーク強度(Im)の比(Im/Ia)が0.0007以上であるのが好ましい。
Alの比率が90〜95質量%の範囲で、X線回折におけるAlのメインピーク強度(Ia)に対するMnAlSi18のメインピーク強度(Im)の比(Im/Ia)が0.0007以上となるように制御することで、粒界にMnAlSi12が析出するのを抑制することができる。
アルミナ質焼結体における主結晶の粒界にMnAlSi12が含まれていても耐薬品性の低下はほとんど見られないが、MnAlSi12が含まれていると、アルミナ質焼結体で形成される絶縁基体11の表面に斑模様の染みが表れてしまうおそれがある。したがって、アルミナ質焼結体における粒界に実質的にMnAlSi12を含んでいないようにするために、アルミナ質焼結体がAlを90〜95質量%含み、X線回折におけるAlのメインピーク強度(Ia)に対するMnAlSi18のメインピーク強度(Im)の比(Im/Ia)が0.0007以上であるのが好ましい。
なお、Alのメインピーク強度(Ia)とは(110)面の回折ピーク強度をいい、MnAlSi18のメインピーク強度(Im)とは(154)面の回折ピーク強度をいう。
絶縁基体11の内部には、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層12が形成されている。
アルミナ質焼結体と同時焼成可能な配線材料として、W、Moなどの高融点金属が挙げられるが、このような高融点金属からなる配線は抵抗値が高い。一方、低抵抗金属としてのCu、Au、Agは融点が低いため、これら単体ではアルミナ質焼結体と同時焼成することはできない。そこで、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくともいずれか一方の高融点金属とを含む配線とすることで、低抵抗金属の単体に比べると抵抗値は多少あがってしまうものの、後述する1350℃〜1400℃の焼成温度で、アルミナ質焼結体との同時焼成が可能となる。ただし、同時焼成可能といえども、低抵抗金属の融点を超える温度での焼成となるため、低抵抗金属の溶融を抑制して配線の形態を保つことが必要となる。そこで、配線の低抵抗化と保形性をともに達成するうえで、低抵抗金属が10〜70体積%、特に40〜60体積%、高融点金属が30〜90体積%、特に40〜60体積%の割合からなることが望ましい。また、高融点金属は平均粒径が1〜10μmの粒子として、低抵抗金属からなるマトリックス中に分散していることが望ましい。
なお、表面配線層13は、高融点金属および低抵抗金属の含有割合が内部配線層12と同じであっても異なっていてもよく、高融点金属のみで形成されていてもよい。
このようなプローブカード用配線基板1は、エッチング液(アルカリ水溶液)に浸漬させたときのアルミナ質焼結体のアルカリ水溶液中への溶出を著しく抑制でき、耐薬品性に優れたものである。
上記のプローブカード用配線基板1は、例えば図2に示すようなプローブカードとして用いることができる。
図2に示すプローブカード2は、プローブカード用配線基板1の一方の表面に表面配線層(図示せず)が形成され、この表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子21が接続されたものである。プローブカード用配線基板1の他方の表面に接続端子(図示せず)が形成され、この接続端子が半田3を介して外部回路基板4に接合され、外部回路基板4の電気回路(図示せず)と電気的に接続されている。また、外部回路基板4は、テスタ5と電気的に接続されている。
そして、ステージ6の上に載置された半導体ウェハ7の上面にプローブカード2の測定端子21を接触させて半導体ウェハ7に多数個同時に形成される半導体素子の電気特性を測定するようになっている。
なお、プローブカード2および外部回路基板4は、昇降装置8によって上下に駆動させることができ、プローブカード2の測定端子21を半導体ウェハ7の上面に接触させたり離したりすることができる。
次に、本発明のプローブカード用配線基板の製造方法について説明する。
まず、絶縁基体11を形成するために、アルミナ原料粉末として、平均粒径が0.5〜2.5μm、特に1.0〜2.0μmの粉末を用いる。これは、平均粒径を0.5μm以上とすることでシート成形性を良好なものとし、2.5μm以下とすることで1350℃〜1400℃の温度での焼成によっても緻密化を促進させるためである。
そして、アルミナ原料粉末に対して焼結助剤としてMn粉末およびSiO粉末を添加する。具体的には、アルミナ原料粉末が90〜95質量%、純度99%以上、平均粒径0.7〜1.7μmのMn粉末が2〜5質量%、純度99%以上、平均粒径1〜3μmのSiO粉末が2〜5質量%となるように、混合する。
Mn粉末が2質量%よりも少ないと1350℃〜1400℃での緻密化が達成されず、Mn粉末が5質量%よりも多いと染みの原因となる結晶であるMnAlSi12が多く析出してしまい、MnAlSi18の析出を妨げてしまう。このMn粉末の最適な量は3〜4質量%である。また、SiO粉末が2質量%よりも少ないと、焼結性に寄与する液相およびSi化合物が生成されず、これに伴い焼結体が緻密化されず、SiO粉末が5質量%よりも多いと、Mn粉末の場合と同様に、染みの原因となる結晶であるMnAlSi12が多く析出してしまい、MnAlSi18の析出を妨げてしまうこととなる。なお、緻密化とはアルミナ質焼結体の相対密度が95%以上となることを意味する。
このように、アルミナ原料粉末90〜95質量%、Mn粉末2〜5質量%およびSiO粉末2〜5質量%を混合することで、1350℃〜1400℃で焼結させることができる。これにより、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層を備えることができる。高融点金属を単体で用いるときに比して低抵抗なものとなり、配線層を細く形成したとしても抵抗増大による電気信号の遅延を最小限にすることが可能となる。
ここで、MnおよびSiは、上記の酸化物粉末以外に焼成によって酸化物を形成しうる炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等として添加しても良い。この場合においても、アルミナ原料粉末90〜95質量%に対して、MnがMn換算で2.5〜5質量%、SiがSiO換算で2.5〜5質量%となるように混合し、好ましくは3〜4質量部の割合でそれぞれ混合することが、より焼結性および耐薬品性を向上させる点で望ましい。
さらに、アルミナ原料粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計を100質量部として、これにMg、Ca、Sr、B、Nb、CrおよびCoの群から選ばれる1種以上を酸化物換算で合計0.1〜4質量部、好ましくは0.2〜2.5質量部の割合で添加してもよい。これにより、配線を形成する複合導体との同時焼結性を高めることができる。
またさらに、アルミナ質焼結体を黒色化するための着色成分としてW、Moなどの金属をアルミナ原料粉末、Mn粉末およびSiO粉末の合計100質量部に対して2質量部以下の割合で添加してもよい。ここで、耐薬品性を向上させることで、この黒色化成分が流出して白色化し認知性が低下してしまうという効果も得られる。
そして、この混合粉末に対して有機バインダ、溶媒を添加してスラリーを調整した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの成形方法によってグリーンシートを作製する。あるいは、混合粉末に有機バインダを添加し、プレス成形、圧延成形等の方法により所定の厚みのグリーンシートを作製する。なお、グリーンシートの厚みはたとえば50〜300μmとすることができるが、特に限定されない。
そして、適宜、このグリーンシートに対して、マイクロドリル、レーザー等により直径50〜250μmの貫通孔を形成する。
このようにして作製されたグリーンシートに対して、Cu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属粉末と、W、Moのうちの少なくとも1種の高融点金属粉末とを前述した比率(低抵抗金属が10〜70体積%、高融点金属が30〜90体積%)で混合して導体ペーストを調製し、この導体ペーストを各グリーンシートの貫通孔内に充填し、またスクリーン印刷、グラビア印刷などの方法により配線パターン状に印刷塗布する。
なお、この導体ペースト中には、絶縁基体11との密着性を高めるために、上記の金属粉末以外にアルミナ粉末あるいは絶縁基体11と同一組成物の混合粉末を添加してもよく、さらにはNi等の活性金属あるいはそれらの酸化物を導体ペースト全体に対して0.05〜2体積%の割合となるように添加してもよい。
その後、導体ペーストを印刷塗布したグリーンシートを位置合わせして積層圧着した後、この積層体を非酸化性雰囲気中で焼成する。
ここで、この焼成中の最高温度を1350℃〜1400℃とするのが重要である。最高温度が1350℃より低い場合には、後述のように最高温度での保持時間を長くしたり昇温速度を遅くしたりしてかける熱量を多くしてもAl結晶の粒成長は進まない状態で緻密化が終了してしまう傾向があり、最高温度が1400℃を超える場合には、配線層の流れや細りが生じるのに加え、Al結晶及び粒界相の結晶化の進行により、ボイドの増大が起こるため、耐薬品性が低下する。
そして、1000℃から焼成最高温度に到達するまでの昇温速度を40℃/hr〜25℃/hrの範囲内で調整することが重要である。MnSiOは焼成最高温度より低い温度(1200℃付近)で結晶化し析出しやすい結晶であるため、昇温速度を40℃よりも速くすると、MnSiOが析出して最終的に粒界にMnSiOが残ってしまう。一方、1200℃以上の温度で長く保持することで、MnSiOの析出を抑えることができるが、25℃/hrより遅い昇温速度では、焼成にかかる時間が著しく増大し、生産性が低下してしまう。したがって、1000℃から焼成最高温度に到達するまでの昇温速度を40℃/hr〜25℃/hrの範囲内で調整することが重要である。
さらに、焼成最高温度から1000℃までの降温速度を100℃/hr〜150℃/hrの範囲内で調整することが望ましい。MnAlSi18は十分な熱量をかけることにより析出される結晶であるため、昇温速度は上記の条件であることが必要である。しかし、焼成最高温度より1000℃までの降温速度が100℃/hr未満であると、MnAlSi18の析出量が減少し、MnAlSi12が析出するようになる。また、150℃/hrより速い降温速度においては、導体ペーストとグリーンシートとの熱膨張差に起因したクラックが発生しやすくなる。
以上述べた方法により作製されたプローブカード用配線基板は、低抵抗金属を含む内部配線層を具備しつつ、耐薬品性に優れたものとなる。プローブカードは、半導体ウェハに接触させてテストするためのピン(測定端子21)がSi等により形成されているが、このピン形成工程において、エッチングのために40%の高濃度に調整されたKOH水溶液に2時間の長時間にわたって浸漬されたとしても、KOH水溶液中にプローブカード用配線基板1の絶縁基体11中の成分が溶出することによる質量減少を0〜0.5質量%に抑制することができる。
純度が99%で平均粒子径1.8μmのAl粉末に対して、純度が99%で平均粒子径が4.5μmのMn粉末、純度が99%で平均粒子径が1.0μmのSiO粉末を表1に示すような割合で混合するとともに、純度が99.9%で平均粒子径が1.2μmのW粉末、純度が99.9%で平均粒子径が1.2μmのMo粉末、純度が99.9%で平均粒子径0.7μmのMgCO粉末、純度が99%で平均粒子径が1.3μmのCaCO粉末、純度が99%で平均粒子径1.0μmのSrCO粉末、純度が99%で平均粒子径が1.0μmのBaO粉末、純度が90%で平均粒子径が1.2μmのCr粉末および純度が90%で平均粒子径が0.5μmのCo粉末を表1に示すような割合で添加(外添)した後、成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダと、トルエンを溶媒として混合してスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて厚さ200μmのシート状に成形し、グリーンシートを得た。
Figure 0005144336
上記で得られたグリーンシートを所定厚みに積層し、露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き焼成を行い、1000℃から表2に示す最高温度までを表2に示す昇温速度で昇温し、最高温度で露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて、表2に示した時間保持した後、1000℃までを表2に示す降温速度で冷却した。
得られたアルミナ質焼結体のAl結晶の粒界に存在する結晶相は、当該アルミナ質焼結体を粉砕し、X線回折により得られる回折メインピーク位置をJCPDSに照らして同定した。また、同定された結晶であるMnAlSi18、MnSiOおよびMnAlSi12について、それぞれのメインピーク強度のAlのメインピーク強度に対する比を求めた。その結果を表2に示す。
また、耐薬品性の指標として、焼結体の初期の質量および100℃の水酸化カリウム35質量%水溶液に3時間浸漬させた後の質量を測定し、質量減少率として(「焼結体の初期質量」−「100℃の水酸化カリウム35質量%水溶液に3時間浸漬させた後の焼結体の質量」)/「焼結体の初期質量」を算出した。
さらに、耐薬品性試験用サンプル(2.5mm□×厚み2mm)にて、焼結体の表面の染みの有無を目視で確認した。
それらの結果を表2に示す。
Figure 0005144336
表2から明らかなように、本発明のプローブカード用配線基板を構成する絶縁基体の形成材料であるアルミナ質焼結体(試料No.2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、)は、水酸化カリウム35質量%水溶液に3時間浸漬させた際の質量減少率が0.2%以下であることから、このアルミナ質焼結体を用いることによって、耐薬品性に優れたプローブカード用配線基板が得られることがわかる。
さらに、試料No.11、17については、アルミナ質焼結体の質量減少率が0.2%以下と良好なうえ、表面に染みも存在させないことができている。
なお、本発明範囲内の試料について、上記と同様にして作製したグリーンシートに対して、打抜き加工を施し、直径が200μmのビアホールを形成した。そして、平均粒径が2.5μmのCu粉末を50体積%、平均粒径が1.5μmのW粉末を50体積%にアクリル系バインダとアセトンを溶媒として混合し、導体ペーストを調製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法によって上記のグリーンシートのビアホール内に充填するとともに、配線パターン状に印刷塗布した。なお、配線パターンは、線幅150μmとなるように調製した。
そして、作製した各シート状成形体を位置合わせして積層圧着して積層体を作製した。
その後、この積層成形体を露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて脱脂を行なった後、引き続き、1000℃から焼成最高温度までを表2に示す昇温速度で昇温し、焼成最高温度にて露点+25℃の窒素水素混合雰囲気にて1時間保持した後、1000℃までを表2に示した降温速度で冷却して配線基板を作製した。
この配線基板の配線層を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、導体層に剥離やクラックが生じていないことを確認した。
本発明のプローブカード用配線基板の一実施形態の概略断面図である。 本発明のプローブカードの一実施形態を用いた半導体素子の評価装置の説明図である。
符号の説明
1:プローブカード用配線基板
11:絶縁基体
12:内部配線層
13:表面配線層
14:貫通導体
2:プローブカード
21:測定端子
7:半導体ウェハ(半導体素子)

Claims (3)

  1. Alを主結晶とするアルミナ質焼結体からなる絶縁基体と、該絶縁基体の内部に形成されたCu、AuおよびAgの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属ならびにWおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を含む内部配線層とを備えたプローブカード用配線基板であって、前記アルミナ質焼結体が前記主結晶であるAl を90〜95質量%含み、粒界に結晶としてMnAlSi18を含みMnSiOを実質的に含んでいないことを特徴とするプローブカード用配線基板。
  2. 前記アルミナ質焼結体X線回折におけるAlのメインピーク強度(Ia)に対するMAlSi18のメインピーク強度(Im)の比(Im/Ia)が0.0
    007以上であることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード用配線基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプローブカード用配線基板の一方の表面に表面配線層が形成され、該表面配線層に半導体素子の電気特性を測定するための測定端子が接続されてなることを特徴とするプローブカード。
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