JP3921894B2 - 用紙搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に設ける用紙搬送装置に関し、特に、用紙さばき装置におけるリタードローラの押圧力の調整手段を、揺動ブラケットの自由側端部に突出して設けた用紙搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置等に設ける画像読取装置においては、原稿搬送路を横向きのU字状に形成し、原稿トレイと排出トレイとを上下に重ねる状態に配置して、搬送装置を構成する方式のものが用いられる。前記用紙搬送装置においては、原稿トレイから原稿を送り出すためのピックアップローラを原稿トレイの端部に位置させて配置し、前記ピックアップローラにより取り出された用紙を用紙さばき装置により1枚ずつ分離し、画像読取装置の読取部に向けて送り込むように構成している。
【0003】
前記画像読取装置を小型化したものとして構成し、フラットベッドスキャナー機構(FBS)と組み合わせて、画像形成装置の上部に配置する場合等には、前記画像読取装置の用紙搬送路を略U字状に形成し、用紙を非常に小さい半径で湾曲させて送る機構の装置として構成することが必要となる。前記U字状に構成する搬送路では、中間フレームの周囲にガイドを設けて用紙の案内を行うように構成し、前記中間フレームには用紙さばき装置のリタードローラを支持させて、上部フレームに配置するセパレートローラと対向させて配置し、両ローラの間で所定の値のニップ圧力を設定するようにしている。また、読取りが終了した原稿を排出トレイに戻すために、前記用紙搬送路の終端部に配置する排出ローラ装置を配置し、前記排出ローラ装置により送り出された原稿を、順次上に積重ねるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記用紙さばき装置をセパレートローラとリタードローラとを組み合わせたもので構成する場合に、トレイに堆積された用紙の最上紙から繰り出そうとすると、リタードローラがセパレートローラに対して下側に配置される。前記両ローラの間での押圧力(ニップ圧力)の調整は、リタードローラに対して直接行うことが必要であるため、ドライバ等を用いて調整する時には、装置の下部(あるいは内部)から行わざるを得ず、その調整作業は大変煩わしいものであった。前記中間フレームの下面からドライバーを挿入するような機構を設けざるを得なかった理由は、リタードローラに対する駆動伝達機構の構造や、中間フレーム内部に配置する押圧力付与機構において、その調整機構の構成等に対する制約条件があるからである。
【0005】
そこで、前記押圧力調整手段をリタードローラの近傍に設け、用紙搬送装置の上部フレームを開いた状態で、リタードローラの軸の近傍にドライバを挿入して行い得るようにすることが考えられている。ところが、リタードローラの軸の近傍に設けた調整孔にドライバ等の工具を挿入して、ニップ圧力の調整を行うためには、上部フレームを大きく開いたりすることが必要であり、工具の挿入位置が作業しにくい位置に設けられる等の問題がある。また、リタードローラに対する押圧部材と駆動力伝達機構とを近接させて配置する必要があるために、中間フレーム内部に配置する部材が相互に干渉し合い、メンテナンス等にも支障が生じるという懸念がある。
【0006】
本発明は、前記従来の用紙搬送装置において、用紙さばき機構のニップ圧力の調整部材の構成を簡素化するとともに、リタードローラの押圧力調整部材に対する調整作用を容易に行い得る機構を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セパレートローラとこれに圧接して用紙を1枚ずつ分離するリタードローラとを備えた用紙さばき装置を有する用紙搬送装置に関する。本発明の請求項1の発明は、前記リタードローラの駆動伝達系を支持する伝導用リンクと、リタードローラに作用してセパレートローラに圧接するための揺動ブラケットと、前記揺動ブラケットのリタードローラに対する押圧調整手段よりなり、前記揺動ブラケットは伝導用リンクとはリタードローラを介して反対に設けられていることを特徴とする。そして、リタードローラに対する押圧力の付与作用が効率的になされるために、押圧力調整位置の選択に際しての自由度が増し、その調整位置を操作性を考慮した位置に設定できる。
【0008】
請求項2の発明は、前記揺動ブラケットはその中間部を支点として揺動するものであり、その一端がリタードローラに対する押圧作用部で、他端部に押圧調整手段が設けられていることを特徴とする。したがって、装置の上部から調整を行い得るので、操作性を向上させることができる。
【0009】
請求項3の発明は、前記伝導用リンクは、リタードローラの下流側に配置される搬送ローラ装置の駆動軸からリタードローラに対する駆動伝達のためのギヤ群を配置し、前記搬送ローラ装置の駆動軸を支点として揺動可能に設けられることを特徴とする。そして、押圧力調整手段の構成を簡素化することができ、部品点数も少なくすることが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図示される例にしたがって、本発明の用紙搬送装置を説明する。図1においては、ファクシミリ装置や画像形成装置と組み合わせて使用し、原稿の画像の読取りに用いられる自動原稿搬送装置(ADF)1を例にして説明している。前記自動原稿搬送装置1においては、横向きの略U字状に構成した搬送路を通して用紙の搬送を行うもので、前記搬送路としては、挿入口14aからの搬送路14と、湾曲路20、および、排出トレイ72に接続される排出路24からなり、湾曲路20の下部に配置しているプラテン23の位置で、読取り装置により原稿の画像の読取りを行うように構成している。前記自動原稿搬送装置1においては、画像形成装置の上部に配置する基部フレーム2に対して、中間フレーム30と上部フレーム3とをそれぞれ組み合わせて設けており、前記上部フレーム3は支軸4を介して揺動可能に設け、中間フレーム30を搬送ローラ装置15の駆動ローラ17の軸を介して揺動可能に設けている。
【0011】
前記図1に示す例において、用紙搬送路内で用紙の搬送を行うために、用紙挿入口に位置させるピックアップローラ5と、用紙さばき装置10、搬送ローラ装置15、大径駆動ローラ21と複数のピンチローラ22、26および、排出ローラ装置25とを配置している。前記各ローラのうち、前記上部フレーム3には、トレイから用紙を取り込むためのピックアップローラ5と、用紙さばき装置10のセパレートローラ11、搬送ローラ装置15のピンチローラ16と、大径駆動ローラ21に対するピンチローラ22を設けている。また、前記2つのピンチローラ16、22は、上部フレーム3に配置するステイ7に支持されるローラ支持フレーム8に対して、図示しない付勢用のスプリングと支持アーム部材とを介して装着され、対応する駆動ローラに対して一定の押圧力で押圧される。さらに、前記上部フレーム3には、湾曲路20の大径ローラ21に対向するガイド板9を配置して、前記湾曲路20における用紙の案内を行わせる。
【0012】
前記中間フレーム30には、原稿トレイ71に接続されるシート挿入口14aの下ガイド板となる上カバー35と、用紙さばき装置10のリタードローラ12、搬送ローラ装置15の駆動ローラ17および、排出ローラ装置25の駆動ローラ27とを設けている。また、前記基部フレーム2には、用紙搬送路の湾曲部20で搬送作用を行うための大径駆動ローラ21とピンチローラ22aおよび、排出ローラ装置25のピンチローラ26とを配置し、前記基部フレーム4には読取部と排出側の搬送路のガイド板部材を配置している。そして、前述したような構成を有する装置では、用紙搬送路内での用紙のジャム処理や搬送ローラ装置15のニップ部のニップ圧力の調整、その他のメンテナンスを行う際に、上部のフレームから順次開放することにより用紙搬送路を開放したり、各構成部材を露出させるようにして、作業を行うことができるようにする。
【0013】
前記自動原稿搬送装置1においては、用紙搬送路に沿って用紙の搬送を行うために、用紙挿入口のトレイ14aに対応させて配置するピックアップローラ5により用紙を取り込んで、搬送路14に向けて送り込むようにする。そして、用紙さばき装置10のセパレートローラ11とリタードローラ12との間で用紙に対するさばき作用を付与し、1枚の用紙のみを搬送ローラ装置15に向けて送り込む。前記搬送ローラ装置15により搬送される用紙は、用紙搬送路の湾曲部20で大径駆動ローラ21とピンチローラ22の間でニップされて、プラテン23の読取部を通過し、ピンチローラ22aとのニップ部を通って、排出路から駆動ローラ27とピンチローラ26を対向させて設けた排出ローラ装置25により、排出トレイ72に向けて送り出される。また、前記用紙さばき装置10のリタードローラ12に対しては、セパレートローラ11との間でのニップ圧力の調整を行うために、押圧力調整手段50を配置しており、給紙装置における用紙さばき作用の実施状態に応じて、両ローラの間でのニップ圧力を調整できるようにする。
【0014】
図2には、前記自動原稿搬送装置1に配置する中間フレーム30の構成を示しているもので、中間フレーム30を板金で構成したフレーム枠体31と、その上部に配置するガイド板としての上カバー35とを組み合わせて構成し、搬送ローラ装置15の駆動ローラ17の軸18を中心にして揺動可能に設けている。前記中間フレーム30に配置するリタードローラ12に対する駆動を行うために、伝導用リンク40に支持される伝導ギヤ群42を配置しており、搬送ローラ装置15の駆動ローラ17の軸18に設けたギヤから、前記ギヤ群42を介して駆動伝達を行う。そして、搬送ローラ装置15の駆動ローラ17の軸に伝達される駆動力を、前記伝導ギヤ群42を介して端部の出力ギヤ43に伝達し、前記出力ギヤ43からリタードローラ12の軸13に設けたギヤに噛合せて、リタードローラ12に対する駆動伝達を行い、用紙さばき作用を行う際に、セパレートローラ11による用紙搬送方向に対して、リタードローラ12を逆方向に搬送するように回転させる。
【0015】
前記セパレートローラ11の軸に対してリタードローラ12の軸芯を一致させるように位置決めするために、前記出力ギヤ43の軸44とリタードローラ12の軸13との間に中間リンク45を配置し、上下の軸支部46、47により軸に対する係止と位置決めとを行わせる。そして、前記中間リンク45により伝導ギヤ群42の出力ギヤの軸44と、リタードローラ12の軸13との位置関係を設定し、リタードローラのギヤに対する出力ギヤの噛み合い位置を維持することで、リタードローラに対する駆動伝達を良好に行い得るようにする。また、前記リタードローラ12の軸13を上下方向にのみ移動可能に支持させる手段(図示を省略)を用いることにより、リタードローラ12とセパレートローラ11の接する押圧位置を、常に一定の位置に設定可能となり、両ローラが用紙をニップする位置が変化することがない。
【0016】
前記駆動伝導機構に加えて、リタードローラ12のセパレートローラ11に対する押圧力を設定するために、図2および図3に示すような押圧力調整部材50を設けており、調整用リンク51と押圧板55とを組み合わせて、ねじ部材(リタードピン)58とスプリング59とにより押圧力の調整を行うようにする。前記調整用リンク51は伝導用リンク40を揺動させる軸支部41に対して、リタードローラ12の軸13を介して反対側に配置されるもので、排出ローラ装置25の駆動ローラ27の軸28に対する軸支部53介して、中間フレーム30のトレイ側に突出させて配置する。前記軸支部53を中心として揺動可能な調整用リンク51の一端部は、リタードローラ12の軸13に設けた対応部材の下面に接する押圧部52として構成され、他端部は押圧板55の係止部56に係合されて、スプリング59による押圧作用が伝達される。
【0017】
前記押圧力調整部材50における調整用リンク51と押圧板55およびスプリング等の調整部材は、図3に示すような構成の部材を組み合わせて設けているもので、調整用リンク51の端部に固定されている押圧板55は、後述するカバー部材37を係止保持するための複数の爪挿入孔56、56a、56bと、スプリング59を設けたねじ部材58に対するねじ孔57を設けている。前記押圧板55はフレーム枠体31の端部に設けた凹部としての切欠部32に対応する部分で、フレームの立上り部33の上部を折り返して構成した水平部33aの下面に位置され、調整孔34とねじ孔57とが重なるように配置される。前記調整孔34とねじ孔57とに対応させて設けるねじ部材58は、下端部のねじ部を押圧板55のねじ孔57に装着され、フランジ58aの上に配置するスプリング59が、前記フレームの水平部33aとの間に位置される。
【0018】
前記図2に示すように調整用リンク51と押圧板55とを組み合わせ、スプリング59を配置した押圧力調整部材50に対して、図4に示すように、上部フレーム3を支軸4を介して開放することで、上カバー35の部分を露出させる。そして、中間フレーム30の上カバー35に設けた調整孔36からドライバーのような工具を挿入し、リタードピン58を押圧板55のねじ孔57に挿入する高さを調整可能にする。したがって、前記フレームの上の水平部材33aに対して、リタードピン58の高さを調整することにより、スプリング59を伸縮させ、前記スプリング59による押圧力を調整し、押圧板55を介して調整用リンク51の押上部52が、リタードローラ12の軸13に対する押圧作用を行う。
【0019】
また、用紙さばき装置10のローラ間に複数枚の用紙が入った時に、それ等の用紙に対するさばき作用を行う際に、セパレートローラ11に対して、リタードローラ12が押し下げられるような反力を受ける。そのようなリタードローラが受ける反力に対して、前記押圧力調整部材50のねじ部材58の高さを適宜調整することにより、セパレートローラ11とリタードローラ12との間でのニップ圧力が一定の値に設定され、用紙さばき作用が良好に行われる。
【0020】
前記中間フレーム30に設ける前記カバー部材37は、プラスチック材料を用いて構成するもので、フレーム枠体31の下面に用紙の移動方向に下向きの斜面部38を設けて、排出ローラ装置25により排出される用紙を、前記斜面部38に沿わせて下向きに案内し、排出トレイ72に堆積させるようにする。そして、前記排出トレイ72に排出される用紙が、U字型搬送路を通った際の湾曲されるような応力が残っていたとしても、排出トレイ72に向けて送り出される部分で、カバー部材37の斜面部38で下向きに案内されるので、上に飛び跳ねたり、既に堆積されている用紙を排出される用紙の端部が押し退けたりするような不都合が生じることを防止できる。
【0021】
前記カバー部材37を位置決めするために、カバー部材37に設けた爪部材39、39a、39bを、押圧板55の爪挿入孔56、56a、56bにそれぞれ挿入し、前記カバー部材37が調整用リンク51とともに若干の上下方向の移動を可能にする。また、前記カバー部材37は、爪部材39〜39bの各々が押圧板55の挿入孔56〜56bに対して上下方向に摺動可能に設けていることから、カバー部材37の下面から押し上げるような力が付与された場合でも、調整用リンク51を介しての軸13に対する押圧作用には影響が生じない。
【0022】
前記中間フレーム30に対して、押圧力調整部材50がトレイ側の端部にまで突出した位置に配置されていることで、図1に示すような自動原稿搬送装置1においては、上部フレーム3を支軸4を中心にして開くと、中間フレーム30の上面が開放されて、図4に示すように、調整孔36から工具を挿入することができる。前記図4に示す例は、上部フレーム3を支軸4を中心に開いた状態を示しているもので、前記上部フレーム3を開くことにより、中間フレーム30の上面が露出されて、調整孔36から工具を挿入してニップ圧力の調整を行うことができる。また、前記中間フレーム30は、搬送ローラ装置15の駆動ローラ17の軸18を介して揺動可能に設けられていることから、中間フレーム30の下部の用紙搬送路を容易に開放でき、ジャム処理の作業等を容易に行うことができる。
【0023】
前述したように、前記上部フレーム3と中間フレーム30を各々開放した後で、再び閉じた時には、開放した各フレーム3、30が正確に位置決めされるために、用紙搬送路に配置する各ローラ装置の駆動ローラとピンチローラの間の位置決めと、各ローラ装置におけるニップ圧力の設定を自動的に行うことが可能になる。また、前記実施例に示すように、中間フレーム30のトレイ側の端部に押圧力調整部材50を設けたことにより、リタードピン58が排出路の上面に突出されるという問題に対しては、中間フレーム30を薄いものとして構成しても、容易に対処が可能である。そして、排出ローラ装置25により排出トレイ72に向けて送り出される用紙に対して、リタードピン58の突出端部が邪魔しないように、カバー部材37をフレーム枠体31の凹部としての切欠部32に配置し、リタードピン58の下端部が排出路24に突出しないようにしている。
【0024】
図5に示す例は、画像形成装置と一体に設けた読取装置60の構成を示すもので、走査部フレーム61には、図5に示すように構成した走査装置63を設けている。前記走査装置63は、従来より一般に知られている複写機の走査装置に用いられている装置と同様に、ランプ64aと1つのミラーm1を設けたフルレートキャリッジ64と、2つの対向するミラーm2、m3を配置するハーフレートキャリッジ65とを組み合わせて設けている。そして、原稿の読取り情報をレンズ装置68を介してCCD69に伝達し、光信号を電気信号に変換して画像形成装置の画像情報処理部に伝達するように構成している。前記走査装置においては、フルレートキャリッジ64とハーフレートキャリッジ65とを駆動するために、径が2:1に設定された駆動プーリ66、66aを同軸に配置し、各々の駆動プーリに巻き掛けたワイヤ67、67aを介して、2つのキャリッジを各々連動させて移動させる機構を設けている。
【0025】
前記フレーム61の上部には、ブックものの原稿を載置し、FBS(フラットベッドスキャナー)としての動作に対応させるプラテン62と、ADF(自動原稿搬送装置)に対応させて、原稿搬送部の下部に配置するプラテン23とを設けている。前記プラテン62に対しては、上部開閉フレーム70を開いて原稿をセットし、上部開閉フレーム70を閉じることにより、プラテンカバー73がプラテンの上面に原稿の画像面を押圧し、セットした原稿の走査を行う。そして、前記プラテン62にセットした原稿に対しては、図示を省略したセンサの検知情報に応じて、走査装置63のフルレートキャリッジ64が原稿の走査方向の長さだけ往復移動し、ハーフレートキャリッジ65が前記フルレートキャリッジの半分の速度で移動しながら画像情報の読取りを行い、CCD68を介して画像信号を出力する。
【0026】
前記読取装置60を用いて、原稿トレイ71にセットした原稿の走査を行う際には、原稿を原稿トレイにセットしたことを、図示を省略した検知手段の検知信号により制御装置を作動させること、またはコントロールパネルに原稿搬送部を用いた走査を行う指令を入力することにより行う。そして、前記読取り指令の信号に応じて、走査装置63のフルレートキャリッジ64をプラテン23に対応する位置に停止させ、ハーフレートキャリッジ65を走査部フレーム63の左側の端部にまで移動させ、原稿トレイ71から原稿を1枚ずつU型搬送路内へ搬送し、プラテン23の部分で原稿の画像の読取りを行う。したがって、前記走査部フレーム61に配置する走査装置においては、2つのプラテン62、23に対応させて走査装置をセットし、任意の原稿に対する読取りの動作を行うことができ、ファクシミリ装置の送信機能を利用して画像情報を送信すること、または、複写機の機能を利用して記録紙に印字することができる。
【0027】
なお、前記実施例に示される自動原稿搬送装置1を単独で用いる場合、および、前記自動原稿搬送装置とFBSとを一体化して構成する読取装置は、それを単独で読取装置として構成することができる。また、一般的には、画像形成装置に一体に組み合わせて設ける原稿読取り手段として、または、ファクシミリ装置の読取り装置として用いることができる。
【0028】
前記図5に示す読取装置60の例においても、図4に示したように、用紙さばき装置10におけるニップ圧力を調整する手段を設けること、および、排出トレイ72に用紙を排出する部分にカバー部材37を配置することで、用紙さばき作用と排出トレイ72に向けて排出する用紙の収容性を良好に設定できる。そして、前記押圧力調整部材50に対して、リタードピンの調節を行う場合には、図4に示すように上部フレーム3を開くと、中間フレーム30の上面が容易に露出されるので、調整作業を容易に行うことができる。また、U型搬送路内で用紙のジャムが発生した場合等には、中間フレーム30を搬送ローラ装置15の駆動ローラ17の軸18を介して開放することにより、ジャム処理を容易に行うことができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の装置は、前述したように構成したものであるから、リタードローラの駆動伝達系に対して、リタードローラの位置と反対の側に押圧力調整手段を配置し、前記押圧力調整手段の揺動ブラケットを設けたことで、リタードローラに対する押圧力の付与作用が効率的になされるために、押圧力調整位置の選択に際しての自由度が増し、その調整位置を操作性を考慮した位置に設定できる。また、前記押圧力調整手段を、用紙搬送装置の上部フレームを開放した時には露出されるような位置に配置することで、装置の上部から調整を行い得て、操作性を向上させることができる。さらに、前記揺動ブラケットには、搬送ローラ装置の駆動軸からリタードローラに対する駆動伝達のためのギヤ群を配置し、前記搬送ローラ装置の駆動軸に対して揺動可能に設けることで、押圧力調整手段の構成を簡素化することができ、部品点数も少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動原稿搬送装置の構造を示す説明図である。
【図2】 図1に配置する中間フレームの構成の説明図である。
【図3】 中間フレームの端部に配置する押圧力調整部材の説明図である。
【図4】 上部フレームを開放して調整手段を露出させた状態の説明図である。
【図5】 図1の機構を組み込んだ画像読取装置の説明図である。
【符号の説明】
1 自動原稿搬送装置、 2 基部フレーム、 3 上部フレーム、
5 ピックアップローラ、 9 ガイド板、 10 用紙さばき装置、
11 セパレートローラ、 12 リタードローラ、 14 搬送路、
15 搬送ローラ装置、 20 湾曲路、 21 大径駆動ローラ、
23 プラテン、 24 排出路、 25 排出ローラ装置、
30 中間フレーム、 31 フレーム枠体、
35 上カバー、 40 伝導用リンク、 41 軸支部、
45 中間リンク、 50 押圧力調整部材、 51 調整用リンク、
55 押圧板、 58 リタードピン、 60 読取装置、
62 プラテン、 63 走査装置、 64 フルレートキャリッジ、
65 ハーフレートキャリッジ、 68 レンズ、
69 CCD、 71 原稿トレイ、 72 排出トレイ。

Claims (3)

  1. セパレートローラとこれに圧接して用紙を1枚ずつ分離するリタードローラとを備えた用紙さばき装置を有する用紙搬送装置において、
    前記リタードローラの駆動伝達系を支持する伝導用リンクと、リタードローラに作用してセパレートローラに圧接するための揺動ブラケットと、前記揺動ブラケットのリタードローラに対する押圧調整手段よりなり、
    前記揺動ブラケットは伝導用リンクとはリタードローラを介して反対に設けられていることを特徴とする用紙搬送装置。
  2. 前記揺動ブラケットはその中間部を支点として揺動するものであり、その一端がリタードローラに対する押圧作用部で、他端部に押圧調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
  3. 前記伝導用リンクは、リタードローラの下流側に配置される搬送ローラ装置の駆動軸からリタードローラに対する駆動伝達のためのギヤ群を配置し、
    前記搬送ローラ装置の駆動軸を支点として揺動可能に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の用紙搬送装置。
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