JP3918973B2 - 防水パン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室ユニット、シャワーユニット等の多量の水(又は湯)を使用する設備ユニットの床に好適に用いられる防水パンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の浴室ユニットの出入口においては、通常、高い段差がある。図7に浴室ユニットによく用いられている防水パンの従来例を示した。この防水パン101は角箱状で、方形の底板102とその周囲を立ち上がらせた側壁103とその側壁の先端部を水平に折曲させた壁付け面104とその先端を立ち上がらせた立上り壁105と底板下面に縦横に多数走るリブ106とからなり、通常、これらは一体に成形されている。
また、浴室ユニットのドアに対応して、浴室ユニットの周壁(上の例で言えば、側壁と壁付け面と立上り壁)の一部に切欠きを形成させた浴室用防水パンも知られている(特公昭60−25567号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
住宅環境を初めとする生活環境は、高齢者やハンディキャップがある人にとっても快適なように段差等の障害をなくすこと、すなわち、バリアフリーにすることが近年、強く望まれている。しかし、上記した防水パンは、必ずしも浴室ユニットの出入口の段差をなくすのに適した構造とはいえない。本発明の目的は、浴室ユニット等の出入口における段差をなくすのに適し、かつ、できるだけ単純な構造の防水パンを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成する防水パンを提供する。すなわち、本発明の防水パンは、洗い場床の略全面をカバーする底板と、その周縁全周にわたって立ち上がる周壁と、底板下面に縦横に多数走るリブとが一体成形された角箱状の設備ユニット用の防水パンであって、設備ユニットに立設するドアに対応して周壁及び底板の一部に2箇所の切欠きが形成され、この切欠きの一方に裏面及び排水溝の取付ガイドに取り付ける一体構成となるドア下枠を設置し、このドア下枠が、その一部を開口され、この開口を残して前記切欠きの一部を覆うようにドア下枠カバーを配置したものである。
また、本発明は、上記防水パンを組み込んだ設備ユニットにも関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の防水パンの実施の形態について、図面を参照しながら更に具体的に説明する。
図1は本発明に係る一例の防水パンの平面図、図2はそのA−A断面図、図3は斜視図をそれぞれ示す。図1〜3に示すように、本発明に係る防水パン1は、洗い場床の略全面をカバーする底板2と、その周縁全周にわたって立ち上がる周壁3と、底板下面に縦横に多数走る補強用のリブ5とが一体成形された角箱形状のものであり、底板の周囲6が壁載置部又はドア枠載置部となる。また、底板の一部には洗い場の湯水を排水するための排水口4が設けられ、この排水口4の上には排水蓋が載置される。
【0006】
図4は、本発明に係る切欠きのある一例の防水パン(斜視図)である。この防水パン1は、洗い場床の略全面をカバーする底板2と、その周縁全周にわたって立ち上がる周壁3と、底板下面に縦横に多数走る補強用のリブ5とが一体成形された角箱形状のものであり、底板の一部には洗い場の湯水を排水するための排水口4が設けられ、この排水口4の上には排水蓋が載置される点は上記防水パンの同じであるが、底板の周囲6(壁載置部又はドア枠載置部)及び周壁3の一部が図4に示されるように浴室ユニットに立設するドアに対応する位置に切欠き7が形成されている。なお、図4ではこの切欠きは1箇所に形成されている。
図5は、本発明に係る切欠きのある他の例の防水パン(斜視図)で、切欠きは2箇所に形成されている例である。切欠きを2箇所に設ける利点は、建築プランによってドア位置が変わりうるが、それに対応するためで、7、7aのいずれの位置にドアを配置してもよい。
【0007】
本発明に係る防水パンは、切欠き7,7aの有無にかかわらず、通常、SMC、BMC等の強化プラスチック成形材料をプレス成形することにより、一体成形品として得ることができる。また、ジシクロペンタジエンを原料とする反応射出成形や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いて成形品とすることもできる。
【0008】
次に、上記の切欠きある防水パンを用いた浴室ユニットの出入口の構造を説明する。
図6は、切欠きのある防水パンに排水溝、ドア下枠を取り付け、更にドア枠、ドア等を取り付けた際の出入口近辺の部分断面図である。図6から明らかなように、切り欠かれた床1の裏側及び排水溝9の取付けガイド10にドア下枠11を取り付ける構造で、位置合わせが容易な構造としている。また、パッキング14を圧縮することで防水を行っているため、簡略でかつ確実な組立作業が可能である。防水はパッキング14の圧縮とコーキングとを併用してもよい。ドア下枠11の概ね下方に排水溝9が設けられ、その排水溝9の上面には開口部分(図6には表れていない)があり、ドア下枠11からの水が排水されるようになっている。
【0009】
また、ドア下枠11の一部は開口されており、切り欠かれた床1の一部を覆うようにドア下枠カバー15を取り付けた状態でも開口部16があるので、ドア下枠11に水を流入できる構造となっている。ドア下枠11は排水溝9と一体構成となっていて、ドア下枠カバー15の簡単な着脱性とあいまって、排水溝9を容易に掃除できるようになっている。
ドア下枠11は浴室ユニット側の床1と脱衣室側の床8にわたって取り付けられており、出人口の段差はドア下枠カバーの肉厚分に抑えられている。ドア下枠カバーの肉厚分は約3mmであり、したがって、出入口段差は約3mmに抑えられている。
ドア下枠11とドア枠12は分離可能であり、現場でジョイントでき、浴室ユニットを現場で容易に組み立てることができる。
【0010】
以上の例は、洗い場用防水パンの例で説明したが、これに限定されず、浴槽載置場と洗い場が一体成形された浴室用防水パンやシャワーユニット用防水パンであっても同様に応用できる。
【0011】
浴室ユニットにあっては、防水パンのコーナー部にコーナー支柱を立て、平面部にはフラット支柱を立て、ドア枠、ドア、壁パネルをはめ込み、固定させ、上部には天井パネルを載置し、一方に浴槽、他方に洗い場を設け、給水装置、給湯装置、照明装置、換気装置、排水管等のその他の付帯設備を設けて完成される。
【0012】
【発明の効果】
本発明の切欠きのない防水パンは、従来の防水パンよりも単純な構造であり、設備ユニットの出入口の段差をなくす(又は少なくする)のに適した防水パンである。また、切欠きのない防水パンから切欠きのある防水パンを容易につくることができる。
本発明の切欠きのある防水パンは、従来の切欠きのある防水パンよりも単純な構造であり、これとこの防水パンに適した排水構造とを組み合わせて、出入口に段差がほとんどない(3mm程度の段差)設備ユニットを提供できる。
本発明の設備ユニットは、出入口に段差がほとんどない。にもかかわらず、脱衣室側に漏水しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一例の防水パンの平面図である。
【図2】図1の防水パンのA−A断面図である。
【図3】図1の防水パンの斜視図である。
【図4】本発明に係る切欠きのある一例の防水パンの斜視図である。
【図5】本発明に係る切欠きのある他の例の防水パンの斜視図である。
【図6】本発明に係る切欠きのある防水パンにドア下枠、排水溝を取り付け、更にドア枠、ドア等を取り付けた出入口の断面図である。
【図7】従来例の防水パンで、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【符号の説明】
1:防水パン 2:底板
3:立上り周壁 4:洗い場の排水口
5:リブ 6:壁載置部又はドア枠載置部
7:切欠き部 7a:切欠き部
8:脱衣室床 9:排水溝
10:取付けガイド 11:ドア下枠
12:ドア枠 13:ドア
14:パッキング 15:ドア下枠カバー
16:開口部
101:防水パン 102:底板
103:側壁 104:壁付け面
105:立上り壁 106:リブ
Claims (2)
- 洗い場床の略全面をカバーする底板と、その周縁全周にわたって立ち上がる周壁と、底板下面に縦横に多数走るリブとが一体成形された角箱状の設備ユニット用の防水パンであって、設備ユニットに立設するドアに対応して周壁及び底板の一部に2箇所の切欠きが形成され、この切欠きの一方に裏面及び排水溝の取付ガイドに取り付ける一体構成となるドア下枠を設置し、このドア下枠が、その一部を開口され、この開口を残して前記切欠きの一部を覆うようにドア下枠カバーを配置した防水パン。
- 請求項1に記載の防水パンを組み込んだ設備ユニット。
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JP32738298A JP3918973B2 (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 防水パン |
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1998
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