JP2005307116A - 人造大理石防水パン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プレス成形して得られる底面裏面にリブを設けた人造大理石防水パンであって、前記リブが紐状の連続繊維からなる補強材料で一体成形されており、かつ前記補強材料が繊維強化材に、(A)分子中に水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有する熱硬化性樹脂、(B)重合性不飽和単量体及び(C)ポリイソシアネートを含有するラジカル硬化系成形材料を含浸してなることを特徴とする人造大理石防水パンに関するものである。
【選択図】 なし
Description
SMC製の防水パンは、高強度で軽量性に優れる反面、白、アイボリーなどの単一色の製品が一般的で外観的には高級感に乏しいものである。一方、BMC製の防水パンはSMC製よりも質感、意匠性に優れ高級感を有する反面、強度が低いために防水パンの厚みを厚く設計する必要があり、重たく、搬送に不便で施工性に難がある。
しかしながら、前者のDAP化粧紙などを用いて表面を加飾する方法は、様々な模様出しは可能であるが質感に劣るため印刷物的な安っぽい印象が拭えない。また後者の大理石質感を付与したSMCを用いる方法は、大理石質感を付与するためにSMC成分中の繊維強化材の短繊維化及び/又は低含有率化を余儀なくされるため結果的に強度が低くなることから、BMCの場合と同様に、防水パンの厚みを厚く設計する必要があり、重たく、搬送に不便で施工性に難がある。
しかしながら、防水パンは、強度、剛性を高めるため、通常、製品底面裏面側にリブを設けており、プレス成形法の場合、係るリブの影響で成形材料の流動性が大きく変化するために前記の方法では充分な補強効果が得られない。FRP補強板を用いて一体成形する方法は、成形材料のリブ部への流れ込みををFRP補強板が阻害してリブ部の充填不良を起こしやすく、また耐久性の面でFRP補強板と成形材料の接着信頼性に難がある。また予め樹脂含浸させたガラス繊維を用いて一体成形する方法は、係るガラス繊維が高温高圧下で流動する成形材料との摩擦によって破損しやすいため、充分な補強効果が得難い。
すなわち、本発明は、プレス成形して得られる人造大理石防水パンであって、前記人造大理石防水パンの底面裏面にリブを設け、前記リブが紐状の連続繊維からなる補強材料で一体成形されており、かつ前記補強材料が繊維強化材に、(A)分子中に水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有する熱硬化性樹脂、(B)重合性不飽和単量体及び(C)ポリイソシアネートを含有するラジカル硬化系成形材料を含浸してなることを特徴とする人造大理石防水パンを提供するものである。
本発明の人造大理石防水パンとは、底面裏面にリブを有する防水パンであり、浴室などで水漏れ防止用に使用されているものである。リブの形状、設置数及び位置関係は特に限定されるものではないが、通常は、その高さが10〜100mmで厚さが1〜10mmのものであり、防水パンの長手方向と幅方向の2本以上のリブが格子状に直角に交差するように配置されているものであることが好ましい。また、防水パンと組み合わせて使用される蓋の類も本発明に含まれる。
重合性不飽和単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が挙げられる。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、酸化チタン等の公知のものが挙げられ、これらを単独或いは併用して用いることができる。
また(B)重合性不飽和単量体としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ジビニルスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が挙げられる。
W−2198[大理石質感を有するBMC、新ディック化工(株)製]を成形材料とし、浴室用のSMC防水パン成形用金型を用いて防水パンを成形した。成形条件は、金型温度を上型(製品面側)が145℃、下型(裏面側)が125℃、成形圧力を10MPa、加圧時間を8分間とした。また、BMCの投入量は、防水パンの底面の肉厚が4mmとなるように調整した。
この際、防水パン金型の下型(製品底面裏面側)の全てのリブ内に紐状の連続繊維からなる補強材料を配し、その上にBMCを置いて一体成形した。
当該補強材料は、ディックライトUE−3505[ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート・スチレンモノマー溶液)、樹脂固形分の水酸基価/酸価=16、大日本インキ化学工業(株)製品]100部、ヘキサメチレンジイソシアネート10部(NCO/OH=0.57)、DABCO T−9[触媒、エアープロダクツジャパン(株)製品]0.03部、トリゴノックス29B−75[硬化剤、化薬アクゾ(株)製品]1部を撹拌機で充分に混合したものを、ガラスロービング(日東紡製、RS440RR−520)に含浸した後、室温で24時間熟成したものである。 かかる補強材料は、ガラス含有率70%の紐状の成形材料であり、ゴム被覆繊維状の弾力性に富んだ強靱なものであった。
得られた防水パンは、石目模様大理石調の高級感のある外観性を有しており、補強材料は防水パン底面裏面リブ内に強固に一体化され、リブ欠け、補強材料の破損などの欠陥がないものであった。
ディックライトUE−3505[ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート・スチレンモノマー溶液)、樹脂固形分の水酸基価/酸価=16、大日本インキ化学工業(株)製品]100部、トリゴノックス29B−75[硬化剤、化薬アクゾ(株)製品]1部を撹拌機で充分に混合したものを、ガラスロービング(日東紡製、RS440RR−520)に含浸し、ガラス含有率70%の紐状の成形材料を作製した。係る補強材料は、ガラスフィラメントが開繊しやすく非常にばらけやすいものであった。
上記の補強材料を用いる以外は実施例1と同様にして防水パンを成形した。得られた防水パンは、石目模様大理石調の高級感のある外観性を有しており、BMCが防水パン底面裏面のリブ内に完全充填しているが、リブ内の補強材料が引き裂かれるように破損したり、ばらけたりして原形を留めていないものであった。
W−2198だけを用いて、実施例1と同様にして底面板厚6mmの防水パンを成形した。
得られた防水パンは、石目模様大理石調の高級感のある外観性を有しているが、非常に重たく搬送に不便なものであった。
ディックマット2562[防水パン成形用の一般的なSMC、大日本インキ化学工業(株)製]だけを用いて、実施例1と同様にして底面板厚4mmの防水パンを成形した。
得られた防水パンは、グレー単一色の高級感に乏しい外観のものであった。
実施例1、比較例1、2及び3で成形した防水パンの性能比較を表−1に示した。
Claims (1)
- プレス成形して得られる人造大理石防水パンであって、前記人造大理石防水パンの底面裏面にリブを設け、前記リブが紐状の連続繊維からなる補強材料で一体成形されており、かつ前記補強材料が繊維強化材に、(A)分子中に水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有する熱硬化性樹脂、(B)重合性不飽和単量体及び(C)ポリイソシアネートを含有するラジカル硬化系成形材料を含浸してなることを特徴とする人造大理石防水パン。
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