JP2011183569A - Frp成形品およびこれを用いた浴室用部材 - Google Patents

Frp成形品およびこれを用いた浴室用部材 Download PDF

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Abstract

【課題】原材料のコストアップを最小限に抑えるとともに、従来と同様の工程で製造可能であり、耐熱水性および耐洗剤性に優れたFRP成形品およびこれを用いた浴室用部材を提供する。
【解決手段】本発明のFRP成形品は、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を金型内で加熱加圧成形して成形され、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料は、補強用繊維と、熱硬化性樹脂および重合性単量体を含んでなる樹脂組成物と、低収縮剤と、硬化剤と、重合禁止剤と、増粘剤と、無機充填材とを含み、無機充填材の配合量は樹脂組成物と低収縮剤の総量に対して100〜200質量部、無機充填材として炭酸カルシウムとその粒径の1/3以下の粒径であり、炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材αとの混合物が用いられ、炭酸カルシウムの配合割合は、無機充填材の全体積の20〜50体積%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に住宅設備機器の中で、浴室内の天井、壁、洗い場、排水口、浴槽、あるいは、洗面ボウル、洗面カウンターなどの水周りに用いられるFRP成形品およびこれを用いた浴室用部材に関する。
住宅設備機器の水周りに用いられる浴槽、洗い場などでは、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)を加熱加圧成形して成形されたFRP(繊維強化プラスチック)成形品が用いられている。
これらFRP成形品には、長期間使用の耐久性に加え、耐候性、耐熱水性、耐洗剤性などが求められ、さらに、近年では汚れの落としやすさの向上が求められている。
FRP成形品は、耐熱水性や耐洗剤性が不十分な場合、長期間の使用により、表面が白化し、変色不良といった問題が発生する。このような問題が発生する原因の1つとしては、FRP成形品中に含まれる無機充填材、特に、炭酸カルシウムの溶出が挙げられる。また、炭酸カルシウムの溶出によって、変色不良だけでなく、FRP成形品の表面や表面近傍に多数のピンホールが発生し、そのピンホールの中に、皮脂、垢などの汚れが付着し溜まりやすく、さらに、表面はもろく、傷付き易くなる。こうして、FRP成形品は、使い始めの当初は表面が平滑で容易に汚れを除去できるものの、経年使用によって、表面が肌荒れになり汚れを落とし難くなる。
従来、このようなFRP成形品に関する問題を解決するために、無機充填材としては、熱水や洗剤による溶出の少ない水酸化アルミニウムを用いて、表面層に溶出する無機充填材を含まない樹脂層を形成する方法が提案されている。このような表面層を形成する方法としては、スプレー塗装法、型と成形品の間に樹脂を注入して、型内で成形品の表面を被覆するインモールドコーティング法、さらに、特許文献1に開示されているように、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料と金型内面の間に、少なくとも片面にフレーク状無機充填材を層状に付着させてなる繊維シートを介在させる方法などが提案されている。
特開2001−150466号公報
しかしながら、無機充填材として、炭酸カルシウムの代わりに水酸化アルミニウムを用いた場合、水酸化アルミニウムは炭酸カルシウムと比較し高価であるため、材料コストが増加するという問題があった。
また、スプレー塗装法により、表面に樹脂層を形成する場合、製造工程が増加するだけでなく、塗装時の異物混入や、樹脂層の厚みのばらつきといった品質の問題が発生することがあった。
また、インモールドコーティング法を用いた場合、既存の金型を改造する必要があり、型投資費用が発生するという問題があった。
さらに、特許文献1の繊維シートを介在させる方法を用いた場合、浴槽のような3次元形状の場合、予め繊維シートを賦形しておく必要があるため、賦形用の型が必要となるだけでなく、工程数が増加するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、原材料のコストアップを最小限に抑えるとともに、従来と同様の工程で製造可能であり、耐熱水性および耐洗剤性に優れたFRP成形品およびこれを用いた浴室用部材を提供することを目的とする。
本発明のFRP成形品は、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を金型内で加熱加圧成形して成形されたFRP成形品であって、前記繊維補強熱硬化性樹脂成形材料は、補強用繊維と、熱硬化性樹脂および重合性単量体を含んでなる樹脂組成物と、低収縮剤と、硬化剤と、重合禁止剤と、増粘剤と、無機充填材とを含んでなり、前記無機充填材の配合量は、前記樹脂組成物と前記低収縮剤の総量に対して100〜200質量部であり、前記無機充填材として、炭酸カルシウムと、該炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径であって、前記炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材αとの混合物が用いられ、かつ、前記炭酸カルシウムの配合割合は、前記無機充填材の全体積の20〜50体積%であることを特徴とする。
本発明のFRP成形品において、前記炭酸カルシウムは、レーザー回折散乱法による粒度分布測定によって測定された粒径毎の体積分布において、累積50%に相当する粒径が10μm〜50μmのものであることが好ましい。
本発明のFRP成形品において、前記無機充填材αは、水酸化アルミニウムであることが好ましい。
本発明のFRP成形品において、前記無機充填材αは、シラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤により表面処理されたものであることが好ましい。
本発明の浴室用部材は、本発明のFRP成形品を用いてなることを特徴とする。
本発明によれば、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を金型内で加熱加圧成形して成形され、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を構成する無機充填材として、炭酸カルシウムと、その炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径であって、炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材αとの混合物が用いられ、かつ、炭酸カルシウムの配合割合は、無機充填材の全体積の20〜50体積%であるので、炭酸カルシウム粒子の周りが、炭酸カルシウム粒子よりも粒径が小さく、炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材が取り囲むから、熱水や、洗剤に含まれるキレート剤によって、炭酸カルシウムが溶出するのを抑制することができ、耐熱水性および耐洗剤性に優れたFRP成形品が得られる。また、炭酸カルシウムの使用量を増やすことができるので、原材料のコストアップを最小限に抑えることができる。さらに、無機充填材の混合比率を調製するのみなので、従来と同様の工程で製造することができる。
また、本発明のFRP成形品を浴室用部材に適用すれば、経年使用に伴う表面劣化が少なくなり、表面平滑性を維持できるので、汚れを落とし易い製品が得られる。
本発明のFRP成形品およびこれを用いた浴室用部材の実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「FRP成形品」
本発明のFRP成形品は、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を金型内で加熱加圧成形して成形されたものである。
ここで言う繊維補強熱硬化性樹脂成形材料としては、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)が用いられる。
これらのSMCやBMCは、公知の製造方法により製造されたものである。
SMCは、補強用の繊維(補強用繊維)に、熱硬化性樹脂、および、これと共重合可能な重合性単量体を含んでなる樹脂組成物と、低収縮剤と、硬化剤と、重合禁止剤と、内部離型剤と、増粘剤と、無機充填材とをそれぞれ所定量配合し、混錬してなる熱硬化性樹脂成形材料を含浸させて、所定の温度、時間にて熟成増粘させて製造されたものである。
BMCは、補強用繊維と、上記の混合物とを混合して、所定の温度、時間にて熟成増粘させて製造されたものである。
補強用繊維としては、ガラス繊維などの無機繊維や有機繊維が用いられる。
ガラス繊維としては、単繊維状、繊維束状、ロービング状、連続繊維、織布などの形態のものが用いられる。これらの中でも、SMCの場合、ロービング状のものを長さ5mm〜30mmに切断したものが好ましい。
有機繊維としては、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維などの合成繊維やサイザル麻、ジュートなどの天然繊維が用いられる。このような有機繊維としては、不織布、クロス、あるいは、チョップド短繊維などの形態のものが用いられる。
補強用繊維は、目的とする(最終的に得られる)FRP成形品に求められる強度に応じて、その種類、形態、繊維長、配合量などが適宜調整される。
熱硬化性樹脂としては、水周り製品への適用を考慮して、耐熱性および耐水性に優れた樹脂が用いられ、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂、ノボラック型ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられる。
アクリル樹脂としては、メチルメタアクリレートモノマー、多官能アクリルモノマー、アクリルプレポリマー、または、アクリルポリマーの群から選択される2種以上が混合されたものが用いられるが、その形態は特に限定されない。
重合性単量体としては、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチレンなどのスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのメタクリル酸またはアクリル酸のアルキルエステル;β−ヒドロキシメタクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチルなどのメタクリル酸またはアクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;ジアリルフタレート;アクリルアミド;フェニルマレイミド;エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチールプロパントリメタクリレートなどの多官能のメタクリル酸またはアクリル酸のエステル類などが用いられる。
熱硬化性樹脂と重合性単量体を所定の割合で配合し、必要に応じて重合禁止剤を添加して樹脂組成物が調製される。
熱硬化性樹脂の配合割合は、熱硬化性樹脂と重合性単量体の総量(100質量部)に対して25〜80質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜65質量部である。
熱硬化性樹脂の配合量が25質量部未満では、熱硬化性樹脂と重合性単量体を主成分とする樹脂組成物の粘度が低過ぎるため、SMC製造時のキャリアフィルム上にシート状に塗布することが難しく、また、沈降などのために他の成分と均一に混合し難くなり、さらに、その樹脂組成物を含む繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を成形して得られたFRP成形品は硬化収縮率が大きく、割れ、クラックなどが生じることがある。一方、熱硬化性樹脂の配合量が80質量部を超えると、熱硬化性樹脂と重合性単量体を主成分とする樹脂組成物の粘度が高過ぎて、他の成分と均一に混合し難くなることがある。
低収縮剤としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ブタジエンゴムなどの熱可塑性樹脂が用いられる。
低収縮剤の種類と配合量は、FRP成形品の成形収縮率、表面平滑性、表面光沢などに加えて、皮脂などの浸透性汚れの除去し易さなどを考慮して適宜調整される。
低収縮剤の配合量は、熱硬化性樹脂と重合性単量体の総量(100質量部)に対して5〜30質量部であることが好ましい。
低収縮剤の配合量が5質量部未満では、FRP成形品の成形収縮率を小さく抑える効果が十分ではなく、FRP成形品が脱型し難くなり、その結果として、クラックが生じることがある。一方、低収縮剤の配合量が30質量部を超えると、FRP成形品から低収縮剤が分離し易くなり、FRP成形品にかすれが生じたり、表面光沢が著しく低下したりすることがある。
硬化剤としては、ケトンパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、ハイドロパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、アルキルパーエステル類などから選択される1種または2種以上が用いられる。
硬化剤の配合量は、FRP成形品の成形サイクルのみでなく、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の保存性、色むらなどの面にも影響を及ぼすため、それぞれに応じて適宜調整される。
硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂と重合性単量体を主成分とする樹脂組成物と、低収縮剤との混合物の総量(100質量部)に対して0.5〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.7〜3.0質量部である。
重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエンなどが用いられる。
重合禁止剤の配合量は、重合禁止剤が繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の可使時間、硬化反応の立ち上がりを調整するために用いられる点と、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の貯蔵安定性、FRP成形品の成形性を考慮して適宜調整されるが、熱硬化性樹脂と重合性単量体の総量(100質量部)に対して0.5質量部以下であることが好ましい。
内部離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが用いられる。
内部離型剤の配合量は、熱硬化性樹脂と重合性単量体の総量(100質量部)に対して1.0〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2.0〜4.0質量部である。
内部離型剤の配合量が1.0質量部未満では、FRP成形品が金型に密着してしまい、脱型し難くなり、FRP成形品にクラックなどが生じることがある。一方、内部離型剤の配合量が10質量部を超えると、FRP成形品の強度が低下する傾向にある。
増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウムなどが用いられるが、これらの中でも酸化マグネシウムが好適に用いられる。
増粘剤の配合量は、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の作業性に応じて適宜調整されるが、熱硬化性樹脂と重合性単量体の総量(100質量部)に対して0.5〜5.05質量部であることが好ましく、より好ましくは0.7〜2.0質量部である。
無機充填材の配合量は、熱硬化性樹脂と重合性単量体を主成分とする樹脂組成物と、低収縮剤との混合物の総量(100質量部)に対して100〜200質量部であることが好ましい。
無機充填材の配合量が100質量部未満では、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の熟成時の増粘反応が進み難い、増粘後のタックフリー性の不足によるFRP成形品の成形作業時の取扱い性が悪化する、樹脂の使用量の増加により材料コストが増加する、FRP成形品の成形収縮率が大きくなり、FRP成形品に反りが発生するなどの影響を及ぼすことがある。一方、無機充填材の配合量が200質量部を超えると、上記の各成分を所定量配合し、混錬してなる熱硬化性樹脂成形材料の粘度が高くなるため、補強用繊維に対して熱硬化性樹脂成形材料が十分に含浸されないことや、FRP成形品の成形時に膨れやピンホールが生じることがある。
無機充填材としては、比較的粒径の大きな炭酸カルシウムと、この炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径であって、この炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材(以下、「無機充填材α」と言うこともある。)との混合部が用いられる。
炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径の無機充填材αを用いる理由は、炭酸カルシウムの外周を粒径の小さい無機充填材αが取り囲み、炭酸カルシウムの溶出を抑制することができるからである。このような無機充填材αの粒径は、炭酸カルシウムの粒径の1/5以下であることがより好ましい。
無機充填材αの粒径が炭酸カルシウムの粒径の1/3を超えると、炭酸カルシウムの周囲を取り囲めず、成形品の表面層に近い炭酸カルシウムは容易に溶出する。
炭酸カルシウムの配合割合は、無機充填材の全体積の20〜50体積%であり、好ましくは20〜40体積%である。炭酸カルシウムの配合割合がこの範囲内であるから、炭酸カルシウム粒子の周りを、無機充填材αによって取り囲むことができる。
炭酸カルシウムの配合割合が20体積%未満では、無機充填材αの使用量の増加に伴って、上記の熱硬化性樹脂成形材料の粘度が高くなるため、補強用繊維に対して熱硬化性樹脂成形材料が十分に含浸されないことや、FRP成形品の成形時に膨れやピンホールが生じる。一方、炭酸カルシウムの配合割合が50体積%を超えると、無機充填材αによって、炭酸カルシウム粒子の周りが取り囲まれる効果が低下し、熱水や洗剤中のキレート剤による炭酸カルシウムの溶出につながる。
炭酸カルシウムの粒径は、平均粒径で10μm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは20μm〜40μmである。
ここで平均粒径とは、レーザー回折散乱法による粒度分布測定によって測定された粒径毎の体積分布において、累積50%に相当する粒径のことである。
炭酸カルシウムの平均粒径が10μm未満では、対応して用いられる無機充填材αが微粒化するため、材料コストが増加することがある。一方、炭酸カルシウムの平均粒径が50μmを超えると、FRP成形品の外観の平滑性の低下や表面光沢の低下につながることがある。
また、炭酸カルシウムの粒径分布は、無機充填材αの粒径分布と互いに重ならないことが好ましいが、両者の粒径分布が一部重なっていてもよい。炭酸カルシウムの粒径分布と、無機充填材αの粒径分布とが一部重なっている場合、その粒径範囲における炭酸カルシウムの含有量は、炭酸カルシウムの全体積の20体積%以下であることが好ましく、より好ましくは10体積%以下である。
ここで、炭酸カルシウムの含有量が、炭酸カルシウムの全体積の20体積%を超えると、成形品の表面近傍に周囲を取り囲まれていない炭酸カルシウムの量が増大し、かつ、これらの溶出を起点として成形品深部まで溶出が進行することがある。
上記の炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径であって、この炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材(無機充填材α)としては、耐洗剤性に優れ、かつ、水への溶解度が低いものであれば特に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、マイカ、シリカ、ガラス、タルク、クレーなどから選択される1種または2種以上が用いられる。これらの中でも、配合時の粘度の上昇が少なく、高充填化可能な水酸化アルミニウムが好ましい。
また、無機充填材αとしては、シラン系カップリング剤、もしくは、チタネート系カップリング剤によって、後述する表面処理が施されたものがより好ましい。
無機充填材αが、比表面積が大きく、粒径の小さな粒子である場合、熱硬化性樹脂成形材料の粘度を高くし、補強用繊維に対する含浸性が低下するとともに、熱硬化性樹脂の濡れ性不足に起因して、無機充填材αが熱硬化性樹脂との接触界面から剥離しやすくなることがある。そこで、無機充填材αに表面処理を施すことにより、これらの問題を解決することができる。
無機充填材αの表面処理方法としては、例えば、(a)ヘンシルミキサーのような高速攪拌機の中に無機充填材αを投入し、さらに、高速攪拌機の中にカップリング剤を滴下して、均一に分散させた後、乾燥させる方法、(b)カップリング剤を溶解させた溶液に無機充填材αを浸漬する方法、(c)熱硬化性樹脂成形材料の各成分を配合し、混錬する過程で、カップリング剤を添加する方法などが適宜用いられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリロキシシラン、メルカプトシランなどが挙げられるが、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが用いられる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、有機官能基としてカルボキシル基を有するイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネートが挙げられるが、具体的には、ホスファイト基を有するテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ピロホスフェート基を有するビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、アミノ基を有するイソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどが用いられる。
また、本発明のFRP成形品では、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を構成する成分として、上記の各成分以外に、着色剤、減粘剤、光輝材、抗菌剤、紫外線吸収剤などを適宜添加することもできる。
次に、本発明のFRP成形品の製造方法を説明する。
(繊維補強熱硬化性樹脂成形材料がSMCの場合)
まず、一般的なSMC製造装置を用いて、補強用繊維に、熱硬化性樹脂と、重合性単量体と、低収縮剤と、硬化剤と、重合禁止剤と、内部離型剤と、増粘剤と、無機充填材とを所定の割合で配合し、混錬してなる熱硬化性樹脂成形材料を含浸させて、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を調製する(繊維補強熱硬化性樹脂成形材料調製工程)。
この繊維補強熱硬化性樹脂成形材料調製工程では、補強用繊維、熱硬化性樹脂、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、内部離型剤、増粘剤および無機充填材としては、上記のものが用いられる。
この繊維補強熱硬化性樹脂成形材料調製工程では、まず、一対のキャリアフィルムを用意し、それぞれのキャリアフィルムの一方の面に、熱硬化性樹脂成形材料を均一な厚みとなるように塗布した後、その熱硬化性樹脂成形材料上に、所定の形態の補強用繊維を配置する。
ここで、キャリアフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが用いられる。
また、補強用繊維として、織布または不織布を用いる場合、熱硬化性樹脂成形材料上に、所定の大きさの織布または不織布を載置する。また、補強用繊維として、単繊維を用いる場合、熱硬化性樹脂成形材料上に、所定の長さの単繊維を散布する。
次いで、それぞれの熱硬化性樹脂成形材料および補強用繊維が配された面が対向するように、一対のキャリアフィルムを重ね合わせた後、そのキャリアフィルムを、含浸ロールの間を通過させる。これにより、一対のキャリアフィルムに圧力を加えて、補強用繊維に熱硬化性樹脂成形材料を含浸させて、シート状の繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を成形し、一対のキャリアフィルムで、その繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を挟持する。
次いで、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を挟持したキャリアフィルムをロール状に巻き取るか、あるいは、つづら折りに畳む。
その後、必要に応じて、室温(20℃)〜60℃の温度範囲で、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を熟成する。
また、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の粘度は、これを用いて成形されるFRP成形品の強度や厚みなどに応じて適宜調整されるが、熟成後、40℃において15,000Pa・s〜150,000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは60,000Pa・s〜120,000Pa・sである。ここで、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の粘度は、例えば、JIS K6901「液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法」およびJIS K6919「繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂試験法」に準じる方法により測定されたものである。
熟成後、40℃における繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の粘度が15,000Pa・s未満では、これを用いて成形されるFRP成形品の表面にスカミング(地汚れ)が発生し易くなる。一方、熟成後、40℃における繊維補強熱硬化性樹脂成形材料の粘度が150,000Pa・sを超えると、FRP成形品の成形に用いられる金型の型締め時間が長くなり、結果として、成形サイクルが長くなることがある。
次いで、圧縮成形、トランスファー成形(圧入成形)などにより、所定の形状を有する金型を用いて、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を加熱加圧成形して、FRP成形品を成形する(FRP成形品成形工程)。
このFRP成形品成形工程では、FRP成形品の成形温度を70〜150℃、成形圧力を0.1MPa〜10MPaとする。
(繊維補強熱硬化性樹脂成形材料がBMCの場合)
まず、一般的なBMC製造装置を用いて、補強用繊維に、熱硬化性樹脂と、重合性単量体と、低収縮剤と、硬化剤と、重合禁止剤と、内部離型剤と、増粘剤と、無機充填材とを所定の割合で配合し、混錬してなる熱硬化性樹脂成形材料を配合して、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を調製する(繊維補強熱硬化性樹脂成形材料調製工程)。
この繊維補強熱硬化性樹脂成形材料調製工程では、例えば、混練槽に、熱硬化性樹脂を投入し、ブレードを回転させながら、重合性単量体、低収縮剤、硬化剤、重合禁止剤、内部離型剤、増粘剤、無機充填材、および、所定の長さの補強用繊維などを適宜添加し、これらの材料を攪拌混練する。
その後、上述のSMCの場合と同様にして、必要に応じて熟成などを行う。
そして、上述のSMCの場合と同様にして、FRP成形品を成形する。
本発明のFRP成形品は、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を金型内で加熱加圧成形して成形され、繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を構成する無機充填材として、炭酸カルシウムと、その炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径であって、炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材αとの混合物が用いられ、かつ、炭酸カルシウムの配合割合は、無機充填材の全体積の20〜50体積%であるので、炭酸カルシウム粒子の周りが、炭酸カルシウム粒子よりも粒径が小さく、炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材αが取り囲むから、熱水や、洗剤に含まれるキレート剤によって、炭酸カルシウムが溶出するのを抑制することができ、耐熱水性および耐洗剤性に優れたものとなる。また、炭酸カルシウムの使用量を増やすことができるので、原材料のコストアップを最小限に抑えることができる。さらに、無機充填材の混合比率を調製するのみなので、従来と同様の工程で製造することができる。
原材料のコストアップを最小限に抑えるとともに、従来と同様の工程で製造可能であり、耐熱水性および耐洗剤性に優れたFRP成形品およびこれを用いた浴室用部材を提供する
「浴室用部材」
本発明の浴室用部材は、本発明のFRP成形品を、所定の厚み、所定の形状に成形してなる部材である。
本発明の浴室用部材は、本発明のFRP成形品を適用したものであるので、経年使用に伴う表面劣化が少なくなり、表面平滑性を維持できるので、汚れを落とし易いものである。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「SMCの調製」
実施例1〜7および比較例1〜6において、下記の通りSMCを調製した。
スチレンモノマーに溶解した不飽和ポリエステル樹脂(商品名:サンドーマ9415、ディーエイチ・マテリアル株式会社製)85質量部(スチレンモノマー含有量60質量%)と、スチレンモノマーに溶解したポリスチレン15質量部(スチレンモノマー含有量60質量%)との混合物の総量(100質量部)に対して、硬化剤(商品名:パーキュアHI、日本油脂株式会社製)1質量部、重合禁止剤としてパラベンゾキノン0.1質量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛4質量部、白色系着色剤10質量部、および、無機充填材150質量部を配合した。(熱硬化性樹脂と重合性単量体の配合比は、36質量部:64質量部であった。)
その後、この混合物を攪拌し、40℃まで昇温させた後、増粘剤として酸化マグネシウム1質量部を混合して、熱硬化性樹脂成形材料を調製した。
次いで、長さ2.54cm(1インチ)に切断されたガラス繊維に、熱硬化性樹脂成形材料を含浸させ、40℃にて、24時間の熟成、増粘を行い、SMCを調製した。
なお、SMCにおけるガラス繊維の配合量を22.5質量%とした。
「FRP成形品の成形」
実施例1〜7および比較例1〜6において、下記の通りFRP成形品を成形した。
220cm角の平板金型を用い、上述のようにして調製したSMCを加熱加圧成形して、FRP成形品を成形した。
このFRP成形品の成形では、チャージ面積(金型とSMCとの接触面積)0.05m、成形温度145℃、成形圧力9MPa、保圧時間5分とした。
実施例1〜7において、SMCを構成する各成分の配合量を表1に示すものとした。また、比較例1〜6において、SMCを構成する各成分の配合量を表2に示すものとした。
「実施例1」
無機充填材として、平均粒径26μmの炭酸カルシウム(A)と、平均粒径1.3μmであり、かつ、シラン系カップリング剤で表面処理を施した水酸化アルミニウム(A)とを用いて、SMCを調製した。
また、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で30:70(体積比で28:72)とした。
「実施例2」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で40:60(体積比で37:63)に調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「実施例3」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で50:50(体積比で47:53)に調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「実施例4」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と、平均粒径3.5μmであり、かつ、シラン系カップリング剤で表面処理を施した水酸化アルミニウム(B)とを用いて、SMCを調製した。
また、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(B)の配合割合を、質量比で30:70(体積比で28:72)とした。
「実施例5」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で22:78(体積比で20:80)に調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「実施例6」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で53:47(体積比で50:50)に調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「実施例7」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で30:70(体積比で28:72)に調製し、無機充填材の配合量を、熱硬化性樹脂成形材料の総量に対して100質量部とした以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「比較例1」
無機充填材として、平均粒径1.1μmの炭酸カルシウム(B)と、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム(C)とを用いて、SMCを調製した。
また、炭酸カルシウム(B)と水酸化アルミニウム(C)の配合割合を、質量比で30:70(体積比で28:72)とした。
「比較例2」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と、水酸化アルミニウム(C)とを用いて、SMCを調製した。
また、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(C)の配合割合を、質量比で30:70(体積比で28:72)とした。
「比較例3」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で57:43(体積比で54:46)に調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「比較例4」
無機充填材として、水酸化アルミニウム(C)のみを用いて、SMCを調製した。
「比較例5」
無機充填材として、炭酸カルシウム(B)のみを用いて、SMCを調製した。
「比較例6」
無機充填材として、炭酸カルシウム(A)と水酸化アルミニウム(A)の配合割合を、質量比で20:80(体積比で18:82)に調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして、SMCを調製した。
「試験方法」
実施例1〜7および比較例1〜6にて成形したFRP成形品について、以下の試験を行った。
(1)洗剤によるFRP成形品の劣化
40℃に加温した浴室用中性洗剤(商品名:バスマジックリン、花王株式会社製)原液中に、FRP成形品を24時間または160時間浸漬した。
ここで、160時間の浸漬は、実使用10年間を想定したものである。
その後、洗剤原液中からFRP成形品を取り出し、表面を水洗いして、乾燥後、劣化サンプルとした。
(2)劣化サンプルのヘアカラーによる汚染試験
分光測色計(商品名:CM−2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いた分光測色法により、上記の(1)で浸漬時間を24時間とした劣化サンプルの表面の色度座標L、a、bの各値を測定した。
次に、劣化サンプルの表面劣化の状態を評価するために、劣化サンプルの表面に浸透性の高いヘアカラー(商品名:ビゲンクリームトーン7G、ホーユー株式会社製)を1時間載置し、十分拭取った後、1日放置した。
その後、再び、分光測色計を用いた分光測色法により、劣化サンプルの表面の色度座標L、a、bの各値を測定し、ヘアカラーによる汚染前後において、劣化サンプルの表面の色差(ΔE)を算出した。
結果を表1および表2に示す。
(3)劣化サンプルの擬似皮脂汚れによる汚染試験
分光測色計を用いた分光測色法により、上記の(1)で浸漬時間を160時間とした劣化サンプルの表面の色度座標L、a、bの各値を測定した。
次に、実際の汚れの落とし易さを評価するために、劣化サンプルの表面に擬似皮脂汚れを10分間載置した。
ここで、擬似皮脂汚れとしては、皮脂の組成に近いオレイン酸に、判別のために油溶性染料赤色225号(製品名:(特級)スダンIII、純正化学株式会社製)を5質量%分散させた溶液を用いた。
その後、浴室用中性洗剤にて、擬似皮脂汚れが付着した劣化サンプルの表面を洗浄し、乾燥した後、再び、分光測色計を用いた分光測色法により、劣化サンプルの表面の色度座標L、a、bの各値を測定し、擬似皮脂汚れによる汚染前後において、劣化サンプルの表面の色差(ΔE)を算出した。
結果を表1および表2に示す。
Figure 2011183569
Figure 2011183569
表1および表2に示したヘアカラーによる汚染試験の結果から、実施例1〜7のFRP成形品は、洗剤による劣化状態が、比較例4と同等であり、無機充填材として水酸化アルミニウムのみを用いた場合と同等の性能であることが確認された。すなわち、実施例1〜4のFRP成形品は、無機充填材として水酸化アルミニウムよりも安価な炭酸カルシウムを用いて、水酸化アルミニウムのみを用いた場合と同等の性能を発揮するので、材料コストを抑えて、従来と同等の性能を発揮することができる。
また、実施例1と、比較例1または2とを比較すると、炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムの粒径の比率を調整することによって、劣化が少なく、汚染され難いFRP成形品が得られることが分かった。
また、表1および表2に示した擬似皮脂汚れによる汚染試験の結果から、実施例1〜7のFRP成形品は、比較例1〜3および比較例5〜6と比較して、擬似皮脂汚れを落としやすいことが確認された。この中で、比較例6については、配合後の粘度が高くなり過ぎたために、繊維への含浸不良や膨れが発生し、良好な成形品が得られなかった。
以上の結果から、実施例1〜7のFRP成形品を使用することで、実使用10年相当でも、使用開始時と同等の汚れ除去性を維持することができる。

Claims (5)

  1. 繊維補強熱硬化性樹脂成形材料を金型内で加熱加圧成形して成形されたFRP成形品であって、
    前記繊維補強熱硬化性樹脂成形材料は、補強用繊維と、熱硬化性樹脂および重合性単量体を含んでなる樹脂組成物と、低収縮剤と、硬化剤と、重合禁止剤と、増粘剤と、無機充填材とを含んでなり、
    前記無機充填材の配合量は、前記樹脂組成物と前記低収縮剤の総量に対して100〜200質量部であり、
    前記無機充填材として、炭酸カルシウムと、該炭酸カルシウムの粒径の1/3以下の粒径であって、前記炭酸カルシウムとは組成の異なる無機充填材αとの混合物が用いられ、かつ、前記炭酸カルシウムの配合割合は、前記無機充填材の全体積の20〜50体積%であることを特徴とするFRP成形品。
  2. 前記炭酸カルシウムは、レーザー回折散乱法による粒度分布測定によって測定された粒径毎の体積分布において、累積50%に相当する粒径が10μm〜50μmのものであることを特徴とする請求項1に記載のFRP成形品。
  3. 前記無機充填材αは、水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のFRP成形品。
  4. 前記無機充填材αは、シラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤により表面処理されたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のFRP成形品。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のFRP成形品を用いてなることを特徴とする浴室用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111040405A (zh) * 2019-12-30 2020-04-21 无锡新宏泰电器科技股份有限公司 一种高耐压团状模塑料及其制备方法
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