JP2005082612A - アクリル系樹脂成形材料 - Google Patents

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JP2005082612A JP2003312711A JP2003312711A JP2005082612A JP 2005082612 A JP2005082612 A JP 2005082612A JP 2003312711 A JP2003312711 A JP 2003312711A JP 2003312711 A JP2003312711 A JP 2003312711A JP 2005082612 A JP2005082612 A JP 2005082612A
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Takashi Nakabayashi
孝氏 中林
Hideki Furuya
秀樹 古屋
Hiroyuki Tajima
広行 田嶋
Masayoshi Murao
正義 村尾
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Abstract

【課題】高い機械的強度と透明性および光沢を付与し、耐候性および耐煮沸性に優れた成形品を得ることができる人造大理石用アクリル系樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%とからなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部、重合開始剤(D)0.1〜5.0重量部を必須成分とする混合物からなる樹脂組成物を離型性フィルムで被覆し、10〜60℃の温度条件下で熟成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、人造大理石用アクリル系樹脂成形材料に関する。さらに詳しくは、高い機械的強度と透明性および光沢を付与し、耐候性および耐煮沸性に優れ、使用時の紫外線および煮沸等による劣化も少なく、しかも加圧成形が容易な人造大理石用アクリル系樹脂成形材料に関する。
(メタ)アクリル系樹脂に無機充填材を配合した(メタ)アクリル系人造大理石は、成形品外観、耐候性等に優れるとともに居住空間におけるスチレンフリー化に対応する材料として、浴槽、洗面ボウル、キッチンカウンター等に用いられている。
しかしながら、(メタ)アクリル系樹脂の屈折率は水酸化アルミニウム等の無機フィラー類とは異なるため、成形品が白く濁り透明性が失われるという欠点が生ずる。特に加飾材を配合した場合、柄の立体感が失われ高級感のある加飾効果が得られない。
上記の問題を解決するために種々検討がなされている。例えば、アクリル系人造大理石に透明性を付与するためにアクリル樹脂に近い屈折率のシリカ粉末を配合した注入成形用の樹脂組成物に関する技術が報告されているが(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、完全に透明に近い透明性に優れた成形体を得ることは難しい。
また、真空成形により製造したアクリルシートの裏面をFRP層により補強する技術を用いることにより、アクリルの透明層による深みと高級感のある成形品が得られている。(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。しかし、この方法ではアクリルシートの形状に自由度が無く少量多品種への対応が困難である点や、製造工程が煩雑で製品のコストアップにつながる点が問題となっている。さらに、メタクリル酸および/またはアクリル酸を必須成分とする(メタ)アクリル系重合体とアルミニウムキレートとからなる化合物を含有させることにより、アクリルシートとFRP材料との密着性を向上させる方法などもあるが(例えば、特許文献6参照)、未だ密着性が充分ではなく、落球衝撃試験等で剥離することがある。
一方、二軸混練機を使用し50℃以上にてアクリル系単量体とアクリル系重合体とを混合する高粘度アクリルシラップを製造する技術が提案されているが(例えば、特許文献7参照)、高粘度材料を扱うには特殊な設備が必要になり、しかもエネルギーコストも多く要する難点がある。
従って、現状汎用されている成形装置により容易に成形できる透明性成形材料、および透明感と高級感のある人造大理石製品が求められている。
特開平3−285854号公報 特開平4−275314号公報 特開平9−110498号公報 特開平8−134161号公報 特開平8−332680号公報 特開平7−247328号公報 特開平10−158332号公報
本発明は、上記の事情に鑑み為されたもので、従来から使用されている成形装置により容易に成形することが可能で、高い機械的強度と透明性および光沢を有する成形品を得ることができる人造大理石用アクリル系樹脂成形材料を提供することにある。
本発明者らは上記課題につき鋭意研究した結果、以下に示す特定組成の成形材料により、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、(1)メタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%とからなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部、重合開始剤(D)0.1〜5.0重量部を必須成分とする混合物からなる樹脂組成物を離型性フィルムで被覆し、10〜60℃の温度条件下で熟成することを特徴とするアクリル系樹脂成形材料。
(2)平均粒径0.05〜100μmの柄材(E)1〜50重量部をさらに混合してなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系樹脂成形材料。
(3)長さ1〜50mmの繊維補強材(F)1〜100重量部をさらに混合してなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1または2記載のアクリル系樹脂成形材料。
を要旨とする。
本発明のアクリル系樹脂成形材料は、高い機械的強度と透明性および光沢を有する成形品を付与し、耐候性や耐煮沸性に優れ、使用時の紫外線および煮沸等による劣化も少なく、しかも特殊な成形装置を必要とせず、汎用の成形機により容易に加圧成形を行うことができる。
本発明は、メタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%からなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部、および重合開始剤(D)0.1〜5.0重量部を必須成分とする混合物からなる樹脂組成物を離型性フィルムで被覆し温度10〜60℃、好ましくは30〜50℃の条件下で、所要時間熟成し樹脂組成物中のアクリルパウダーを溶解することにより、高い機械的強度と透明性および光沢を有する成形品を得るアクリル系樹脂成形材料を調製することができる。ここで、上記熟成時間は使用される上記成分(A)、(B)および(C)の組成割合、(D)成分の重合開始剤の種類や、温度などを考慮して実施されるが、通常6〜48時間程度であり、上記の30〜50℃の温度範囲では6〜24時間程度が好ましい。熟成温度が10℃よりも低い場合には、熟成に長時間を必要とし、生産性の点から好ましくなく、60℃を超える温度では熟成時間は短縮できるものの部分的にアクリル系単量体の高分子量化や架橋用単量体によるゲル化反応が進行する虞がある。
本発明によるアクリル系樹脂成形材料は、従来一般に使用される汎用のプレス成形機により、単独でまたは所望により複数を積層して成形を行うことができ、成形温度40〜150℃、圧力1〜10MPaの範囲で容易に成形でき所望の高い機械的強度と透明性および光沢を有するアクリル系樹脂成形品を得ることができる。
本発明は、従来透明性成形材料に充填剤として汎用されている溶融シリカに替えて、有機系充填剤としてアクリルパウダー(B)を使用し、これを樹脂組成物中に溶解し、増粘させることが特徴の一つであり、これにより機械的強度に優れ高い透明性を有するアクリル系樹脂成形材料およびその成形品を得ることができる。
本発明に使用されるアクリルパウダー(B)は、その形状は特に限定されないが通常は粒径0.1μm〜1.0mmのほぼ球形状のものが用いられる。その使用量はアクリルシラップ100重量部に対して、50〜300重量部の範囲で使用されるが、70〜200重量部が好ましい。50重量部よりも少ない場合は、所期の機械的強度、透明性が得られず、300重量部を超える量では、粘度が高くなり成形材料の調製が困難となり、機械的強度が低下する虞がある。
本発明における(メタ)アクリル系単量体(A1)は、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が例示できるが、これらに限定されるものでない。これらは、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
これら(メタ)アクリル系単量体は、アクリルシラップ(A)中20〜100重量%の範囲であり、好ましくは30〜90重量%である。20重量%未満であると、樹脂粘度が高くなりすぎて作業性が悪い。
本発明における(メタ)アクリル系重合体(A2)は、上記(メタ)アクリル系単量体(A1)を適宜重合したものが使用できる。重合方法としては懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等公知の方法を利用できる。(メタ)アクリル系重合体(A2)の重量平均分子量は、10,000〜600,000の範囲にあるものが機械的特性、成形性が良好で、30,000〜250,000の範囲であることが更に好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、得られる成形品の機械的物性が低下し、一方600,000を超えると、メタクリル酸メチル含有樹脂の粘度が高くなりすぎ作業性が低下するため好ましくない。また、(メタ)アクリル系単量体を部分重合しても良い。部分重合を行う際には、モノマー成分の重合反応を制御して、(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量およびアクリルシラップ全体における部分重合体の含有率を調節するために、連鎖移動剤を添加することができる。
上記連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグリコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(チオグリコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオン酸のアルキルエステル等のチオール化合物が好ましく用いられるが、特に限定されるものではない。これら連鎖移動剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記連鎖移動剤の使用量は、所望する(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。尚、ここでいう重量平均分子量とはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したものである。
上記(メタ)アクリル系重合体は、アクリルシラップ(A)中0〜80重量%の範囲で使用され、好ましくは10〜60重量%である。
また本発明に使用される架橋用単量体(C)は、多官能(メタ)アクリレート系モノマーが使用することができる。該多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、アリールメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
これらの架橋用単量体の使用量は、アクリルシラップ100重量部に対して1〜50重量部の範囲であり、3〜40重量部が好ましく、5〜30重量部が更に好ましい。1重量部未満であると、得られる成形品の耐熱性が低く、型から取り出す際に変形して不良品となる虞がある。また、成形品の光沢も冷却過程で著しく失われる。50重量部を超えると、成形品が硬く脆くなり耐衝撃性が低下して、運搬時の衝撃や硬い物が落下した際に割れて不良品となる虞がある。
本発明に使用される重合開始剤(D)は、加熱もしくは触媒の作用により自らもしくはその分解物が(メタ)アクリルシラップの活性部位と反応し、硬化反応を開始する作用を有する。このような重合開始剤は特に限定されないが、次のようなものが例示される。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−トリメチルベンジルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−イソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−アミルクメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が挙げられる。また、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独であるいは2種以上を適宜組合わせて用いてもよい。
これら重合開始剤の使用量もアクリルシラップの種類によって適宜選択されるが、通常は、アクリルシラップ100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であり、好ましくは0.5〜3.0重量部であり、さらに好ましくは1.0〜2.0重量部である。使用量が0.1重量部に満たない場合には、硬化が遅く、しかも充分に高分子量化や架橋反応が進まないため、耐熱性や強度物性の低下を招き、逆に5.0重量部を超えて使用しても、硬化速度は変わらず、コスト的な無駄になる他、重合開始剤によっては含まれる可塑剤の影響により物性低下を招くこともある。
本発明において用いられる柄材(E)としては、具体的には、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク、ミルドファイバー、珪砂、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、寒水砂、アスベスト粉等の無機系充填剤、および、各種(色)染料を各種熱可塑及び熱硬化樹脂に混合し固化させたものの粉砕品や、ポリマービーズ等の有機系材料が挙げられる。上記柄材は、平均粒径0.05〜100μmの大きさのものが使用され、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また柄材の平均粒径等の形態は、特に限定されるものではない。
柄材の配合量は、アクリルシラップ100重量部に対して、1〜50重量部の範囲で用いられ、10〜50重量部の範囲内がより好ましい。柄材の配合量が1重量部未満の場合には、加える効果が発揮されない。柄材の配合量が50重量部を超えると、透明性が失われ本発明の効果が得られない。上記柄材は、さらに、アクリルシラップ界面との接着性を向上させるためにカップリング処理したものであってもよい。これにより、人工大理石成形品等の耐衝撃性、強度、耐水性等の物性を向上させることができる。これら、カップリング処理剤としては、特に限定されるものではないが、シラン系カップリング剤、クロム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明における繊維補強材(F)としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維、アラミドやポリエステル等からなる有機繊維、天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、繊維の形態は、ロービング、クロス、マット、織物、チョップドロービング、チョップドストランド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら繊維補強材は、長さ1〜50mmのものが用いられ、単独で用いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
繊維補強剤は所望に応じて使用され、その使用量に関しては、特に限定されないが、アクリルシラップ100重量部に対して、1〜100重量部の範囲とするのが好適である。1重量部未満では補強効果が無く、100重量部を超える場合は含浸性が悪くなり、結果的に充分な強度物性が得られない。
以下に、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
1.アクリルシラップの合成
合成例1(アクリルシラップ1の合成)
温度計、還流冷却機、定量ポンプ攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブル4つ口フラスコに、メタクリル酸メチル1000g、連鎖移動剤として1−ドデカンチオール(花王(株)製、商品名「チオカルコール20」)6gを投入した。次いで加熱し100℃まで昇温した。内容液の還流下に、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.15gをメタクリル酸メチル1000gに溶解した溶液を、3時間を要して一定速度で反応容器内に滴下して塊状重合を行った。滴下終了後1時間加熱を継続し、次いで重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(精工化学(株)製、商品名「スワノックス」)1gを加え重合を停止した。その後室温まで冷却してアクリルシラップ1を得た。該アクリルシラップ中のポリマー分子量は重量平均で200,000、シラップの粘度は200mPa・s、不揮発分(以下「NVM」と記す)は18%であった。粘度はJIS−K 6901に準じてB型粘度計(ブルックフィールド型粘度計)にて測定した値である(測定温度:25℃)。
合成例2 (アクリルシラップ2の合成)
タクリル酸メチル970g、メタクリル酸24g、連鎖移動剤として1−ドデカンチオール(花王(株)製、商品名「チオカルコール20」)6gを上記合成例1と同様の反応容器に投入した。次いで加熱し100℃まで昇温した。内容液の還流下に、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.15gをメタクリル酸メチル1800gに溶解して滴下する以外は合成例1と同様にして塊状重合を行ってアクリルシラップ2を得た。
該アクリルシラップ中のポリマー分子量は重量平均で100,000、粘度は6000mPa・s、NVM32%、酸価は8mgKOH/gであった。
2.アクリル系樹脂成形材料の調製
(1)成形材料1
合成例1で得たアクリルシラップ1を100部、アクリルパウダー(分子量10万、粒径0.1mm)150部、ジエチレングリコールジメタクリレート25部、重合開始剤(パーキュアーHOT、日本化薬(株)製)1部をプラネタリーミキサーにて攪拌混練して樹脂組成物を得た。これを離型性フィルム(ポリプロピレンフィルム)で被覆し、3mm程度の厚みになるように引き延ばした後、40℃の条件下に12時間熟成して樹脂組成物中のアクリルパウダーを完全に溶解させて成形材料(コンパウンドaとする)を得た。
(2)成形材料2
上記(1)の配合物に、石目チップ材(白、黒、クリーン、茶)を10部、水酸化アルミニウム(平均粒径15μm)30部加える他は、実施例1と同様に実施して成形材料(コンパウンドbとする)を得た。
(3)成形材料3
上記(1)の配合物に、ガラス繊維(繊維長6mm)を20部、水酸化アルミニウム(平均粒径15μm)30部加える他は、上記(1)と同様に実施して成形材料(コンパウンドcとする)を得た。
(4)成形材料4
上記(1)の配合においてアクリルパウダーの量を40部とした他は、上記(1)と同様に実施して成形材料(コンパウンドdとする)を得た。
(5)成形材料5
上記(1)の配合においてアクリルパウダーの量を350部とした他は、上記(1)と同様に実施し成形材料(コンパウンドeとする)を得た。
(6)成形材料6
上記(1)の配合においてジエチレングリコールジメタクリレートの量を100部とした他は、上記(1)と同様に実施して成形材料(コンパウンドfとする)を得た。
(7)成形材料7
上記の合成例2で得たアクリルシラップ2を100部、重合開始(パーキュアーHOT)1部、溶融シリカ(粒径8μm)200部をプラネタリーミキサーにて攪拌混練した後、真空ポンプにより脱泡処理を行い成形材料(コンパウンドgとする)を得た。
(8)成形材料8
上記(7)の配合に、石目チップ材(白、黒、クリーン、茶)を10部加える他は、上記(7)と同様に行って成形材料(コンパウンドhとする)を得た。
Figure 2005082612
実施例1
コンパウンドa 800gをシートから切り取り、離型フィルムであるポリプロピレンフィルムを除去した後、100t プレス成形機に設置した30cm×30cm平板用金型にセットし、製品面側の型温度130℃、裏面側の型温度125℃とし、成形圧力8MPaで7分間加熱・加圧成形した後、脱型し冷却し成形品を得た。
実施例2
コンパウンドb 800gを用いた以外は実施例1の方法と同様に加熱・加圧成形し成形品を得た。
実施例3
コンパウンドc 800gを用いた以外は実施例1の方法と同様に加熱・加圧成形し成形品を得た。
実施例4
コンパウンドd 800gを用いた以外は実施例1の方法と同様に加熱・加圧成形し成形品を得た。
実施例5
コンパウンドe 800gを用いた以外は実施例1の方法と同様に加熱・加圧成形し成形品を得た。
実施例6
コンパウンドf 800gを用いた以外は実施例1の方法と同様に加熱・加圧成形し成形品を得た。
実施例7
コンパウンドg 800gを30cm×30cmのガラス平板2枚を対向させてなる間隙7mmのセルの中に、流し込み、温度120℃で2時間加熱硬化させて成形品を得た。
実施例8
コンパウンドh 800gを用いた以外は実施例7の方法と同様に加熱・加圧成形し成形品を得た。
このようにして得られた成形材料(コンパウンド)の成形性および成形品の透明性、光沢性について以下の方法で評価し、その結果を表2に示す。
(1)成形性
成形性は成形材料(コンパウンド)のプレス成形時のバリの発生の状態を以下により評価をした。
評価 ◎:バリが無く、容易に加圧可能。
○:ややバリ出るが容易に成形可能。
△:ややバリが多く、所定の圧力で安定しない。
×:バリが多く、所定の圧力がかけられない。
(2)透明性
透明性は成形品の全光線透過率を NDH-1001DP(日本電色工業)により測定した。
評価 ◎:90以上
○:70〜90
△:50〜70
×:50以下
(3)光沢
光沢は光沢計:Z−300A(日本電色工業社製)により成形品の60°光沢を測定した。
評価 ◎:90以上
○:80〜90
△:70〜80
×:70以下
(表2)
Figure 2005082612

Claims (3)

  1. メタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%とからなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部、重合開始剤(D)0.1〜5.0重量部を必須成分とする混合物からなる樹脂組成物を離型性フィルムで被覆し、10〜60℃の温度条件下で熟成することを特徴とするアクリル系樹脂成形材料。
  2. 平均粒径0.05〜100μmの柄材(E)1〜50重量部をさらに混合してなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のアクリル系樹脂成形材料。
  3. 長さ1〜50mmの繊維補強材(F)1〜100重量部をさらに混合してなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1または2記載のアクリル系樹脂成形材料。
JP2003312711A 2003-09-04 2003-09-04 アクリル系樹脂成形材料 Pending JP2005082612A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016513741A (ja) * 2013-03-08 2016-05-16 アルケマ フランス 繊維性基材を含浸するための液体(メタ)アクリルシロップ、繊維性基材を含浸するための方法、及びこのプレ含浸基材の重合後に製造された複合材料
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