JP2005081602A - 高透明性アクリル系樹脂製品の成形方法 - Google Patents

高透明性アクリル系樹脂製品の成形方法 Download PDF

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孝氏 中林
Hideki Furuya
秀樹 古屋
Hiroyuki Tajima
広行 田嶋
Masayoshi Murao
正義 村尾
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Abstract

【課題】高い機械的強度と透明性および光沢を有し、耐候性および耐煮沸性に優れた成形品を得るアクリル系樹脂製品の成形方法を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%とからなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部を配合してなる混合物を10〜60℃の温度条件下で熟成してなるアクリル系樹脂成形材料(D1)と、上記(A)、(B)および(C)からなる混合物に重合開始剤(E)0.1〜5.0重量部を配合してなるアクリル系樹脂成形材料(D2)とを、アクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=30:70〜60:40(重量比)で併用し、該アクリル系樹脂成形材料(D1)と該アクリル系樹脂成形材料(D2)とを重ね合わせて温度40〜150℃、圧力1〜10MPaで加熱・加圧成形する
【選択図】 なし

Description

本発明は、高透明性アクリル系樹脂製品の成形方法に関する。さらに詳しくは、高い透明性と光沢および機械的強度を有し、耐候性および耐煮沸性等に優れた人造大理石製品として有用な高透明性アクリル系樹脂製品の成形方法に関する。
(メタ)アクリル系樹脂に無機充填材を配合した(メタ)アクリル系人造大理石は、成形品外観、耐候性等に優れるとともに居住空間におけるスチレンフリー化に対応する材料として、浴槽、洗面ボウル、キッチンカウンターに用いられている。
アクリル系人造大理石の成形方法は、例えば、特許文献1に代表されるように、樹脂、充填剤および硬化触媒から成る混合物を、成形型に注入して、常圧下で成形するという注型法をはじめ、特許文献2、特許文献3、特許文献4あるいは特許文献5に見られるように、増粘剤と増粘型ポリマーの混合物ならなるアクリル系樹脂成形材料を高温で加圧するプレス成形法へと成形方法が展開され、生産性の向上が図られている。しかしながら、これらのアクリル系樹脂成形材料の成形においては、硬化反応が不飽和ポリエステルに比べて急激で、高温成形ではその制御が難しく、またモノマーであるメチルメタクリレートの沸点が低く、成形温度に制約がある。
これらの問題に対し、成形温度が低くても容易に成形できるようなアクリル系樹脂成形材料の配合と成形条件が提示している(例えば、特許文献6参照)が、低温で成形する場合には、硬化剤の分解温度も低いものが選択されるためにアクリル系樹脂成形材料の長期保管が困難であり貯蔵性に欠けるという問題がある。
従って、プレス成形で容易に成形でき、しかも貯蔵性の高い透明性成形材料により、透明感と高級感のある人造大理石製品が求められている。
特公昭50−22586号公報 特開昭52−129722号公報 特開昭62−146930号公報 特公平1−46530号公報 特公平3−41097号公報 特開平9−194673号公報
本発明は、上記の事情に鑑み為されたもので、高い機械的強度と透明性および光沢を有し、耐候性および耐煮沸性等に優れたアクリル系樹脂製品の成形方法を提供することにある。
本発明者らは、貯蔵期間が限られている従来のBMCやSMCに代表されるアクリリ系樹脂成形材料において、特に少量多品種のアクリル系樹脂成形材料を大量に生産し貯蔵できない問題に対して、種々検討を重ね、貯蔵がし易く、特別な成形装置を使用する必要がなく従来一般に使用されている成形機により容易に成形が可能であり、高い機械的強度と透明性および光沢に優れた成形品を付与できる特定組成の成形材料を用いて成形することにより上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は
(1)メタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%からなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部を配合してなる混合物を10〜60℃の温度条件下で熟成してなるアクリル系樹脂成形材料(D1)と、上記(A)、(B)および(C)からなる混合物に、重合開始剤(E)0.1〜10重量部を配合してなるアクリル系樹脂成形材料(D2)とを、アクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=30:70〜60:40(重量比)で併用し、該アクリル系樹脂成形材料(D1)と該アクリル系樹脂成形材料(D2)とを重ね合わせて温度40〜150℃、圧力1〜10MPaで加熱・加圧成形することを特徴とする成形方法。
(2)前記アクリル系樹脂成形材料(D1)とアクリル系樹脂成形材料(D2)とを、アクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=2:3〜7:8の枚数比で交互に重ね合わせて成形することを特徴とする請求項1記載の成形方法。
(3)前記アクリル系樹脂成形材料(D1)および(D2)は、さらに粒径0.05〜100μmの柄材(F)を1.0〜50重量部混合されてなることを特徴とする請求項1または2記載の成形方法。
(4)前記アクリル系樹脂成形材料(D1)および(D2)は、さらに長さ1〜50mmの繊維補強材(G)を1〜100重量部混合されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形方法。
を要旨とするものである。
本発明の方法によれば、高い機械的強度と透明性および光沢を有する高級感のあるアクリル系樹脂製品を得ることができる。また本発明の方法は、成形材料の貯蔵管理がし易く、従来一般に使用されている成形機で容易に成形が可能で、少量多品種の成形品の生産に対応することができ生産コストも低減できる。
本発明は、アクリル系樹脂成形材料を成形するに際して、上記した特定の樹脂組成物からなる重合開始剤(硬化剤)を配合しないアクリル系樹脂成形材料(D1)と、重合開始剤(硬化剤)を配合したアクリル系樹脂成形材料(D2)とを調製し、これらを交互に複数重ね合わせて成形する成形方法に関する。
本発明において、上記アクリル系樹脂成形材料(D1)とアクリル系樹脂成形材料(D2)は、重量比でアクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=30:70〜60:40の範囲で使用され、好ましくは40:60〜50:50で使用される。また、重ね合わせる枚数は、枚数比でアクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=2:3〜7:8であり、好ましくは4:5〜5:6である。なお、本発明の方法においては、上記アクリル系樹脂成形材料(D1)が最外部に配置されるように重ね合わせて成形することが好ましい。
上記した重量比および枚数の比よりもアクリル系樹脂成形材料(D1)の比率が多い場合には、成形時に硬化が進行せず硬化不足になり、所定の物性や優れた外観を有する成形品が得られない。また逆に、上記の重量比および枚数の比よりもアクリル系樹脂成形材料(D2)の比率が多い場合には、成形時の硬化性は良くなる傾向を示すが、成形に長時間を要すること、長期貯蔵が可能なアクリル系樹脂成形材料の量が少なくなり、本発明の目的を達成することが困難となる。
本発明におけるアクリル系樹脂成形材料(D1)および(C2)を構成する(メタ)アクリル系単量体(A1)は、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が例示できるが、これらに限定されるものでない。これらは、2種類以上を適宜混合して用いても良い。
上記(メタ)アクリル系単量体(A1)は、アクリルシラップ(A)中20〜100重量%の範囲で使用され、好ましくは30〜90重量%である。20重量%未満であると、樹脂粘度が高くなり過ぎて作業性が悪くなり好ましくない。
本発明におけるアクリル系樹脂成形材料(D1)および(C2)を構成する(メタ)アクリル系重合体(A2)は、上記(メタ)アクリル系単量体(A1)を適宜重合したものが使用できる。重合方法としては懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等公知の方法を利用できる。その重量平均分子量は、10,000〜600,000の範囲にあるものが機械的特性、成形性が良好で、30,000〜250,000の範囲であることが更に好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、得られる成形品の機械的物性が低下し、600,000を超えると、メタクリル酸メチル含有樹脂の粘度が高くなり過ぎ作業性が低下するため好ましくない。また、(メタ)アクリル系単量体を部分重合しても良い。上記部分重合を行う際には、モノマー成分の重合反応を制御して、(メタ)アクリル系単量体の重量平均分子量およびアクリルシラップ全体における部分重合体の含有率を調節するために、連鎖移動剤を添加することができる。
上記連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグリコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(チオグリコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオン酸のアルキルエステル等のチオール化合物が好ましく用いられるが、特に限定されるものではない。これら連鎖移動剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記連鎖移動剤の使用量は、所望する(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。尚、ここでいう重量平均分子量とはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したものである。
本発明において(メタ)アクリル系重合体(A2)の使用量は、アクリルシラップ中0〜80重量%であり、好ましくは10〜60重量%である。
本発明のアクリル系樹脂成形材料(D1)および(C2)を構成するアクリルパウダー(B)は、その形状は特に限定されないが通常は粒径0.1μm〜1.0mmのほぼ球形状のものが用いられる。アクリルパウダー(B)は、アクリルシラップ100重量部に対して、50〜300重量部の範囲で使用されるが、70〜200重量部が好ましい。50重量部よりも少ない場合は、所期の機械的強度、透明性が得られず、300重量部を超える量では、粘度が高くなり成形材料組成物の調製が困難となり、機械的強度が低下する虞がある。
また本発明のアクリル系樹脂成形材料(D1)に使用される架橋用単量体(C)は、多官能(メタ)アクリレート系モノマーを使用することができる。該多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、アリールメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
これらの架橋用単量体の使用量は、アクリルシラップ100重量部に対して1〜50重量部の範囲であり、3〜40重量部が好ましく、5〜30重量部が更に好ましい。1重量部未満であると、得られる成形品の耐熱性が低く、型から取り出す際に変形して不良品となる虞がある。また、成形品の光沢も冷却過程で著しく失われる。50重量部を超えると、成形品が硬く脆くなり耐衝撃性が低下して、運搬時の衝撃や硬い物が落下した際に割れて不良品となる虞がある。
本発明のアクリル系樹脂成形材料(D2)に使用される重合開始剤(D)は、加熱もしくは触媒の作用により自らもしくはその分解物が(メタ)アクリルシラップの活性部位と反応し、硬化反応を開始する作用を有する。このような重合開始剤は特に限定されないが、次のようなものが例示される。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−トリメチルベンジルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−イソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−アミルクメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が挙げられる。また、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独であるいは2種以上を適宜組合わせて用いてもよい。
これら重合開始剤の使用量もアクリルシラップの種類によって適宜選択されるが、通常は、アクリルシラップ100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であり、好ましくは0.5〜3.0重量部であり、さらに好ましくは1.0〜2.0重量部である。使用量が0.1重量部に満たない場合には、硬化が遅く、しかも充分に高分子量化や架橋反応が進まないため、耐熱性や強度物性の低下を招き、逆に5.0重量部を超えて使用しても、硬化速度は変わらず、コスト的な無駄になる以外、重合開始剤によっては含まれる可塑剤の影響により物性低下を招くこともある。
本発明においてさらに所望に応じて柄材(E)やガラス繊維などの繊維補強材(F)を使用することができる。柄材(E)としては、具体的には、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク、ミルドファイバー、珪砂、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、寒水砂、アスベスト粉等の無機系充填剤、および、各種(色)染料を各種熱可塑及び熱硬化樹脂に混合し固化させたものの粉砕品や、ポリマービーズ等の有機系材料が挙げられる。
上記柄材は、平均粒径0.05〜100μmの大きさのものが使用され、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また柄材の平均粒径等の形態は、特に限定されるものではない。
柄材の配合量は、アクリルシラップ100重量部に対して、1〜50重量部の範囲で用いられ、10〜50重量部の範囲内がより好ましい。柄材の配合量が1重量部未満の場合には、効果が発揮されない。柄材の配合量が50重量部を超えると、透明性が失われ本発明の効果が得られない。上記柄材は、さらに、アクリルシラップ界面との接着性を向上させるためにカップリング処理したものであってもよい。これにより、人工大理石成形品等の耐衝撃性、強度、耐水性等の物性を向上させることができる。これら、カップリング処理剤としては、特に限定されるものではないが、シラン系カップリング剤、クロム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明における繊維補強材(F)としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維、アラミドやポリエステル等からなる有機繊維、天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、繊維の形態は、ロービング、クロス、マット、織物、チョップドロービング、チョップドストランド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら繊維補強材は、長さ1〜50mmのものが用いられ、単独で用いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
繊維補強材は所望に応じて使用され、その使用量に関しては、特に限定されないが、アクリルシラップ100重量部に対して、1〜100重量部の範囲とするのが好適である。1重量部未満では補強効果が無く、100重量部を超える場合は含浸性が悪くなり、結果的に充分な強度物性が得られない。
以下に、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
1.アクリルシラップの合成
温度計、還流冷却機、定量ポンプ攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブル4つ口フラスコに、メタクリル酸メチル1000g、連鎖移動剤としての1−ドデカンチオール(花王(株)製、商品名「チオカルコール20」)6gを投入した。次いで加熱し100℃まで昇温した。内容液の還流下に、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.15gをメタクリル酸メチル1000gに溶解した溶液を、3時間を要して一定速度で反応容器内に滴下して塊状重合を行った。滴下終了後1時間加熱を継続し、次いで重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(精工化学(株)製、商品名「スワノックス」)1gを加え重合を停止した。その後室温まで冷却してアクリルシラップを得た。該アクリルシラップ中のポリマー分子量は重量平均で200,000、シラップの粘度は200mPa・s、不揮発分(以下「NVM」と記す)は18%であった。粘度はJIS−K 6901に準じてB型粘度計(ブルックフィールド型粘度計)にて測定した値である(測定温度:25℃)。
2.アクリル系樹脂成形材料の調製
(1)アクリル系樹脂成形材料1
上記で得たアクリルシラップを100部、アクリルパウダー(分子量10万、粒径0.1mm)150部、ジエチレングリコールジメタクリレート25部をプラネタリーミキサーにて攪拌混練し、これをポリプロピレンフィルムで被覆し、3mm程度の厚みになるように引き延ばした後、40℃の条件下で8時間熟成してアクリル系樹脂成形材料中のアクリルパウダーを完全に溶解させてアクリル系樹脂成形材料1を得た(a−0とする)。
(2)アクリル系樹脂成形材料2
上記(1)の配合に、重合開始剤(パーキュアーHOT)1部加える以外は、上記(1)と同様にしてアクリル系樹脂成形材料2を得た(a−1とする)。
(3)アクリル系樹脂成形材料3
上記(1)の配合において、さらに石目チップ材(白、黒、クリーン、茶)を10部、水酸化アルミニウム(平均粒径15μm)30部加える以外は、上記(1)のアクリル系樹脂成形材料1の配合および調製方法に従ってアクリル系樹脂成形材料3を得た(b−0とする)。
(4)アクリル系樹脂成形材料4
上記(3)の配合において、重合開始剤(パーキュアーHOT)1部加える以外は、上記(3)と同様にしてアクリル系樹脂成形材料4を得た(b−1とする)。
(5)アクリル系樹脂成形材料5
上記(1)の配合において、さらにガラス繊維(繊維長6mm)を20部、水酸化アルミニウム(平均粒径15μm)30部加える以外は、上記(1)のアクリル系樹脂成形材料1の配合および製造方法に従ってアクリル系樹脂成形材料5を得た(c−0とする)。
(6)アクリル系樹脂成形材料6
上記(5)の配合に、重合開始剤(パーキュアーHOT)1部加える以外は、上記(5)と同様にしてアクリル系樹脂成形材料6を得た(c−1とする)。
このようにして得られた成形用アクリル系樹脂成形材料の貯蔵性について以下の方法で評価し、その結果を表-1に示す。
3.アクリル系樹脂成形材料の評価方法
貯蔵性:前記の各々のアクリル系樹脂成形材料を40℃の環境下で、0.1kg/cmの荷重をかけ、1ヶ月放置後の状態を観察した。
評価 ○ 変化無し。
△ 部分的(面積の30%以下)に硬化物が発生した。
× ほぼ全面に硬化物が発生した。
Figure 2005081602
実施例1
アクリル系樹脂成形材料a−0 600gとアクリル系樹脂成形材料a−1 400gをシートから切り取り、a−0を150g×4枚、a−1を80g×5枚に等分し、それぞれ離型フィルムを除去した後、100t プレス成形機に設置した30cm×30cm平板用金型に、a−1/a−0/a−1・・・の順でセットし、製品面温度130℃、裏面温度125℃、成形圧力8MPaで7分間加熱・加圧した後、脱型し冷却した。
実施例2
アクリル系樹脂成形材料a−0およびa−1の替わりに、b−0およびb−1のアクリル系樹脂成形材料を用いる以外は、実施例1と同様の方法により加熱・加圧成形した。
実施例3
アクリル系樹脂成形材料a−0およびa−1の替わりに、c−0およびc−1のアクリル系樹脂成形材料を用いる以外は、実施例1と同様の方法により加熱・加圧成形した。
比較例1
アクリル系樹脂成形材料a−0およびa−1の替わりに、a−1のアクリル系樹脂成形材料のみを1000g用いる以外は、実施例1と同様の方法により加熱・加圧成形した。
比較例2
アクリル系樹脂成形材料b−0およびb−1の替わりに、b−1のアクリル系樹脂成形材料のみを1000g用いる以外は、実施例1と同様の方法により加熱・加圧成形した。
比較例3
アクリル系樹脂成形材料c−0およびc−1の替わりに、c−1のアクリル系樹脂成形材料のみを1000g用いる以外は、実施例1と同様の方法により加熱・加圧成形した。
比較例4
アクリル系樹脂成形材料a−0 600gとアクリル系樹脂成形材料a−1 400gをシートから切り取り、a−0は600g×1枚、a−1は200g×2枚に等分して用いる以外は、実施例1の方法により加熱・加圧成形した。
比較例5
アクリル系樹脂成形材料a−0 600gとアクリル系樹脂成形材料a−1 400gをシートから切り取り、a−0は75g×8枚、a−1は44g×9枚に等分して用いる以外は、実施例1の方法により加熱・加圧成形した。
比較例6
アクリル系樹脂成形材料a−0 800gとアクリル系樹脂成形材料a−1 200gをシートから切り取り、a−0を200g×4枚、a−1を40g×5枚に等分して用いる以外は、実施例1の方法により加熱・加圧成形した。
比較例7
アクリル系樹脂成形材料a−0 200gとアクリル系樹脂成形材料a−1 800gをシートから切り取り、a−0を50g×4枚、a−1を160g×5枚に等分して用いる以外は、実施例1の方法により加熱・加圧成形した。
各実施例において得られた成形物の曲げ特性および、成形材料(コンパウンド)の生産性について以下の方法で評価した。その結果を表-2に示す。
4.成形物の曲げ特性および生産性の評価方法
4−1.曲げ強度及び曲げ弾性率は、JIS K 7203に準じて測定した。
試験片の高さhおよび幅Wを、マイクロメーターを用いてそれぞれ0.01mmまで、正確に測る。次に16h±0.5mmの支店間距離Lで試験片を支え、その中央に圧力くさびで荷重を加え、試験片が折れたときの荷重Pを1Nまで測定する。
この評価で用いた試験片のサイズは、高さh=6mm、幅W=10mm、長さL=120mm
荷重速度V(mm/min)は、 V=h/2・t ±0.2 (t:時間 1min)
曲げ強度σ(MPa)= (3PL)/(2Wh
曲げ弾性率E(MPa)= ((L )/(4Wh))×((F/Y)
F/Y:荷重-たわみ曲線の直線部分の勾配 (N/mm)
4−2.外観
目視により、光沢ムラがないか検査した。
4−3.生産性
4−3−1 成形材料の調製時間
○ :必要重量の半分以上が長期保存型アクリル系樹脂成形材料(硬化剤無し)であるの
で、造り貯めが可能で、残りの半分未満を製造することで納期に対応できる。
△ :必要重量の30〜50重量%が長期保存型アクリル系樹脂成形材料(硬化剤無し)
であるので、造り貯めが可能で、残りの50〜70重量%を製造することで納期に対
応できる。
× :必要重量の30重量%未満が長期保存型アクリル系樹脂成形材料(硬化剤無し)で
あるので、殆ど造り貯めが不可能である。
4−3−2 成形材料の成形時間
○:成形材料取り出しから成形・脱型まで15分未満。
△:成形材料取り出しから成形・脱型まで15〜20分未満。
×:成形材料取り出しから成形・脱型まで20分以上。
Figure 2005081602
Figure 2005081602

Claims (4)

  1. メタクリル酸メチルを主成分とする(メタ)アクリル系単量体(A1)100〜20重量%と(メタ)アクリル系重合体(A2)0〜80重量%からなるアクリルシラップ(A)100重量部に、アクリルパウダー(B)50〜300重量部、架橋用単量体(C)1〜50重量部を配合してなる混合物を10〜60℃の温度条件下で熟成してなるアクリル系樹脂成形材料(D1)と、上記(A)、(B)および(C)からなる混合物に、重合開始剤(E)0.1〜10重量部を配合してなるアクリル系樹脂成形材料(D2)とを、アクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=30:70〜60:40(重量比)で併用し、該アクリル系樹脂成形材料(D1)と該アクリル系樹脂成形材料(D2)とを重ね合わせて温度40〜150℃、圧力1〜10MPaで加熱・加圧成形することを特徴とする成形方法。
  2. 前記アクリル系樹脂成形材料(D1)とアクリル系樹脂成形材料(D2)とを、アクリル系樹脂成形材料(D1):アクリル系樹脂成形材料(D2)=2:3〜7:8の枚数比で交互に重ね合わせて成形することを特徴とする請求項1記載の成形方法。
  3. 前記アクリル系樹脂成形材料(D1)および(D2)は、さらに粒径0.05〜100μmの柄材(F)を1.0〜50重量部混合されてなることを特徴とする請求項1または2記載の成形方法。
  4. 前記アクリル系樹脂成形材料(D1)および(D2)は、さらに長さ1〜50mmの繊維補強材(G)を1〜100重量部混合されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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