JP3917385B2 - 乗客コンベアのくし板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレーターや動く歩道等の乗客コンベアに係り、特に、車いすや荷物用カート等の前車輪付き運搬体の通行に好適な乗客コンベア用くし板の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エスカレーター等の乗客コンベアは、上階側と下階側とに跨って設置され、上下の乗降床間に無端状に連結配置した複数の踏板を回動させる構成であり、この踏板上に車いすを搭載(例えば特開平1−87490号公報)したり、カートを搭載(例えば特開昭57−18565号公報)する利用形態が知られている。そして、乗降床と踏板との境界の通行上有害な段差障害を改善する試みとして特開平4−129991号公報に開示されたくし板の構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の乗客コンベア用くし板は、車いすやカート等の車輪付き運搬体の踏板上から乗降床上への移行障害による添乗者や利用者の転倒、このくし板から踏板上に移行する際の足元の滑りと、これに伴う転倒事故の誘発、という安全上の問題があった。また、これらの障害解消策としてくし板の上面を徒らに緩傾斜角度にすると、くし板自身の全長が長くて必然的に強度が低下し、歯先だけでなく根元までが破損しやすくなるという問題もあった。さらに、弱視など視覚障害者にとっては、固定物である乗降床と移動物である踏板の境界を視認できず、ここで転倒する事故が多発する問題もあった。
【0004】
本発明の目的は、乗客及び運搬体の乗降に際し、くし板が形状的、視覚的に効果を発揮し、結果的に安全に通行できる高強度のくし板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、一方の乗降床と他方の乗降床とに跨って設置された枠体と、これら乗降床間に配置され、無端状に形成されて移動する踏板と、この乗降床と踏板との境界に配置されたくし板を備えた乗客コンベアにおいて、前記くし板をアルミニウム合金等の金属製とする一方、その上面を前記乗降床の先端よりも前記踏板側を緩傾斜面、前記乗降床の先端の上側をこの緩傾斜面よりも急角度な急傾斜面の少なくとも二傾斜面で構成し、かつ前記くし板の緩傾斜面と急傾斜面が交わる所には、両傾斜面を区分する凹状の境界部を設け、さらに前記くし板の表面全体に、多数の梨地状の凹凸部を備えたものである。
【0006】
上記の構成は、降り口側の乗降床付近において運搬体の前車輪が踏板上からくし板に乗り上げる際に、このくし板の緩傾斜面に沿って緩やかに案内された状態で軽い押し力で乗り上げることができ、いったん乗り上げると、その勢いで次の急傾斜面を楽に通過できるようになる。そして、乗り口側においては、上記の急傾斜面上に足をのせた乗客の靴底が万一滑ったとしても、その先にある平面に近い緩傾斜面で更なる滑り動作が食い止められるほか、梨地状の凹凸部と靴底との摩擦抵抗でも滑り動作が食い止められ、転倒事故に至る危険性を少なくすることができる。また、上記のように、緩傾斜面の延長線上に急傾斜面が存在して、この急傾斜分だけくし板の根元部分の実質的な板厚を増加させ得るほか、従来一般に用いられてきた合成樹脂製に比べて材質的にも強度の高いものとすることができる。さらに、少なくとも二傾斜面とした構成は、乗客コンベアの天井からの照明光を角度が異なる緩傾斜面と急傾斜面によって二方向に乱反射させることになり、単純な一斜面のものに比べてくし板の存在を鮮明に光表現できて固定物(乗降床、くし板)から移動物(踏板)への移行、あるいは、この逆動作の場合の境界明示用注意目印として安全上有効に機能する一方、二傾斜面の段差境界部は、隣合うくし板同士の位置合せの目印となり、その組付け作業が容易となる効果がある。加えて、前記梨地状の凹凸部は、滑り止めという直接効果のほかに、光の乱反射を助長し、視覚的な境界表示効果を高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1〜図4に沿って説明する。一般に、エスカレーター式乗客コンベア1は、次のように構成されている。すなわち、下階2と上階3とに跨って設置された枠体4の長手方向の両端部に下部乗降床5と上部乗降床6とを設け、これら両乗降床5、6間の下部曲線路7、傾斜路8及び上部曲線路9を無端状の踏板10群を回動させている。この各踏板10の両端には、欄干11とハンドレール12が配置され乗客保護のための側壁を形成している。そして、両乗降床5、6の先端部の踏板10との境界部分には、踏板10の凹凸溝10Aと精緻に噛み合う歯先13Aを有するくし板13がビス14によって固設されている。
【0008】
ここで、本発明のくし板13は、その全長Lの半分強である長さLa分が下部乗降床5(上部乗降床6側も同様である)の先端5Aの前方において乗客輸送のために露出する踏板10側に向けて突出しており、この突出長さLaの大半に、乗降床水平線Mに対して角度θ1が10〜15度程度の緩傾斜面13Bを、先端5Aの上側には、この緩傾斜面13Bよりも急角度な、例えば角度θ2が15〜20度程度の急傾斜面13Cを、さらに緩傾斜面13Bと急傾斜面13Cとの境界には、両傾斜角度の相違により凹状をなす境界部13Dと、くし板13の全表面には、踏板10及び下部乗降床5(上部乗降床6も同様である)とは、表面光沢が異なるように設定された梨地状(あるいは交錯線状)の凹凸部13Eを細かく設けている。
【0009】
そして、緩傾斜面13Bでは、従来一般的となっていた凸状上面(図3の想像線X)に運搬体の前車輪(図3の想像線Y)が乗り上げる際の両者の接触点Zにおける衝突ショックを和らげる効果を発揮するものである。さらに、急傾斜面13Cでは、先端5Aの上側付近の実質的な板厚Tを増し、強度を高くする効果を発揮するもので、例えば単純に緩傾斜面13Bの傾斜線を延長(図3の想像線N)させた場合に比べてくし板13の根元部分が厚くなり、破損しにくい構成となっている。
【0010】
一方、通常は角度θ3が5度程度で傾斜する下部乗降床5から踏板10に向けて歩行してきた乗客の靴底が急傾斜面13Cで万一滑った場合には、これよりも緩く、水平に近い傾斜角度の緩傾斜面13Bと凹凸部13Eでその滑りを食い止める効果を発揮するものである。これらの効果に加えて、上記の少なくとも二傾斜面を組合せた上で凹凸部13Eを設けた構成は、乗降口付近の照明光を異角度の斜面と凹凸面に分散して反射させ、転倒事故が多発する固定物と移動物の境界明示用注意目印として安全増しに寄与するほか、増界部13Dは隣合うくし板3同士の左右位置の位置(横並び位置)決め目印となって、それの組付け作業が容易となる効果もある。
【0011】
また、くし板13の全長L、すなわち緩傾斜面13Bと急傾斜面13Cの全上面に設けられた梨地状の凹凸部13Eにより、上記の滑り防止と境界明示のための視覚的表示区分を行う機能を備えている。なお、くし板13の材質は、成形性と強度に優れるアルミニウム合金のダイキャスト成型が適しており、例えば着色溝13Fを設け、ここに着色してくし板の存在と境界をより鮮明に表現することも可能である。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、乗客及び運搬体の乗降が容易で、安全に通行できるくし板を備えた乗客コンベア用くし板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる乗客コンベアを示す全体斜視図。
【図2】図1の要部を拡大した概略斜視図。
【図3】図2のI−I線に沿う断面図。
【図4】図3のII−II線に沿う部分断面図。
【符号の説明】
1…乗客コンベア、2…下階、3…上階、4…枠体、5…下部乗降床、6…上部乗降床、10…踏板、13…くし板、13A…歯先、13B…緩傾斜面、13C…急傾斜面、13D…境界部、13E…凹凸部、13F…着色溝、14…ビス。
Claims (1)
- 一方の乗降床と他方の乗降床とに跨って設置された枠体と、これら乗降床間に配置され、無端状に形成されて移動する踏板と、この乗降床と踏板との境界に配置されたくし板を備えた乗客コンベアにおいて、前記くし板を金属製とし、その上面を前記乗降床の先端よりも前記踏板側を緩傾斜面、前記乗降床の先端の上側をこの緩傾斜面よりも急角度な急傾斜面の少なくとも二傾斜面の組み合せで構成し、かつ前記くし板の緩傾斜面と急傾斜面が交わる所には、この両傾斜面を区分する凹状の境界部を設け、さらに前記くし板の表面全体に、前記踏板及び乗降床とは表面光沢が異なるように設定された多数の梨地状の凹凸部を備えたことを特徴とする乗客コンベアのくし板。
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JP2001122769A JP3917385B2 (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 乗客コンベアのくし板 |
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JP2001122769A JP3917385B2 (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 乗客コンベアのくし板 |
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JP2002316786A JP2002316786A (ja) | 2002-10-31 |
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Family
ID=18972428
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JP2001122769A Expired - Lifetime JP3917385B2 (ja) | 2001-04-20 | 2001-04-20 | 乗客コンベアのくし板 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103213897A (zh) * | 2013-04-02 | 2013-07-24 | 康力电梯股份有限公司 | 一种扶梯梳齿板前沿板固定结构 |
-
2001
- 2001-04-20 JP JP2001122769A patent/JP3917385B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103213897A (zh) * | 2013-04-02 | 2013-07-24 | 康力电梯股份有限公司 | 一种扶梯梳齿板前沿板固定结构 |
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