JP3908611B2 - 電圧非直線性抵抗体磁器組成物および電子部品 - Google Patents

電圧非直線性抵抗体磁器組成物および電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば積層チップバリスタのバリスタ機能層としての電圧非直線性抵抗体層などとして用いられる電圧非直線性抵抗体磁器組成物と、該電圧非直線性磁器組成物を電圧非直線性抵抗体層として用いる電子部品とに、関する。
【0002】
【従来の技術】
電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品の一例としてのバリスタは、たとえば静電気などの外来サージ(異常電圧)やノイズなどを、吸収または除去するために使用されている。
【0003】
近年のディジタル信号の高速化および通信速度の高速化に伴い、信号に対する影響の少ない低静電容量のバリスタが望まれている。
【0004】
静電容量は、C=εε(S/d)…式1、で表される。Cは静電容量、εは真空の誘電率、εは比誘電率、Sは静電容量が発現する対向電極の面積、dは対向電極間の厚みを表している。酸化亜鉛系バリスタの場合、厚みdの取り扱いに注意を要する。酸化亜鉛系バリスタは、結晶粒界により特性が発現する。すなわち、粒界の抵抗と粒内の抵抗には、定常状態に於いて大きな差があり、粒界の抵抗は粒内のそれに比較してはるかに大きい。従って、ブレークダウン電圧(立ち上がり電圧)を超えない定常状態では、印加された電界はほぼ全てが粒界にかかっている。したがって、上述した厚みdは、この点を考慮しなければならない。
【0005】
また、厚みdは、d=n・2W…式2、で表される。nは対向電極と平行な粒界数、2Wは1粒界の空乏層幅を表している。
【0006】
また、バリスタ電圧V1mAと粒界数nとの間には、n=V1mA/φ…式3、の関係が成立する。φは粒界のバリア高さで、1粒界あたりのバリスタ電圧を代表する値である。
【0007】
ここで、式1に、式2と式3を代入して、変形すると、C・V1mA= εε・ (φ・S/2W)…式4、となる。φと2Wは、適正なバリスタ特性のとき、ある一定の値(例えば、φ=0.8eV 2W=30nmくらい)となるので、電極面積Sが一定の場合、式4は一定である。
【0008】
以上より、適正なバリスタ特性を維持したまま静電容量を低下させるには、電極面積Sを小さくするのが効果的である。
【0009】
従来、Sを小さくする手法として、直接的に、バリスタの対向電極の面積を小さくする方法が提案されている(特開平6−13260号公報参照)。
【0010】
一方、昨今の回路電圧の低電圧化に伴い、バリスタ電圧(V)をより低下させることが望まれている。バリスタの電気特性は、結晶粒界で発現するので、バリスタ電圧を低下させるためには、対向電極間に存在する結晶粒界数を少なくする必要がある。バリスタ電圧を低下させる技術として、酸化亜鉛を主成分とし、希土類元素としてのPrの酸化物を添加した半導体セラミックスからなる焼結体の内部に、内部電極を埋設した積層型バリスタが提案されている(特開平5−283209号)。このバリスタでは、バリスタ電圧を比較的低くでき、しかも高価なPtを用いずに、比較的安価なAg−Pd合金を内部電極に用いることができるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内部電極にAgを含めた場合、セラミックの焼結を十分に行えない傾向がある。
また、静電容量を低下させるために、バリスタの対向電極の面積を小さくすると、エネルギー耐量やサージ耐量の低下を招き、素子の信頼性を低下させるという問題を生じる。
【0012】
さらに、バリスタ電圧を低下させるために、単純に、対向電極間に存在する結晶粒界数を少なくした場合、これに伴って結晶粒界の直列分が少なくなるため、静電容量の増大を招くという不都合があった。
【0013】
なお、バリスタ特性を維持しながら、静電容量の低下を図るために、酸化亜鉛に、Prの酸化物と、Coの酸化物と、Alの酸化物と、Kの酸化物と、リチウムの酸化物とを所定量で添加した焼結体を有する積層バリスタが提案されている(特開2000−68112号)。しかしながら、この公報記載の技術によっても、バリスタ電圧の低下と、静電容量の低下とをバランスさせることに関し、課題を有していた。
【0014】
また、文献「セラミックス27(1992)No.6」の538〜539頁には、バリスタ電圧および非直線係数が高く、安定性を向上させるために、酸化亜鉛にSbの酸化物を添加することが開示されている。しかしながら、この文献記載の技術は、Sbの他にBiを含んでいることから、内部電極としてPdを使用することはできず、Ag−Pd合金を使用することを余儀なくされる。このため、セラミックの焼結を十分に行えないといった不都合を生じうる。
【0015】
さらに、特開昭54−19198号において、本出願人は、酸化亜鉛に少量のSbの酸化物を添加した組成物、具体的には、酸化亜鉛100モルに対して、Sb換算で約2.9原子%以下のSb酸化物を添加した組成物を提案した。この組成物は、Biを含んでいないので、内部電極としてPdを使用することができ、セラミックの焼結を十分に行える。しかしながら、この公報記載の技術によっても、バリスタ電圧の低下と、静電容量の低下とをバランスさせることに関し、十分ではなかった。
【0016】
本発明の目的は、焼結が十分に行えており、かつ回路電圧を低下させても、静電容量を低下させることができる電圧非直線性抵抗体磁器組成物、および該組成物を用いたバリスタなどの電子部品を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、
酸化亜鉛から成る主成分と、
希土類元素の酸化物から成る第1副成分と、
Sbの酸化物から成る第2副成分と、
Coの酸化物から成る第3副成分とを有し、
Biの酸化物を含まない電圧非直線性抵抗体磁器組成物であって、
前記主成分100モルに対する前記第2副成分の比率が、Sb換算で、3原子%≦第2副成分<10原子%であり、
前記主成分100モルに対する該第3副成分の比率が、Co換算で、0.05原子%<第3副成分<30原子%であり、
前記酸化亜鉛とSbの酸化物とが反応して合成される複合酸化物を含む電圧非直線性抵抗体磁器組成物が提供される。
【0018】
好ましくは、前記第1副成分に含まれる希土類元素の酸化物が、ScおよびPmを除く、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1種の酸化物であり、前記主成分100モルに対する前記第1副成分の比率が、希土類元素換算で、0.01原子%<第1副成分<10原子%である。第1副成分の比率は、たとえばPr11の場合には、PrO11/6に換算して求める。
【0020】
好ましくは、B、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第4副成分をさらに有し、前記主成分100モルに対する該第4副成分の比率が、各B、Al、GaおよびIn換算で、0.0005原子%<第4副成分<0.5原子%である。
【0021】
好ましくは、Na、K、RbおよびCsから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第5副成分をさらに有し、前記主成分100モルに対する該第5副成分の比率が、各Na、K、RbおよびCs換算で、0.001原子%<第5副成分<1原子%である。
【0022】
好ましくは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第6副成分をさらに有し、前記主成分100モルに対する該第6副成分の比率が、各Mg、Ca、SrおよびBa換算で、0.01原子%<第6副成分<2原子%である。
【0023】
また、本発明によれば、
電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品であって、
前記電圧非直線性抵抗体層が、上記いずれかの電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してある電子部品が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、
バリスタ機能層を有する積層チップバリスタであって、
前記バリスタ機能層が、上記いずれかの電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してある積層チップバリスタが提供される。
【0025】
【発明の作用および効果】
本発明者らは、鋭意検討して次に示す知見を得た。すなわち、所望の対向電極間厚みでバリスタ電圧を低下させるのは、結晶粒を成長させ、対向電極間の結晶粒界の数を減少させる必要がある。しかし、この場合、発現する静電容量は増加する。
【0026】
対向電極の面積を変えずに静電容量を低下させるには、セラミックの微細構造を制御することがよいと考えられる。すなわち、バリスタ特性の発現しないような結晶粒界の面積を増加させることである。
【0027】
本発明では、結晶粒界の面積を小さくするように酸化亜鉛以外の第二相を導入し、その体積分率を制御する。
【0028】
このため、本発明では、回路電圧の低電圧化に伴ってバリスタ電圧を低下させることでき(たとえば、流れる電流が1mAの時のバリスタ電圧が2000V/mm未満、好ましくは1000V/mm以下)、しかも発現する静電容量を低下させることができる(たとえば、CV積(静電容量Cとバリスタ電圧Vとの積)を15万以下、好ましくは13万以下にできる)。静電容量を低下させることができると、エネルギー耐量及びサージ耐量が向上する。
【0029】
本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、Biを含まないので、内部電極としてPdを使用することができ、セラミックの焼結を十分に行える。
【0030】
本発明では、前記第二相が均一に分布されていることが好ましい。バリスタは、外界からのサージなどの電気エネルギーを、熱エネルギーに変えて吸収するが、前記第二相が均一に分布されていることにより、サージを吸収した際に、結晶粒界で発生した熱を、第二相に分散させ、結晶粒界の温度が上がり過ぎないようにすることができる。
【0031】
主成分結晶以外の前記第二相は、たとえば、酸化亜鉛を含む主成分と、主としてSbの酸化物を含む第2副成分とが反応して合成される複合酸化物(たとえば、Zn2.33Sb0.67)で構成される。この第二相と主成分との界面では、バリスタ特性はもとより、静電容量はほぼ発現しないものと考えられる。このように、主成分と反応して第二相を生成しうる副成分としては、Sbの酸化物を含む第2副成分のほかに、Siの酸化物を含む第7副成分も挙げられる。
【0032】
本発明に係る電子部品としては、特に限定されないが、積層チップバリスタ、ディスクバリスタ、バリスタ複合素子などが例示される。
【0033】
なお、バリスタ電圧とは、電子部品に徐々に増大する電圧を印加し、たとえば10mAの電流が流れた時の印加電圧を言う。また、バリスタ特性とは、電子部品に徐々に増大する電圧を印加する際に、素子に流れる電流が非直線的に増大する現象を言う。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層チップバリスタの断面図である。
【0035】
積層チップバリスタ
図1に示すように、電子部品の一例としての積層チップバリスタ2は、内部電極層4,6と層間電圧非直線性抵抗体層8とが積層された構成の素子本体10を有する。この素子本体10の両端部には、素子本体10の内部に配置された内部電極層4,6と各々導通する一対の外部端子電極12,14が形成してある。素子本体10の形状は、特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、縦(0.6〜5.6mm)×横(0.3〜5.0mm)×厚み(0.3〜1.9mm)程度である。
【0036】
内部電極層4,6は、各端面が素子本体10の対向する2端部の表面に露出するように積層してある。一対の外部端子電極12,14は、素子本体10の両端部に形成され、内部電極層4,6の露出端面にそれぞれ接続されて、回路を構成する。
【0037】
素子本体10において、内部電極層4,6および層間電圧非直線性抵抗体層8の積層方向の両外側端部には、外側電圧非直線性抵抗体層8aが配置してあり、素子本体10の内部を保護している。
【0038】
内部電極層
内部電極層4,6に含有される導電材は、特に限定されないが、PdまたはAg−Pd合金で構成してあることが好ましい。合金中のPd含有量は95重量%以上であることが好ましい。内部電極層4,6の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常0.5〜5μm程度である。
【0039】
外部端子電極
外部端子電極12,14に含有される導電材は、特に限定されないが、通常、AgやAg−Pd合金などを用いる。外部端子電極12,14の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常10〜50μm程度である。
【0040】
層間電圧非直線性抵抗体層および外側電圧非直線性抵抗体層
層間電圧非直線性抵抗体層8および外側電圧非直線性抵抗体層8aは、本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物を含有する。
【0041】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、酸化亜鉛を含む主成分を有する。この酸化亜鉛を含む主成分は、電圧−電流特性における優れた電圧非直線性と、大きなサージ耐量とを発現する物質として作用する。
【0042】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、希土類元素の酸化物を含む第1副成分を、さらに有する。この第1副成分は、内部電極層4,6を構成する導電材と反応しにくい性質を有するとともに、結晶粒界への酸素の拡散速度を早める物質として作用する。これを添加すると、内部電極層4,6を構成する導電材と反応しにくいので、結果として焼結体の焼結を十分に行うことができる。
【0043】
第1副成分に含まれる希土類元素の酸化物は、ScおよびPmを除く、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1種の酸化物であることが好ましく、少なくともPrの酸化物を含むことがより好ましい。主成分100モルに対する第1副成分の比率は、特に限定されないが、希土類元素換算で、好ましくは0.01原子%<第1副成分<10原子%、より好ましくは0.05原子%≦第1副成分≦5原子%である。第1副成分の比率を、希土類元素換算で、0.01原子%<第1副成分<10原子%にすることにより、組成物を半導体化状態に維持できるとともに、結晶粒界への酸素拡散速度を早めることができる。
【0044】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、Sbの酸化物を含む第2副成分を、さらに有する。この第2副成分は、組成物のCV積(静電容量Cとバリスタ電圧Vとの積)を減少させる物質として作用する。
【0045】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物が、従来の電圧非直線性抵抗体磁器組成物と異なる点は、酸化亜鉛を含む主成分100モルに対して、Sbの酸化物を含む第2副成分を所定量添加する点にある。このような第2副成分を所定量添加することにより、回路電圧を低下させても、静電容量を低下させることができる。
【0046】
具体的には、主成分100モルに対する第2副成分の比率は、Sb換算で、3原子%≦第2副成分<10原子%、好ましくは3原子%≦第2副成分≦8原子%である。第2副成分の比率が多すぎると、バリスタ電圧が増大しすぎるとともに、焼結を促進することができない。第2副成分の比率が少なすぎると、CV積の低下、すなわち静電容量の低下が望めない。
【0047】
本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物では、Coの酸化物から成る第3副成分をさらに有することが好ましい。この第3副成分はアクセプター(電子捕捉剤)として働き、電圧非直線性を維持する物質として作用する。前記主成分100モルに対する第3副成分の比率は、Co換算で、好ましくは0.05原子%<第3副成分<30原子%、より好ましくは0.1原子%≦第3副成分≦15原子%である。第3副成分の添加量が多すぎると、絶縁化によりバリスタ特性が著しく劣化する傾向があり、少なすぎると、バリスタ電圧および非直線特性が著しく劣化する傾向がある。
【0048】
本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物では、B、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第4副成分をさらに有することが好ましい。この第4副成分は酸化亜鉛を含む主成分への電子量を制御するためのドナーとして働き、主成分への電子量を下げ、組成物を半導体化させる物質として作用する。前記主成分100モルに対する第4副成分の比率は、各B、Al、GaおよびIn換算で、好ましくは0.0005原子%<第4副成分<0.5原子%、より好ましくは0.001原子%≦第4副成分≦0.02原子%である。第4副成分の添加量が多すぎると、電圧非直線性が小さくなる傾向があり、少なすぎると、絶縁体化する傾向がある。
【0049】
本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物では、Na、K、RbおよびCsから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第5副成分をさらに有することが好ましい。この第5副成分は組成物の電圧非直線性を改善する物質として作用する。前記主成分100モルに対する第5副成分の比率は、各Na、K、RbおよびCs換算で、好ましくは0.001原子%<第5副成分<1原子%、より好ましくは0.01原子%≦第5副成分≦0.5原子%である。第5副成分の添加量が多すぎると、絶縁化によりバリスタ特性が著しく劣化する傾向があり、少なすぎると、電圧非直線性の改善効果が少なくなる傾向がある。
【0050】
本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物では、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第6副成分をさらに有することが好ましい。この第6副成分は電圧非直線性を改善する物質として作用する。前記主成分100モルに対する第6副成分の比率は、酸化物中の各Mg、Ca、SrおよびBa換算で、好ましくは0.01原子%<第6副成分<2原子%、より好ましくは0.1原子%≦第6副成分≦1原子%である。第6副成分の添加量が多すぎても少なすぎても、電圧非直線性が小さくなる傾向がある。
【0051】
なお、層間電圧非直線性抵抗体層8の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。本実施形態では、層間電圧非直線性抵抗体層8の厚みは、たとえば5〜20μm程度である。また、外側電圧非直線性抵抗体層8aの厚みは、たとえば100〜500μm程度である。
【0052】
本実施形態に係る層間電圧非直線性抵抗体層8では、流れる電流が1mAの時のバリスタ電圧が、通常2000V/mm未満、好ましくは1000V/mm以下である。また、層間電圧非直線性抵抗体層8では、非直線係数(α)が、10以上であることが好ましく、より好ましくは15以上である。さらに層間電圧非直線性抵抗体層8では、静電容量を、基準温度25℃、測定周波数1kHzおよび入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsで測定した場合に、CV積(静電容量Cとバリスタ電圧Vとの積)が、通常15万以下、好ましくは13万以下である。
【0053】
積層チップバリスタの製造方法
次に、本実施形態に係る積層チップバリスタ2の製造方法の一例を説明する。
【0054】
本実施形態では、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部端子電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
【0055】
まず、電圧非直線性抵抗体層用ペースト、内部電極層用ペースト、外部端子電極用ペーストをそれぞれ準備する。なお、電圧非直線性抵抗体層用ペーストを用いて、図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8および外側電圧非直線性抵抗体層8aを成形することができる。
【0056】
電圧非直線性抵抗体層用ペーストは、電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
【0057】
電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料には、上述した本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物の組成に応じて、主成分を構成する原料と、各副成分を構成する原料とが用いられる。
【0058】
主成分を構成する原料としては、Znの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
第1副成分を構成する原料としては、希土類元素の酸化物が用いられる。
第2副成分を構成する原料としては、Sbの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
第3副成分を構成する原料としては、Coの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
第4副成分を構成する原料としては、B、Al、GaおよびInの酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物または複合酸化物が用いられる。
第5副成分を構成する原料としては、Na、K、RbおよびCsの酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物または複合酸化物が用いられる。
第6副成分を構成する原料としては、Mg、Ca、SrおよびBaの酸化物および/または焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物または複合酸化物が用いられる。
なお、焼成により酸化物になる化合物としては、例えば炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物等が例示される。もちろん、酸化物と、焼成により酸化物になる化合物とを併用してもよい。電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した電圧非直線性抵抗体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。これらの原料粉末は、通常、平均粒子径0.3〜2μm程度のものが用いられる。
【0059】
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバインダは、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、このとき用いられる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じてテルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の有機溶剤から適宜選択すればよい。
【0060】
また、水溶系塗料とは、水に水溶性バインダ、分散剤等を溶解させたものであり、水溶系バインダは、特に限定されず、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョン等から適宜選択すればよい。
【0061】
内部電極層用ペーストは、上述した各種導電材あるいは焼成後に上述した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。また、外部端子電極用ペーストも、この内部電極層用ペーストと同様にして調製される。
【0062】
各ペーストの有機ビヒクルの含有量は、特に限定されず、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されても良い。
【0063】
印刷法を用いる場合は、電圧非直線性抵抗体層用ペーストを、ポリエチレンテレフタレート等の基板上に所定厚みで複数回印刷して、グリーン状態の、図1に示す外側電圧非直線性抵抗体層8aを形成する。
次に、このグリーン状態の外側電圧非直線性抵抗体層8aの上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成する。 次に、このグリーン状態の内部電極層4の上に、前記同様に電圧非直線性抵抗体層用ペーストを所定厚みで複数回印刷して、グリーン状態の、図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8を形成する。
次に、このグリーン状態の層間電圧非直線性抵抗体層8の上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層6を形成する。グリーン状態の内部電極層4,6は、対向して相異なる端部表面に露出するように印刷する。
最後に、グリーン状態の内部電極層6の上に、前記同様に電圧非直線性抵抗体層用ペーストを所定厚みで複数回印刷して、グリーン状態の、図1に示す外側電圧非直線性抵抗体層8aを形成する。その後、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
【0064】
シート法を用いる場合は、電圧非直線性抵抗体層用ペーストを用いてグリーンシートを成形し、その後、このグリーンシートを所定の枚数積層して、グリーン状態の、図1に示す外側電圧非直線性抵抗体層8aを形成する。
次に、このグリーン状態の外側電圧非直線性抵抗体層8aの上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成する。同様にして、別のグリーン状態の、図1に示す外側電圧非直線性抵抗体層8aの上に、グリーン状態の内部電極層6を形成する。
これらを、前記グリーンシートを所定の枚数積層して形成された、グリーン状態の、図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8を間に挟み、かつグリーン状態の内部電極層4,6が対向して相異なる端部表面に露出するように重ね、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
【0065】
次に、このグリーンチップを脱バインダ処理および焼成して、焼結体(素子本体10)を作製する。
【0066】
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよい。たとえば、空気雰囲気において、昇温速度を5〜300℃/時間程度、保持温度を180〜400℃程度、温度保持時間を0.5〜24時間程度とする。
【0067】
グリーンチップの焼成は、通常の条件で行えばよい。たとえば、空気雰囲気において、昇温速度を50〜500℃/時間程度、保持温度を1000〜1400℃程度、温度保持時間を0.5〜8時間程度、冷却速度を50〜500℃/時間程度とする。保持温度が低すぎると緻密化が不充分となり、保持温度が高すぎると内部電極の異常焼結による電極の途切れを生じる傾向がある。
【0068】
得られた焼結体(素子本体10)に、たとえば、バレル研磨やサンドブラストにより端面研磨を施し、外部端子電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部端子電極12,14を形成する。外部端子電極用ペーストの焼成条件は、たとえば、空気雰囲気中で600〜900℃にて10分〜1時間程度とすることが好ましい。
【0069】
このようにして製造された本実施形態の積層チップバリスタ2は、たとえば静電気などの外来サージ(異常電圧)やノイズなどを、吸収または除去するために使用される。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0071】
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として積層チップバリスタを例示したが、本発明に係る電子部品としては、積層チップバリスタに限定されず、上記組成の電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してある電圧非直線性抵抗体層を有するものであれば何でも良い。
【0072】
また、図1に示すように、内部電極層が1対のみの積層チップバリスタに限定されない。図1では、内部電極層が1対のみであるが、内部電極が複数対積層してあってもよく、あるいは内部電極が多数積層してある積層チップバリスタであってもよい。
【0073】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0074】
実施例1
本実施例では、本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物そのものの特性を評価した。
【0075】
まず、電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料を作製するために、主成分原料(ZnO)および第1〜第6副成分原料を用意した。各原料としては、酸化物、炭酸塩および炭酸塩の水和物などを用いた。
【0076】
次に、これらの原料を、水を溶媒としてZrOメディアを用いて、焼成後の組成が、主成分であるZnO100モルに対して、下記表1〜7に示すものとなるように配合して、ボールミルにより約16時間湿式混合し、これを脱水および乾燥することによって電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料を得た。
【0077】
次に、この電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料に、バインダとしてのポリビニルアルコールを添加して、顆粒状になるようにバインダと電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料とを混合した。次に、この顆粒状の電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料をプレス成形し、外径φ16mm、厚み1.2mmの円盤状予備成形体を得た。
【0078】
次に、この得られた予備成形体を、400℃で2時間、脱バインダーを行った後、1350℃で2時間、大気中で焼成し、外径φ14mm、厚みが1mmの円盤状半導体焼結体を得た。
【0079】
次に、この円盤状半導体焼結体の両面に、Agを焼き付けることでφ11.5mmの電極を形成して、本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物の試料としての円盤状試料を得た。
【0080】
得られた円盤状試料を用いて、バリスタ電圧、非直線係数および静電容量を測定した。
【0081】
バリスタ電圧(V1mA )は、円盤状試料を直流定電圧電源に接続し、円盤状試料の両電極間に作用する電圧を電圧計で測定すると共に、円盤状試料に流れる電流を電流計にて読みとることにより求めた。具体的には、円盤状試料に流れる電流が1mAの時に、円盤状試料の電極間に作用する電圧を電圧計により読みとり、その値をバリスタ電圧とした。
【0082】
非直線係数(α)は、円盤状試料に流れる電流が1mAから10mAまで変化した場合の円盤状試料の電極間にかかる電圧と電流の関係を示しており、次式から求めた。
【0083】
α=log(I10/I)/log(V10/V1)=1/log(V10/V1)
なお、V10は、円盤状試料にI10=10mAの電流を流した場合のバリスタ電圧を意味し、V1は、円盤状試料にI=1mAの電流を流した場合のバリスタ電圧を意味する。この非直線係数αが大きいほど、バリスタ特性に優れている。
【0084】
静電容量(C)は、円盤状試料に対し、基準温度25℃でデジタルLCRメータ(YHP社製4274A)にて、周波数1kHz,入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの条件下で測定した(単位はpF)。
【0085】
結果を、併せて表1〜7に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003908611
【0087】
【表2】
Figure 0003908611
【0088】
【表3】
Figure 0003908611
【0089】
【表4】
Figure 0003908611
【0090】
【表5】
Figure 0003908611
【0091】
【表6】
Figure 0003908611
【0092】
【表7】
Figure 0003908611
【0093】
表1に示すように、第2副成分の添加量と電気特性の関係については、Sbの添加量が増えるに従って、バリスタ電圧は増加していくが、CV積が減少していくことが確認された。2原子%のSbを添加した試料4に対して、3原子%のSbを添加した試料4−1では、CV積が17%以上減少することが確認された。その一方で、Sbを10原子%添加した試料7では、焼結が進まず、バリスタ電圧が2000Vを越え、CV積の算出ができなかった。また、非直線係数も算出できなかった。
【0094】
表2に示すように、第1副成分の添加量と電気特性の関係については、Prの添加量が増えるに従って、バリスタ電圧およびCV積が増加していくことが確認された。Prを0.01原子%添加した試料47では、抵抗体となり、バリスタ電圧が得られない傾向があった。その一方で、Prを10原子%添加した試料52では、絶縁体となり、バリスタ電圧が2000Vを越え、CV積の算出ができない傾向があった。また、非直線係数も算出できなかった。
【0095】
表3に示すように、第1副成分の種類と電気特性の関係については、いずれを用いても同様の結果が得られることが確認された。
【0096】
表4に示すように、第3副成分の添加量と電気特性の関係については、Coの添加量が増えるに従って、バリスタ電圧は増加していく傾向にあるが、CV積が減少していくことが確認された。Coを0.05原子%添加した試料8では、バリスタ電圧が得られなかった。また、Coを30原子%添加した試料13では、バリスタ電圧が急激に増大し2000Vを越え、CV積の算出ができない傾向があった。また、非直線係数も算出できなかった。
【0097】
表5に示すように、第4副成分の種類と電気特性の関係については、いずれを用いても同様の結果が得られることが確認された。さらに2種類以上を組み合わせても同様の結果が得られることが確認された。ただ、添加量が少な過ぎる場合には、バリスタ電圧が急激に増大し2000Vを越え、CV積の算出ができない傾向があった。また、添加量が多すぎる場合には、バリスタ電圧が得られない傾向があった。
【0098】
表6に示すように、第5副成分の種類と電気特性の関係については、いずれを用いても同様の結果が得られることが確認された。さらに2種類以上を組み合わせても同様の結果が得られることが確認された。ただ、添加量が少な過ぎる場合には、バリスタ電圧が得られない傾向があった。また、添加量が多すぎる場合には、バリスタ電圧が急激に増大し2000Vを越え、CV積の算出ができない傾向があった。
【0099】
表7に示すように、第6副成分の種類と電気特性の関係については、いずれを用いても同様の結果が得られることが確認された。
【0100】
実施例2
本実施例では、実施例1の試料5に相当する組成の電圧非直線性抵抗体磁器組成物を電圧非直線性抵抗体層とする積層チップバリスタの特性を評価した。
【0101】
表1に示す試料5の組成を、電圧非直線性抵抗体層としてのバリスタ機能層として、積層チップバリスタを作製した。
【0102】
まず、試料5に相当する乾燥後の電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料に、有機バインダ、有機溶剤、有機可塑剤を加え、ボールミルで20時間混合し粉砕を行って電圧非直線性抵抗体層用ペーストを作製した。
【0103】
次に、この電圧非直線性抵抗体層用ペーストを用いて、ドクターブレード法によりPET(ポリエチレンテレフタレート)製のベースフィルム上に、グリーンシートを成形し、その後、このグリーンシートを所定の枚数積層して、厚さ30μmのグリーン状態の、図1に示す外側電圧非直線性抵抗体層8aを形成した。
【0104】
次に、このグリーン状態の外側電圧非直線性抵抗体層8aの上に、Pdペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成した。
【0105】
同様にして、別のグリーン状態の、図1に示す外側電圧非直線性抵抗体層8aの上に、グリーン状態の内部電極層6を形成した。次に、これらを、前記グリーンシートを所定の枚数積層して形成された、グリーン状態の、図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8を間に挟み、かつグリーン状態の内部電極層4,6が対向して相異なる端部表面に露出するように重ね、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとした。
【0106】
次に、このグリーンチップを350℃で2時間脱バインダーを行った後、1350℃で2時間空気中において焼成し、バリスタ素体としての半導体焼結体を得た。
【0107】
次に、このバリスタ素体に対して、その両端にAgを主体とした電極ペーストを塗布し、800℃で焼き付けして外部端子電極12,14を形成し、図1に示す構成の積層チップバリスタ2に相当するバリスタ試料を得た。得られたバリスタ試料のサイズは、1.0mm×0.5mm×0.5mmであり、内部電極層に挟まれた層間電圧非直線性抵抗体層としてのバリスタ機能層の厚さは10μmであり、内部電極層の厚さは3μmであった。
【0108】
得られたバリスタ試料を用いて、CV積を求めたところ、電極面積が0.5mmのときに50であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係る積層チップバリスタの断面図である。
【符号の説明】
2… 積層チップバリスタ
4,6… 内部電極層
8… 層間電圧非直線性抵抗体層
8a… 外側電圧非直線性抵抗体層
10… 素子本体
12,14… 外部端子電極

Claims (7)

  1. 酸化亜鉛から成る主成分と、
    希土類元素の酸化物から成る第1副成分と、
    Sbの酸化物から成る第2副成分と、
    Coの酸化物から成る第3副成分とを有し、
    Biの酸化物を含まない電圧非直線性抵抗体磁器組成物であって、
    前記主成分100モルに対する前記第2副成分の比率が、Sb換算で、3原子%≦第2副成分<10原子%であり、
    前記主成分100モルに対する該第3副成分の比率が、Co換算で、0.05原子%<第3副成分<30原子%であり、
    前記酸化亜鉛とSbの酸化物とが反応して合成される複合酸化物を含む電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
  2. 前記第1副成分に含まれる希土類元素の酸化物が、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選ばれる少なくとも1種の酸化物であり、
    前記主成分100モルに対する前記第1副成分の比率が、希土類元素換算で、0.01原子%<第1副成分<10原子%である請求項1に記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
  3. B、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第4副成分をさらに有し、
    前記主成分100モルに対する該第4副成分の比率が、各B、Al、GaおよびIn換算で、0.0005原子%<第4副成分<0.5原子%である請求項1または2に記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
  4. Na、K、RbおよびCsから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第5副成分をさらに有し、
    前記主成分100モルに対する該第5副成分の比率が、各Na、K、RbおよびCs換算で、0.001原子%<第5副成分<1原子%である請求項1〜3のいずれかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
  5. Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の酸化物から成る第6副成分をさらに有し、
    前記主成分100モルに対する該第6副成分の比率が、各Mg、Ca、SrおよびBa換算で、0.01原子%<第6副成分<2原子%である請求項1〜4のいずれかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
  6. 電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品であって、
    前記電圧非直線性抵抗体層が、電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してあり、
    前記電圧非直線性抵抗体磁器組成物が、酸化亜鉛から成る主成分と、
    希土類元素の酸化物から成る第1副成分と、
    Sbの酸化物から成る第2副成分と、
    Coの酸化物から成る第3副成分とを有し、Biの酸化物を含まず、
    前記主成分100モルに対する前記第2副成分の比率が、Sb換算で、3原子%≦第2副成分<10原子%であり、
    前記主成分100モルに対する該第3副成分の比率が、Co換算で、0.05原子%<第3副成分<30原子%であり、
    前記酸化亜鉛とSbの酸化物とが反応して合成される複合酸化物を含む電子部品。
  7. バリスタ機能層を有する積層チップバリスタであって、
    前記バリスタ機能層が、電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してあり、
    前記電圧非直線性抵抗体磁器組成物が、酸化亜鉛から成る主成分と、
    希土類元素の酸化物から成る第1副成分と、
    Sbの酸化物から成る第2副成分と、
    Coの酸化物から成る第3副成分とを有し、Biの酸化物を含まず、
    前記主成分100モルに対する前記第2副成分の比率が、Sb換算で、3原子%≦第2副成分<10原子%であり、
    前記主成分100モルに対する該第3副成分の比率が、Co換算で、0.05原子%<第3副成分<30原子%であり、
    前記酸化亜鉛とSbの酸化物とが反応して合成される複合酸化物を含む積層チップバリスタ。
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