JP3904976B2 - 重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3904976B2 JP3904976B2 JP2002157326A JP2002157326A JP3904976B2 JP 3904976 B2 JP3904976 B2 JP 3904976B2 JP 2002157326 A JP2002157326 A JP 2002157326A JP 2002157326 A JP2002157326 A JP 2002157326A JP 3904976 B2 JP3904976 B2 JP 3904976B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylate
- acid
- resin composition
- polymerizable compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
【0001】
【従来の技術】
光導波路の材料としては、石英がよく用いられているが、このものは加工温度が高い、大面積のものが作製しがたいという問題があった。最近、加工がし易いという観点からポリメチルメタクリレート等を利用したプラスチック導波路の研究が進んでいるが、このような樹脂を用いた場合、樹脂を溶剤に溶解させた状態で基板などに塗布した後、溶剤を除去してコア部等にするため、溶剤を除去するときに適度な速度で溶剤を除去しなければならない。即ち、除去速度が大きい場合には気泡やボイドが生じたり内部歪が発生する。逆に、除去速度が小さい場合には、時間が長くかかるという難点がある。除去温度を上げた場合にはやはり気泡やボイドの発生や樹脂と基板との熱膨張率の差に起因する内部歪が起きるおそれがある。また、溶剤類に可溶性の樹脂を光導波路に用いる場合はクラッド部とコア部を形成させるときに既に形成している樹脂部分が溶剤類によって溶解しないようにしなければならない。これらの問題が生じないようにするため、樹脂に架橋成分を導入したり、コア部とクラッド部の樹脂成分を変えることが必要であった。
【0002】
光導波路における光伝送損失要因のうち、固有要因としては、赤外振動吸収の高周波、電子遷移に基づく紫外吸収などの吸収損失、密度・濃度ゆらぎによるレイリー散乱による散乱損失等が挙げられ、又外的要因としては遷移金属・OH基・その他不純物による吸収損失、ほこり・気泡などの不純物、コア/クラッドの界面不整・コア径の変動・マイクロベンディング・配向複屈折などの構造不整による散乱損失等が挙げられる。これらのうち、レイリー散乱に関しては、屈折率の異なる領域の共存は好ましくなく、光導波部においても結晶性高分子、ブロック共重合、グラフト共重合などのミクロ相分離構造を呈するものは好ましくない。また、熱運動による固体内の揺らぎを押さえるためには線形高分子よりも紫外線等により三次元硬化する樹脂が望まれている。また、コア/クラッド界面でのはく離も、伝送損失の要因となるため、クラッド樹脂にはコア材への良好な密着性、接着性が要求される。このため、コア部とクラッド部は類似の成分であることが好ましい。他方、光導波路のコアの屈折率はクラッドの屈折率よりも大きいことが要求される。一般的なマルチモードの導波路のクラッド材はコア材の2〜3%以上の屈折率差があれば好適である。また、シングルモードで光導波させる場合、コア部の断面が一辺8μmの正方形であるとき、0.3%ほど屈折率の小さなクラッドが要求されるため、このような導波路に用いるコア材とクラッド材の屈折率のゆらぎは1000分の5の精度が要求される。したがって、クラッド材によく用いられるシリコン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の屈折率範囲(1.45〜1.60)を制御できるコア材(屈折率1.48〜1.63)が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、平坦性、加工性に優れ、光導波路に好適に使用出来る樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、特定の重合性化合物を主成分とする樹脂組成物が、その組成を変えることにより屈折率をある程度自由に制御できること、またそれらの樹脂は、光導波路のコア部やクラッド層に適用したとき光透過性に優れ、加熱処理後も光透過性に優れ、且つ平坦性に極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)レゾルシン型ジグリシジルエーテル(a)と(メタ)アクリル酸(b)若しくはマレイミド基を有するモノカルボン酸(c)との反応物(I)、又は反応物(I)と多塩基酸無水物(d)との反応物(II)である重合性化合物(A)、
(2)(1)記載の重合性化合物(A)と(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
(3)光重合開始剤(C)を含有する(2)記載の樹脂組成物、
(4)(2)又は(3)記載の樹脂組成物の硬化物、
に関する。
【0006】
【本発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。
本発明の重合性化合物(A)は、例えば、下記構造式(1)を有するレゾルシン型ジグリシジルエーテル(1)
【0007】
【化1】
【0008】
と(メタ)アクリル酸(b)とを反応させて得られる重合性化合物(A−1)、前記レゾルシン型ジグリシジルエーテル(a)とマレイミド基を有するモノカルボン酸(c)とを反応させて得られる重合性化合物(A−2)、及び重合性化合物(A−1)又は(A−2)と多塩基酸無水物(d)とを反応させて得られるカルボキシル基変性重合性化合物(A−3)である。
【0009】
前記(メタ)アクリル酸(b)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。
【0010】
前記マレイミド基を有するモノカルボン酸(c)の具体例としては、例えば、無水マレイン酸と1級アミノカルボン酸とから、公知の技術〔例えば、デー・エイチ・ライヒ(D.H.Rich)ら「ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー(Journal of Medical Chemistry)」第18巻、第1004〜1010頁(1975年)参照〕を用いて合成できる化合物(b−1)、ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物と1個の酸無水物基を有する化合物とのハーフエステル化物(b−2)等を挙げることができる。
【0011】
ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物は、例えば、反応式
【0012】
【化2】
【0013】
で示されるように、マレイミドとホルムアルデヒドとから、あるいは、無水マレイン酸と1級アミノアルコールとから、公知の技術(例えば、米国特許2526517号明細書、特開平2−268155号公報参照)などを用いて合成することができる。
【0014】
上記反応で用いられる1級アミノカルボン酸としては、例えば、アスパラギン、アラニン、β−アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン、トリプトファン、トレオニン、バリン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、α−メチル−フェニルアラニン、リジン、ロイシン、シクロロイシン、3−アミノプロピオン酸、α−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、2−アミノカプリル酸、3−アミノカプリル酸、6−アミノカプリル酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノノナン酸、2−アミノカプリン酸、9−アミノカプリン酸、15−アミノペンタデカン酸、2−アミノパルミチン酸、16−アミノパルミチン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
上記反応で用いられる1級アミノアルコールとしては、例えば、2−アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、2−アミノ−4−メチルチオ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、(1−アミノシクロペンタン)メタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、7−アミノ−1−ヘプタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
前記、1個の酸無水物基を有する化合物の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。
【0017】
前記、ハーフエステル化物(b−2)は、前記ヒドロキシル基を有するマレイミド化合物の水酸基1化学当量と前記1個の酸無水物基を有する化合物中の無水物基約1化学当量を反応させることにより得ることができる。反応温度は、60〜100℃が好ましく、反応時間は、1〜10時間が好ましい。反応時に、必要に応じて、有機溶剤を使用することもできる。
【0018】
前記多塩基酸無水物(d)の具体例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、パーフルオロ無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
【0019】
前記重合性化合物(A−1)は、前記レゾルシン型ジグリシジルエーテル(a)のエポキシ基と(メタ)アクリル酸(b)を反応させることにより得ることができる。レゾルシン型ジグリシジルエーテル(a)のエポキシ基1当量に対して、(メタ)アクリル酸(b)のカルボキシル基0.5〜1.05当量を反応させるのが好ましく、特に好ましくは0.9〜1.01当量を反応させる。反応を促進するために反応触媒として、テトラメチルアンモニウムクロライド、N、N−ジメチルアミノフェノール、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等の塩基性化合物等を使用するのが好ましい。反応温度は80〜150℃が好ましく、反応時間は、10〜40時間が好ましい。
前記、重合性化合物(A−2)は、前記レゾルシン型ジグリシジルエーテル(a)のエポキシ基とマレイミド基を有するモノカルボン酸(c)のカルボキシル基を反応させることにより得ることができる。反応条件等は、前記重合性化合物(A−1)の合成条件とほぼ同様である。必要に応じて、有機溶剤や後記する(メタ)アクリレートモノマー類等を反応溶媒として、使用することができる。使用しうる有機溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチルエステル、酢酸エチルエステル、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、ソルベントナフサ等を挙げることができる。これらは1種以上を選択して使用することができる。
【0020】
本発明の樹脂組成物においては、(A)以外のエチレン性不飽和基含有化合物(B)を使用する。(B)の例としては、(メタ)アクリレートモノマー類、(メタ)アクリレートオリゴマー類、マレイミド化合物類、ビニルエーテル化合物類、N−ビニル化合物類等を挙げることができる。
【0021】
(メタ)アクリレートモノマー類の具体例としては、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート。ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンのジ・アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタン−1,8−ジオールジ(メタ)クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(又はテトラ)(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールヘキサフルオロプロピルポリエトキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールヘキサフルオロプロピルポリエトキシジ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0022】
(メタ)アクリレートオリゴマー類の具体例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0023】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAポリエトキシジオール、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン等のポリオール成分とマレイン酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロ、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、等の多塩基酸及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート;前記ポリオール成分と多塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトンとの反応物である環状ラクトン変性ポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート等の多官能性ポリエステル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0024】
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、有機イソシアネート化合物とポリオール化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応物を挙げることができる。
【0025】
有機ポリイソシアネートの具体例としては、P−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、P−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;イソシアネートモノマーの1種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート化合物を三量化したイソシアネート体等のポリイソシアネート;等が挙げられる。
【0026】
ポリオール化合物の具体例としては、前記、ポリオール成分、ポリエステルポリオール、環状ラクトン変性ポリエステルポリオール等を挙げることができる。水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0027】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、2官能性以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる生成物を挙げることができる。
【0028】
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,3−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビスフェニル、スピログリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
これら、エポキシ(メタ)アクリレートに多塩基酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、パーフルオロ無水コハク酸、パーフルオロヘキサヒドロ無水フタル酸等)を反応させて得られるカルボキシル基変性エポキシ(メタ)アクリレートも好ましく、使用することができる。
【0030】
マレイミド化合物類の具体例としては、マレイミド基を有する化合物であればいずれも使用可能であり、特開昭58−40374号に記載されている1〜3官能性マレイミド化合物、特開平3−12414号に記載のマレイミド基を有するウレタンオリゴマー等を挙げることができる。
【0031】
その具体例としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−アリルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−2−メチル−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−2−エチルヘキシルマレイミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)マレイミド、N−(1−メトキシメチルプロピル)マレイミド、N、N’−1,6−ヘキサンビスマレイミド、ビス(3−N−マレイミドプロピル)ポリテトラメチレングリコール、ビス(2−N−マレイミドプロピル)ポリプロピレングリコール、ビス(2−N−マレイミドエチル)ポリエチレングリコール、1,2(1,3または1,4)−ビス(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン、
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】
等のマレイミド化合物、これらマレイミド化合物のマレイミド基中の不飽和炭素原子に結合した水素原子が塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基等で置換されたマレイミド化合物等を挙げることができる。
【0035】
ビニルエーテル化合物類の具体例としては、ヒドロキシメチルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノ又はジビニルエーテル、シクロヘキサンモノ又はジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル、ポリウレタンポリビニルエーテル、ポリエステルポリビニルエーテル等を挙げることができる。
【0036】
N−ビニル化合物類の具体例としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等を挙げることができる。
【0037】
これらエチレン性不飽和基を有する化合物(B)の好ましいものとしては、アクリレートモノマー類、アクリレートオリゴマー類及びマレイミド化合物類等を挙げることができる。
【0038】
本発明では、任意成分として光重合開始剤(C)を使用する。使用しうる光重合開始剤(C)の具体例としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルベンゾイソホメート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0039】
本発明の樹脂組成物において、前記(A)〜(C)の使用割合は、(A)100重量部に対して、(B)は、10〜500重量部が好ましく、特に好ましくは20〜200重量部であり、(A)+(B)の総量100重量部に対して、(C)は0〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.05〜6重量部である。
【0040】
なお、本発明の樹脂組成物において、必要により、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、可とう性付与剤、特性改質剤等を加えることができる、これらの材料を単独あるいは混合して加えることにより樹脂組成物の特性を改質することができる。
【0041】
例えば、本発明の樹脂組成物の接着性を高めるために加えるシランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ムアミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、(A)〜(C)成分及び前記の必要により添加される成分を混合、溶解し、必要により、ロ過することにより得ることができる。
【0043】
本発明の樹脂組成物は、光導波路用に好適に用いることができるが、印刷インキ、接着剤、コート剤、レジストインキ、注型、シール剤等にも使用することができる。
【0044】
本発明の樹脂組成物を用いて、光導波路を作製する場合、クラッドは通常の高分子樹脂を用いる場合とコア材と同様の紫外線硬化樹脂を用いる場合で若干異なるが、例えば、次のような方法で調製される。尚、基板としては、シリコン基板、ガラス基板、プラスチックス基板等通常のものが任意に使用しうる。
【0045】
(1)基板に下層クラッドとなるコアよりも屈折率の小さな樹脂を塗布する。塗布後、加熱、乾燥などにより溶媒を除去する。ここに紫外線硬化樹脂を用いるときは紫外線を照射することにより硬化する。
【0046】
(2)この上にコアとなる本発明の樹脂組成物を塗布し、次に導波路パターンを有するネガマスクを介して紫外線を照射し硬化する。その後、この試料を希アルカリ水溶液、例えば3重量%ジエタノールアミン水溶液で現像して、マスクパターンに従い光照射部のみ硬化した導波路パターンが得られる。
(3)その後、この上にクラッド用の高分子樹脂又は紫外線硬化樹脂を塗布し、溶媒除去又は紫外線により硬化する。ここで下層クラッド、並びに最後に形成するコア側面部及び上部のクラッドは同じ屈折率であることが好ましく、同一の材料である方が好適である。更に、クラッドに紫外線硬化樹脂を用いた場合、最上面を平垣化することもできる。この場合、多層の光配線が可能になり、多層化を行う場合は(2)、(3)を繰り返せばよい。
【0047】
本発明を実施例により、更に詳細に説明する。本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
レゾルシン型ジグリシジルエーテル(日本化薬(株)製、品名:RE−600NM、エポキシ当量125、粘度(25℃)550mPa・S)250g、アクリル酸141.2g、トリフェニルホスフィン0.98g及びP−メトキシフェノール0.4gを仕込み、98℃で約32時間反応(反応液の酸価(mgKOH/g)が0.5以下になるまで反応した。)し、下記の構造式を有する反応物(I)を得た。
【0048】
【化5】
【0049】
次いで、この反応物(I)392.58g、無水コハク酸100gを仕込み、90℃で約10時間(無水物基が消えるまで)反応させ、酸価(mgKOH/g)113.9の反応物(II)を得た。NMR分析及びLCMS分析により、反応物(II)の主成分は、下記構造式を有することを確認した。
【0050】
【化6】
【0051】
実施例2
実施例1で得た反応物(II)60g、1,6−ヘキサンジアクリレート40g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)3gから調製した樹脂組成物(▲1▼)を準備した。別途測定したこの樹脂組成物(▲1▼)の硬化物の屈折率は、波長589nmで1.510であった。
【0052】
次に、シリコン基板上に、実施例1で得た反応物(I)10g、下記、構造式で表されるフッ素原子含有ジアクリレート90g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3gから調製した次の構造式で示される化合物を主成分とする
【0053】
【化7】
【0054】
樹脂組成物(▲2▼)をスピンコートにより塗布して、紫外線を照射して10μmの下部クラッド層を作製した。
【0055】
次に、この下部クラッド層の上に、前記、樹脂組成物(▲1▼)をスピンコートにより5μmの厚さに塗布した。なお、下部クラッド層の硬化後の屈折率は波長589nmで1.435であった。
【0056】
次に、導波路パターンを有するネガマスクを介して紫外線を照射し、その後、この試料を1重量%Na2CO3水溶液を用いて現像し、導波路パターンを作製した。その後、この導波路パターンをおよび下部クラッド層の上に、前記、樹脂組成物(▲2▼)を15μmの厚さに塗布し、紫外線を照射して硬化させ光導波路を作製した。この操作により、硬化後の屈折率1.510の樹脂組成物(▲2▼)の硬化物からなる下部クラッド層と上部クラッド層および屈折率1.435の樹脂組成物(▲1▼)の硬化物からなるコアを有するマルチモードチャンネル導波路が作製できた。
【0057】
得られた光導波路を5cmの長さに切り出し、150℃の乾燥器に24時間、放置した後、633nmのHe−Neレーザー光を用いて光導波路損失を調べたところ0.25dB/cmであった。
【0058】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、コア材を調製するに当たり溶媒を使用しないので、溶媒に基因する問題が解消され、導波路形成工程が簡略化される。又耐熱性にも優れ、また平坦化も容易であるため、多層の光配線が可能な光導波路の作成が容易である。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002157326A JP3904976B2 (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | 重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002157326A JP3904976B2 (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | 重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342351A JP2003342351A (ja) | 2003-12-03 |
JP3904976B2 true JP3904976B2 (ja) | 2007-04-11 |
Family
ID=29773246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002157326A Expired - Fee Related JP3904976B2 (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | 重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3904976B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101189591B1 (ko) | 2004-10-20 | 2012-10-12 | 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 | 방사선 경화성 수지, 액정 실링제 및 이것을 사용한 액정표시 셀 |
JP5773782B2 (ja) * | 2011-07-03 | 2015-09-02 | 日本化薬株式会社 | 新規(メタ)アクリル樹脂及びそれを用いた樹脂組成物 |
-
2002
- 2002-05-30 JP JP2002157326A patent/JP3904976B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003342351A (ja) | 2003-12-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5477299B2 (ja) | マレイミド基で表面修飾した無機酸化物微粒子を含む硬化型組成物 | |
WO2004081621A1 (ja) | 感光性組成物、感光性着色組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置 | |
JP4998906B2 (ja) | 着色感光性樹脂組成物、これを用いて製造されたカラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
EP2048196A1 (en) | Curable resin composition and method for forming cured coating film | |
JP2011039165A (ja) | アルカリ可溶性光硬化型組成物、該組成物を使用した硬化塗膜及び透明部材 | |
JP2007326917A (ja) | 熱剥離性を有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 | |
JP5321899B2 (ja) | クラッド層形成用樹脂組成物、光導波路及び光モジュール | |
JPWO2003072634A1 (ja) | 感光性樹脂,樹脂組成物並びにその硬化物 | |
WO2016148095A1 (ja) | 下層膜形成用樹脂組成物、インプリント形成用キット、積層体、パターン形成方法およびデバイスの製造方法 | |
JP5347529B2 (ja) | クラッド層形成用樹脂組成物およびこれを用いたクラッド層形成用樹脂フィルム、これらを用いた光導波路ならびに光モジュール | |
JP5413200B2 (ja) | 光導波路及びその製造方法 | |
KR101377651B1 (ko) | 위상차 필름 및 위상차 필름 적층체 및 이들의 제조방법 | |
JP3948991B2 (ja) | 重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 | |
JPWO2017002847A1 (ja) | 含フッ素共重合体、組成物、光学フィルム、ハードコートフィルム、偏光板、及びタッチパネルディスプレイ、並びに含フッ素共重合体の製造方法 | |
JP3904976B2 (ja) | 重合性化合物、これを含む樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP6379672B2 (ja) | 透明基板 | |
JP2003206323A (ja) | 光導波路用樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP3801899B2 (ja) | 樹脂組成物、光導波路用樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP5133116B2 (ja) | 硬化性組成物及び光情報媒体 | |
JP2003149475A (ja) | 光導波路用樹脂組成物及びその硬化物 | |
WO2022130855A1 (ja) | 樹脂組成物、光ファイバのセカンダリ被覆材料、光ファイバ及び光ファイバの製造方法 | |
JP3918991B2 (ja) | 重合性化合物、これを含有する樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP5748273B2 (ja) | 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル | |
JP3732433B2 (ja) | 樹脂組成物、光導波路用樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP2003121665A (ja) | 光導波路用樹脂組成物及びその硬化物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061018 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061020 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061211 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070110 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160119 Year of fee payment: 9 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |