JP5347529B2 - クラッド層形成用樹脂組成物およびこれを用いたクラッド層形成用樹脂フィルム、これらを用いた光導波路ならびに光モジュール - Google Patents
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Description
機器内部や機器間などの短距離で光信号を伝送するためには、フレキシブルなフィルム光導波路が望まれている。特に、携帯用小型機器の内部に光導波路を配線する場合には、省スペース化のために部品表面を這わせるようにして配線する場合も多く、小さな曲率半径で屈曲可能な、ポリマーフィルム光導波路が求められている。
フレキシブル光導波路の屈曲性、あるいは形状復元する際の界面における追従性を向上させるために、低弾性率材料を用いた光導波路の開発がなされている。例えば、特許文献1では、硬化後の曲げ弾性率が1000MPa以下のエラストマーを光導波路のクラッド層に用いることにより屈曲性が向上することが記載されている。また特許文献2では、曲げ弾性率1000MPa以下で前駆体の官能基に水素結合基を含む樹脂を介してクラッド層どうしが接合されたフィルム光導波路により屈曲あるいは形状復元する際の界面における追従性が向上すること、特に曲げ弾性率200MPaのエラストマーを上クラッド層及び下クラッド層の材料として用い、これらクラッド層どうしを曲げ弾性率1000MPa以下で前駆体の官能基に水素結合基を含む樹脂を介して接合したフィルム光導波路を携帯電話のヒンジ部に用いた場合、曲率半径1mmまで屈曲させることができ、20万回繰り返し屈曲させても界面の剥離が起こらないことが記載されている。しかしながら、特許文献1及び2では、スタンパを用いて光導波路を作製していることから、設計の自由度が低く、設計の変更がし難しいという欠点があり、屈曲耐久性に関しても十分な検討がなされていない。また、特許文献3においては、(メタ)アクリルポリマーとウレタン(メタ)アクリレート化合物を含む感光性樹脂組成物を用い、伝搬損失が0.5dB/cm以下で屈曲抵抗性に優れるフィルム型光導波路が提案されている。特許文献3では、(メタ)アクリルポリマーに関しては、「重量平均分子量が100,000を超えると組成物の粘度が大きくなり、溶工性が悪くなる等の欠点がある」と記載され、実施例では18,000〜35,500のものを用いており、屈曲抵抗性に関しては、半径2mmの金属棒に巻きつけた時の光導波路のクラックまたは破断の有無で評価しており、屈曲耐久性に関しての検討がなされていない。携帯電話のヒンジ部に用いる場合には、屈曲耐久性に加えて捻回耐久性が要求される場合もあるが、従来、捻回耐久性に関しての検討はなされてはおらず、屈曲耐久性及び捻回耐久性の要求を満たすものがなかった。
すなわち、本発明は、(A)反応性官能基を有し、かつ重量平均分子量が10万以上である(メタ)アクリルポリマー、及び(B)重合性化合物を含有するクラッド層形成用樹脂組成物であって、該クラッド層形成用樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルムの、25℃での引張り破断伸び率が10〜600%であるクラッド層形成用樹脂組成物、該クラッド層形成用樹脂組成物を用いたクラッド層形成用樹脂フィルム、下部クラッド層と上部クラッド層のうち、少なくとも1つを該クラッド層形成用樹脂組成物、又は該クラッド層形成用樹脂フィルムを用いて形成した光導波路、ならびに該光導波路を用いた光モジュールを提供するものである。
このクラッド層形成用樹脂組成物を光導波路に用いれば、機械的な引張り力が加わっても、上下クラッド層で吸収されるため、コアの変形を小さくすることができ、光導波路の伝送特性の劣化を抑制することができる。
硬化フィルムに破断が発生しない場合、このフィルムをクラッド層に用いた光導波路は長期間安定した光伝送を行うことができ、例えば携帯電話のヒンジ部など、常に可動する部分に適用することができる。機器の小型化のためには、より小さい曲率半径においても光導波路に破断が発生しないことが求められ、この観点から、曲率半径0.5mmで破断が発生しないことがより好ましい。破断は、拡大鏡下、顕微鏡下、又は目視での観察で確認することができる。
硬化フィルムに破断が発生しないと、このフィルムをクラッド層に用いた光導波路は長期間安定した光伝送を行うことができ、例えば携帯電話のヒンジ部など、常に可動する部分に適用することができる。破断は、拡大鏡下、顕微鏡下、又は目視での観察で確認することができる。
硬化フィルムに破断が発生しない場合、このフィルムをクラッド層に用いた光導波路は長期間安定した光伝送を行うことができ、例えば携帯電話のスライド部などの可動部に適用することができる。機器の小型化のためには、より小さい曲率半径においても光導波路に破断が発生しないことが求められ、この観点から、曲率半径1.0mmで破断が発生しないことがより好ましい。破断は、拡大鏡下、顕微鏡下、又は目視での観察で確認することができる。
(A)成分における(メタ)アクリルポリマーとは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びこれらの誘導体を単量体とし、これを重合してなるポリマーをいう。該(メタ)アクリルポリマーは、上記単量体の単独重合体であってもよいし、また、これらのモノマーの2種以上を重合させた共重合体であってもよい。さらには、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記のモノマーと、上記以外のモノマーとを含む共重合体であってもよい。また、複数の(メタ)アクリルポリマーの混合物であってもよい。
(A)反応性官能基を有し、かつ重量平均分子量が10万以上である(メタ)アクリルポリマーとしては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基、水酸基、エピスルフィド基、アミド基、ビニル基、アミノ基、イソシアネート基、アリル基などの官能基を含有するものが好ましく、中でも架橋性の点でエポキシ基又は(メタ)アクリロイル基が好ましい。具体的には、原料モノマーとしてエチレン性不飽和を含有し、かつ重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリルポリマー、又は前記ポリマーのエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させて得られる、重量平均分子量が10万以上である(メタ)アクリル基含有(メタ)アクリルポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和エポキシドとしては、特に制限はなく、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。この中で、透明性及び耐熱性の観点から、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
このような重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリルポリマーは、上記モノマーから適宜モノマーを選択して製造することもできるし、市販品(例えばナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、HTR−860P−5等)もある。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テレフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロイソフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロテレフタレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸などのエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。この中で、合成の容易性、架橋性の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
(A)成分中の(メタ)アクリル基の含有率は、0.5〜20質量%が好ましく、0.5〜18質量%がより好ましく、0.8〜15質量%が特に好ましい。(メタ)アクリロイル基含有繰り返し単位の量がこの範囲にあると、エポキシ基の緩やかな架橋が起こるため、折り曲げ式屈曲耐久試験、捻回耐久試験及びスライド式屈曲耐久試験などに耐えられる適度な弾性率の硬化フィルムを得ることができる。
(B)成分として、(メタ)アクリレートを用いることができ、(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、単官能のもの、2官能のもの又は3官能以上の多官能のもののいずれも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。アクリレートとはアクリロイル基を有する化合物を意味し、メタクリレートとはメタクリロイル基を有する化合物を意味する。
単官能(メタ)アクリレートとしては、アクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれかを1つ有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾールなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体などが挙げられる。さらにカルボン酸含有(メタ)アクリレートとして、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸が挙げられる。ここで、上記のエトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体とは、それぞれ、アルコール又はフェノール類の水酸基にエチレンオキシドを付加したアルコールを原料に用いて得られる(メタ)アクリレート、アルコール又はフェノール類の水酸基にプロピレンオキシドを付加したアルコールを原料に用いて得られる(メタ)アクリレート、アルコール又はフェノール類の水酸基にエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したアルコールを原料に用いて得られる(メタ)アクリレートを示す。例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレートのエトキシ化体とは、フェノキシエチルアルコールにエチレンオキシドを付加したアルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートを意味する。
これらの中でも、透明性及び(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、上記脂肪族(メタ)アクリレート;上記脂環式(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体であることが好ましい。
これらの中でも、透明性及び(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、上記脂肪族(メタ)アクリレート;上記脂環式(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;上記脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;上記脂環式エポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
これらの中でも、透明性及び(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、上記脂肪族(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体であることが好ましい。
また、現像時の膨潤の抑制、透明性、(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、1分子中に(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する樹脂またはモノマーを配合することが好ましい。具体的には共栄社化学株式会社製のライトアクリレートDPE−6Aや、新中村化学株式会社製のNKエステルA−9300等が挙げられる。また、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートを用いることにより、(A)(メタ)アクリルポリマーが側鎖にエポキシ基を含有する場合、そのエポキシ基と、(B)の(メタ)アクリロイル基の両方と反応させることができ、硬化物の相溶性、硬化性、透明性、及び屈曲性の観点からより好ましい。カルボキシル基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、具体的には新中村化学工業株式会社製のNKエステルCBX−0等が挙げられる。
以上の化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、透明性及び(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などの2官能フェノールグリシジルエーテル型液状エポキシ樹脂;上記2官能脂環式液状エポキシ樹脂であることが好ましい。
以上の化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルジオールには、脂肪族、脂環族、芳香族の種類がある。
これらのポリオールは、単独でまたは二種以上を併用して用いることもできる。
ポリオールとしてはジオール類とポリイソシアネートとの反応によって合成される2価以上のポリオールも用いることができる。
これらのポリオールにおける各構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
上記イオン重合性環状化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステルなどの環状エーテル類が挙げられる。
また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミンなどの環状イミン類;β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチドなどの環状ラクトン酸;あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。
脂環族ポリエーテルジオールとしては、例えば水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキシド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールのアルキレンオキシド付加ジオールなどが挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド;α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネートなどのパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物が挙げられる。
これらの中で、硬化性及び透明性の観点から、ジアシルパーオキシド、パーオキシエステル、及びアゾ化合物であることが好ましい。
また、前記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
これらの中で、硬化性及び透明性の観点から、上記α−ヒドロキシケトン;上記グリオキシエステル;上記オキシムエステル;上記ホスフィンオキシドであることが好ましい。
以上の熱及び光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。さらに、適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、硬化性及び透明性の観点から、上記ベンジルスルホニウム塩であることが好ましい。
これらの中でも、硬化性及び透明性の観点から、上記トリアリールスルホニウム塩であることが好ましい。
以上の熱及び光カチオン重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。さらに、適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
また、前記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
これらの中で、硬化性及び透明性の観点から、上記α−アミノケトンであることが好ましい。
以上の光塩基発生剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。さらに、その他の熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、及び適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、透明性及び(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの2官能フェノール;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などのノボラック樹脂であることが好ましい。
以上の化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、透明性及び硬化性の観点から上記イミダゾール化合物;上記イミダゾール化合物のトリメリト酸付加体;上記イミダゾール化合物のイソシアヌル酸付加体であることが好ましい。
以上の化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
上記第1の態様において、(A)(メタ)アクリルポリマーの配合量は、弾性率低減や成型時のフロー性抑制の観点から、(B)エポキシ樹脂と(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤との合計質量をAとし、(A)反応性官能基を有する(メタ)アクリルポリマーの質量をBとしたとき、その質量比率A/Bが0.24〜1.0であることが好ましい。上記の質量比率が0.24以上であれば、弾性率の低減及び成形時のフロー性抑制効果が得られ、一方、1.0以下であると、高温での取り扱い性を向上させることができる。
上記第1の態様において、(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることができれば、特に限定されないが、好ましくは、エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対して、0.01〜5.0当量の範囲で、特に好ましくは0.8〜1.2当量の範囲である。
上記第1の態様において、(E)硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂及びフェノール系エポキシ樹脂硬化剤との総量に対して0〜5.0質量%とすることが好ましく、0.05〜3.0質量%とすることがより好ましく、さらには0.2〜3.0質量%とすることがより好ましい。硬化促進剤の配合量が5.0質量%以下であれば、保存安定性が向上し、ポットライフが充分となる。
上記第2の態様において、(B)エポキシ樹脂の配合量は、(A)(メタ)アクリルポリマー100質量部に対して、5〜250質量部が好ましい。この範囲にあると、弾性率及び成型時のフロー性抑制が確保でき、また高温での取り扱い性も十分に得られる。(B)エポキシ樹脂の使用量は、10〜100質量部がより好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
上記第2の態様において、(B)光反応性モノマーの配合量は、(A)(メタ)アクリルポリマー100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。配合量が5質量部以上であれば、光反応性モノマーの重合反応が起こりやすくなるために支持基材からの剥離性が向上する傾向がある。100質量部以下であれば、(メタ)アクリルポリマーの低弾性が機能し、フィルムが脆くなることなく屈曲耐久性が向上し、好適である。従って、10〜70質量部がより好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
上記第2の態様において、(C)光塩基発生剤の配合量は、(A)(メタ)アクリルポリマー100質量部に対して、0.1〜20質量部である。配合量が0.1質量部以上であれば、反応性が向上し残存モノマーを減らすことができ、20質量部以下であれば、重合反応による分子量増加を上手く機能させ、低分子量成分を少なくすることができ、耐リフロー性を向上させることができる。従って、好ましくは0.5〜15質量部であり、さらに好ましくは、1〜5質量部である。
上記第2の態様において、(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1個当たりフェノール性水酸基の当量比が0.5〜1.5の範囲であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。この範囲であれば、樹脂の硬化(橋かけ)が十分になり、ガラス転移温度が上がり、硬化剤の耐湿性を向上させることができる。
上記第3の態様において、(B)成分の(メタ)アクリレートの配合量は、(A)(メタ)アクリルポリマー100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。配合量が5質量部以上であれば、(メタ)アクリレートの重合反応が起こりやすくなるために支持基材からの剥離性が向上する傾向がある。100質量部以下であれば、(メタ)アクリルポリマーの低弾性が機能し、フィルムが脆くなることなく屈曲耐久性が向上し、好適である。従って、10〜70質量部がより好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
上記第3の態様において、(B)成分のエポキシ樹脂の配合量は、(A)(メタ)アクリルポリマー100質量部に対して、5〜250質量部が好ましい。この範囲にあると、弾性率及び成型時のフロー性抑制が確保でき、また高温での取り扱い性も十分に得られる。エポキシ樹脂の配合量は、10〜100質量部がより好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
上記第3の態様において、(C)成分の光ラジカル重合開始剤の配合量は、(A)成分、(B)成分、及び(D)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましい。0.01質量部以上であれば、硬化が十分であり、10質量部以下であれば十分な光透過性が得られる。以上の観点から、0.05〜7質量部であることがさらに好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。
上記第3の態様において、(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1個当たりフェノール性水酸基の当量比が0.5〜1.5の範囲であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。この範囲であれば、樹脂の硬化(橋かけ)が十分になり、ガラス転移温度が上がり、硬化剤の耐湿性を向上させることができる。
上記第3の態様において、(E)硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂及びフェノール系エポキシ樹脂硬化剤との総量に対して0〜5.0質量%とすることが好ましく、0.05〜3.0質量%とすることがより好ましく、さらには0.2〜3.0質量%とすることがより好ましい。硬化促進剤の配合量が5.0質量%以下であれば、保存安定性が向上し、ポットライフが充分となる。
上記第4の態様において、(A)(メタ)アクリルポリマー、(B)ウレタン(メタ)アクリレート及び(B)(メタ)アクリレートの配合量は、(A)(メタ)アクリルポリマー100質量部に対して、10〜200質量部が好ましい。(B)成分として、ウレタン(メタ)アクリレート及びウレタン結合を有しない(メタ)アクリレートを加えることで、十分に硬化反応が進行するため耐溶剤性が向上するとともに、支持基材からの剥離性が向上する傾向がある。前記(B)成分の配合量が200質量部以下であれば、(メタ)アクリルポリマーの低弾性が機能し、フィルムが脆くなることなく屈曲耐久性及び捻回耐久性が向上し、好適である。以上の観点から、(B)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して、20〜150質量部がより好ましく、40〜100質量部が特に好ましい。
(B)成分の中で、ウレタン(メタ)アクリレート及びウレタン結合を有しない(メタ)アクリレートの配合量としては、ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリレート0〜500質量部が好ましい。ウレタン結合を有しない(メタ)アクリレートを適量加えることで、耐溶剤性が向上し、(A)成分との相溶性が高くなり透明性が向上する傾向がある。以上の観点から、ウレタン(メタ)アクリレート成分100質量部に対して、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリレート10〜400質量部がより好ましく、20〜300質量部が特に好ましい。
(C)成分のラジカル重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。前記の(C)成分の配合量が0.1質量部以上であれば、硬化が十分であり、10質量部以下であれば十分な光透過性が得られる。以上の観点から、(C)成分のラジカル重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分、の総量100質量部に対して、0.5〜7質量部であることがさらに好ましく、0.8〜5質量部であることが特に好ましい。
(E)硬化促進剤としては、各種イミダゾール類を使用することが好ましい。イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、1-シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられ、具体的には2E4MZ、2PZ、2PZ−CN、2PZ−CNS(四国化成工業株式会社製)等がある。
(E)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。前記の(E)成分の配合量が0.1質量部以上であれば、硬化が十分であり、10質量部以下であれば十分な光透過性が得られる。以上の観点から、(E)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.2〜7質量部であることがさらに好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
上記第5の態様において、(A)成分の(メタ)アクリルポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、10〜85質量%であることが好ましい。10質量%以上であれば、光学材料用樹脂組成物の硬化物の強度や可撓性が十分で、85質量%以下であれば、硬化時に(B)成分によって絡め込まれて容易に硬化し、耐現像液性が不足することがない。以上の観点から、(A)成分の配合量は20〜80質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。
上記第5の態様において、(B)成分の脂環式エポキシ樹脂の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、15〜90質量%であることが好ましい。15質量%以上であれば、(A)成分の(メタ)アクリルポリマーを絡みこんで硬化することが容易で、耐現像液性が不足することがなく、90質量%以下であれば、硬化フィルムのフィルム強度や可撓性が十分である。以上の観点から、(B)成分の配合量は20〜80質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。また、(B)脂環式エポキシ樹脂として、透明性及び(メタ)アクリルポリマーとの相溶性の観点から、(B)成分中、室温で液状の脂環式エポキシ樹脂を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上さらに好ましくは85質量%以上含有し、(B)成分が室温で液状の脂環式エポキシ樹脂からなることが特に好ましい。
(C)成分のカチオン重合開始剤の配合量は、(A)成分、及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましい。0.01質量部以上であれば、硬化が十分であり、10質量部以下であれば十分な光透過性が得られる。以上の観点から、0.05〜7質量部であることがさらに好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常10〜80質量%であることが好ましい。
本発明のクラッド層形成用樹脂フィルムは、前記クラッド層形成用樹脂組成物を用いており、前記(A)及び(B)成分および必要に応じて(C)〜(E)成分を含有するクラッド層形成用樹脂組成物を好適な支持フィルムに塗布することにより容易に製造することができる。また、前記クラッド層形成用樹脂組成物が前記有機溶剤で希釈されている場合、樹脂組成物を支持フィルムに塗布し、有機溶剤を除去することにより製造することができる。
なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
本発明のクラッド層形成用樹脂フィルムは、光導波路の下部クラッド、上部クラッドの少なくとも1つに用いることが好ましい。
次に、本発明の光導波路に使用するコア部形成用樹脂組成物は、コア部がクラッド層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。
コア部形成用樹脂フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムと同様の方法によって、コア部形成用樹脂組成物を用いて製造することができる。なお、コア部形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる支持フィルムとしては、コアパターン形成に用いる露光用活性光線が透過するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、液晶ポリマーなどが挙げられる。
これらの中で、露光用活性光線の透過率、柔軟性、及び強靭性の観点から、上記ポリエステル及び上記ポリオレフィンであることが好ましい。さらに、露光用活性光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減の観点から、高透明タイプな支持フィルムを用いることがさらに好ましい。このような高透明タイプの支持フィルムとして、東洋紡績株式会社製コスモシャインA1517、コスモシャインA4100が挙げられる。
なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
図1の(a)に光導波路の断面図を示す。光導波路1は基材5上に形成され、高屈折率であるコア部形成用樹脂組成物からなるコア部2、並びに低屈折率であるクラッド層形成用樹脂組成物からなる下部クラッド層4及び上部クラッド層3で構成されている。
本発明のクラッド層形成用樹脂組成物及びクラッド層形成用樹脂フィルムは、光導波路1の下部クラッド層4、及び上部クラッド層3のうち、少なくとも1つに用いることが好ましい。
以上の観点から、図1の(b)のように上部クラッド層3の外側に保護フィルムとしての機能を有する基材5が配置されていたり、図1の(c)のように下部クラッド層4及び上部クラッド層3の両方の外側に保護フィルムとしての機能を有する基材5が配置されていたりしてもよい。
なお、光導波路1に柔軟性や強靭性が十分に備わっているならば、図1の(d)のように、保護フィルムとしての機能を有する基材5が配置されていなくてもよい。
下部クラッド層形成用樹脂フィルムの厚みについては特に制限はないが、硬化後の下部クラッド層4の厚みが上記の範囲となるように厚みが調整される。
本発明のフレキシブル光導波路の繰り返し捻り試験(捻回耐久試験)において、10万回捻り試験を実施後、フレキシブル光導波路に破断が発生しないことが好ましい。さらに好ましくは、100万回捻り試験を実施後、破断が発生しないことである。光導波路に破断が発生しないと、長期間安定した光伝送を行うことができ、例えば携帯電話のヒンジ部など、常に可動する部分に適用することができる。破断は、拡大鏡下、顕微鏡下、又は目視での観察で確認することができる。
比屈折率差(%)=[(コア部の屈折率)2−(クラッド層の屈折率)2]/[2×(コア部の屈折率)2]×100
なお、光電気複合基板において、複合化するプリント配線板として、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板などのリジッド基板、ポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板などのフレキシブル基板などが挙げられる。
本発明の光導波路1を製造する方法として、特に制限はなく、例えば、光導波路形成用樹脂組成物又は光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、基材上に光導波路形成用樹脂層を形成して製造する方法などが挙げられる。
光導波路形成用樹脂組成物が、好適な有機溶剤で希釈されている場合、必要に応じて樹脂層を形成後に、乾燥する工程を入れてもよい。乾燥方法としては、加熱乾燥、減圧乾燥などが挙げられる。また、必要に応じてこれらを併用してもよい。
これらの中で、平坦性に優れ、線幅や線間の小さい微細パターンを有する光導波路が形成可能という観点から、光導波路形成用樹脂フィルムを用いて積層法により製造する方法が好ましい。
まず、第1の工程として下部クラッド層形成用樹脂フィルムを基材5上に積層する。第1の工程における積層方法としては、特に制限はなく、例えば、ロールラミネータ又は平板型ラミネータを用いて加熱しながら圧着することにより積層する方法などが挙げられる。なお、本発明における平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことを指し、例えば、真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。ここでの加熱温度は、20〜130℃であることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPaであることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。下部クラッド層形成用樹脂フィルムに保護フィルムが存在する場合、保護フィルムを除去した後に積層する。
下部クラッド層形成用樹脂層を光により硬化する際の活性光線の照射量は、0.1〜5J/cm2とすることが好ましいが、この条件には特に制限はない。また、活性光線が基材を透過する場合、効率的に硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射可能な両面露光機を使用することができる。また、加熱をしながら活性光線を照射してもよい。なお、光硬化前後の処理として、必要に応じて50〜200℃の加熱処理を行ってもよい。
下部クラッド層形成用樹脂層を熱により硬化する際の加熱温度は、50〜200℃とすることが好ましいが、この条件には特に制限はない。
なお、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムは、硬化前に除去しても、硬化後に除去してもよい。
活性光線の光源として、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀蒸気アークランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプなどの紫外線を有効に放射する光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプなどの可視光線を有効に放射する光源が挙げられる。
コア部2の露光は、コア部形成用樹脂フィルムの支持フィルムを介して行ってもよいし、また支持フィルムを除去してから行ってもよい。
現像方法としては、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法などが挙げられる。また、必要に応じてこれらの現像方法を併用してもよい。
現像液としては、特に制限はなく、有機溶剤又は有機溶剤と水からなる準水系現像液などの有機溶剤系現像液;アルカリ性水溶液、アルカリ性水溶液と1種類以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系現像液などのアルカリ性現像液などを用いることができる。また、現像温度は、コア部形成用樹脂層の現像性に合わせて調節される。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、有機溶剤中には、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましい。また、準水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。
これらの塩基は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜14であることが好ましい。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましい。また、アルカリ性準水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。
洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法などが挙げられる。また、必要に応じてこれらの洗浄方法を併用してもよい。
前記有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。準水系洗浄液において、有機溶剤の濃度は通常、2〜90質量%とすることが好ましい。また、洗浄温度はコア部形成用樹脂層の現像性に合わせて調節される。
上部クラッド層形成用樹脂層を光により硬化する際の活性光線の照射量は、0.1〜30J/cm2とすることが好ましいが、この条件には特に制限はない。また、活性光線が基材を透過する場合、効率的に硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射可能な両面露光機を使用することができる。また、必要に応じて加熱をしながら活性光線を照射してもよく、光硬化前後の処理として加熱処理を行ってもよい。活性光線照射中及び/又は照射後の加熱温度は50〜200℃であることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
上部クラッド層形成用樹脂層を熱により硬化する際の加熱温度は、50〜200℃とすることが好ましいが、この条件には特に制限はない。
なお、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルムの除去が必要な場合、硬化前に除去しても、硬化後に除去してもよい。
以上の工程で、光導波路1を作製することができる。
実施例1−1
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−1の調合]
(B)重合性化合物として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YDCN−703、エポキシ当量209g/eq)55質量部、(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤としてミレックスキシレン変性フェノール樹脂(三井化学株式会社製XLC−LL、水酸基当量175g/eq)45質量部、シランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−189)2質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−1160)3質量部、フィラーとしてシリカフィラー(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル株式会社製R972、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、さらにビーズミルを用いて90分混練した。これに(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)2333質量部(固形分280質量部)、及び(E)硬化促進剤として、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製2PZ−CN)0.5質量部を加え、攪拌混合後、減圧脱泡して、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−1を得た。
[クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1の作製]
クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−1を、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A53、厚み25μm)の離型処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用樹脂フィルムでは30μm、上部クラッド層形成用樹脂フィルムでは80μm、及び屈折率測定用硬化フィルムでは50μmとなるように調節した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルム(幅10mm、長さ70mm)の引張り試験(つかみ具間距離50mm)を、引張り試験機(株式会社オリエンテック製 RTM−100)を用いて、温度25℃、引張り速度50mm/minで、JIS K 7127に準拠して行った。
(1)引張り弾性率
引張り弾性率は、引張り応力−ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて、以下に示す式により算出した。
引張り弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷硬化フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
(2)引張り破断伸び率
引張り破断伸び率は、以下に示す式により算出した。
引張り破断伸び率(%)=(破断時のつかみ具間距離(mm)−初期のつかみ具間距離(mm))÷初期のつかみ具間距離(mm)×100
得られた硬化フィルムの全光線透過率及びヘイズを分色度・濁度測定器(日本電色工業株式会社製COH 400)を用いて測定した。以下の基準で評価した。
(1)全光線透過率
◎:90%以上、○:80%以上、90%未満、△:70%以上、80%未満、×:70%未満
(2)ヘイズ
◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい
得られた硬化フィルム(幅5mm、長さ10mm)の折り曲げ式屈曲耐久試験を、屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用い、曲げ角度0〜180°、曲げ半径2mm、曲げ速度2回/秒の条件で屈曲耐久試験を行い、硬化フィルムの破断の有無を観察した。なお、「X回後破断なし」という表記は、最大行った試験回数X回後に破断していなかったことを表し、それ以降は試験を行っていない。
得られた硬化フィルム(幅2mm、長さ40mm)の捻回耐久試験を、屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用い、捻り角度±180°、つかみ具間距離20mm、捻り速度0.5回/秒の条件で捻回耐久試験を行い、硬化フィルムの破断の有無を観察した。なお、「X回後破断なし」という表記は、最大行った試験回数X回後に破断していなかったことを表し、それ以降は試験を行っていない。
バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(東都化成株式会社製YP−70、固形分40質量%)63質量部(固形分25質量部)、重合性化合物として、エトキシ化フルオレン型ジアクリレートのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(新中村化学工業株式会社A−BPEF/PGMAC70、固形分70質量%)54質量部(固形分38質量部)、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(新中村化学工業株式会社EA−1020)38質量部、光ラジカル重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部を攪拌混合後、減圧脱泡して、コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を得た。
コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を、PETフィルム(東洋紡績株式会社製A1517、厚み16μm)の非処理面上に、クラッド層形成用樹脂フィルムと同様な方法で塗布乾燥し、コア部形成用樹脂フィルムCOF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、50μmとなるように調節した。
(1)クラッド層形成用樹脂フィルム
クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1を160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)及び保護フィルム(A31)を除去して厚み50μmの硬化フィルムを得た。
(2)コア部形成用樹脂フィルム
コア部形成用樹脂フィルムCOF−1に、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去し、160℃で1時間加熱処理後、支持フィルム(A1517)を除去して厚み50μmの硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルムの温度25℃における波長830nmでの屈折率をプリズムカプラ(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA−4000)を用いて測定した。
得られた硬化フィルムの温度25℃における波長830nmでの屈折率をプリズムカプラ(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA−4000)を用いて測定した。
比屈折率差は、以下に示す式により算出した。
比屈折率差(%)=[(コア部形成用樹脂硬化フィルムの屈折率)2−(クラッド層形成用樹脂硬化フィルムの屈折率)2]÷[2×(コア部形成用樹脂硬化フィルムの屈折率)2]×100
下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1の保護フィルム(A31)を除去した後、160℃で1時間硬化させて、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で1時間加熱乾燥した。
表1−1に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−2〜7を調合し、実施例1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−2〜7を作製した。硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表1−1に示す。
続いて、これらの光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、実施例1−1と同様な方法で、光導波路を作製した。光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの組合せ、それぞれの硬化フィルムの屈折率を測定した結果、並びに比屈折率差を表1−2に示す。
*2:フェノキシ樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(東都化成株式会社製)
*3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量172g/eq)
*4:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量158g/eq)
*5:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量209g/eq)
*6:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量204g/eq)
*7:ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社、水酸基当量118g/eq)
*8:ビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社、水酸基当量118g/eq)
*9:キシレン変性フェノール樹脂樹脂(三井化学株式会社、水酸基当量175g/eq)
*10:シリカフィラー(日本アエロジル株式会社製、平均粒径0.016μm)
*11:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製)
*12:γ‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製)
*13:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
*14:◎:90%以上、○:80%以上、90%未満、△:70%以上、80%未満、×:70%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*15:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−8の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)833質量部(固形分100質量部)、(B)重合性化合物として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YDF−8170C、エポキシ当量158g/eq)16質量部、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YDCN−703、エポキシ当量209g/eq)5質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製A−DPH)30質量部、(C)光塩基発生剤として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア369)2質量部、シランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−189)0.1質量部(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤として、ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社製LF−4871、水酸基当量118g/eq、固形分60質量%)26質量部(固形分15質量部)、及びシランカップリング剤として、γ‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−1160)0.3質量部を攪拌混合後、減圧脱泡して、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−8を得た。続いて、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−8を用いて、実施例1−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−8を作製した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−8を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−8上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を250mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表2−1に示す。
[屈折率測定用硬化フィルムの作製]
クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−8に、前記紫外線露光機を用い、紫外線(波長365nm)を250mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)及び保護フィルム(A31)を除去して厚み50μmの硬化フィルムを得た。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−8に紫外線(波長365nm)を250mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去した後、160℃で1時間硬化させ、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で1時間加熱乾燥した。
光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの硬化フィルムの屈折率および比屈折率差を表2−2に示す。
表2−1に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−9〜14を調合し、実施例2−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−9〜14を作製した。フィルム硬化時の紫外線照射量、並びに硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表2−1に示す。
続いて、これらの光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、実施例2−1と同様な方法で、光導波路を作製した。光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの組合せ、それぞれの硬化フィルムの屈折率を測定した結果、並びに比屈折率差を表2−2に示す。
*2:フェノキシ樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(東都化成株式会社製)
*3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量158g/eq)
*4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量172g/eq)
*5:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量209g/eq)
*6:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*7:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*8:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリニルフェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*9:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリニルフェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*10:1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*11:ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社、水酸基当量118g/eq)
*12:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製)
*13:γ‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製)
*14:◎:90%以上、○:80%以上、90%未満、△:70%以上、80%未満、×:70%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*15:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−15の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)500質量部(固形分60質量部)、(B)重合性化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製A−TMPT)10質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YD−8125、エポキシ当量172g/eq)17質量部、(C)重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)0.5質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)0.5質量部(D)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤として、ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社製LF−4871、水酸基当量118g/eq、固形分60質量%)22質量部(固形分13質量部)、及び(E)硬化促進剤として、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製2PZ−CN)0.1質量部を、攪拌混合後、減圧脱泡して、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−15を得た。
続いて、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−15を用いて、実施例1−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−15を調合した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−15を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−15上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を250mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表3−1に示す。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−15に紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去した後、160℃で1時間硬化させ、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で1時間加熱乾燥した。
光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの硬化フィルムの屈折率および比屈折率差を表3−2に示す。
表3−1に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−16〜22を調合し、実施例3−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−16〜22を作製した。フィルム硬化時の紫外線照射量、並びに硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表3−1に示す。
続いて、これらの光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、実施例3−1と同様な方法で、光導波路を作製した。光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの組合せ、それぞれの硬化フィルムの屈折率を測定した結果、並びに比屈折率差を表3−2に示す。
*2:フェノキシ樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(東都化成株式会社製)
*3:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*4:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*5:エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*6:1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)
*7:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(共栄社化学株式会社製)
*8:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量172g/eq)
*9:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*10:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*11:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリニルフェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*12:ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社、水酸基当量118g/eq)
*13:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
*14:◎:90%以上、○:80%以上、90%未満、△:70%以上、80%未満、×:70%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*15:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−23の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)667質量部(固形分80質量部)、(B)エポキシ樹脂として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(株式会社ADEKA製KRM−2110)20質量部、及び(C)カチオン重合開始剤として、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩の溶液(株式会社ADEKA製SP−170、固形分50質量%)4質量部(固形分2質量部)を攪拌混合後、減圧脱泡して、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−23を得た。
続いて、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−23を用いて、実施例1−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−23を調合した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−23を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−23上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表5−1に示す。
クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−23に、前記紫外線露光機を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化加熱処理後、支持フィルム(A53)及び保護フィルム(A31)を除去して厚み50μmの硬化フィルムを得た。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−23に紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射後、保護フィルム(A31)を除去した。次いで、160℃で1時間加熱処理し、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で1時間加熱乾燥した。
光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの硬化フィルムの屈折率および比屈折率差を表5−2に示す。
表5−1に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−24〜28を調合し、実施例5−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−24〜28を作製した。フィルム硬化時の紫外線照射量、並びに硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表5−1に示す。
続いて、これらの光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、実施例5−1と同様な方法で、光導波路を作製した。光導波路の作製に用いたコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムの組合せ、それぞれの硬化フィルムの屈折率を測定した結果、並びに比屈折率差を表5−2に示す。
*2:フェノキシ樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(東都化成株式会社製)
*3:アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(株式会社ADEKA製)
*4:アリサイクリックジエポキシアジペート(株式会社ADEKA製)
*5:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポキシ当量172g/eq)
*6:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩の溶液(株式会社ADEKA製)
*7:ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社、水酸基当量118g/eq)
*8:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*9:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリニルフェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*10:◎:90%以上、○:80%以上、90%未満、△:70%以上、80%未満、×:70%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*11:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
実施例1−1〜1−6、実施例2−1〜2−6、実施例3−1〜3−7、実施例5−1〜5−5、及び比較例1−1、2−1、3−1及び5−1で得られた光導波路(導波路長10cm)の光伝搬損失を、光源に波長850nmの光を中心波長とするVCSEL(EXFO社製FLS−300−01−VCL)、受光センサ(株式会社アドバンテスト製Q82214)、入射ファイバ(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)及び出射ファイバ(SI−114/125、NA=0.22)を用いて、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm)により測定した。
◎:0.1dB/cm以下、○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下、△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下、×:0.3dB/cmより大きい
以上の結果を表1−3、表2−3、表3−3及び表5−3に示す。
*1:◎:0.1dB/cm以下、○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下、△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下、×:0.3dB/cmより大きい
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−29の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)500質量部(固形分60質量部)、(B)ウレタン(メタ)アクリレートとして、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学株式会社製AT−600)20質量部、(C)(メタ)アクリレートとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学株式会社製TMP−A)20質量部、(D)光ラジカル重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部を攪拌混合した後に、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−29を得た。
クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−29を、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A53、厚み25μm)の離型処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−29を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用樹脂フィルムでは20μm、上部クラッド層形成用樹脂フィルムでは90μm、及び屈折率測定用硬化フィルムでは55μmとなるように調節した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−29を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−29上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A53)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルム(幅10mm、長さ70mm)の引張り試験(つかみ具間距離50mm)を、引張り試験機(株式会社オリエンテック製 RTM−100)を用いて、温度25℃、引張り速度50mm/min、で、JIS K 7127に準拠して行った。
(1)引張り弾性率
引張り弾性率は、引張り応力−ひずみ曲線の初めの直線部分を用いて、以下に示す式により算出した。
引張り弾性率(MPa)=直線上の2点間の応力の差(N)÷硬化フィルムの元の平均断面積(mm2)÷同じ2点間のひずみの差
(2)引張り破断伸び率
引張り破断伸び率は、以下に示す式により算出した。
引張り破断伸び率(%)=(破断時のつかみ具間距離(mm)−初期のつかみ具間距離(mm))÷初期のつかみ具間距離(mm)×100
得られた硬化フィルム(幅5mm、長さ10mm)の折り曲げ式屈曲耐久試験を、屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用い、曲げ角度0〜180°、曲げ半径1.5mm、曲げ速度2回/秒の条件で屈曲耐久試験を行い、硬化フィルムの破断の有無を観察した。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。なお、「X回後破断なし」という表記は、最大行った試験回数X回後に破断していなかったことを表し、それ以降は試験を行っていない。
得られた硬化フィルム(幅2mm、長さ40mm)の捻回耐久試験を、屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用い、捻り角度±180°、つかみ具間距離20mm、捻り速度0.5回/秒の条件で捻回耐久試験を行い、硬化フィルムの破断の有無を観察した。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。なお、「X回後破断なし」という表記は、最大行った試験回数X回後に破断していなかったことを表し、それ以降は試験を行っていない。
得られた硬化フィルム6(幅2mm、長さ50mm)について、図2に示すようなスライド式の屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用いて、スライド式屈曲耐久試験を行った。試験は硬化フィルム(幅2mm、長さ50mm)を、屈曲軸(仮想軸)7に沿うように配置して行った。また、曲げ半径(R)については、1.5mmの条件で行い、スライド速度80mm/秒、X1〜X2間の距離20mmの条件で試験を行った。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。なお、「X回後破断なし」という表記は、最大行った試験回数X回後に破断していなかったことを表し、それ以降は試験を行っていない。
[透過率の測定]
得られた硬化フィルムの全光線透過率及びヘイズを分色度・濁度測定器(日本電色工業株式会社製COH 400)を用いて測定した。以下の基準で評価した。
(1)全光線透過率
◎:90%以上
○:70%以上、90%未満
△:50%以上、70%未満
×:50%未満
(2)ヘイズ
◎:10%以下
○:10%より大きく、20%以下
△:20%より大きく、30%以下
×:30%より大きい
得られた硬化フィルムの温度25℃における波長830nmでの屈折率をプリズムカプラ(SAIRON TECHNOLOGY社製、SPA−4000)を用いて測定した。
コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を、PETフィルム(東洋紡績株式会社製A1517、厚み16μm)の非処理面上に、クラッド層形成用樹脂フィルムと同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、A31、厚み25μm)を貼付け、コア部形成用樹脂フィルムCOF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、70μmとなるように調節した。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−29に紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去して、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で10分加熱乾燥した。
続いて、上部及び下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−29の支持フィルム(A4100)を除去し、光導波路を得た。その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD−341)を用いて導波路長10cmの光導波路を切り出した。
表4−1に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−30〜36調合し、実施例4−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−30〜36を作製した。硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、スライド式屈曲耐久試験、屈折率、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表4−1に示す。
続いて、これらのクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−30〜36を用いて、実施例4−1と同様な方法で、光導波路を作製した。
*2:フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学株式会社製、AT-600)
*3:ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学株式会社製、UA-306H)
*4:ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学株式会社製、UA-306I)
*5:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学株式会社製、UA−510H)
*6:新中村化学株式会社製、NKオリゴ U−412A
*7:新中村化学株式会社製、NKオリゴ UA−6100
*8:新中村化学株式会社製、NKオリゴ UA−160TM
*9:新中村化学株式会社製、NKオリゴ UF−8001
*10:トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートTMP−A)
*11:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、
*12:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
*13:◎:90%以上 ○:70%以上、90%未満 △:50%以上、70%未満、 ×:50%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*14:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
[ウレタンアクリレートAの合成]
攪拌器、温度計、冷却管および空気ガス導入管を2Lの三口フラスコに取り付け、空気ガスを導入した後、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学株式会社製 商品名PTG850SN)520.8g、ジエチレングリコール1.06g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε-カプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社製 商品名FA2D)275.2g、重合禁止剤としてp−メトキシキノン0.5g、触媒としてジブチルチ錫ジラウレート(東京ファインケミカル株式会社製、商品名L101)0.3gをいれ、70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート(スミカバイエルウレタン株式会社製、商品名デスモジュールI)222gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。滴下終了後、約5時間反応させたところで反応を終了した。得られた生成物の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)を、GPC(東ソー株式会社製SD−8022/DP−8020/RI−8020)を用いて測定した結果、重量平均分子量10,000のウレタンアクリレートAを得た。
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−37の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)500質量部(固形分60質量部)、(B)ウレタン(メタ)アクリレートとして、合成例1で得られたウレタンアクリレートA 20質量部、(C)(メタ)アクリレートとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学株式会社製TMP−A)20質量部、(D)光ラジカル重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部を攪拌混合した後に、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−37を得た。
クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−37を、表面離型処理PETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100、厚み50μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−37を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用樹脂フィルムでは20μm、上部クラッド層形成用樹脂フィルムでは90μm、及び屈折率測定用硬化フィルムでは50μmとなるように調節した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−37(厚み20μm)を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−37上(厚み90μm)に、圧力0.2MPa、温度50℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。160℃で1時間硬化させた後、支持フィルム(A4100)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
バインダポリマーとして、フェノキシ樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(東都化成株式会社製YP−70、固形分40質量%)75質量部(固形分30質量部)、重合性化合物として、エトキシ化フルオレン型ジアクリレートのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(新中村化学工業株式会社A−BPEF/PGMAC70、固形分70質量%)29質量部(固形分20質量部)、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(新中村化学工業株式会社EA−1020)20質量部、エチレンオキシド(EO)鎖含有ビスフェノールA型アクリレート(日立化成工業株式会社FA−321A) 30質量部、光ラジカル重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部を秤量し、攪拌混合した後に、減圧脱泡し、コア部形成用樹脂ワニスCOV−2を得た。
コア部形成用樹脂ワニスCOV−1に代えて、コア部形成用樹脂ワニスCOV−2を用いて、コア部形成用樹脂フィルムCOF−1と同様な方法でコア部形成用樹脂フィルムCOF−2を作成した。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、70μmとなるように調節した。
コア部形成用樹脂フィルムCOF−2に、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去し、160℃で1時間加熱処理後、支持フィルム(A1517)を除去して厚み50μmの硬化フィルム(温度25℃における波長830nmでの屈折率1.570)を得た。なお、屈折率は上記と同様の方法で測定した。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−37に紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去して、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で10分加熱乾燥した。
続いて、上部及び下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−37の支持フィルム(A4100)を除去し、光導波路を得た。その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD−341)を用いて導波路長10cmの光導波路を切り出した。
[アクリル変性アクリルゴムの合成]
メカニカルスターラー、冷却管、温度計のついた4つ口フラスコに、アクリルゴム(ナガセケムテック株式会社製HTR−860P−3−T10、シクロヘキサン溶液、固形分(NV)14.9質量%、グリシジルメタクリレート共重合比率10質量%)100g、トルエン100g、メトキシヒドロキノン44mg、アクリル酸6.96gを投入し、空気バブリングしながら80℃で攪拌する。トリフェニルホスフィン134mgを投入し、110℃に昇温して6時間攪拌後、得られた溶液を500gのメタノール中に滴下し、沈殿物をメタノールで洗浄した。沈殿物を真空オーブン中30℃で12時間乾燥し、黄色ゴム状物のアクリル変性アクリルゴムを13g得た。アクリル変性アクリルゴムをシクロヘキサノンに溶解してワニス(NV15質量%)とした。
表4−2に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−38〜49を調合し、実施例4−9と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−38〜49を作製した。硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、スライド式屈曲耐久試験、屈折率、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表4−2に示す。
続いて、これらのクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−38〜49を用いて、実施例4−9と同様な方法で、光導波路を作製した。
*8:新中村化学株式会社製、NKオリゴ UA−160TM
*10:トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学株式会社製、ライトアクリレートTMP−A)
*11:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
*12:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
*13:◎:90%以上 ○:70%以上、90%未満 △:50%以上、70%未満、 ×:50%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*14:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
*15:エポキシ基含有アクリルゴム(HTR−860P−3)の低分子量品(ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量24.3万、エポキシ基含有量5質量%)
*16:エポキシ基含有アクリルゴム(HTR−860P−3)の低分子量品(ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量11万、エポキシ基含有量5質量%)
*17:合成例1で得られたウレタンアクリレートA
*18:NKオリゴA−9300、新中村化学株式会社製
*19:NKオリゴA−9300−3CL、新中村化学株式会社製
*20:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE−6A)共栄社化学株式会社製
*21:合成例2で得られたアクリル変性アクリルゴムのシクロヘキサン溶液(重量平均分子量70万、エポキシ基含有量7質量%、アクリロイル基含有量3質量%)
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−50の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、重量平均分子量80万、固形分12質量%)500質量部(固形分60質量部)、(B)ウレタン(メタ)アクリレートとして、合成例1で得られたウレタンアクリレートA 20質量部、(C)(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学株式会社製DPE−6A)15質量部、及び2,2,2−トリアクリロイロキシメチルエチルコハク酸(新中村化学工業株式会社製NKエステルCBX−0)5質量部、(D)光ラジカル重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部、(E)硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製2PZ−CN)0.3質量部を攪拌混合した後に、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−50を得た。
クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−50を、表面離型処理PETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100、厚み50μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−50を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用樹脂フィルムでは20μm、上部クラッド層形成用樹脂フィルムでは90μm、及び屈折率測定用硬化フィルムでは50μmとなるように調節した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−50(厚み20μm)を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−50(厚み90μm)上に、圧力0.2MPa、温度50℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで、140℃で1時間硬化させた後、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。その後、160℃で1時間硬化させ、支持フィルム(A4100)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−50を140℃で1時間加熱硬化した後、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去して、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で10分加熱乾燥した。
続いて、上部及び下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−50の支持フィルム(A4100)を除去し、光導波路を得た。その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD−341)を用いて導波路長10cmの光導波路を切り出した。
表4−3に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−51〜53を調合し、実施例4−22と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−51〜53を作製した。硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、スライド式屈曲耐久試験、屈折率、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表4−3に示す。
続いて、これらのクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−51〜53を用いて、実施例4−22と同様な方法で、光導波路を作製した。
*11:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、
*12:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
*13:◎:90%以上 ○:70%以上、90%未満 △:50%以上、70%未満、 ×:50%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*14:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、 30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
*17:合成例1で得られたウレタンアクリレートA
*20:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE−6A)共栄社化学株式会社製
*22:エポキシ基含有アクリルゴム(ナガセケムテックス株式会社製、重量平均分子量70万、エポキシ基含有量10質量%)
*23:2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(HOA−HH)共栄社化学株式会社製
*24:2,2,2−トリアクリロイロキシメチルエチルコハク酸(NKエステルCBX−0)新中村化学工業株式会社
*25:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(2PZ−CN)四国化成工業株式会社製
[(メタ)アクリルポリマーAの作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート51質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を始めた。液温を65℃に上昇させ、ジシクロペンタニルアクリレート25質量部、メチルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート15質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20質量部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート51質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、室温まで冷却した。
続いて、ジブチルスズジラウリレート0.09質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を加え、空気を導入しながら撹拌を始めた。液温を50℃に上昇させた後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート23質量部を30分かけて滴下後、50℃で3時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーA溶液(固形分50質量%)を得た。
(メタ)アクリルポリマーAの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー株式会社製SD−8022/DP−8020/RI−8020)を使用して測定した結果、40,500であった。なお、カラムは日立化成工業株式会社製Gelpack GL−A150−S/GL−A160−Sを使用した。
[(メタ)アクリルポリマーBの作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を始めた。液温を65℃に上昇させ、ジシクロペンタニルアクリレート25質量部、メチルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート15質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20質量部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、室温まで冷却した。
続いて、ジブチルスズジラウリレート0.09質量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.1質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を加え、空気を導入しながら撹拌を始めた。液温を50℃に上昇させた後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート23質量部を30分かけて滴下後、50℃で3時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーB溶液(固形分50質量%)を得た。
合成例3と同様な方法で、(メタ)アクリルポリマーBの重量平均分子量を測定した結果、82,500であった。
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−54の調合]
(メタ)アクリルポリマーとして合成例3で得られた(メタ)アクリルポリマーA120質量部(固形分60質量部)、(B)ウレタン(メタ)アクリレートとして、ウレタンアクリレートA 20質量部、(C)(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学株式会社製DPE−6A)20質量部、(D)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア819)1質量部、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア2959)1質量部を攪拌混合した後に、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−54を得た。
クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−54を、表面離型処理PETフィルム(東洋紡績株式会社製A4100、厚み50μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−54を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用樹脂フィルムでは20μm、上部クラッド層形成用樹脂フィルムでは90μm、及び屈折率測定用硬化フィルムでは60μmとなるように調節した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製HLM−1500)を用い、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−54(厚み20μm)を、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−54(厚み90μm)上に、圧力0.2MPa、温度50℃、速度0.4m/minの条件で積層した。次いで紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。その後、160℃で1時間硬化させ、支持フィルム(A4100)を除去して厚み110μmの硬化フィルムを得た。
前記紫外線露光機を用い、下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−54に紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm2照射した。保護フィルム(A31)を除去して、下部クラッド層を形成した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を500mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。支持フィルム(A1517)を除去し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=70/30質量比)を用い、コア部を現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で10分加熱乾燥した。
続いて、上部及び下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−54の支持フィルム(A4100)を除去し、光導波路を得た。その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD−341)を用いて導波路長10cmの光導波路を切り出した。
表4−4に示す配合比に従ってクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−55を調合し、比較例4−1と同様な方法で、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−55を作製した。硬化フィルムの引張り試験、折り曲げ式屈曲耐久試験、スライド式屈曲耐久試験、屈折率、及び捻回耐久試験、並びに全光線透過率及びヘイズ測定を実施した結果を表4−4に示す。
続いて、これらのクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−55を用いて、比較例4−1と同様な方法で、光導波路を作製した。
*12:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
*13:◎:90%以上 ○:70%以上、90%未満 △:50%以上、70%未満、 ×:50%未満、フィルム厚み110μmの条件で測定
*14:◎:10%以下、○:10%より大きく、20%以下、△:20%より大きく、30%以下、×:30%より大きい、フィルム厚み110μmの条件で測定
*17:合成例1で得られたウレタンアクリレートA
*20:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE-6A)共栄社化学株式会社製
*26:合成例3で得られたアクリルポリマーA溶液
*27:合成例4で得られたアクリルポリマーB溶液
実施例4−1〜4−25、比較例4−1〜4−2で得られた光導波路(導波路長10cm)の光伝搬損失を、光源に波長850nmの光を中心波長とするVCSEL(EXFO社製FLS−300−01−VCL)、受光センサ(株式会社アドバンテスト製Q82214)、入射ファイバ(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)及び出射ファイバ(SI−114/125、NA=0.22)を用いて、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm)により測定した。
◎:0.1dB/cm以下、○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下、△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下、×:0.3dB/cmより大きい
各実施例及び比較例で製造された光導波路1(幅2mm、長さ50mm)について、図2に示すようなスライド式の屈曲耐久試験機(株式会社大昌電子製)を用いて、スライド式屈曲耐久試験を行った。試験は各実施例及び比較例で得られた光導波路(幅2mm、長さ50mm)を、屈曲軸(仮想軸)7に対して下部クラッド層を内側に配置して行った。また、曲げ半径(R)については、実施例4−1〜4−8は2.0mm、実施例4−9〜4−25及び比較例4−1〜4−2は1.5mmの条件で行い、スライド速度80mm/秒、X1〜X2間の距離20mmの条件で試験を行った。評価については、1万回毎に破断の有無を観察して破断しない最大回数を求めた。
以上の結果を表4−5から表4−8に示す。
2.コア部
3.上部クラッド層(第2のクラッド層)
4.下部クラッド層(第1のクラッド層)
5.基材
6.クラッド層形成用樹脂組成物の硬化フィルム
7.屈曲軸(仮想軸)
Claims (12)
- (A)反応性官能基を有し、かつ重量平均分子量が10万以上である(メタ)アクリルポリマー、及び(B)重合性化合物を含有するクラッド層形成用樹脂組成物であって、該クラッド層形成用樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルムの、25℃での引張り破断伸び率が10〜600%であり、該反応性官能基が少なくともエポキシ基を含む、クラッド層形成用樹脂組成物。
- さらに(C)重合開始剤を含有する請求項1に記載のクラッド層形成用樹脂組成物。
- 前記クラッド層形成用樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルムの、25℃での引張り弾性率が1〜2000MPaである請求項1又は2に記載のクラッド層形成用樹脂組成物。
- 前記クラッド層形成用樹脂組成物を硬化してなる厚み110μmの硬化フィルムのヘイズが30%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のクラッド層形成用樹脂組成物。
- 前記(A)(メタ)アクリルポリマーが、前記反応性官能基を含有するモノマーを0.5〜20質量%含むモノマー混合物を共重合して得られる共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のクラッド層形成用樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のクラッド層形成用樹脂組成物を用いたクラッド層形成用樹脂フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のクラッド層形成用樹脂組成物により、下部クラッド層と上部クラッド層のうち少なくとも一方の層が形成された光導波路。
- 請求項6に記載のクラッド層形成用樹脂フィルムにより、下部クラッド層と上部クラッド層のうち少なくとも一方の層が形成された光導波路。
- 前記光導波路の下部クラッド層と上部クラッド層の間に、両クラッド層よりも屈折率の高い感光性樹脂組成物によりコア部が形成され、コア部とクラッド層との比屈折率差が1〜10%である請求項7又は8に記載の光導波路。
- クラッド層形成用樹脂フィルムの少なくとも1つがクラッド層形成用樹脂と支持フィルムから構成され、支持フィルムがコア層に対してクラッド層の外側に配置されている請求項8又は9に記載の光導波路。
- クラッド層形成用樹脂フィルムが、接着処理を施した支持フィルム上にクラッド層形成用樹脂組成物が成膜されてなる請求項10に記載の光導波路。
- 請求項7〜11のいずれかに記載の光導波路を用いた光モジュール。
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