JP3898300B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物及び光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、紫外線硬化型樹脂組成物及び光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明が利用される分野は、速い硬化速度と、優れた機械的性質とを合せもつ活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を必要とする分野である。より具体的に言うと、本発明は、光ファイバーに塗装される紫外線硬化型樹脂組成物として、高破断強度と高い伸び率をもつと共に、硬化性に優れた材料を提供する。
【0002】
【従来の技術】
従来から光ファイバーの被覆膜として紫外線硬化型樹脂組成物が使用されている。該樹脂組成物としては、紫外線による硬化性が優れること及び形成された被膜は強靱で屈曲性などの機械的性質が優れる材料が提供される。
【0003】
このような材料としては、ポリウレタン(メタ)アクリレートを使用することが一般的に知られている。このものは、グリコールとジイソシアネート化合物の重付加反応により合成された両末端イソシアネート基を含有するオリゴマー1モルとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー2モルとを反応させることにより製造される。該ポリウレタン(メタ)アクリレートはオリゴマーの分子量が大きくなると1分子中に含まれる不飽和基の含有量が少なくなり硬化性(架橋間分子量が大きくなる)が悪くなり、一方、オリゴマーの分子量が小さくなると、特に被膜の伸び率が低下して機械的性質が悪くなり、硬化性と機械的性質の両者の性質を満足させることはできない。
【0004】
また、上記したポリウレタン(メタ)アクリレートにおいて、グリコールに一部トリオール化合物を併用したり、またジイソシアネート化合物に一部トリイソシアネート化合物を併用したりして、オリゴマーの骨格を分岐させて不飽和基の含有量を多くすることにより硬化性を向上させる組成も知られているが、このような被膜は伸び率が低いので機械的性質が劣り、また組成物の粘度も高くなるといった問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では達成できなかった、硬化性と優れた機械的性質を合せもつ活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決する手段として、特定の樹脂組成物を用いることにより前記問題点を全て解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、
1、分子末端に下記一般式
(AC)m−(PO)−(R1−O)p−OCHN−
(式中、ACは(メタ)アクリロイル基を示し、POは3価以上のポリオール成分残基を示し、mはPOがn価を有するポリオール成分を使用した際にm≦n−1であり、かつmは2又は3の整数であり、R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基を示し、pは2〜100の整数を示す。)
で表される官能基を有する反応性オリゴマー(A)及び光重合開始剤(B)を含有してなることを特徴とする光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物
2、上記反応性オリゴマー(A)において、一般式のポリオール成分が3〜4価のポリオール成分であることを特徴とする上記の光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物
3、上記反応性オリゴマー(A)がポリオール成分と(メタ)アクリル酸とを反応させて水酸基含有多官能性(メタ)アクリレートモノマーを製造した後、該水酸基とモノエポキシドとを反応させ、次いで得られた反応生成物とイソシアネート基を2個以上含有する(高分子)化合物をイソシアネート価が1以下になるまで反応させて得られる上記の光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物に係わる。
【0008】
本発明で使用する反応性オリゴマー(A)は、上記した一般式で表されるものである。一般式において、ポリオール成分残基を形成するポリオール成分としては、好ましくはトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
【0009】
一般式において、R1の炭素数2〜10の2価の炭化水素基は脂肪族、芳香族及びこれらのものが組合わさった基が挙げられる。炭化水素基は直鎖状又は分岐状であっても構わない。該炭化水素基は、具体的には、モノエポキシドのよって導入されるものである。モノエポキシドの具体例としては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−ペンチレンオキサイド、1,2−オクチレンオキサイド、ブタジェンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ドデセンオキサイド、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、酢酸グリシジル、ラウリン酸グリシジル、CARDURA E10(分岐高級脂肪酸であるバーサティック酸のグリシジルエステル、シェル化学社製)などが挙げられる。
【0010】
一般式において、分子末端のウレタン結合はポリイソシアネート化合物によって導入することができる。ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式系ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)芳香族ジイソシアネート化合物、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物、ビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物などが挙げられる。
【0011】
一般式においてNH−に結合する残りの鎖はウレタン結合以外にエステル結合、エーテル結合、アミド結合、炭化水素結合などの単独もしくは2種以上組合わさった結合を含むことができる。このような結合は直鎖状であっても分岐状であっても構わない。更に残りの鎖の末端は(メタ)アクリロイル基のような不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などの如き1価炭化水素基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、アルコキシル基などである。
【0012】
反応性オリゴマー(A)としては、好ましくは下記のものが挙げられる。
【0013】
Figure 0003898300
上記式においてTMPはトリメチロールプロパン成分によるもの、PESはペンタエリスリトール成分によるもの、Gはグリセリン成分によるもの、PEOはエチレンオキサイドの重合成分によるもの、PPOはプロピレンオキサイドの重合成分によるもの、Aはポリイソシアネート化合物成分によるもの、PEは両末端水酸基のポリエステル樹脂成分によるものであり、pは1〜100の整数を表す。
【0014】
反応性オリゴマー(A)は、数平均分子量が1000〜50000、特に1000〜10000の範囲が好ましい。数平均分子量が1000未満になると、被膜の伸び率が低下し、一方50000を越えると粘度が高くなったり硬化性が低下したりするので好ましくない。
【0015】
反応性オリゴマー(A)は、例えばポリオール成分と(メタ)アクリル酸とを反応させて水酸基含有多官能性(メタ)アクリレートモノマーを製造した後、該水酸基とモノエポキシドとを反応させ、次いで得られた反応生成物とポリイソシアネート化合物(樹脂も含む)を実質的に遊離のイソシアネート基が残らないように反応させて製造することができる。上記した反応は従来から公知の方法により製造することができる。また、必要に応じて反応触媒を使用することができる。
【0016】
具体的には、例えば重合禁止剤(ハイドロキノンなど)、エステル化触媒(スルホン酸、金属触媒など)の存在下でポリオール成分及びアクリル酸の混合物を不活性有機溶媒(芳香族炭化水素など)中で100〜300℃の反応温度でエステル化反応させて分子中に平均約1個の水酸基が残るように多官能性(メタ)アクリレートモノマーを製造する。該エステル化反応は酸価を測定することにより管理することができる。次いで反応物から不活性有機溶剤を減圧により除去し、このものにモノエポキシドを必要量配合して反応させることにより末端水酸基を有するポリエーテルの多官能性(メタ)アクリレートモノマーを製造する。
【0017】
次いで得られた反応物1モルに対してジイソシアネート化合物を約2モル反応させることによりジイソシアネート化合物成分を介して両末端にポリエーテル結合を持つ多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを製造することができる。該ジイソシアネート化合物に代えてトリイソシアネート化合物を使用する場合には反応物3モルに対してトリイソシアネート化合物を約1モルとして遊離のイソシアネート基が残らないように配合すれば良い。ジイソシアネート化合物やトリイソシアネート化合物は両末端に水酸基を含有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどで変性したポリイソシアネート化合物も使用することができる。
【0018】
上記した反応性オリゴマー(A)を紫外線硬化型樹脂組成物として使用する場合には、このものに光重合開始剤(B)を配合して使用される。
【0019】
該光重合開始剤(B)としては、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、アセトフェノンジエチルケタール、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、チオキサントン系化合物を挙げることができる。
【0020】
光重合開始剤(B)は、通常、不飽和組成物100重量に対して約1〜10重量部の範囲で配合できる。
【0021】
本発明組成物は、上記反応性オリゴマー(A)、光重合開始剤(B)以外に被膜物性向上や、粘度と反応性調整のために、多官能性不飽和モノマー類(C)や着色剤を必要に応じて配合することができる。
【0022】
上記多官能性不飽和モノマー類(C)としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ベンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオぺンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、ジシクロぺンタジエンジアクリレート、ジシクロぺンタジアクリレート、ジシクロぺンタジエンジメタクリレート等を挙げることができる。
【0023】
また、被膜性能を低下させない程度で1官能性不飽和モノマー類も使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エチルジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、メチルトリエチレンジグリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、t−オクチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロぺンテニルアクリレート、ジシクロぺンテニルメタクリレートなどが挙げられる。
【0024】
本発明組成物は、プラスチックなどの基材表面に、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布量が硬化膜厚で1〜500ミクロンになるように塗布し、次いで活性エネルギー線を照射して硬化させことにより実施できる。塗布の膜厚は硬化膜厚で約1〜500ミクロン、好ましくは約3〜200ミクロンの範囲が好適である。
【0025】
活性エネルギー線としては、例えば水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライド、ガリウムランプ、エキシマーなどによる紫外線やβ線や電子線などが挙げられる。紫外線の照射量は、特に限定されないが、通常、約10〜2,000mj/cm2範囲とするのが好ましい。また、電子線の場合には、50〜300Kev の電子線を通常1〜20Mrad照射することが好ましい。
【0026】
本発明組成物は、光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物として使用することが好ましい。
【0027】
光ファイバーの被覆層として紫外線硬化型樹脂組成物を使用する方法について以下に述べる。被覆光ファイバーを製造する方法として、例えば多心(例えば4、8本の単心線が並べられたリボン心線)リボン心線を例にとって説明すると、まず心線プリフォームにより線引きされた光ファイバーの表面に、紫外線硬化型プライマー塗料を塗装、及び紫外線照射によりプライマリー硬化被膜を形成し、次いで紫外線硬化型セカンダリー塗料を塗装、及び紫外線照射によりセカンダリー硬化被膜を形成し、次いで色の異なった紫外線硬化型インキを印刷及び紫外線照射により着色心線を製造する。続いて、この数本の着色心線を並べ紫外線硬化型リボン材を塗布、及び紫外線照射により固定化して多心リボン心線を得ることができる。
【0028】
本発明組成物は、光ファイバー被覆層において、特に紫外線硬化型のプライマリー及びセカンダリー塗料、紫外線硬化型インキ、及び紫外線硬化型リボン材として使用することが好ましい。これらの被覆層は、層によっても異なるが、一般的には平均1〜500μmの範囲で塗装、印刷される。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例の部は重量基準である。
【0030】
反応性オリゴマーA1の製造例
トリメチロールプロパン134g(1モル)、アクリル酸144g(2モル)、ハイドロキノン500ppm、P−トルエンスルホン酸100ppm及びトルエン276gの配合物を110〜120℃で脱水させながらエステル化反応を行った。反応物の酸価が5KOHmg/g以下になってから有機溶剤を減圧により除去し、次にエチレンオキサイド10モルを配合した後、付加反応を行い水酸基含有不飽和オリゴマー(a)を製造した。
【0031】
分子量2000のポリプロピレングリコール2000g(1モル)とイソホロンジイソシアネート444g(2モル)とを混合した後、イソシアネート基が1/2になるまで100℃で反応させてポリイソシアネート化合物(b)を製造した。
【0032】
次いで、上記オリゴマー(a)2モルと上記化合物(b)1モルとを混合し、イソシアネート価が1以下になるまで100℃で反応させて4000mpa・sec(20℃)の反応性オリゴマーA1を得た。このものは1分子中に平均約4個のアクリロイル基を含有する数平均分子量約3000のものであった。
【0033】
反応性オリゴマーA2の製造例
ペンタエリスリトール136g(1モル)、メタクリル酸258g(3モル)、メトキシフェノール500ppm、P−トルエンスルホン酸100ppm及びトルエン368gの配合物を110〜120℃で脱水させながらエステル化反応を行った。反応物の酸価が5KOHmg/g以下になってから有機溶剤を減圧により除去し、次にプロピレンオキサイド5モルを配合した後、付加反応を行い水酸基含有不飽和オリゴマー(c)を製造した。
【0034】
分子量1000の両末端水酸基ポリエステル樹脂2000g(2モル)とヘキサメチレンジイソシアネート514g(3モル)とを混合した後、イソシアネート基が1/3になるまで100℃で反応させてポリイソシアネート化合物(d)を製造した。
【0035】
次いで、上記オリゴマー(c)2モルと上記化合物(d)1モルとを混合し、イソシアネート価が1以下になるまで100℃で反応させて9000mpa・sec(20℃)の反応性オリゴマーA2を得た。このものは1分子中に平均約6個のアクリロイル基を含有する数平均分子量約3200のものであった。
【0036】
反応性オリゴマーA3の製造例
上記したポリイソシアネート化合物(b)222g(1モル)と2−ヒドロキシエチルアクリレート232g(2モル)との混合物を、イソシアネート価が1以下になるまで100℃で反応させて3000mpa・sec(20℃)の反応性オリゴマーA3を得た。このものは1分子中に平均約2個のアクリロイル基を含有する数平均分子量約454のものであった。
【0037】
実施例1
反応性オリゴマーA1の100gとベンゾインエチルエーテルを3g配合して混合した後、ガラス板の表面に約100ミクロンになるように塗装し、次いで窒素雰囲気中で80W/cmのメタルハライドランプを使用して、200mj/cm2の照射光量で照射した。硬化塗膜のゲル分率(*1)は99.2パーセント、塗膜伸び率(*2)は160パーセント、抗張力(*3)は305kgf/cm2であり良好であった。
【0038】
実施例2
実施例1において反応性オリゴマーA1に代えて反応性オリゴマーA2を使用した以外は実施例1と同様にして実施例2の被膜を形成した。その結果、硬化塗膜のゲル分率(*1)は99.9パーセント、塗膜伸び率(*2)は174パーセント、抗張力(*3)は246kgf/cm2であり良好であった。
【0039】
比較例1
実施例1において反応性オリゴマーA1に代えて反応性オリゴマーA3を使用した以外は実施例1と同様にして実施例2の被膜を形成した。その結果、硬化塗膜のゲル分率(*1)は95.0パーセント、塗膜伸び率(*2)は25パーセント、抗張力(*3)は200kgf/cm2であり悪かった。
【0040】
ゲル分率(1*):塗膜をガラス板からはがしとり300メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れソックスレー抽出器でアセトン溶媒を用いて還流温度で2時間抽出させた後、次式に従ってゲル分率の算出を行なった。
【0041】
ゲル分率(%)=(抽出した後の重量/抽出前の試料の重量)×100
塗膜伸び率(2*)、抗張力(3*):塗膜の伸び率及び抗張力をテンシロン(「テンシロンUTN II−20」、東洋ボールドウィン社製、商品名)を使用して測定した。試料は長さ20mm、幅5mmのものを使用した。引張り速度は20℃4mm/min で行った。
【0042】
【発明の効果】
本発明組成物は、分子末端に特定構造を有するウレタンアクリレートオリゴマーを使用していることから、活性エネルギー線照射により硬化性に優れると共に機械的性質に優れた性能を発揮することから、特に光ファイバ−用被膜樹脂組成物として優れた効果を発揮するものである。

Claims (3)

  1. 分子末端に下記一般式
    (AC)m−(PO)−(R1−O)p−OCHN−
    (式中、ACは(メタ)アクリロイル基を示し、POは3価以上のポリオール成分残基を示し、mはPOがn価を有するポリオール成分を使用した際にm≦n−1であり、かつmは2又は3の整数であり、R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基を示し、pは2〜100の整数を示す。)
    で表される官能基を有する反応性オリゴマー(A)及び光重合開始剤(B)を含有してなることを特徴とする光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物
  2. 上記反応性オリゴマー(A)において、一般式のポリオール成分が3〜4価のポリオール成分であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物
  3. 上記反応性オリゴマー(A)がポリオール成分と(メタ)アクリル酸とを反応させて水酸基含有多官能性(メタ)アクリレートモノマーを製造した後、該水酸基とモノエポキシドとを反応させ、次いで得られた反応生成物とイソシアネート基を2個以上含有する(高分子)化合物をイソシアネート価が1以下になるまで反応させて得られる請求項1又は2に記載の光ファイバー用紫外線硬化型樹脂組成物
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