JP5223207B2 - 感光性樹脂組成物、これを用いたレジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、これを用いたレジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いたレジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
従来、ソルダーレジストはプリント配線板の製造において使用されているが、近年はBGA(ボール グリッド アレイ)、PGA(ピン グリッド アレイ)、CSP(チップ サイズ パッケージ)等の新しいLSIパッケージなどにも使用されるようになってきた。ソルダーレジストはソルダリング工程で半田が不必要な部分に付着することを防ぐ保護膜又は永久マスクとして必要不可欠な材料である。
ソルダーレジストの形成方法としては、例えば、熱硬化型の樹脂組成物をスクリーン印刷法で印刷する方法がある。しかし、近年、配線の高密度化に伴いスクリーン印刷法では解像度の点で限界があり、写真法でパターン形成するフォトソルダーレジストが盛んに用いられるようになっている。特に、炭酸ソーダ溶液等の弱アルカリ溶液で現像可能なアルカリ現像型の感光性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物)が、作業環境保全、地球環境保全等の点から主流になっている(例えば、下記特許文献1及び2参照)。
しかし、アルカリ現像型の感光性樹脂組成物を用いて形成されたソルダーレジストは、耐久性の点で未だ不十分であるという問題がある。すなわち、従来の熱硬化型の樹脂組成物や溶剤現像型の感光性樹脂組成物を用いて形成されたソルダーレジストに比べて耐薬品性、耐水性、耐熱性等が劣る傾向がある。アルカリ現像型の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像可能にするために親水性基を有する樹脂が主成分となっており、そのため、形成されるソルダーレジストは、薬液、水、水蒸気等が浸透しやすい。その結果、レジスト皮膜と銅との間の密着性が低下すると考えられる。特に、BGAやCSP等の半導体パッケージにおいては、ソルダーレジストには耐湿熱性ともいうべき耐PCT性(耐プレッシャークッカーテスト性)や耐電食性が特に必要であるが、未だ十分な性能が得られていないのが現状である。
更に、実装方法が挿入実装から表面実装に変わることにより、実装時にパッケージにかかる温度が高くなる傾向にある。具体的には表面実装の場合、予めクリームはんだを必要部分に印刷し、全体を赤外線で加熱し、はんだをリフローして固定するので、パッケージ内外部の到達温度は220〜280℃と著しく高くなる。そのため、従来の液状感光性樹脂組成物を用いて形成されたソルダーレジストでは、熱衝撃でクラックが発生したり、基板や封止材から剥離してしまうという問題があり、その改良が求められている。また、半導体素子との接続信頼性には、耐熱衝撃性(例えば、−55℃で30分間、125℃で30分間を1サイクルとして熱履歴を加え、1000サイクル経過後も塗膜にクラックが発生しないこと)も求められている。すなわち、半導体パッケージの製造に用いられる感光性樹脂組成物は、通常、半導体チップを搭載するための配線基板上に設けられ、その後、封止材により封止されるものであり、したがって、熱衝撃によって半導体チップ搭載用の基板、半導体チップ及び基板を封止する封止材から剥離せず、かつ、クラックが発生しないという特性も求められている。また、多ピン化、信号の高速化に追従する材料への要求特性の点からも、感光性樹脂組成物の改良が検討されている(例えば、下記非特許文献1及び2参照)。
特開昭61−243869号公報 特開平1−141904号公報 春日壽夫著、「超小型パッケージCSP/BGA技術」、日刊工業新聞社、1998年 鶴義之ら著、「回路実装学会誌」、10、(2)101−107、1995年
しかしながら、従来の感光性樹脂組成物では、露光裕度(露光条件の違いによる開口寸法や像の変動率が小さいこと)、現像裕度(現像条件の違いによる開口寸法や像の変動率が小さいこと)、耐PCT性(耐湿熱性)、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジスト)を得ることが困難であった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、プリント配線板や高密度多層板及び半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性樹脂組成物、それを用いたレジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、(A)(a)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に、更に(c)飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応生成物である酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)硬化剤と、(E)重量平均分子量が30,000〜120,000のアクリル樹脂と、を含有し、(a)エポキシ化合物が後述する一般式(2)又は(3)で表される化合物のいずれか1種以上である、感光性樹脂組成物を提供する。
かかる感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができる。そのため、上記感光性樹脂組成物は、プリント配線板等の製造に好適に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、得られる硬化膜の電気特性をより向上できることから、上記(a)エポシキ化合物は、下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される化合物のいずれか1種以上であることが好ましい。
Figure 0005223207


[式中、Rは水素原子又はグリシジル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、n1は1以上の整数を示す。なお、複数存在するR及びRのそれぞれは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0005223207


[式中、Rは水素原子又はグリシジル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、n2は1以上の整数を示す。なお、複数存在するR及びRのそれぞれは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0005223207


[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n3は1以上の整数を示す。なお、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0005223207


[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n4は1以上の整数を示す。なお、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
また、本発明の感光性樹脂組成物は、(F)エラストマーを更に含有することが好ましい。感光性樹脂組成物が(F)エラストマーを含有することにより、得られる硬化膜の耐熱衝撃性をより向上させることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、(G)フェノキシ樹脂を更に含有することが好ましい。感光性樹脂組成物が(G)フェノキシ樹脂を含有することにより、得られる硬化膜の耐熱性をより向上させることができる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、(H)ブロックイソシアネートを更に含有することが好ましい。感光性樹脂組成物が(H)ブロックイソシアネートを含有することにより、得られる硬化膜の耐熱性をより向上させることができる。
本発明はまた、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層し、上記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化せしめ、次いで、未露光部を現像により除去する、レジストパターンの形成方法を提供する。
本発明は更に、上記本発明のレジストパターンの形成方法により、基板上に永久マスクを形成する、プリント配線板の製造方法を提供する。
上記レジストパターンの形成方法及び上記プリント配線板の製造方法によれば、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いているため、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた永久マスク(ソルダーレジスト)等の硬化膜を効率的に形成することができる。
本発明によれば、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜を形成することができ、プリント配線板や半導体パッケージ等の製造に好適に用いられる感光性樹脂組成物、それを用いたレジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)(a)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物(以下、場合により「(a)成分」という)と(b)不飽和モノカルボン酸(以下、場合により「(b)成分」という)とのエステル化物に、更に(c)飽和又は不飽和多塩基酸無水物(以下、場合により「(c)成分」という)を付加した付加反応生成物である酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(以下、場合により「(A)成分」という)と、(B)光重合開始剤(以下、場合により「(B)成分」という)と、(C)希釈剤(以下、場合により「(C)成分」という)と、(D)硬化剤(以下、場合により「(D)成分」という)と、(E)重量平均分子量が30,000〜120,000のアクリル樹脂(以下、場合により「(E)成分」という)と、を含有するものである。
(a)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂)としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、(a)エポキシ化合物としては、露光裕度及び現像裕度の観点から、上記一般式(1)〜(4)で表されるエポキシ樹脂が好ましく、特に、上記一般式(1)で挙げられるビスフェノールA型フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の製造方法に制限はないが、公知の方法でフェノールノボラック型樹脂及びビスフェノールF型樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることで得ることができる。上記一般式(1)で示されるビスフェノールF型フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、東都化成(株)製のYDPFシリーズ等が挙げられる。
(b)不飽和モノカルボン酸(不飽和基含有モノカルボン酸)としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、水酸基含有アクリレートと飽和又は不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、不飽和基含有モノグリシジルエーテルと飽和又は不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物等が挙げられる。これら半エステル化合物は、水酸基含有アクリレート又は不飽和基含有モノグリシジルエーテルと、飽和又は不飽和二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。これら(b)不飽和基含有モノカルボン酸は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(b)不飽和基含有モノカルボン酸の一例である上記半エステル化合物の合成に用いられる水酸基含有アクリレート、不飽和基含有モノグリシジルエーテルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、上記半エステル化合物の合成に用いられる飽和又は不飽和二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
本発明における(a)エポキシ化合物と(b)不飽和基含有モノカルボン酸との反応において、(a)エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して、(b)不飽和基含有モノカルボン酸が0.6〜1.10当量となる比率で反応させることが好ましく、0.75〜1.05当量となる比率で反応させることがより好ましく、0.9〜1.0当量となる比率で反応させることが特に好ましい。
(a)エポキシ化合物と(b)不飽和基含有モノカルボン酸とは、有機溶剤に溶かして反応させることができる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
更に、(a)成分と(b)成分との反応を促進させるために触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。触媒の使用量は、(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
また、反応中の重合を防止する目的で、重合防止剤を使用することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられる。重合防止剤の使用量は、(a)成分と(b)成分との合計100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。
また、(a)成分と(b)成分とを反応させる際の反応温度は、60〜150℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましい。
更に、(b)不飽和基含有モノカルボン酸は、必要に応じて、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物、フェニルグリシン、ヒドロキシ酢酸等のモノカルボン酸化合物、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等のフェノール系化合物等と併用することができる。
本発明において、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂は、(a)成分と(b)成分との反応生成物(A’)に(c)成分を反応させることで得ることができる。
(c)飽和又は不飽和多塩基酸無水物(飽和又は不飽和多塩基酸無水物)としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
(a)成分と(b)成分との反応生成物(A’)と、(c)成分との反応において、反応生成物(A’)中の水酸基1当量に対して、(c)成分を0.1〜1.0当量反応させることで、得られる(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂の酸価を調整することができる。
なお、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂の酸価は、30〜150mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が30mgKOH/g未満では感光性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下する傾向があり、150mgKOH/gを越えると硬化膜の電気特性が低下する傾向がある。反応生成物(A’)と(c)成分との反応温度は、60〜120℃であることが好ましい。
また、必要に応じて、(a)エポキシ樹脂として、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を一部併用することもできる。更に、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂として、スチレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチルアクリレート変性物、又は、スチレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチルメタクリレート変性物等のスチレン−マレイン酸系樹脂を一部併用することもできる。
感光性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量を基準として、40〜80質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることがより好ましく、50〜70質量%であることが特に好ましくい。この含有量が40質量%未満であると露光裕度が劣る傾向があり、80質量%を超えると現像裕度が劣る傾向がある。
本発明に使用される(B)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
更に、(B)光重合開始助剤としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物において、(B)光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることが特に好ましい。この含有量が0.5質量%未満では光感度が低下し、露光部が現像中に溶出しやすくなる傾向があり、20質量%を超えると硬化膜の耐熱性が低下する傾向がある。
本発明に用いられる(C)希釈剤としては、例えば、有機溶剤及び/又は光重合性モノマーが使用できる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
光重合性モノマーは、光感度や各種特性を向上させる目的で用いることができる。かかる光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのポリエチレングリコール又はプロピレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のモノ又は多官能(メタ)アクリレート類、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、ジアリルフタレート等の光重合性モノマーが使用できる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(C)希釈剤として光重合性モノマーを用いる場合、その含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましく、10〜20質量部であることが特に好ましい。この含有量が0.5質量部未満では、光感度が低くなり露光部が現像中に溶出しやすくなる傾向があり、30質量部を超えると硬化膜の耐熱性が低下する傾向がある。
本発明に用いられる(D)硬化剤としては、それ自体が熱や紫外線等で硬化する化合物、あるいは感光性樹脂組成物中の光硬化性樹脂成分である(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂のカルボキシル基又は水酸基と熱や紫外線等で反応して硬化する化合物が好ましい。かかる(D)硬化剤を用いることで、最終的に得られる硬化膜の耐熱性、密着性、耐薬品性等を向上させることができる。
(D)硬化剤としては、例えば、熱硬化性化合物として、エポキシ化合物、メラミン化合物、尿素化合物、オキサゾリン化合物等を挙げることができる。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、あるいはトリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。メラミン化合物としては、例えば、トリアミノトリアジン、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン等が挙げられる。尿素化合物としては、ジメチロール尿素等が挙げられる。これらの(D)硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
感光性樹脂組成物において、(D)硬化剤の含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量100質量部に対して、2〜60質量部であることが好ましく、10〜55質量部であることがより好ましく、20〜50質量部であることが特に好ましい。この含有量が2質量部未満では、得られる硬化膜の耐熱性が低下する傾向があり、60質量部を超えると現像性が低下する傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物には、硬化膜の耐熱性、密着性、耐薬品性等の諸特性を更に向上させる目的で、エポキシ樹脂硬化剤を含有させることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;上記の多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。エポキシ樹脂硬化剤を用いる場合、その含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
また、上記のエポキシ樹脂硬化剤の一部を、他のエポキシ樹脂硬化剤に置き換えることができる。他のエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂の出発材料である(a)エポキシ化合物が挙げられる。具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、エポキシ基含有ポリアミド樹脂、エポキシ基含有ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。また、他のエポキシ樹脂硬化剤として、上記一般式(1)〜(4)で表されるエポキシ樹脂を用いることもできる。その他、例えば、油化シェルエポキシ(株)製のYX4000等のビフェニル型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロンHP7200等のジシクロ型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロン430や住友化学工業(株)製のELM100,120,434等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナガセ化成工業(株)製のデナコールEX−721等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロンHP−4032等のナフタレン型エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(日産化学工業(株)製)等の複素環型エポキシ樹脂、東都化成(株)製のEBPS−300や大日本インキ化学工業(株)製のEXA−4004等の変性ビスフェノールS型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてこれらのエポキシ樹脂硬化剤を用いる場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。この含有量が1質量%未満では硬化不足となる傾向があり、50質量%部を超えると感光特性に問題が生じやすくなる傾向がある。
(E)成分であるアクリル樹脂は、重量平均分子量が30,000〜120,000であり、35,000〜100,000であることが好ましく、40,000〜80,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、30,000〜120,000の範囲内であると、露光裕度及び現像裕度に優れたレジストを得ることができる。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
上記(E)アクリル樹脂は、例えば、重合性モノマーをラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(E)アクリル樹脂は、上記重合性モノマーと他の共重合モノマーとの共重合体であってもよい。共重合モノマーとしては、上記重合性モノマーと共重合可能なものであれば特に制限されないが、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(E)アクリル樹脂は、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましい。カルボキシル基を有する(E)アクリル樹脂は、例えば、カルボキシル基を有する重合性モノマーとその他の重合性モノマーとをラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性モノマーとしては、メタクリル酸が好ましい。
また、上記(E)アクリル樹脂は、露光裕度及び現像裕度の見地から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含有していることが好ましい。
また、上記(E)アクリル樹脂は、密着性及び耐薬品性(はんだ耐熱性)の見地から、スチレン及び/又はスチレン誘導体をモノマー単位として含有していることが好ましい。
上記スチレン及び/又はスチレン誘導体をモノマーとして、密着性及び耐薬品性(はんだ耐熱性)の良好な(E)アクリル樹脂を得るためには、モノマー全量を基準とした上記スチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量が、3〜30質量%であることが好ましく、4〜28質量%であることがより好ましく、5〜27質量%であることが特に好ましい。この含有量が3質量%未満では密着性が劣る傾向があり、30質量%を超えると現像性が悪くなる傾向がある。
上記(E)アクリル樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、80〜190mgKOH/gであることがより好ましく、100〜180mgKOH/gであることが特に好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。また、現像の際に溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性モノマーを少量に調製することが好ましい。また、必要に応じて上記(E)アクリル樹脂は感光性基を有していてもよい。
ここで、上記(A)成分又は(E)成分の酸価は、以下の方法により測定することができる。まず、本発明における上記(A)成分又は(E)成分約1gを精秤した後、アセトンを30g添加し、(A)成分又は(E)成分を均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、滴定結果より以下の式(1);
A=10×Vf×56.1/(Wp×I) (1)
により酸価を算出する。なお、式中、Aは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfはフェノールフタレインの滴定量(mL)を示し、Wpは(A)成分又は(E)成分の重量(g)を示し、Iは(A)成分又は(E)成分の不揮発分の割合(質量%)を示す。
これらの(E)アクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせて使用する場合のアクリル樹脂としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のアクリル樹脂、異なる重量平均分子量の2種類以上のアクリル樹脂、異なる分散度の2種類以上のアクリル樹脂などが挙げられる。また、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。また、(E)アクリル樹脂を2成分以上使用する場合は、配合量の最も多いアクリル樹脂の重量平均分子量が30,000〜120,000であればよい。
更に、本発明における(E)アクリル樹脂は、露光裕度及び現像裕度の見地から、上記有機溶剤に25℃で可溶であることが好ましい。
感光性樹脂組成物において、(E)アクリル樹脂の含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量を基準として、20〜60質量%であることが好ましく、25〜55質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることが特に好ましい。この含有量が20質量%未満では現像裕度が劣る傾向があり、60質量%を超えると露光裕度が劣る傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物には、更に(F)エラストマーを含有させることが好ましい。(F)エラストマーを含有させることにより、感光性樹脂組成物をソルダーレジストに用いた際のプリント配線板の導体層との密着性をより向上させることができるとともに、硬化膜の耐熱性、耐熱衝撃性、柔軟性及び強靭性をより向上させることができる。
(F)エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー及びシリコーン系エラストマー等が挙げられる。これらの(F)エラストマーは、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分から成り立っており、一般に前者が耐熱性、強度に、後者が柔軟性、強靭性に寄与している。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー等が挙げられる。スチレン系エラストマーを構成する成分としては、スチレンのほかに、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体を用いることができる。具体的には、タフプレン、ソルプレンT、アサプレンT、タフテック(以上、旭化成工業(株)製)、エラストマーAR(アロン化成製)、クレイトンG、過リフレックス(以上、シェルジャパン社製)、JSR−TR、TSR−SIS、ダイナロン(以上、日本合成ゴム(株)製)、デンカSTR(電気化学社製)、クインタック(日本ゼオン社製)、TPE−SBシリーズ(住友化学(株)製)、ラバロン(三菱化学(株)製)、セプトン、ハイブラー(以上、クラレ社製)、スミフレックス(住友ベークライト(株)製)、レオストマー、アクティマー(以上、理研ビニル工業社製)等が挙げられる。
オレフィン系エラストマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン等の炭素数2〜20のα−オレフィンの共重合体であり、例えば、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が挙げられる。また、オレフィン系エラストマーとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタンジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数2〜20の非共役ジエンとα−オレフィンとの共重合体、及び、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。また、オレフィン系エラストマーとしては、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性NBR等が挙げられる。更に、オレフィン系エラストマーとしては、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−α−オレフィン共重合体ゴム、ブテン−α−オレフィン共重合体ゴム等が挙げられる。
オレフィン系エラストマーとして具体的には、ミラストマ(三井石油化学社製)、EXACT(エクソン化学社製)、ENGAGE(ダウケミカル社製)、水添スチレン−ブタジエンラバー“DYNABON HSBR”(日本合成ゴム社製)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体“NBRシリーズ”(日本合成ゴム社製)、架橋点を有する両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体の“XERシリーズ”(日本合成ゴム社製)、ポリブタジエンを部分的にエポキシ化したエポキシ化ポリブダジエンの“BF−1000(日本曹達社製)等が挙げられる。
ウレタン系エラストマーは、低分子(短鎖)ジオール及びジイソシアネートからなるハードセグメントと、高分子(長鎖)ジオール及びジイソシアネートからなるソフトセグメントと、の構造単位からなるものである。高分子(長鎖)ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン−1,4−ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6−へキシレン−ネオペンチレンアジペート)等が挙げられる。高分子(長鎖)ジオールの数平均分子量は、500〜10000であることが好ましい。低分子(短鎖)ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。短鎖ジオールの数平均分子量は、48〜500であることが好ましい。ウレタン系エラストマーの具体例としては、PANDEX T−2185、T−2983N(以上、大日本インキ化学工業社製)、シラクトランE790等が挙げられる。
ポリエステル系エラストマーは、ジカルボン酸又はその誘導体とジオール化合物又はその誘導体とを重縮合して得られるものである。ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの芳香環の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、並びに、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合物は1種又は2種以上を用いることができる。ジオール化合物の具体例として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオール及び脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、レゾルシン等が挙げられる。これらの化合物は1種又は2種以上を用いることができる。また、芳香族ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート)部分をハードセグメント成分に、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリテトラメチレングリコール)部分をソフトセグメント成分にしたマルチブロック共重合体を用いることができる。ポリエステル系エラストマーは、ハードセグメント及びソフトセグメントの種類、比率、並びに分子量の違い等により様々なグレードのものがある。ポリエステル系エラストマーの具体例としては、ハイトレル(デュポン−東レ社製)、ペルプレン(東洋紡績社製)、エスペル(日立化成工業社製)等が挙げられる。
ポリアミド系エラストマーは、ポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエーテル又はポリエステルからなるソフトセグメントと、から構成されるものであり、ポリエーテルブロックアミド型とポリエーテルエステルブロックアミド型との2種類に大別される。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12等が挙げられる。ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリアミド系エラストマーとして具体的には、UBEポリアミドエラストマー(宇部興産社製)、ダイアミド(ダイセルヒュルス社製)、PEBAX(東レ社製)、グリロンELY(エムスジャパン社製)、ノバミッド(三菱化学社製)、グリラックス(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
アクリル系エラストマーは、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステルと、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する単量体及び/又はアクリロニトリルやエチレン等のビニル系単量体とを共重合して得られるものである。アクリル系エラストマーとしては、アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
シリコーン系エラストマーは、オルガノポリシロキサンを主成分としたものであり、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、ポリジフェニルシロキサン系に分けられる。また、オルガノポリシロキサンの一部をビニル基、アルコキシ基等で変性したものを用いてもよい。シリコーン系エラストマーの具体例としては、KEシリーズ(信越化学社製)、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
また、上記のエラストマー以外に、ゴム変性したエポキシ樹脂を用いることができる。ゴム変性したエポキシ樹脂は、例えば、上述のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の一部又は全部のエポキシ基を、両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリルニトリルゴム、末端アミノ変性シリコーンゴム等で変性することによって得られるものである。
本発明の感光性樹脂組成物に用いる(F)エラストマーとしては、せん断密着性及び耐熱衝撃性の観点から、両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリエステル系エラストマーである水酸基を有するエスペル(エスペル1612、1620、日立化成工業社製)、エポキシ化ポブタジエンが好ましい。
感光性樹脂組成物に(F)エラストマーを含有させる場合、その含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましく、15〜20質量部であることが特に好ましい。この含有量が上記範囲内であると、せん断接着性及び耐熱衝撃性を更に向上させることが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物には、更に(G)フェノキシ樹脂を含有させることが好ましい。(G)フェノキシ樹脂を含有させることにより、感光性樹脂組成物をソルダーレジストに用いた際のプリント配線板の導体層との密着性を向上させることができるのみならず、硬化膜の可とう性及び耐熱性を向上させることができる。
(G)フェノキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(5)で表される繰り返し単位を有するフェノキシ樹脂を用いることができる。
Figure 0005223207

式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、mは30以上の整数を示す。フェノキシ樹脂は、R11が水素原子であるもの、R11がメチル基であるもの又はR11が水素原子である構造単位とR11がメチル基である構造単位との両方が存在するもののいずれであってもよい。
上記一般式(5)において、R11がメチル基であるフェノキシ樹脂としては、例えば、YP−50、YP−50S、YP−55(以上、東都化成社製)、エピコート1256(ジャパンエポキシレジン社製)、PKHC、PKHH、PKHB(以上、InChem Corp.社製)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
11が水素原子である構造単位とR11がメチル基である構造単位との両方が存在するフェノキシ樹脂としては、例えば、YP−70、FX239(以上、東都化成社製)、エピコート4250、エピコート4275(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
これらの(G)フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、20,000〜100,000であることが好ましく、30,000〜80,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が20,000未満では得られた硬化膜の可とう性が低下する傾向があり、100,000を超えると現像性が低下する傾向がある。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算した値である。
感光性樹脂組成物に(G)フェノキシ樹脂を含有させる場合、その含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましく、15〜20質量部であることが特に好ましい。この含有量が上記範囲内であると、せん断接着性及び耐熱性を更に向上させることが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物には、更に(H)ブロックイソシアネートを含有させることが好ましい。(H)ブロックイソシアネートを含有させることにより、感光性樹脂組成物の硬化性及び得られる硬化膜の耐熱性をより向上させることができる。
(H)ブロックイソシアネートとしては、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いられる。このポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、並びにこれらのアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体が挙げられる。
イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール及びエチルフェノール等のフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−パレロラクタム、γ−ブチロラクタム及びβ−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤;アセト酢酸エチル及びアセチルアセトンなどの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル及び乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤;ホルムアルデヒドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド及びマレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;メチレンイミン及びプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
上記のポリイソシアネート及びブロック剤からなるブロックイソシアネートは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物に(H)ブロックイソシアネートを含有させる場合、その含有量は、(A)成分及び(E)成分の固形分全量100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。この含有量が上記範囲内であると、耐熱性を更に向上させることが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知の着色剤、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、ビニル樹脂系の消泡剤、シランカップリング剤、三酸化アンチモン等の難燃性助剤などの公知の各種添加剤を用いることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて熱硬化促進剤を用いることができる。熱硬化促進剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジッド、ジアミノマレオニトリル、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、「ハードナーHT972」(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)等の芳香族アミン類;無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物;無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族酸無水物;アセチルアセトネート亜鉛等のアセチルアセトンの金属塩;エナミン、オクチル酸スズ、第4級フォスホニウム塩、トリフェニルフォスフィン等の第3級フォスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロポロエート等のポロエート;トリフェニルスルホニウムへキサフルオロアンチモネート等のアンチモネート類;ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、m−アミノフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン等の第3級アミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、これらの熱硬化促進剤を感光性樹脂組成物に含有させる場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、上述した各配合成分をロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることができる。かかる感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性の全てを高水準で満足する高性能な硬化膜を形成することができる。また、得られる硬化膜は、難燃性、機械特性及び電気絶縁性にも優れている。そのため、上記感光性樹脂組成物は、プリント配線板等の製造に好適に用いることができる。
(レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法)
本発明のレジストパターンの形成方法は、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層し、感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化せしめ、次いで、未露光部を現像により除去する方法である。ここで、基板としては、フレキシブルプリント配線板等が挙げられる。
基板上への感光性樹脂組成物層の積層は、例えば、感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、カーテンコート法、静電塗装法等の方法で10〜200μmの膜厚で基板上に塗布し、塗膜を60〜110℃で乾燥させることで行うことができる。
また、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを用いて、基板上への感光性樹脂組成物層の積層を行ってもよい。その場合の積層方法としては、感光性エレメントが保護フィルムを備える場合には保護フィルムを除去した後、感光性樹脂組成物層を70℃〜130℃程度に加熱しながら基板に0.1MPa〜1MPa程度(1kgf/cm〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着する方法等が挙げられる。かかる積層工程は減圧下で行ってもよい。感光性樹脂組成物層が積層される基板の表面は、通常金属面であるが、特に制限されない。
このようにして基板上に積層された感光性樹脂組成物層に対して、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化させる。この際、感光性エレメントを用いて感光性樹脂組成物層積層した場合には、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在することになるが、この支持体が活性光線に対して透明である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができ、支持体が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、レーザー直接描画露光法等も用いることができる。
露光部の形成後、露光部以外の感光性樹脂組成物層(未露光部)を現像により除去することで、レジストパターンが形成される。かかる未露光部の除去方法としては、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在する場合にはオートピーラー等で支持体を除去し、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウェット現像、あるいはドライ現像等で未露光部を除去して現像する方法等が挙げられる。ウェット現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1質量%〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1質量%〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすると好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調整される。また、アルカリ性水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
次に、現像後の処理として露光部を後露光(紫外線露光)及び/又は後加熱によって十分に硬化させて硬化膜を得る。後露光は、1〜5J/cmの露光量で行うことが好ましい。後加熱は、100〜200℃で30分〜12時間行うことが好ましい。
本発明のプリント配線板の製造方法は、上記本発明のレジストパターンの形成方法により、基板上に永久マスクを形成する工程を含む方法である。こうして形成される永久マスクは、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れている。そのため、この永久マスクは、プリント配線板におけるソルダーレジストや層間絶縁膜等として有効に機能する。
以下、参考例、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例]
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えたフラスコに、(a)成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(一般式(1)において、Rが全てグリシジル基、Rが全てメチル基であるエポキシ樹脂、エポキシ当量:185、日本化薬社製、商品名:RE−310S)1650質量部、(b)成分としてアクリル酸740質量部、メチルハイドロキノン1質量部、カルビトールアセテート850質量部、及び、ソルベントナフサ100質量部を仕込み、70℃で加熱撹拌して、混合物を溶解した。次に、得られた溶液を50℃まで冷却し、そこにトリフェニルホスフィン2質量部、及び、ソルベントナフサ75質量部を加えて100℃に加熱し、固形分酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させた。次に、得られた溶液を50℃まで冷却し、そこに(c)成分としてテトラヒドロ無水フタル酸650質量部、カルビトールアセテート75質量部、及び、ソルベントナフサ75質量部を加え、80℃で3時間反応させた。これにより、(A)成分としての、固形分酸価80mgKOH/g、固形分62質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスF型)の合成例]
(a)成分として、一般式(1)中、Rが全てグリシジル基、Rが全て水素原子であるエポキシ樹脂、エポキシ当量:180、ジャパンエポキシレジン社製、商品名:806)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスF型)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型F型共重合体)の合成例]
(a)成分として、一般式(1)中、Rが全てグリシジル基、Rが水素原子及びメチル基(但し、同じ炭素原子に結合するR同士は同一であり、水素原子とメチル基とのモル比は1:3)であるエポキシ樹脂(エポキシ当量:190、ジャパンエポキシレジン社製、商品名:828EL)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型F型共重合体)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型ノボラック)の合成例]
(a)成分として、一般式(3)中、Rが全てメチル基であるエポキシ樹脂(エポキシ当量:205)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型ノボラック)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスF型ノボラック)の合成例]
(a)成分として、一般式(3)中、Rが全て水素原子であるエポキシ樹脂(エポキシ当量:200)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスF型ノボラック)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型Fフェノールノボラック)の合成例]
(a)成分として、一般式(2)中、Rが全てグリシジル基であり、Rが全てメチル基であるエポキシ樹脂(エポキシ当量:200)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型Fフェノールノボラック)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスF型Fフェノールノボラック)の合成例]
(a)成分として、一般式(2)中、Rが全てグリシジル基であり、Rが全て水素原子であるエポキシ樹脂(エポキシ当量:185)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスF型Fフェノールノボラック)を得た。
[酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型)の合成例]
(a)成分として、一般式(4)中、Rが全てメチル基であるエポキシ樹脂(エポキシ当量:210)を用いたこと以外は酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(ビスA型)の合成例と同様にして、(A)成分としての、固形分酸価90mgKOH/g、固形分65質量%の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型)を得た。
[アクリル樹脂Aの合成]
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ及びトルエンを質量比3:2で混合した混合液500gを入れ、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、85℃まで加熱した。一方、共重合単量体としてメタクリル酸150g、メタクリル酸メチル300g及びスチレン150gと、アゾビスイソブチロニトリル2.5gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意した。この溶液aを、フラスコ内の85℃に加熱された上記混合液に4時間かけて滴下した後、85℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、メチルセロソルブ及びトルエンを質量比3:2で混合した混合液100gにアゾビスイソブチロニトリル0.5gを溶解した溶液(以下、「溶液b」という)を、10分かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後のフラスコ内の溶液を撹拌しながら85℃で5時間保温した後、冷却してアクリル樹脂Aの溶液を得た。アクリル樹脂Aの溶液の不揮発分(固形分)は50質量%であり、アクリル樹脂Aの重量平均分子量は20000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件は、以下の通りである。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−R420 + Gelpack GL−R430 + Gelpack GL−R440(計3本)(以上、日立化成工業(株)製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75mL/分
検出器:日立 L−3300型RI[(株)日立製作所製]
[アクリル樹脂B〜Eの合成]
上記アクリル樹脂Aの合成において、溶液aを調製する際のアゾビスイソブチロニトリルの添加量を変えることで、得られるアクリル樹脂の重量平均分子量を調整し、それ以外は上記アクリル樹脂Aの合成と同様にして、アクリル樹脂B〜Eの溶液を得た。アクリル樹脂B〜Eの溶液は、メチルセロソルブ及びトルエンを質量比3:2で混合した混合液に溶解させて、不揮発分(固形分)が50質量%となるように調製した。得られたアクリル樹脂B〜Eの重量平均分子量及び酸価を下記表1に示す。
Figure 0005223207

(参考例1〜3、8〜12、実施例4〜及び比較例1〜4)
下記表2〜4に示す配合組成(単位:質量部)に従って、A及びBの組成物を、別々に配合し、3本ロールミルで混練して調製した。次に、組成物Aを70質量部、組成物Bを30質量部混合し、感光性樹脂組成物(レジストインキ組成物)を得た。なお、下記表2〜4中の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂及びアクリル樹脂A〜Eの各配合量は、固形分の配合量を示す。
Figure 0005223207
Figure 0005223207
Figure 0005223207

*1:イルガキュア907(商品名、チバ・ガイギー社製)、
*2:カヤキュアDETX−S(商品名、四国化成工業(株)製)、
*3:C11−A(商品名、四国化成工業(株)製)、
*4:カヤラッドDPHA(商品名、日本化薬(株)製)、
*5:ESLV−120TE(商品名、1,3,5−トリグリシジルイソシアネート、新日鐵化学(株)製)。
(評価基板の作製)
参考例1〜3、8〜12、実施例4〜及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法により、120メッシュのテトロンスクリーンを用いて、乾燥後の厚さが約30μmとなるように、銅張り積層板に塗布し、熱風循環式乾燥機により80℃で30分間乾燥させた。これにより、銅張り積層板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層が積層された評価基板を得た。
得られた評価基板を用い、以下に示した方法により各特性の評価を行った。得られた結果をまとめて表5〜10に示す。
(現像性)
評価基板の感光性樹脂組成物層上に、ビアマスク開口寸法が100μmのマスクを置き、紫外線露光装置を用いて積算露光量300mJ/cmの紫外線を照射した後、1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.18MPaの圧力でスプレー現像を行った。その後、評価基板を目視観察することにより現像残りの有無を確認し、以下の基準に従って評価を行った。なお、現像残りとは、除去されるべき未露光部のレジストが十分に除去されず、基板上に残るレジスト残渣のことである。現像残りがあると、その後の銅のエッチング工程で、所望の配線パターンが形成できなくなる可能性があるので好ましくない。
○:現像残り無し、
×:現像残り有り。
(露光裕度)
評価基板の感光性樹脂組成物層上に、ビアマスク開口寸法が100μmのマスクを置き、紫外線露光装置を用いて積算露光量50、100、150、200、250、300mJ/cmの各条件で紫外線を照射した6個の評価基板を作製した。その後、それぞれの評価基板について1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.18MPaの圧力でスプレー現像を行い、以下の基準のビア開口部が得られているかを目視観察することにより、露光裕度を評価した。
○:90μm以上100μm以下のビア開口部が得られた、
△:50μm以上90μm未満のビア開口部が得られた、
×:50μm未満のビア開口部が得られた。
(現像裕度)
評価基板の感光性樹脂組成物層上に、ビアマスク開口寸法が100μmのマスクを置き、紫外線露光装置を用いて積算露光量300mJ/cmの紫外線を照射した6個の評価基板を作製した。その後、1%の炭酸ナトリウム水溶液で、評価基板をそれぞれ30、40、50、60、80、120秒間の各条件で0.18MPaの圧力でスプレー現像を行い、以下の基準のビア開口部が得られているかを目視観察することにより、現像裕度を評価した。
○:90μm以上100μm以下のビア開口部が得られた、
△:50μm以上90μm未満のビア開口部が得られた、
×:50μm未満のビア開口部が得られた。
(ビア形状)
評価基板の感光性樹脂組成物層上に、ビアマスク開口寸法が100μmのマスクを置き、紫外線露光装置を用いて積算露光量300mJ/cmの紫外線を照射した後、1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.18MPaの圧力でスプレー現像を行った。その後、得られたビアの形状を目視観察し、以下の基準に従って評価した。
○:90/100以上のビア形状がテーパ形状であった、
△:50/100以上90/100未満のビア形状がテーパ形状であった、
×:ビア形状がテーパ形状のものが50/100未満。
(密着性)
評価基板の感光性樹脂組成物層に、紫外線露光装置を用いて積算露光量300mJ/cmの紫外線を照射した後、1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.18MPaの圧力でスプレー現像を行った。この評価基板を用い、JIS K5400に準じた方法により、剥離試験を行った。すなわち、評価基板の感光性樹脂組成物層に1mmの碁盤目を100個作成して、碁盤目にセロハンテープを貼り付けた後に引き剥がした。引き剥がし後の碁盤目の剥離状態を観察し、以下の基準に従って密着性の評価を行った。
○:碁盤目の90/100以上が剥離無し、
△:碁盤目の50/100以上90/100未満が剥離無し、
×:碁盤目の50/100未満が剥離無し。
(試験板の作製)
評価基板の感光性樹脂組成物層に所定のパターンを有するネガマスクを密着させ、紫外線露光装置を用いて300mJ/cmの紫外線を照射した。その後、1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.18MPaの圧力でスプレー現像し、未露光部を溶解現像した。次に、150℃で1時間の加熱を行い、感光性樹脂組成物層の硬化膜を有する試験板を得た。以下の各特性の評価は、この試験板を用いて行った。
(はんだ耐熱性)
試験板の硬化膜にロジン系フラックスを塗布した後、260℃のはんだ槽に10秒間浸漬した。これを1サイクルとして、6サイクル繰り返した後、硬化膜の外観を目視観察し、以下の基準に従ってはんだ耐熱性の評価を行った。
○:硬化膜の外観に異常(剥離、フクレ)がなく、はんだのもぐりがない、
×:硬化膜の外観に異常(剥離、フクレ)があるか、又は、はんだのもぐりがある。
(耐電食性)
試験板を85℃、85%RH、100Vの条件で1000時間放置した後、硬化膜の絶縁抵抗値を測定し、放置前(初期)の硬化膜の絶縁抵抗値に対する抵抗変化率を下記式;
抵抗変化率(%)={(放置後の絶縁抵抗値−放置前の絶縁抵抗値)/放置前の絶縁抵抗値}×100
により求め、以下の基準に従って耐電食性の評価を行った。
○:抵抗変化率が10%以下、
×:抵抗変化率が10%を超える。
(耐熱衝撃性)
試験板を、−55℃で30分間放置した後に、125℃で30分間放置する過程を1サイクルとして、これを1000サイクル行った後の硬化膜を目視及び顕微鏡で観察し、以下の基準に従って耐熱衝撃性の評価を行った。
○:クラック発生なし、
×:クラック発生あり。
(耐PCT性)
試験板を、121℃、2気圧の飽和水蒸気下で288時間放置した(PCT処理)。このPCT処理後の試験板を用いて密着性試験と同様の剥離試験を行い、密着性試験と同様の基準に従って、PCT処理後の硬化膜の密着性の評価(耐PCT性)を行った。
(伸び率、引っ張り強度、弾性率)
試験板の硬化膜(厚さ30μm)から、1cm幅の硬化膜の試験片を作製した。この試験片について、引張り試験機(商品名:オートグラフAGF−5KN、(株)島津製作所製)を用い、温度23℃、チャック間20mm、引張り速度5mm/分の条件で、伸び率、引張り強度、弾性率を測定した。
Figure 0005223207
Figure 0005223207
Figure 0005223207

Figure 0005223207
Figure 0005223207
Figure 0005223207

以上の結果から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物は、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、ソルダーレジストの形成用途に好適であることが確認された。
また、本発明のレジストパターンの形成方法は、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、ソルダーレジストの耐久性の向上に有用であることが確認された。
更に、本発明のプリント配線板の製造方法は、露光裕度、現像裕度、耐PCT性、ビア形状、耐熱性、現像性、密着性、耐熱衝撃性、耐電食性、可とう性、機械特性に優れた高性能な硬化膜を得ることができ、ソルダーレジストの耐久性の向上に有用であることが確認された。

Claims (6)

  1. (A)(a)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸とのエステル化物に、更に(c)飽和又は不飽和多塩基酸無水物を付加した付加反応生成物である酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、
    (B)光重合開始剤と、
    (C)希釈剤と、
    (D)硬化剤と、
    (E)重量平均分子量が30,000〜120,000のアクリル樹脂と、
    を含有し、前記(a)エポキシ化合物が下記一般式(2)又は(3)で表される化合物のいずれか1種以上である、感光性樹脂組成物。
    Figure 0005223207
    [式中、Rは水素原子又はグリシジル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、n2は1以上の整数を示す。なお、複数存在するR及びRのそれぞれは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0005223207
    [式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、n3は1以上の整数を示す。なお、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
  2. (F)エラストマーを更に含有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. (G)フェノキシ樹脂を更に含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (H)ブロックイソシアネートを更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層し、前記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射して露光部を光硬化せしめ、次いで、未露光部を現像により除去する、レジストパターンの形成方法。
  6. 請求項5に記載のレジストパターンの形成方法により、基板上に永久マスクを形成する、プリント配線板の製造方法。
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