JP6175829B2 - 液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法、プリント配線板の製造方法、及びプリント配線板 - Google Patents

液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法、プリント配線板の製造方法、及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法に関し、更に詳しくは、電子材料分野において用いられる液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法、プリント配線板の製造方法、及びプリント配線板に関する。
従来、プリント配線板製造における永久マスクレジストは、熱硬化型レジストインキ又は紫外線硬化型レジストインキをスクリーン印刷する方法で作製されていた。近年、電子デバイスの高集積化に伴い、プリント配線板において配線パターン、絶縁パターンの高精細化が必要とされるようになってきたが、従来のスクリーン印刷によるレジスト形成法では、印刷時に滲み、ダレ等が発生するため、高精細なレジストパターンを形成するのが困難である。
そこで、フォトリソグラフィーによるレジスト像形成法が開発されるに至った。具体的な方法としては、まず、ドライフィルム型光硬化性レジストを基材上に熱圧着する、又は液状光硬化性レジストを基材上にカーテン、スプレー塗布する。次に、基材上に設けられた光硬化性レジストに、ネガマスクを介して、紫外線などの活性光線を照射する。そして、活性光線を照射した光硬化性レジストを現像することにより、レジスト像形成を行う。
ドライフィルム型光硬化性レジストでは、基材への熱圧着時に空気を巻き込んでしまい、気泡を生じる場合がある。ドライフィルム型光硬化性レジストに気泡が生じた場合、光硬化性レジストと基材との密着性の低下及びレジスト像の乱れを引き起こし、レジスト性能の低下が懸念される。
上述のドライフィルム型光硬化性レジストのレジスト性能の低下を懸念して、液状光硬化性レジストを採用することがある。液状光硬化性レジストは、溶剤現像型とアルカリ現像型があり、作業環境保全、地球環境保全の観点からアルカリ現像型が主流になっている。液状光硬化性レジストを用いる場合では、塗膜の耐熱性、耐薬品性、電気特性を向上させる目的で、更に紫外線露光や加熱を行い、架橋反応を促進させている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかしながら、従来の液状光硬化性レジストは、実用特性上の耐湿熱性、耐熱性の点でまだ問題がある。すなわち、アルカリ現像型の液状光硬化性レジストは、アルカリ現像を可能にするために親水性基を有するものが主成分となっているため、薬液、水等が浸透しやすく、レジスト皮膜の実用特性を低下させていると推察される。
特開昭61−243869号公報 特開平1−141904号公報
ところで、近頃は、電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、半導体パッケージの小型化、多ピン化が実用化され、量産化が進められている。例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)、チップサイズパッケージ(CSP)等の半導体パッケージにおいて、高信頼性の点から特に耐湿熱性ともいうべき耐プレッシャークッカーテスト性(耐PCT性)が必要である。しかし、このような厳しい条件下において、従来の液状光硬化性レジストは、数時間〜十数時間程度しかもたないのが現状である。
更に、実装方法が、挿入実装から表面実装に変わることにより実装時にパッケージにかかる温度が高くなる傾向がある。具体的には、表面実装の場合、予めクリームはんだを必要部分に印刷し、全体を赤外線で加熱し、はんだをリフローして固定する。よって、パッケージ内外部の到達温度は220〜280℃と著しく高くなり、従来の液状光硬化性レジストでは、熱衝撃で塗膜にクラックが発生したり、基板や封止材から剥離したりと、いわゆる耐リフロー性低下の問題があり、その改良が求められている。
また、液状光硬化性レジストにおいて、レジスト膜厚の均一性が求められている。即ち、配線を形成した半導体パッケージ基板に液状光硬化性レジストを塗布した場合、レジスト膜厚のばらつきが大きくなると、その後に形成するはんだバンプの高さのばらつきが大きくなり、半導体素子との接続信頼性に問題を生じることがある。そこで、レジスト膜厚のばらつき低減が求められている。
本発明の目的は、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能なレジストマスクを得ることができ、電子材料分野での製造に好適に用いられる液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法、プリント配線板の製造方法、及びプリント配線板を提供することである。
本発明は以下に記載の各事項に関する。
(1)軟化点30℃〜100℃の樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、硬化剤(D)とを含有する液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法において、前記液状光硬化性樹脂組成物をプリント配線が形成された前記基板上に塗布して乾燥し、塗膜を形成する工程と、前記塗膜上に透明フィルムを配置し、前記液状光硬化性樹脂組成物のガラス転移温度より20℃〜50℃高い温度にて、真空加圧式ラミネータを用いて0.005〜1.0MPaで、前記透明フィルムと前記塗膜とを加熱圧着する工程とを含み、前記透明フィルムを剥がして現像した後の前記塗膜の表面粗さ(凹凸度)を4μm以下とする液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法。
(2)液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法で得られた平坦化された前記塗膜に対して、前記透明フィルムを介して所望のパターンに露光する工程と、露光された前記塗膜から前記透明フィルムを剥がす工程と、露光された前記塗膜を現像してマスクレジストを形成する工程とを含むプリント配線板の製造方法。
(3)軟化点30℃〜100℃の樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、硬化剤(D)とを含有する液状光硬化性樹脂組成物で構成されるマスクレジストを備え、前記マスクレジストの表面粗さ(凹凸度)が4μm以下であるプリント配線板。
本発明によれば、耐熱性、耐湿熱性、密着性、機械特性、電気特性に優れた高性能なレジストマスクを得ることができ、電子材料分野での製造に好適に用いられる液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法、プリント配線板の製造方法、及びプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳述するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法で用いる液状光硬化性樹脂組成物は、軟化点30℃〜100℃の樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、硬化剤(D)とを含有する。
液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法としては、液状光硬化性樹脂組成物をプリント配線が形成された基板上に塗布して乾燥し、塗膜を形成する工程と、塗膜上に透明フィルムを配置し、液状光硬化性樹脂組成物のガラス転移温度より20℃〜50℃高い温度にて、真空加圧式ラミネータを用いて0.005〜1.0MPaで、透明フィルムと塗膜とを加熱圧着する工程とを含む。尚、透明フィルムを剥がして現像した後の塗膜の表面の凹凸度は4μm以下である。表面の凹凸度が4μmより大きいと、レジスト膜厚のばらつきが大きくなり、その後に形成するはんだバンプの高さのばらつきが大きくなり、半導体素子との接続信頼性に問題を生じてしまう。
基板としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルムなどが挙げられる。プリント配線が形成された基板としては、表面実装型半導体パッケージ基板などが挙げられる。
真空加圧式ラミネータとは、真空下で基板及びフィルム等の表面に凹凸のある形状物などを静圧で均一に加圧、圧着させるラミネータ機である。真空加圧式ラミネータは、真空下で静圧に近い状態で全面を貼り合わせるので、脱気不良や加圧ムラが生じない。
具体的な、液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法としては、プリント配線が形成された基板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、カーテンコート法、静電塗装法等の方法で10〜200μmの膜厚で塗布し、次に塗膜を60〜110℃で乾燥させた後、真空加圧式ラミネータ(名機製作所株式会社製、MVLPシリーズ)を用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムを乾燥させた組成物に貼り付ける際に所定条件で加圧作業を行う。
液状光硬化性樹脂組成物の塗膜をマスクレジストとして用いるプリント配線板の製造方法は、上述の平坦化する方法で平坦化された塗膜に対して、透明フィルムを介して所望のパターンに露光する工程と、露光された塗膜から透明フィルムを剥がす工程と、露光された塗膜を現像してマスクレジストを形成する工程とを含む。
液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を平坦化してマスクレジストとして用いるプリント配線板は、平坦性が優れているので、高密度多層板及び半導体パッケージ等の電子材料分野の製造に好適に用いられる。
具体的な、プリント配線板の製造方法は、液状光硬化性樹脂組成物の塗膜をプリント配線が形成された基板上で平坦化した後、所望のパターンを有するネガフィルムを透明フィルムと直接接触(又は透明なフィルムを介して)させて、活性光(例、紫外線)を好ましくは10〜1,000mJ/cm照射して露光する。そして、透明フィルム及びネガフィルムを塗膜から剥がす。その後、未露光部を希アルカリ水溶液で溶解除去(現像)する。次に、露光部分を後露光(紫外線露光)及び/又は後加熱によってマスクレジストを十分硬化させて硬化膜とすることが好ましい。後露光は例えば1〜5J/cmが好ましく、後加熱は、100〜200℃で30分〜12時間が好ましい。
樹脂(A)は、軟化点30℃〜100℃の樹脂であればよい。樹脂(A)は、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂であることが好ましい。酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂を有機酸、好ましくはビニル基含有モノカルボン酸で変性した樹脂が用いられるが、好ましくは一般式(I)で示されるノボラック型エポキシ樹脂、一般式(II)で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び一般式(III)で示されるサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種類のエポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)とを反応させて得られる第1反応生成物(A1)が用いられる。
〔式(I)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n1は1以上の整数を示す。少なくとも一つのYはグリシジル基を示し、複数存在するR11及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
〔式(II)中、R12は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n2は1以上の整数を示す。複数存在するR12は同一でも異なっていてもよい。〕
〔式(III)中、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n3は1以上の整数を示す。複数存在するYは同一でも異なっていてもよい。〕
液状光硬化性樹脂組成物において、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)は、紫外線や熱により橋架け反応(硬化反応)が進行することで、硬化収縮して樹脂内部に歪み(内部応力)が加わり、可とう性や接着性が低下する場合がある。そこで、柔軟性を持つエラストマーを適宜添加することで、硬化膜の応力を緩和し、硬化塗膜の改質をすることができる。例えば、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)にエラストマーを併用し、ポリマーアロイ化することで、硬化膜の硬化収縮、可とう性を改質することができる。
酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)とを反応させることにより得られる第1反応生成物(A1)を用いることができる。また、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)は、第1反応生成物(A1)に飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物(c)を反応させることにより得られる第2反応生成物(A2)を用いることができる。
第1反応生成物(A1)は、具体的には、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基とビニル基含有モノカルボン酸(b)のカルボキシル基との付加反応により水酸基が形成されると推察される。第2反応生成物(A2)は、最初の反応として、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基とビニル基含有モノカルボン酸(b)のカルボキシル基との付加反応により水酸基が形成され、次の反応で生成した水酸基(エポキシ樹脂(a)中にある元来ある水酸基も含む)と飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物(c)の酸無水物基とが半エステル反応しているものと推察される。
一般式(I)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂があり、公知の方法でフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることで得られる。
一般式(II)で示される、Xがグリシジル基であるビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂は、例えば、一般式(IV)で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂の水酸基とエピクロルヒドリンを反応させることにより得ることができる。水酸基とエピクロルヒドリンとの反応を促進するためには、反応温度50〜120℃でアルカリ金属水酸化物存在下、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶剤中で反応を行うのが好ましい。反応温度が50℃〜120℃では反応が好適に進行し、副反応が生じないので好ましい。
(Rは、水素原子又はメチル基、nは1以上の整数である。複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。)
一般式(III)で示されるサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂としては、具体的にはFAE−2500、EPPN−501H、EPPN−502H(以上、日本化薬株式会社製、商品名)等が挙げられる。
ビニル基含有モノカルボン酸(b)としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。また、ビニル基含有モノカルボン酸(b)としては、水酸基含有アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、ビニル基含有モノグリシジルエーテル若しくはビニル基含有モノグリシジルエステルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物が挙げられる。これら半エステル化合物は、水酸基含有アクリレート、ビニル基含有モノグリシジルエーテル若しくはビニル基含有モノグリシジルエステルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることで得られる。これらビニル基含有モノカルボン酸(b)は、単独、又は二種類以上併用して用いることができる。
ビニル基含有モノカルボン酸(b)の一例である上記半エステル化合物の合成に用いられる水酸基含有アクリレート、ビニル基含有モノグリシジルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスルトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、ビニル基含有モノカルボン酸(b)の一例である上記半エステル化合物の合成に用いられるビニル基含有モノグリシジルエーテルとしては、アリルグリシジルエーテル、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記半エステル化合物の合成に用いられる飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)との反応において、光重合性が高くなり、光感度が大きくなるという観点から、エポキシ樹脂(a)のエポキシ基1当量に対して、ビニル基含有モノカルボン酸(b)が0.8〜1.05当量となる比率で反応させることが好ましく、更に好ましくは0.9〜1.0当量である。
エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)は有機溶剤に溶かして反応させられ、有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
更に、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)の反応を促進させるために触媒を用いるのが好ましい。用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。触媒の使用量は、エポキシ樹脂とビニル基含有モノカルボン酸との反応が促進されるという観点から、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部である。
また、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)の反応中の重合を防止する目的で、重合防止剤を使用するのが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられる。重合防止剤の使用量は、反応中の重合防止と組成物の貯蔵安定性(シェルフライフ)が改良されるという観点から、エポキシ樹脂(a)とビニル基含有モノカルボン酸(b)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜1質量部である。反応温度は、同様の観点から、好ましくは60〜150℃、更に好ましくは80〜120℃である。
ビニル基含有モノカルボン酸(b)は、必要に応じて、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物と併用することができる。
飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物(c)としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
第1反応生成物(A1)と飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物(c)との反応において、第1反応生成物(A1)中の水酸基1当量に対して、飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物(c)を0.1〜1.0当量反応させることで、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)の酸価を調整できる。酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)の酸価は30〜150mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が30mgKOH/g未満では液状光硬化性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下し、150mgKOH/gを超えると硬化膜の電気特性が低下する傾向がある。第1反応生成物(A1)と飽和若しくは不飽和基含有多塩基酸無水物(c)との反応温度は、60〜120℃が好ましい。
エポキシ樹脂(a)は、必要に応じて、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を一部併用することもできる。更に、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)は、スチレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチルアクリレート変性物あるいはスチレン−無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチルアクリレート変性物等のスチレン−マレイン酸系樹脂を一部併用することができる。
光重合開始剤(B)としては、例えば、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,6−トリメチルベンゾイル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネイト等のホスフィン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(o−ベンゾイルオキシム)等のオキシム類があり、これらは単独あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
更に、光重合開始剤(B)としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光重合開始助剤を単独あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
液状光硬化性樹脂組成物中に含まれる光重合開始剤(B)の量は、液状光硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは2〜15質量%用いられる。0.5〜20質量%では、露光部が現像中に溶出することがなく、耐熱性が低下することもないので好ましい。
希釈剤(C)としては、例えば、有機溶剤及び/又は光重合性モノマーが使用できる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
また、光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類、及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
希釈剤(C)は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、液状光硬化性樹脂組成物中に含まれる希釈剤(C)の量は、液状光硬化性樹脂組成物中、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは10〜70質量%用いられる。5〜80質量%では、光感度が高く露光部が現像中に溶出することがなく、耐熱性が低下することもないので好ましい。
硬化剤(D)としては、それ自体が熱、紫外線等で硬化する化合物、あるいは本発明の組成物中の光硬化性樹脂成分である酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)のカルボキシ基、水酸基と熱、紫外線等で硬化する化合物が好ましい。硬化剤を用いることで、最終硬化膜の耐熱性、密着性、耐薬品性等を向上させることができる。
硬化剤(D)としては、例えば、熱硬化性化合物として、エポキシ化合物、メラミン化合物、尿素化合物、オキサゾリン化合物等を挙げることができる。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂あるいは、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。メラミン化合物としては、例えば、トリアミノトリアジン、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン等が挙げられる。尿素化合物としては、ジメチロール尿素等が挙げられる。
硬化剤(D)は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いられ、液状光硬化性樹脂組成物中に含まれる硬化剤(D)の量は、液状光硬化性樹脂組成物中、好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%用いられる。2〜50質量%では、最終硬化塗膜の耐熱性が高くなり、現像性が低下することがないので好ましい。
液状光硬化性樹脂組成物には、最終硬化膜の耐熱性、密着性、耐薬品性等の諸特性を更に向上させる目的でエポキシ樹脂硬化剤を併用することができる。
このようなエポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体:アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類:ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類:これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト:三フッ化ホウ素のアミン錯体:エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類:トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等の三級アミン類:ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類:トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類:トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスニウムクロライド等のホスホニウム塩類:ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類:前記の多塩基酸無水物:ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
エポキシ樹脂硬化剤は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いられ、液状光硬化性樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂硬化剤の量は、耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性の効果が得られるという観点から、液状光硬化性樹脂組成物中、好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%用いられる。
本発明の液状光硬化性樹脂組成物には、密着性、塗膜硬度等の諸特性を更に向上させる目的で、必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、タルク、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母等の公知の無機フィラーを、単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。無機フィラーの使用量は、密着性、耐熱性、耐熱衝撃性の効果が得られるという観点から、液状光硬化性樹脂組成物中、好ましくは2〜80質量%、更に好ましくは5〜50質量%用いられる。
本発明の液状光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオディン・グリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知の着色剤、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、ビニル樹脂系の消泡剤、シランカップリング剤等の公知慣用の各種添加剤を用いることができる。更に、臭素化エポキシ化合物、酸変性臭素化エポキシ化合物、アンチモン化合物、及びリン系化合物のホスフェート化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等の難燃剤を用いることができる。
本発明の液状光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、エラストマーとして、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーを用いることができる。これらのエラストマーは、ハードセグメント成分とソフトセグメント成分から成り立っている。一般にハードセグメント成分が耐熱性、強度に寄与しており、ソフトセグメント成分が柔軟性、強靭性に寄与している。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマーが挙げられる。スチレン系エラストマーを構成する成分であるスチレンのほかに、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体を用いることができる。スチレン系エラストマーとして、具体的には、タフプレン、ソルプレンT、アサプレンT、タフテック(以上、旭化成工業株式会社製)、エラストマーAR(アロン化成製)、クレイトンG、過リフレックス(以上、シェルジャパン製)、JSR−TR、TSR−SIS、ダイナロン(以上、日本合成ゴム株式会社製)、デンカSTR(電気化学工業株式会社製)、クインタック(日本ゼオン製)、TPE−SBシリーズ(住友化学工業株式会社製)、ラバロン(三菱化学株式会社製)、セプトン、ハイブラー(以上、クラレ製)、スミフレックス(住友ベークライト株式会社製)、レオストマー、アクティマー(以上、理研ビニル工業製)等が挙げられる。
オレフィン系エラストマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン等の炭素数2〜20のα−オレフィンの共重合体であり、例えば、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が挙げられ、また、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数2〜20の非共役ジエンとα−オレフィン共重合体が挙げられる。また、オレフィン系エラストマーとして、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性NBRが挙げられる。オレフィン系エラストマーとして、具体的には、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム等が挙げられる。更に、オレフィン系エラストマーとして、具体的には、ミラストマ(三井石油化学製)、EXACT(エクソン化学製)、ENGAGE(ダウケミカル製)、水添スチレン−ブタジエンラバー“DYNABON HSBR”(日本合成ゴム株式会社製)、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体“NBRシリーズ”(日本合成ゴム株式会社製)、及び架橋点を有する両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体の“XERシリーズ”(日本合成ゴム株式会社製)等が挙げられる。
ウレタンエラストマーは、低分子のグリコールとジイソシアネートからなるハードセグメント成分と高分子(長鎖)ジオールとジイソシアネートからなるソフトセグメント成分との構造単位からなり、高分子(長鎖)ジオールとしてポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン・1,4−ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6−ヘキシレン・ネオペンチレンアジペート)等が挙げられる。高分子(長鎖)ジオールの数平均分子量は、500〜10,000が好ましい。エチレングリコールの他に、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等の短鎖ジオールを用いることができ、短鎖ジオールの数平均分子量は、48〜500が好ましい。ウレタンエラストマーの具体例として、PANDEX T−2185、T−2983N(大日本インキ製)、シラクトランE790等が挙げられる。
ポリエステル系エラストマーとしては、ジカルボン酸又はその誘導体及びジオール化合物又はその誘導体を重縮合して得られるものが挙げられる。ジカルボン酸の具体例として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの芳香核の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、及びシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。ポリエステル系エラストマーとして、これらの化合物を単独で又は2種以上で用いることができる。ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオール及び脂環式ジオール、又は、下記一般式(V)で示される二価フェノールが挙げられる。
(但し、YはC〜C10のアルキレン基、C〜Cのシクロアルキレン基、−O−、−S−、−SO−からなる群から選択され、又は直接ベンゼン環同志が結合しており、R1及びR2はハロゲン又はC〜C12のアルキル基であり、l、mは0〜4の整数であり、pは0又は1である。)
二価フェノールの具体例として、ビスフェノールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、レゾルシン等が挙げられる。これらの化合物は単独で又は2種以上用いることができる。また、芳香族ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート)部分をハードセグメント成分に、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリテトラメチレングリコール)部分をソフトセグメント成分にしたマルチブロック共重合体を用いることができる。ハードセグメント成分とソフトセグメント成分の種類、比率、分子量の違いによりさまざまなグレードのものがある。具体例として、ハイトレル(デュポン−東レ株式会社製)、ペルプレン(東洋紡績株式会社製)、エスペル(日立化成工業株式会社製)等が挙げられる。
ポリアミド系エラストマーは、ハードセグメント成分にポリアミドを、ソフトセグメント成分にポリエーテルやポリエステルを用いたポリエーテルブロックアミド型とポリエーテルエステルブロックアミド型の2種類に大別される。ポリアミドとしては、ポリアミド−6、11、12等が用いられ、ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリテトラメチレングリコール等が用いられる。具体的には、UBEポリアミドエラストマ(宇部興産株式会社製)、ダイアミド(ダイセルヒュルス株式会社製)、PEBAX(東レ株式会社製)、グリロンELY(エムスジャパン株式会社製)、ノパミッド(三菱化学株式会社製)、グリラックス(大日本インキ株式会社製)等が挙げられる。
アクリル系エラストマーは、アクリル酸エステルを主成分とし、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等が用いられ、また、架橋点モノマーとして、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が用いられる。更に、アクリロニトリルやエチレンを共重合することもできる。具体的には、アクリロニトリル−ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
シリコーン系エラストマーとしては、オルガノポリシロキサンを主成分としたもので、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、ポリジフェニルシロキサン系に分けられる。一部をビニル基、アルコキシ基等で変性したものもある。具体例として、KEシリーズ(信越化学工業株式会社製)、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ(以上、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)等が挙げられる。
また、上記の熱可塑性エラストマー以外に、ゴム変性したエポキシ樹脂を用いることができる。ゴム変性したエポキシ樹脂は、例えば、上述のビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂あるいはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の一部又は全部のエポキシ基を両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリロニトリルゴム、末端アミノ変性シリコーンゴム等で変性することによって得られる。これらのエラストマーの中で、せん断接着性の点で、両末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、水酸基を有するポリエステル系エラストマーであるエスペル(日立化成工業株式会社製、エスペル1612、1620)が好ましい。
エラストマーの配合量は、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは2〜30質量部、更に好ましくは4〜20質量部用いられる。2〜30質量部では、硬化膜の高温領域での弾性率が低くなる傾向があり、未露光部が現像液で溶出する傾向があるので好ましい。
液状光硬化性樹脂組成物は、配合成分をロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることができる。
以下、本発明の合成例及び実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、合成例中、実施例中の部、及び表中の配合量は質量部を示す。
[合成例1]
YDCN704(東都化成株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、一般式(I)において、X=グリシジル基、R=メチル基)220質量部、アクリル酸72質量部、ハイドロキノン1.0質量部、カルビトールアセテート180質量部を仕込み、90℃に加熱、撹拌して反応混合物を溶解した。次に、60℃に冷却し、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム1質量部を仕込み、100℃に加熱して、固形分酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。次に、テトラヒドロ無水フタル酸152質量部とカルビトールアセテート100質量部を仕込み、80℃に加熱し、約6時間反応し冷却し、固形分濃度が60質量%になるようにカルビトールアセテートで希釈して酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(I)を得た。軟化点は60℃である。なお、樹脂の軟化点は、JIS−K7234(1986年制定)に定める環球法に準拠して測定した。昇温速度は、5℃/分で行った。
[合成例2]
EPPN502H(日本化薬株式会社製、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、一般式(III)において、X=グリシジル基)330質量部に、アクリル酸144質量部、ハイドロキノン1.5質量部、カルビトールアセテート250質量部を仕込み、90℃に加熱、撹拌して反応混合物を溶解した。次に、60℃に冷却し、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム2質量部を仕込み、100℃に加熱して、酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。次に、テトラヒドロ無水フタル酸230質量部とカルビトールアセテート180質量部を仕込み、80℃に加熱し、約6時間反応し冷却し、固形分濃度が60質量%になるようにカルビトールアセテートで希釈して酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(II)を得た。軟化点は68℃である。なお、樹脂の軟化点は、JIS−K7234(1986年制定)に定める環球法に準拠して測定した。昇温速度は、5℃/分で行った。
[合成例3]
YDF2001(東都化成株式会社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、一般式(II)において、X=グリシジル基、R=H)475質量部、アクリル酸72質量部、ハイドロキノン0.5質量部、カルビトールアセテート120質量部を仕込み、90℃に加熱、撹拌して反応混合物を溶解した。次に、60℃に冷却し、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム2質量部を仕込み、100℃に加熱して、酸価が1mgKOH/gになるまで反応させた。次に、テトラヒドロ無水フタル酸230質量部とカルビトールアセテート85質量部を仕込み、80℃に加熱し、約6時間反応し冷却し、固形分濃度が60質量%になるようにカルビトールアセテートで希釈して酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂(III)を得た。軟化点は54℃である。なお、樹脂の軟化点は、JIS−K7234(1986年制定)に定める環球法に準拠して測定した。昇温速度は、5℃/分で行った。
[評価方法]
評価方法は以下のとおりである。
<平坦性>
表面粗さ計(小坂研究所製、サーフコーダSE−3400)を用いて、プリント配線板の配線パターンを横切るように走査して塗布後の液状光硬化性樹脂組成物の表面粗さ(厚みの凹凸度)を計測した。
測定は、以下の測定条件で行った。
走査速度:0.5mm/s
圧子の材質:ダイヤモンド
圧子の先端部の形状:円錐 頂角90度
圧子の先端半径:R2μm
測定力:0.7mN
カットオフ値:0.8mm
測定長さ:10mm
<光感度>
80℃で乾燥後、塗膜にステップタブレット21段(ストファー社製)を密着させ積算露光量500mJ/cmの紫外線を照射し、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間現像、その後、現像されずに残った塗膜の段数を確認した。
○:8段以上
△:5〜7段
×:4段以下
<密着性>
JIS K5600−5−6(1999年制定)に準じて、試験片に1mmの格子を25個作製してセロハンテープにより剥離試験を行った。
格子の剥離状態を観察し、以下の基準で評価した。
○:22/25以上で剥離なし
△:12/25以上〜22/25未満で剥離なし
×:0/25〜12/25未満で剥離なし
<耐溶剤性>
試験片をイソプロピルアルコールに室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを目視で確認後、セロハンテープにより剥離試験を行った。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの
×:塗膜外観に異常がある、又は剥離があるもの
<耐酸性>
試験片を10質量%塩酸水溶液に室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを目視で確認後、セロハンテープにより剥離試験を行った。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの
×:塗膜外観に異常がある、又は剥離があるもの
<耐アルカリ性>
試験片を5質量%水酸化ナトリウム水溶液に室温で30分間浸漬し、外観に異常がないかを目視で確認後、セロハンテープにより剥離試験を行った。
○:塗膜外観に異常がなく、剥離のないもの
×:塗膜外観に異常がある、又は剥離があるもの
<はんだ耐熱性>
試験片にロジン系フラックス及び水溶性フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽に10秒間浸漬した。これを1サイクルとして、6サイクル繰り返した後、塗膜外観を目視観察した。
○:塗膜外観に異常(剥離、フクレ)がなく、はんだのもぐりがないもの
×:塗膜外観に異常(剥離、フクレ)がある、又ははんだのもぐりがあるもの
<せん断接着性>
試験片に直径3.6mm、高さ4mmの円錐形状に封止材(CEL9200日立化成工業株式会社製)をモールドして、吸湿後の接着性を評価した。使用機器は、ボンドテスタ(DAGE社製)、圧子の形状が円錐、頂角90度、測定温度245℃である。
<耐熱衝撃性>
試験片を、−55℃/30分、125℃/30分を1サイクルとして熱履歴を加え、1,000サイクル経過後、試験片を目視観察、顕微鏡観察(倍率50倍)した。
○:クラック発生なし
×:クラック発生あり
<ガラス転移点温度>
組成物をガラス板に塗布し、80℃に設定した熱風循環式乾燥機で30分間乾燥させた。乾燥させた試験片を約10mg削り取って、示差走査熱量測定(セイコーII製)を用いて−30℃から150℃まで昇温速度10℃/分で昇温させてガラス転移点温度を測定した。
<脱気状態>
液状光硬化性樹脂組成物を所定の配線パターンが形成されたプリント配線が形成された基板に塗布し、80℃に設定した熱風循環式乾燥機で30分間乾燥させた。次に、真空加圧式機、すなわち具体的には真空ラミネータ(名機製作所株式会社製、MVLPシリーズ)を用いて、透明フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を乾燥させた組成物に貼り付けた際に、所定の配線パターンが形成された基板上の脱気状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。なお、比較例の場合、透明フィルムの圧着を行わずに脱気状態を観察した。
○:500×500mmサイズの板上に気泡なし
△:500×500mmサイズの板上に10個未満の気泡あり
×:500×500mmサイズの板上に10以上の気泡あり
[実施例1〜6、比較例1]
表1に示す配合組成に従って組成物を配合し、3本ロールミルで混練し液状光硬化性樹脂組成物を調製した。比較例1は実施例1の液状光硬化性樹脂組成物を使用した。これをスクリーン印刷法により、120メッシュのテトロンスクリーンを用いて、約30μmの厚さ(乾燥後)になるように所定の配線パターンが形成されたプリント配線が形成された基板に塗布し、80℃に設定した熱風循環式乾燥機で30分間乾燥させた。次に、真空加圧式ラミネータ(名機製作所製、MVLPシリーズ)を用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルムを乾燥させた組成物に貼り付ける際に所定条件で加圧作業を行った。次に、所定のパターンを有するネガマスクを塗膜に密着させ紫外線露光装置を用いて、500mJ/cm露光した。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がして、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.18MPaの圧力でスプレー現像し、未露光部を溶解現像した。得られた像を用いて現像性、光感度を評価し、次に150℃で1時間加熱し試験板を作製した。
試験板について、平坦性、光感度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、密着性、耐溶剤性、はんだ耐熱性、せん断接着性、耐熱衝撃性、ガラス転移点温度の評価を行った。表1に光感度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、密着性、耐溶剤性、はんだ耐熱性、せん断接着性、耐熱衝撃性、ガラス転移点温度の評価結果を示す。平坦性については、実施例1〜6のそれぞれでゴムロール温度及び圧力の条件を変えて評価を行ったので、実施例1〜6のそれぞれの評価結果を表2〜7に示す。
また、平坦性については、比較例1のそれぞれでラミネータ温度及び圧力の条件を変えて評価を行ったので、比較例1のそれぞれの評価結果を表2に示す。
*1 SP1612:飽和ポリエステル樹脂(日立化成製)
*2 SP1620:飽和ポリエステル樹脂(日立化成製)
*3 XER−91:両末端カルボキシ基変性ブタジエンーアクニロニトリル共重合体(日本合成ゴム製)
*4 エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製)
*5 カヤラッドDPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬製)
*6 イルガキュア907:2‐メチル‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕モルホリノ‐1‐プロパン(チバ・ガイギー製)
*7 カヤキュアDETX‐S:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬製)
[比較例2〜4]
表8に示す配合組成に従って組成物を配合し、3本ロールミルで混練し液状光硬化性樹脂組成物を調製した。これをスクリーン印刷法により、120メッシュのテトロンスクリーンを用いて、約30μmの厚さ(乾燥後)になるように所定の配線パターンが形成された銅張り積層板に塗布し、80℃に設定した熱風循環式乾燥機で30分間乾燥させた。次に、所定のパターンを有するネガマスクを塗膜に密着させ紫外線露光装置を用いて、500mJ/cm露光した。露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がして、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、1.8kgf/cmの圧力でスプレー現像し、未露光部を溶解現像した。得られた像を用いて現像性、光感度を評価し、次に150℃で1時間加熱し試験板を作製した。
試験板について、平坦性、光感度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、密着性、耐溶剤性、はんだ耐熱性、せん断接着性、耐熱衝撃性、ガラス転移温度の評価を行った。表8に光感度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、密着性、耐溶剤性、はんだ耐熱性、せん断接着性、耐熱衝撃性、ガラス転移温度の評価結果を示す。平坦性については、比較例2〜4のそれぞれの評価結果を表9に示す。
* 真空加圧式ラミネータを使用せず
[評価結果]
表1及び表8から、実施例1〜6、比較例2〜4のいずれも光感度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、密着性、耐溶剤性、はんだ耐熱性、せん断接着性、耐熱衝撃性、ガラス転移点温度が好適であることが判った。
表2〜7から、実施例1〜6の平坦性については、真空加圧式ラミネータ温度及び圧力の条件を変えても凹凸度が最大でも3.9μmであり、所望の値である4μm以下であった。
表2から、比較例1の平坦性については、ゴムロールの温度が20度である場合では凹凸度が最大で4.6μmであり、所望の値である1μmを超えてしまった。また、ゴムロールの温度が20度である場合(比較例1−1、1−2)では空気の巻き込みが発生し、ゴムロールの温度が90度である場合(比較例1−3)では一部に現像残りが発生した。
表9から、比較例2〜4の平坦性については、真空加圧式ラミネータを使用しなかったので、実施例1〜6で行った真空加圧式ラミネータ温度及び圧力の条件を変えて評価することはできなかった。比較例2〜4の平坦性は、凹凸度が最小でも7.4μmであり、所望の値である4μmを超えてしまった。

Claims (6)

  1. 軟化点30℃〜100℃の樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、希釈剤(C)と、硬化剤(D)とを含有する液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法において、
    前記液状光硬化性樹脂組成物をプリント配線が形成された前記基板上に塗布して乾燥し、塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜上に透明フィルムを配置し、前記液状光硬化性樹脂組成物のガラス転移温度より20℃〜50℃高い温度にて、真空加圧式ラミネータを用いて0.005〜1.0MPaで、前記透明フィルムと前記塗膜とを加熱圧着する工程
    とを含み、前記透明フィルムを剥がして現像した後の前記塗膜の表面粗さ(凹凸度)を4μm以下とする液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法。
  2. 前記樹脂(A)は、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂である請求項1に記載の液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法。
  3. 前記樹脂(A)は、一般式(I)で示されるノボラック型エポキシ樹脂、一般式(II)で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び一般式(III)で示されるサリチルアルデヒド型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種類のエポキシ樹脂(a)と、ビニル基含有モノカルボン酸(b)とを反応させて得られる第1反応生成物(A1)である請求項1又は2に記載の液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法。

    〔式(I)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n1は1以上の整数を示す。少なくとも一つのYはグリシジル基を示し、複数存在するR11及びYはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕

    〔式(II)中、R12は水素原子又はメチル基を示し、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n2は1以上の整数を示す。複数存在するR12は同一でも異なっていてもよい。〕

    〔式(III)中、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、n3は1以上の整数を示す。複数存在するYは同一でも異なっていてもよい。〕
  4. 前記樹脂(A)は、前記第1反応生成物(A1)に、飽和又は不飽和基含有多塩基酸無水物(c)を反応させて得られる第2反応生成物(A2)である請求項3に記載の液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法。
  5. 前記プリント配線が形成された基板は、表面実装型半導体パッケージ基板である請求項1〜4のいずれかに記載の液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液状光硬化性樹脂組成物の塗膜を基板上で平坦化する方法で得られた平坦化された前記塗膜に対して、前記透明フィルムを介して所望のパターンに露光する工程と、
    露光された前記塗膜から前記透明フィルムを剥がす工程と、
    露光された前記塗膜を現像してマスクレジストを形成する工程
    とを含むプリント配線板の製造方法。
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