JP6161864B2 - 樹脂組成物、樹脂シート、プリプレグ、積層板、金属基板、及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
前記熱硬化性樹脂が、メソゲン骨格を有するエポキシモノマー、該エポキシモノマーの多量体、及び該エポキシモノマーを部分的に反応させたプレポリマから選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明の樹脂組成物は、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径が0.2μm〜100μmの熱伝導性フィラー(以下、熱伝導性フィラーを単に「フィラー」と略称する場合がある)と、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径が1nm〜100nmのナノ粒子と、熱硬化性樹脂と、を含む。本発明の樹脂組成物中、前記熱伝導性フィラーは、全固形分に対して60〜90体積%で含有され、前記ナノ粒子は、全固形分に対して0.01〜1体積%で含有される。本発明の樹脂組成物は、更に必要に応じて、その他の成分を含んでもよい。
以下では、樹脂組成物に用いる材料及び樹脂組成物の物性について説明する。
本発明の樹脂組成物は、平均粒子径が0.2μm〜100μmの熱伝導性フィラーを含む。また、本発明の樹脂組成物において、前記熱伝導性フィラーは、全固形分に対して60〜90体積%で含有される。
Bw:熱硬化性樹脂の質量組成比(質量%)
Cw:ナノ粒子の質量組成比(質量%)
Dw:その他の任意成分(有機溶剤を除く)の質量組成比(質量%)
Ad:熱伝導性フィラーの比重
Bd:熱硬化性樹脂の比重
Cd:ナノ粒子の比重
Dd:その他の任意成分(有機溶剤を除く)の比重
本発明の樹脂組成物は、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径(D50)が1nm〜100nmのナノ粒子を含む。また、本発明の樹脂組成物において、前記ナノ粒子は、全固形分に対して0.01〜1体積%で含有される。
Bw:熱硬化性樹脂の質量組成比(質量%)
Cw:ナノ粒子の質量組成比(質量%)
Dw:その他の任意成分(有機溶剤を除く)の質量組成比(質量%)
Ad:熱伝導性フィラーの比重
Bd:熱硬化性樹脂の比重
Cd:ナノ粒子の比重
Dd:その他の任意成分(有機溶剤を除く)の比重
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂の少なくとも1種を含む。前記熱硬化性樹脂としては、熱硬化性を有する樹脂であれば特に制限はなく、通常用いられる熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂として具体的には例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、トリアジン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、及びこれら樹脂の変性系などを挙げることができる。これらの樹脂は1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
の中から選択され、結合基X1及びX2は、各々独立に、単結合、
前記硬化剤は、前記熱硬化性樹脂の種類等に応じて、従来公知の化合物から適宜選択して用いることができる。例えば熱硬化性樹脂の主剤としてエポキシ樹脂を用いる場合の硬化剤としては、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤などを挙げることができる。アミン系硬化剤としては芳香族多価アミンが好ましく、4,4’−ジアミノジフェニルメタンや1,5−ジアミノナフタレンなどを挙げることができる。フェノール系硬化剤としては多官能性フェノールが好ましく、フェノールノボラック、フェノールアラルキル、ナフトールアラルキル、ジシクロペンタジエンフェノール、カテコールノボラック、レゾルシノールノボラックなどを挙げることができる。硬化剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂シートは、前記樹脂組成物をシート状に成形したものである。具体的には、前記樹脂組成物を離型基材上に塗布し、乾燥することで製造することができる。この際、乾燥後に必要に応じて2枚を背合せ或いは離型基材をあてて熱間加圧することで両面を平滑化すると塗工時のピンホール等を解消できるため好ましい。高い熱伝導性と優れた流動性を有する前記樹脂組成物から樹脂シートを成形することで、高い熱伝導性及び絶縁性が実現される。
本発明のプリプレグは、繊維基材と、前記繊維基材に含浸された前記樹脂組成物と、を有して構成される。かかる構成であることで熱伝導性及び絶縁性に優れたプリプレグとなる。また、前記ナノ粒子を含有する樹脂組成物は、チキソ性が向上するために、塗工工程や含浸工程における熱伝導性フィラーの沈降を抑制することができる。したがって、プリプレグの厚み方向でのフィラーの濃淡の分布が発生するのを抑えることができ、結果として、熱伝導性及び絶縁性に優れるプリプレグが得られる。
本発明の積層板は、樹脂含有層の硬化層と、被着材と、を有する。前記樹脂含有層は、前記樹脂組成物で構成される樹脂層、前記樹脂シート、及び前記プリプレグから選択される少なくとも1層である。本発明の樹脂組成物から形成される樹脂含有層の硬化層を備えることで、熱伝導性及び絶縁性に優れた積層板となる。
前記積層板の一例として、後述のプリント配線板を作製するのに用いる金属箔貼硬化物、又は金属基板を挙げることができる。
本発明のプリント配線板は、配線層と、金属板とを有し、前記配線層と前記金属板との間に、樹脂含有層の硬化層を有する。前記樹脂含有層は、前記樹脂組成物を付与してなる樹脂層、前記樹脂シート、及び前記プリプレグから選択される少なくとも1層である。本発明のプリント配線板は、前述の金属箔貼硬化物又は金属基板における金属箔を回路加工することにより製造することができる。金属箔の回路加工には通常のフォトリソによる方法が適用できる。本発明の樹脂組成物を用いることで、熱伝導性及び絶縁性に優れたプリント配線板が得られる。
[実施例1]
ビフェニル型のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン、YL6121H)100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)37質量部と、トリフェニルホスフィン1.4質量部と、KBM−573(信越化学工業製)1.4質量部と、アルミナ粉末1528質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ1008質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ367質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ153質量部との混合物)と、メチルエチルケトン300質量部とを混合し、ビニルシランにより疎水処理されたシリカナノ粒子(アドマテックス社製、商品名:アドマナノ、平均粒子径が15nm)スラリーを固形分換算で1.9質量部相当添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、窒化アルミニウム粉末1472質量部(古河電子製窒化アルミニウム粉末;平均粒子径が30μmの窒化アルミニウム粉末972質量部と、平均粒子径が5μmの窒化アルミニウム粉末294質量部と、トクヤマ社製窒化アルミニウム粉末;平均粒子径が0.6μmの窒化アルミニウム粉末206質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、ビニルシランにより疎水処理されたシリカナノ粒子(アドマテックス社製、商品名:アドマナノ、平均粒子径:15nm)スラリーを固形分換算で1.8質量部相当添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1472質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ972質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ353質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ147質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部と、を混合し、ビニルシランにより疎水処理されたシリカナノ粒子(アドマテックス社製、商品名:アドマナノ、平均粒子径:15nm)スラリーを固形分換算で1.8質量部相当添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1483質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ979質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ356質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ148質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、ビニルシランにより疎水処理されたシリカナノ粒子(アドマテックス社製、商品名:アドマナノ、平均粒子径:15nm)スラリーを固形分換算で3.6質量部相当添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1472質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ972質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ353質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ147質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、ジメチルシランにより疎水処理されたシリカナノ粒子(日産化学社製、商品名:スノーテックスMEK−ST−L、平均粒子径:40nm)スラリーを固形分換算で1.8質量部相当添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1472質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ972質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ353質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ147質量部との混合物)と、アルミナナノ粒子(シーアイ化成製、商品名:Nanotek アルミナ、平均粒子径:30nm)3.3質量部と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
ビフェニル型のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン、YL6121H)100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)37質量部と、トリフェニルホスフィン1.4質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.4質量部と、アルミナ粉末1517質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ1001質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ364質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ152質量部との混合物)と、メチルエチルケトン300質量部とを混合し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、窒化アルミニウム粉末1461質量部(古河電子製窒化アルミニウム粉末;平均粒子径が30μmの窒化アルミニウム粉末964質量部と、平均粒子径が5μmの窒化アルミニウム粉末292質量部と、トクヤマ社製窒化アルミニウム粉末;平均粒子径が0.6μmの窒化アルミニウム粉末205質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1461質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ964質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ351質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ146質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1644質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ1085質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ395質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ164質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、ビニルシランにより疎水処理されたシリカナノ粒子(アドマテックス社製、商品名:アドマナノ、平均粒子径:15nm)スラリーを固形分換算で30.3質量部相当添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン100質量部と、レゾルシノールノボラック(日立化成工業試作品)32質量部と、トリフェニルホスフィン1.3質量部と、KBM−573(信越化学工業社製)1.3質量部と、アルミナ粉末1472質量部(住友化学株式会社製α−アルミナ粉末;平均粒子径が18μmのアルミナ972質量部と、平均粒子径が3μmのアルミナ353質量部と、平均粒子径が0.4μmのアルミナ147質量部との混合物)と、シクロヘキサノン300質量部とを混合し、ナノ粒子の代わりに平均粒子径が0.5μmのシリカ粒子(アドマテックス製、SO−25R)を1.8質量部添加し、エポキシ樹脂ワニスを得た。
(樹脂シートの作製)
作製した各々の樹脂組成物について、アプリケータでポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥後厚みが200μmとなるように塗布した後、30分室温で放置し、乾燥させた。温度100℃で、30分間更に乾燥させた後、真空プレスにて熱間加圧(プレス温度120℃、真空度1kPa、プレス圧1MPa、処理時間1分)を行い、半硬化の樹脂シートを得た。
得られた樹脂シートの両面のPETフィルムを剥がした後、10mm角に打ち抜き、大気圧条件下、200μm厚の試料を温度160℃、プレス圧1.6MPaで1分間押しつぶした。押しつぶした試料は300DPI以上のスキャナで取り込み、画像解析ソフト(Adobe Photoshop)にて2値化処理した後、面積(ピクセル数)の変化率からフロー量を評価した。
また、得られた樹脂シートの両面のPETフィルムを剥がした後、40mm角に切り出し、190℃に予熱した恒温槽中で2時間乾燥した。乾燥前後の質量変化から、残溶剤量を評価した。
得られたシートの表面を白金スパッタでコーティングした後、走査型電子顕微鏡(SEM、FEI製、ESEM)にて100倍の倍率で表面を観察した。任意に切り出した5視野のSEM像を印刷した後、樹脂が流動して平坦化された画像部分を切り抜き、その質量比から、樹脂が流動して平坦化された面積率(平坦化度)を求めた。
上記得られた樹脂シートの両面のPETフィルムを剥がした後、2枚の銅箔(35μm)のマット面がそれぞれ樹脂シートに対向するようにして挟み、真空圧着(温度150℃、真空度1kPa、プレス圧4MPa、処理時間5分間)した。その後、大気圧条件下、140℃で2時間、190℃で2時間加熱し、銅箔貼硬化物を得た。
上記得られた樹脂シートの両面のPETフィルムを剥がした後、一方の面上に銅箔(35μm)のマット面が対向するように配置し、他方の面上にアルミニウム板(1mm、A5052)を配置して、樹脂シートを挟み、真空圧着(温度150℃、真空度1kPa、プレス圧4MPa、処理時間5分間)した。その後、大気圧条件下、140℃で2時間、190℃で2時間加熱し、金属基板を得た。
(プリプレグの作製)
作製した各々の樹脂組成物について、アプリケータでポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥後厚みが200μmとなるように塗布した後、ガラス不織布を上からかぶせ、PETごしにロールを押し当ててガラス不織布に樹脂組成物を馴染ませて含浸させた。その後、20分室温で放置して乾燥させた。更に、温度100℃で、30分間乾燥させた後、真空プレスにて熱間加圧(プレス温度120℃、真空度1kPa、プレス圧2MPa、処理時間1分)を行い、プリプレグを得た。
得られたプリプレグの両面のPETフィルムを剥がした後、40mm角に切り出し、190℃に予熱した恒温槽中で2時間乾燥した。乾燥前後の質量変化から、残溶剤量を評価した。
得られたプリプレグの表面を白金スパッタでコーティングした後、走査型電子顕微鏡(SEM、FEI製、ESEM)にて100倍の倍率で表面を観察した。任意に切り出した5視野のSEM像を印刷した後、樹脂が染み出して平坦化された画像部分を切り抜き、その質量比から、樹脂が染み出した部分の面積率(平坦化度)を求めた。得られた平坦化度を樹脂の染み出し性の指標とした。
得られたプリプレグの両面のPETフィルムを剥がした後、2枚の銅箔(35μm)のマット面がそれぞれプリプレグに対向するようにして挟み、真空圧着(温度150℃、真空度1kPa、プレス圧6MPa、処理時間5分間)した。その後、大気圧条件下、140℃で2時間、190℃で2時間加熱し、銅箔貼硬化物を得た。
得られたプリプレグの両面のPETフィルムを剥がした後、一方の面上に銅箔(35μm)のマット面が対向するように配置し、他方の面上にアルミニウム板(1mm、A5052)を配置して、樹脂シートを挟み、真空圧着(温度150℃、真空度1kPa、プレス圧6MPa、処理時間5分間)した。その後、大気圧条件下、140℃で2時間、190℃で2時間加熱し、金属基板を得た。
銅箔貼硬化物の銅箔をエッチングした樹脂硬化物を10mm角に切り出してグラファイトスプレーにて黒化処理した後、キセノンフラッシュ法(NETZSCH LFA447 nanoflash)を用いて熱拡散率を評価した。この値をアルキメデス法で測定した密度と、DSC(Perkin Elmer製DSC、Pyris1)で測定した比熱との積から熱伝導率を求めた。
銅箔貼硬化物の銅箔をエッチングした樹脂硬化物を100mm角以上の寸法で切り出し、ヤマヨ試験機製YST−243−100RHOを用いて、直径25mmの円筒電極ではさみ、昇圧速度500V/s、室温、大気中にて測定し、5点以上の測定点で平均値と最低値を記録した。
JIS−C6481(1996年度版)に準拠して、作製した金属基板を用いて90°ピールの試験片を作製した。金属基板を25mm × 100mmに切り出し、中心10mm幅で残した銅箔(35μm)を、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製 TM−100)を用いて常温で50mm/minの速度で90°の方向に引き剥がし多時の平均荷重から、ピール強度を測定した。
また、実施例3と実施例4とを比較すると、ナノ粒子の添加量の増大に伴って樹脂染み出し性が向上し、ピール強度・絶縁破壊電圧が向上することがわかる。しかし、比較例4に示すように、ナノ粒子の含有量が1体積%を超える場合には、熱伝導率が低下した。また、比較例5に示すように、ナノ粒子のD50が100nmを超えると潤滑効果が小さく、同様な添加量では殆ど効果が得られないことがわかる。
また、実施例3と実施例6とを比較すると、粉末アルミナのナノ粒子を用いた場合、シリカのナノ粒子を用いたときよりも樹脂の染み出し性は劣るものの、熱伝導率が僅かに向上した。
Claims (10)
- 熱硬化性樹脂と、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径が0.2μm〜100μmの熱伝導性フィラーを、全固形分に対して60〜90体積%となるように、かつ、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径が1nm〜100nmのナノ粒子を、全固形分に対して0.01〜1体積%となるように、それぞれ配合してなり、
前記熱硬化性樹脂が、メソゲン骨格を有するエポキシモノマー、及び該エポキシモノマーを部分的に反応させたプレポリマから選択される少なくとも1種を含み、
前記エポキシモノマーが、ビフェニル骨格乃至分子内に3個以上の6員環構造を有する樹脂組成物。 - 前記熱伝導性フィラーは、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、及び酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種から構成されるフィラーを含む請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ナノ粒子がシリカ粒子である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物をシート状に成形した樹脂シート。
- 熱間加圧により、両表面の平坦化度を75%以上とした請求項4に記載の樹脂シート。
- 繊維基材と、前記繊維基材に含浸された請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、を有するプリプレグ。
- 熱間加圧により、両表面の平坦化度を75%以上とした請求項6に記載のプリプレグ。
- 被着材と、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物から構成される樹脂層、請求項4又は請求項5に記載の樹脂シート、及び請求項6又は請求項7に記載のプリプレグから選択される少なくとも1つの樹脂含有層の硬化層と、を有する積層板。
- 金属箔と、金属板と、前記金属箔と前記金属板との間に挟持される、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物から構成される樹脂層、請求項4又は請求項5に記載の樹脂シート、及び請求項6又は請求項7に記載のプリプレグから選択される少なくとも1つの樹脂含有層の硬化層と、を有する金属基板。
- 配線層と、金属板と、前記配線層と前記金属板との間に、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物から構成される樹脂層、請求項4又は請求項5に記載の樹脂シート、及び請求項6又は請求項7に記載のプリプレグから選択される少なくとも1つの樹脂含有層の硬化物とを有するプリント配線板。
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