JP5942641B2 - 樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材 - Google Patents
樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5942641B2 JP5942641B2 JP2012148948A JP2012148948A JP5942641B2 JP 5942641 B2 JP5942641 B2 JP 5942641B2 JP 2012148948 A JP2012148948 A JP 2012148948A JP 2012148948 A JP2012148948 A JP 2012148948A JP 5942641 B2 JP5942641 B2 JP 5942641B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filler
- resin sheet
- sheet
- resin
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
<8> 前記<4>〜<6>のいずれか1つに記載の樹脂シートの硬化物の少なくとも一方の面から前記硬化物の一部を除去する工程を有する樹脂シート硬化物の製造方法である。
本発明の樹脂シートの製造方法は、硬化性成分及びフィラを含む第一のコンポジットシートの少なくとも一方の面上に、フィラを付与してフィラ層を形成する工程と、前記フィラ層上に、硬化性成分及びフィラを含む第二のコンポジットシートを積層して積層体を得る工程と、前記第一のコンポジットシートと前記第二のコンポジットシートとを接触させ、前記フィラ層を前記第一のコンポジットシート及び前記第二のコンポジットシートから選ばれる少なくとも一方に埋入させて樹脂シートを得る工程と、を有する。前記樹脂シートの製造方法は、必要に応じてその他の工程を更に有していてもよい。
本発明の樹脂シートの製造方法は、硬化性成分及びフィラを含む第一のコンポジットシートと、硬化性成分及びフィラを含む第二のコンポジットシートとを準備するコンポジットシート準備工程を更に有することが好ましい。コンポジットシートの準備工程は、前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートをそれぞれ市販品から適宜選択する工程であってもよく、また所望の構成を有する前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートをそれぞれ製造する工程であってもよい。また前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートは同一のものであってもよく、互いに異なるものであってもよい。第一のコンポジットシートと第二のコンポジットシートが異なるものである場合、例えば平均厚み、フィラの種類、フィラの含有率、硬化性成分の種類、硬化性成分の含有率からなる群より選ばれる少なくとも1つの要素が互いに異なるものであればよい。前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートは、互いに同様の構成を有するものであることが好ましい。
前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシート(以下、併せて単に「コンポジットシート」ともいう)は、少なくとも1種の硬化性成分を含む。コンポジットシートを構成する硬化性成分は、熱又は光によって硬化可能であることが好ましい。硬化性成分としては例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。より具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの硬化性樹脂が挙げられる。接着性に優れる観点から、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化性樹脂が好ましく、接着性及び電気絶縁性の観点から、エポキシ樹脂の少なくとも1種であることがより好ましい。前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートが含む硬化性成分は、互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。
前記コンポジットシートは、硬化性成分として硬化性樹脂に加えて少なくとも1種の硬化剤を更に含むことが好ましい。前記硬化剤としては特に制限はなく、硬化性樹脂に応じて適宜選択できる。特に前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤としてはエポキシ樹脂用硬化剤として通常用いられる硬化剤から適宜選択して用いることができる。具体的には、ジシアンジアミド、芳香族ジアミン等のアミン系硬化剤;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、カテコールレゾルシノールノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤を挙げることができる。中でも熱伝導率向上の観点から、フェノール系硬化剤であることが好ましく、カテコール、レゾルシノール、p−ハイドロキノン等の2官能フェノール化合物に由来する構造を含むフェノール系硬化剤であることが好ましい。
前記コンポジットシートは、少なくとも1種のフィラを含有する。前記フィラとしては特に限定されず、当技術分野において周知のフィラから適宜選択することができる。フィラは導電性であっても、非導電性であってもよい。またフィラは有機フィラであっても、無機フィラであってもよい。中でも熱伝導性の観点から、無機フィラであることが好ましい。例えば導電性の無機フィラとして、金、銀、ニッケル、銅等が挙げられる。導電性の無機フィラを使用した場合、熱伝導性を向上することができる一方で、絶縁性が低下しやすい傾向がある。非導電性の無機フィラとして、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素等が挙げられる。前記無機フィラは、1種類を使用しても、又は2種類以上の混合フィラを使用してもよい。また異なる粒径を有するフィラを組み合わせて使用してもよい。高熱伝導性の観点からアルミナ及び窒化ホウ素からなる群より選ばれることが好ましく、柔らかくてプレスしやすい観点から窒化ホウ素がより好ましい。本発明の一実施形態では、フィラとして柔らかくて且つ熱伝導性の高い窒化ホウ素を使用することが好ましい。
前記コンポジットシートは、少なくとも1種の硬化触媒を更に含有することが好ましい。硬化触媒としては特に制限はなく、硬化性樹脂の種類に応じて、通常用いられる硬化触媒から適宜選択して用いることができる。前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化触媒として具体的には、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン誘導体、2−エチル−4−メチルイミダゾール、三フッ化ホウ素アミン錯体、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等を挙げることができる。中でも高熱伝導化の観点から、トリフェニルホスフィンを使用することが好ましい。
前記コンポジットシートは、溶剤の少なくとも1種を更に含んでいてもよい。溶剤としては硬化性成分の硬化反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、通常用いられる有機溶剤から適宜選択して用いることができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤を挙げることができる。前記コンポジットシートにおける溶剤の含有量は特に制限されず、硬化性成分とフィラを含む組成物の塗布性等に応じて適宜選択することができる。
前記コンポジットシートは、硬化性成分及びフィラに加えて、前記に示したような硬化触媒及び溶剤以外のその他の添加剤を必要に応じて更に含むことができる。その他の添加剤としては、カップリング剤、エラストマ、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、難燃剤、増粘剤等の樹脂組成物に一般に用いられる各種添加剤を挙げることができる。前記コンポジットシートが添加剤を更に含有する場合、これらの添加剤の含有量は本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。
前記コンポジットシートは、硬化性成分及びフィラを含む組成物をシート状に成形可能な方法であれば、一般的に用いられる方法によって製造することができる。例えば、硬化性樹脂、硬化剤、硬化触媒、溶剤、フィラ、添加剤等を含む樹脂ワニスを常法により調製し、これをPETフィルム等の離型フィルム上に塗布し、乾燥することで離型フィルム上にコンポジットシートを形成することができる。
本発明の樹脂シートの製造方法は、硬化性成分及びフィラを含む第一のコンポジットシートの少なくとも一方の面上に、フィラを付与してフィラ層を形成するフィラ層形成工程を有する。前記第一のコンポジットシートが離型フィルム上に形成されている場合には、コンポジットシートの離型フィルムに対向する面とは反対側の面上にフィラを付与してフィラ層を形成する。
前記第一のコンポジットシート上に形成されたフィラ層には、第二のコンポジットシートが積層されて、第一のコンポジットシート、フィラ層及び第二のコンポジットシートがこの順に積層された積層体が得られる。第二のコンポジットシートが離型フィルム上に形成されている場合には、第二のコンポジットシートの離型フィルムに対向する面とは反対側の面がフィラ層に対向するように第二のコンポジットシートを積層する。積層される第二のコンポジットシートの面方向の大きさは、第一のコンポジットシートの面方向の大きさと同一であることが好ましく、第一のコンポジットシートと第二のコンポジットシートとがフィラ層を介して非重なり部分が発生しない状態で積層されることがより好ましい。
次いで、前記第一のコンポジットシートと前記第二のコンポジットシートとを接触させて、前記で得られた積層体のフィラ層を前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートの少なくとも一方に埋入させることで樹脂シートが得られる。得られた樹脂シートは、第一のコンポジットシートに由来し、第一のコンポジット層の同じフィラ充填率を有する第一のコンポジット層と、第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートの少なくとも一方にフィラ層が埋入されて形成されるフィラ高充填層と、第二のコンポジットシートに由来し、第二のコンポジット層の同じフィラ充填率を有する第二のコンポジット層とがこの順に積層されてなる。得られた樹脂シートは、シート表面には硬化性成分が存在するため、接着性が良好な樹脂シートとすることができる。すなわち、樹脂シートの表面に存在する硬化性成分によりフィラ高充填層と被着体とを優れた接着性で貼り付けることができる。
本発明の樹脂シートは、前記樹脂シートの製造方法によって得られる。前記樹脂シートは、前記第一のコンポジット層と、前記フィラ高充填層と、前記第二のコンポジット層がこの順に積層されてなる。前記樹脂シートは、シート表面に硬化性成分が存在するため、接着性が良好な樹脂シートとすることができる。すなわち、樹脂シートの表面に存在する硬化性成分によりフィラ高充填層と被着体とを優れた接着性で貼り付けることができる。また前記樹脂シートはCステージ状態にまで硬化させることで、熱伝導性に優れた樹脂シート硬化物を形成できる。更に得られた樹脂シート硬化物の少なくとも一方の表面を削ることにより、熱伝導性をより高めた樹脂シート硬化物を得ることができる。この場合、フィラ高充填層に由来する硬化層が残るように樹脂シート硬化物の表面を削ることで、得られる樹脂シート硬化物は、より優れた熱伝導性を有することができる。
本発明の樹脂シート硬化物は、前記樹脂シートの硬化物であり、前記樹脂シートをCステージ状態にまで硬化させて得られる。硬化温度と硬化時間は、樹脂シートを構成するコンポジットシートの構成等に応じて適宜選択することができる。例えば、160℃〜190℃で2〜4時間とすることができる。さらに複数の加熱温度条件で、硬化処理を行ってもよい。
本発明の放熱用部材の第一の態様は、金属ワークと、前記金属ワークに接触して配置された前記樹脂シートとを備える。また本発明の放熱用部材の第二の態様は、金属ワークと、前記金属ワークに接触して配置された前記樹脂シート硬化物とを備える。前記放熱用部材は必要に応じてその他の要素を更に備えていてもよい。ここで「金属ワーク」とは、金属箔、基板、フィン等を含む、放熱部材として機能することができる金属材料からなる成形品を意味する。例えば、AlとCu等の各種金属から構成される基板であることが好ましい。本発明の樹脂シートを用いた放熱用部材の一例の概略断面図を図1に示す。
撹拌機、冷却器、温度計を備えた3Lのセパラブルフラスコにレゾルシノール594g、カテコール66g、37質量%ホルマリン316.2g、シュウ酸15g、水100gを入れ、オイルバスで加温しながら100℃に昇温し、還流温度で4時間反応を続けた。
その後水を留去しながら、フラスコ内の温度を170℃に昇温した。170℃を保持しながら8時間反応を続けた。その後減圧下、20分間濃縮を行い系内の水等を除去して、カテコールレゾルシノールノボラック(CRN)樹脂を取り出した。得られたカテコールレゾルシノールノボラック(CRN)樹脂の数平均分子量は530、重量平均分子量は930であった。またフェノール樹脂のフェノール当量は65g/eq.であった。
(1)コンポジットシートの作製
ポリ瓶中に、硬化剤として予め調製したカテコールレゾルシノールノボラック(CRN)樹脂のシクロヘキサノン溶解品4.119質量部(固形分50質量%)と、エポキシ樹脂として1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンとエピクロルヒドリンとから常法により合成された1−{(3−メチル−4−オキシラニルメトキシ)フェニル}−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン6.6775質量部と、トリフェニルホスフィン0.0707質量部(和光純薬製)、及びシクロヘキサノン25.90質量部(和光純薬製)を加えて混合した。その後、フィラとして窒化ホウ素粒子37.38質量部(体積平均粒子径40μm、水島合金鉄株式会社製、商品名「HP−40MF100」)を加えて更に混合しコンポジットシート塗工液(樹脂ワニス)を得た。
なお、樹脂ワニスの全固形分体積中のフィラの含有率は、70体積%であった。
厚さ85μmの銅箔(5cm×5cm、古河電工株式会社製、GTS箔)の粗化面に、上述の方法によって得たコンポジットシート(Aステージ、5cm×5cm)を、銅箔とコンポジットシートが丁度重なるように位置合わせをして重ねた後、PETフィルムを剥がした。前記コンポジットシート上に、フィラとして上記と同じ窒化ホウ素粒子0.5質量部を、均等に分布するようにふるいを用いて直接散布してフィラ層を形成した。次いでフィラ層上に、もう1枚の前記コンポジットシートを、銅箔上のコンポジットシートと丁度重なるように位置合わせをして重ねた後にPETフィルムを剥がし、さらに上記と同じ銅箔を重ねて積層体を得た。得られた積層体を温度180℃、真空度≦1kPa、圧力60MPa、時間10分の条件で高温真空プレスにより、プレス処理して、両面に銅箔を有する樹脂シートを得た。プレス処理後の樹脂シートをオーブンに入れて160℃で30分、次いで190℃で2時間のステップキュアにより両面に銅箔を有する樹脂シート硬化物を得た。得られた両面に銅箔を有する樹脂シート硬化物から、過硫酸ナトリウム溶液を用いて銅箔をエッチング除去し、サンドイッチ構造の樹脂シート硬化物を得た。得られた樹脂シート硬化物の平均厚みは300μmであった。なお、樹脂シート硬化物の平均厚みは、マイクロメーターを用いて5点の厚みを測定し、その算術平均値として求めた
上記で得られた樹脂シート硬化物について、以下のような評価を行った。結果を表1に示す。表1中の「−」は未評価であることを示す。
得られた樹脂シート硬化物について、ヤマヨ試験器有限会社製(YST−901S)熱抵抗評価装置を用いて、樹脂シート硬化物の熱抵抗値を測定した。得られた熱抵抗値を逆算することによって、熱伝導率(W/m・K)を算出した。
樹脂シート硬化物の熱伝導率は20.0W/mKであった。
得られた樹脂シート硬化物について、絶縁破壊試験装置(SOKEN絶縁材料試験システムDAC−6032C)を用いて絶縁破壊電圧を測定した。測定は、直径10mmの円筒電極ではさみ、昇圧速度500V/s、交流50Hz、カットオフ電流10mA、室温、油中で行った。
樹脂シート硬化物の絶縁破壊電圧(BDV)は、60kV/mm以上であった。
7cm×7cmのアルミ板(厚み3mm)の上に、上述の方法によって得られたコンポジットシート(Aステージ、5cm×5cm)を重ねてPETフィルムを剥がした。更にコンポジットシートの上から、フィラとして上記と同じ窒化ホウ素粒子0.5質量部を、均等に分布するようにふるいを用いて直接散布してフィラ層を形成した。もう1枚の前記コンポジットシート(Aステージ、5cm×5cm)を、アルミ板上のコンポジットシートと丁度重なるように位置合わせをして重ねた。さらに3.4cm×3.0cmの銅板を重ねて、積層体を得た。得られた積層体を温度180℃、真空度≦1kPa、圧力60MPa、時間10分の条件で高温真空プレスにより、圧着処理した。圧着処理後のサンプルをオーブンに入れて160℃で30分、190℃で2時間のステップキュアにより後硬化処理して、樹脂シート硬化物を貼り付けた金属基板を作製した。
このようにして得た樹脂シート硬化物を貼り付けた金属基板のせん断接着強度を、株式会社オリエンテック製のテンシロン万能試験機「RTC−1350A」を使用して測定した。測定は、試験速度1mm/分、室温で、アルミ板と銅板とを剥離することで行った。
得られた樹脂シート硬化物のせん断接着強度は、1.5MPaであった。
上述の方法によって得たサンドイッチ構造の樹脂シート硬化物におけるフィラ含有率を、真空理工(株)製の示差熱重量分析装置(TG/DTA6300)を用いて、樹脂成分の熱分解の質量を測定することによって算出した。測定は、窒素中で、昇温速度を10℃/min一定とし、30℃から700℃まで加熱することで行った。
得られた樹脂シート硬化物のフィラ含有率は75体積%であった。
取り扱いが良好で成形時における支障が生じないと見なされる樹脂シートを「○」、ぼそぼそとして慎重な取り扱いを要する、又は樹脂シートに成形できないものを「×」として判定した。
(1)コンポジットシートの作製
ポリ瓶中に、硬化剤として予め調製したカテコールレゾルシノールノボラック(CRN)樹脂のシクロヘキサノン溶解品2.2142質量部(固形分50質量%)と、汎用エポキシ樹脂EPPN−502Hを3.0000質量部(日本化薬製)と、トリフェニルホスフィン0.0329質量部(和光純薬製)、及びシクロヘキサノン12.03質量部(和光純薬製)を加えて混合した。その後、フィラとして窒化ホウ素粒子17.57質量部(体積平均粒子径40μm、水島合金鉄株式会社製、商品名「HP−40MF100」)を加えて更に混合してコンポジットシート塗工液(樹脂ワニス)を得た。
なお、樹脂ワニスの全固形分体積中のフィラの含有率は、70体積%であった。
厚さ85μmの銅箔(5cm×5cm、古河電工株式会社製、GTS箔)の粗化面に、上述の方法によって得たコンポジットシート(Aステージ、5cm×5cm)を、銅箔とコンポジットシートが丁度重なるように位置合わせをして重ねた後、PETフィルムを剥がした。前記コンポジットシート上に、フィラとして上記と同じ窒化ホウ素粒子0.5質量部を、均等に分布するようにふるいを用いて直接散布してフィラ層を形成した。次いでフィラ層上に、もう1枚の前記コンポジットシートを、銅箔上のコンポジットシートと丁度重なるように位置合わせをして重ねた後にPETフィルムを剥がし、さらに上記と同じ銅箔を重ねて積層体を得た。得られた積層体を温度180℃、真空度≦1kPa、圧力60MPa、時間10分の条件で高温真空プレスにより、プレス処理して、両面に銅箔を有する樹脂シートを得た。プレス処理後の樹脂シートをオーブンに入れて160℃で30分、次いで190℃で2時間のステップキュアにより両面に銅箔を有する樹脂シート硬化物を得た。得られた両面に銅箔を有する樹脂シート硬化物から、過硫酸ナトリウム溶液を用いて銅箔をエッチング除去し、サンドイッチ構造の樹脂シート硬化物を得た。得られた樹脂シート硬化物の平均厚みは300μmであった。
また得られた樹脂シート硬化物のせん断接着強度は、1.3MPaであった。
また得られた樹脂シート硬化物のフィラ含有率は75体積%であった。
(コンポジットシートの作製)
ポリ瓶中に、硬化剤として予め調製したカテコールレゾルシノールノボラック(CRN)樹脂のシクロヘキサノン溶解品4.119質量部(固形分50質量%)と、1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンとエピクロルヒドリンとから常法により合成された1−{(3−メチル−4−オキシラニルメトキシ)フェニル}−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン6.6775質量部(エポキシ樹脂)と、トリフェニルホスフィン0.0707質量部(和光純薬製)、及びシクロヘキサノン33.98質量部(和光純薬製)を加えて混合した。その後、フィラとして窒化ホウ素粒子48.05質量部(体積平均粒子径40μm、水島合金鉄株式会社製、商品名「HP−40MF100」)を加えて更に混合してコンポジットシート塗工液(樹脂ワニス)を得た。
なお、樹脂ワニスの全固形分体積中のフィラの含有率は75体積%であった。
得られたコンポジットシートは取扱性が低く、その後の工程及び評価に耐えられなかった。
(コンポジットシートの作製)
ポリ瓶中に、予め調製したカテコールレゾルシノールノボラック(CRN)樹脂のシクロヘキサノン溶解品2.2142質量部(固形分50質量%)と、汎用エポキシ樹脂EPPN−502Hを3.0000質量部(日本化薬製)と、トリフェニルホスフィン0.0329質量部(和光純薬製)、及びシクロヘキサノン15.84質量部(和光純薬製)を加えて混合した。その後、フィラとして窒化ホウ素粒子22.59質量部(体積平均粒子径40μm、水島合金鉄株式会社製、商品名「HP−40MF100」)を加えて更に混合してコンポジットシート塗工液(樹脂ワニス)を得た。
なお、樹脂ワニスの全固形分体積中のフィラの含有率は75体積%であった。
得られたコンポジットシートは取扱性が低く、その後の工程及び評価に耐えられなかった。
実施例1において、2枚のコンポジットシートを重ねる際に、フィラを付与しなかったこと以外は実施例1と同様にして、樹脂シート硬化物を作製して評価を行った。
樹脂シート硬化物の熱伝導率は、10.1W/mKであった。また絶縁破壊電圧(BDV)は、30kV/mm以上であった。
また得られた樹脂シート硬化物のせん断接着強度は、1.7MPaであった。
また得られた樹脂シート硬化物のフィラ含有率は70体積%であった。
また、通常の方法ではフィラ含有率が75体積%以上の樹脂シートの作製は困難であることが分かる。
20 樹脂シート
30 第二の金属ワーク
Claims (10)
- 硬化性成分及びフィラを含む第一のコンポジットシートの少なくとも一方の面上に、フィラを付与してフィラ層を形成する工程と、
前記フィラ層上に、硬化性成分及びフィラを含む第二のコンポジットシートを積層して積層体を得る工程と、
前記第一のコンポジットシートと前記第二のコンポジットシートとを接触させ、前記フィラ層を前記第一のコンポジットシート及び前記第二のコンポジットシートから選ばれる少なくとも一方に埋入させて、フィラの含有率が全固形分体積中に75体積%以上である樹脂シートを得る工程と、
を有する樹脂シートの製造方法。 - 前記樹脂シートを得る工程は、プレス処理を含む請求項1に記載の樹脂シートの製造方法。
- 前記第一のコンポジットシート及び第二のコンポジットシートの硬化性成分はそれぞれ独立に、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂シートの製造方法。
- 硬化性成分とフィラとを含む第一のコンポジット層と、硬化性成分とフィラとを含む第二のコンポジット層と、前記第一のコンポジット層及び前記第二のコンポジット層の間に存在し、前記第一のコンポジット層及び前記第二のコンポジット層よりもフィラの充填率が高いフィラ高充填層とが積層されてなり、
前記フィラの含有率が全固形分体積中に75体積%以上である樹脂シート。 - 前記樹脂シートの表面が、接着性を有する請求項4に記載の樹脂シート。
- 前記硬化性成分は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含む請求項4又は請求項5に記載の樹脂シート。
- 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂シートの硬化物である樹脂シート硬化物。
- 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂シートの硬化物の少なくとも一方の面から前記硬化物の一部を除去する工程を有する樹脂シート硬化物の製造方法。
- 金属ワークと、前記金属ワークに接触して配置された請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂シートとを備える放熱用部材。
- 金属ワークと、前記金属ワークに接触して配置された請求項7に記載の樹脂シート硬化物とを備える放熱用部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012148948A JP5942641B2 (ja) | 2012-07-02 | 2012-07-02 | 樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012148948A JP5942641B2 (ja) | 2012-07-02 | 2012-07-02 | 樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014009343A JP2014009343A (ja) | 2014-01-20 |
JP5942641B2 true JP5942641B2 (ja) | 2016-06-29 |
Family
ID=50106318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012148948A Expired - Fee Related JP5942641B2 (ja) | 2012-07-02 | 2012-07-02 | 樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5942641B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015189609A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 三菱化学株式会社 | 窒化ホウ素シートの製造方法 |
KR101722069B1 (ko) * | 2016-06-17 | 2017-03-31 | 주식회사 이노폴이 | 열전도성 박막 시트 및 이의 제조방법 |
JP6786047B2 (ja) * | 2016-08-24 | 2020-11-18 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 熱伝導シートの製造方法 |
JP6739478B2 (ja) * | 2018-07-18 | 2020-08-12 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導性シートの製造方法 |
JPWO2020070863A1 (ja) * | 2018-10-04 | 2021-09-02 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 放熱材、放熱材の製造方法、組成物及び発熱体 |
JP7532861B2 (ja) | 2020-04-08 | 2024-08-14 | 住友ベークライト株式会社 | 熱伝導性シート |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2728607B2 (ja) * | 1992-11-17 | 1998-03-18 | 信越化学工業株式会社 | 熱伝導性複合シートの製造方法 |
JPH0873621A (ja) * | 1994-09-07 | 1996-03-19 | Toshiba Corp | 樹脂シート |
JP2000129215A (ja) * | 1998-10-21 | 2000-05-09 | Sekisui Chem Co Ltd | 熱伝導性粘接着シート及びその製造方法 |
US6657297B1 (en) * | 2002-08-15 | 2003-12-02 | The Bergquist Company | Flexible surface layer film for delivery of highly filled or low cross-linked thermally conductive interface pads |
JP5010112B2 (ja) * | 2004-07-26 | 2012-08-29 | 新神戸電機株式会社 | プリプレグの製造法、積層板およびプリント配線板の製造法 |
JP2006036869A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | プリプレグ、積層板およびプリント配線板 |
JP4922220B2 (ja) * | 2007-12-14 | 2012-04-25 | 積水化学工業株式会社 | 絶縁シート及び積層構造体 |
JP5133673B2 (ja) * | 2007-12-12 | 2013-01-30 | 株式会社巴川製紙所 | 接着フィルム及びその製造方法 |
JP2010103269A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Kuraray Co Ltd | 多層回路基板およびその製造方法 |
JP5703542B2 (ja) * | 2009-03-26 | 2015-04-22 | 三菱樹脂株式会社 | 炭素繊維強化樹脂シート及びそのロール巻回体 |
JP5471868B2 (ja) * | 2009-06-29 | 2014-04-16 | 信越化学工業株式会社 | 熱伝導性シリコーンゴム複合シート |
JP5513840B2 (ja) * | 2009-10-22 | 2014-06-04 | 電気化学工業株式会社 | 絶縁シート、回路基板及び絶縁シートの製造方法 |
-
2012
- 2012-07-02 JP JP2012148948A patent/JP5942641B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014009343A (ja) | 2014-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6402763B2 (ja) | 多層樹脂シート、樹脂シート積層体、多層樹脂シート硬化物及びその製造方法、金属箔付き多層樹脂シート、並びに半導体装置 | |
TWI577720B (zh) | 樹脂組成物、以及使用該樹脂組成物而成之樹脂薄片、預浸體、積層板、金屬基板、印刷線路板及功率半導體裝置 | |
JP5971067B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP6005309B2 (ja) | 高熱伝導性フィルム状接着剤を用いた半導体パッケージ及びその製造方法 | |
JP6161864B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、プリプレグ、積層板、金属基板、及びプリント配線板 | |
TWI526311B (zh) | 多層樹脂薄片及其製造方法,多層樹脂薄片硬化物之製造方法及高熱傳導樹脂薄片層合體及其製造方法 | |
JP5942641B2 (ja) | 樹脂シート及びその製造方法、樹脂シート硬化物、並びに放熱用部材 | |
TWI835762B (zh) | 積層體及電子裝置 | |
TWI455657B (zh) | 多層樹脂薄片及樹脂薄片層合體 | |
JP5424984B2 (ja) | 半導体モジュールの製造方法 | |
JPWO2012039324A1 (ja) | 熱伝導性樹脂組成物、樹脂シート、樹脂付金属箔、樹脂シート硬化物及び放熱部材 | |
JP6829998B2 (ja) | 基材付接着シート及び半導体モジュール | |
JP5910731B2 (ja) | 熱伝導シートの製造方法、熱伝導シート、金属箔付き熱伝導シート及び半導体装置 | |
JP2013071991A (ja) | 樹脂組成物、bステージシート、樹脂付金属箔、金属基板、及びled基板 | |
JP2023048546A (ja) | 熱伝導性接着シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150619 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160404 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160426 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160509 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5942641 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |