JP2000129215A - 熱伝導性粘接着シート及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導性粘接着シート及びその製造方法

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JP2000129215A
JP2000129215A JP10299848A JP29984898A JP2000129215A JP 2000129215 A JP2000129215 A JP 2000129215A JP 10299848 A JP10299848 A JP 10299848A JP 29984898 A JP29984898 A JP 29984898A JP 2000129215 A JP2000129215 A JP 2000129215A
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sheet
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Munehiro Hatakei
宗宏 畠井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被着体に容易に適用することができ、電気絶
縁性と高い熱伝導性とを両立でき、さらに高い接着強度
を発現する熱伝導性粘接着シートを得る。 【解決手段】 カチオン重合性化合物と光カチオン重合
開始剤とを含み、光を照射されることにより硬化する絶
縁性及び粘着性を有する硬化型粘接着シート1内に金属
粒子2が包含されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導性粘接着シ
ート及びその製造方法に関し、例えば、ICチップなど
の電子部品や回路基板などと放熱器との間を接合するの
に好適に用いることができ、電子部品等で発生した熱を
放熱器に効率よく伝導し得る熱伝導性粘接着シート及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ICチップなどの電子部品や回
路基板(以下、電子部品等と略す。)では、正常な動作
を続けるためには、動作時に発生した熱を逃がす必要が
ある。そこで、電子部品等に、放熱を促すための金属板
などからなる放熱器が接合されている。
【0003】ところで、上記放熱器は、放熱性に優れた
金属材料、例えばアルミニウム等により構成されている
ことが多い。従って、通常は、電子部品等と、放熱器と
は電気絶縁性に優れた熱伝導性材料を用いて接合された
り、あるいは熱伝導性材料を間に介在させて結合されて
いる。
【0004】特開昭60−157244号公報には、熱
伝導性材料を電子部品等と、放熱器との間に容易に取り
付けるために、粘着シートの形態とされた熱伝導性シー
トが開示されている。
【0005】この先行技術に記載の熱伝導性シートで
は、無機充填剤を充填したシリコーンゴムからなる絶縁
放熱シートの少なくとも一面に粘着剤層が設けられてい
る。すなわち、粘着剤層を設けることにより、固定が容
易とされている。また、上記充填剤を絶縁放熱シートに
含有させることにより、電気的絶縁作用を損なうことな
く、熱伝導性が高められるとされている。ここでは、無
機充填剤としては、酸化アルミニウムなどの金属酸化物
セラミック粒子や、窒化珪素などの金属窒化物セラミッ
ク粒子が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術に記載の
粘着剤付き熱伝導性シートでは、電子部品等に容易に貼
付することができるものの、上述したセラミック粒子な
どの無機充填剤を用いるため、熱伝導性が十分でなかっ
た。
【0007】すなわち、金属酸化物セラミック粒子や金
属窒化物セラミック粒子の熱伝導率は、高くとも200
W/K・m(窒化アルミニウムの場合)程度である。従
って、電子部品等で発生した熱を放熱器に速やかに放散
することが困難であった。
【0008】なお、無機充填剤として、熱伝導率がより
優れているダイヤモンド粒子を用いることも考えられ
る。しかしながら、ダイヤモンド粒子は、非常に高価で
あるため、この種の用途において実用に供することはで
きなかった。
【0009】そこで、より一層熱伝導率が高くかつ安価
な金属粒子、例えば熱伝導率が400W/K・m程度の
銅粒子などを用いることも考えられる。しかしながら、
金属粒子を上記シリコーンゴムからなる絶縁放熱シート
中に分散させた場合、金属粒子同士の接触により導電路
が形成され、電子部品等と放熱器とを短絡させるおそれ
がある。
【0010】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、粘接着シートの形態とされているので容易に
取り付けることができ、かつ電気絶縁性及び高熱伝導性
を両立でき、さらに被着体に強固に接続し得る熱伝導性
粘接着シート及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る熱伝導性粘接着シートは、分子中に少なくとも1つ
のカチオン重合性基を有するカチオン重合性化合物と、
該カチオン重合性化合物を硬化させる光カチオン重合開
始剤とを含み、絶縁性及び粘着性を有し、かつ光を照射
されることにより硬化する硬化型粘接着シートと、前記
硬化型粘接着シート内に包含されている金属粒子とを備
えることを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明は、上記硬化型粘接
着シートの製造方法であり、前記硬化型粘接着シート
が、第1,第2の硬化型粘接着シートを積層することに
より構成されており、第1の硬化型粘接着シート上に金
属粒子を分散して配置し、該金属粒子が分散された側か
ら第2の硬化型粘接着シートを積層することを特徴とす
る。
【0013】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
係る熱伝導性粘接着シートでは、上記のように、金属粒
子を分散させる部材として、硬化型粘接着シートが用い
られる。従って、初期状態では、粘着性を利用して電子
部品等や放熱器などの被着体に容易に貼付することがで
き、光を照射することにより硬化するため被着体同士を
強固に接合することができる。
【0014】よって、例えば電子部品等と、放熱器とを
熱伝導性粘接着シートにより貼り合わせた後、光を照射
することによりこれらを強固に接合することができる。
電子部品や回路基板と、放熱器とが強固に接合される
と、接続の信頼性及び耐衝撃性が高められると共に、熱
伝導性もより一層高められる。また、光の照射により硬
化するため、すなわち硬化に熱を必要としないため、電
子部品等の特性の劣化も生じ難い。
【0015】本発明において用いられる硬化型粘接着シ
ートに含まれるカチオン重合性化合物とは、分子中に少
なくとも1つのカチオン重合性基を有し、光が照射され
た際に光カチオン重合開始剤が活性化されると、カチオ
ン重合性基がカチオン重合し、硬化する化合物を広く含
むものとし、特に限定されるものではない。用い得るカ
チオン重合性化合物としては、例えばビニルエーテル系
樹脂やエポキシ系樹脂などを挙げることができるが、よ
り好ましくは、硬化後の接着性、耐候性、耐薬品性及び
耐熱性に優れているため、エポキシ樹脂が好適に用いら
れる。
【0016】上記エポキシ樹脂については、特に限定さ
れるわけではないが、例えば、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、脂肪族環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴ
ム変成エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル系化合物、エポキシ化大豆油、エポキシ
化エラストマーなどを挙げることができる。
【0017】上記光カチオン性重合開始剤としては、光
の照射により活性化され、カチオン重合を誘発し得る化
合物である限り特に限定されるものではない。好ましく
は、20〜100℃付近では熱触媒活性が低い化合物が
貯蔵安定性を高める上で好ましい。このような好ましい
光カチオン重合開始剤としては、例えば、鉄−アレン錯
体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム塩などが挙げ
られる。
【0018】より具体的には、例えばオプトマーSP1
50(旭電化工業社製)、オプトマーSP151(旭電
化工業社製)、オプトマーSP170(旭電化工業社
製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社
製、CD−1012(サートマー社製)、サンエイドS
I−60L(三新化学工業社製)、サンエイドSL80
L(三新化学工業社製)、サンエイドSI−100L
(三新化学工業社製)、CI−2064(日本曹達社
製)、CI−2639(日本曹達社製)、CI−262
4(日本曹達社製)、CI−2481(日本曹達社
製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074 (ローヌ・プー
ラン社製)などの市販の化合物またはその溶液を用いる
ことができる。
【0019】上記光カチオン重合開始剤についても、複
数種併用されてもよく、さらに重合を促進するため光増
感剤や例えばチオキサンソン誘導体化合物を適宜組み合
わせて用いてもよい。
【0020】光カチオン重合開始剤については、カチオ
ン重合性化合物100重量部に対し、0.1〜10重量
部の範囲で用いることが好ましい。カチオン重合開始剤
の配合割合が0.1重量部未満の場合には、カチオン重
合性化合物の重合が十分に進行しないことがあり、10
重量部を超えると、硬化成分の割合が相対的に低下し、
十分な硬化後接着強度を得ることができないことがあ
る。
【0021】上記のように、本発明において硬化型粘接
着シートは、上記カチオン重合性化合物と、光カチオン
重合開始剤とを含むが、初期状態で十分な粘着性を発現
させるために、さらに(メタ)アクリル系ポリマーのよ
うな粘着性ポリマーが配合されていてもよい。
【0022】上記粘着性ポリマーの分子量は大きい方が
好ましいが、特に、重量平均分子量が20万〜500万
程度のものが好ましい。重量平均分子量が20万未満の
場合には、樹脂シートの凝集力が不足し、貼付時に糸引
きを生じ、剥離することがある。重量平均分子量が50
0万を超えると、粘着性ポリマーと光重合性化合物とを
含む組成物の粘度が高くなり、樹脂シートを形成するこ
とが困難となる。
【0023】上記粘着性ポリマーの例としては、(メ
タ)アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタ
ン、シリコーン樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネー
ト、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ビニルエステル系ポリマー、ポリイソブチレン、
ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ
アクリロニトリルなどを挙げることができ、好ましくは
耐候性及び粘着性に優れた(メタ)アクリル系ポリマー
が用いられる。
【0024】また、上記粘着性ポリマーについては、単
独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。本
明細書において、(メタ)アクリル系ポリマーとは、メ
タクリル系ポリマー及びアクリル系ポリマーを総称する
表現として用いていることを指摘しておく。
【0025】上記(メタ)アクリル系ポリマーとして
は、(メタ)アクリル酸エステルからなる単独重合体、
2種以上の(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合
体、(メタ)アクリル酸エステルと、これに共重合可能
な不飽和結合を有するビニルモノマーとの共重合体など
を用いることができる。これらの単独重合体や共重合体
は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよ
い。
【0026】上記のように、粘着性ポリマーとしての
(メタ)アクリル系ポリマーと、カチオン重合性化合物
と、光カチオン重合開始剤とを用いて硬化型粘接着シー
トを構成する場合、これらの配合割合については、目的
とする特性に応じて適宜選ばれるが、一例を挙げると、
上記(メタ)アクリルポリマーは光カチオン重合性化合
物100重量部に対し10〜1000重量部の割合で配
合される。(メタ)アクリルポリマーの配合割合が10
重量部未満では、常温における感圧接着性が十分に得ら
れないことがあり、1000重量部を超えると、粘着性
は高められるものの、光カチオン重合性化合物の硬化に
よる十分な接着強度を得ることができないことがある。
【0027】(金属粒子)本発明においては、熱伝導性
を高めるために、上記硬化型粘接着シート内に金属粒子
が包含されている。ここで、包含とは、金属粒子が硬化
型粘接着シートの表面に露出しないように埋設されてい
る状態をいうものとする。
【0028】金属粒子は、金属酸化物や金属窒化物セラ
ミックスに比べて熱伝導性において非常に優れている。
従って、上記金属粒子が包含されていることにより、シ
ート全体の熱伝導性が効果的に高められる。
【0029】金属粒子を構成する金属または金属泊など
の金属材料が用いられる。この場合の金属としては、特
に限定されるわけではないが、熱伝導性が高く、かつ化
学的に安定な銀、銅もしくは金などが用いられ得る。
【0030】また、上記金属粒子を用いる場合には、他
の物性、例えば硬化型粘接着シートの粘着力や接着力な
どを高めるために、硬化型粘接着シートを構成する材料
との相互作用を高めるべく適当な表面処理が施されてい
てもよい。金属粒子の粒子径については、大きい方が熱
伝導性を高める上では好ましいが、作製される硬化型粘
接着シートの膜厚よりも小さくなければならない。
【0031】上記金属粒子の平均粒子径は特に限定され
ないが、0.1μm以上とすることが望ましい。0.1
μm未満では、金属粒子同士の凝集力が著しく大きくな
り、硬化型粘接着シートの形成に際し、金属粒子を均一
に分散させることが困難となることがある。
【0032】また、金属粒子の粒径の上限値は、硬化型
粘接着シートの全膜厚の80%以下が好ましく、より好
ましくは50%以下である。金属粒子の粒径の上限値が
80%を超えると、金属粒子間でネットワークを形成
し、短絡が生じることがある。
【0033】(熱伝導性粘接着シートの製造方法)本発
明に係る粘着伝導性粘接着シートの構造及びその製造方
法の具体的な例を図1〜図4を参照して説明する。
【0034】図1は、本発明に係る熱伝導性粘接着シー
トの一例を示す断面図である。ここでは、硬化型粘接着
シート1内に、金属粒子2からなる導電性材料が包含さ
れている。この熱伝導性粘接着シート3の製造方法を説
明する。
【0035】まず、図2(a)に示すように、第1の硬
化型粘接着シート4を成形する。第1の硬化型粘接着シ
ート4については、上述した硬化型粘接着シートを構成
する材料を適宜の成形方法により成形することにより得
ることができる。この場合の成形方法については特に限
定されず、溶剤キャスト法、押出塗工法、カレンダー成
形法、UV重合塗工法などの公知の方法を用いることが
できる。
【0036】なお、UV重合塗工法は、粘着性ポリマー
として(メタ)アクリル系ポリマーを用いる場合に利用
することができる。すなわち、アクリル系モノマーを含
むモノマー成分と、カチオン重合性化合物と、光カチオ
ン重合開始剤と、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構
成するためのモノマー成分を光ラジカル重合するための
光ラジカル重合開始剤とを混合する。混合により得られ
た組成物を塗工し、光カチオン重合開始剤を活性化せ
ず、光ラジカル重合開始剤を活性化する光を照射し、含
まれているモノマー成分をラジカル重合し、(メタ)ア
クリル系ポリマーを得る。このようにして、塗工後に光
を照射することにより、第1の硬化型粘接着シート4が
構成される。なお、塗工前の組成物に、上記(メタ)ア
クリル系ポリマーを構成するためのアクリル系モノマー
の他に、他のポリマーを添加しておいてもよい。
【0037】次に、図2(b)に示すように、上記のよ
うにして第1の硬化型粘接着シート4を形成した後、第
1の硬化型粘接着シート4の上面に、金属粒子2を散布
する。この金属粒子2の散布方法についても特に限定さ
れず、適宜の塗装技術を用いることができる。すなわ
ち、金属粒子が液体中に分散された分散液を第1の硬化
型粘接着シート4の上面に向かって噴霧し、液体を蒸発
させることにより、金属粒子2を第1の硬化型粘接着シ
ート4上に分散配置することができる。
【0038】次に、図2(c)に示すように、第1の硬
化型粘接着シート4の上面側から、第2の硬化型粘接着
シート5をラミネートなどにより積層する。第2の硬化
型粘接着シート5については、上述した第1の硬化型粘
接着シート4と同様にして形成することができる。
【0039】上記のようにして第1,第2の硬化型粘接
着シート4,5を積層することにより図1に示した硬化
型粘接着シート1が得られ、かつ硬化型粘接着シート1
内に金属粒子2が包含される。
【0040】(作用)請求項1に記載の発明に係る熱伝
導性粘接着シートでは、硬化型粘接着シートが初期状態
で粘着性を有するため、その粘着性を利用して被着体、
例えば電子部品、回路基板あるいは放熱器に容易に貼付
することができる。加えて、光の照射により硬化するた
め、最終的に優れた接着強度を発現するため、被着体同
士が強固に接合される。
【0041】また、上記硬化型粘接着シートが絶縁性を
有し、かつ硬化型粘接着シート内に金属粒子が包含され
ているので、熱伝導性粘接着シートの両面間の電気絶縁
性も確保される。
【0042】さらに、硬化型粘接着シート内に上記金属
粒子が包含されているので、熱伝導性が飛躍的に高めら
れる。よって、被着体に容易に取り付けることができる
と共に、電気絶縁性及び熱伝導性に優れ、さらに光照射
により硬化されて高い接着強度を発現する熱伝導性粘接
着シートを提供することができる。
【0043】請求項2に記載の発明に係る熱伝導性粘接
着シートの製造方法では、第1の硬化型粘接着シート上
に金属粒子を分散して配置し、該金属粒子が分散された
側から第2の硬化型粘接着シートを積層するため、金属
粒子を容易に均一に包含してなる熱導電性粘接着シート
を得ることができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0045】(実施例)2Lセパラブルフラスコ中で、
粘着性ポリマーとしてエチルアクリレート(EA)とグ
リシジルメタクリレート(GMA)との共重合体(重量
平均分子量70万、EA/GMA=8/2(重量比))
100gと、カチオン重合性化合物としてエポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート82
8)100gと、光カチオン重合開始剤(旭電化工業社
製、商品名:オプトマーSP170)1gとを、溶剤と
して酢酸エチル300gを用い、均一となるまで攪拌溶
解し、光重合性組成物を得た。
【0046】上記のようにして得た光重合性組成物を表
面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィル
ムに乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工し、ポリ
エチレンテレフタレートフィルムに支持された光重合性
組成物層を形成した。
【0047】次に、銀粒子(平均粒径5μm)100g
を、500mlの酢酸エチル中に投入し、噴霧器に入れ
てよく攪拌しつつ、上記光重合性組成物層に噴霧し、銀
粒子を分散配置した。しかる後、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムに支持された上記光重合性組成物層をオ
ーブンに入れ、酢酸エチルを揮発させた。
【0048】次に、上記光重合性組成物の銀粒子が分散
されている面に、銀粒子が分散されていないことを除い
ては上記光重合性組成物層と同様にして構成された光重
合性組成物層を気泡を混入しないようにラミネートし、
熱導電性粘接着シートを得た。
【0049】(比較例1)銀粒子を用いなかったことを
除いては、実施例と同様にして熱伝導性粘接着シートを
得た。
【0050】(比較例2)上記実施例の光重合性組成物
と同じ配合に、実施例で用いたのと同じ銀粒子を100
g添加し、均一になるまで攪拌し、同様に表面が離型処
理されたポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後
の厚みが50μmとなるように塗工し、比較例2のシー
トを形成した。なお、銀粒子の一部は表面に露出してい
た。
【0051】(実施例及び比較例の評価)実施例及び比
較例で得た各熱伝導性粘接着シートについて、熱伝導
性及び体積抵抗率(絶縁性)を以下の要領で評価し
た。
【0052】熱伝導性…シートの熱抵抗を測定するこ
とにより熱伝導性を評価した。熱抵抗が小さいほど、同
じ熱伝導路を伝わる熱量が大きく、熱伝導性が高いこと
を示す。熱抵抗の算出は以下のようにして行った。
【0053】パワートランジスター(富士電気社製、2
5C245)とアルミニウム放熱板とを、各粘接着シー
トまたは粘着シートを用いて接着した。接着に先立ち、
粘接着シートもしくは粘着シートには、の初期粘着力
の評価の場合と同様に超高圧水銀灯にて波長365nm
の紫外線を3J/cm2 となるように照射した。光照射
後直ちに、パワートランジスターとアルミニウム放熱板
とを貼り合わせた。
【0054】上記パワートランジスターに通電し、消費
電力量が10Wとなるように動作させた場合のパワート
ランジスターの温度とアルミニウム放熱板との温度を測
定した。これらの温度差を測定することにより、以下の
式に従って熱抵抗を求めた。 熱抵抗=(T1−T2)A/P ただし、上記式において、T1はパワートランジスター
の温度を、T2はアルミニウム放熱板の温度を、Aは熱
移動面積(すなわち、粘接着シートまたは粘着シートで
貼り合わされている部分の面積)、Pはトランジスター
に供給された電力量を示す。
【0055】体積抵抗率(絶縁性)…シートの体積抵
抗率(Ω・cm)を絶縁抵抗計により測定することによ
り絶縁性を評価した。結果を下記の表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、銀粒子を用いな
かった比較例1のシートでは、熱抵抗が30K/Wと高
く、熱伝導性が低かった。また、比較例2では、導電粒
子が導電経路を作ってしまっているため、体積抵抗は低
すぎて測定不可能であり、電気絶縁性は得られなかっ
た。これに対して、実施例のシートでは、熱抵抗が低
く、体積抵抗率が高く、従って高熱伝導性及び電気絶縁
性を実現し得ることがわかる。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る熱伝導性粘
接着シートでは、電気絶縁性及び粘着性を有する硬化型
粘接着シートに金属粒子が包含されているので、高い熱
伝導性と、電気絶縁性とを両立することができ、しかも
被着体に対して容易に適用することができる。
【0059】従って、例えば電子部品等と放熱器との接
合に好適な熱伝導性粘接着シートを用いることができ、
粘着性を利用して適用し得るので、作業性の向上も果た
し得る。
【0060】また、光を照射されることにより硬化され
るので、最終的に被着体同士を強固に接合することがで
きる。よって、例えば、電子部品等と放熱器とを接合す
るのに用いた場合、ビス止めなどの他の固着部材を必要
とせず、接合作業を簡便に行うことができると共に、最
終製品の耐衝撃性を高め得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱伝導性粘接着シートの一例を示
す断面図。
【図2】(a)〜(c)は、図1に示した本発明に係る
熱伝導性粘接着シートの製造工程を説明するための各断
面図。
【符号の説明】
1…硬化型粘接着シート 2…金属粒子 3…熱伝導性粘接着シート 4,5…第1,第2の硬化型粘接着シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に少なくとも1つのカチオン重合
    性基を有するカチオン重合性化合物と、該カチオン重合
    性化合物を硬化させる光カチオン重合開始剤とを含み、
    絶縁性及び粘着性を有し、かつ光を照射されることによ
    り硬化する硬化型粘接着シートと、 前記硬化型粘接着シート内に包含されている金属粒子と
    を備えることを特徴とする熱伝導性粘接着シート。
  2. 【請求項2】 前記硬化型粘接着シートが、第1,第2
    の硬化型粘接着シートを積層することにより構成されて
    おり、第1の硬化型粘接着シート上に金属粒子を分散し
    て配置し、該金属粒子が分散された側から第2の硬化型
    粘接着シートを積層することを特徴とする請求項1に記
    載の熱伝導性粘接着シートの製造方法。
JP10299848A 1998-10-21 1998-10-21 熱伝導性粘接着シート及びその製造方法 Withdrawn JP2000129215A (ja)

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