JP4635312B2 - 接着剤組成物、回路接続材料、回路接続用接着剤組成物、接続体及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤組成物、回路接続材料、回路接続用接着剤組成物、接続体及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子及び液晶表示素子において、素子中の種々の部材を結合させる目的で従来から種々の接着剤が使用されている。接着剤に対する要求は、接着性をはじめとして、耐熱性、高温高湿状態における信頼性等多岐に渡る特性が要求されている。また、接着に使用される被着体は、プリント配線板やポリイミド等の有機基材をはじめ、銅、アルミニウム等の金属やITO等の無機材質で形成された回路電極面、シリコンウェハ等の多種多様な基材が用いられ、各被着体にあわせた分子設計が必要である。
従来から、前記半導体素子や液晶表示素子用の接着剤としては、高接着性でかつ高信頼性を示すエポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂が用いられてきた。樹脂の構成成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と反応性を有するフェノール樹脂等の硬化剤、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進する熱潜在性触媒が一般に用いられている。熱潜在性触媒は硬化温度及び硬化速度を決定する重要な因子となっており、室温での貯蔵安定性と加熱時の硬化速度の観点から種々の化合物が用いられてきた。実際の工程での硬化条件は、170〜250℃の温度で1〜3時間硬化することにより、所望の接着を得ていた。
また、接着剤を用いた回路電極の接続方法として、2つの回路基板同士を接着すると共に、これらの電極間に電気的導通を得る接着剤として、スチレン系やポリエステル系等の熱可塑性物質や、エポキシ系やシリコーン系等の熱硬化性物質が用いられている。この場合、接着剤中に導電性粒子を配合し加圧により接着剤の厚み方向に電気的接続を得るもの(例えば特開昭55−104007号公報)と、導電性粒子を用いずに接続時の加圧により電極面の微細凸凹の接触により電気的接続を得るもの(例えば特開昭60−262430号公報)とがある。
しかしながら、最近の半導体素子の高集積化、液晶素子の高精細化に伴い、素子間及び配線間ピッチが狭小化し、硬化時の加熱によって、周辺部材に悪影響を及ぼす恐れが出てきた。さらに低コスト化のためには、スループットを向上させる必要性があり、低温(100〜170℃)、短時間(1時間以内、好ましくは数十秒以下)、換言すれば低温速硬化での接着が要求されている。この低温速硬化を達成するためには、活性化エネルギーの低い熱潜在性触媒を使用する必要があるが、この場合、室温付近での貯蔵安定性を兼備することが非常に難しい。
貯蔵安定性及び低温硬化性を兼備えた接着剤として、エポキシ樹脂の光カチオン重合を用いる方法が特開平11−60899号公報及び特開平11−116778号公報に開示されている。これらは、エポキシ樹脂と光照射によって強酸を発生する光酸発生剤から構成されており、室温で光照射することにより硬化を行う方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記光カチオン重合の場合、重合触媒としてブレンステッド酸やルイス酸等の強酸を使用するため、被着体である金属基板や金属及び無機材質で構成される回路電極の腐食を促進し、接続体の信頼性を著しく低下させてしまう問題があった。また、接着剤にエポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ樹脂中に残存する不純物イオンが、被着体の銅、アルミニウム等の金属やITO等の無機材質で形成される回路電極の腐食を引き起こし、結果的に接続体としての機能を低下させてしまう。
【0004】
本発明は、金属及び無機材質で構成される被着体の腐食に伴う素子の信頼性低下を防ぎ、さらに室温での貯蔵安定性に優れる接着剤組成物、回路接続材料、回路接続用接着剤組成物、接続体及び半導体装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、[1](a)150〜750nmの光照射、または80〜200℃の加熱、または光照射と加熱を併用することで硬化する硬化性接着剤、(b)一般式(A)及び/又は一般式(B)で示される化合物とを含有し、(a)硬化性接着剤が、エポキシ樹脂と分子内にフェノール性水酸基、チオール基、カルボキシル基を少なくとも一つ以上有する樹脂と硬化促進剤とを含むもの、又は、カチオン重合性樹脂と熱および/又は光照射よってカチオンを発生する重合開始剤とを含むものであり、(a)硬化性接着剤100重量部に対して、(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物0.5〜30重量部含有する接着剤組成物である。
【化3】
(ここでR1は、水素、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のエステル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、アリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基であり、前記アリール基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のエステル基で置換されていても良い)
【化4】
(ここでR2は、カルボニル基、カルバメート基、酸素、窒素、硫黄、炭素数1〜20のエステル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、アリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルスルフォニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基であり、前記アリール基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のエステル基で置換されていても良い。R3は、2〜4価の有機基であり、nは2〜6の整数である)
また、本発明は、[2]上記[1]に記載の接着剤組成物中に、さらに導電性粒子を含む接着剤組成物である。また、本発明は、[3]上記[1]又は[2]に記載の接着剤組成物の形状をフィルム状とした回路接続材料である。また、本発明は、[4]相対向する回路電極を有する回路部材間に介在させ、相対向する回路電極を有する回路部材を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であって、前記接着剤組成物は、上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の接着剤組成物または回路接続材料である回路接続用接着剤組成物である。また、本発明は、[5]上記[4]に記載の回路接続用接着剤組成物を用いて回路部材を接続した接続体である。また、本発明は、[6]半導体素子の電極と半導体搭載用基板の回路電極間に上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の接着剤組成物または回路接続材料を介在させ、加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続した半導体装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる(a)硬化性接着剤は、150〜750nmの光照射、または80〜200℃の加熱、さらには光照射と加熱を併用することで硬化するものであれば特に制限なく、公知のものを使用しうる。
このような硬化性接着剤としては例えば、分子内にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、マレイミド基、ビニル基等のラジカル重合性基を一つ以上有する樹脂と熱および/又は光照射によってラジカルを発生する重合開始剤とからなるラジカル重合系が挙げられる。
また、エポキシ樹脂と分子内にフェノール性水酸基、チオール基、カルボキシル基を少なくとも一つ以上有する樹脂と硬化促進剤、およびエポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂等のカチオン重合性樹脂と熱および/又は光照射よってカチオンを発生する重合開始剤とからなるエポキシ硬化系が挙げられる。
【0007】
本発明において用いる(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物としては、下記の化合物(C)〜(J)が特に好ましい。
【化5】
【0008】
(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物の添加量は、(a)硬化性接着剤100重量部に対して、(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物0.5〜30重量部であり、好ましくは1〜10重量部である。添加量がこの範囲を超えると、硬化性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0009】
本発明に用いる導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等が挙げられる。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を核とし、この核に前記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものでもよい。導電性粒子が、プラスチックを核とし、この核に前記金属、金属粒子やカーボンを被覆したものや熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。またこれらの導電性粒子の表面を、さらに高分子樹脂などで被覆した微粒子は、導電性粒子の配合量を増加した場合の粒子同士の接触による短絡を抑制し、電極回路間の絶縁性が向上できることから、適宜これを単独あるいは導電性粒子と混合して用いてもよい。
【0010】
この導電性粒子の平均粒径は、分散性、導電性の点から1〜18μmであることが好ましい。導電性粒子の使用量は、特に制限は受けないが、接着剤組成物の全量100体積に対して0.1〜30体積%とすることが好ましく、0.1〜10体積%とすることがより好ましい。この値が、0.1体積%未満であると導電性が劣る傾向があり、30体積%を超えると回路の短絡が起こる傾向がある。なお、体積%は、23℃の硬化前の各成分の体積をもとに決定されるが、各成分の体積は、比重を利用して重量から体積に換算することができる。また、メスシリンダー等にその成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れたものに、その成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
【0011】
本発明の接着剤組成物には、カップリング剤等の密着向上剤、レベリング剤などの添加剤を適宜添加してもよい。
【0012】
本発明の接着剤組成物は、増粘化やフィルム化を目的として、種々のポリマを適宜添加してもよい。使用するポリマは特に制限を受けないが、(a)硬化性接着剤、(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物及び導電性粒子に悪影響を及ぼさないことが必須である。このようなポリマとしては、ポリイミド、ポリアミド、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂やビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA・ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂等の汎用フェノキシ樹脂類、ポリメタクリレート類、ポリアクリレート類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリビニルブチラール、SBS及びそのエポキシ変性体、SEBS及びその変性体などを用いることができる。これらは単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。さらに、これらポリマ中にはシロキサン結合やフッ素置換基が含まれていても良い。これらは、混合する樹脂同士が完全に相溶するか、もしくはミクロ相分離が生じて白濁する状態であれば接着剤組成物としては好適に用いることができる。上記ポリマの分子量は大きいほどフィルム形成性が容易に得られ、また接着剤としての流動性に影響する溶融粘度を広範囲に設定できる。分子量は特に制限を受けるものではないが、一般的な重量平均分子量としては5,000〜150,000が好ましく、10,000〜80,000が特に好ましい。この値が、5,000未満ではフィルム形成性が劣る傾向があり、また150,000を超えると他の成分との相溶性が悪くなる傾向がある。使用量としては前記ラジカル重合系またはエポキシ硬化系100重量部に対して20〜320重量部とすることが好ましい。この使用量が、20重量部未満又は320重量部を超える場合は、流動性や接着性が低下する傾向がある。
【0013】
本発明の接着剤組成物は、常温で液状である場合にはペースト状で使用することができる。室温で固体の場合には、加熱して使用する他、溶剤を使用してペースト化してもよい。使用できる溶剤としては、接着剤組成物及び添加剤と反応性がなく、かつ十分な溶解性を示すものであれば、特に制限は受けないが、常圧での沸点が50〜150℃であるものが好ましい。沸点が50℃以下の場合、室温で放置すると揮発する恐れがあり、開放系での使用が制限される。また、沸点が150℃以上だと、溶剤を揮発させることが難しく、接着後の信頼性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0014】
本発明の接着剤組成物をフィルム状にして回路接続材料として用いることもできる。接着剤組成物に必要により溶剤等を加えるなどした溶液を、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離形紙等の剥離性基材上に塗布し、あるいは不織布等の基材に前記溶液を含浸させて剥離性基材上に載置し、溶剤等を除去してフィルムとして使用することができる。フィルムの形状で使用すると取扱性等の点から一層便利である。
【0015】
本発明の接着剤組成物は光照射、加熱、または光照射と同時に加熱及び加圧を併用して接着させてることができる。これらを併用することにより、より低温短時間での接着が可能となる。光照射は、150〜750nmの波長域の照射光が好ましく、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプを使用して0.1〜10J/cm2の照射量で硬化することができる。加熱温度は、接着剤組成物の分解点以下であれば特に制限は受けないが、80〜200℃の温度が好ましい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば、特に制限は受けないが、一般的には0.1〜10MPaが好ましい。これらの加熱及び加圧は、0.5秒〜3時間の範囲で行うことが好ましい。
【0016】
本発明の接着剤組成物は、熱膨張係数の異なる異種の被着体の接着剤として使用することができる。具体的には、異方導電接着剤、銀ペースト、銀フィルム等に代表される回路接続材料、CSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、LOCテープ等に代表される半導体素子接着材料として使用することができる。
【0017】
以下に、本発明の回路接続用接着剤組成物及び接着剤組成物をフィルムとした回路接続材料を用いた電極の接続の一例について説明する。
接着剤組成物をフィルム形状とした回路接続材料を、基板上の相対時する電極間に存在させ、150〜750nmの光を照射した後、加熱加圧することにより両電極の接触と基板間の接着を得、電極との接続を行える。電極を形成する基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機質、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等のこれら複合の各組み合わせが適用できる。
本発明の回路接続用接着剤組成物を用いると、従来困難であった、熱膨張係数が大きく異なる材質の接続が可能となるとともに、被着体の腐食に伴う素子の信頼性低下を防止できることから、広範な材料の接続へ応用できる。
【0018】
本発明において、回路部材としては半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板、ポリイミドやポリエステルを基材としたフレキシブル配線板、液晶パネル等ガラス上に酸化インジウム−スズ(ITO)やクロム、アルミニウム等で配線した透明電極等が用いられる。
本発明の接着剤組成物、回路接続用接着剤組成物は、比較的低温での接続が可能なため、接続時に熱応力が小さく、微細回路接続後の信頼性を飛躍的に向上でき、マージンを大きくとれるので、回路の接続作業の効率が向上し、かつ歩留まりも向上する。また、電極の腐食を防止することができるため、微細回路接続後の信頼性を飛躍的に向上できる。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
(実施例1)
フェノキシ樹脂(PKHC、ユニオンカーバイド社製商品名、平均分子量45,000)40gを、メチルエチルケトン60gに溶解して、固形分40重量%の溶液とした。エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量184)を用い、潜在性触媒として芳香族スルホニウム塩(サンエイドSI−100L、三新化学工業株式会社製商品名)、一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物として2,6-ジ-tert-ブチル-4−メチルピリジン(DtBMP、アルドリッチ社製)を用いた。またポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径5μm、比重2.5の導電性粒子を作製した。
固形重量比でフェノキシ樹脂 50、エポキシ樹脂 50、潜在性触媒 3、DtBMP 2となるように配合し、さらに導電性粒子を1.5体積%配合分散させ、厚み80μmのフッ素樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが40μmのフィルム状接着剤を得た。
上記製法によって得たフィルム状接着剤を用いて、厚み0.7mmのコーニングガラス(#7059、コーニング社製)と、プリント基板上にライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み35μmの銅回路を櫛型状に形成した櫛型電極とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用いて150℃、2MPaで20秒間の加熱加圧を行って幅2mmにわたり接続し、時間経過後圧力開放して、接続体を作製した(図1参照)。この時、あらかじめ櫛型電極上に、フィルム状回路接続材料の接着面を貼り付けた後、70℃、0.5MPaで5秒間加熱加圧して仮接続し、その後、フッ素樹脂フィルムを剥離してもう一方の被着体であるコーニングガラスと接続した。
【0021】
(比較例1)
DtBMPを含有していない他は実施例1と同様にフィルム状接着剤を調整し、櫛型電極とコーニングガラスを加熱圧着により接続体を作製した。
【0022】
実施例1、比較例1で作製した接続体について接続直後の初期抵抗及び85℃、85%RHの条件で100時間、100Vの電圧を印加しながら高温高湿状態に曝した後の絶縁抵抗を評価した。絶縁抵抗の評価は、前記接続体に100Vの電圧を60秒間印加した後の抵抗値を絶縁抵抗計(株式会社アドバンテスト製R8340)で測定し、隣接回路間の抵抗50点の平均とした。また、金属顕微鏡を用いて、接続直後と耐湿試験後の外観を観察した。その結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例1で得た接続体については、耐湿試験後も初期の絶縁抵抗を持続しており、かつ外観の変化も無く、良好な接着剤であることを示した。
これに対して、DtBMPを添加していない比較例1の場合、耐湿試験後の絶縁抵抗は初期の絶縁抵抗を維持できずに低い値となり、かつ電極の腐食が観察され、信頼性が低いことが分かる。
【0025】
(実施例2)
実施例1のフィルム状接着剤を用いて、金バンプ(高さ:30μm、バンプ数:184)付きチップと、Ni/Auめっき銅回路プリント基板(電極高さ:20μm、基板厚み0.8mm)との接続を以下に示すように行った。
フィルム状接着剤の片面を銅回路プリント基板に60℃、0.5MPaの条件で20秒間加熱圧着して、仮接続させた。次に、チップのバンプと銅回路プリント基板との位置合わせを行い、フィルム状接着剤のもう一方の面のフッ素樹脂フィルムを剥離して、150℃、50g/バンプ、20秒の条件でチップ上方から加熱圧着して半導体装置を作製した。
上記半導体装置を85℃、85%RHの条件で500時間放置した後の接続抵抗を測定したところ、1バンプあたり最高で10mΩ、平均で2mΩであり、良好な接続抵抗を示した。
また、チップ及び銅回路プリント基板を剥離して外観を観察したところ、回路基板上の電極及びチップ上のバンプの腐食等は認められず、良好であった。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、接着剤中に酸が存在しても回路電極の腐食が無く、しかも低温短時間で接着可能となり、接続信頼性に優れる。また、貯蔵安定性に優れる接着剤組成物、回路接続材料、回路接続用接着剤組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の試験方法を説明するための模式図。
Claims (6)
- (a)150〜750nmの光照射、または80〜200℃の加熱、または光照射と加熱を併用することで硬化する硬化性接着剤、(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物とを含有し、
前記(a)硬化性接着剤が、エポキシ樹脂と分子内にフェノール性水酸基、チオール基、カルボキシル基を少なくとも一つ以上有する樹脂と硬化促進剤とを含むもの、又は、カチオン重合性樹脂と熱および/又は光照射よってカチオンを発生する重合開始剤とを含むものであり、
前記(a)硬化性接着剤100重量部に対して、前記(b)一般式(A)および/または一般式(B)で示される化合物0.5〜30重量部含有する接着剤組成物。
- 請求項1に記載の接着剤組成物中に、さらに導電性粒子を含む接着剤組成物。
- 請求項1又は2に記載の接着剤組成物の形状をフィルム状とした回路接続材料。
- 相対向する回路電極を有する回路部材間に介在させ、相対向する回路電極を有する回路部材を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であって、前記接着剤組成物は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の接着剤組成物または回路接続材料である回路接続用接着剤組成物。
- 請求項4に記載の回路接続用接着剤組成物を用いて回路部材を接続した接続体。
- 半導体素子の電極と半導体搭載用基板の回路電極間に請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の接着剤組成物または回路接続材料を介在させ、加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続した半導体装置。
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