JP2019006837A - 熱伝導性シート及び半導体モジュール - Google Patents

熱伝導性シート及び半導体モジュール Download PDF

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佳樹 池山
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憲一 藤川
義治 畠山
Yoshiharu Hatakeyama
義治 畠山
裕児 山岸
Yuji Yamagishi
裕児 山岸
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Abstract

【課題】優れた熱伝導性を有する熱伝導性シート及び半導体モジュールの提供。【解決手段】熱硬化性樹脂組成物で形成されたシート体を備えた熱伝導性シートであり、熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と特定の形状を有する無機窒化物粒子を含有し、無機窒化物粒子を50体積%以上含有し、無機窒化物粒子は、窒化ホウ素粒子を更に含有し、窒化ホウ素粒子の一部又は全部が凝集粒子であり、無機窒化物粒子の一部又は全部がシランカップリング剤処理品であり、更に酸化ケイ素からなる金属酸化物粒子を含有する熱伝導性シート。【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性シート及び半導体モジュールに関する。
従来、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と、該熱硬化性樹脂よりも高い熱伝導率を有する無機物粒子とを含む熱硬化性樹脂組成物で形成されたシート体や該シート体を金属箔などの基材シートに積層した積層シートが“熱伝導性シート”などと称されて広く用いられている(下記特許文献1参照)。
該熱伝導性シートは、熱伝導性に優れた絶縁層の形成材料として電気・電子分野において利用されている。
熱伝導性シートは、例えば、半導体モジュールなどの電子部品の構成部材として利用されたりしており、半導体素子の熱をモジュール表面に伝達する放熱経路に熱伝導性に優れた絶縁層を形成させるために利用されている。
半導体モジュールは、半導体素子を搭載したヒートスプレッダやヒートスプレッダの代わりとなるリードフレームといった金属製部材が放熱面の近くに配されることで放熱性に優れたものとなりうるもののその場合には電気絶縁性の確保が難しくなる。
そのため、従来、ヒートスプレッダやリードフレームの半導体素子が搭載されている面とは反対の面に熱伝導性シートを熱接着させて該熱伝導性シートで放熱性と電気絶縁性とに優れた絶縁層を形成させることが行われている。
特開2015−117311号公報
熱伝導性シートは、優れた熱伝導性が求められているため無機物粒子を高充填することが従来検討されている。
しかし、無機物粒子を高充填した樹脂組成物は、加熱するなどしても良好な流動性を発揮し難いものになる。
そのため、無機物粒子を高充填した熱伝導性シートは、リードフレームやヒートスプレッダなどの部材に対して熱接着させる際に良好な接着性を示さずにこれらとの接着界面に熱抵抗を発生させるおそれがあるとともに内部においても無機物粒子どうしが十分に接触できずに良好なる伝熱パスが形成されないおそれがある。
従って、熱伝導性シートは、これまで以上に優れた熱伝導性を発揮させることが難しくなっている。
また、このようなことから半導体モジュールは、優れた放熱性を発揮させることが難しくなっている。
そこで、本発明は、従来のものよりもさらに優れた熱伝導性を発揮する熱伝導性シートを提供し、放熱性の良好な半導体モジュールを提供することを課題としている。
なお、これまで以上に優れた熱伝導性を発揮することは、熱伝導性シートに広く一般に求められている事柄であり、半導体モジュールにおいて絶縁層を形成させるような場合のみに求められるものではない。
即ち、熱伝導性シートに係る上記課題は特定用途においてのみ存在するものではない。
従来、熱伝導性シートに良好なる伝熱パスを形成させるには大粒径の無機物粒子を高充填する方が有利であると考えられていたところ本発明者が上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、窒化アルミニウムの微細な粒子を一定以上含有させることで熱伝導性シートを構成する樹脂組成物に良好なる流動性が発揮されて当該熱伝導性シートに従来のものに見られない優れた熱伝導性が発揮されることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決すべく、本発明は、熱硬化性樹脂組成物で形成されたシート体を備えた熱伝導性シートであり、前記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と無機窒化物粒子とを含有し、前記無機窒化物粒子を50体積%以上含有しており、前記無機窒化物粒子は、粒径30μm以下の窒化アルミニウム粒子を15体積%以上の割合で含有し、粒径20μm以下の窒化アルミニウム粒子を10体積%以上の割合で含有し、且つ、粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子を5体積%以上の割合で含有する熱伝導性シートを提供する。
また、本発明は、半導体素子を備えた半導体モジュールであって、モジュール表面と前記半導体素子との間に絶縁層が形成されており、上記のような熱伝導性シートによって前記絶縁層が形成されている半導体モジュールを提供する。
本発明によれば、優れた熱伝導性を発揮する熱伝導性シートが提供され、放熱性の良好な半導体モジュールが提供され得る。
一実施形態の熱伝導性シートを示した概略斜視図。 実施例で用いた窒化ホウ素粒子の粒度分布曲線。 実施例で用いた窒化アルミニウム粒子の粒度分布曲線。 実施例で用いた窒化アルミニウム粒子の粒度分布曲線。 2種類の窒化アルミニウム粒子の混合物の粒度分布曲線。 2種類の窒化アルミニウム粒子の混合物の粒度分布曲線。 2種類の窒化アルミニウム粒子の混合物の粒度分布曲線。
以下に、熱伝導性シートが半導体モジュールの絶縁層の形成に用いられる場合を例にして本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の熱伝導性シートは、図1に示すように熱硬化性樹脂組成物によって形成されたシート体10と金属箔からなる基材シート20とを備えている。
本実施形態における前記シート体10は、同じ熱硬化性樹脂組成物で形成された2枚のシートが貼り合わされて一体化されたもので積層構造を有している。
前記シート体10及び前記基材シート20は、本実施形態においては、10μm以上500μm以下の厚み(平均厚み)を有する。
前記シート体10を形成する熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と該熱硬化性樹脂よりも熱伝導率の高い無機物粒子とを含有している。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、前記無機物粒子として、無機窒化物粒子を含有している。
該無機窒化物粒子は、50体積%以上の割合となって熱硬化性樹脂組成物に含有されている。
該無機窒化物粒子は、熱伝導性シートに優れた熱伝導性を発揮させる上において、60体積%を超える割合で熱硬化性樹脂組成物に含有されていることが好ましく、65体積%を超える割合で熱硬化性樹脂組成物に含有されていることが好ましい。
ただし、シート体の接着性等を考慮すると、熱硬化性樹脂組成物における無機窒化物粒子の含有量は、80体積%未満であることが好ましく、75体積%未満であることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物に含有させる前記無機窒化物粒子は、本実施形態においては、窒化アルミニウム粒子からなる第1成分を必須成分として含有しており、窒化ホウ素粒子からなる第2成分を任意成分として含有している。
前記無機窒化物粒子は、当該無機窒化物粒子全体を100体積%としたときに、粒径30μm以下の窒化アルミニウム粒子を15体積%以上の割合で含有し、粒径20μm以下の窒化アルミニウム粒子を10体積%以上の割合で含有し、且つ、粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子を5体積%以上の割合で含有する。
一般的な窒化ホウ素粒子(一次粒子)が板状形状を有しているのに対して窒化アルミニウム粒子は丸みを帯びた形状を有している。
そして、このような窒化アルミニウム粒子を微細子状態で熱硬化性樹脂組成物に含有させることが当該熱硬化性樹脂組成物に優れた流動性を発揮させる上で重要となる。
前記無機窒化物粒子における粒径30μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合は、16体積%以上であることが好ましく、17体積%以上であることがより好ましい。
前記無機窒化物粒子における粒径30μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合は、60体積%以下であることが好ましく、55体積%以下であることがより好ましく、50体積%以下であることが特に好ましい。
前記無機窒化物粒子における粒径20μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合は、12体積%以上であることが好ましく、15体積%以上であることがより好ましい。
前記無機窒化物粒子における粒径20μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合は、50体積%以下であることが好ましく、40体積%以下であることがより好ましく、35体積%以下であることが特に好ましい。
前記無機窒化物粒子における粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合は、7体積%以上であることが好ましく、8体積%以上であることがより好ましい。
前記無機窒化物粒子における粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合は、30体積%以下であることが好ましく、27体積%以下であることがより好ましく、25体積%以下であることが特に好ましい。
前記無機窒化物粒子は、粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合をX(体積%)とし、粒径20μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合をY(体積%)とし、粒径30μm以下の窒化アルミニウム粒子の前記割合をZ(体積%)とした際に、下記(a1)〜(a3)を全て満たすことが好ましい。

1.5≦(Y/X)≦2.5 ・・・・(a1)
1.5≦(Z/X)≦2.5 ・・・・(a2)
1.0<(Z/Y)≦1.5 ・・・・(a3)
窒化アルミニウム粒子に上記のような粒度分布有を持たせるには、市販の窒化アルミニウム粒子を複数種類ブレンドしたり、分級したりすればよい。
なお、窒化アルミニウム粒子の粒子径については、レーザー回折・散乱法によって測定することができ、例えば、BECKMAN COULTER社製 レーザー回折式・粒度分布測定装置「LS13 320」(商品名)の湿式システムを用いて測定することができる。
粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子の割合など特定の大きさの粒子の割合については、上記測定によって得られる体積基準の累積粒度分布曲線から求めることができる。
より具体的には、分散媒にメチルエチルケトン(MEK)を用いて粒度分布の測定を行うことで無機物粒子の粒度分布を把握することができる。
窒化アルミニウム粒子は、熱硬化性樹脂組成物に良好な流動性を発揮させる上において、画像解析手法によって求められる面積円形度(HS)が、0.5以上であることが好ましく、0.55以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましい。
なお、前記面積円形度(HS)の上限値は、通常、1.0である。
窒化アルミニウム粒子などの無機物粒子の形状に係る情報は、例えば、粒子画像分析装置・モフォロギG3(マルバーン社製)を用いて確認することができる。
前記窒化アルミニウム粒子とともに熱硬化性樹脂組成物に含有される窒化ホウ素粒子粒子は、一部又は全部が凝集粒子であることが好ましい。
即ち、窒化ホウ素粒子粒子は、1次粒子を凝集させた2次粒子であることが好ましい。
この窒化ホウ素の1次粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、バルク状、針状、板状などといった形状であってもよい。
1次粒子の形状が板状である場合、その厚みが比較的薄い鱗片状であってもよい。
該板状の1次粒子は、厚み方向から見た形状が、円形や六角形であってもよい。
また、板状の1次粒子は、大きさの異なる薄板を積層したような形状を有し、階段状、或いは、劈開状の部分構造を外周縁において備えていてもよい。
さらに、板状の1次粒子は、板の厚み方向とは直交する面方向から見た形状が一直線形状である必要はなく、直線を屈曲させた形状、又は、曲線状などであってもよい。
このような1次粒子を凝集させてなる前記2次粒子は、特に限定されるものではないが不定形状や球状のものを採用することができる。
なお、本実施形態に係る前記2次粒子としては、ホウ素及び窒素以外に前記1次粒子に通常含有されている酸素や水素などの不純物に加え、前記1次粒子どうしを結合させるための成分を不純物として含有するものを採用することができる。
該窒化ホウ素粒子は、熱硬化性樹脂組成物に良好な流動性を付与する上において、比表面積が5m/g以下であることが好ましい。
窒化ホウ素粒子の前記比表面積は、4m/g以下であることがより好ましく、3.5m/g以下であることが特に好ましい。
なお、窒化ホウ素粒子の前記比表面積の下限値は、通常、0.5m/gである。
該比表面積については、窒素吸着法(JIS Z8830:2010)によって求めることができる。
また、前記窒化ホウ素粒子は、かさ密度(JIS K5101−12−1の「見掛け密度」)が、0.1g/cm以上であることが好ましい。
窒化ホウ素粒子のかさ密度は、0.15g/cm以上であることが好ましく、0.2g/cm以上であることがより好ましい。
窒化ホウ素粒子のかさ密度は、2.3g/cm以下であることが好ましく、2.0g/cm以下であることがより好ましく、1.8g/cm以下であることが特に好ましく、1.5g/cm以下であることが最も好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物は、窒化アルミニウム粒子や窒化ホウ素粒子以外の無機窒化物粒子や、無機窒化物粒子以外の無機物粒子をさらに含有してもよい。
窒化アルミニウム粒子や窒化ホウ素粒子以外の無機窒化物粒子としては、窒化ケイ素粒子、窒化ガリウム粒子、窒化クロム粒子、窒化タングステン粒子、窒化マグネシウム粒子、窒化モリブデン粒子、窒化リチウム粒子等が挙げられる。
無機窒化物粒子以外の無機物粒子としては、例えば、金属粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属水酸化物粒子、炭素系物質粒子などが挙げられる。
前記金属粒子としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、スズ、鉄、銅、銀、金、白金、パラジウムなどの金属からなる粒子やこれらの金属を基とした合金からなる粒子が挙げられる。
前記金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子、酸化マグネシウム(マグネシア)粒子、酸化チタン(チタニア)粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられる。
また、前記金属酸化物粒子としては、例えば、金属イオンがドーピングされている酸化インジウムスズ粒子、酸化アンチモンスズ粒子等が挙げられる。
前記金属炭化物粒子としては、例えば、炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、炭化アルミニウム粒子、炭化チタン粒子、炭化タングステン粒子等が挙げられる。
前記金属水酸化物粒子としては、例えば、水酸化アルミニウム粒子、水酸化マグネシウム粒子、水酸化亜鉛粒子等が挙げられる。
前記炭素系物質粒子としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイヤモンドパウダー、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンマイクロコイル等が挙げられる。
上記のなかでも本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、平均粒子径が50nm以下の金属酸化物粒子をさらに含有していることが好ましく、含有する前記金属酸化物粒子が酸化ケイ素であることがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、無機物粒子に占める無機窒化物粒子の割合が90体積%以上であることが好ましく、92体積%以上であることがより好ましく、95体積%以上であることが特に好ましい。
窒化アルミニウム粒子と窒化ホウ素粒子との合計が、無機窒化物粒子に占める割合は90体積%以上であることが好ましく、95体積%以上であることがより好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、無機窒化物粒子として、実質的に窒化アルミニウム粒子及び窒化ホウ素粒子のみを含有していることが好ましい。
前記無機窒化物粒子以外の無機物粒子を含有させる場合、無機物粒子に占める無機窒化物粒子以外の粒子の割合は、通常、0体積%を超え5体積%以下であることが好ましい。
この場合、無機窒化物粒子が無機物粒子に占める割合は、通常、95体積%以上100体積%未満とされる。
無機窒化物粒子に占める窒化アルミニウム粒子の割合をVa(体積%)、窒化ホウ素粒子の割合をVb(体積%)とした場合、前記無機窒化物粒子は、下記(b1)を満たすことが好ましい。

1.0<(Vb/Va)≦2.0 ・・・・(b1)
前記無機窒化物粒子や無機窒化物粒子以外の無機物粒子は、シランカップリング剤などによって表面処理されたものであっても無処理のものであってもよい。
無機窒化物粒子の表面処理に用いられるシランカップリング剤は、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
なお、シート体に、例えば、1×1013Ω・cm以上の体積抵抗率(JIS C2139:2008)やAC4kV×1分間の耐電圧特性(油中耐電圧)といった優れた電気絶縁性を発揮させる上において、前記無機窒化物粒子は、特定のシランカップリング剤でカップリング処理されていることが好ましく、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどの末端基がフェニル基であるシランカップリング剤でカップリング処理されていることが好ましい。
このような無機物粒子とともに熱硬化性樹脂組成物を形成する熱硬化性樹脂としては、 例えば、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂などが挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物における熱硬化性樹脂の配合割合は、無機物粒子100質量部に対して、例えば、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましく、5質量部以上であることが特に好ましい。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物における熱硬化性樹脂の配合割合は、無機物粒子100質量部に対して、例えば、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましく、10質量部以下であることが特に好ましい。
熱硬化性樹脂組成物を形成する熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を採用する場合、該エポキシ樹脂としては、常温(例えば20℃)において、液体状、半固形状、又は、固形状のものを採用することができる。
具体的には、前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂(例えば、ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂など)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂など)などの芳香族系エポキシ樹脂が挙げられる。
また、前記エポキシ樹脂としては、例えば、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(トリグリシジルイソシアヌレート)、ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などのジシクロ環型エポキシ樹脂など)、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂は、JIS K 7236:2009によって求められるエポキシ当量が、例えば、100g/eq以上であることが好ましく、130g/eq以上であることがさらに好ましく、150g/eq以上であることが特に好ましい。
また、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、10000g/eq以下であることが好ましく、9000g/eq以下であることがさらに好ましく、8000g/eq以下であることが特に好ましい。
なかでも、エポキシ樹脂は、前記エポキシ当量が、5000g/eq以下であることが好ましく、1000g/eq以下であることが特に好ましい。
また、エポキシ樹脂は、常温固形状である場合には、軟化点が、例えば、20℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。
また、前記エポキシ樹脂の軟化点は、例えば、130℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。
なお、上記のようなエポキシ樹脂の中でも、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含有させるエポキシ樹脂としては、下記一般式(1)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、または、下記一般式(2)で表される骨格を備えたエポキシ樹脂が好ましい。
なお、式(1)中の「n」は、通常、1〜3の正の整数である。
式(1)中の「n」は、「0」であっても良い。
即ち、下記一般式(1)にはトリス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]メタン(メチリジントリスフェノール型エポキシ樹脂)も含まれる。
(なお、式中の「R」〜「R」は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1以上6以下の炭化水素基、又は、メトキシ基を表している。)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、上記のような熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤をさらに含有させることができる。
該硬化剤としては、例えば、加熱によりエポキシ樹脂を硬化させることができる潜在性硬化剤などが挙げられ、フェノール系硬化剤、アミン化合物系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド化合物系硬化剤、ヒドラジド化合物系硬化剤などが挙げられる。
本実施形態における前記硬化剤としては、フェノール系硬化剤が好ましい。
該フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノールなどのフェノール化合物および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール化合物と、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、例えば、フェノール化合物および/またはナフトール化合物とジメトキシパラキシレンまたはビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、例えば、ビフェニレン型フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂、例えば、フェノール化合物および/またはナフトール化合物とジシクロペンタジエンから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、例えば、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂などのジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、例えば、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、例えば、テルペン変性フェノール樹脂、例えば、パラキシリレンおよび/またはメタキシリレン変性フェノール樹脂、例えば、メラミン変性フェノール樹脂などが挙げられる。
前記フェノール系硬化剤は、JIS K0070:1992に準じて測定される水酸基当量が例えば、70g/eq以上であることが好ましく、80g/eq以上であることがさらに好ましく、90g/eq以上であることが特に好ましく、100g/eq以上であることがとりわけ好ましい。
また、フェノール系硬化剤の水酸基当量は、例えば、2000g/eq以下であることが好ましく、1000g/eq以下であることがさらに好ましく、500g/eq以下であることが特に好ましい。
前記フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、または、下記一般式(3)で表されるフェノール系硬化剤が好ましい。
(ただし、「R」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかであり、「Ph」、「Ph」及び「Ph」は、互いに共通していても異なっていてもよく、下記一般式(4)で表される非置換フェニル又は置換フェニルで、且つ当該「Ph」、「Ph」及び「Ph」の内の少なくとも2つが水酸基を有する置換フェニルである。)
(ただし、式中の「R10」〜「R14」は、それぞれ独立して、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかである。)
また、前記フェノール系硬化剤としては、各フェニル(「Ph」〜「Ph」)の水酸基の数が、1又は2であることが好ましい。
また、前記フェノール系硬化剤としては、各フェニルに水酸基以外の置換基を有していないことが好ましい(水酸基以外が水素原子であることが好ましい)。
即ち、本実施形態における前記フェノール系硬化剤は、例えば、下記一般式(5)に示す4,4’,4”−メチリジントリスフェノールなどであることが好ましい。
上記のような硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、例えば、0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上となるように熱硬化性樹脂組成物に含有させることが望ましい。
また、前記硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、例えば、500質量部以下、好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは200質量部以下となるように熱硬化性樹脂組成物に含有させることが望ましい。
また、前記硬化剤としてフェノール系硬化剤を採用する場合には、通常、フェノール系硬化剤の水酸基の数(NOH)が前記エポキシ樹脂のグリシジル基(N)の数との比率(N/NOH)が0.5以上2.0以下となるようにそれぞれの配合量を調整することが好ましく、前記比率は、0.8以上1.5以下であることが好ましく、0.9以上1.25以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、前記フェノール系硬化剤を1種単独で用いる必要はなく、2種以上のフェノール系硬化剤を併用してもよい。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、要すれば、フェノール系硬化剤とフェノール系硬化剤以外の硬化剤(例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等)を併用するようにしてもよい。
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、前記硬化剤とともに硬化促進剤を含有させることもできる。
具体的には、例えば、イミダゾール化合物、イミダゾリン化含物、有機ホスフィン化合物、酸無水物化合物、アミド化合物、ヒドラジド化合物、ユリア化合物などの硬化促進剤を本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含有させうる。
該硬化促進剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、例えば、0.1質量部以上含有させることが好ましく、0.5質量部以上含有させることがより好ましく、1質量部以上含有させることがさらに好ましい。
また、前記硬化促進剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、20質量部以下となるように熱硬化性樹脂組成物に含有させることが好ましく、10質量部以下となるように熱硬化性樹脂組成物に含有させることがより好ましく、5質量部以下となるように熱硬化性樹脂組成物に含有させることが特に好ましい。
前記硬化剤としてフェノール系硬化剤を採用する場合には、熱硬化性樹脂組成物に含有させる硬化促進剤としては、ホスホニウム塩系硬化促進剤、スルホニウム塩系硬化促進剤などのオニウム塩系硬化促進剤を採用することが好ましい。
前記に示したフェノール系硬化剤は、軟化温度が200℃を超えるものが多いため、熱硬化性樹脂組成物に含有させる硬化促進剤としては200℃以下の温度において触媒活性が過度に発揮されないものが好ましい。
そのようなことから本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、前記オニウム塩系硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウム塩系硬化促進剤やトリフェニルホスホニウム塩系硬化促進剤といったホスホニウム塩系硬化促進剤を含有させることが特に好ましい。
なかでも、熱硬化性樹脂組成物にはテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートを含有させることが最も好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、少量であれば、熱可塑性樹脂やゴムなどの熱硬化性樹脂以外のポリマー成分を含有させても良い。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、マレイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、セルロース樹脂、液晶ポリマーなどが挙げられる。
前記ゴムとしては、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・α−オレフィンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、含有する全てのポリマーの合計含有量を100質量%とした際に、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤以外に含まれるポリマーの割合が10質量%以下であることが好ましく5質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、含有するポリマーが実質的に熱硬化性樹脂とその硬化剤や硬化促進剤のみで構成されていることが特に好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、難燃剤、酸化防止剤、顔料などの各種添加剤を適宜含有することができる。
該熱硬化性樹脂組成物によって形成されるシート体10とともに熱伝導性シートを形成する基材シート20としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、スズ箔やこれらを貼り合わせたクラッド箔などが挙げられる。
本実施形態の熱伝導性シートは、基材シート上に熱硬化性樹脂組成物でシート体10を形成させる第1の方法、別の基材上に作製したシート体10を基材シート20に転写する第2の方法、熱硬化性樹脂組成物でシート体10よりも厚みの薄い薄肉シートを基材シート上に形成させたものを2枚用意し、これらを薄肉シートが内側となるようにして貼り合わせた後で一方の基材シートを除去する第3の方法などによって作製することができる。
本実施形態においては、熱伝導性シートが第3の方法によって作製されてシート体10に前記のような積層構造が備えられている。
なお、シート体10を作製するための熱硬化性樹脂組成物は、前記のような無機物粒子、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤などの配合物を一般的な混合攪拌装置で混合することによって作製することができる。
熱硬化性樹脂組成物の混合撹拌は、ミル(ボールミル、ロールミル等)、混練機(ニーダー、ロール等)、乳鉢、遊星式攪拌機等を用いて実施できる。
また、本実施形態においては、前記無機物粒子と、前記熱硬化性樹脂とを撹拌するとともに得られる熱硬化性樹脂組成物から気泡を除去すべく、撹拌脱泡機(ハイブリッドミキサー等)を用いて前記混合撹拌を行ってもよい。
無機物粒子にシランカップリング処理を施す場合、当該シランカップリング処理は、熱硬化性樹脂と混合する前の無機物粒子に対して実施しても良く、混合撹拌に際して実施してもよい。
シランカップリング処理は、前者の場合、無機物粒子とシランカップリング剤とをより確実に化学結合させ得る。
シランカップリング処理は、後者の場合、熱硬化性樹脂や無機物粒子などとともにシランカップリング剤を混合攪拌装置に供するだけで実施でき手軽に実施できる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シート体の形成を容易にさせる観点から、溶媒を含有させてワニス化させてもよい。
前記溶媒としては、例えば、アルコール等のヒドロキシル基含有脂肪属炭化水素(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、ケトンなどのカルボニル基含有脂肪属炭化水素(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等)、脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン(具体的には、オルトジクロロベンゼン)等)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン等)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、含窒素化合物(例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)等)、非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド等)等が挙げられる。
また、前記溶媒としては、上記の他に、例えば、脂環族炭化水素(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン等)、エステル(例えば、酢酸エチル等)、ポリオール(例えば、エチレングリコール、グリセリン等)、アクリル系モノマー(例えば、イソステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリレート、アクリル酸、テトラヒドロフルフリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アクロイルモルフォリン等)、ビニル基含有モノマー(例えば、スチレン、エチレン等)等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独使用又は2種以上併用することができる。
前記溶媒としては、メチルエチルケトン、トルエン、シクロペンタノン、酢酸エチルの何れか、又は、これらを2種類以上混合した混合溶媒が好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物を作製する際の前記溶媒の配合割合は、前記熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、30〜1900質量部、好ましくは50〜900質量部、さらに好ましくは100〜500質量部とすることができる。
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂が常温常圧(20℃、1気圧)下で液状である場合や、熱硬化性樹脂が加熱によって低粘度な状態に熱溶融する場合には、前記溶媒を含有しなくてもよい。
前記溶媒を用いない場合には、前記熱伝導性シートは、以下の(1a)〜(1e)のような工程を実施して作製することができる。
(1a)熱硬化性樹脂の硬化反応が過度に進行しない程度の温度且つ熱硬化性樹脂組成物が易変形性を示す温度(例えば、60〜150℃)に加熱して熱硬化性樹脂組成物を軟化状態にさせる加熱工程。
(1b)上記加熱工程において軟化状態にさせた熱硬化性樹脂組成物を適宜な基材シート上に塗布することにより塗膜を形成する塗膜形成工程。
(1c)上記塗膜形成工程で作製した塗膜を冷却して硬化させることによって、前記熱硬化性樹脂が半硬化状態(Bステージ状態)となっているシート体(薄肉シート)を得るシート形成工程。
(1d)上記シート形成工程で得られた2枚のシートを薄肉シートどうしが接するように重ねて熱プレスして貼り合わせる貼合工程。
(1e)上記貼合工程で貼り合わせた2枚のシートの一方から基材シートを剥離除去する基材除去工程。
前記熱硬化性樹脂組成物が前記溶媒を含有する場合には、前記熱伝導性シートは、前記の(1a)〜(1c)の工程に代えて下記の(2a)〜(2b)のような工程を実施して作製することができる。
(2a)熱硬化性樹脂組成物を適宜な基材シート上に塗布することにより、ウェット状態の塗膜を形成する塗膜形成工程。
(2b)前記塗膜形成工程で得た塗膜から溶媒を揮発除去させることにより、基材シート上に乾燥塗膜(薄肉シート)を形成させるシート形成工程。
なお、前記塗膜形成工程は、例えば、スピンコータ法、バーコータ法などの公知の塗布方法により実施可能であり、公知のアプリケータを用いた手塗り方法によって実施可能である。
また、前記塗膜形成工程に際しては、前記熱硬化性樹脂組成物の粘度をエバポレーターなどを用いて適宜調整することができる。
本実施形態の熱伝導性シートは、半導体モジュールに絶縁層を形成させる際にシート体の接着性を利用すべく当該シート体がBステージ状態となるように作製されることが好ましい。
熱伝導性シートは、シート体を加熱した際に、せん断モードで測定される貯蔵弾性率が0.1MPa以下となるようにBステージ化されることが好ましく、80℃から180℃まで昇温速度1℃の温度で加熱した際において観察される貯蔵弾性率が0.01MPa以上0.1MPa以下となるようにBステージ化されていることが好ましい。
本実施形態の熱伝導性シートは、要すれば、シート体を完全硬化(Cステージ)状態となるようにしてもよい。
Cステージ化されたシート体は、15W/mKを超える熱伝導率を有していることが好ましく、16W/mK以上の熱伝導率を有していることがより好ましく、17W/mK以上の熱伝導率を有していることが特に好ましい。
なお、Cステージ化されたシート体の熱伝導率は、通常、30W/mK以下となる。
Cステージ化されたシート体は、「AC4.0kV(実効値)×1分」以上の耐電圧を示すことが好ましく、「AC4.5kV(実効値)×1分」以上の耐電圧を示すことがより好ましく、「AC5.0kV(実効値)×1分」以上の耐電圧を示すことが特に好ましい。
なお、Cステージ化されたシート体の耐電圧は、通常、「AC15kV(実効値)×1分」以下となる。
前記貼合工程は、熱プレス機を用いて実施することが好ましく、2枚のシートを加熱・加圧状態下において貼り合わせ、その後、貼り合わせたシートを冷却する際にも加圧を継続することが好ましい。
前記熱プレスでの加熱温度は、例えば、60℃以上とされる。
該加熱温度は80℃以上250℃以下であることが好ましく、90℃以上220℃以下であることがより好ましく、100℃以上200℃以下であることがさらに好ましい。
前記Bステージシートを得る場合は、加熱し過ぎない方が好ましいことから、前記熱プレスにおける加熱温度は、60℃以上の温度範囲の内、例えば、70℃以上160℃以下とすることが好ましく、80℃以上150℃以下とすることがより好ましい。
また、前記Cステージシートを得る場合は、硬化を十分に進行させる上において、前記加熱温度は、120℃以上とすることが好ましく、130℃以上250℃以下とすることがより好ましく、150℃以上220℃以下とすることが特に好ましい。
前記熱プレス工程における加熱時間は、Bステージシートを得る場合は、5分以上とすることが好ましく、7分以上30分以下とすることがより好ましく、10分以上20分以下とすることが特に好ましい。
なお、前記Cステージシートを得る場合の前記加熱時間は、10分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましく、1時間以上であることが特に好ましい。
このような熱プレスは、真空条件下で実施することも可能である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、粒径の細かな窒化アルミニウム粒子を一定以上の割合で含有していることから熱プレスなどに際して良好なる流動性を示し、このことによって無機物粒子どうしの接触を良好なものにさせ得るとともにシート体にピンホールやボイドなどの欠陥が形成されることを防止することができる。
そして、本実施形態の熱伝導性シートは、上記のような利点を有することから、半導体素子を有する半導体モジュールの放熱経路に高い熱伝導性を有する絶縁層を形成させるのに有効なものとなる。
即ち、本実施形態の熱伝導性シートにおけるシート体は、熱伝導性に優れた絶縁層の形成に有用なものである。
また、本実施形態の熱伝導性シートは、シート体をBステージ状態とすることで熱接着性を発揮させ得る。
例えば、本実施形態の熱伝導性シートは、半導体素子の熱を瞬時に奪うためのヒートスプレッダや半導体素子を搭載したリードフレームなどに熱接着させて絶縁層を形成させることができ、その際には、シート体がBステージ状態であることで被着体に良好なる接着性を示すことになる。
そのため、熱伝導性シートは、ヒートスプレッダやリードフレームとの間に高い界面熱抵抗が形成されることを抑制することができる。
なお、本発明の熱伝導性シートは、前記基材シートなどの構成が必須のものではなく、熱硬化性樹脂組成物で形成されたシート体のみで構成されたものであっても良い。
また、本発明の熱伝導性シートにおけるシート体は、2層構造である必要は無く、単層であっても3層以上の積層構造を有するものであっても良い。
本発明の熱伝導性シートは、半導体モジュールの構成部品として利用される他に、例えば、コンピュータのCPUとフィンとの間に設けられる放熱用シートや、電気自動車のインバータなどで利用されるパワーカードの放熱用シート等としても好適に用いられ得る。
ここではこれ以上に詳細な説明を繰り返さないが、本実施形態の熱伝導性シートについては、上記例示に限定されるものではなく上記例示に適宜な変更を加え得るものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<熱硬化性樹脂組成物の調製>
評価用の熱硬化性樹脂組成物を調整すべく以下の材料を用意した。
(エポキシ樹脂:Ep1)
日本化薬社製のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂で、エポキシ当量が169g/eqのエポキシ樹脂(商品名「EPPN−501HY」)。
(エポキシ樹脂:Ep2)
日本化薬社製のメチリジントリスフェノール型エポキシ樹脂で、エポキシ当量が224g/eqのエポキシ樹脂(商品名「TCX−8」)。
(フェノール系硬化剤:C1)
群栄化学工業社製、水酸基当量 105g/eqの下記一般式(6)で表される物質(商品名「GS−200」)。
(フェノール系硬化剤:C2)
和光純薬社製、水酸基当量 97g/eqの4,4’,4”−メチリジントリスフェノール。
(硬化促進剤:AC)
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(TPPK)。
(窒化ホウ素粒子:F1)
F1: 図2aに示した粒度分布(体積基準)を有する凝集状態の窒化ホウ素粒子(比表面積3m/g)
(窒化アルミニウム粒子:F2〜F3)
F2:図2bに示した粒度分布(体積基準)を有する窒化アルミニウム凝集粒子(比表面積0.15m/g)
F3:図2cに示した粒度分布(体積基準)を有する窒化アルミニウム凝集粒子(比表面積1m/g)
(酸化ケイ素(シリカ)粒子:F4〜F6)
F4:平均粒径12nm、粒径50nm以下の粒子の割合が100体積%のナノシリカ
F5:平均粒径10nm、粒径50nm以下の粒子の割合が100体積%のナノシリカ
F6:平均粒径3.6μm、粒径50nm以下の粒子の割合が0体積%の超微粒子高熱法シリカ
(シランカップリング剤:CA1〜CA4)
CA1:フェニルトリメトキシシラン
CA2:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
CA3:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
CA4:n−プロピルトリエトキシシラン
<評価1:粘弾性>
下記表1に示す配合剤を含む熱硬化性樹脂組成物を90℃の温度で10分間プレスして厚み200μmのシート体(Bステージ状態の熱伝導性シート)を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は15MPaとした。
ここでシート体は、窒化アルミニウム粒子の割合を変更する以外は配合剤の割合を共通させて4種類(F2/F3=60/40、70/30、85/15、100/0)作製した。
なお、シート体に占める無機物粒子の割合(窒化アルミニウム粒子と酸化ケイ素粒子との合計割合)は、4種類のシート体全てにおいて70体積%に統一した。
また、窒化アルミニウム粒子と酸化ケイ素粒子との体積比率((F2+F3):(F6))についても4種類のシート体全てにおいて98.7:1.3に統一した。
4種類のシート体について、無機窒化物粒子全体における微細な窒化アルミニウム粒子の粒度分布(「10μm以下の粒子」、「20μm以下の粒子」、「30μm以下の粒子」の体積%)を求めた結果とシート体の貯蔵せん断粘弾性を測定した結果(貯蔵弾性率G’)とを表2に示す。
また、F2とF3とを60:40の割合で混合した混合物、70:30の割合で混合した混合物、及び、85:15の割合で混合した混合物の粒度分布を図3a〜図3cにそれぞれ示す。
なお、貯蔵せん断粘弾性はThermo SCIENTIFIC社製レオメーター「HAAKE Rheo Stress 600」(商品名)を用いて測定した。
φ2.5cmのBステージ状態のシートを、φ2cmの測定ステージに乗せて、測定範囲80℃〜180℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hzの条件で測定を行った。
上記のように実施例1〜3は、粒径の細かな窒化アルミニウム粒子が多く含まれていることで低い弾性率の値が観察されており、熱硬化性樹脂組成物が流動性に優れていることがわかる。
<評価2:熱伝導率と耐電圧(1)>
下記表3に示す配合剤を含む熱硬化性樹脂組成物を120℃の温度で20分間プレスしてBステージ状態のシート体を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は15MPaとした。
このBステージ状態のシート体を180℃の温度で180分間プレスして厚み200μmのCステージ状態のシート体を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は5MPaとした。
ここでシート体は、無機物粒子の割合を変更する以外は配合剤の割合を共通させて2種類作製した。
また、窒化アルミニウム粒子に予めフェニルトリメトキシシランを1.5質量%加えてシランカップリング処理した点についても2種類のシート体で共通させた。
なお、シート体に占める無機物粒子の割合(窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子の合計割合)は、実施例4では72.15体積%、比較例2では63.0体積%とした。
また、窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子の体積比率((F1):(F2+F3):(F4))は下記表4に示す通りとした。
2種類のCステージ状態のシート体の熱伝導率と耐電圧とを測定した結果を表4に示す。
なお、熱伝導率は熱拡散率と比熱容量を測定して算出した。
熱拡散率は、NETZSCH Japan社製の熱拡散率評価装置「Nanoflash LFA447キセノンフラッシュアナライザー」(商品名)を用いて測定した。
測定条件は25℃、Pulse Width Medium(約0.2ms)、Charge Level(フラッシュ光強度)270Vにて測定した。
比熱容量は、JIS K7123に従ってDSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度10℃/minにて測定した。
なお、比熱容量は、25℃〜30℃の測定値の平均値とした。
耐電圧は、2mm厚の片面アルカリ交流電界処理(KO処理)されたアルミニウム板(A5052)と1oZ銅箔との間にシート体を挟んでこれらを積層状態で加熱・硬化してCステージ状態としたサンプルを用いて測定した。
耐電圧の測定は、JIS K6911に従って、油中環境(JIS C2320 1種2号のオイル「出光トランスフォーマーオイルG(商品名)」中)で実施した。
なお、耐電圧の測定に用いた電極端子は、φ20mm球/φ25mm円柱とした。
耐電圧は、スタート電圧0.1kV、昇圧電圧0.5kV、遮断電流10mA、印可時間60秒にて段階的に電圧を上げて測定した。
上記のように実施例4では、熱伝導性と絶縁性に優れた熱伝導性シートが得られていることがわかる。
<評価3:熱伝導率と耐電圧(2)>
下記表5に示す配合剤を含む熱硬化性樹脂組成物を120℃の温度で20分間プレスしてBステージ状態のシート体を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は15MPaとした。
このBステージ状態のシート体を180℃の温度で180分間プレスして厚み200μmのCステージ状態のシート体を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は5MPaとした。
ここでシート体は、シランカップリングの種類を変更する以外は配合剤の割合を共通させて5種類作製した。
なお、シート体に占める無機物粒子の割合(窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子の合計割合)は、63体積%とした。
無機物粒子の配合割合は5種類のシート体で以下のように統一した。

(無機物粒子の配合割合)
F1(BN):F2(AlN):F6(SiO)=78.3:19.6:2.1

また、無機物粒子に予めシランカップリングを1.5質量%加えてシランカップリング処理した点については4種類のシート体で共通させ、もう1種類のシート体についてはシランカップリング処理を実施しなかった。
2種類のCステージ状態のシート体の熱伝導率と1分間耐電圧とを測定した結果を表6に示す。
上記のことから末端フェニル基を有するシランカップリング剤が絶縁性に優れた熱伝導性シートを得る上において有利であることがわかる。
<評価4:熱伝導率と耐電圧(3)>
下記表7に示す配合剤を含む熱硬化性樹脂組成物を120℃の温度で20分間プレスしてBステージ状態のシート体を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は15MPaとした。
このBステージ状態のシート体を180℃の温度で180分間プレスして厚み200μmのCステージ状態のシート体を作製した。
なお、プレスは真空減圧下において実施し、プレス圧は5MPaとした。
ここでシート体は、シランカップリングの種類を変更する以外は配合剤の割合を共通させて5種類作製した。
なお、シート体に占める無機物粒子の割合(窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子の合計割合)は、63体積%とした。
無機物粒子の配合割合は5種類のシート体で以下のように統一した。

(無機物粒子の配合割合)
F1(BN):F2(AlN):F6(SiO)=78.3:19.6:2.1

また、無機物粒子に予めシランカップリングを1.5質量%加えてシランカップリング処理した点については4種類のシート体で共通させ、もう1種類のシート体についてはシランカップリング処理を実施しなかった。
2種類のCステージ状態のシート体の熱伝導率と1分間耐電圧とを測定した結果を表8に示す。
上記のことから50nm以下の金属酸化物粒子を含有させることが絶縁性に優れた熱伝導性シートを得る上において有利であることがわかる。
これらの結果から、本発明によれば熱伝導性に優れた熱伝導性シートが得られることがわかる。

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂組成物で形成されたシート体を備えた熱伝導性シートであり、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と無機窒化物粒子とを含有し、前記無機窒化物粒子を50体積%以上含有しており、
    前記無機窒化物粒子は、粒径30μm以下の窒化アルミニウム粒子を15体積%以上の割合で含有し、粒径20μm以下の窒化アルミニウム粒子を10体積%以上の割合で含有し、且つ、粒径10μm以下の窒化アルミニウム粒子を5体積%以上の割合で含有する熱伝導性シート。
  2. 前記無機窒化物粒子は、窒化ホウ素粒子をさらに含有し、該窒化ホウ素粒子の一部又は全部が凝集粒子である請求項1記載の熱伝導性シート。
  3. 前記無機窒化物粒子の一部又は全部がシランカップリング剤処理品であり、且つ、該シランカップリング剤の末端基がフェニル基である請求項1又は2記載の熱伝導性シート。
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物が平均粒子径50nm以下の金属酸化物粒子をさらに含有している請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱伝導性シート。
  5. 前記金属酸化物粒子が酸化ケイ素粒子である請求項4記載の熱伝導性シート。
  6. 半導体素子を備えた半導体モジュールであって、
    モジュール表面と前記半導体素子との間に絶縁層が形成されており、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱伝導性シートによって前記絶縁層が形成されている半導体モジュール。
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