JP3903865B2 - Co選択酸化触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に用いるCO選択酸化触媒に関し、特に、低温でも高いCO選択酸化活性を有するCO選択酸化触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素−酸素燃料電池は、電解質の種類や電極の種類等により種々のタイプに分類され、代表的なものとしてはアルカリ型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型がある。この中でも低温(通常100℃以下)で作動可能な固体高分子型燃料電池が注目を集め、近年自動車用低公害動力源としての開発・実用化が進んでいる。
【0003】
固体高分子型燃料電池は、純粋な水素を燃料源として用いることがエネルギー効率からは最も好ましい。しかし、現段階においては、安全性・インフラ等を考慮して、メタノール、天然ガス、ガソリン等を燃料源として用い、これらを改質装置において水素リッチな改質ガスとする方法が模索されている。
【0004】
ところが、これらの炭化水素系燃料を用いた場合、改質ガス中にはある程度の一酸化炭素(CO)が残存し、このCOは燃料電池の電極に用いられている白金系触媒の触媒毒として作用する。このため、このCOを白金電極触媒に無害な二酸化炭素(CO2)に転化する必要がある。具体的には、改質ガス中に含まれるCO濃度を、シフト反応(CO+H2O→CO2+H2)により1体積%程度にまで低減し、さらに貴金属を担持したアルミナ等のCO選択酸化触媒を用いてCOを酸化除去(CO2に転化)する方法が提案されている。
【0005】
しかしながら、COの酸化除去反応は発熱反応であるため、CO選択酸化触媒の温度が上昇し、(1)逆シフト反応(CO2+H2→CO+H2O)によるCO濃度の増加や、(2)メタネーション反応(CO+3H2→CH4+H2O)による水素燃料の消費、といった問題が生じる恐れがある。このため、熱交換器などを用いてCO選択酸化触媒を比較的低温に維持し、上記の好ましくない反応を抑制する工夫が施されることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように、CO選択酸化触媒を比較的低温に維持することによって、逆シフト反応やメタネーション反応などの好ましくない反応を抑制することが可能である一方で、白金を触媒成分として含有する場合には、温度が低くなると逆に白金に対するCO吸着量が増加し、CO除去性能が低下する問題がある。これでは、触媒を低温に維持することにより逆シフト反応やメタネーション反応などの反応を抑制できても、COのCO2への転化が充分に進行しないため、CO濃度の効果的な低減が図れない。
【0007】
そこで本発明の目的は、白金へのCO吸着が抑制され、低温領域においても優れたCO除去性能を有するCO選択酸化触媒およびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、白金と、白金以外の少なくとも1種の遷移金属とを含み、前記遷移金属は複数の酸化状態で存在することを特徴とするCO選択酸化触媒によって達成される。
【0009】
さらに本発明において、前記CO選択酸化触媒は、白金と遷移金属とを担体に担持させる工程と、前記担体を乾燥する工程と、塩分解を行い触媒前駆体を得る工程と、前記触媒前駆体を活性化する工程とからなる製造方法によって製造される。
【0010】
【発明の効果】
本発明のCO選択酸化触媒にあっては、白金とともに、白金以外の少なくとも1種の遷移金属を用いることによって、白金原子へ電子を供与し、白金原子上でのCO吸着を抑制することができる。さらに、当該遷移金属を、完全に酸化するのではなく、適度に酸化した状態、すなわち複数の酸化状態で存在させることによって、白金原子上へのCO吸着量を抑制し、CO選択酸化触媒の活性を高レベルに維持し、COのCO2への転化率(以下、単に「CO転化率」とも称する)を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のCO選択酸化触媒は、白金と、白金以外の少なくとも1種の遷移金属(以下、単に「遷移金属」と称する)とを含み、前記遷移金属は複数の酸化状態で存在することを特徴とするCO選択酸化触媒である。
【0012】
本発明において「複数の酸化状態で存在する」とは、遷移金属が触媒中で酸化数の異なる複数の状態で存在することである。例えば遷移金属として、Feが用いられる場合、Fe(0)、Fe(I)、Fe(II)およびFe(III)からなる群より選択される2以上の状態で触媒中に存在することである。よって、本発明は、白金触媒に、遷移金属であって、かつ酸化数が2種類上あるものを1種以上含有し、該酸化数が異なる状態の遷移金属を含有することを特徴とするCO選択酸化触媒ともいえる。本発明のCO選択酸化触媒では、白金とともに遷移金属を含ませることによって、白金原子へ電子を供与し、白金原子上でのCO吸着を抑制することができる。さらに、当該遷移金属を、完全に酸化するのではなく、適度に酸化した状態、すなわち複数の酸化状態で存在させることによって、白金原子上へのCO吸着量を抑制し、CO選択酸化触媒の活性を高レベルに維持し、COのCO2への転化率(以下「CO転化率」とも記載)を向上させることができる。本発明の触媒が白金へのCO吸着を抑制する詳細なメカニズムは不明であるが、上述のように遷移金属が複数の酸化状態で存在することによって、白金がCO酸化に必要な酸素原子を供給する速度が向上するため、と考えられる。なお本発明において「低温」とは、通常のCO転化処理温度(例えば、120〜200℃)より低い温度であり、具体的には、20〜120℃を指す。
【0013】
本発明において遷移金属の酸化状態は、従来周知の測定方法、例えばXPS、UV、IR、XRD、ESRなどによって確認することができ、用いた遷移金属種によって適切な測定方法を選択することが好ましい。
【0014】
次に遷移金属および白金(以下、まとめて「触媒成分」とも称する)について説明する。
【0015】
一般的に遷移金属とは、中性原子または普通のイオンのd殻電子が不完全にしか満たされていない元素であり、同一元素が種々の酸化状態をとることを特徴とする。具体的には、21番元素のスカンジウムScから29番の銅Cu(第一遷移元素群)、39番のイットリウムYから47番の銀Ag(第二遷移元素群)、57番のランタンLa,72番のハフニウムHfから79番の金Au(第三遷移元素群)が挙げられる。本発明で用いられる遷移金属としては、上記遷移金属のなかでも、複数の酸化状態で存在した場合に白金と相互作用し高い活性を触媒に付与し得るものであればよい。このような遷移金属としては、鉄、銅、マンガン、コバルトまたはニッケルが挙げられ、いずれも好ましい。なかでも鉄は、酸化状態を所望の状態に制御することが比較的容易であるため最も好ましい。これら遷移金属は、単一で用いてもよいが、複数を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
白金および遷移金属を担持させる担体としては、CO選択酸化触媒を形成することができるような担体であれば良く得には制限されないが、好ましくは耐久性、細孔密度に優れる無機酸化物担体である。無機酸化物担体として具体的には、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、チタニア、シリカまたはジルコニアなどを単独で、あるいは、これらを複数混合してなる担体が挙げられる。これらはいずれも、触媒担体成分として広く利用されており、原料の入手、担体の製造方法や取り扱いが容易であるため本発明において好ましく使用でき、なかでもα−アルミナ、β−アルミナまたはγ−アルミナが、触媒活性の点から特に好ましく用いられる。アルミナ担体として具体的には、住友化学工業株式会社製の活性アルミナKHA、水澤化学工業株式会社製の活性アルミナRN、およびネオビードMSC、コーニング株式会社製のSRBなどが挙げられ、本発明において好ましい。本発明で用いられる担体の粒径は、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜8μmである。ここで担体の粒径が0.5μm未満の場合、粒径が細かすぎて扱いにくく、一方、10μmを超過する場合、触媒とした場合の表面積が低くなり触媒効率が低下する恐れがある。また本発明で用いられる担体の細孔容積は、好ましくは0.05〜0.8ml/g、さらに好ましくは0.1〜0.7ml/gである。ここで細孔容積が0.05ml/g未満の場合、十分な濃度の触媒成分を担持することができず、所望の性能が十分に得られない恐れがある。一方、0.8ml/gを超過する場合、担体の強度が十分に得られない可能性がある。また、担体の比表面積は、窒素吸着によるBET表面積測定方法で測定した場合、好ましくは30〜300m2/g、さらに好ましくは50〜250m2/gである。ここで比表面積が30m2/g未満の場合、触媒成分を分散性良く担持することが困難であり、300m2/gを超過する場合、比表面積を維持することが困難な可能性がある。
【0017】
白金の担体への担持量は、CO選択酸化触媒として機能し得る程度に担持されていれば良く特に限定されないが、通常、得られる触媒の総質量中、白金換算で0.1〜35質量%含まれるように担持されていることが好ましい。白金の担持量が0.1質量%未満の場合、CO選択酸化触媒としての性能が劣る恐れがあり、一方で、35質量%を超過する場合、担持量に見合った効果が得られずコスト面で不利になる恐れがある。
【0018】
遷移金属の担体への担持量は、低温における触媒効率を向上し得る範囲で担持されることが好ましく、遷移金属の種類により様々であるため一概には言えないが、通常、得られる触媒の総質量中、遷移金属換算で0.1〜20質量%含まれるように担持されていることが好ましい。ここで遷移金属の担持量が0.1質量%未満の場合、遷移金属を添加する効果が十分に発揮されない恐れがあり、一方で20質量%を超過する場合、添加量に見合った効果が得られず、コスト面で不利になる恐れがある。また遷移金属を2種以上担持させる場合は、それぞれの合計担持量が上記範囲内であることが好ましい。
【0019】
このようなCO選択酸化触媒は、様々な方法によって製造することが考えられ特に限定されないが、(1)白金と遷移金属とを担体に担持させる工程と、(2)担体を乾燥する工程と、(3)塩分解を行い触媒前駆体を得る工程と、(4)前記触媒前駆体を活性化する工程とからなる方法によって製造することができる。以下、この製造方法について詳述する。
【0020】
まず、(1)白金と遷移金属とを担体に担持させる工程について説明する。
【0021】
本工程では、白金源および遷移金属源である金属塩を溶媒に溶解し、白金および遷移金属を含有する溶液(触媒調製液)を担体に担持(含浸等)させることを目的とするものである。
【0022】
担体に白金および遷移金属を担持させる方法としては、従来周知の方法によって担持させることができるが、特に、含浸法、共沈法または競争吸着法が好ましい。まず含浸法について説明する。含浸法は、触媒成分(白金および遷移金属)を含む触媒調製液中に担体を浸し、触媒成分を担体の表面および細孔内部に付着させることによって、触媒成分を担体に固定する方法である。この方法は、担体へ触媒成分を固定するのに汎用される方法の一つであり、本発明においても好ましく適用される。含浸法における担持条件は、触媒成分や用いる担体の種類等に応じて適宜選択することが好ましいが、通常は、20〜90℃で1分間から10時間、担体と触媒金属を含有する触媒調製液とを接触させればよい。ここで担持温度が20℃未満の場合、担持時間が長くなる恐れがあり、一方で90℃を超過すると、触媒調製液が蒸発し、含まれる成分の好適な濃度が保たれない恐れがある。また、担持時間が1分未満の場合、白金および遷移金属の担持量が少なくなる恐れがあり、一方で10時間を超過すると、工程が長時間化するだけでなく、長時間処理しても高い効果が得られない恐れがある。
【0023】
白金源としては、白金を担体へ担持し得るものであればよく特には限定されないが、好ましくは水やエタノール等に溶解可能な形態のものである。具体的には金属塩の形態であり、塩化白金酸、ジニトロジアミン白金、テトラアンミン白金、ヘキサアンミン白金等の塩が、担体に担持されやすく、水やエタノール等に可溶であるため好ましく、なかでもジニトロジアミン白金が好ましい。
【0024】
遷移金属源としては、遷移金属を担体へ担持し得るものであればよく特には限定されないが、好ましくは水やエタノール等に溶解可能な形態のものである。具体的には金属塩の形態であり、上記遷移金属の硝酸塩、酢酸塩または炭酸塩等の形態が挙げられ、いずれも好ましい。具体的には、硝酸鉄(III)・九水和物、酢酸ニッケル、炭酸コバルト、酢酸銅、炭酸マンガンが、遷移金属源として広く利用されており、原料の入手、担体の製造方法や取り扱いが容易であるため本発明において好ましく用いられる。
【0025】
このような白金源および遷移金属源を用いて、触媒調製液を準備する。触媒調製液は、白金源と、遷移金属源と、これらを溶解させる溶媒とを含んでなるものである。触媒調製液は、白金源を含むもの、遷移金属源を含むもの、または両方を含むもののいずれの形態に調製しても良く、担持方法に合わせて適宜好ましい形態に調製することが好ましい。前記溶媒は、用いる白金源および遷移金属源を溶解することができるものを適宜選択することが好ましく、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、ヘキサンなどが挙げられる。触媒調製液中の白金の濃度は、特には限定されないが、白金換算で、好ましくは0.1〜150g/l、より好ましくは10〜100g/lである。同様に遷移金属の濃度は、遷移金属換算で、好ましくは0.1〜150g/l、より好ましくは0.1〜100g/lである。ここで白金源または遷移金属源の濃度が下限未満の場合、担体への担持量が少なくなる恐れがあり、一方で上限値を超過する場合、濃度に見合った量の白金または遷移金属が担持されない恐れがある。
【0026】
次に共沈法について説明する。共沈法は、触媒成分を含む触媒調製液と、担体を含む溶液とを準備し、これらを混合し、必要に応じて沈殿剤を加えて共沈させる方法である。ここで用いられる白金源、遷移金属源、これらを含む触媒調製液および担体は、含浸法にて説明したものと同様であるためここでの記載を省略する。担体を含む溶液に用いられる溶媒または分散媒は、担体を適切な状態に溶解または分散し得るものであればよく特には限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノールなどが好適に用いられる。沈殿剤とは、例えば、アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、尿素などの物質であり、沈殿させる成分に応じて好ましいものを選択する。この方法は、工業的によく用いられており、例えば遷移金属を二種類以上担持させる多成分系の触媒を、高い均一性で大量に製造できる利点がある。共沈法において、溶液中の触媒成分源の濃度、pH、温度、添加順序、沈殿剤の種類といった各種条件を、均一性の高い沈殿が安定して製造できるように適宜調節することが好ましい。
【0027】
競争吸着法は、担体に触媒調製液を作用させる際に、競争吸着剤をさらに加えることによって、担体の細孔内部まで均一に触媒成分を分布させる方法である。ここで用いられる白金源、遷移金属源、これらを含む触媒調製液および担体は、含浸法にて説明したものと同様であるためここでの記載を省略する。競争吸着剤とは、触媒調製液に溶解し、所望の部位に活性成分を分布させることができる吸着力を有する物質であればよく特には限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、しゅう酸、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。具体例を挙げれば、白金を担体に担持させる場合は、白金源として塩化白金酸を、競争吸着剤として塩酸を用いることによって、内部まで均一に白金を担持させることができる。また、競争吸着剤として触媒成分源と同等かより強い吸着力を示す物質を用いて、その添加量、触媒調製液のpH、含浸時間、担体の表面積等を制御することによって、担体の所望の部位に活性成分を分布させることも可能である。
【0028】
次に、(2)担体を乾燥する工程について説明する。
【0029】
本工程では、上記(1)工程により、触媒成分(白金および遷移金属)を含有する触媒調製液が含浸等された担体(共沈法により共沈した担体や競争吸着法により競争吸着剤を有する触媒調製液が含浸された担体を含む)を乾燥させ、溶媒成分等を飛ばして触媒成分を金属塩の形で担体に担持させることを目的とする。
【0030】
乾燥処理によって、触媒成分をより強固に担体に固定することができる。乾燥処理は、常温でも加熱下でもいずれでもよい。加熱する場合は、通常50〜200℃であり、80〜150℃がより好ましい。乾燥温度が50℃未満の場合、乾燥時間が長くなる恐れがある。一方、200℃を超過する場合、溶媒成分等と共に触媒成分の金属塩が担体から揮散し担持量が低下する恐れがある。乾燥処理中は常圧でも減圧下でもよく、減圧する場合は乾燥時間を短縮することができる。処理時間は、条件により様々であるため特には限定されないが、例えば150℃で常圧下という条件で乾燥する場合の処理時間は、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは0.5〜5時間である。ここで、0.1時間未満の場合、乾燥が不十分になる恐れがあり、24時間を超過する場合は触媒成分が揮散し担持量が低下する恐れがある。乾燥処理中の雰囲気は、特に限定されないが、空気、窒素、ヘリウムもしくはアルゴンまたはこれらの混合ガスが好適に用いられる。このような乾燥処理にあたり、ロータリーエバポレーター、送風乾燥機など各種公知の装置を用いてもよい。
【0031】
次に(3)塩分解を行い触媒前駆体を得る工程について説明する。
【0032】
上記(2)工程で担体を乾燥させた後、触媒成分が金属塩の形で担体に担持されている。そのため、本工程では、こうした担体に金属塩の形で担持されてなる金属塩の分解を行うことにより、担体に金属または金属酸化物(触媒前駆体)を担持した形にすることを目的とするものである。
【0033】
塩分解を行うことにより触媒前駆体を得る方法としては、担体を水、有機溶媒等で洗浄する方法、焼成して塩を分解させる方法などが挙げられるが、焼成する方法が簡便かつ効果が高いため好ましい。よって、焼成して塩分解を行う方法につき、具体例を挙げて説明する。
【0034】
例えば、炭酸コバルトを含浸担持した際の焼成による塩分解とは、
【0035】
【化1】
Figure 0003903865
【0036】
というように、金属または金属酸化物(触媒前駆体)を得るために、下記に示す温度をかけて焼成し、塩を分解させることをいう。
【0037】
焼成温度および焼成時間は、使用した塩の種類により適宜調節することが好ましく、通常350〜550℃、0.5〜6時間である。ここで焼成温度および焼成時間が下限値未満の場合、塩の分解が不十分になる恐れがあり、一方で上限値を超過する場合、塩分解により、例えば、上記炭酸コバルトの場合には、CO2やO2成分が揮発するだけでなく、触媒前駆体成分のCo成分も揮散し担持量が低下する恐れがある。焼成中の雰囲気は、特には限定されないが、例えば空気、または、窒素ガス、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが好ましい。このようにして触媒前駆体を得る。
【0038】
なお上記(1)の工程で含浸法を用いた場合、複数の触媒成分を別々に含浸させることも可能であるため、その際は、含浸ごとに複数回の上記(2)の乾燥工程および上記(3)の塩分解工程を必要とすることがある。このような場合、含浸やその後の各工程の条件は、全て同じ条件でもよいし、それぞれ異なる条件にしてもよい。
【0039】
次に、(4)活性化する工程について説明する。
【0040】
本発明において「活性化」とは、上記(3)工程によって得られた触媒前駆体を、遷移金属が複数の酸化状態になるように調節することである。すなわち、本工程では、上記(3)工程によって得られた触媒前駆体を、活性化処理、例えば100〜250℃でH2を含有するガスで処理することにより、遷移金属が複数の酸化状態になるように調節し、所望のCO選択酸化触媒を作製することを目的とするものである。
【0041】
白金のみの触媒で低温活性が低い原因は、CO吸着被毒によるものと考えられている。本発明では、白金触媒に遷移金属を添加することで、(その作用機序は十分に解明できていないが、発明者が考えるには、Ptへ電子が供与され、)Pt上でのCO吸着量を抑制することができることを見出したものである。加えて、遷移金属の酸化状態を異ならせる、具体的には、遷移金属が完全に還元された状態ではなく、適度に酸化された状態にすることで、CO酸化に必要な酸素原子の供給が速やかに行われることが重要との知見をも見出したものである。そして、このような状態にするために、本工程の活性化処理を実施することが必要との知見を得たものである。
【0042】
さらに、本工程の活性化処理を実施すると、後述するように、活性化処理を施す前の触媒前駆体の粒径よりも処理後の担持触媒(担体ではなく、担体に担持されている触媒金属ないし金属酸化物そのもの)の粒径が大きくなる。粒径が大きくなるとその分、CO吸着量も低下するので、CO吸着量がさらに抑制され、低温活性が向上する利点をも有するものである。なお、本発明においては、触媒と言った場合に、CO選択酸化触媒のように担体を含めて触媒と称する場合もあれば、担体に担持されてなる触媒のみを指す場合もあるが、前後の説明の内容から何れを指すか十分に理解し得るため、特に限定しないものである。
【0043】
活性化する方法は、前記触媒前駆体を活性化ガスで処理する方法が好ましい。この活性化方法において、用いる活性化ガスの種類、活性化ガス供給量、処理温度、処理時間等の各種処理条件等を、触媒前駆体中に含まれる遷移金属が所望の酸化状態になるように適宜調節することによって、本発明のCO選択酸化触媒を得ることができる。
【0044】
この活性化方法において用いられる活性化ガスは、遷移金属の酸化状態を変化させ得るものであればいずれも使用可能である。具体的には、水素等の還元ガスや、一酸化炭素等の反応ガスを含むガスが挙げられ、なかでも水素を含むガスが、遷移金属の酸化状態の調節効果が高いため好ましい。なお、改質器としてCO選択酸化触媒がシステムに組み込まれた後においても、燃料を改質したガスが供給可能な状況であれば、燃料を改質して得られた水素を含むガスを触媒の活性化に使用することも可能である。また、水素のほかに、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)、水(H2O)または窒素(N2)を含む混合ガスを用いてもよい。このような混合ガスにおいて、水素は20体積%以上含まれていることが好ましい。水素ガスが20体積%以上含まれていれば、O2やH2Oなどの酸化成分を含んでいても、遷移金属の酸化状態を効率よく変化させることができる。すなわち触媒の活性化工程でこのようなガスを用いることが可能であるため、上流反応器出口ガス、すなわち燃料を改質して得られた水素を含むガスをそのまま使用することができ、純粋な水素ガスを用いるよりも製造コストを下げることができる。
【0045】
活性化ガスの供給量は、活性化ガスの種類によるため一概には言えないが、通常SV=500h-1〜200000h-1、好ましくはSV=1000h-1〜150000h-1が適当である。ここで活性化ガスの供給量がSV=500h-1未満の場合、活性化が不十分になる恐れがあり、一方、SV=200000h-1を超過する場合、供給量に見合った効果が得られない恐れがある。
【0046】
処理温度は、活性化ガスの種類によるため一概には言えないが、通常、100〜250℃、好ましくは130〜250℃が適当である。また当該処理温度での処理時間は、通常0.1〜24時間、好ましくは0.5〜6時間が適当である。該条件で活性化処理を施すことにより、反応開始初期から、低温で、高い活性を示すCO選択酸化触媒を得ることができる。
【0047】
上記温度範囲および時間範囲を外れて活性化処理を施すと、遷移金属を所望の酸化状態にすることができず、反応開始初期、高い活性を示すことができない恐れがある。また、反応開始後、時間の経過とともに触媒表面の状態が変化するなどの問題が生じ、CO選択酸化触媒として安定した性能を得ることができない恐れがある。
【0048】
また活性化ガスと処理温度とは、工程中一定でも良いが、例えば、昇温に伴い供給ガスである活性化ガスと不活性ガスの切替えや活性化ガスの種類や供給量などを順次変化させたり、複数の処理温度で数段階にわたり活性化処理したり、様々な処理パターンが考えられる。以下に好ましいパターンを挙げるが、もちろん、これらに限定されない。
【0049】
(a)上記処理温度で触媒前駆体を活性化処理する前に、該処理温度未満の温度で活性化ガスを触媒前駆体に供給し、処理温度まで加熱するパターンである。活性化ガスを処理温度未満の温度で供給することによって、詳細なメカニズムは不明であるが酸化状態をより最適にすることができるという効果が得られる。処理温度未満の温度とは、処理温度に依存するため一概には言えないが、通常100℃未満、具体的には30〜90℃程度が好ましい。処理温度未満の所定温度を100℃未満に設定することによって、遷移金属の酸化状態を好適に調節することができる。このパターンの一形態として、室温(本発明においては20〜30℃)の状態から活性化ガスを触媒前駆体に供給しながら加熱し、処理温度に達した後も引き続き活性ガスで所定時間処理する方法が挙げられる。他の形態として、室温から処理温度未満の所定温度まで、上記活性化ガス以外のガス、例えば窒素ガス、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを供給しながら加熱し、続いて、前記処理温度未満の温度から処理温度まで、供給ガスを活性化ガスに切り替えてさらに加熱し、処理温度に達した後所定時間活性化ガスで処理する方法が挙げられる。
【0050】
(b)室温から不活性ガスを供給しながら加熱し、処理温度に達した時点で供給ガスを活性化ガスに切り替えて所定時間処理するパターンである。ここで用いられる不活性ガスは、(a)で列挙したものと同様である。このようなパターンにすることによって、遷移金属の酸化状態を好適に調節することができる。
【0051】
上記したパターンはいずれも、遷移金属の酸化状態をより好適に調節することができ、高レベルの低温活性を反応初期より導き出し得るCO選択酸化触媒を得ることができるため好ましい。
【0052】
なお、本発明のCO選択酸化触媒の製造方法では、その工程の名称に拘泥されるべきものではなく、各工程でなされる事項に基づき、本発明の製造方法に規定する工程がなされていれば、本発明の技術範囲に含まれるものである。例えば、上記(2)の乾燥工程や上記(3)の塩分解工程は、上記(4)の活性化工程に含まれ、省略できる場合もあるし、あるいは熱処理工程などと称して、上記(2)の乾燥工程、上記(3)の塩分解工程、上記(4)の活性化工程を行うような場合もありえるが、これらはいずれも本発明のCO選択酸化触媒の製造方法に含まれることは言うまでもない。
【0053】
このように製造されたCO選択酸化触媒は、活性化前である触媒前駆体の1.1〜1.3倍の大きさを有していることが好ましい。本発明のCO選択酸化触媒が活性化によって触媒前駆体の1.1〜1.3倍の大きさになることによって、白金原子上へのCO吸着が抑制され、より低温でCO選択酸化効率を改善することができる。
【0054】
さらに本発明は、上述したCO選択酸化触媒が配置されてなる固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置を提供するものである。本発明のCO選択酸化触媒は、低温で高いCO選択酸化能を有するものであるため、高性能の固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置を製造することができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。なお下記実施例において室温は、約30℃を示すものとする。
【0056】
比較例1:3%Pt担持アルミナ触媒
ジニトロジアミン白金水溶液(8.5質量%)を用い、白金をアルミナに含浸した。含浸条件は室温で4時間とした。白金は、得られる触媒の総質量中、3質量%(白金換算)となるように担体に担持させた。150℃で4時間乾燥後、500℃で1時間焼成を行い、触媒前駆体1を得た。触媒前駆体1を圧粉・整粒(250〜350μm)後、石英管に充填し、活性化処理を施した。活性化処理は、室温から水素ガスを供給し、500℃で30分間行い、CO選択酸化触媒1を得た。
【0057】
実施例1:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
ジニトロジアミン白金水溶液(8.5質量%)35.3gに硝酸鉄(III)・九水和物7.2gを溶解させ触媒調製液を調製し、アルミナ担体(コーニング株式会社製)を含浸した。含浸条件は室温で4時間とした(以下の実施例においても同様の含浸条件とした。)。白金および鉄は、得られる触媒の総質量中、3質量%(白金換算)および1質量%(鉄換算)となるように担体に担持させた。得られたアルミナ担体を150℃で4時間乾燥後、500℃で1時間焼成を行い、前駆体2を得た。触媒前駆体2を圧粉・整粒(250〜350μm)後、反応管に充填し、活性化処理を施した。活性化処理は、室温から水素ガスを供給し、500℃で30分間行い、CO選択酸化触媒2を得た。
【0058】
実施例2:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、400℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒3を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、400℃で30分間、活性化処理を施した。
【0059】
実施例3:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、300℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒4を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、300℃で30分間、活性化処理を施した。
【0060】
実施例4:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、250℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒5を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、250℃で30分間、活性化処理を施した。
【0061】
実施例5:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、230℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒6を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、230℃で30分間、活性化処理を施した。
【0062】
実施例6:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、200℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒7を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、200℃で30分間、活性化処理を施した。
【0063】
実施例7:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、130℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒8を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、130℃で30分間、活性化処理を施した。
【0064】
実施例8:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、100℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒9を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、100℃で30分間、活性化処理を施した。
【0065】
実施例9:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を、30℃で実施した以外は、実施例1と同様にしてCO選択酸化触媒10を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から水素ガスを供給して、30℃で30分間、活性化処理を施した。
【0066】
実施例10:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を50℃にした以外は、実施例7と同様にしてCO選択酸化触媒11を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から50℃まで不活性ガスで昇温後、50℃で水素ガスの供給を開始し、130℃まで昇温、130℃で30分間、活性化処理を施した。
【0067】
実施例11:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を80℃にした以外は、実施例7と同様にしてCO選択酸化触媒12を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から80℃まで不活性ガスで昇温後、80℃で水素ガスの供給を開始し、130℃まで昇温、130℃で30分間、活性化処理を施した。
【0068】
参考例12:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を100℃にした以外は、実施例7と同様にしてCO選択酸化触媒13を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から100℃まで不活性ガスで昇温後、100℃で水素ガスの供給を開始し、130℃まで昇温、130℃で30分間、活性化処理を施した。
【0069】
参考例13:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を130℃にした以外は、実施例7と同様にしてCO選択酸化触媒14を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から130℃まで不活性ガスで昇温後、130℃で水素ガスの供給を開始し、130℃で30分間、活性化処理を施した。
【0070】
参考例14:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を200℃にした以外は、実施例6と同様にしてCO選択酸化触媒15を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から200℃まで不活性ガスで昇温後、200℃で水素ガスの供給を開始し、200℃で30分間、活性化処理を施した。
【0071】
参考例15:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を250℃にした以外は、実施例4と同様にしてCO選択酸化触媒16を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から250℃まで不活性ガスで昇温後、250℃で水素ガスの供給を開始し、250℃で30分間、活性化処理を施した。
【0072】
参考例16:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガスを供給し始める温度を300℃にした以外は、実施例3と同様にしてCO選択酸化触媒17を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温から300℃まで不活性ガスで昇温後、300℃で水素ガスの供給を開始し、300℃で30分間、活性化処理を施した。
【0073】
実施例17:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理において、水素ガス以外に、CO、CO2、H2O、O2、N2を含有する燃料を改質して得られるガスを想定したモデルガスを使用した以外は、実施例7と同様にしてCO選択酸化触媒18を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温からH2を主成分とするモデルガスを供給し、130℃で30分間、活性化処理を施した。本実施例で用いたモデルガス(反応ガス)の成分組成は、H2:40質量%、CO:0.8質量%、CO2:16質量%、H2O:30質量%、O2:1.2質量%、N2:12質量%とした。なお、以下の実施例18〜26においても、同様のモデルガスを使用した。
【0074】
実施例18:3%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
触媒前駆体の活性化処理を200℃で実施した以外は、実施例17と同様にしてCO選択酸化触媒19を製造した。すなわち、触媒前駆体2を反応管に充填し、室温からH2を主成分とするモデルガスを供給し、200℃で30分間、活性化処理を施した。
【0075】
実施例19:6%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
白金の担持量を6質量%(白金換算)とした触媒前駆体3を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒20を製造した。
【0076】
実施例20:9%Pt−1%Fe担持アルミナ触媒
白金の担持量を9質量%(白金換算)とした触媒前駆体4を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒21を製造した。
【0077】
実施例21:3%Pt−1%Ni担持アルミナ触媒
低温活性成分として、鉄の代わりに、ニッケルを1質量%(ニッケル換算)となるように担体に担持させた触媒前駆体5を用いた以外は、実施例18同様にしてCO選択酸化触媒22を製造した。
【0078】
実施例22:3%Pt−1%Co担持アルミナ触媒
低温活性成分として、鉄の代わりに、コバルトを1質量%(コバルト換算)となるように担体に担持させた触媒前駆体6を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒23を製造した。
【0079】
実施例23:3%Pt−1%Cu担持アルミナ触媒
低温活性成分として、鉄の代わりに、銅を1質量%(銅換算)となるように担体に担持させた触媒前駆体7を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒24を製造した。
【0080】
実施例24:3%Pt−1%Mn担持アルミナ触媒
低温活性成分として、鉄の代わりに、マンガンをおよび1質量%(マンガン換算)となるように担体に担持させた触媒前駆体8を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒25を製造した。
【0081】
実施例25:3%Pt−1%Fe−0.5%Co担持アルミナ触媒
低温活性成分として、鉄に加えて、コバルトを0.5質量%(コバルト換算)となるように担体に担持させた触媒前駆体9を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒26を製造した。
【0082】
実施例26:3%Pt−1%Fe−0.5%Ni担持アルミナ触媒
低温活性成分として、鉄に加えて、ニッケルを0.5質量%(ニッケル換算)となるように担体に担持させた触媒前駆体10を用いた以外は、実施例18と同様にしてCO選択酸化触媒27を製造した。
【0083】
活性化処理後の触媒粒径:実施例1〜11、参考例12〜16、実施例17〜26で得られたCO選択酸化触媒2〜27の担持触媒の粒径は、担持量等により異なるが、いずれも1.5〜3nmであた。これは、触媒前駆体2〜27の粒径1.2〜2.3nmの1.1〜1.3倍の大きさを有するものである。一方、比較例1で得られたCO選択酸化触媒1の担持触媒の粒径は2.2nmであり、触媒前駆体1の粒径2.2nmの大きさの
1.0倍であった。
【0084】
CO選択酸化触媒の評価
実施例1〜11、参考例12〜16、実施例17〜26および比較例1で得られたCO選択酸化触媒1〜27の性能は、CO転化率で評価した。CO転化率は、CO選択酸化触媒に対して、モデルガスとして、H:40%、CO:16%、CO:0.8%、O:1.2%、HO:30%、N:残分(12%)の混合ガスを、ドライガスベースでガス流量(cm/h)/触媒体積(cm)が約30000h−1となるように供給し、100℃での出口CO濃度を測定することによって算出した。
【0085】
実施例1〜11、参考例12〜16、実施例17〜26および比較例1についてのCO選択酸化触媒1〜27の触媒成分および活性化処理条件、並びに得られたCO選択酸化触媒1〜27の評価結果を下記表1に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003903865
【0087】
活性化処理温度条件の異なる実施例1〜9および比較例1につき、得られたCO選択酸化触媒のCO転化率と触媒前駆体の活性化処理温度との関係を図1に示す。
【0088】
上記表1および図1に示す結果より、処理温度が100〜250℃の範囲であったCO選択酸化触媒5〜9(すなわち実施例4〜8)は、いずれも90%以上もの高いCO転化率を示しており、特に処理温度が130〜250℃の範囲であったCO選択酸化触媒5〜8(すなわち実施例4〜7)は、ほぼ100%に近いCO転化率を示した。
【0089】
次に、活性化ガス供給開始温度条件の異なる実施例7、10〜11、参考例12〜16および比較例1については、得られたCO選択酸化触媒のCO転化率と、触媒前駆体の活性化ガス供給開始温度との関係を図2に示す。
【0090】
上記表1および図2に示す結果より、本発明のCO選択酸化触媒はいずれも80%以上の高いCO転化率を示し、なかでも、活性化ガス供給開始温度が100℃未満であったCO選択酸化触媒8、11、12(すなわち実施例7、10および11)は特に高いCO転化率を示すことがわかった。なお実施例17〜26のCO選択酸化触媒18〜27も、実施例7のCO選択酸化触媒8とほぼ同様の高いCO転化率を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のCO選択酸化触媒、参考例のCO選択酸化触媒および比較例のCO選択酸化触媒の、CO転化率と活性化処理温度との関係を示すグラフである。
【図2】 本実施例のCO選択酸化触媒、参考例のCO選択酸化触媒および比較例のCO選択酸化触媒の、活性化ガス供給開始温度とCO転化率との関係を示すグラフである。

Claims (12)

  1. 白金と白金以外の少なくとも1種の遷移金属とを担体に担持させる工程と、
    前記担体を乾燥する工程と、
    塩分解を行い触媒前駆体を得る工程と、
    前記触媒前駆体を活性化する工程と、
    を有することを特徴とする白金と、白金以外の少なくとも1種の遷移金属とを含み、前記遷移金属が複数の酸化状態で存在するCO選択酸化触媒の製造方法であって、
    前記触媒前駆体を活性化する工程において、所定の活性化処理温度で前記触媒前駆体を活性化処理する前に、前記活性化処理温度未満でなおかつ100℃未満の温度で活性化ガスを前記触媒前駆体に供給し、前記活性化処理温度まで加熱することを特徴とするCO選択酸化触媒の製造方法。
  2. 前記遷移金属は、鉄、銅、マンガン、コバルトおよびニッケルよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種である、請求項1に記載のCO選択酸化触媒の製造方法
  3. 前記遷移金属は鉄である、請求項2に記載のCO選択酸化触媒の製造方法
  4. 前記触媒前駆体を活性化する工程は、前記触媒前駆体を活性化ガスで処理することである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記活性化ガスは水素を含むガスである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記水素を含むガスは、燃料を改質して得られた水素を含むガスである、請求項に記載の製造方法。
  7. 前記水素を含むガスは、水素のほかに一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、水または窒素を含む、請求項またはに記載の製造方法。
  8. 前記活性化ガスで活性化処理する温度(活性化処理温度)が100〜250℃である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記活性化処理温度は130〜250℃である、請求項に記載の製造方法。
  10. 前記活性化する工程によって、前記触媒前駆体の1.1〜1.3倍の大きさを有する担持触媒が得られる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法によって得られるCO選択酸化触媒。
  12. 請求項11に記載のCO選択酸化触媒が配置されてなる固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置。
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