JP3901743B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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- B60C11/0318—Tread patterns irregular patterns with particular pitch sequence
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特に乗用車用タイヤとして好適に使用でき、タイヤ騒音の低減化を達成する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の高性能化、高出力化に伴い、タイヤトレッドには、高速走行に適したパターン、特に円周方向にのびる主溝を基調としたブロックパターン、ブロック・リブパターンを採用し、高速走行時の安定性、制動性及びウエット性等の性能の向上が計られている。しかしこの種のパターンでは、前記主溝に基づく気柱共鳴及びブロックに基づくパターンノイズが顕著となりタイヤ騒音を増大させる。
【0003】
なお気柱共鳴は、タイヤ走行の際路面と主溝とで形成される気柱内で空気が流動して生ずる特定波長の共鳴音であって、特に800〜1250Hzの騒音の主たる音源となる。又パターンノイズは、ブロックを区分する横溝のインパクト音及び溝中の空気の圧縮・開放が横溝のピッチ長さ毎もしくはその複数次毎にパルス的振動となり、空気の粗密波として発生する。
【0004】
従来、このパターンノイズに対しては、ピッチバリエーション法が広く採用され、横溝を複数種類のピッチ長さでイレギュラーに配列し、ホワイトノイズ化することにより、最大音圧を減じかつピッチ音を感知しにくくしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
又気柱共鳴に対しては、主溝の本数、溝巾等を減ずるなどの手段が用いられているが、これらの低減は、排水性を低下しウエット性能を阻害するという問題があり、十分に満足のいく効果を得るに至っていない。
【0006】
本発明は主溝の溝断面積を横溝のピッチ長さに応じて変化させることを基本として、パターンノイズに追従して気柱共鳴を低減でき、タイヤ騒音を効果的に減じうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ円周方向に配した主溝に交わりタイヤ巾方向にのびる横溝の前記主溝と交わる交わり部間で形成されるブロックの前記主溝に面するタイヤ円周方向の長さであるピッチ長さPを、小なる順にピッチ長さP(i)(i=1〜n)とするとともに、
前記主溝は、トレッド面での溝巾を全周に亘り同巾かつ一定な溝深さとし、しかも各前記ピッチ長さP(i)の部分での主溝の溝断面積S(i)と、前記小なる順においてピッチ長さP(i)に隣り合うピッチ長さP(i+1)の部分での主溝の溝断面積S(i+1)との間の変化率{S(i+1)−S(i)}/S(i)は、前記隣り合うピッチ長さ間の変化率{P(i+1)−P(i)}/P(i)の0.5〜1.5倍とし、
かつ前記主溝の溝断面積Sは溝断面形状を違えることにより変化させたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
主溝の溝断面積を横溝のピッチ長さ毎に変化させることによって、主溝の溝巾、溝本数を維持しながら、気柱共鳴を広い周波数帯域に分散・変動させることができる。しかも溝断面積の変化率がピッチ長さの変化率に応じた比率で設定されるため、横溝に基づくパターンノイズのホワイトノイズ化に追従して気柱共鳴が低減し、より効果的にタイヤ騒音を減少しうる。
【0009】
又該溝断面積の変化は、横溝間に形成される各ブロックの剛性をタイヤ円周方向に均一化してタイヤ振動を軽減するのに役立ち、該振動による気柱共鳴の励起も抑制しうる。
【0010】
又このものは、主溝の溝巾及び溝本数の増減と両立して達成しうるため、ウエット性等の維持が可能となる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図において、空気入りタイヤ1は、ビードコア2を有する一対のビード部3と、各ビード部3からタイヤ半径方向外方にのびるサイドウォール部4と、このサイドウォール部4の外端間を継ぐトレッド部5とを有し、本例ではタイヤ最大巾WTに対するタイヤ断面高さHの比である偏平率H/WTを75%以下とした乗用車用の偏平タイヤとして形成される。
【0012】
又空気入りタイヤ1には、トレッド部5からサイドウォール部4をへてビードコア2の廻りで内から外に折返されるカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部5の内方には強靭なベルト層7が巻装される。
【0013】
カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して60〜90度の角度で配列したいわゆるラジアル又はセミラジアル構造の1以上のカーカスプライからなり、カーカスコードとして、スチール、又はナイロン、レーヨン、ポリエステル等の有機繊維コードが採用される。
【0014】
ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して30度以下の角度で配列した1以上、本例では内外2枚のベルトプライ6A、6Bから形成され、各プライ6A、6Bはベルトコードがプライ間相互で交差するように向きを違えて重置している。なおベルトコードとしては、カーカスコードと同様に、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維コード及びスチール等の金属コードが用いられる。
【0015】
又トレッド部5のトレッド面Kには、図2に示すように、タイヤ円周方向にのびる主溝10と、この主溝10に交わりかつタイヤ巾方向にのびる横溝11とを含むトレッド溝が形成され、前記トレッド面Kに、ブロックパターンもしくはブロック・リブパターンを形成している。
【0016】
本例では、トレッド面Kには、タイヤ赤道Cの両側で直線状にのびる一対の主溝10A、10Bが設けられ、一方のトレッド縁eと主溝10Aとの間に、この間を横溝11Aが横切ることによってなるブロック体12Aのブロック列RAを形成するとともに、他方のトレッド縁eと主溝10Bとの間に、横溝11Bによって区分されるブロック体12Bのブロック列RBを形成している。
【0017】
なお前記主溝10A、10Bは夫々トレッド面上での溝巾GWをタイヤ全周に亘り同巾とした平行溝であって、各溝巾GWはトレッド巾TWの3%以上、しかも5mm以上とするとともに、各主溝10A、10Bの溝深さGDは同様に、タイヤ全周に亘り一定としている。
【0018】
又本例では、双方のブロック列RA、RBにおいて、前記横溝11A、11Bは、夫々イレギュラーピッチで形成されており、前記主溝10Aと各横溝11Aとの交わり部KA、及び主溝10Bと各横溝11Bとの交わり部KB間で形成されるブロックの前記主溝に面するタイヤ円周方向の長さであるピッチ長さPを、夫々異なるn種類のタイヤ円周方向のピッチ長さPで離間している。
【0019】
そして、このn種類のピッチ長さPを長さが小なる順でP(i)(i=1〜n)と表記した時、すなわちP(1)<P(2)…<P(n)と並べた時、各ピッチ長さP(i)の部分に属する主溝10A、10Bの各溝断面積S(i)は、前記ピッチ長さPの種類に応じて変化し、前記小なる順の表記において、互いに隣り合う溝断面積の変化率{S(i+1)−S(i)}/S(i)は、互いに隣り合うピッチ長さの変化率{P(i+1)−P(i)}/P(i)の0.5〜1.5倍としている。
【0020】
より具体的に説明すると、本例では、横溝11A、11Bは、夫々3種類(n=3)のピッチ長さP1、P2、P3によって例えばイレギュラー配列で、隔設している。
【0021】
又図3、図4、図5に示すように、最も小なピッチ長さP1の部分に属する主溝10A、10Bの溝断面積S1を最も小に、最も大なピッチ長さP3の部分に属する主溝10A、10Bの溝断面積S3を最も大に、又中間のピッチ長さP2の部分に属する主溝10A、10Bの溝断面積S2を前記S1とS3との中間の値に設定する。なお主溝10A、10Bは、トレッド面での溝巾GW及び溝深さGDを夫々一定としているため、各溝断面積S1、S2、S3の変化は、溝壁面14の傾斜角度αを違える手段及び溝壁面14に隆起状の突部15を設ける手段など溝断面形状を違えることによって行われる。
【0022】
又変化率(S2−S1)/S1は変化率(P2−P1)/P1の0.5〜1.5倍、しかも変化率(S3−S2)/S2は(P3−P2)/P2の0.5〜1.5倍としている。
【0023】
このように、溝断面積S(i)を横溝のピッチ長さP(i)毎に変化させしかも、その変化率を規制しているため、主溝の気柱共鳴を広い周波数帯域に分散・変動でき、しかも横溝に基づくパターンノイズのホワイトノイズ化に追従して作用するため、気柱共鳴をより効果的に低減し、タイヤ騒音を減少しうる。しかも溝断面積S(i)の前記変化は、ブロックの剛性を均一化し、タイヤ振動による気柱共鳴の励起を抑制しうる。
【0024】
なお前記溝断面積の変化率がピッチ長さの変化率の0.5倍より小では、気柱共鳴の低減効果が不十分となり、又1.5倍をこえると、溝形状が複雑となり、金型加工を困難とする他タイヤのユニフォミティを減じかつタイヤ外観を悪化する。
【0025】
又主溝の溝深さGDを一定とすることにより、例えば浅底部分が摩耗の際に先に摩滅・喪失して排水性及び見映えを低下するのを防止できる。
【0026】
なお主溝10としては1本以上、例えば5本程度まで形成でき、その中の少なくとも1本及び全部において溝断面積を前述のごとく変化させてもよい。
【0027】
従って本例では、前記主溝10A、10B間に、タイヤ赤道C上を通る主溝10Cを形成している。又この主溝10Cの両側に細溝20を設け、かつ主溝10A、10B間にタイヤ巾方向にのびる横溝22を横切らせることにより複数のブロックに区分するとともに、前記主溝10Cを、溝断面積がタイヤ全周に亘り一定な直線溝で形成している。なおこの主溝10Cにおいても、横溝22のピッチ長さに基づき溝断面積を夫々変化させてもよい。
【0028】
又主溝10がその両側に配される横溝と交わる場合、すなわち本例の例えば主溝10Aのごとく、主溝10Aがその両側に配される横溝11A及び横溝22と夫々交わり部を形成する場合、該主溝10Aの溝断面積S(i)は、横溝11A、22のうち広巾の横溝11Aのピッチ長さに応じて変化させることが必要である。
又前記ピッチ長さの種類nは各主溝10ごとに違えてもよい。
【0029】
(具体例)
図1の構造をなすタイヤサイズ205/65R15のタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ騒音を測定し、その結果を図6に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
なお測定は、タイヤを内圧2.0ksc、リムサイズで61/2 JJ×15で3000ccの乗用車に装着し、アスファルト路面を速度52.5km/hで走行した時の通過騒音をJASO規格(マイク位置7.5m)により測定した。
【0032】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤは叙上のごとく構成しているため、ウエット性能を維持しつつ気柱共鳴を効果的に減じ、タイヤ騒音を低減しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤの断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す展開図である。
【図3】主溝の溝断面形状を示す部分断面図である。
【図4】主溝の溝断面形状を示す部分断面図である。
【図5】主溝の溝断面形状を示す部分断面図である。
【図6】騒音試験の結果を示す線図である。
【符号の説明】
10A、10B 主溝
11A、11B 横溝
KA、KB 交わり部
【産業上の利用分野】
本発明は、特に乗用車用タイヤとして好適に使用でき、タイヤ騒音の低減化を達成する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の高性能化、高出力化に伴い、タイヤトレッドには、高速走行に適したパターン、特に円周方向にのびる主溝を基調としたブロックパターン、ブロック・リブパターンを採用し、高速走行時の安定性、制動性及びウエット性等の性能の向上が計られている。しかしこの種のパターンでは、前記主溝に基づく気柱共鳴及びブロックに基づくパターンノイズが顕著となりタイヤ騒音を増大させる。
【0003】
なお気柱共鳴は、タイヤ走行の際路面と主溝とで形成される気柱内で空気が流動して生ずる特定波長の共鳴音であって、特に800〜1250Hzの騒音の主たる音源となる。又パターンノイズは、ブロックを区分する横溝のインパクト音及び溝中の空気の圧縮・開放が横溝のピッチ長さ毎もしくはその複数次毎にパルス的振動となり、空気の粗密波として発生する。
【0004】
従来、このパターンノイズに対しては、ピッチバリエーション法が広く採用され、横溝を複数種類のピッチ長さでイレギュラーに配列し、ホワイトノイズ化することにより、最大音圧を減じかつピッチ音を感知しにくくしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
又気柱共鳴に対しては、主溝の本数、溝巾等を減ずるなどの手段が用いられているが、これらの低減は、排水性を低下しウエット性能を阻害するという問題があり、十分に満足のいく効果を得るに至っていない。
【0006】
本発明は主溝の溝断面積を横溝のピッチ長さに応じて変化させることを基本として、パターンノイズに追従して気柱共鳴を低減でき、タイヤ騒音を効果的に減じうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ円周方向に配した主溝に交わりタイヤ巾方向にのびる横溝の前記主溝と交わる交わり部間で形成されるブロックの前記主溝に面するタイヤ円周方向の長さであるピッチ長さPを、小なる順にピッチ長さP(i)(i=1〜n)とするとともに、
前記主溝は、トレッド面での溝巾を全周に亘り同巾かつ一定な溝深さとし、しかも各前記ピッチ長さP(i)の部分での主溝の溝断面積S(i)と、前記小なる順においてピッチ長さP(i)に隣り合うピッチ長さP(i+1)の部分での主溝の溝断面積S(i+1)との間の変化率{S(i+1)−S(i)}/S(i)は、前記隣り合うピッチ長さ間の変化率{P(i+1)−P(i)}/P(i)の0.5〜1.5倍とし、
かつ前記主溝の溝断面積Sは溝断面形状を違えることにより変化させたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
主溝の溝断面積を横溝のピッチ長さ毎に変化させることによって、主溝の溝巾、溝本数を維持しながら、気柱共鳴を広い周波数帯域に分散・変動させることができる。しかも溝断面積の変化率がピッチ長さの変化率に応じた比率で設定されるため、横溝に基づくパターンノイズのホワイトノイズ化に追従して気柱共鳴が低減し、より効果的にタイヤ騒音を減少しうる。
【0009】
又該溝断面積の変化は、横溝間に形成される各ブロックの剛性をタイヤ円周方向に均一化してタイヤ振動を軽減するのに役立ち、該振動による気柱共鳴の励起も抑制しうる。
【0010】
又このものは、主溝の溝巾及び溝本数の増減と両立して達成しうるため、ウエット性等の維持が可能となる。
【0011】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
図において、空気入りタイヤ1は、ビードコア2を有する一対のビード部3と、各ビード部3からタイヤ半径方向外方にのびるサイドウォール部4と、このサイドウォール部4の外端間を継ぐトレッド部5とを有し、本例ではタイヤ最大巾WTに対するタイヤ断面高さHの比である偏平率H/WTを75%以下とした乗用車用の偏平タイヤとして形成される。
【0012】
又空気入りタイヤ1には、トレッド部5からサイドウォール部4をへてビードコア2の廻りで内から外に折返されるカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部5の内方には強靭なベルト層7が巻装される。
【0013】
カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して60〜90度の角度で配列したいわゆるラジアル又はセミラジアル構造の1以上のカーカスプライからなり、カーカスコードとして、スチール、又はナイロン、レーヨン、ポリエステル等の有機繊維コードが採用される。
【0014】
ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して30度以下の角度で配列した1以上、本例では内外2枚のベルトプライ6A、6Bから形成され、各プライ6A、6Bはベルトコードがプライ間相互で交差するように向きを違えて重置している。なおベルトコードとしては、カーカスコードと同様に、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維コード及びスチール等の金属コードが用いられる。
【0015】
又トレッド部5のトレッド面Kには、図2に示すように、タイヤ円周方向にのびる主溝10と、この主溝10に交わりかつタイヤ巾方向にのびる横溝11とを含むトレッド溝が形成され、前記トレッド面Kに、ブロックパターンもしくはブロック・リブパターンを形成している。
【0016】
本例では、トレッド面Kには、タイヤ赤道Cの両側で直線状にのびる一対の主溝10A、10Bが設けられ、一方のトレッド縁eと主溝10Aとの間に、この間を横溝11Aが横切ることによってなるブロック体12Aのブロック列RAを形成するとともに、他方のトレッド縁eと主溝10Bとの間に、横溝11Bによって区分されるブロック体12Bのブロック列RBを形成している。
【0017】
なお前記主溝10A、10Bは夫々トレッド面上での溝巾GWをタイヤ全周に亘り同巾とした平行溝であって、各溝巾GWはトレッド巾TWの3%以上、しかも5mm以上とするとともに、各主溝10A、10Bの溝深さGDは同様に、タイヤ全周に亘り一定としている。
【0018】
又本例では、双方のブロック列RA、RBにおいて、前記横溝11A、11Bは、夫々イレギュラーピッチで形成されており、前記主溝10Aと各横溝11Aとの交わり部KA、及び主溝10Bと各横溝11Bとの交わり部KB間で形成されるブロックの前記主溝に面するタイヤ円周方向の長さであるピッチ長さPを、夫々異なるn種類のタイヤ円周方向のピッチ長さPで離間している。
【0019】
そして、このn種類のピッチ長さPを長さが小なる順でP(i)(i=1〜n)と表記した時、すなわちP(1)<P(2)…<P(n)と並べた時、各ピッチ長さP(i)の部分に属する主溝10A、10Bの各溝断面積S(i)は、前記ピッチ長さPの種類に応じて変化し、前記小なる順の表記において、互いに隣り合う溝断面積の変化率{S(i+1)−S(i)}/S(i)は、互いに隣り合うピッチ長さの変化率{P(i+1)−P(i)}/P(i)の0.5〜1.5倍としている。
【0020】
より具体的に説明すると、本例では、横溝11A、11Bは、夫々3種類(n=3)のピッチ長さP1、P2、P3によって例えばイレギュラー配列で、隔設している。
【0021】
又図3、図4、図5に示すように、最も小なピッチ長さP1の部分に属する主溝10A、10Bの溝断面積S1を最も小に、最も大なピッチ長さP3の部分に属する主溝10A、10Bの溝断面積S3を最も大に、又中間のピッチ長さP2の部分に属する主溝10A、10Bの溝断面積S2を前記S1とS3との中間の値に設定する。なお主溝10A、10Bは、トレッド面での溝巾GW及び溝深さGDを夫々一定としているため、各溝断面積S1、S2、S3の変化は、溝壁面14の傾斜角度αを違える手段及び溝壁面14に隆起状の突部15を設ける手段など溝断面形状を違えることによって行われる。
【0022】
又変化率(S2−S1)/S1は変化率(P2−P1)/P1の0.5〜1.5倍、しかも変化率(S3−S2)/S2は(P3−P2)/P2の0.5〜1.5倍としている。
【0023】
このように、溝断面積S(i)を横溝のピッチ長さP(i)毎に変化させしかも、その変化率を規制しているため、主溝の気柱共鳴を広い周波数帯域に分散・変動でき、しかも横溝に基づくパターンノイズのホワイトノイズ化に追従して作用するため、気柱共鳴をより効果的に低減し、タイヤ騒音を減少しうる。しかも溝断面積S(i)の前記変化は、ブロックの剛性を均一化し、タイヤ振動による気柱共鳴の励起を抑制しうる。
【0024】
なお前記溝断面積の変化率がピッチ長さの変化率の0.5倍より小では、気柱共鳴の低減効果が不十分となり、又1.5倍をこえると、溝形状が複雑となり、金型加工を困難とする他タイヤのユニフォミティを減じかつタイヤ外観を悪化する。
【0025】
又主溝の溝深さGDを一定とすることにより、例えば浅底部分が摩耗の際に先に摩滅・喪失して排水性及び見映えを低下するのを防止できる。
【0026】
なお主溝10としては1本以上、例えば5本程度まで形成でき、その中の少なくとも1本及び全部において溝断面積を前述のごとく変化させてもよい。
【0027】
従って本例では、前記主溝10A、10B間に、タイヤ赤道C上を通る主溝10Cを形成している。又この主溝10Cの両側に細溝20を設け、かつ主溝10A、10B間にタイヤ巾方向にのびる横溝22を横切らせることにより複数のブロックに区分するとともに、前記主溝10Cを、溝断面積がタイヤ全周に亘り一定な直線溝で形成している。なおこの主溝10Cにおいても、横溝22のピッチ長さに基づき溝断面積を夫々変化させてもよい。
【0028】
又主溝10がその両側に配される横溝と交わる場合、すなわち本例の例えば主溝10Aのごとく、主溝10Aがその両側に配される横溝11A及び横溝22と夫々交わり部を形成する場合、該主溝10Aの溝断面積S(i)は、横溝11A、22のうち広巾の横溝11Aのピッチ長さに応じて変化させることが必要である。
又前記ピッチ長さの種類nは各主溝10ごとに違えてもよい。
【0029】
(具体例)
図1の構造をなすタイヤサイズ205/65R15のタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ騒音を測定し、その結果を図6に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
なお測定は、タイヤを内圧2.0ksc、リムサイズで61/2 JJ×15で3000ccの乗用車に装着し、アスファルト路面を速度52.5km/hで走行した時の通過騒音をJASO規格(マイク位置7.5m)により測定した。
【0032】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤは叙上のごとく構成しているため、ウエット性能を維持しつつ気柱共鳴を効果的に減じ、タイヤ騒音を低減しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤの断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す展開図である。
【図3】主溝の溝断面形状を示す部分断面図である。
【図4】主溝の溝断面形状を示す部分断面図である。
【図5】主溝の溝断面形状を示す部分断面図である。
【図6】騒音試験の結果を示す線図である。
【符号の説明】
10A、10B 主溝
11A、11B 横溝
KA、KB 交わり部
Claims (2)
- タイヤ円周方向に配した主溝に交わりタイヤ巾方向にのびる横溝の前記主溝と交わる交わり部間で形成されるブロックの前記主溝に面するタイヤ円周方向の長さであるピッチ長さPを、小なる順にピッチ長さP(i)(i=1〜n)とするとともに、
前記主溝は、トレッド面での溝巾を全周に亘り同巾かつ一定な溝深さとし、しかも各前記ピッチ長さP(i)の部分での主溝の溝断面積S(i)と、前記小なる順においてピッチ長さP(i)に隣り合うピッチ長さP(i+1)の部分での主溝の溝断面積S(i+1)との間の変化率{S(i+1)−S(i)}/S(i)は、前記隣り合うピッチ長さ間の変化率{P(i+1)−P(i)}/P(i)の0.5〜1.5倍とし、
かつ前記主溝の溝断面積Sは溝断面形状を違えることにより変化させたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記トレッド面に、複数の主溝を設けるとともに各主溝に前記横溝を交わらせたことを特徴とした請求項1記載の空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|
JP34666893A JP3901743B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 空気入りタイヤ |
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EP94309525A EP0659592B1 (en) | 1993-12-22 | 1994-12-19 | Pneumatic tyre |
DE69402518T DE69402518T2 (de) | 1993-12-22 | 1994-12-19 | Luftreifen |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34666893A JP3901743B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
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---|---|
JPH07179103A JPH07179103A (ja) | 1995-07-18 |
JP3901743B2 true JP3901743B2 (ja) | 2007-04-04 |
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Family Applications (1)
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