JPH05155203A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH05155203A JP3350178A JP35017891A JPH05155203A JP H05155203 A JPH05155203 A JP H05155203A JP 3350178 A JP3350178 A JP 3350178A JP 35017891 A JP35017891 A JP 35017891A JP H05155203 A JPH05155203 A JP H05155203A
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    • B60—VEHICLES IN GENERAL
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    • B60C11/00—Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03—Tread patterns
    • B60C11/0318—Tread patterns irregular patterns with particular pitch sequence

Abstract

(57)【要約】 【目的】ウエットグリップ性を維持しつつタイヤ騒音を
低減した空気入りタイヤを提供する。 【構成】トレッド部にタイヤ周方向に連続して延びる複
数の縦溝を有するタイヤにおいて、該縦溝は、この縦溝
を横切り周方向の連続性を遮断するとともにタイヤ周方
向に測定した厚さが０．５mm以上２．０mm未満の少なく
とも１つの膜体を、正規リムにリム組みし正規内圧を充
填するとともに正規荷重を付加した状態での接地面に存
在させるとともに、この膜体に、排水用の切込み部を設
けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、空気入りタイヤ、特に
タイヤ騒音を低減した空気入りタイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、車両の静粛性の向上に伴い、タイ
ヤが発生する騒音の車両全体への寄与率が大となり、そ
の低減が要求され、特に８００ 以上の高周波領域にお
ける騒音の低減が望まれる。このような高い周波数領域
の主要な音源の一つに気柱共鳴による音がある。
【０００３】タイヤトレッドには、ウエットグリップを
維持するため一般にタイヤ周方向に連続する複数の縦溝
が配置される。このようなタイヤは、接地面において、
地面との縦溝とで一種の気柱を形成する。転動中のタイ
ヤトレッドの変形により、この気柱中に空気が流動し、
それによって、特定波長、すなわち、気柱の２倍の波長
の音が発生する。この現象は、気柱共鳴と呼ばれ縦溝を
有するタイヤの騒音の主たる音源となる。例えば、縦溝
の、接地長が２０cmであるとき、約９００ の音が発生
する。この音はタイヤの速度によらずほぼ一定周波数の
音となり、車内音及び車外音を増加させる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】この気柱共鳴を防止す
る手段として、特開昭６１−１１３５０４号公報には、
接地長の０．３〜０．４倍に相当する円周ピッチで縦溝
に遮蔽物を設け、気柱共鳴を防止する技術が開示されて
いる。このような縦溝内の遮蔽物は気柱共鳴を防止させ
るとはいえ、水流を妨げ縦溝本来の目的であるウエット
グリップ性能を低下させるため、前記公報には、遮蔽物
にスリットを設けることも提案している。
【０００５】しかしながら、前記提案のものは、該溝の
深さが例えば８mmであるのに対して、遮蔽物の厚さが例
えば７mm、スリットは巾１．２５mm、深さ４mm程度であ
り、遮蔽物に比してスリットが小であるため、ウエット
グリップの低下は十分に防止できず、特に近年の車両の
高性能化による高いウエットグリップ性能が望まれるこ
とと相まって、タイヤへの適用は困難と思われる。
【０００６】本発明は、ウエットグリップ性能を維持し
つつ、気柱共鳴を防止し、タイヤの騒音を低減しうる空
気入りタイヤの提供を目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部に
タイヤ周方向に連続して延びる複数の縦溝を有するタイ
ヤにおいて、該縦溝は、この縦溝を横切り周方向の連続
性を遮断するとともにタイヤ周方向に測定した厚さが
０．５mm以上２．０mm未満の少なくとも１つの膜体を、
正規リムにリム組みし正規内圧を充填するとともに正規
荷重を付加した状態での接地面に存在させるとともに、
この膜体に、排水用の切込み部を設けたことを特徴とす
る空気入りタイヤである。
【０００８】
【作用】縦溝の施された膜体によって、気柱共鳴を防止
し、タイヤ騒音を低減するとともに、膜の厚さを０．２
mm〜２．０mmとし、かつ切込み部を施すことにより、排
水性を維持し、ウエットグリップ性能の低下を防ぐこと
ができる。
【０００９】以下、本発明の一実施例を表す図面を用い
て詳述する。図１は、空気入りタイヤ１を、正規リムに
装着しかつ正規内圧を充填した標準状態における断面
図、図２はさらに正規荷重を付加したときのタイヤトレ
ッドの接地面を示し、空気入りタイヤ１は、トレッド部
２からサイドウォール部３をへてビード部４とのビード
コア５で折返すカーカス６と、前記トレッド部２の内方
かつカーカス６の外側に配したベルト層７とを具え、又
空気入りタイヤ１は、カーカス６、ベルト層７として有
機繊維コードを用いて形成した乗用車用ラジアルタイヤ
として形成される。なお、スチールコードを用いるバ
ス、トラック用等の他の車両用とすることもできる。
【００１０】トレッド部２には、本例では、タイヤ周方
向の連続して延びる３本の縦溝１０…を有するリブパタ
ーンをなす。なお縦溝１０…は３本未満乃至４本以上で
あってよい。また縦溝１０は、ジグザグ状とすること
も、直線形状を有するいわゆるストレートグルーブでも
よく、本例ではストレートグルーブとすることにより、
排水効果が高めている。
【００１１】なお縦溝１０…は、溝巾がトレッド巾の４
〜１０％、溝深さが５〜１２％程度のいわゆる主溝であ
り、他の細溝、サイピング等を設けることも、ラグ溝等
の横溝を有するリブラグタイプ、リブブロックタイプ、
さらにはブロックタイプのパターンとするのもよい。
【００１２】好ましくは全ての縦溝２に、膜体１２を配
する。膜体１２は、タイヤ周方向に測定した厚さＴが
０．２mm以上、かつ２mmよりも小の、小厚さの膜状をな
し、縦溝１０を横切り、該縦溝１０の周方向の連続性を
遮断しうる。
【００１３】この膜体１２は、各縦溝１０の各接地長Ｌ
１、Ｌ２（総称して接地長さＬという）のほぼ２倍（２
Ｌ）の波長の音が気柱共鳴により発生するのを、縦溝１
０の遮断により防止するためであり、従って、転動とと
もに移動する接地面Ｓにおいて、縦溝１０内に少なくと
も１個の前記膜体１２が常に存在するピッチ長さＰ、又
従って、接地長Ｌよりも短い周長さを隔てて設ける。な
お接地面Ｓにおいて２個の膜体１２を存在させるのもよ
いが、接地面Ｓに３個の膜体１２…が存在するときには
排水性が低下する。
【００１４】従って、トレッド面には、常に１個乃至２
個が存在し、３個が存在しないように、膜体１２の周長
さを、接地長Ｌの０．５倍より大かつ１倍より小とする
のがよい。
【００１５】さらに膜体１２…は、各溝１０…におい
て、タイヤ軸方向に整一しないように互いに周方向距離
Ｋを位置ずれさせ、分散させる。これによって、膜体１
２…が路面をたたくことにより生じるインパクト音、気
柱の共鳴音の周期を防ぎ、分散できる。
【００１６】又膜体１２には、切込み部１４を設ける。
切込み部１４とは、実質的に巾を有しない割面であっ
て、例えば刃物によるカットによって形成できる。
【００１７】又切込み部１４は、図３に示すように、本
例では膜体１２の中央において、溝底に達する深さに形
成する。
【００１８】これにより、図４に示すように、湿潤路面
をタイヤがＤの方向に回転して進行するとき、縦溝１０
内の水がＷの方向に流れる。この水流圧により、膜体１
２は切込み部１４で容易に開口し、水流を妨げることな
く排水し、ウエットグリップ性能を維持する。膜の厚さ
Ｔが、０．２mm未満では、空気の流れによっても開口
し、気柱共鳴を防止することができず、２．０mmを越え
ると水流を妨げ、ウエットグリップ性能の低下を招来す
ることが判明している。
【００１９】なお切込み部１４は、溝底まで設けること
によって、摩耗後における排水性を維持するが、図５に
示すように、溝底から溝深さＨの０．３倍をこえない程
度に溝底から離れた位置Ｐで終端しても、溝底まで実質
的に摩耗しないことによりタイヤ回転とともに排水性を
保持しうる。又そのとき図５に一点鎖線で示すように、
終端部をダ円、円形の切欠き部１５を形成することによ
って、膜体の破れを防止しかつ開口を容易とするのもよ
く、又溝底に達しているときにも、同様な切欠き部を形
成することができる。
【００２０】
【実施例】タイヤサイズ１８５／６０Ｒ１４のタイヤで
図１のトレッドパターンのタイヤを試作し、本発明の効
果を評価した。その結果を表１に示す。なお接地面Ｓの
接地長さＬは約１２０mm程度であった。
【００２１】
【表１】
【００２２】実施例、比較例のタイヤとも、３本のスト
レートグルーブを有し、溝巾、溝深さ、溝位置は同一と
した。
【００２３】騒音の評価は、無響実車実験室において、
速度６０km／ｈのときのノイズをＪＡＳＯｃ６０６の規
格に準じて測定した。ウエットグリップ性能は、排気量
１８００ｃｃの国産乗用車に各タイヤを装着し、テスト
コースウエット路面での速度５０km／ｈでフルブレーキ
ングしたときの停車距離の逆数を、比較例１００とした
ときの指数で表示した。数値が大きいほどウエットグリ
ップ性能が良好であることを表す。
【００２４】
【発明の効果】この発明によれば、縦溝の気柱共鳴によ
る騒音を低減することができ、かつ必要なウエットグリ
ップ性能を確保することができた。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のタイヤの一実施例を示す断面図であ
る。
【図２】トレッドの接地面を例示する平面図である。
【図３】膜体を詳示する斜視図である。
【図４】膜体の作用を例示する斜視図である。
【図５】膜体の他の例を示す正面図である。
【符号の説明】
２ トレッド部 １０ 縦溝 １２ 膜体 １４ 切込み部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】トレッド部にタイヤ周方向に連続して延び
    る複数の縦溝を有するタイヤにおいて、該縦溝は、この
    縦溝を横切り周方向の連続性を遮断するとともにタイヤ
    周方向に測定した厚さが０．５mm以上２．０mm未満の少
    なくとも１つの膜体を、正規リムにリム組みし正規内圧
    を充填するとともに正規荷重を付加した状態での接地面
    に存在させるとともに、この膜体に、排水用の切込み部
    を設けたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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