JP3901345B2 - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機充填剤の配合された安定化されたポリオレフィン樹脂組成物、詳しくは、特定のフェノール系抗酸化剤、高級脂肪酸のアミド系化合物またはモノグリセライド化合物、及び特定の亜リン酸エステル化合物を添加することにより、無機充填剤を配合したことによる促進劣化に対して、加工安定性、熱安定性及び樹脂着色性の改善されたポリオレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ポリエチレン、ポリプロプピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン等のポリオレフィン樹脂は優れた機械的特性を有しており、例えば、各種成形品、フィルム、繊維等の材料として用いられている。また、これらのポリオレフィン樹脂の熱酸化劣化を防止する目的で、従来から、フェノール系、チオエーテル系ホスファイトまたはホスホナイト系等の各種の抗酸化剤が用いられていた。
【0003】
また、特に、これらのポリオレフィン樹脂を各種成形品、例えば自動車部品、電機部品等に用いる場合には、引張強度、曲げ強度、剛性度、熱変形温度、寸法安定性等の改良を目的として、タルク、炭酸カルシウム等の無機充填剤を配合することが多いが、このような無機充填剤を配合したポリオレフィン樹脂は、無機充填剤を添加しない場合と比較して、その機械的物性、熱安定性等が著しく低下することが知られている。
【0004】
この原因は、無機充填剤がポリオレフィン樹脂との親和性に乏しいためであると考えられ、その表面を多価アルコールの脂肪酸エステル等で処理することあるいは無機充填剤とともに、これらを併用添加することが、例えば、特開昭52−49254号公報、特開昭52−80354号公報等に提案されている。しかし、このような化合物で無機充填剤を処理するだけでは、熱安定性の低下は防止することはできなかった。
【0005】
また、熱安定化の低下は、無機充填剤中に含まれる微量の重金属あるいは、工業部品等として使用した場合に接触する銅、鉄等の影響によるものとの考えに基づき、このような重金属による害作用を防止するために、金属不活性化剤、例えば、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、3−サリシロイルアミノトリアゾール、N,N' −ジベンジリデン(シュウ酸ジヒドラジド)、N−サリシロイル−N' サリシリデンヒドラジン、ビスサリシロイルヒドラジン、ビス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピルオニル]ヒドラジン、ドデカン二酸ビス(サリシロイルヒドラジド)、ビス[β−(3,5―ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]シュウ酸ジアミド等を各種の抗酸化剤と併用することが行われていた。
【0006】
しかしながら、抗酸化剤と金属不活性化剤との併用では、無機充填剤を配合しない場合にはある程度の効果を奏するものの、無機充填剤を配合した場合には、その効果は全く不十分であり、実用上は到底満足しえるものではなかった。
【0007】
米国特許第3553158号明細書には、このような無機充填剤の配合による熱安定性の低下は、用いられたフェノール系の抗酸化剤が無機充填剤に吸着されるためであるとの仮説が提案され、これを防止するためにフェノール系抗酸化剤と、エポキシ化合物、スルフィド化合物、ヒドロキシ化合物、エステル化合物等の極性基を有する化合物とを併用することが提案されている。また、同様な考え方に基づくものとして、特公昭55−50981号公報には、イソシアヌル酸のヒンダードフェノールエステル系抗酸化剤が無機充填剤を配合したことによる熱安定性の低下が少ないので、これとチオジプロピオン酸のエステル及び上記極性基を有する化合物とを併用することが提案され、特開平1−188543号公報には、酸化防止剤及び金属不活性剤の組み合わせに更にエポキシ化合物を添加することが提案され、特開平1−282232号公報には、フェノール系抗酸化剤とアミド化合物を併用することが提案されている。また特開平3−227338号公報には、フェノール系抗酸化剤とアミド化合物の組み合わせに更に金属不活性剤を添加することが提案されている。
【0008】
しかしながら、上記公報に記載された方法においても、熱安定性はある程度改善されるものの、その効果は不十分であるばかりでなく、樹脂組成物の着色が大きいという欠点が生ずる場合もあり、実用上は満足できるものではなかった。
【0009】
従って、本発明の目的は、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤を配合した場合においても熱安定性が著しく改善され、無機充填剤を配合しない場合と同等の優れた熱安定性を奏し、且つ加工安定性が優れ、着色の少ないポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物に、抗酸化剤として特定のフェノール化合物を用い、更にこれと高級脂肪酸のアミド系化合物またはモノグリセライド化合物、及び特定の亜リン酸エステル化合物を併用してなるポリオレフィン樹脂組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0011】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、ポリオレフィン樹脂98〜35重量%及び無機充填剤2〜65重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、(a)下記〔化3〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(1)で表されるフェノール化合物の少なくとも一種0.01〜5重量部、(b)高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物の少なくとも一種0.001〜5重量部及び(c)下記〔化4〕(前記〔化2〕と同じ)の式(2)で表される亜リン酸エステル化合物0.001〜5重量部を含有してなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
【化3】
Figure 0003901345
【0013】
【化4】
Figure 0003901345
【0014】
本発明に用いられる(a)成分である上記一般式(1)で表されるフェノール化合物、(b)成分である高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物及び(c)成分である上記式(2)で表される亜リン酸エステル化合物は、それぞれ毒性の極めて低い化合物である。このため、本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、食品包装容器等の添加剤の毒性が懸念される用途にも問題なく使用できるものである利点をも有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリオレフィン樹脂組成物について詳細に説明する。
【0016】
本発明に用いられる無機充填剤としては、一般にポリオレフィン樹脂用の充填剤として用いられているものであれば特に制限を受けず、例えば、各種金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、珪酸塩鉱物、炭化物、セラミックス等があげられ、また、これらの粒径にも特に制限を受けないが、一般には、平均粒径20μ以下、好ましくは0.05〜5μのものが用いられる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、軽質または重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、セライト、カオリン、ゼオライト、クレー、タルク、シリカ、珪藻土、けい砂、スレート粉、雲母粉、アスベスト、アルミナ、アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維、カーボンブラック、フライアッシュ、チタン酸カリ等があげられる。
【0017】
これらの無機充填剤の配合量は、ポリオレフィン樹脂と無機充填剤との合計量の2〜65重量%、好ましくは10〜50重量%となるような量で用いられる。無機充填剤の配合量が2重量%未満では、樹脂の機械的物性に十分な効果が得られず、また65重量%を超えた場合は、それ以上の効果が期待出来ず、成形品の物性が低下する。
【0018】
本発明に用いられる上記一般式(1)で表されるフェノール化合物は、抗酸化剤として用いられるものである。上記一般式(1)中、R1 で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチル基があげられる。R2 で示される残基を与えるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,6ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール等があげられる。上記フェノール化合物としては、ステアリル−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアリル−β−(3−第三ブチル−4ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサメチレンビス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4ヒドロキシ−5メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス[β−(3,5−ジ第三ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシヌレート、テトラキス[メチレン−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等があげられる。
【0019】
これらのフェノール化合物の含有量は、ポリオレフィン樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。上記フェノール化合物の含有量が、0.01重量部未満では、熱安定性に十分な効果が得られず、また5重量部を超えても、それ以上の効果が期待出来ない。
【0020】
本発明に用いられる高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物において、高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミスチルン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、リノシール酸、ベヘン酸、エルカ酸、モンタン酸等の炭素数12以上の脂肪酸があげられ、また、これらの高級脂肪酸を主体とする混合物、例えば、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸、菜種油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等の天然油脂からの脂肪酸であってもよい。
上記高級脂肪酸アミド系化合物には、下記一般式(3)で表される化合物、例えば、高級脂肪酸(アルキルまたはアルケニル)アミド及びアルキレンビス(高級脂肪酸アミド)が包含される。
R−CO−NH−R' (3)
(式中、R−CO−は上記高級脂肪酸からのアシル基を示し、R’は水素原子、アルキル基、アルケニル基または−(CH2 m −NH−CO−Rを示し、mは1〜6を示す。)
【0021】
従って、本発明に用いられる上記高級脂肪酸アミド系化合物としては、ラウリン酸アミド、ミスチリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、モンタン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、メチレンビス(ステアリン酸アミド)、エチレンビス(ミスチリン酸アミド)、エチレンビス(ステアリン酸アミド)等があげられる。
【0022】
また、本発明に用いられる上記高級脂肪酸モノグリセライド化合物は、高級脂肪酸モノグリセライドを主体とするものである。市販の高級脂肪酸モノグリセライド化合物は、モノグリセライドの他にジグリセライド及びトリグリセライドを含有するが、本発明においては、モノグリセライド成分を約50重量%以上含有するものであれば、特に精製することなくそのまま使用することができる。
【0023】
これらの高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物の含有量は、ポリオレフィン樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。上記含有量が、0.001重量部未満では、熱安定性に十分な効果が得られず、また5重量部を超えた場合は、それ以上の効果が期待出来ず、かえって物性を低下させる。
【0024】
また、これらの高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物は、合成樹脂用の滑剤として公知のものではあるが、他の滑剤、例えばワックス類、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と一価アルコールとのエステルあるいは高級脂肪酸のトリグリセライド等は熱安定性の点で改善効果を殆ど示さず、本発明に用いられる高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物の効果は極めて特異的なものである。
【0025】
本発明に用いられる亜リン酸エステル化合物は、前記式(2)で表される亜リン酸エステル化合物であり、他の周知の亜リン酸エステルと比較して熱安定性の改善効果が著しく大きいばかりでなく、毒性が極めて低い特徴を有する。
【0026】
上記亜リン酸エステル化合物の含有量は、ポリオレフィン樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。上記亜リン酸エステル化合物の含有量が、0.001重量部未満では、熱安定性に十分な効果が得られず、また5重量%を超えても、それ以上の効果が期待出来ない。
【0027】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンの単独重合体またはこれら2種以上のランダムあるいはブロック共重合体であり、具体的には高密度、中密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソブテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等があげられる。共重合体の場合には、これらのα−オレフィンと共に、共役ジエンあるいは非共役ジエンのような多不飽和モノマー、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等を共重合したものでもよい。また、これらのポリオレフィン樹脂は周知の重合方法で製造されるものであり、触媒除去工程を経たものあるいは、高活性触媒と称される塩化マグネシウムを担体として用いチーグラー型触媒を用いて製造され、触媒除去工程を経ないものであってよく、またメタロセン触媒を用いてもよい。
【0028】
また、本発明の組成物には、本発明の目的を阻止しない範囲(ポリオレフィン樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物100重量部に対して、通常5重量部以下)で、ポリオレフィン樹脂用の汎用の他の添加剤を用いることができる。これらの添加剤としては、例えば、前記一般式(1)で表されるフェノール化合物以外の他のフェノール系抗酸化剤;チオエーテル系抗酸化剤;前記式(2)で表される亜リン酸エステル化合物以外の有機ホスファイト化合物等の含燐有機安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリル乳酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム等の金属石鹸類;ハイドロタルサイト類;アルミニウム−p−第三ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ジ−p−メチルベンジリデンソルビトール、ビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム塩、2,2' −メチレンビス(4、6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム塩等の造核剤;帯電防止剤;難燃剤;顔料等を配合することができる。
【0029】
ここで、他のフェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,2' −メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2' −メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2' −エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4' −ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、4,4' −チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等があげられる。
【0030】
チオエーテル系抗酸化剤としては、ジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−チオジプロピオネート等のジアルキルチオジプロピオネート類、ペンタエリスリトールテトラ(ドデシルチオプロピオネート)等のアルキル(C=8〜18)チオプロピオン酸のエステルがあげられる。
【0031】
有機ホスファイト化合物等の含燐有機安定剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)・ビスフェノールAジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4' −ブチリデンビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタントリホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト)、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、2,2' −メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト等があげられる。
【0032】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシ
ベンゾフェノン、5,5' −メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;(2' 2−ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2' 2−ヒドロキシ−5' −第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' 5' −ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' −第三ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2' −メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2' ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3' ,5' −ジ第三ブチル−4' −ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類; 2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシ)1,3,5−トリアジン等のトリアジン系;2−エチル−2' −エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4' −ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類があげられる。
【0033】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物等があげられる。
【0034】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、例えば自動車部品、電機部品、食品包装容器等の各種成形品、フィルム、繊維等の用途に用いられる。
【0035】
【実施例】
以下に実施例によって、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0036】
実施例1及び比較例1
無機充填剤としてタルクを用いた場合の効果をみるために、次の配合物をミキサーで十分に混合し、250℃×20rpmの条件で押し出して、押し出し回数1回目及び5回目のペレットについて、JIS K 7210に従い、230℃で2.16Kg荷重にてMFI の変化を測定し、押し出し5回目/1回目の比を加工安定性として評価した。さらに押し出し回数1回目のペレットを250℃で射出成形して厚さ1mmの試験片を作成した。得られた試験片を、160℃オーブンでの黒化までの時間を熱安定性として評価した。また、試験片のオリジナルと160℃オーブンで72時間後の着色をハンター比色計で測定して色差(ΔE )により耐熱着色性を評価した。また、比較のため、タルクを配合しない場合についても同様の試験を行った。それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0037】
Figure 0003901345
【0038】
【表1】
Figure 0003901345
【0039】
実施例2及び比較例2
フェノール系抗酸化剤の種類による効果の違いをみるために、次の配合により実施例1の熱安定性試験と同様の試験を行った。その結果を下記〔表2〕に示す。
<配合> 重量部
(1)ポリプロピレン 70
(2)食添タルク 30
(3)エルカ酸アミド 0.3
(4)亜リン酸エステル化合物(前記式(2)) 0.05
(5)ジラウリルチオジプロピオネート 0.2
(6)フェノール系抗酸化剤(下記〔表2〕参照) 0.1
【0040】
【表2】
Figure 0003901345
【0041】
尚、上記〔表2〕において、比較例2−1〜2−6で用いられるフェノール系抗酸化剤は、本発明に係る前記一般式(1)で表されるフェノール化合物以外の化合物であり、比較例2−7、2−8及び実施例2−1〜2−4で用いられるフェノール系抗酸化剤は、本発明に係る前記一般式(1)で表されるフェノール化合物である。
【0042】
実施例3及び比較例3
無機充填剤としてタルクを用い、亜リン酸エステル化合物の種類を変えた場合の効果をみるために、次の配合物から実施例1と同様にして、押し出し5回目/1回目の比を加工安定性として評価した。さらに押し出し回数1回目のペレットを250℃で射出成形して厚さ1mmの試験片を作成した。得られた試験片を、160℃のオーブンでの黒化までの時間を熱安定性として評価した。また、比較のため、タルクを配合しない場合についても同様の試験を行った。それらの結果を下記〔表3〕に示す。
【0043】
Figure 0003901345
【0044】
【表3】
Figure 0003901345
【0045】
上記各例の結果から明らかなように、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤を配合した場合には、無機充填剤を配合しない場合と比較して熱安定性が著しく低下し(比較例1−1と1−3参照)、高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物等を添加しても、その改善効果は小さいものでしかなかった(比較例1−2、1−4〜1−6参照)。更に、本発明に係る特定のフェノール化合物以外のフェノール系抗酸化剤を用いた場合には、無機充填剤の配合による安定性の低下が著しい(比較例2−1と2−1、2−3と2−4、2−5と2−6それぞれ参照)。また、本発明に係る以外の亜リン酸エステル化合物と高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物等を併用しても、無機充填剤を配合した場合にはその安定化効果は著しく低下し、実用上満足できるものではなかった(比較例3−2と3−3参照)。
【0046】
これに対し、本発明に係る特定のフェノール系抗酸化剤、高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物及び本発明に係る特定の亜リン酸エステル化合物を併用添加した本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、著しく優れた熱安定性を示し、無機充填剤が配合されているにも拘わらず、無機充填剤を配合しない場合とほぼ同等の熱安定性を奏するばかりでなく、加工安定性も優れ、樹脂組成物の着色も少ないことを見出した。よって、本発明の効果が、本発明に係る上記の特定化合物の組み合わせを用いた場合にのみ奏される極めて特異的なものであることが明らかである。
【0047】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤を配合した場合においても熱安定性が著しく改善され、無機充填剤を配合しない場合と同等の優れた熱安定性を奏し、且つ加工安定性が優れ、着色の少ないものである。

Claims (1)

  1. ポリオレフィン樹脂98〜35重量%及び無機充填剤2〜65重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、(a)下記〔化1〕の一般式(1)で表されるフェノール化合物の少なくとも一種0.01〜5重量部、(b)高級脂肪酸アミド系化合物または高級脂肪酸モノグリセライド化合物の少なくとも一種0.001〜5重量部及び(c)下記〔化2〕の式(2)で表される亜リン酸エステル化合物0.001〜5重量部を含有してなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
    Figure 0003901345
    Figure 0003901345
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