JPH0925369A - 農業用フィルム組成物 - Google Patents

農業用フィルム組成物

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JPH0925369A
JPH0925369A JP19911995A JP19911995A JPH0925369A JP H0925369 A JPH0925369 A JP H0925369A JP 19911995 A JP19911995 A JP 19911995A JP 19911995 A JP19911995 A JP 19911995A JP H0925369 A JPH0925369 A JP H0925369A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性に優れた農業用フィルム組成物を提供
する。 【構成】 ポリエチレン系熱可塑性樹脂に下記式(I)
で示されるベンゾエート化合物0.001〜10重量部
とヒンダードアミン化合物0.001〜5重量部を添加
した農業用フィルム組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用フィルム組
成物に関し、詳しくは、ポリエチレン系熱可塑性樹脂に
特定のベンゾエート化合物とヒンダードアミン化合物を
添加して、耐候性の改善された、農業用フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び問題点】ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体などのポリエチレン系熱可塑性樹脂
は、優れた透明性、保温性、機械的強度からハウス、ト
ンネルなどの農業用フィルムとして広く用いられてい
る。しかし、これら樹脂は紫外線により劣化して透明性
の低下や破損により長期の使用に耐えない欠点を有して
いる。
【0003】このようなフィルムの劣化は、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、ハイドロ
タルサイト類等の添加により抑制できることが知られて
いる。例えば、特開昭63−175072号公報には、
ヒンダードアミン化合物とハイドロタルサイトの組み合
わせによる安定化が提案されている。
【0004】しかし、いずれの添加剤も安定化効果は未
だ満足のいくものではなく、特に、病害虫の駆除のため
に農薬散布や硫黄燻蒸を行った場合には、樹脂の劣化が
短期間で進行するため、更なる安定化が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる現状
に鑑み検討を進め、ポリエチレン系熱可塑性樹脂よりな
る農業用フィルムに特定のベンゾエート化合物とヒンダ
ードアミン化合物を添加することにより、耐候性に優れ
た農業用フィルム組成物が得られることを見出し、本発
明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、ポリエチレン系熱可塑
性樹脂よりなる農業用フィルムに下記式(I)で示され
るベンゾエート化合物とヒンダードアミン化合物を添加
することで、耐候性に優れた農業用フィルム組成物を提
供する。以下、本発明の農業用フィルム組成物について
詳述する。
【0007】
【化2】
【0008】本発明において用いられるポリエチレン系
熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチ
レンの他、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
プロピレン共重合体などのエチレン共重合体があげられ
る。
【0009】本発明における前記式(I)で示される特
定のベンゾエート化合物は、ポリエチレン系熱可塑性樹
脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好
ましくは0.01〜5重量部が添加される。これ以下で
は安定化効果が認められず、これ以上用いても効果はあ
まり上がらず経済的に不利になる。
【0010】本発明におけるヒンダードアミン化合物と
しては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジルステアレート、N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハ
ク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2
−ブチル−2−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルマロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジア
ミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシ
レート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカル
ボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)−ジ(トリデシル)ブタン−1,2,
3,4−テトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ジ(トリデ
シル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレー
ト、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−(トリス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキ
シカルボニル)ブチルカルボキシ)エチル〕−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−(トリス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシ
カルボニル)ブチルカルボキシ)エチル〕−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス(N−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−
N−ブチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル〕−
1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,
12−テトラキス〔4,6−ビス(N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−N−ブチル
アミノ)−s−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,
12−テトラアザドデカン、2−第三オクチルアミノ−
4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミン縮合物、1−(2−ヒドロキシエ
チル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ノール/コハク酸ジメチル縮合物、N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあ
げられる。
【0011】これらヒンダードアミン化合物は、ポリエ
チレン系熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.00
1〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部が添加さ
れる。これ以下では安定化効果が認められず、これ以上
用いても効果はあまり上がらず経済的に不利になる。
【0012】本発明の農業用フィルム組成物には、必要
に応じて、通常農業用フィルムに用いられる他の添加
剤、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止
剤、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハイド
ロタルサイト、防滴剤、造核剤、帯電防止剤、金属石
鹸、エポキシ化合物、過塩素酸塩、滑剤、改質剤、顔
料、充填剤などの何れと併用されてもよい。
【0013】上記のフェノール系酸化防止剤としては、
例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノー
ル、ステアリル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホ
スホネート、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−
アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベン
ジル)フェノール、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、
3,5−ジオキサオクタン−1,8−ジイルビス(3−
第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート)、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2
−((3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)プロピオニルオキシエチル)〕−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、4,
4’−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三
ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エ
チル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリ
デンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,
2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチ
ルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(2−第三
ブチル−5−メチルフェノール)、ビス〔2−第三ブチ
ル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチ
ル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イ
ソシアヌレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチ
ル−3−ヒドロキシ−5−第三ブチルベンジル)イソシ
アヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチ
ルベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン等があげられる。
【0014】上記のリン系酸化防止剤としては、例え
ば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,
4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2
−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホ
スファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェ
ニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファ
イト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ
第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テト
ラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホス
ファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチ
リデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)
ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチル
フェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,
4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイ
ト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(2−
〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ
〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−
イル)オキシ〕エチル)アミンなどが挙げられる。
【0015】上記のチオエーテル系酸化防止剤として
は、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリス
チル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネー
ト化合物、及びテトラキス〔メチレン(3−ドデシルチ
オ)プロピオネート〕メタン等のポリオールのβ−アル
キルメルカプトプロピオン酸エステル化合物があげられ
る。
【0016】また、上記の紫外線吸収剤としては、例え
ば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビ
ス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等
の2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物;2−(2−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,
5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−
メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボオク
トキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス
(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノー
ル)等の2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール化
合物;2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4
−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス
(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ
−4−オクトキシフェニル)−s−トリアジン等のトリ
アジン化合物;フェニルサリシレート、レゾルシンモノ
ベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサ
デシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エート等のベンゾエート化合物;2−エチル−2’−エ
トキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオ
キザニリド等の置換オキザニリド化合物;エチル−α−
シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−α
−シアノ−β−メチル−β−(p−メトキシフェニル)
アクリレート等のシアノアクリレート化合物があげられ
る。
【0017】また、上記のハイドロタルサイト類として
は、天然物でも合成品でもよく、下記一般式(II)で
示される組成のものが好ましく、結晶水の有無や表面処
理の有無によらず用いることができる。また、粒径はと
くに限定されるものではないが、ハイドロタルサイトと
しての特性を失わない範囲で小さいことが望ましい。粒
径が大きいと分散性が低下して安定化効果が小さくな
り、さらに、得られる樹脂組成物の機械的強度や透明性
などの物性を低下させることになる。
【0018】 ZnxMgyAl2(OH)2(x+y+2)CO3・nH2O (II) (式中、xは0〜3を示し、yは1〜6を示し、また、
x+yは4〜6を示す。nは0〜10を示す。)
【0019】上記造核剤としては、ソルビトール類、ビ
ス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートアルカリ金
属塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチル
フェニル)ホスフェートアルカリ金属塩、アルミニウム
ビス(4−第三ブチルベンゾエート)、アミノ酸金属塩
等があげられる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、本発明の組成物を構成
するベンゾエート化合物とヒンダードアミン化合物の
他、必要に応じて上記その他の配合成分をポリエチレン
系熱可塑性樹脂に添加するものであり、その添加方法に
は特に制限を受けず、各添加剤を各々別個にポリエチレ
ン系熱可塑性樹脂に添加する方法、各添加剤を混合物と
してポリエチレン系熱可塑性樹脂に添加する方法あるい
はマスターバッチと称される予め添加剤を高濃度に含有
する熱可塑性樹脂組成物を調製し、それをポリエチレン
系熱可塑性樹脂に添加する方法のいずれでも採用するこ
とができる。
【0021】本発明の農業用フィルム組成物を用いて農
業用フィルムを製造する方法は、特に限定されず、公知
の成形方法、例えばT−ダイによる押出成形方法、イン
フレーション成形方法などがそのまま採用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によっ
て制限を受けるものではない。
【0023】(実施例1)低密度ポリエチレン(三菱化
学(株)社製:YK−30)100重量部に対して、グ
リセリンモノステアレート0.8重量部、式(I)で表
されるベンゾエート化合物である2,4−ジ第三アミル
フェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベン
ゾエート0.3重量部および表−1記載のヒンダードア
ミン光安定剤を加え、らいかい機で混合した。その後、
220℃でのT−ダイ押し出し加工を行い、50μm厚
のフィルムを得た。得られたフィルムを83℃のサンシ
ャインウェザオメーター240時間後および480時間
後のカルボニルインデックスにより耐候性を評価した。
結果を表−1に示す。
【0024】前記カルボニルインデックスはフィルムの
赤外線吸収スペクトル分析データを用いて[log(I
0/I)]/dで定義される。ここでI0は1710cm
-1でのカルボニル基が生成していない場合の透過率
(%)であり、Iは1710cm-1での劣化後の透過率
(%)であり、dはフィルムの厚み(cm)である。
【0025】(比較例1)ヒンダードアミン化合物およ
び2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゾエートを表1に記載のように
変えた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表
−1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2および比較例2:硫黄燻蒸処理
に対する安定性)低密度ポリエチレン重合体(YK−3
0)100重量部に対して、ビス(2,6−ジ第三ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト0.05重量部および表−2に記載したヒンダ
ードアミン化合物とベンゾエート類を加え、らいかい機
で混合した。その後、220℃でのT−ダイ押し出し加
工により50μm厚のフィルムを得た。
【0028】このフィルムを100リットルの容器中に
入れ、硫黄3gをホットプレートにより燻蒸して1時間
処理した。
【0029】硫黄燻蒸処理したフィルムを、63℃のキ
セノンウェザオメーター中240時間後および360時
間後のカルボニルインデックスにより耐候性を評価し
た。その結果を表−2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1より明らかなごとく、ベンゾエー
ト化合物およびヒンダードアミン化合物の単独使用で
は、ポリエチレン系樹脂の耐候安定性を改善しているも
のの満足のいくものではなく、また、ベンゾエート化合
物は、TAおよびTBの2種類とも同程度の安定化効果
を示している。また、本発明の特定のベンゾエート化合
物(TA)以外のベンゾエート化合物(TB)とヒンダ
ードアミン化合物の併用では相加的な効果しか認められ
ていない。
【0032】これに対して実施例1より明らかなごと
く、本発明の特定のベンゾエート化合物(TA)とヒン
ダードアミン化合物を併用添加すると、類似のベンゾエ
ート化合物(例えばTB)とヒンダードアミン化合物を
併用添加した場合に比較して、期待される以上の大幅な
安定化効果が認められる。
【0033】また、硫黄燻蒸処理を施した場合には、比
較例2ではヒンダードアミン化合物による安定化効果は
ほとんど認められず、ベンゾエート化合物の安定化効果
も小さくなり、ヒンダードアミン化合物とベンゾエート
化合物(TB)の併用においては相加効果しか認められ
ないが、実施例2より本発明の特定のベンゾエート化合
物(TA)はヒンダードアミン化合物と相乗効果を示す
ことは明白である。
【0034】
【発明の効果】ポリエチレン系熱可塑性樹脂に特定のベ
ンゾエート化合物とヒンダードアミン化合物を添加する
ことで、耐候性に優れた農業用フィルム組成物を提供で
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系熱可塑性樹脂に下記式
    (I)で示されるベンゾエート化合物0.001〜10
    重量部とヒンダードアミン化合物0.001〜5重量部
    を添加した農業用フィルム組成物。 【化1】
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