JP3897272B2 - 画像解析装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、画像解析装置に関するものであり、さらに詳細には、習熟していないユーザーであっても、濃度プロファイル中に、所望のように、複数の関心領域を画定して、定量解析を実行することのできる画像解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線が照射されると、放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用いて、被写体を透過した放射線のエネルギーを、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波により、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、放射線画像を生成するように構成された放射線診断システムが知られている(たとえば、特開昭55−12429号公報、同55−116340号公報、同55−163472号公報、同56−11395号公報、同56−104645号公報など。)。
【0003】
また、同様な輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この試料を、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギーを輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を生成するように構成されたオートラジオグラフィシステムが知られている(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0004】
さらに、光が照射されると、そのエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、核酸配列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触して、化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄積性蛍光体シートに設けられた輝尽性蛍光体層に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波により、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、放射線画像を再生して、遺伝子情報などの高分子に関する情報を得るようにした化学発光検出システムが知られている(たとえば、米国特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第2,246,197Aなど。)。
【0005】
また、電子線あるいは放射線が照射されると、電子線あるいは放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された電子線あるいは放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、電子線あるいは放射線の検出材料として用い、金属あるいは非金属試料などに電子線を照射し、試料の回折像あるいは透過像などを検出して、元素分析、試料の組成解析、試料の構造解析などをおこなったり、生物体組織に電子線を照射して、生物体組織の画像を検出する電子顕微鏡による検出システムや、放射線を試料に照射し、得られた放射線回折像を検出して、試料の構造解析などをおこなう放射線回折画像検出システムなどが知られている(たとえば、特開昭61−51738号公報、特開昭61−93538号公報、特開昭59−15843号公報など)。
【0006】
これらの蓄積性蛍光体シートを画像の検出材料として使用するシステムは、写真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施すことにより、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0007】
他方、オートラジオグラフィシステムにおける放射性標識物質に代えて、蛍光物質を標識物質として使用した蛍光検出(fluorescence) システムが知られてる。このシステムによれば、蛍光画像の読み取ることによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえば、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation) し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAを分布を検出したりすることができる。さらに、標識物質により標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光検出システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという利点がある。
【0008】
定量解析をおこなうため、これらのシステムに使用される画像解析装置は、得られた画像中の特定の画像領域の濃度プロファイルを生成し、CRTなどの表示手段上に表示することができるように構成されている。
【0009】
すなわち、電気泳動法によってDNAの塩基配列を決定するには、目的とする遺伝子を含むDNA断片を含む複数の試料を、ゲル支持媒体上に、等間隔で、滴下して、電気泳動をおこなうことにより、分離展開し、アルカリ処理により変性して、一本鎖のDNAとした後、公知のサザン・ブロット・ハイブリダイゼーション法により、フイルタ上に固定し、目的とする遺伝子のDNAと相補的な標識化されたDNAあるいはRNAとハイブリダイズさせて、目的とする遺伝子を含むDNA断片に標識を付与し、標識物質の分布を画像化して、DNAの塩基配列を決定するようにしている。このとき、分子量の小さいDNAほど、電気泳動による移動量が大きいため、各試料に対応する画像は、一次元的に、すなわち、レーン状に展開されたものとなり、電気泳動により得られる画像は、複数の等間隔で互いに平行なレーン状の画像を含んでいる。電気泳動法によりDNAの塩基配列を決定する場合には、こうして得られた画像中のレーン状の画像領域の濃度プロファイルを求めることが必要とされる。
【0010】
また、薬物代謝研究の分野において、しばしば用いられている薄層クロマトグラフィー(TLC:Thin Layer Chromatography)においては、実験動物に標識物質で標識した薬物を投与し、その薬物が体内で変化した場合の成分を分析するため、薬物投与後、所定時間経過毎に、実験動物の特定の部位より採取した尿、血液、組織などの試料に所定の処理を施し、それを、ガラス板の上にシリカゲルの粉を塗布したTLCプレート上の所定の位置に、等間隔で、滴下し、これを展開溶媒に浸して、クロマトグラフィー展開して、TLCプレート上に、試料中の成分ごとに分離されたスポットが形成している。その結果、所定時間毎に採取した試料は、一次元的に、すなわち、レーン状に展開されるため、得られる画像は、複数の等間隔で互いに平行なレーン状の画像を含むものとなる。この場合にも、たとえば、時間的に、どのように薬物が代謝されたかを知るために、こうして得られた画像中のレーン状の画像領域の濃度プロファイルを求めることが必要とされる。
【0011】
このようにして、画像の定量解析にあたっては、表示手段上に表示された濃度プロファイル中に関心領域を設定して、関心領域内の画素濃度の積算値を求めることもしばしば必要とされ、したがって、これらのシステムに使用される画像解析装置は、表示手段上に表示された濃度プロファイル中の任意の領域を関心領域として画定することができるように構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、表示手段上に表示された濃度プロファイル中の任意の領域を関心領域として画定可能に構成されていると、任意の領域を定量解析することが可能になり便利であるが、その反面、ある画素が二以上の関心領域に含まれるということがあり得るため、以下のような問題があった。
【0013】
すなわち、薄層クロマトグラフィーの分野においては、ガラス板上に形成したシリカゲルの層に、薬物を滴下して、溶媒により、クロマトグラフィー展開をさせ、その後に、シリカゲルを掻き取って、各シリカゲルの断片毎に、溶媒に溶解して、液体シンチレーションカウンタによって、定量解析をするという解析手法が知られており、かかる定量解析においては、シリカゲルを掻き取って、シリカゲル断片とすることにより、互いに連続的に隣接する領域が関心領域として画定し、定量解析がなされているが、蓄積性蛍光体シートを画像の検出材料として使用して、生成した画像に対して、かかる定量解析を実行する場合には、シリカゲル断片を掻き取る代わりに、表示手段上に表示された濃度プロファイル中に、互いに連続的に隣接する領域を関心領域として画定し、定量解析をする必要がある。しかしながら、従来の画像解析装置にあっては、表示手段上に表示された濃度プロファイル中の任意の領域を関心領域として画定可能に構成されているため、かかる定量解析を実行する際は、ユーザーが表示手段に表示された画像を観察しながら、マウスにより、すでに画定された領域に隣接する画素を指定し、画定すべき関心領域の終点まで、マウスをドラッグして、ある画素が二以上の関心領域に含まれることがないように、関心領域を画定せざるを得ず、きわめて煩雑であり、また、習熟していないユーザーにとっては、所望のように、関心領域を画定することが困難であった。
【0014】
したがって、本発明は、習熟していないユーザーであっても、濃度プロファイル中に、所望のように、複数の関心領域を画定して、定量解析を実行することのできる画像解析装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、画像データを記憶する画像データ記憶手段と、該画像データ記憶手段に記憶された画像データの少なくとも一部を、二次元的に展開して、一時的に記憶する画像データメモリ手段と、指示信号を入力する入力手段を備え、前記画像データメモリ手段に一時的に記憶された画像データに基づき、画像を表示手段に表示させるとともに、定量解析する画像解析装置において、前記画像データメモリ手段に一時的に記憶された画像データに基づき、所定の画像領域の濃度のプロファイルデータを生成して、前記画像データメモリ手段に記憶させるプロファイルデータ生成手段と、前記入力手段によって入力された指示信号にしたがって、前記プロファイルデータ生成手段によって生成され、前記画像データメモリ手段に記憶されたプロファイルデータに基づいて、前記表示手段に表示された濃度プロファイル中に、関心領域を設定可能な関心領域設定手段とを備え、前記関心領域設定手段が、前記入力手段から、新たに関心領域の設定が指示されたとき、すでに設定されている関心領域が1つの場合は、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置していないときは、入力された指示信号にしたがって、新たに設定する関心領域の他方の端点を設定するとともに、新たに設定する関心領域を、入力された新たに設定する関心領域の一方の端点の座標値にかかわらず、すでに設定されている前記関心領域に連続的に隣接して設定するように構成された画像解析装置によって達成される。
【0016】
本発明によれば、入力手段から、新たに関心領域の設定が指示されたとき、すでに設定されている関心領域が1つの場合は、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている関心領域内に位置していないときは、関心領域設定手段が、入力された指示信号にしたがって、新たに設定する関心領域の他方の端点を設定するとともに、新たに設定する関心領域を、入力された新たに設定する関心領域の一方の端点の座標値にかかわらず、すでに設定されている関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されているから、ユーザーが、マウスにより、慎重に、すでに画定された領域に隣接する画素を指定し、画定すべき関心領域の終点まで、マウスをドラッグして、新たな関心領域を画定する必要がなく、細心の注意を払うことなく、容易に、関心領域を連続的に隣接して設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、関心領域を連続的に隣接して設定することが可能となる。
【0017】
本発明の好ましい実施態様においては、新たに設定する前記関心領域の一方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置していない場合に、前記関心領域設定手段が、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の一方の端点の座標値を、すでに設定されている前記関心領域の両端点の座標値と比較して、新たに設定する前記関心領域を、すでに設定された前記関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されている。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、新たに設定する前記関心領域の一方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置していない場合に、前記関心領域設定手段が、入力された指示信号にしたがって、新たに設定する関心領域の前記他方の端点の座標値を設定するとともに、新たに設定する前記関心領域の前記一方の端点が、すでに設定されている前記関心領域内に位置しているときは、新たに設定する前記関心領域の前記一方の端点の座標値XSを、すでに設定されている前記関心領域の他方の端点の座標値YTに基づき、YT+1に設定し、新たに設定する前記関心領域の前記他方の端点が、すでに設定されている前記関心領域内に位置しているときは、新たに設定する前記関心領域の前記他方の端点の座標値XTを、すでに設定されている前記関心領域の一方の端点の座標値YSに基づき、YS−1に設定するように構成されている。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、ユーザーが、マウスによって、細心の注意を払って、すでに画定されている領域に隣接する画素を指定し、画定すべき関心領域の終点まで、マウスをドラッグして、新たに、関心領域を画定しなくても、容易に、新たな関心領域をすでに画定されている領域に連続的に隣接して設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、関心領域を連続的に隣接して設定することが可能となる。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域の2つの端点の双方が、すでに設定されている前記関心領域内にも位置しておらず、かつ、新たに設定する前記関心領域がすでに設定されている前記関心領域を含んでいないときは、前記入力手段により入力された新たに設定する前記関心領域の前記2つの端点の座標値にしたがって、新たに設定する前記関心領域を設定するように構成されている。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、関心領域設定手段が、新たに設定する関心領域の2つの端点の双方が、すでに設定されている関心領域内にも位置しておらず、かつ、新たに設定する関心領域がすでに設定されている関心領域を含んでいないときは、入力手段により入力された新たに設定する関心領域の2つの端点の座標値にしたがって、新たに設定する関心領域を設定するように構成されているから、ユーザーが、新たな関心領域を、すでに設定されている関心領域から離間して設定することを希望しているときは、新たに設定する関心領域の2つの端点の双方が、すでに設定されているいずれの関心領域内にも位置せず、かつ、新たに設定する関心領域がすでに設定されているいずれの関心領域も含まないように、新たな関心領域の設定を指示するだけで、簡易に、ユーザーの希望どおりに、表示手段に表示された濃度プロファイル中に、複数の関心領域を設定することが可能になる。
【0022】
本発明の好ましい実施態様においては、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、さらに、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されているいずれかの関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されているいずれの関心領域内にも位置していないときは、前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域を、新たに設定する前記関心領域の一方の端点がその関心領域内に位置しているすでに設定されている前記関心領域に連続的に隣接し、新たに設定する前記関心領域の他方の端点が前記入力手段により入力された新たに設定する前記関心領域の前記他方の端点の座標値に等しくなるように、設定するように構成されている。
【0023】
本発明の好ましい実施態様によれば、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、さらに、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されているいずれかの関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されているいずれの関心領域内にも位置していないときは、関心領域設定手段が、新たに設定する関心領域を、新たに設定する関心領域の一方の端点がその関心領域内に位置しているすでに設定されている関心領域に連続的に隣接し、新たに設定する関心領域の他方の端点が入力手段により入力された新たに設定する関心領域の他方の端点の座標値に等しくなるように、設定するように構成されているから、ユーザーが、マウスによって、細心の注意を払って、すでに画定されている領域に隣接する画素を指定し、画定すべき関心領域の終点まで、マウスをドラッグして、新たに、関心領域を画定しなくても、容易に、新たな関心領域をすでに画定されている領域に連続的に隣接して設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、濃度プロファイル中に、複数の関心領域を連続的に隣接して設定することが可能となる。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されているいずれかの関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されているいずれの関心領域内にも位置していない場合に、前記関心領域設定手段が、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の一方の端点の座標値を、新たに設定する前記関心領域の一方の端点がその関心領域内に位置しているすでに設定されている前記関心領域の両端点の座標値と比較して、新たに設定する前記関心領域を、すでに設定された前記関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されている。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置しているときは、前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域を、その一方の端点が前記第一の関心領域に連続的に隣接し、かつ、その他方の端点が前記第二の関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されている。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置しているときは、関心領域設定手段が、新たに設定する関心領域を、その一方の端点が第一の関心領域に連続的に隣接し、かつ、その他方の端点が第二の関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されているから、ユーザーが、マウスによって、細心の注意を払って、すでに画定されている第一の関心領域および第二の関心領域に隣接する画素を指定して、新たに、関心領域を画定しなくても、容易に、新たな関心領域をすでに画定されている第一の関心領域および第二の関心領域に連続的に隣接して設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、濃度プロファイル中に、新たな関心領域を、すでに設定されている複数の関心領域に連続的に隣接して設定することが可能となる。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置している場合に、前記関心領域設定手段が、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の一方の端点の座標値を、前記第一の関心領域の両端点の座標値と比較するとともに、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の他方の端点の座標値を、前記第二の関心領域の両端点の座標値と比較して、新たに設定する前記関心領域を、前記第一の関心領域および前記第二の関心領域に、連続的に隣接して設定するように構成されている。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置している場合に、前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域の前記一方の端点の座標値XSを、前記第一の関心領域の他方の端点の座標値YTに基づき、YT+1に設定し、新たに設定する前記関心領域の前記他方の端点の座標値XTを、前記第二の関心領域の一方の端点の座標値YSに基づき、YS−1に設定するように構成されている。
【0029】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置している場合に、関心領域設定手段が、新たに設定する関心領域の一方の端点の座標値XSを、第一の関心領域の他方の端点の座標値YTに基づき、YT+1に設定し、新たに設定する関心領域の他方の端点の座標値XTを、第二の関心領域の一方の端点の座標値YSに基づき、YS−1に設定するように構成されているから、ユーザーが、マウスによって、細心の注意を払って、すでに画定されている第一の関心領域および第二の関心領域に隣接する画素を指定して、新たに、関心領域を画定しなくても、容易に、新たな関心領域をすでに画定されている第一の関心領域および第二の関心領域に連続的に隣接して設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、濃度プロファイル中に、新たな関心領域を、すでに設定されている複数の関心領域に連続的に隣接して設定することが可能となる。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、新たに設定する関心領域が、すでに設定されている関心領域を含んでいるときは、前記関心領域設定手段が、新たな関心領域の設定が不可能であると判定して、再設定信号を出力させるように構成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、ユーザーが、マウスの操作を誤った場合に、ユーザーの誤った指示にしたがって、好ましくない関心領域が設定されることを防止するとともに、ユーザーに警告を与えることが可能になる。
【0031】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、新たに設定する関心領域が、すでに設定されている関心領域に含まれているときは、前記関心領域設定手段が、新たな関心領域の設定が不可能であると判定して、再設定信号を出力させるように構成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、ユーザーが、マウスの操作を誤った場合に、ユーザーの誤った指示にしたがって、好ましくない関心領域が設定されることを防止するとともに、ユーザーに警告を与えることが可能になる。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて生成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記画像データが、オートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像データ、電子顕微鏡画像データ、化学発光画像データおよび蛍光画像データよりなる群から選ばれる画像データにより構成されている。
【0033】
本発明において、オートラジオグラフィ画像、放射線回折画像または電子顕微鏡画像を生成するために使用することのできる輝尽性蛍光体としては、放射線または電子線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している放射線または電子線のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光によって励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開昭55−12145号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1-x,M2+x )FX:yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、He、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1である。)、特開昭60−101179号公報および同60−90288号公報に開示されたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および特開昭59−75200号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMI X’・bM'II X''2 ・cMIII X''' 3 ・xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、MI はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元素、MIII はAl、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10-2、cは、0≦c≦10-2で、かつ、a+b+c≧10-2であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得る。
【0034】
本発明において、化学発光画像を生成するために、使用することのできる輝尽性蛍光体としては、可視光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している可視光波長域の光のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光によって励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開平4−232864号公報に開示された金属ハロリン酸塩系蛍光体、希土類元素付活蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体が、好ましく使用し得る。
【0035】
【発明の好ましい実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明にかかる好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置によって解析すべき画像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜視図である。
【0036】
図1において、蓄積性蛍光体シート1には、試料(図示せず)に含まれる放射性標識物質の位置情報が、放射線エネルギーの形で、蓄積されている。ここに、放射性標識物質の位置情報とは、試料中における放射性標識物質もしくはその集合体の位置を中心とした各種の情報、たとえば、試料中に存在する放射性標識物質の集合体の存在位置と形状、その位置における放射性標識物質の濃度、分布などからなる情報の一つもしくは任意の組み合わせとして得られる各種の情報を意味するものである。
【0037】
本実施態様においては、薄層クロマトグラフィー(TLC)法を利用した放射性標識された薬物代謝物質の一次元展開により得られる試料のオートラジオグラフィ画像が、蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録されている。
【0038】
こうして試料中の放射性標識物質の位置情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート1を、レーザ光2により、走査して、励起し、輝尽光を発生させる。
【0039】
レーザ光2は、レーザ光源3により発生され、フィルタ4を通過することにより、レーザ光2による励起によって蓄積性蛍光体シート1から発生する輝尽光の波長領域に対応する波長領域の部分がカットされる。次いで、レーザ光2は、ビーム・エクスパンダ5により、そのビーム径が正確に調整され、ガルバノミラー等の光偏向器6に入射する。光偏向器6によって偏向されたレーザ光2は、fθレンズ7を介して、平面反射鏡8により反射され、蓄積性蛍光体シート1上に、一次元的に入射する。fθレンズ7は、蓄積性蛍光体シート1上を、レーザ光2によって走査するときに、つねに、均一のビーム速度で、走査がなされることを保証するものである。
【0040】
このようなレーザ光2による走査と同期して、蓄積性蛍光体シート1は、図1において、矢印の方向に移動され、その全面が、レーザ光2によって走査されるようになっている。
蓄積性蛍光体シート1は、レーザ光2が照射されると、蓄積記録していた放射線エネルギーに比例する光量の輝尽光を発光し、発光した輝尽光は、導光性シート9に入射する。
【0041】
導光性シート9は、その受光端部が直線状をなし、蓄積性蛍光体シート1上の走査線に対向するように近接して配置され、また、その射出端部は、円環状をなし、フォトマルチプライアなどの光電変換型の光検出器10の受光面に接続されている。この導光性シート9は、アクリル系合成樹脂などの透明な熱可塑性樹脂シートを加工して作られており、受光端部から入射した光が、その内面で、全反射を繰り返しながら、射出端部を経て、光検出器10の受光面に伝達されるように、その形状が定められている。
【0042】
したがって、レーザ光2の照射に応じて、蓄積性蛍光体シート1から発光した輝尽光は、導光性シート9に入射し、その内部で、全反射を繰り返しながら、射出端部を経て、光検出器10によって受光される。
光検出器10の受光面には、蓄積性蛍光体シート1から発光される輝尽光の波長領域の光のみを透過し、レーザ光2の波長領域の光をカットするフィルタが貼着されており、光検出器10は、蓄積性蛍光体シート1から発光された輝尽光のみを光電的に検出するように構成されている。
【0043】
光検出器10によって光電的に検出された輝尽光は、電気信号に変換され、所定の増幅率を有する増幅器11によって、所定のレベルの電気信号に増幅された後、A/D変換器12に入力される。電気信号は、A/D変換器12において、信号変動幅に適したスケールファクタで、ディジタル信号に変換され、ラインバッファ13に入力される。ラインバッファ13は、走査線1列分の画像データを一時的に記憶するものであり、以上のようにして、走査線1列分の画像データが記憶されると、そのデータを、ラインバッファ13の容量よりもより大きな容量を有する送信バッファ14に出力し、送信バッファ14は、所定の容量の画像データが記憶されると、画像データを、オートラジオグラフィ画像解析装置に出力するように構成されている。
【0044】
図2は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置および画像読み取り装置のブロックダイアグラムである。
図2において、オートラジオグラフィ画像解析装置30は、蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録され、画像読み取り装置20により読み取られて、ディジタル信号に変換された試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを受け、濃度、色調、コントラストなどが適正で、観察解析特性に優れた可視画像を再生し得るように、データ処理を施すデータ処理手段60と、画像読み取り装置20からデータ処理手段60に入力され、データ処理が施された画像データを記憶する画像データ記憶手段40と、試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを画像として再生するCRT50を備えている。
【0045】
画像読み取り装置20の送信バッファ14に、一時的に記憶された画像データは、オートラジオグラフィ画像解析装置30のデータ処理手段60の受信バッファ62に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段40の画像データ一時記憶部41に出力され、記憶される。このようにして、画像読み取り装置20の送信バッファ14から、データ処理手段60の受信バッファ62に送られ、一時的に記憶された画像データは、さらに、受信バッファ62から、画像データ記憶手段40の画像データ一時記憶部41に送られて、記憶される。こうして、蓄積性蛍光体シート1の全面を、レーザ光2によって走査して得られた画像データが、画像データ記憶手段40の画像データ一時記憶部41に記憶されると、データ処理手段60のデータ処理部64は、画像データ一時記憶部41から画像データを読み出し、データ処理手段60の一時メモリ66に記憶して、必要なデータ処理を施した後、このような画像データのみを、画像データ記憶手段40の画像データ記憶部42に記憶させる。しかる後、データ処理部64は、画像データ一時記憶部41に記憶されている画像データを消去する。
【0046】
画像データ記憶手段40の画像データ記憶部42に記憶された画像データは、操作者が、画像を観察解析するために、データ処理部64によって、読み出されて、CRT50の画面上に表示されるようになっている。
【0047】
図3は、データ処理手段60のブロックダイアグラムである。図3において、データ処理手段60は、画像読み取り装置20の送信バッファ14から、画像データを受け取る受信バッファ62、データ処理を実行するデータ処理部64および画像データを一時的に記憶する一時メモリ66を備えている。一時メモリ66は、画像データを、二次元的に展開して、一時的に記憶するように構成されている。
【0048】
データ処理手段60は、さらに、一時メモリ66に一時的に記憶された画像データの中から、画像データの一部を選択する画像データ選択部68と、画像データ選択部68により選択された画像データを拡大あるいは縮小する画像データ拡大/縮小部70と、画像データ拡大/縮小部70により拡大あるいは縮小された画像データを、二次元的に展開して、一時的に記憶する拡大/縮小画像データ記憶部72と、CRT50の画面上に表示すべき種々の図形データを記憶する図形データ記憶部74と、図形データ記憶部74に記憶された図形データの中から、所定の図形データを選択し、拡大/縮小画像データ記憶部72に、二次元的に展開されて、一時的に記憶された画像データに重ね合わせるために、位置およびサイズを指定する図形データ設定部76と、拡大/縮小画像データ記憶部72に一時的に記憶された画像データと、図形データ設定部76によって選択され、CRT50の画面上に表示すべき図形データとを合成するデータ合成部78と、データ合成部78によって合成された画像データおよび図形データを、二次元的に展開して、一時的に記憶する合成データ記憶部80と、合成データ記憶部80に一時的に記憶された画像データおよび図形データの中から、所定のデータ領域を選択するデータ領域選択部82と、データ領域選択部82によって選択された画像データおよび図形データのデータ領域内のデータを、二次元的に展開して、一時的に記憶するウインドメモリ84と、ウインドメモリ84内に生成された所定の図形によって囲まれた画像データの画像の濃度に対応する濃度プロファイルデータを生成し、ウインドメモリ84に書き込み可能なプロファイルデータ生成部86と、ウインドメモリ84に書き込まれた濃度プロファイルデータに基づき、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイル中に関心領域を設定する関心領域設定部88と、ウインドメモリ84に記憶された画像データ、図形データおよびプロファイルデータに基づいて、画像、図形および濃度プロファイルを、CRT50の画面上に表示する画像表示部92を備えている。
【0049】
画像データ選択部68には、選択画像データ決定手段100からの画像データ選択信号が入力され、画像データ拡大/縮小部70には、画像データ倍率決定手段102からの拡大/縮小信号が入力される。さらに、図形データ設定部76には、図形データ表示手段104からの図形データ表示信号が入力され、データ合成部78には、データ合成指示手段106から、どの図形データを選択し、どのように、画像データと図形データを合成して、CRT50の画面上に表示するかを決定するデータ合成信号が入力される。また、データ領域選択部82には、データ領域指定手段108からのデータ領域指定信号が入力され、プロファイルデータ生成部86には、プロファイルデータ生成指示手段110からのプロファイルデータ生成信号が入力される。さらに、関心領域設定部88には、関心領域設定指示手段114からの関心領域設定指示信号が入力される。また、画像表示部92には、画像表示指示手段116からの画像表示指示信号が入力される。
【0050】
ここに、本実施態様においては、選択画像データ決定手段100、画像データ倍率決定手段102、図形データ表示手段104、データ合成指示手段106、データ領域指定手段108、プロファイルデータ生成指示手段110、関心領域設定指示手段114および画像表示指示手段116は、マウス(図示せず)によって操作可能に構成されている。
【0051】
以上のように構成された本発明の実施態様にかかる画像解析装置は、以下のようにして、画像データ記憶手段40に記憶された画像データおよび図形データ記憶手段74に記憶された図形データに基づいて、画像とともに、所望の図形を、CRT50の画面上に表示する。
【0052】
まず、画像データ記憶部42に記憶された画像データが、一時メモリ66に、二次元的に展開されて、記憶される。次いで、選択画像データ決定手段90が操作されて、一時メモリ66に二次元的に展開されて、記憶された画像データの一部が選択され、画像データ選択部68に、二次元的に展開されて、記憶される。その後、画像データ選択部68に二次元的に展開されて、記憶された画像データは、拡大も縮小もされることなく、拡大/縮小画像データ記憶部72に、二次元的に展開されて、記憶され、さらに、図形データが合成されることなく、合成データ記憶部82に、二次元的に展開されて、記憶される。合成データ記憶部82に二次元的に展開されて、記憶された画像データは、ウインドメモリ84に、二次元的に展開されて、記憶され、画像表示指示手段100が操作されることによって、CRT50の画面上に、画像として表示される。
【0053】
操作者は、CRT50の画面上に表示された画像を観察し、必要に応じて、画像データ倍率決定手段92を操作して、画像データ拡大/縮小部70により、画像データ選択部68に二次元的に展開されて、記憶された画像データが拡大あるいは縮小し、画像データを、拡大/縮小画像データ記憶部72に、二次元的に展開して、記憶させる。次いで、拡大/縮小画像データ記憶部72に二次元的に展開されて、記憶された画像データは、データ合成部78により読み出され、合成データ記憶部82に、二次元的に展開されて、記憶される。その後、操作者が、データ領域指定手段98を操作して、合成データ記憶部82に二次元的に展開されて、記憶された画像データの一部の領域を指定すると、指定された画像データが、ウインドメモリ84に送られて、二次元的に展開されて、記憶され、画像表示指示手段100が操作されると、画像表示部86により、CRT50の画面上に、画像として表示される。
【0054】
薄層クロマトグラフィー(TLC)法を利用した放射性標識された薬物代謝物質の一次元展開により得られる試料のオートラジオグラフィ画像は、複数のレーンを有し、各レーン内には、一次元的に分布された複数のスポット画像領域が形成されている。かかるオートラジオグラフ検出システムにおいては、しばしば、図形を用いて、画像領域を画定し、濃度のプロファイルを求めて、画像の解析がなされる。
【0055】
所望の画像領域内の濃度のプロファイルを求めるために、図形を用いて、CRT50の画面上に表示された画像中の画像領域を画定する場合には、操作者は、まず、マウスを用いて、データ合成指示手段96を操作して、画像データと図形データの合成を指示する。次いで、CRT50の画面上に表示された画像を観察しながら、所望の画像領域が画定されるように、マウスを操作することにより、図形データ表示手段94を操作すると、マウスの操作に応じた位置情報を含む図形データ表示信号が図形データ設定部76に入力され、図形データ設定部76により、その位置情報に対応する図形データが、図形データ記憶部74から読み出され、画像データ中における所望の図形に対応する図形データの座標データが記憶される。次いで、図形データは、データ合成部78に読み出されて、拡大/縮小画像データ記憶部72に二次元的に展開され、記憶された画像データと合成されて、合成データ記憶部82に、二次元的に展開されて、記憶され、ウインドメモリ84を経て、CRT50の画面上に表示された画像上に、図形データに基づいて、図形が表示される。
【0056】
こうして表示された図形により囲まれた画像領域の濃度プロファイルを求める時は、操作者は、プロファイルデータ生成指示手段110を操作し、プロファイルデータ生成部86に、プロファイルデータ生成信号を入力して、図形によって囲まれた画像領域の画素毎の濃度レベルを積算させ、濃度プロファイルデータを生成させる。生成された濃度プロファイルデータは、ウインドメモリ84に出力され、一時的に記憶された後、濃度プロファイルとして、CRT50の画面上に表示される。図4は、こうして、生成され、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイルを示している。
【0057】
オートラジオグラフィなどの技術分野においては、さらに、こうして表示された濃度プロファイル中に関心領域を設定して、関心領域内の画像を定量解析することもまた、しばしば要請される。そこで、本実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置30は、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイル中に関心領域を設定可能に構成されている。
【0058】
すなわち、ユーザーが、関心領域設定指示手段114に、第一の関心領域Aの設定を指示すると、関心領域設定部88には、関心領域設定指示信号が入力される。次いで、ユーザーが、マウス(図示せず)のポインタを、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイル中に、第一の関心領域Aの始点に合わせて、マウスのボタンをクリックし、さらに、第一の関心領域Aの終点まで、マウスをドラッグして、マウスのボタンを離すと、画像中に関心領域を設定したのと同様にして、ウインドメモリ84内に記憶されたプロファイルデータ中に、第一の関心領域Aの始点および終点に対応する座標値ASおよびAT(AS<AT)が指定される。関心領域設定部88は、ウインドメモリ84にアクセスして、第一の関心領域Aの始点の座標値ASおよび終点の座標値ATを読み出し、記憶する。第一の関心領域は、初めて、濃度プロファイル中に設定するものであるので、関心領域設定部88は、ユーザーによって設定された第一の関心領域Aの始点と終点のいかんを問わず、ウインドメモリ84に、関心領域表示信号を出力して、第一の関心領域Aの始点の座標値ASおよび終点の座標値ATに基づいて、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第一の関心領域Aを形成する。その結果、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第一の関心領域Aが表示される。
【0059】
さらに、濃度プロファイル中に、第二の関心領域Bを設定すべきときは、ユーザーは、再度、関心領域設定指示手段114に、第二の関心領域Bの設定を指示し、関心領域設定部88に、関心領域設定指示信号が入力される。次いで、ユーザーが、マウスのポインタを、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイル中に、第二の関心領域Bの始点に合わせて、マウスのボタンをクリックし、さらに、第二の関心領域Bの終点まで、マウスをドラッグして、マウスのボタンを離すと、ウインドメモリ84内に記憶されたプロファイルデータ中に、第二の関心領域Bの始点および終点に対応する座標値BSおよびBT(BS<BT)が指定される。関心領域設定部88は、ウインドメモリ84にアクセスして、第二の関心領域Bの始点の座標値BSおよび終点の座標値BTを読み出し、記憶する。
【0060】
本実施態様においては、関心領域設定部88は、ユーザーから、関心領域設定指示手段114に入力された関心領域設定指示信号に応じて、以下のアルゴリズムにしたがって、新たに設定されるべき第二の関心領域Bを設定する。
【0061】
すなわち、図5(A)に模式的に示されるように、新たに設定される関心領域の一部が、すでに設定されている関心領域に重なり合うように、その設定が指示された場合、換言すれば、図5(A)(a)に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域よりも、座標値の小さい側に、かつ、その一部が、すでに設定されている関心領域に重なり合うように、その設定が指示された場合、および、図5(A)(b)に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域よりも、座標値の大きい側に、かつ、その一部が、すでに設定されている関心領域に重なり合うように、その設定が指示された場合には、それぞれ、図5(B)(a)および(b)に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域の座標値が小さい側およびすでに設定されている関心領域の座標値が大きい側において、すでに設定されている関心領域に隣接して、連続的に設定される。より詳細には、図5(A)(a)の場合には、新たに設定される関心領域の終点の座標値がすでに設定されている関心領域の始点の座標値−1に補正され、また、図5(A)(b)の場合には、新たに設定される関心領域の始点の座標値がすでに設定されている関心領域の終点の座標値+1に補正されて、新たに関心領域が設定される。これによって、ユーザーが、細心の注意を払って、新たに設定する関心領域の始点または終点が、すでに設定されている関心領域の終点または始点に隣接した位置に来るように、マウスをドラッグして、新たな関心領域の設定を指示しなくても、容易に、新たな関心領域を、すでに設定されている関心領域に隣接して、連続的に設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、新たな関心領域を、すでに設定されている関心領域に隣接して、連続的に設定することができる。
【0062】
また、本実施態様においては、図6(A)に模式的に示されるように、新たな関心領域が、すでに設定されている関心領域と離間して、設定されるように指示された場合、すなわち、図6(A)(a)に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域よりも、座標値の小さい側に離間して、その設定が指示されている場合、および、図6(A)(b)に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域よりも、座標値の大きい側に離間して、設定するように指示されている場合には、ユーザーの指示どおりに、新たに、関心領域が設定されるように構成されている。
【0063】
さらに、本実施態様においては、図7に模式的に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域に含まれるように、ユーザーによってその設定が指示された場合、および、図8に模式的に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている関心領域を含むように、その設定が指示された場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが、領域設定が不可能なように、新たに、関心領域を設定することはあり得ないから、関心領域設定部88は、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと判断して、ウインドメモリ84に設定不能信号を出力し、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させるように構成されている。
【0064】
図9は、第一の関心領域Aに加えて、第二の関心領域Bを設定するフローを示すフローチャートである。
図9に示されるように、関心領域設定部88は、まず、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えているか否か、すなわち、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも、座標値の大きい側に設定されるように、指示されているか否かを判定する。
【0065】
その結果、YESのときは、BS<BTであるので、ユーザーは、第一の関心領域Aの終点の座標値ATよりも大きい座標値BSを始点として、第二の関心領域Bを設定しようとしていると認められ、すなわち、第二の関心領域Bを、第一の関心領域Aよりも、座標値の大きい側に設定しようとしていると認められ、第一の関心領域Aと第二の関心領域Bとの間に、オーバーラップはなく、図6(A)(b)に相当するので、関心領域設定部88は、ユーザーの指定した第二の関心領域Bの始点の座標値BSおよび終点の座標値BTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第二の関心領域Bを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第二の関心領域Bを表示させる。
【0066】
他方、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えていないとき、すなわち、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下のときは、関心領域設定部88は、さらに、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満か否か、すなわち、図6(A)(a)に示されるように、ユーザーが、第二の関心領域Bを第一の関心領域Aよりも、座標値の小さい側に設定しようとしているか否かを判定する。
【0067】
その結果、YESのときは、ユーザーは、図6(A)(a)に示されるように、第二の関心領域Bを第一の関心領域Aよりも、座標値の小さい側に設定しようとしていると認められ、第一の関心領域Aと第二の関心領域Bとの間に、オーバーラップはないので、図6(A)(a)に示されるように、関心領域設定部88は、ユーザーの指定した第二の関心領域Bの始点の座標値BSおよび終点の座標値BTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第二の関心領域Bを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第二の関心領域Bを表示させる。
【0068】
これに対して、NOであって、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満ではないとき、すなわち、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上のときは、図5(A)(a)、図5(A)(b)、図7および図8のいずれに該当するか明らかでないので、関心領域設定部88は、さらに、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満か否か、すなわち、図5(A)(a)および図8あるいは図5(A)(b)および図7のいずれかかを判定する。
【0069】
その結果、YESのときは、図5(A)(a)または図8のいずれかに相当し、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であり、かつ、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるが、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以上であるか否かによって、第二の関心領域Bが第一の関心領域Aを含み、図8に該当するか、あるいは、第二の関心領域Bの一部と第一の関心領域Aの一部がオーバーラップし、図5(A)(a)に該当するかか決定されるので、関心領域設定部88は、さらに、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以上であるか否かを判定する。
【0070】
その結果、YESのときは、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満で、かつ、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以上であるから、第二の関心領域Bが第一の関心領域Aを含み、図8に該当することになる。しかしながら、ユーザーが、第二の関心領域Bを第一の関心領域A内に含まれるように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第二の関心領域Bを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0071】
他方、NOのとき、すなわち、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満で、かつ、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT未満であるときは、第二の関心領域Bの終点が第一の関心領域A内に含まれており、第二の関心領域Bの一部と第一の関心領域Aの一部がオーバーラップし、図5(A)(a)に該当することになると認められる。このように、第一の関心領域Aよりも座標値の小さい側に、第二の関心領域Bの一部と第一の関心領域Aの一部がオーバーラップするように濃度プロファイル中に設定される場合には、ユーザーは、第二の関心領域Bを、座標値の小さい側に、第一の関心領域Aに隣接して、連続的に設けるように指示したと認められ、したがって、関心領域設定部88は、第二の関心領域Bの終点の座標値BTをAS−1に補正して、ユーザーの指定した第二の関心領域Bの始点の座標値BSおよび補正された第二の関心領域Bの終点の座標値BTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力して、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に、第二の関心領域Bを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第二の関心領域Bを表示させる。
【0072】
これに対して、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満ではなく、第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるときは、第二の関心領域Bの始点の座標値BSは第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下であるから、図5(A)(b)または図7のいずれかに該当することになる。すなわち、BS<BTであるので、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下であれば、第二の関心領域Bは第一の関心領域A内に含まれ、図7に該当することになり、他方、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えていれば、第二の関心領域Bの一部と第一の関心領域Aの一部がオーバーラップして、図5(A)(b)に該当することになる。そこで、関心領域設定部88は、さらに、図5(A)(b)または図7のいずれかに該当するかを判定するため、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下か否かを判定する。
【0073】
その結果、YESであれば、第二の関心領域Bの始点の座標値BSの終点も第一の関心領域A内に含まれ、第二の関心領域Bは第一の関心領域A内に完全に含まれており、図7に該当すると認められる。しかしながら、ユーザーが、第二の関心領域Bを第一の関心領域A内に含まれるように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが、ユーザーが領域設定が不可能になるように、第二の関心領域Bを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0074】
これに対して、NOのときは、第二の関心領域Bの始点の座標値BSは第一の関心領域A内に含まれているが、第二の関心領域Bの終点の座標値BTは第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越え、第二の関心領域Bの一部と第一の関心領域Aの一部がオーバーラップしており、図5(A)(b)に該当するものと認められる。このように、しかしながら、第一の関心領域Aよりも座標値の大きい側に、第二の関心領域Bの一部が第一の関心領域Aの一部とオーバーラップするように濃度プロファイル中に設定される場合には、ユーザーは、第二の関心領域Bを、座標値の大きい側に、第一の関心領域Aに隣接して、連続的に設けるように指示したと認められ、したがって、関心領域設定部88は、第二の関心領域Bの始点の座標値BSをAT+1に補正し、補正された第二の関心領域Bの始点の座標値BSおよびユーザーの指定した第二の関心領域Bの終点の座標値BTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第二の関心領域Bを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第二の関心領域Bを表示させる。
【0075】
こうして、濃度プロファイル中に、第一の関心領域Aに加えて、第二の関心領域Bが設定される。
【0076】
さらに、濃度プロファイル中に、第三の関心領域Cを設定すべきときは、ユーザーは、再度、関心領域設定指示手段114に、第三の関心領域Cの設定を指示し、関心領域設定部88に、関心領域設定指示信号が入力される。次いで、ユーザーが、マウスのポインタを、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイル中に、第三の関心領域Cの始点に合わせて、マウスのボタンをクリックし、さらに、第三の関心領域Cの終点まで、マウスをドラッグして、マウスのボタンを離すと、ウインドメモリ84内に記憶されたプロファイルデータ中に、第三の関心領域Cの始点および終点に対応する座標値CSおよびCT(CS<CT)が指定される。関心領域設定部88は、ウインドメモリ84にアクセスして、第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTを読み出し、記憶する。
【0077】
本実施態様においては、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bに加えて、第三の関心領域を設定するときは、ユーザーから、関心領域設定指示手段114に入力された関心領域設定指示信号に応じて、新たに設定される第三の関心領域Cが、すでに設定されている第一の関心領域Aまたは第二の関心領域Bと、図5ないし図8の関係にあるときは、関心領域設定部88は、図5ないし図8につき、上述したアルゴリズムにしたがって、第三の関心領域Cを設定するが、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bの双方との関係で、関心領域設定部88は、さらに、以下のアルゴリズムを追加的に適用して、新たに設定されるべき第三の関心領域Cを設定する。
【0078】
すなわち、図10(A)に模式的に示されるように、新たに設定される関心領域の一部が、すでに設定されている2つの関心領域のそれぞれに重なり合うように、その設定が指示された場合、換言すれば、新たに設定される関心領域の始点が、すでに設定されている座標値の小さい側の関心領域内に含まれ、かつ、新たに設定される関心領域の終点が、すでに設定されている座標値の大きい側の関心領域内に含まれている場合には、関心領域設定部88は、図10(B)に示されるように、新たに設定される関心領域の始点の座標値を、すでに設定され、始点が含まれている関心領域の終点の座標値+1に補正するとともに、新たに設定される関心領域の終点の座標値を、すでに設定され、終点が含まれている関心領域の終点の座標値−1に補正して、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている2つの関心領域のそれぞれに隣接して、ユーザーの指示に応じた位置に、連続的に設定されるように構成されている。これによって、ユーザーが、細心の注意を払って、マウスをドラッグし、新たに設定する関心領域の始点を、すでに設定されている2つの関心領域の一方の終点に隣接するように位置させるとともに、新たに設定する関心領域の終点を、すでに設定されている2つの関心領域の他方の始点に隣接するように位置させなくても、容易に、新たな関心領域を、すでに設定されている2つの関心領域のそれぞれにに隣接して、連続的に設定することができ、習熟していないユーザーであっても、所望のように、新たな関心領域を、すでに設定されている関心領域に隣接して、連続的に設定することができる。
【0079】
また、本実施態様においては、図11(A)に模式的に示されるように、新たな関心領域が、すでに設定されている2つの関心領域の間に、それぞれと離間して、設定されるように指示された場合には、ユーザーの指示どおりに、新たに、関心領域が設定されるように構成されている。
【0080】
さらに、本実施態様においては、図12に模式的に示されるように、新たに設定される関心領域が、すでに設定されている2以上の関心領域を含むように、その設定が指示された場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが、領域設定が不可能なように、新たに、関心領域を設定することはあり得ないから、関心領域設定部88は、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと判断して、ウインドメモリ84に設定不能信号を出力し、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させるように構成されている。
【0081】
図13および図14は、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に設定されている場合において、第三の関心領域Cを設定するフローを示すフローチャートである。図13および図14において、A:は、図中のすでに形成されている関心領域が、第一の関心領域Aであることを示し、B:は、図中のすでに形成されている関心領域が、第二の関心領域Bであること、A、B:は、図中のすでに形成されている関心領域が、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bであることを示している。
【0082】
図13および図14に示されるように、関心領域設定部88は、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATよりも大きく、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に設定されている場合には、まず、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越えているか否か、すなわち、第三の関心領域Cが、第二の関心領域Bよりも座標値が大きい側に設定されるように指示されているか否かを判定する。
【0083】
その結果、YESのときは、ユーザーは、第二の関心領域Bの終点の座標値BTよりも大きい座標値CSを始点として、第三の関心領域Cを設定しようとしていると認められ、すなわち、第二の関心領域Bよりも座標値が大きい側に、第三の関心領域Cを設定しようとしていると認められ、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bと第三の関心領域Cとの間に、オーバーラップは存せず、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図6(A)(b)に相当するので、図6(B)(b)に示されるように、関心領域設定部88は、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0084】
これに対して、NOであるとき、すなわち、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの終点の座標値BT以下のときは、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満か否か、すなわち、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図6(A)(a)に示されるように、ユーザーが、第三の関心領域Cを第一の関心領域Aよりも、座標値の小さい側に設定しようとしているか否かを判定する。
【0085】
その結果、YESであるときは、ユーザーは、第一の関心領域Aの始点の座標値ASよりも小さい座標値CTで終わる位置に、第三の関心領域Cを設定しようとしていると認められ、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bと、第三の関心領域Cとの間に、オーバーラップはなく、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図6(A)(a)に相当するので、関心領域設定部88は、図6(A)(a)に示されるように、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0086】
これに対して、NOであるとき、すなわち、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満ではなく、かつ、第三の関心領域Bの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上のときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(b)、図7および図8、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8ならびにすでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図10(A)、図11(A)および図12のいずれの場合に相当するかは明らかでない。したがって、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満か否かを判定する。
【0087】
その結果、YESのときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)および図8のいずれかに相当するか、あるいは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図12に相当し、いずれに相当するかは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTがどこに位置するかによって決定される。そこで、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT未満か否かを判定する。
【0088】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であり、かつ、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT未満であって、ユーザーは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)に示されるとおり、第一の関心領域Aよりも座標値の小さい側に、第三の関心領域Cの一部と第一の関心領域Aの一部とがオーバーラップするように、第三の関心領域Cを設定しようとしたものと認められる。このように、第一の関心領域Aよりも座標値の小さい側に第三の関心領域Cの一部と第一の関心領域Aの一部とがオーバーラップするように濃度プロファイル中に設定される場合には、ユーザーは、第三の関心領域Cを、座標値の小さい側に、第一の関心領域Aに隣接して、連続的に設けるように指示したと認められる。したがって、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの終点の座標値CTをAS−1に補正し、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび補正された第三の関心領域Cの終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0089】
他方、NOのときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であり、かつ、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以上であるから、図8あるいは図12に示されるように、第三の関心領域Cは少なくとも第一の関心領域Aを含んでいることになる。しかしながら、ユーザーが、第三の関心領域Cが少なくとも第一の関心領域Aを含むように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0090】
これに対して、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるときは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるから、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)および図7、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図10(A)および図11(A)のいずれかに相当する。したがって、関心領域設定部88は、まず、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下であるか否か、すなわち、第三の関心領域Cが第一の関心領域A内に含まれ、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図7に相当するか否かを判定する。
【0091】
その結果、YESのときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図7に相当し、第三の関心領域Cは第一の関心領域A内に含まれることになり、第三の関心領域Cを第一の関心領域A内に含まれるように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0092】
これに対して、NOで、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えているときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるから、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、第一の関心領域Aおよびすでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図10(A)および図11(A)のいずれかに相当する。したがって、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下か否かを判定する。
【0093】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cの始点は第一の関心領域A内に位置していることになり、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)あるいはすでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図10(A)に相当し、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であるか否かによって、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)に相当するかあるいはすでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図10(A)に相当するかが決定されることになる。したがって、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であるか否かを判定する。
【0094】
その結果、YESであれば、第三の関心領域Cの始点の座標値CSは第一の関心領域A内に含まれているが、第三の関心領域Cの終点の座標値CTは第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越え、かつ、第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であって、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)に示されるように、第三の関心領域Cの一部が第一の関心領域Aの一部とオーバーラップし、第三の関心領域Cと第二の関心領域Bとのオーバーラップはないと認められる。このように、第三の関心領域Cの一部が第一の関心領域Aの一部とオーバーラップするように濃度プロファイル中に設定される場合には、ユーザーは、第一の関心領域Aの終点に隣接して、第三の関心領域Cの始点が位置するように、第三の関心領域Cを設定しようとしたものと認められる。一方、第三の関心領域Cは第二の関心領域Bからは離間して設定されるように指示されているから、ユーザーは、第三の関心領域Cを第二の関心領域Bと隣接して設定しようとはしてはいないと認められる。したがって、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの始点の座標値CSをAT+1に補正し、補正された第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよびユーザーが指定した第三の関心領域Cの終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0095】
これに対して、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上であるときは、第一の関心領域Aおよびすでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図10(A)に示されるように、第三の関心領域Cは、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bの双方の一部とオーバーラップしていることになる。このように、関心領域が濃度プロファイル中に互いにオーバーラップして設定される場合には、ユーザーは、第三の関心領域Cをその始点が第一の関心領域Aの終点に隣接し、その終点が第二の関心領域Bの始点に隣接するように、設定しようとしていると認められるので、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの始点の座標値CSをAT+1に補正するとともに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTをBS−1に補正して、補正された第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTに基づいて、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0096】
他方、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えているときは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えているのであるから、CS<CTというだけでは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTを確定することができず、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図11(A)のいずれに相当するかが明らかでない。そこで、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であるか否かを判定する。
【0097】
その結果、YESであるときは、第三の関心領域Cは、互いに離間して設定された第一の関心領域Aと第二の関心領域Bとの間に、それぞれと離間するように、設定されており、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図6(A)(a)に相当し、かつ、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bである場合の図11(A)に相当すると認められるから、関心領域設定部88は、図11(B)に示されるように、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0098】
これに対して、NOで、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上であるときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えているというだけでは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図7および図8のいずれに相当するかが明らかでないので、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であるか否かを判定する。
【0099】
その結果、YESのときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)および図8のいずれかに相当するが、いずれに相当するかは、第三の関心領域Cの終点が第二の関心領域B内に位置するか否かによって決まる。そこで、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT未満か否かを判定する。
【0100】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cの終点は、第二の関心領域B内に位置しており、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)に相当し、第三の関心領域Cの一部と第二の関心領域Bの一部とがオーバーラップしていると認められる。このように、ユーザーが、関心領域を濃度プロファイル中に互いにオーバーラップして設定した場合には、第三の関心領域Cの終点が第二の関心領域Bの始点と隣接するように、第三の関心領域Cを第二の関心領域Bに連続して設定しようとしたものと認められるから、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの終点の座標値CTをBS−1に補正して、補正した第三の関心領域Cの終点の座標値CTおよびユーザーが指定した始点の座標値CSに基づいて、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0101】
これに対して、NOのとき、すなわち、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT以上であるときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図8に相当し、第三の関心領域Cは第二の関心領域Bを含んでいることになる。しかしながら、第三の関心領域Cが第一の関心領域を含むように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0102】
これに対して、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上のときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)および図7にいずれかに相当するので、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT以下か否かを判定する。
【0103】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cは第二の関心領域B内に含まれており、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図7に相当することになる。しかしながら、第三の関心領域Cが第二の関心領域B内に含まれるように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0104】
他方、NOのとき、すなわち、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越えているときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)に該当し、第三の関心領域Cの一部と第二の関心領域Bの一部がオーバーラップするように、ユーザーが第三の関心領域Cを設定したことになる。この場合は、ユーザーは、第二の関心領域Bの終点に隣接して、第三の関心領域Cの始点が位置するように、第三の関心領域Cを設定しようしたものと認められるから、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの始点の座標値CSをBT+1に補正し、補正された第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよびユーザーの指定した第三の関心領域Cの終点の座標値CTに基づき、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0105】
こうして、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATよりも大きく、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に設定されている場合に、第三の関心領域Cが設定される。
【0106】
これに対して、第二の関心領域Bの終点の座標値BTが第一の関心領域Aの始点の座標値ASよりも小さく、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が小さい側に設定されている場合には、関心領域設定部88は、まず、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Bの終点の座標値ATを越えているか否か、すなわち、第三の関心領域Cが、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に設定されるように指示されているか否かを判定する。
【0107】
その結果、YESのときは、ユーザーは、第一の関心領域Aの終点の座標値ATよりも大きい座標値CSを始点として、第三の関心領域Cを設定しようとしていると認められ、すなわち、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に、第三の関心領域Cを設定しようとしていると認められ、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bと第三の関心領域Cとの間に、オーバーラップは存せず、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図6(A)(b)の場合に相当するので、図6(B)(b)に示されるように、関心領域設定部88は、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0108】
これに対して、NOであるとき、すなわち、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下のときは、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満か否か、すなわち、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図6(A)(a)に示されるように、ユーザーが、第三の関心領域Cを第二の関心領域Bよりも、座標値の小さい側に設定しようとしているか否かを判定する。
【0109】
その結果、YESであるときは、ユーザーは、第二の関心領域Bの始点の座標値BSよりも小さい座標値CTで終わる位置に、第三の関心領域Cを設定しようとしていると認められ、第一の関心領域Aおよび第二の関心領域Bと第三の関心領域Cとの間に、オーバーラップはなく、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図6(A)(a)に相当するので、関心領域設定部88は、図6(A)(b)に示されるように、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0110】
これに対して、NOのとき、すなわち、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満ではなく、第三の関心領域Bの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上のときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(b)、図7および図8、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図10(A)、図11(A)および図12のいずれの場合に相当するかは明らかでない。したがって、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満か否かを判定する。
【0111】
その結果、YESのときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)および図8のいずれかに相当するか、あるいは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Cである場合の図12に相当し、いずれに相当するかは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTがどこに位置するかによって決定される。そこで、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT未満か否かを判定する。
【0112】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であり、かつ、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT未満であって、ユーザーは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(a)に示されるとおり、第二の関心領域Bよりも座標値の小さい側に、第三の関心領域Cの一部と第二の関心領域Bの一部とがオーバーラップするように、第三の関心領域Cを設定しようとしたものと認められる。したがって、ユーザーは、第三の関心領域Cを、座標値の小さい側に、第二の関心領域Bに隣接して、連続的に設けるように指示したと認められるから、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの終点の座標値CTをBS−1に補正し、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび補正された第三の関心領域Cの終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0113】
他方、NOであるときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS未満であり、かつ、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT以上であるから、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図8あるいは図12に相当し、第三の関心領域Cは少なくとも第二の関心領域Bを含んでいることになる。しかしながら、ユーザーが、第三の関心領域Cが少なくとも第二の関心領域Bを含むように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0114】
これに対して、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上であるときは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上であるから、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)および図7、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図10(A)および図11(A)のいずれかに相当する。したがって、関心領域設定部88は、まず、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BT以下であるか否か、すなわち、第三の関心領域Cが第二の関心領域B内に含まれ、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図7に相当するか否かを判定する。
【0115】
その結果、YESのときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図7に相当し、第三の関心領域Cは第二の関心領域B内に含まれることになり、第三の関心領域Cを第二の関心領域B内に含まれるように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0116】
これに対して、NOで、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越えているときは、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの始点の座標値BS以上であるから、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図10(A)および図11(A)のいずれかに相当する。したがって、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの終点の座標値BT以下か否かを判定する。
【0117】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cの始点は第二の関心領域B内に位置していることになり、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)あるいはすでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図10(A)に相当し、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であるか否かによって、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)に相当するかあるいはすでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図10(A)に相当するかが決定されることになる。したがって、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であるか否かを判定する。
【0118】
その結果、YESであれば、第三の関心領域Cの始点の座標値CSは第二の関心領域B内に含まれているが、第三の関心領域Cの終点の座標値CTは第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越え、かつ、第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であるから、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図5(A)(b)に相当し、第三の関心領域Cの一部が第二の関心領域Bの一部とオーバーラップし、第三の関心領域Cと第一の関心領域Aとのオーバーラップはないと認められる。したがって、ユーザーは、第二の関心領域Bの終点に隣接して、第三の関心領域Cの始点が位置するように、第三の関心領域Cを設定しようとしたものと認められる。一方、第三の関心領域Cは第一の関心領域Aからは離間して設定されるように指示されているから、ユーザーは、第三の関心領域Cを第一の関心領域Aと隣接して設定しようとはしてはいないと認められる。したがって、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの始点の座標値CSをBT+1に補正し、補正された第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよびユーザーが指定した第三の関心領域Cの終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0119】
これに対して、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるときは、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図10(A)に相当し、第三の関心領域Cは、第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aの双方の一部とオーバーラップしていることになり、関心領域が濃度プロファイル中に互いにオーバーラップして設定される場合には、ユーザーが、第三の関心領域Cをその始点が第二の関心領域Bの終点に隣接し、その終点が第一の関心領域Aの始点に隣接するように、設定しようとしていると認められるので、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの始点の座標値CSをBT+1に補正するとともに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTをAS−1に補正して、補正された第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTに基づいて、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成して、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0120】
他方、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越えているときは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越えているのであるから、CS<CTというだけでは、第三の関心領域Cの終点の座標値CTを確定することができず、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図6(A)(a)、図7および図8、ならびに、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図11(A)のいずれに相当するかが明らかでない。そこで、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であるか否かを判定する。
【0121】
その結果、YESであるときは、第三の関心領域Cは、互いに離間して設定された第二の関心領域Bと第一の関心領域Aとの間に、それぞれと離間するように、設定されており、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bである場合の図6(A)(a)に相当し、かつ、すでに設定されている関心領域が第二の関心領域Bおよび第一の関心領域Aである場合の図11(A)に相当すると認められるから、関心領域設定部88は、図11(B)に示されるように、ユーザーの指定した第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよび終点の座標値CTにしたがって、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0122】
これに対して、NOあって、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上であるときには、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第二の関心領域Bの終点の座標値BTを越えているというだけでは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)、図5(A)(b)、図7および図8のいずれに相当するかが明らかでないので、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS未満であるか否かを判定する。
【0123】
その結果、YESのときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)および図8のいずれかに相当するが、いずれに相当するかは、第三の関心領域Cの終点が第一の関心領域A内に位置するか否かによって決まる。そこで、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT未満か否かを判定する。
【0124】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cの終点は、第一の関心領域A内に位置しており、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(a)に相当し、第三の関心領域Cの一部と第一の関心領域Aの一部とがオーバーラップしていると認められる。このように、ユーザーが、関心領域を濃度プロファイル中に互いにオーバーラップして設定した場合には、第三の関心領域Cを第一の関心領域Aに連続して設定しようとしたものと認められるから、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの終点の座標値CTをAS−1に補正して、補正した第三の関心領域Cの終点の座標値CTおよびユーザーが指定した始点の座標値CSに基づいて、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0125】
これに対して、NOのとき、すなわち、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以上であるときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図8に相当し、第三の関心領域Cは第一の関心領域Aを含んでいることになる。しかしながら、第三の関心領域Cが第一の関心領域Aを含むように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0126】
これに対して、第三の関心領域Cの始点の座標値CSが第一の関心領域Aの始点の座標値AS以上のときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)および図7にいずれかに相当するので、関心領域設定部88は、さらに、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値AT以下か否かを判定する。
【0127】
その結果、YESのときは、第三の関心領域Cは第一の関心領域B内に含まれており、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図7に相当することになる。しかしながら、第三の関心領域Cが第一の関心領域A内に含まれるように設定する場合には、領域設定が不可能であり、ユーザーが領域設定が不可能なように、第三の関心領域Cを設定することはあり得ないから、何らかの理由で、ユーザーがマウスの操作を誤ったものと認められ、したがって、関心領域設定部88は、設定不能信号を、ウインドメモリ84に出力して、CRT50の画面上に、再設定すべき旨のメッセージを表示させる。
【0128】
他方、NOのとき、すなわち、第三の関心領域Cの終点の座標値CTが第一の関心領域Aの終点の座標値ATを越えているときは、すでに設定されている関心領域が第一の関心領域Aである場合の図5(A)(b)に該当し、第三の関心領域Cの一部と第一の関心領域Aの一部がオーバーラップするように、ユーザーが第三の関心領域Cを設定したことになる。この場合は、ユーザーは、第一の関心領域Aの終点に隣接して、第三の関心領域Cの始点が位置するように、第三の関心領域Cを設定しようしたものと認められる。したがって、関心領域設定部88は、第三の関心領域Cの始点の座標値CSをAT+1に補正し、補正された第三の関心領域Cの始点の座標値CSおよびユーザーの指定した第三の関心領域Cの終点の座標値CTに基づき、ウインドメモリ84に関心領域表示信号を出力し、ウインドメモリ84に記憶されているプロファイルデータ中に第三の関心領域Cを形成し、CRT50の画面上の濃度プロファイル中に第三の関心領域Cを表示させる。
【0129】
こうして、第二の関心領域Bの始点の座標値BSが第一の関心領域Aの終点の座標値ATよりも小さく、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が小さい側に設定されている場合に、第三の関心領域Cが設定される。
【0130】
図15は、以上のようにして、第一の関心領域A、第二の関心領域Bおよび第三の関心領域Cが、この順に、濃度プロファイル中に設定されたCRTの画面を示している。
【0131】
同様にして、必要に応じて、第四の関心領域、第五の関心領域・・・が、始点と終点の座標値にしたがって、すでに設定された関心領域のいずれかと隣接するように、設定される。
【0132】
本実施態様によれば、薄層クロマトグラフィーの分野などにおけるように、CRT50の画面上に表示された濃度プロファイル中に、互いに連続的に隣接する領域を関心領域として画定し、定量解析をする必要がある場合に、ユーザーが、濃度プロファイル中に、すでに設定した関心領域とオーバーラップするように、新たな関心領域の始点と終点を指定すれば、自動的に、すでに設定した関心領域と連続するように、濃度プロファイル中に、新たな関心領域が設定され、また、ユーザーが、すでに設定した関心領域と離間して、新たな関心領域を設定する場合には、ユーザーの指定した新たな関心領域の始点と終点に基づいて、新たな関心領域が設定されるように構成されているから、ユーザーが、細心の注意を払って、新たな関心領域の始点と終点とを、すでに設定した関心領域とオーバーラップしないように、厳密に指定しなくとも、新たな関心領域を、すでに設定された関心領域に連続的に隣接して設定することが可能になり、習熟していないユーザーであっても、所望のように、関心領域を設定することができる。
【0133】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0134】
たとえば、前記実施態様においては、薄層クロマトグラフィー(TLC)法を利用した放射性標識された薬物代謝物質の一次元展開により得られる試料のオートラジオグラフィ画像の濃度プロファイル中に複数の関心領域を設定する場合につき、説明を加えたが、本発明は、かかるオートラジオグラフィに限定されることなく、たとえば、蛋白質の薄層クロマトグラフィ(TLC)により生成されたオートラジオグラフィ画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうオートラジオグラフィ画像、マウスなどの実験動物における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態などを研究するためのオートラジオグラフィ画像、サザン・ブロット・ハイブリダイゼーション法を利用した遺伝子中の放射性標識物質のオートラジオグラフィ画像などのオートラジオグラフィ画像の濃度プロファイル中に複数の関心領域を設定する場合はもとより、サザン・ブロット・ハイブリダイゼーション法を用いた遺伝子の化学発光画像、蛋白質の薄層クロマトグラフィにより生成された化学発光画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうための化学発光画像などの化学発光法を利用した化学発光画像の濃度プロファイル中に複数の関心領域を設定する場合にも、電子顕微鏡を用いて生成された金属または非金属試料の電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織などの電子顕微鏡画像、金属あるいは非金属試料などの放射線回折画像、さらには、蛍光画像の濃度プロファイル中に複数の関心領域を設定する場合にも、広く適用することができる。
【0135】
また、本発明においては、新たに設定する関心領域の一方の端点が、すでに設定されている関心領域内に位置するように設定された場合に、新たに設定する関心領域の始点が、すでに設定されている関心領域内に位置するように設定されたときは、始点の座標値がすでに設定されている関心領域の終点の座標値+1の値に、新たに設定する関心領域の終点が、すでに設定されている関心領域内に位置するように設定されたときは、終点の座標値がすでに設定されている関心領域の始点の座標値−1の値に、それぞれ、設定されればよく、そのように、新たに設定する関心領域の始点または終点の座標値を補正するためのアルゴリズムは、前記実施態様において用いられたアルゴリズムに限定されるものではなく、任意のアルゴリズムを採用することができる。
【0136】
さらに、前記実施態様においては、新たに設定する関心領域の一方の端点が、すでに設定されている関心領域内に位置するように設定された場合には、つねに、新たな関心領域が、すでに設定されている関心領域と隣接するように、始点および終点の座標値の一方が補正されて、設定され、他方、新たに設定する関心領域の始点および終点の双方が、すでに設定されている関心領域内に位置していないときは、ユーザーが指示した始点および終点の座標値にしたがって、新たな関心領域が設定されるように構成されているが、関心領域を任意に設定し得る任意設定モードと、関心領域を隣接して、連続的に設定する連続設定モードとの間で切り替えるモード切り替え手段を設け、任意設定モードに設定されているときは、ユーザーが指示した始点および終点の座標値にしたがって、新たな関心領域を設定し、連続設定モードに設定されているときは、ユーザーが指示した始点および終点の座標値にかかわらず、関心領域を隣接して、連続的に設定するように構成することもできる。
【0137】
また、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シート1を用いて、試料中の放射性標識物質の位置情報を電気信号に変換して得た画像データを、CRT50の画面上に、可視画像として表示しているが、蓄積性蛍光体シート1に代えて、写真フィルムを用いて、一旦、可視画像を形成し、この可視画像を光電的に読み取り、電気信号に変換した画像データに対して、同様の処理をおこなうことも可能である。
【0138】
さらに、本発明において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアにより実現される場合も包含する。また、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0139】
【発明の効果】
本発明によれば、習熟していないユーザーであっても、濃度プロファイル中に、所望のように、複数の関心領域を画定して、定量解析を実行することのできる画像解析装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置によって解析すべき画像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置および画像読み取り装置のブロックダイアグラムである。
【図3】図3は、データ処理手段のブロックダイアグラムである。
【図4】図4は、濃度プロファイルが表示されたCRTの画面を示す図面である。
【図5】図5は、すでに設定されている関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図6】図6は、すでに設定されている関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図7】図7は、すでに設定されている関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図8】図8は、すでに設定されている関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図9】図9は、図9は、第一の関心領域Aに加えて、第二の関心領域Bを設定するフローを示すフローチャートである。
【図10】図10は、すでに設定されている2つの関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図11】図11は、すでに設定されている2つの関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図12】図12は、すでに設定されている2つの関心領域に加えて、新たに関心領域を設定する際のアルゴリズムを模式的に示す図面である。
【図13】図13は、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に設定されている場合において、第三の関心領域Cを設定するフローを示すフローチャートである。
【図14】図14は、第二の関心領域Bが、第一の関心領域Aよりも座標値が大きい側に設定されている場合において、第三の関心領域Cを設定するフローを示すフローチャートである。
【図15】図15は、第一の関心領域A、第二の関心領域Bおよび第三の関心領域Cが、濃度プロファイル中に設定されたCRTの画面を示す図面である。
【符号の説明】
1 蓄積性蛍光体シート
2 レーザ光
3 レーザ光源
4 フィルタ
5 ビーム・エクスパンダ
6 光偏向器
7 fθレンズ
8 平面反射鏡
9 導光性シート
10 光検出器
11 増幅器
12 A/D変換器
13 ラインバッファ
14 送信バッファ
20 画像読み取り装置
30 オートラジオグラフィ画像解析装置
40 画像データ記憶手段
41 画像データ一時記憶部
42 画像データ記憶部
50 CRT
60 データ処理手段
62 受信バッファ
64 データ処理部
66 一時メモリ
68 画像データ選択部
70 画像データ拡大/縮小部
72 拡大/縮小画像データ記憶部
74 図形データ記憶部
78 データ合成部
80 合成画像データ記憶部
82 データ領域選択部
84 ウインドメモリ
86 プロファイルデータ生成部
88 関心領域設定部
92 画像表示部
100 選択画像データ決定手段
102 画像データ倍率決定手段
104 図形データ選択手段
106 データ合成指示手段
110 プロファイルデータ生成指示手段
114 関心領域設定指示手段
116 画像表示指示手段
Claims (11)
- 画像データを記憶する画像データ記憶手段と、該画像データ記憶手段に記憶された画像データの少なくとも一部を、二次元的に展開して、一時的に記憶する画像データメモリ手段と、指示信号を入力する入力手段を備え、前記画像データメモリ手段に一時的に記憶された画像データに基づき、画像を表示手段に表示させるとともに、定量解析する画像解析装置において、前記画像データメモリ手段に一時的に記憶された画像データに基づき、所定の画像領域の濃度のプロファイルデータを生成して、前記画像データメモリ手段に記憶させるプロファイルデータ生成手段と、前記入力手段によって入力された指示信号にしたがって、前記プロファイルデータ生成手段によって生成され、前記画像データメモリ手段に記憶されたプロファイルデータに基づいて、前記表示手段に表示された濃度プロファイル中に、関心領域を設定可能な関心領域設定手段とを備え、前記関心領域設定手段が、前記入力手段から、新たに関心領域の設定が指示されたとき、すでに設定されている関心領域が1つの場合は、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置していないときは、入力された指示信号にしたがって、新たに設定する関心領域の他方の端点を設定するとともに、新たに設定する関心領域を、入力された新たに設定する関心領域の一方の端点の座標値にかかわらず、すでに設定されている前記関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されたことを特徴とする画像解析装置。
- 新たに設定する前記関心領域の一方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する関心領域の他方の端点がすでに設定されている前記関心領域内に位置していない場合に、前記関心領域設定手段が、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の一方の端点の座標値を、すでに設定されている前記関心領域の両端点の座標値と比較して、新たに設定する前記関心領域を、すでに設定された前記関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像解析装置。
- 前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域の2つの端点が、すでに設定されている前記関心領域内にも位置しておらず、かつ、新たに設定する前記関心領域がすでに設定されている前記関心領域を含んでいないときは、前記入力手段により入力された新たに設定する前記関心領域の前記2つの端点の座標値にしたがって、新たに設定する前記関心領域を設定するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像解析装置。
- すでに設定されている関心領域が2以上の場合に、さらに、新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されているいずれかの関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されているいずれの関心領域内にも位置していないときは、前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域を、新たに設定する前記関心領域の前記一方の端点がその関心領域内に位置しているすでに設定されている前記関心領域に連続的に隣接し、新たに設定する前記関心領域の他方の端点が前記入力手段により入力された新たに設定する前記関心領域の前記他方の端点の座標値に等しくなるように、設定するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像解析装置。
- 新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されているいずれかの関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されているいずれの関心領域内にも位置していない場合に、前記関心領域設定手段が、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の前記一方の端点の座標値を、新たに設定する前記関心領域の前記一方の端点がその関心領域内に位置しているすでに設定されているいずれかの前記関心領域の両端点の座標値と比較して、新たに設定する前記関心領域を、すでに設定された前記関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の画像解析装置。
- 新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置しているときは、前記関心領域設定手段が、新たに設定する前記関心領域を、その一方の端点が前記第一の関心領域に連続的に隣接し、かつ、その他方の端点が前記第二の関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の画像解析装置。
- 新たに設定する関心領域が、すでに設定されているいずれの関心領域も含まず、新たに設定する関心領域の一方の端点がすでに設定されている第一の関心領域内に位置し、かつ、新たに設定する前記関心領域の他方の端点がすでに設定されている第二の関心領域内に位置している場合に、前記関心領域設定手段が、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の一方の端点の座標値を、前記第一の関心領域の両端点の座標値と比較するとともに、前記入力手段によって入力された新たに設定する前記関心領域の他方の端点の座標値を、前記第二の関心領域の両端点の座標値と比較して、新たに設定する前記関心領域を、前記第一の関心領域および前記第二の関心領域に連続的に隣接して設定するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の画像解析装置。
- 新たに設定する関心領域が、すでに設定されている関心領域を含んでいるときは、前記関心領域設定手段が、新たな関心領域の設定が不可能であると判定して、再設定信号を出力させるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像解析装置。
- 新たに設定する関心領域が、すでに設定されている関心領域に含まれているときは、前記関心領域設定手段が、新たな関心領域の設定が不可能であると判定して、再設定信号を出力させるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像解析装置。
- 前記画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて、生成されたものであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像解析装置。
- 前記画像データが、オートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像データ、電子顕微鏡画像データ、化学発光画像データおよび蛍光画像データよりなる群から選ばれる画像データにより構成されたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像解析装置。
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